説明

浴室異常検知通報装置

【課題】 コストの上昇を抑えた浴室異常検知通報装置の提供。
【解決手段】 浴槽2の水位変動を検知する水位センサ4と、水位センサ4からの信号を処理する制御回路5と、警報を報知する報知装置6と、を備え、制御回路5は、所定の時間内において浴槽の水位変動が予め設定された水位変動より大きくなると報知装置6が警報を報知させるものである。すなわち、水位の急激な上昇を入浴開始と判断し、逆に水位の急激な減少を出浴と判断する。この区間の時間が、予め設定した時間より長くなると、入浴者および家族に異常を知らせるものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浴室異常検知通報装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、浴室に入室した入浴者の異常を、家族などに知らせる報知システムには、センサが入浴者の赤外線及び色相などの情報で入浴者の動きを検知して、報知装置で知らせる方法がある。
【0003】
具体的には、特開平11−101502号公報に記載された入浴監視装置101がある。このものは、浴室102に設置された、給湯装置用の浴室リモコン105に、入浴監視装置の監視センサ108を内蔵し、外観から分かりにくくした。入浴監視装置101は、監視センサ108の画像から入浴者が動いているか否か監視し、一定時間以上動きがないと異常が発生している恐れがあると判断し、台所103のリモートコントローラ106から報知するものである。
【0004】
すなわち、この装置は、入浴者に心理的な圧迫感や羞恥心を感じさせることなく画像による入浴者の監視を行うことができる入浴監視装置を提供するものである。
【0005】
しかしながら、上述した浴室異常検知通報装置では、画像による入浴者の監視を行うためシステムが複雑になり、コストが高くなることが想定された。
【特許文献1】特開平11−101502号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本願発明は、上記背景技術に鑑みて発明されたものであり、その課題は、コストの上昇を抑えた浴室異常検知通報装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本願発明は、浴槽の水位変動を検知する水位センサと、該水位センサからの信号を処理する制御回路と、警報を報知する報知装置と、を備え、該制御回路は、所定の時間内において浴槽の水位変動が予め設定された水位変動より大きくなると前記報知装置が警報を報知させるものである。
【0008】
また、前記水位センサは、前記浴槽の水量の変化に応じ上下に移動する磁石付フローと、該磁石付フローの移動に応じた電気信号を発生すると共に前記制御回路に該電気信号を入力させるコイルと、を有し、該制御回路は、該コイルからの該電気信号が予め設定された範囲を超えると前記報知装置が警報を報知させるもが好ましい。
【発明の効果】
【0009】
本願発明の浴室異常検知通報装置によれば、浴槽の水位変動を水位センサにより検知し、制御回路が水位センサからの信号を処理し、報知装置が入浴者の異常を報知するので、システムの構成が簡単になり、コストの上昇を抑えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本願の請求項1及び請求項2に対応した一実施形態の浴室異常検知通報装置1を図1に基づいて説明する。図1は第1の実施形態に係る浴室異常検知通報装置1の構成図である。この浴室異常検知通報装置1は、浴槽2の水位変動を検知する水位センサ4と、水位センサ4からの信号を処理する制御回路5と、警報を報知する報知装置6と、を備え、制御回路5は、所定の時間内において浴槽の水位変動が予め設定された水位変動より大きくなると報知装置6が警報を報知させるものである。
【0011】
また、水位センサ4は、浴槽2の水量の変化に応じ上下に移動する磁石付フロー41と、磁石付フロー41の移動に応じた電気信号を発生するコイル42と、を有し、制御回路5は、所定の時間内において浴槽の水位変動が予め設定された水位変動より大きくなる報知装置6が警報を報知させるものである。
【0012】
浴槽2は、側面に穴22を有し、穴22よりパイプ23の一方が接続されており、パイプ23の他方は管3に接続されている。
【0013】
管3は、上端に穴が開いており、その内部に後述する磁石を内蔵した磁石付フロー41を有し、また、その外周にはコイル42が設けられている。すなわち、磁石付フロー41及びとコイル42で後術する水位センサ4が構成されている。
【0014】
水位センサ4は、浴槽2内の水位に応じて、磁石付フロー41が上下し、管3の外周に設けられたコイル42により、浴槽2の水位変化を電気信号に変換して、電気信号を後述する制御回路5に出力するのである。
【0015】
制御回路5は、水位センサ4からの電気信号を制御するものである。例えば、磁石付フロー41からの電気信号により、浴槽2の水位変動が10秒の間に約3cm以上の水位の上昇を検知した場合に入浴者が浴槽2に入ったと判断し、時間をカウントし始める。また、磁石付フロー41からの電気信号により、浴槽2の水位変動が10秒の間に約3cm以上の水位の下降を検知した場合に入浴者が浴槽2から出たと判断し時間のカウントをリセットする。この時間のカウントが、30秒経過毎に、入浴者および、家族へ報知装置6により注意を喚起する。そして、2分経過後には、家族に、異常を知らせ、浴槽2のある浴室まで入浴者の様子を見に行くように報知装置6により警報を報知する。なお、制御回路5と報知装置6は、ケーブル7により接続されている。
【0016】
このように構成された浴室異常検知通報装置1は、水位センサ4が検知した水位の変動により、異常を判断するものである。すなわち、入浴者が浴槽2に入ると、浴水21の位置が急激に上昇し、この水位の急激な上昇を入浴開始と判断し、逆に、入浴者が浴槽2から出ると、浴水21の位置が急激に下降し、この水位の急激な減少を出浴と判断する。この区間の時間が、予め設定した時間より長くなると、入浴者および家族に異常を知らせる機構となっている。
【0017】
従って、簡単な構成で、入浴・出浴が検知できるので、コストの上昇を抑えた浴室異常検知通報装置を提供することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の一実施形態に係る浴室異常検知通報装置の構成図である。
【図2】特開平11−101502号公報に記載された浴室異常検知通報装置の構成図である。
【符号の説明】
【0019】
1 浴室異常検知通報装置
2 浴槽
4 水位センサ
41 磁石付フロー
42 コイル
5 制御回路
6 報知装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
浴槽の水位変動を検知する水位センサと、該水位センサからの信号を処理する制御回路と、警報を報知する報知装置と、を備え、該制御回路は、所定の時間内において浴槽の水位変動が予め設定された水位変動より大きくなると前記報知装置が警報を報知させるものである浴室異常検知通報装置。
【請求項2】
前記水位センサは、前記浴槽の水量の変化に応じ上下に移動する磁石付フローと、該磁石付フローの移動に応じた電気信号を発生すると共に前記制御回路に該電気信号を入力するコイルと、を有し、該制御回路は、該コイルからの該電気信号が予め設定された範囲を超えると前記報知装置が警報を報知させるものである請求項1記載の浴室異常検知通報装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2006−64186(P2006−64186A)
【公開日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−243470(P2004−243470)
【出願日】平成16年8月24日(2004.8.24)
【出願人】(000005832)松下電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】