説明

浴室用スイッチ

【課題】本発明は、浴室内において、常に使用者の手元において迅速に操作することができ、防水性にも優れた浴室用スイッチを提供することを課題とする。
【解決手段】
本発明は、浴室天井から吊り下げて使用することのできる浴室用スイッチにおいて、浴室の天井面に固定できる押圧スイッチ付プレート組立体に、浴室空間をカバーできる適切な長さのエアチューブを介して、前記中空ゴム体を気密に接続し、これを押圧することにより、前記押圧スイッチを遠隔操作できるようにしたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浴室用スイッチに係り、特に、浴室天井から吊り下げて使用することのできる浴室用スイッチに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、病院の浴室等に設置される引きスイッチ装置が記載されている。第1図には、浴室等の天井面Sに埋め込まれるスイッチ本体1と、これから吊り下げられるチェーン4a、4bと、チェーン4bの下端に連結された吊輪とを具備し、両チェーン4a、4bの間に脱落装置5を取り付けた引きスイッチ装置が示されている。
【0003】
【特許文献1】・・・・実開昭60−130528号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載された引きスイッチ装置は、ナースコールシステム用の浴室用スイッチとして代表的なものである。この引きスイッチ装置は、吊輪6に手をかけ、引き下げることによってスイッチが作動する。ここで、引き下げ動作を詳細に見ると、一般的には、手首を曲げるより、いうならば、腕全体を使って吊輪を下方に押し付けるような動きになることが多い。
【0005】
このため、この種の引きスイッチ装置には、予想外の過大な牽引力が加わることがある。このような実際の使用状況を踏まえて、強力なチェーンが使用される。ところが、強力なチェーンの場合には、チェーンに規定の力が加わったら自動的にチェーンを切り離す自殺防止用の脱落装置5が必要になる。従って、その構造は複雑であり、高価となる。
【0006】
また、特許文献1の引きスイッチ装置の吊輪の位置と高さは、スイッチ本体1の設置位置と、操作できる高さで決まる位置に固定的に保持され、使用者の手元に寄せて置くことはできない。
【0007】
本発明は、上記従来技術の問題点を解決することができ、防水性に優れた浴室用スイッチを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明による浴室用スイッチは、浴室の天井面に固定できる押圧スイッチ付プレート組立体に、適切な長さのエアチューブを介して、前記中空ゴム体を気密に接続し、中空ゴム体を押圧することにより、前記押圧スイッチを遠隔操作できるようにしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明は上記のように構成されているので、エアチューブの長さを適当に選ぶことにより、中空ゴム体が浴室のどの位置にあっても、中空ゴム体を操作することができる。
【0010】
すなわち、スイッチの操作者は、予め、中空ゴム体を手首に引っ掛けたりして手元におくことができ、浴槽の中にいても、浴槽から出て洗い場に移動しても、何時でも迅速な操作が可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
図1は、本発明の1実施例を示す浴室用スイッチの説明図である。
【0012】
本発明の浴室用スイッチの全体は、浴室の天井面2に設置されるプレート組立体1と、これに接続される遠隔操作ユニット3とに区分される。遠隔操作ユニット3は、プレート組立体1に接続される連結体4と、連結体4に弾力的に嵌合接続されるエアチューブ5と、エアチューブ5の下端に同じく弾力的に嵌合接続される中空ゴム体6とで構成され、必要に応じて、長さ調節手段7が追加される。
【0013】
さらに詳細に見ると、プレート組立体1は、取付プレート1aと、押圧スイッチ1bとを具備している。
【0014】
拡大図にあるように、押圧スイッチ1bは、浴室の水滴、湯気を考慮した防浸タイプのタクタイルスイッチであり、その突出する操作面1cを押圧することによりスイッチ回路が作動するようになっている。
【0015】
なお、押圧スイッチ1bとしては、ヒンジレバータイプのスイッチ等に任意に変更することができるが、いずれにしても、浴室の水滴、湿気を考慮したものとする。
【0016】
なお、取付プレート1aに対し、押圧スイッチ1bを固定するために、図の実施例では、取付金具1dを使っているが、固定手段は実施例に限定されるものではない。
【0017】
取付プレート1aの内側中央部には、押圧スイッチ1bの操作面1cに正対する位置に、雌ネジボス1eが固定されている。
【0018】
4bは、連結体4の筒部4aの上端面から突出するガイド筒であり、その外周には、雌ネジボス1dの雌ネジに嵌合する雄ネジが形成されており、取付プレート1aの外側から、連結体4のガイド筒4bを雌ネジボス1eにねじ込むことにより、連結体4は、取付プレート1aに固定される。
【0019】
4cは、ガイド筒4bを貫通して摺動する作動ピンであり、エアチューブ5から送り込まれる圧縮空気で上方に突き動かされ、押圧スイッチ1bの操作面1cを押圧する。
【0020】
連結体4の下端から突出する空気パイプ4dには、シリコンゴムや自然ゴムなどのように柔軟で弾力性のあるエアチューブ5の上端部を弾力的に嵌合させて固定してある。
【0021】
このエアチューブ5の上端の勘合部が、エアチューブ5、中空ゴム体6の重量で抜け落ちないよう、空気パイプ4cの外周形状に凹凸による滑り止めを形成したり、弾力のある締付具4eでエアチューブ5を空気パイプ4cに挟みつけたりすることが望ましい。
【0022】
7は、エアチューブ5を巻き取ったり、巻き戻したりすることのできる円板状ないしリール状の長さ調節手段であり、その周縁部の適所にはエアチューブ5の引っ掛けることのできる係止穴(溝)7aが形成されている。
【0023】
6は浮輪状あるいは吊り輪状の中空ゴム体であり、その外周の適所から突出する空気パイプ6aに、エアチューブ5の下端部が弾力的に嵌合して取付けられている。
なお、エアチューブ5の下端部から中空ゴム体6の空気パイプ6aが抜け落ちやすい場合は、前述した抜け落ち防止策を適宜実施するものとする。
【0024】
本発明による浴室スイッチは、図の実線で示すように、天井面2から垂下される中空ゴム体6を中空位置に保持した、いわゆる宙ぶらりん状態で使用したり、点線でしめすように、エアチューブ5の長さを伸ばして、中空ゴム体6を浴槽8の湯面に浮かべた状態で使用したり、洗い場の床面まで降ろしたりした状態で使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の1実施例を示す装着例の説明図である。
【符号の説明】
【0026】
1 プレート組立体
1a 取付プレート
1b 押圧スイッチ
1c 操作面
1d 取付金具
1e 雌ネジボス
2 天井面
3 遠隔操作ユニット
4 連結体
4a 筒部
4b ガイド筒
4c 作動ピン
4d 空気パイプ
4e 締付具
5 エアチューブ
6 中空ゴム体
6a 空気パイプ
7 長さ調節手段
7a 係止穴

【特許請求の範囲】
【請求項1】
浴室の天井に設置できる、押圧スイッチ付プレート組立体と、前記プレート組立体に着脱自在に連結固定される遠隔操作ユニットとからなり、前記遠隔操作ユニットは、前記プレート組立体の取付プレートに着脱自在に固定できる連結体と、押圧することにより圧縮空気を発生する中空ゴム体と、一端を前記連結体に、他端を中空ゴム体にそれぞれ気密に接続できるエアチューブとを具備し、前記連結体には、前記エアチューブを介して伝送される前記圧縮空気で押し出される作動ピンを設け、前記作動ピンの押圧力で前記押圧スイッチを操作できるようにしたことを特徴とする浴室用スイッチ。
【請求項2】
前記エアチューブの長さを調節するための長さ調節手段を具備することを特徴とする請求項1記載の浴室用スイッチ。

【図1】
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【公開番号】特開2007−234229(P2007−234229A)
【公開日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−50488(P2006−50488)
【出願日】平成18年2月27日(2006.2.27)
【出願人】(591253593)株式会社ケアコム (493)
【Fターム(参考)】