説明

浴室部材洗浄装置

【課題】 浴槽内の洗浄処理実行の有無に拘わらず、洗浄配管の配管内部の滞留水が水質変化することに起因して生じる可能性のある不都合の発生を確実に回避し得る浴室部材洗浄装置を提供する。
【解決手段】 浴室内に設置された循環配管6の戻り配管61に介装した三方切換弁35により洗浄配管32を分岐させる。風呂使用の度に、排水栓22から浴槽2内の残水の排水が完了してから、三方切換弁35を洗浄配管側に切換え、往き配管62の開閉切換弁36を閉切換える。その上で、注湯電磁弁55を開いて給湯路45から戻り路46に清浄な湯水を注湯し、これを洗浄配管32内に流入させて、洗浄配管内の残留水を洗浄ノズル31から浴槽2内に排出させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浴室内の壁・床材や浴槽等の浴室部材を洗浄するための浴室部材洗浄装置に関し、特に洗浄水を供給する洗浄配管内を常に清浄(クリーン)に維持し得る技術に係る。
【背景技術】
【0002】
従来、浴槽に洗浄ノズルを設置し、この洗浄ノズルに対し給湯器から洗浄用の洗浄水を供給することにより浴槽内を洗浄するものが知られている。中でも、風呂釜に対し給湯器を2缶2水式に複合させた給湯器付き風呂釜と、浴槽とを、循環配管を介して互いに接続した全自動風呂において、風呂釜の内部に設置されている循環配管の途中から洗浄配管を分岐接続させ、給湯器からの給水を洗浄配管に対し循環配管を介して供給するようにしたものが知られている(例えば特許文献1参照)。そして、このものでは、さらに、循環配管の途中に排水管を接続し、弁切換により浴槽水の排水が可能になっており、入浴終了スイッチが入れられると、排水管への弁切換と洗浄配管への弁切換が行われ、これにより、浴槽水の排水を行いつつ、洗浄配管を通して洗浄ノズルに給水が行われて浴槽内が洗浄されるようになっている。
【0003】
なお、上記と同様に2缶2水式の給湯器付き風呂釜と、浴槽とを循環配管を介して互いに接続した自動風呂釜の分野においては、浴槽内の洗浄を対象にしたものではないが、風呂使用が終了すれば給湯器から湯又は水を循環配管に流して浴槽内に排出させることで、循環配管内を自動洗浄することが種々提案されている。
【0004】
例えば、特許文献2では風呂釜の使用停止信号に基づき洗浄指令を出力して、循環配管に対し給湯器から湯又水を流し込むことが提案され、特許文献3では、浴槽内の水位が循環アダプタよりも下位になったことを検知して循環配管に対し給湯器から湯又水を流し込むことが提案されている。又、その際に、風呂釜内に洗浄剤タンクを設置し、洗浄剤タンクからの洗浄剤を循環配管の循環ポンプの吸い込み側に供給し得るようにすることが特許文献4で提案されている。このものでは、循環配管の自動洗浄として、洗浄剤を上記の給湯器からの湯又は水に混入させ、洗浄剤入りの洗浄水を循環配管内に循環させる一方、風呂釜内の循環配管から分岐させた排水管から洗浄後の洗浄水を排水可能としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平3−1040号公報
【特許文献2】特開平4−218119号公報
【特許文献3】特開平6−169853号公報
【特許文献4】特開昭62−169958号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、特許文献1の浴槽に対する洗浄は、自動処理により風呂の使用の度に毎回必ず実行されるものであり、過剰品質となったりユーザの意思に反する結果を招いたりするおそれも想定される。そこで、浴槽内の洗浄を実行するか否かをユーザの選択に委ねることが考えられる。すなわち、例えばリモコンに洗浄スイッチを設けるなどして、ユーザによる洗浄スイッチのON操作を受けて初めて洗浄処理を実行する制御構成とするのである。
【0007】
しかしながら、このようにすると、例えば、風呂使用(湯張り・追い焚き)は毎日行われるものの、浴槽内の洗浄は週に1回とか2週間に1回しか行われないなどのケースが生じ、前回の浴槽内の洗浄実行から次回の洗浄実行までの間に洗浄配管内の洗浄水(洗浄用の湯水等)が滞留したままになってしまうことになる。このため、前回の浴槽内の洗浄実行から次回の洗浄実行までの間が余りに長期になると、滞留水が変質してしまうおそれもあり、風呂使用のために浴槽内に新しい湯を流し込んだとしても、洗浄ノズルの開口を通してそのような滞留水と混ざり合ってしまう可能性が生じることになる。
【0008】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、浴槽内の洗浄処理実行の有無に拘わらず、洗浄配管の配管内部の滞留水が水質変化することに起因して生じる可能性のある不都合の発生を確実に回避し得る浴室部材洗浄装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、浴室部材洗浄装置に係る第1の発明では、浴槽が戻り側及び往き側からなる循環配管を介して給湯器付き風呂釜と接続され、上記循環配管に対し給湯側から注湯されることにより上記浴槽に対し湯張り可能とされる一方、上記給湯器付き風呂釜の給湯側から湯水の供給を受けて洗浄ノズルから噴射させることにより上記浴槽を含む浴室部材の洗浄を行う浴室部材洗浄装置を対象にして次の特定事項を備えることとした。すなわち、基端が上記循環配管の戻り側及び往き側のいずれか一方から分岐され、先端が上記洗浄ノズルまで延ばされた洗浄配管と、上記循環配管に対し注湯又は注水される上記給湯側からの湯水が上記洗浄配管に流入されるよう上記洗浄配管を循環配管に連通切換させる流路切換手段と、風呂使用に連係してその風呂使用前又は風呂使用後に、上記洗浄配管を循環配管に連通させるよう上記流路切換手段を切換制御した上で、上記給湯器付き風呂釜の給湯側から供給される湯水を上記流路切換手段を通して上記洗浄配管に流入させることにより、上記洗浄配管内の残留水を上記洗浄ノズルから排出して上記洗浄配管内を上記給湯側からの湯水で置換させる上記洗浄配管を対象にした配管クリーン処理を実行する洗浄制御手段と、を備えることとした(請求項1)。
【0010】
この発明の場合、洗浄制御手段により洗浄配管を対象にした配管クリーン処理が風呂使用前又は風呂使用後に自動処理により実行されることになる。つまり、風呂使用に伴いその風呂使用に連係して必ず自動的に実行されることになる。このため、風呂使用に伴い洗浄配管の配管内部が給湯側から供給された清浄水で充満された状態に置換され、これにより、配管内部が次の風呂使用までの間、クリーンな状態に維持されることになる。このため、たとえ、風呂使用は毎日行われるものの、浴槽洗浄処理は長きに亘り行われないというケースが生じたとしても、洗浄配管の配管内部が清浄な状態に維持されるため、洗浄配管内に残留している滞留水が水質変化することに起因して生じる可能性のある不都合の発生を確実に回避されることになる。以上より、浴槽内の洗浄処理を実行させるか否かの選択をユーザに委ねてユーザの使用意図を満足させつつも、洗浄配管内を清浄に維持し得ることになる。
【0011】
上記発明における洗浄制御手段として、上記洗浄配管を対象にした配管クリーン処理の前に、上記給湯器付き風呂釜の給湯側から供給される湯水を上記循環配管に流して浴槽に排出させる上記循環配管を対象にした配管クリーン処理を実行し、続いて、上記流路切換手段を切換制御して上記洗浄配管を対象にした配管クリーン処理を実行する構成とすることができる(請求項2)。このようにすることにより、まず、循環配管の配管内部が給湯側から供給された清浄水で充満された状態に置換され、次に、その循環配管を通して供給される清浄水で洗浄配管の配管内部が満たされることになる。このため、洗浄配管の配管内部をより一層清浄な状態に維持し得ることになる。
【0012】
浴室部材洗浄装置に係る第2の発明では、浴槽が戻り及び往きの循環配管を介して給湯器付き風呂釜と接続され、上記循環配管に対し給湯側から注湯されることにより上記浴槽に対し湯張り可能とされるとともに、循環ポンプの作動により上記循環配管を通して上記浴槽内の浴槽湯水を上記給湯器付き風呂釜の風呂熱交換器との間で循環させることにより追い焚き可能とされる一方、上記給湯器付き風呂釜の給湯側から供給される湯水を受け洗剤タンクからの洗剤を混入した上で洗浄ノズルから噴射させることにより上記浴槽を含む浴室部材の洗浄を行う浴室部材洗浄装置を対象にして次の特定事項を備えることとした。すなわち、基端が上記循環配管の戻り側及び往き側のいずれか一方から分岐され、先端が上記洗浄ノズルまで延ばされた洗浄配管と、上記循環配管に対し注湯又は注水される上記給湯側からの湯水が上記洗浄配管に流入されるよう上記洗浄配管を循環配管に連通切換させる流路切換手段と、風呂使用に連係してその風呂使用前又は風呂使用後に、上記洗浄配管を循環配管に連通させるよう上記流路切換手段を切換制御した上で、上記給湯器付き風呂釜の給湯側から供給される湯水を上記流路切換手段を通して上記洗浄配管に流入させ、上記洗剤タンクからの洗剤を混入した状態の洗浄水を洗浄ノズルから浴槽内に流出させて浴槽内に貯留した後、上記循環ポンプを作動させることにより貯留した洗浄水を上記洗浄ノズルから洗浄配管に逆流させるとともに、上記循環配管及び風呂熱交換器を通して浴槽中に排出させる配管クリーン処理を実行する洗浄制御手段と、を備えることとした(請求項3)。
【0013】
この発明の場合、洗浄制御手段により洗浄配管を対象にした配管クリーン処理が風呂使用前又は風呂使用後に自動処理により実行されることになる。つまり、風呂使用に伴いその風呂使用に連係して必ず自動的に実行されることになる。このため、風呂使用に伴い洗浄配管の配管内部が置き換わることになり、たとえ、風呂使用は毎日行われるものの、浴槽洗浄処理は長きに亘り行われないというケースが生じたとしても、洗浄配管内に残留している滞留水が水質変化することに起因して生じる可能性のある不都合の発生が確実に回避されることになる。以上より、浴槽内の洗浄処理を実行させるか否かの選択をユーザに委ねてユーザの使用意図を満足させつつも、不都合の発生を確実に回避し得ることになる。なお、本発明においては「風呂使用に連係して」であるため、1回の風呂使用に対し1回の配管クリーン処理を実行するという関連付けのみならず、風呂使用が例えば2回あれば上記の配管クリーン処理を1回実行するというように関連付けしてもよい。
【0014】
以上の浴室部材洗浄装置において、上記洗浄配管の基端を、浴室を構成する浴室壁よりも浴槽側に位置する循環配管から分岐させるようにすることができる(請求項4)。このようにすることにより、洗浄配管の基端から洗浄ノズルに接続される先端までの延長が短縮化され浴室部材洗浄装置の全体構成のコンパクト化が図られる。
【0015】
さらに、上記発明における流路切換手段として、上記循環配管の戻り側又は往き側のいずれか一方に介装された三方切換弁と、他方に介装された開閉切換弁とで構成することができる(請求項5)。このようにすることにより、三方切換弁に対し洗浄配管の基端を接続し、三方切換弁を循環配管に対し洗浄配管の分岐位置に介装すればよく、浴室部材洗浄装置の全体構成のコンパクト化や設置工事の簡略化が図られる。
【発明の効果】
【0016】
以上、説明したように、浴室部材洗浄装置に係る第1の発明によれば、洗浄制御手段により洗浄配管を対象にした配管クリーン処理が風呂使用に伴いその風呂使用の度に必ず自動的に実行されることになるため、その風呂使用に連係して洗浄配管の配管内部を給湯側から供給された清浄水で充満された状態に置換させることができ、これにより、配管内部を次の風呂使用までの間、クリーンな状態に維持することができるようになる。このため、たとえ、風呂使用は毎日行われるものの、浴槽洗浄処理は長きに亘り行われないというケースが生じたとしても、洗浄配管の配管内部が清浄な状態に維持されるため、洗浄配管内に残留している滞留水が水質変化することに起因して生じる可能性のある不都合の発生を確実に回避することができるようになる。以上より、浴槽内の洗浄処理を実行させるか否かの選択をユーザに委ねることによりユーザの使用意図を満足させるようにしたとしても、上記の不都合の発生を確実に回避させることができるようになる。
【0017】
特に請求項2によれば、まず、循環配管の配管内部を給湯側から供給された清浄水で充満された状態に置換させることができ、次に、その循環配管を通して供給される清浄水で洗浄配管の配管内部を満たすことができるようになる。このため、洗浄配管の配管内部をより一層清浄な状態に維持することができるようになる。
【0018】
浴室部材洗浄装置に係る第2の発明によれば、洗浄制御手段により洗浄配管を対象にした配管クリーン処理が風呂使用に伴いその風呂使用に連係して必ず自動的に実行されることになるため、風呂使用の度に洗浄配管の配管内部が置き換わることになり、たとえ、風呂使用は毎日行われるものの、浴槽洗浄処理は長きに亘り行われないというケースが生じたとしても、洗浄配管内に残留している滞留水が水質変化することに起因して生じる可能性のある不都合の発生を確実に回避することができるようになる。これにより、浴槽内の洗浄処理を実行させるか否かの選択をユーザに委ねることによりユーザの使用意図を満足させるようにしたとしても、上記の不都合の発生を確実に回避させることができるようになる。加えて、風呂使用に連係して必ず、循環配管内や風呂熱交換器内を洗剤入りの洗浄水によって洗い流して清浄な状態にすることができる。
【0019】
又、請求項4によれば、以上の第1又は第2の浴室部材洗浄装置において、洗浄配管の基端から洗浄ノズルに接続される先端までの延長を短縮化することができ、浴室部材洗浄装置の全体構成のコンパクト化を図ることができるようになる。
【0020】
さらに、請求項5によれば、以上の第1又は第2の浴室部材洗浄装置において、流路切換手段として三方切換弁と開閉切換弁とで構成することで、三方切換弁に対し洗浄配管の基端を接続し、三方切換弁を循環配管に対し洗浄配管の分岐位置に介装すればよくなって、浴室部材洗浄装置の全体構成のコンパクト化や設置工事の簡略化を図ることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の浴室部材洗浄装置を適用した風呂システムの実施形態を示す模式図である。
【図2】浴槽洗浄処理の状況を示す図1対応図である。
【図3】図1の風呂システムにおける第1実施形態に係る洗浄制御の一部を示すフローチャートである。
【図4】循環配管を対象にした配管クリーン処理の状況を示す図1対応図である。
【図5】洗浄配管を対象にした配管クリーン処理の状況を示す図1対応図である。
【図6】図1の風呂システムにおける第2実施形態に係る洗浄制御の一部を示すフローチャートである。
【図7】洗剤入りの洗浄水を浴槽に貯留する洗浄水貯留処理の状況を示す図1対応図である。
【図8】浴槽内の洗剤入り洗浄水で洗浄配管,循環配管,風呂熱交換器を洗浄する全クリーン処理の状況を示す図1対応図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0023】
図1に本発明の実施形態に係る浴室部材洗浄装置を適用した風呂システムを示す。同図において、符号1は浴室を区画形成する浴室壁又は浴室を含む建物の壁であり、壁1の内側に浴槽2及び浴槽等洗浄ユニット3が配設される一方、壁1の外側に給湯器付き風呂釜(以下、単に「風呂釜」という)4が配設されている。
【0024】
給湯器付き風呂釜(以下、単に「風呂釜」という)4は、給湯機能、湯張り機能及び追い焚き機能を備えた複合熱源機であり、本実施形態の風呂釜4は1缶2水タイプに構成されたものである。すなわち、上記風呂釜4は、風呂熱交換器41と給湯熱交換器42とが1つの缶体内に配設されて共通の熱源である燃焼バーナ43により熱交換加熱されるように構成されている。以下、風呂釜4について先に概略説明した上で、浴槽2の側の構成について詳細に説明する。
【0025】
上記風呂釜4は、水道水等の給水を給水路44に受けて給湯熱交換器42において燃焼バーナ43の燃焼熱との熱交換加熱により所定温度まで加熱した湯を給湯路45に出湯させ、この湯を図示省略の給湯配管を通して台所や洗面所等の各所の給湯栓(図示省略)まで給湯するようになっている。又、上記風呂釜4は追い焚き機能を実現するための戻り路46及び往き路47からなる追い焚き循環路48を備え、浴槽2との間に配管された戻り配管61及び往き配管62からなる循環配管6に接続されて、浴槽2内に湯張りされた浴槽湯水を所定温度まで追い焚き加熱し得るようになっている。
【0026】
すなわち、循環ポンプ49の作動により浴槽2から戻り配管61及び戻り路46を通して風呂釜4に戻された浴槽湯水は風呂熱交換器41において燃焼バーナ43の燃焼熱により熱交換加熱されて追い焚きされ、追い焚き後の浴槽湯水が往き路47及び往き配管62を通して浴槽2に供給されるというように循環され、所定の沸き上がり温度まで追い焚きされるようになっている。循環ポンプ49は戻り路46及び往き路47のいずれか一方(図例では戻り路46)に介装されており、戻り路46には流れを検知して後述の風呂釜コントローラ7に出力する水流スイッチ50や戻り路46により戻される浴槽2内の浴槽湯水の温度を検出する戻り温度センサ51が介装され、又、往き路47には追い焚き後の浴槽湯水の温度を検出する往き温度センサ52が介装されている。
【0027】
又、上記風呂釜4は、給湯路45の途中から分岐して追い焚き循環路48の戻り路46に連通接続される注湯路53を備えており、この注湯路53を通して給湯路45の湯が戻り路46側に落とし込み注湯されることにより追い焚き循環路48及び循環配管6を通して浴槽2内に湯張りし得るようになっている。上記の注湯路53には、給湯路45の側である上流側から順に流量センサ54,注湯電磁弁55,逆流防止用の逆止弁56・56,上流側での負圧発生時に逆流発生を防止する縁切り弁57,及び,浴槽2内の水位を検出する圧力式の水位センサ58がそれぞれ介装されている。なお、注湯又は注水の流量調整は専用の流量調整弁を介装させてもよいし、図例の如く給湯路45に介装された流量調整弁45aにより行うようにしてもよい。
【0028】
以上の給湯、追い焚き及び湯張りの各運転は台所リモコン71等により入力設定される設定出湯温度や湯張り温度等の設定情報に基づいて風呂釜コントローラ7による作動制御によって実現されるようになっている。例えば、給湯制御は、給湯栓が開かれたり注湯電磁弁55が開かれたりして所定の作動流量以上の入水が検知されると、燃焼バーナ43を燃焼作動させて給水路44からの入水を加熱し、所定温度の湯を給湯路45に出湯させるようになっている。又、湯張り制御が開始されると、上記注湯路53の注湯電磁弁55を開作動させる一方、燃焼バーナ43を燃焼作動させて給水路44からの入水を加熱し、所定温度の湯を給湯路45,注湯路53,追い焚き循環路48及び循環配管6を通して浴槽2まで注湯することにより湯張りされるようになっている。その際、ふろ自動処理の場合には、この湯張りの後に、さらに所定の沸き上がり温度まで昇温させて維持させる追い焚き制御が循環ポンプ49及び燃焼バーナ43をそれぞれ作動させることにより行われるようになっている。
【0029】
浴室に設置された浴槽2には、その側壁の最下端近傍位置に循環アダプタ21が設置され、底壁には自動開閉駆動制御式の排水栓22及び後述の洗浄ノズル31が設置され、上面側のフランジ壁には開閉駆動機構23及び後述の洗剤タンク34が設置されている。上記の循環アダプタ21には循環配管6の戻り配管61及び往き配管62がそれぞれ接続され、循環アダプタ21を介して浴槽2内の浴槽湯水が戻り配管61に吸引される一方、往き配管62から浴槽2内に吐出されるようになっている。又、排水栓22は開閉駆動機構23から開閉駆動力の伝達を受けて開閉作動されるようになっており、この開閉駆動機構23にはその作動状態(排水栓22が開状態か閉状態か)の如何を検出する排水栓状態検出センサ(図示省略)が設置され、これからの出力信号に基づき開閉駆動機構23が作動制御されるようになっている。排水栓22が開かれると、浴槽2内の湯水が浴室底部に排出され、続いて浴室の排水口24から排水されることになる。
【0030】
浴槽等洗浄ユニット3は、浴槽2の内壁面や浴室を構成する壁面・床面等の浴室部材(以下、「浴槽等」という)を対象にして洗浄処理するために設置されるものである。浴槽等洗浄ユニット3は、上記の浴槽2の底壁に設置された洗浄ノズル31と、この洗浄ノズル31に洗浄水を供給する洗浄配管32と、洗浄配管32の途中に洗剤を混入させる洗剤混入部33と、この洗剤混入部33に供給するための洗剤を貯留する上記の洗剤タンク34と、上記の洗浄配管32に対し洗浄水が供給されるよう供給切換を行う流路切換手段としての三方切換弁35及び開閉切換弁36とを備えて構成されている。
【0031】
上記洗浄ノズル31は浴槽2の底壁を貫通して設置され先端開口(上面開口)から浴槽2の内側壁や浴槽2外に向けて所定範囲の広がりをもって洗浄水を噴出するようになっている。なお、洗浄ノズル31として、図例では1つのみを図示しているが、浴槽2のサイズや洗浄対象の浴室部材等に応じて2以上のものを所定配置にて設置することができる。上記洗浄配管32の上流端は上記循環配管6の戻り配管61に介装された上記三方切換弁35に接続されて上記戻り配管61から分岐され、下流端は上記の洗浄ノズル31に連通接続されている。つまり、三方切換弁35は風呂釜4内の追い焚き循環路48ではなくて浴室側(浴室内)に配管されている循環配管6の戻り配管61の途中に介装され、この浴室内の戻り配管61から洗浄配管32が分岐されている。そして、この洗浄配管32に対しては、上記注湯電磁弁55を開くと共に三方切換弁35を切換制御することで、風呂釜4の給湯路45から注湯路53及び戻り路46及び戻り配管61を通して所定温度でかつ清浄な湯又は水が洗浄水として供給されるようになっている。すなわち、上記三方切換弁35を、戻り配管61と洗浄配管32とが互いに遮断されかつ三方切換弁35を挟んで風呂釜4側と循環アダプタ21側(浴槽2側)とが互いに連通された循環連通状態から、戻り配管61の風呂釜4側と洗浄配管32とを互いに連通しかつ戻り配管61の循環アダプタ21側を遮断した洗浄連通状態に切換作動させることで、洗浄ノズル31に対する洗浄水の供給が開始されるようになっている。この洗浄配管32への洗浄水の供給の際には、往き配管62の途中に介装された上記開閉切換弁36を開状態から閉状態に同期して切換制御することにより、注湯路53を通して給湯路45側から供給される湯水の全てを洗浄配管32に流入させて洗浄ノズル31に供給し得るようになっている。
【0032】
さらに、洗剤混入部33はベンチュリ管により構成され、この洗剤混入部33には洗剤供給管37の下流端が連通接続されており、この洗剤供給管37の上流端は上記洗剤タンク34に連通接続される一方、洗剤供給管37の途中には洗剤開閉弁38が介装されている。この洗剤開閉弁38の開作動により洗剤タンク37から供給される所定量の洗剤が、洗剤混入部33において、洗浄ノズル31に向けて通過する洗浄水に対し負圧吸引作用により混合されるようになっている。そして、洗剤開閉弁38を開弁状態にさせている開弁時間の長短によって1回の洗浄に対する洗剤供給量の調整が可能となっている。なお、上記洗剤タンク37には洗剤の液位を検知するフロートスイッチが設置されており、所定の液位まで低下したことを検知して後述の洗浄コントローラ8に出力するようになっている。
【0033】
上記の浴槽洗浄ユニット3の各作動要素35,36,38や、浴槽2の洗浄に係る作動要素22,23は、洗浄制御手段としての洗浄コントローラ8によって作動制御されるようになっている。この洗浄コントローラ8には洗浄運転用の洗浄リモコン81が接続される一方、洗浄コントローラ8は風呂釜コントローラ7と双方向通信可能に接続されている。そして、ユーザが洗浄リモコン81を用いて洗浄の実行を入力操作することにより、洗浄コントローラ8は風呂釜コントローラ7と連係して浴槽等を対象にした浴槽洗浄処理を実行するようになっている。なお、風呂釜コントローラ7には、台所リモコン71に加えて浴室リモコン72が接続されており、この浴室リモコン72により湯張りや追焚運転の入力操作し得るようになっている。
【0034】
上記洗浄コントローラ8は、上記の如くユーザにより洗浄指令が入力操作された場合に実行する浴槽洗浄処理と、ユーザによる入力操作の有無とは関係なく風呂使用の度に自動的に実行する配管クリーン処理とを含む運転処理を実行するようになっている。
【0035】
まず、浴槽洗浄処理の例について説明すると、洗剤混入部33において洗剤を混入した洗浄水を洗浄ノズル31から噴出させて浴槽内等を洗浄する浴槽洗浄モードと、この後に洗剤を混入させずに清浄な水だけの洗浄水を洗浄ノズル31から噴出させるすすぎ洗浄モードとを行う。図2に基づいて浴槽洗浄処理について簡単に説明すると、まず、開閉駆動機構23を開作動させることにより排水栓22を開変換し、排水栓22が開状態のままで設定時間(例えば10分間)だけ待機することにより、浴槽2内に残水が有ったとしてもその残水が排水されて空になるまで待つ。なお、この設定時間の値は例えば洗浄リモコン81に対するユーザの入力設定操作により変更設定し得るようになっている。次に、開閉切換弁36を閉切換し三方切換弁35を洗浄連通状態に切換え、加えて洗剤開閉弁38を開切換した上で、風呂釜コントローラ7を介して注湯電磁弁55を開作動し燃焼バーナ43を燃焼作動させることにより、給湯路45,注湯路53,戻り路46及び三方切換弁35を通して風呂釜4から湯を洗浄配管32に給湯する。この給湯が洗剤混入部33を通過する際に、開状態の洗剤開閉弁38及び洗剤供給管37を通して供給された洗剤が負圧吸引作用により給湯に混入・混合され、これにより、洗剤が混入された洗浄水が洗浄ノズル31から浴槽2内に噴出されて洗浄が行われることになる。図2において、湯水が流れる経路を太線で示している(以下の図4,図5,図7又は図8において同じ)。この際、開閉切換弁36が閉状態にされているため、注湯路53から戻り路46に流入した湯は、風呂熱交換器41や往き路47の側には流動せずに、三方切換弁35を介して洗浄配管32の側にのみ流動することになる。所定時間又は所定流量分の洗浄を継続させた後、上記洗剤開閉弁38を閉切換させることで、以後、洗剤を含まない清浄な洗浄水によりすすぎ洗浄モードが実行されることになる。このすすぎ洗浄モードによるすすぎ洗浄を所定時間又は所定流量分だけ実行した後、注湯電磁弁55を閉切換えするなどして給湯を停止し、排水に要する設定時間の経過を待って上記の排水栓22を閉変換させて終了する。なお、このような浴槽洗浄処理は、ユーザの洗浄リモコン81に対する入力操作に基づき行われるため、その処理の実行は風呂使用の前段階か後段階か、あるいは、風呂使用が行われても浴槽洗浄処理を実行しないか、等はユーザの選択に委ねられる。
【0036】
次に、配管クリーン処理について、図3のフローチャートを参照しつつ説明する。この配管クリーン処理は、風呂使用に伴い必ず自動処理により実行されるようになっており、原則は風呂使用の後段階に行われるようになっている。なお、風呂使用の前段階において実行するようにしても、あるいは、風呂使用の前段階及び後段階の双方において実行するようにしても、もちろんよい。又、この配管クリーン処理は、少なくとも洗浄配管32を対象にして内部の滞留水を排出して清浄な水で置換することにより配管内部を清浄(クリーン)な状態に維持するようにしたものであり、この実施形態では循環配管6及び洗浄配管32の双方を対象にして配管クリーン処理を行うようにしている。
【0037】
まず、例えば浴室リモコン72の風呂自動スイッチがユーザによりONされるか、注湯及び追い焚きのためのスイッチがONされるかして、風呂釜コントローラ7により注湯処理及び追い焚き処理が実行されて、風呂使用が行われる。そして、風呂使用が終了すれば、上記排水スイッチのON操作等により開閉駆動機構23が作動されて排水栓22が閉状態から開変換されて浴槽2内の浴槽湯水の排水が開始される。この風呂使用の終了に伴う排水を受けて、まず、ステップS1で浴槽2内の水位は循環アダプタ21の循環口よりも下位になったか否かを水位センサ58からの検出出力に基づいて監視する(ステップS1でNO)。なお、この段階では、それまでの風呂使用により循環配管6を用いた追い焚き循環が浴槽2内の温度維持のために行われるようになっており、このため、三方切換弁35は循環連通状態に、開閉切換弁36は開状態にそれぞれされている。
【0038】
上記のステップS1で浴槽内水位が循環口以下になったことが検知されると(ステップS1でYES)、圧力式であるがゆえに水位センサ58では水位検出が不能となるため、浴槽2内の残水が完全に排水されるまでの時間値が予め設定されたタイマがタイムアップするまで、つまり排水が完了するまで待機する(ステップS2)。排水完了すれば、洗浄コントローラ8が配管洗浄の対象として循環配管6のみか、循環配管6及び洗浄配管32の双方なのかを判定し、循環配管6のみの場合にはステップS4に進み、洗浄配管32を対象にした配管クリーン機能に係る制御構成を備えている場合(本願実施形態の場合)にはステップS5に進む。ステップS4に進んだ場合には、風呂釜4の注湯電磁弁55を開けて、給水路44に入水した清浄水を燃焼バーナ43により加熱した湯の状態にして、あるいは、非加熱のままで戻り路46に所定量供給し、この清浄な湯又は水(以下、「清浄水」という)を両搬送により循環配管6の双方及び風呂熱交換器41に通して循環アダプタ21から浴槽2内に排出する。つまり、非作動状態の循環ポンプ49内は吸い込み側から吐出側までが連通されているため、戻り路46に注湯された清浄水は、図4に示すように、一方は戻り路46及び戻り配管61を通して浴槽2まで流れ、他方は戻り路46を風呂熱交換器41の側に流れ風呂熱交換器41,往き路47及び往き配管62を通して浴槽2まで流れ、浴槽2内に排出されることになる。これにより、それまでの風呂使用(追い焚き循環)により循環配管6内に存していた湯あか等が浴槽2内に押し出され、配管内部が清浄水で置換されることになる。従って、ステップS4では循環配管6の内容積等を考慮した所定量W1(L;リットル,例えば7L)を注湯(注水)すればよい。そして、注湯電磁弁55を元の閉状態に変換するなどして終了する。
【0039】
一方、ステップS5に進んだ場合には、ステップS4と同様に循環配管に清浄水を注湯(注水)して配管内部を清浄水で置換する(ステップS5)。W1(L)分の注湯を実行した上で、あるいは、その注湯の途中で、三方切換弁35を循環連通状態から洗浄連通状態に切換えると共に、開閉切換弁36を開状態から閉状態に切換える(ステップS6)。そして、さらに所定量W2(例えば2L)の清浄水を注湯する(ステップS7)。これにより、図5に太線で示すように、注湯路53を通して注湯された清浄水が戻り配管61から洗浄配管32に流入し、洗浄配管32内に滞留していた洗浄水が洗浄ノズル31を通して浴槽2内に押し出される結果、配管内部は清浄水で置換されることになる。上記のW2も洗浄配管32の内容積を考慮して設定される。そして、三方切換弁35を元の循環連通状態に、開閉切換弁36も同様に開状態に、それぞれ戻して流路を元の状態に切換え(ステップS8)、注湯電磁弁55を閉状態に切換えるなどして終了する。
【0040】
以上により風呂使用の度に洗浄配管32や循環配管6の各配管内部が清浄水が充満した状態に置換され、これにより、配管内部が次の風呂使用までの間、クリーンな状態に維持されることになる。このため、たとえ、風呂使用は毎日行われるものの、浴槽洗浄処理は長きに亘り行われないというケースが生じたとしても、洗浄配管32の配管内部は清浄な状態に維持されているため、洗浄配管32内の滞留水が水質変化することに起因して生じる可能性のある不都合の発生を確実に回避することができるようになる。
【0041】
<第2実施形態>
図6は第2実施形態に係る配管クリーン処理のフローチャートを示す。この第2実施形態は、第1実施形態と同じ風呂システムの構成を備え、第1実施形態の洗浄コントローラ8が有する配管クリーン処理の制御構成が図6に示すように第1実施形態のそれと異なるものである。この配管クリーン処理以外は第1実施形態と同じであるため、以下の説明では第1実施形態と異なる配管クリーン処理についてのみ説明する。
【0042】
風呂使用の終了により、第1実施形態のステップS1,S2と同様に、排水栓22が閉状態から開変換されて浴槽2内の浴槽湯水の排水が開始され、まず、ステップS11で浴槽2内の水位は循環アダプタ21の循環口よりも下位になったか否かを水位センサ58からの検出出力に基づいて監視し(ステップS11でNO)、浴槽内水位が循環口以下になったことが検知されると(ステップS11でYES)、浴槽2内の排水が完了するまで待機する(ステップS12)。なお、第1実施形態で説明した通り、この段階では、三方切換弁35は循環連通状態に、開閉切換弁36は開状態にそれぞれされている。
【0043】
次に、ステップS12により排水が完了すれば、開閉駆動機構23を作動させて排水栓22を閉状態に切換えた上で(ステップS13)、三方切換弁35を循環連通状態から洗浄連通状態に切換えると共に、開閉切換弁36を開状態から閉状態に切換えて流路切換を行い、洗剤開閉弁38を開状態に切換える(ステップS14)。そして、風呂釜4の注湯電磁弁55を開けて、第1実施形態と同様に湯又は水の状態の清浄水を戻り路46に供給する(ステップS15)。これにより、図7に太線で示すように、注湯路53から戻り路46に供給された清浄水が三方切換弁35を通して洗浄配管32内に流入し、この清浄水に対し洗剤混入部33で洗剤が混入された状態の洗浄水が洗浄ノズル31から浴槽2内に押し出されることになる。これを上記の洗浄水が浴槽2内に所定水位まで溜まるまで継続する(ステップS16でNO)。所定水位としては、循環アダプタ21の循環口よりも下の水位が設定されている。これは、以後に説明する本実施形態の配管クリーン処理に使用する洗浄水の量を必要最小限にして、省資源化や省コスト化を図るためである。この際、洗浄配管32が戻り配管61(循環配管6)と連通されているため、水位が循環口以下であっても、その浴槽2内の水圧変動を水位センサ58により検知可能となるため、浴槽2内の水位検知を水位センサ58によって行うことができるようになる。
【0044】
浴槽2内に洗剤混入の洗浄水が所定水位まで溜まると(ステップS16でYES)、注湯電磁弁55を閉状態に切換えて清浄水の供給を停止し、併せて洗剤開閉弁38も閉状態に切換える(ステップS17)。次いで、往き配管62の開閉切換弁36を閉状態から開状態に切換えた上で循環ポンプ49を作動させる(ステップS18)。これにより、図8に太線で示すように、浴槽2内にある洗剤入りの洗浄水が洗浄配管32及び三方切換弁35を通して戻り配管61に引き込まれ、戻り路46及び風呂熱交換器41を通過した後に、往き路47,往き配管62及び循環アダプタ21を通して浴槽2へと流れるというように循環する。このため、特に湯あかに晒される循環配管6,追い焚き循環路48及び風呂熱交換器41の内壁が洗剤入りの洗浄水により洗浄され、配管洗浄を行うことができるようになる。同時に、洗浄配管32の配管内部も洗浄される上に、内部の水が洗浄水に置き換わることになる。なお、往き配管62の途中位置から三方切換弁35近傍であって浴槽2側の戻り配管61に合流する連通管63を接続するようにすれば、上記の洗剤入りの洗浄水による内壁の洗浄(配管洗浄)を、三方切換弁35よりも浴槽2側の戻り配管61についても行うことができるようになる。なお、連通管63の上流端が接続される往き配管62の途中位置としては、開閉切換弁36が開状態であるため、この開閉切換弁36の前・後(上流側・下流側)を問わない往き配管62の途中位置でよい。
【0045】
以上の配管洗浄循環を所定時間が経過するまで行い(ステップS19でNO)、所定時間が経過すれば開閉駆動機構23を作動させて排水栓22を開状態に切換え(ステップS19でYES,ステップS20)、浴槽2内の洗浄水を排水する。洗浄水の貯留量が排水されるであろう時間値として予め設定された所定時間だけ排水させた後、三方切換弁35を循環連通状態に切換え(ステップS21)、循環ポンプ49の作動を停止させて(ステップS22)、処理を終了する。
【0046】
以上の配管クリーン処理が風呂使用の後段階に必ず自動処理により実行されるため、たとえ、風呂使用は毎日行われるものの、浴槽洗浄処理は長きに亘り行われないというケースが生じたとしても、洗浄配管32の配管内部が風呂使用の度に置き換わることになり、洗浄配管32の配管内部の滞留水が水質変化することに起因して生じる可能性のある不都合の発生を確実に回避することができるようになる。なお、上記ステップS16において浴槽2内に溜める洗浄水の水位として循環アダプタ21の循環口よりも上の水位が設定されていれば、上記のステップS18において、往き配管62の開閉切換弁36を閉状態から開状態に切換えると共に、三方切換弁35を循環連通状態に切換えた上で循環ポンプ49を作動させるようにしてもよい。これにより、浴槽2内の洗剤入りの洗浄水が循環配管6内に循環され、循環配管6及び風呂熱交換器41の各配管内部の洗浄を行うことができることになる。又、上記の配管クリーン処理を風呂使用が例えば2回あれば実行させるというように、風呂使用の実績と連係させて配管クリーン処理の実行を行わせるようにしてもよい。
【0047】
<他の実施形態>
なお、本発明は上記第1及び第2実施形態に限定されるものではなく、その他種々の実施形態を包含するものである。すなわち、上記第2実施形態では、洗浄ノズル31は浴槽2の底壁に設置されている必要があるものの、第1実施形態では洗浄ノズル31の設置位置は浴槽2の底壁に限らず、例えば側壁等であってもよい。
【0048】
第1又は第2実施形態において、三方切換弁35を戻り配管61に介装させて洗浄配管32を戻り配管61から分岐させる一方、往き配管62に開閉切換弁36を介装させているが、これに限らず、三方切換弁の介装や洗浄配管の分岐を往き配管62から行い、開閉切換弁を戻り配管61に介装させるようにしてもよい。この場合には、注湯路53の下流端を往き路47の側に接続させるようにしてもよい。
【0049】
第2実施形態において、図6のステップS12とステップS13との間に、循環配管6を対象にした配管クリーン処理(例えば図3のステップS5の処理)を行うようにしてもよい。
【0050】
第1又は第2実施形態において、流路切換手段としての三方切換弁35に代えて、洗浄配管32の基端側に介装した開閉切換弁と、洗浄配管32の分岐位置よりも循環アダプタ21寄り位置の戻り配管61に介装した開閉切換弁との組み合わせを、流路切換手段として採用するようにしてもよい。
【0051】
第1又は第2実施形態において、給湯器付き風呂釜4を1缶2水タイプのもので構成したが、これに限らず、2缶2水タイプのもので構成してもよい。
【0052】
第1実施形態において、図3のステップS6の処理として、開閉切換弁36は開状態のままに維持して三方切換弁35のみ洗浄連通状態に切換えるようにしてもよい。この場合には、注湯路53から供給される清浄水は、第1実施形態で説明したように戻り路46,戻り配管61及び三方切換弁35を通して洗浄配管32に流入すると共に、戻り路46から風呂熱交換器41を通過して往き路47,往き配管62,開閉切換弁36を通して浴槽2に排出されることになる。この場合であっても、第1実施形態と同様の作用効果が得られる。この場合には、流路切換手段は開閉切換弁36を除いて三方切換弁35のみによって構成されることになる。
【符号の説明】
【0053】
1 壁(浴室壁)
2 浴槽
4 給湯器付き風呂釜
6 循環配管
8 洗浄コントローラ(洗浄制御手段)
31 洗浄ノズル
32 洗浄配管
33 洗剤混入部
34 洗剤タンク
35 三方切換弁(流路切換手段)
36 開閉切換弁(流路切換手段)
61 戻り配管
62 往き配管

【特許請求の範囲】
【請求項1】
浴槽が戻り側及び往き側からなる循環配管を介して給湯器付き風呂釜と接続され、上記循環配管に対し給湯側から注湯されることにより上記浴槽に対し湯張り可能とされる一方、上記給湯器付き風呂釜の給湯側から湯水の供給を受けて洗浄ノズルから噴射させることにより上記浴槽を含む浴室部材の洗浄を行う浴室部材洗浄装置であって、
基端が上記循環配管の戻り側及び往き側のいずれか一方から分岐され、先端が上記洗浄ノズルまで延ばされた洗浄配管と、
上記循環配管に対し注湯又は注水される上記給湯側からの湯水が上記洗浄配管に流入されるよう上記洗浄配管を循環配管に連通切換させる流路切換手段と、
風呂使用に連係してその風呂使用前又は風呂使用後に、上記洗浄配管を循環配管に連通させるよう上記流路切換手段を切換制御した上で、上記給湯器付き風呂釜の給湯側から供給される湯水を上記流路切換手段を通して上記洗浄配管に流入させることにより、上記洗浄配管内の残留水を上記洗浄ノズルから排出して上記洗浄配管内を上記給湯側からの湯水で置換させる上記洗浄配管を対象にした配管クリーン処理を実行する洗浄制御手段と、
を備えていることを特徴とする浴室部材洗浄装置。
【請求項2】
請求項1に記載の浴室部材洗浄装置であって、
上記洗浄制御手段は、上記洗浄配管を対象にした配管クリーン処理の前に、上記給湯器付き風呂釜の給湯側から供給される湯水を上記循環配管に流して浴槽に排出させる上記循環配管を対象にした配管クリーン処理を実行し、続いて、上記流路切換手段を切換制御して上記洗浄配管を対象にした配管クリーン処理を実行するように構成されている、浴室部材洗浄装置。
【請求項3】
浴槽が戻り及び往きの循環配管を介して給湯器付き風呂釜と接続され、上記循環配管に対し給湯側から注湯されることにより上記浴槽に対し湯張り可能とされるとともに、循環ポンプの作動により上記循環配管を通して上記浴槽内の浴槽湯水を上記給湯器付き風呂釜の風呂熱交換器との間で循環させることにより追い焚き可能とされる一方、上記給湯器付き風呂釜の給湯側から供給される湯水を受け洗剤タンクからの洗剤を混入した上で洗浄ノズルから噴射させることにより上記浴槽を含む浴室部材の洗浄を行う浴室部材洗浄装置であって、
基端が上記循環配管の戻り側及び往き側のいずれか一方から分岐され、先端が上記洗浄ノズルまで延ばされた洗浄配管と、
上記循環配管に対し注湯又は注水される上記給湯側からの湯水が上記洗浄配管に流入されるよう上記洗浄配管を循環配管に連通切換させる流路切換手段と、
風呂使用に連係してその風呂使用前又は風呂使用後に、上記洗浄配管を循環配管に連通させるよう上記流路切換手段を切換制御した上で、上記給湯器付き風呂釜の給湯側から供給される湯水を上記流路切換手段を通して上記洗浄配管に流入させ、上記洗剤タンクからの洗剤を混入した状態の洗浄水を洗浄ノズルから浴槽内に流出させて浴槽内に貯留した後、上記循環ポンプを作動させることにより貯留した洗浄水を上記洗浄ノズルから洗浄配管に逆流させるとともに、上記循環配管及び風呂熱交換器を通して浴槽中に排出させる配管クリーン処理を実行する洗浄制御手段と、
を備えていることを特徴とする浴室部材洗浄装置。
【請求項4】
請求項1〜請求項3のいずれかに記載の浴室部材洗浄装置であって、
上記洗浄配管の基端は、浴室を構成する浴室壁よりも浴槽側に位置する循環配管から分岐されている、浴室部材洗浄装置。
【請求項5】
請求項1〜請求項4のいずれかに記載の浴室部材洗浄装置であって、
上記流路切換手段は、上記循環配管の戻り側又は往き側のいずれか一方に介装された三方切換弁と、他方に介装された開閉切換弁とから構成されている、浴室部材洗浄装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−152311(P2011−152311A)
【公開日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−16381(P2010−16381)
【出願日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【出願人】(000004709)株式会社ノーリツ (1,293)
【Fターム(参考)】