説明

海生生物付着防止装置および海生生物付着防止用複合プレート並びにその設置方法

【課題】 取水路内壁面に、簡便、かつ安価に設置でき、電位分布を均一にして酸素を効率よく発生することができる海生生物付着防止装置及びその設置方法、並びに該設置方法に用いられる海生生物付着防止用複合プレートを得ること。
【解決手段】 絶縁材3の表面にチタンシート4を装着するとともに上記絶縁材3の裏面側に取水路の流れ方向に延びる複数のステンレス鋼帯状体5を装着した海生生物付着防止用プレート2を取水路内壁面1に配設し、上記チタンシート4及び該ステンレス鋼帯状体5を外部直流電源と電気的に接続した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発電所等の取水路接水面(内壁面)に付着、生育して該取水路の正常機能を阻害する海生生物の付着を防止する海生生物付着防止装置、及び海生生物付着防止用複合プレート、並びにその設置方法に関する。
【背景技術】
【0002】
海水を冷却水とする発電所等の取水路においては、その接水面(内壁面)にイガイ、フジツボ、ヒドロ虫、あるいは海藻類といった海生生物が付着する。このような取水路内壁面への付着は、取水路の冷却水流量の低下といった事態を招き、取水路の正常機能を阻害するものとなる。
【0003】
これらの海生生物の駆除や付着防止(以下、防汚と称する)のため、塩素や塩素化合物の環境海水中への投入、毒性イオン生成顔料含有防汚塗料の塗布、海水電解による塩素や銅等の毒性イオンの生成等が知られている。
【0004】
これらの方法は、有効な防汚機能を発揮するものの、大量の海水環境にあっては、その量や濃度の管理が容易ではなく、確実な防汚効果を期待するため過大な濃度になりやすい。その結果、環境汚染の原因となる可能性が高く、今日ではそのような方法は、禁止又は抑制の方向にある。
【0005】
無公害、無毒性の防汚対策も進められており、例えばシリコーン系防汚塗料は、無公害で無毒性であるが、防汚効果を有する。しかし、このシリコーン系防汚塗料の塗布による方法は、貝殻等の異物の接触により防汚寿命が短い、施工コストが高い、大面積の対象物や既存の施設への簡単容易な施工手段がない、海水の流れを止めると防汚効果が減少する等の問題があり、広く実用されるに至っていない。
【0006】
特開平11−323868号公報(特許文献1)には、水中構造物の壁面に不溶性導電材を設置して、外部直流電源の正極に接続して陽極とし、電流を流すことにより、該導電材の界面で生成する塩素や発生酸素等による殺菌作用に基づく導電材表面への水中生物の付着を抑制あるいは防止する電気化学的防汚法における電極の配置構造について記載されている。
【0007】
また、特開2000−119884号公報(特許文献2)には、陽極を電気的触媒で被覆することによって、塩素の発生を抑制しながら酸素を発生させることができることが記載されている。
【0008】
上記特許文献1では、陰極は帯板又は線材からなる格子状、簾状、網状あるいは螺旋状の金属体であり、複数の絶縁性支持具を介して陽極の表面から等間隔に配置するとされている。
【0009】
しかし、上記特許文献1のような陰極の配置では、絶縁性支持具を必須としてコストがかかるほか、施工に手間がかかるという問題がある。また、陰極及び絶縁性支持具が取水路中に突出しているのでゴミ等の漂流物が陰極や絶縁性支持具に引っ掛かるという不都合も生じる。
【0010】
一方、特開平7−300833号公報(特許文献3)には、陰極を取水路底面に設けるものが記載されているが、この場合には電位分布が陰極に近いほうが大きくなり、陰極に近いほうは酸素の発生電位(1.2vS.C.E.以下)から塩素の発生電位に達してしまい酸素の発生を目的とする防汚には不適当である。
【0011】
また、陽極としてチタンシートを使用し、陰極をチタンシートの取り付けボルトとして用い、チタンシートと絶縁して設置することも提案されているが、陰極の導通をリード線で行った後に、その上にチタンシートを設置する方法では、二重の手間がかかる。
【0012】
また、陽極としてチタンシートを使用する場合に、その導通をチタンプレートで行っていたので、部品点数が増えると共に高コストとなっていた。また、アンカーボルトの数量もチタンプレート1枚あたり4箇所となるので、アンカーボルトの打ち込み作業に工数を要した。
【特許文献1】特開平11−323868号公報
【特許文献2】特開2000−119884号公報
【特許文献3】特開平7−300833号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は、このような点に鑑み、取水路内壁面に、簡便、かつ安価に設置でき、酸素を効率よく発生することができる海生生物付着防止装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明者らは、検討の結果、陽極形成部材であるパネル状チタンプレートと陰極形成部材である長尺状ステンレス鋼プレートを一体化した複合プレートを用いることにより、取水路内壁面に陽極と陰極を同時に、簡便、かつ安価に設置できることを知見し、また、陰極が取水路の流れ方向に複数設けられていることから電位分布を均一にして酸素を効率よく発生することができることを見出し、本発明に到達したものである。
【0015】
すなわち、第1の発明は、海生生物付着防止装置において、絶縁材の表面にチタンシートの如き陽極形成板状体を装着するとともに上記絶縁材の裏面側に取水路の流れ方向に延びる複数のステンレス鋼帯状体の如き陰極形成帯状体を装着した海生生物付着防止用プレートを取水路内壁面に配設し、上記陽極形成板状体及び該陰極形成帯状体を外部直流電源と電気的に接続したことを特徴とする。
【0016】
また、第2の発明は、第1の発明において、海生生物付着防止用プレートが、表面にパネル状チタンプレートが設けられ、該パネル状チタンプレートの裏面に絶縁材が配され、該絶縁材の裏面側一端に長尺状ステンレス鋼プレートからなるステンレス鋼帯状体が設けられた複数の複合プレートにより構成されていることを特徴とする。
【0017】
第3の発明は、本体部、上部重合わせ部及び下部重合わせ部とからなるパネル状チタンプレートと、該パネル状チタンプレート本体部及び下部重合わせ部の裏面に配された絶縁材と、該パネル状チタンプレートの裏面の一端に、該絶縁材を介して配置された長尺状ステンレス鋼プレートとからなり、該長尺状ステンレス鋼プレートが該パネル状チタンプレート下部重合わせ部より突出した突出部を有し、かつ該絶縁材が固定部に配された絶縁性樹脂とその他の部分に配された発泡剤とにより、海生生物付着防止用複合プレートを構成することを特徴とする。
【0018】
第4の発明は、取水路内壁面に、請求項8記載の複合プレートを、上記パネル状チタンプレートを表面とし、かつ上記長尺状ステンレス鋼プレートが裏面の上端部に位置するように配置し、上記パネル状チタンプレートの上部重合わせ部と取水路の流れ方向に隣接する複合プレートの上記パネル状チタンプレートの下部重ね合わせ部とを順次重ね合わせ、上記固定部で固定部材により上記取水路内壁面に固定し、該取水路内壁面の表面に複数の上記パネル状チタンプレートから構成されるチタンシート形成し、上記絶縁材の裏面に複数の上記長尺状ステンレス鋼プレートから構成されるステンレス鋼帯状体を取水路の流れ方向に複数設けることを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明に係る海生生物付着防止装置は、上述のように構成することにより、電位分布を均一にすることができ、塩素を発生させることなく、酸素を効率よく発生させることができ、取水路内壁面の海生生物の付着を有効に防止することができる。また、海生生物付着防止用複合プレートを用いることよって、取水路内壁面に、簡便、かつ安価に海生生物付着防止装置を取り付けることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
【0021】
図1は、本発明の海生生物付着防止装置の概略構成を示す断面図であり、取水路内壁面1に、海生生物付着防止用プレート2が配設されている。上記海生生物付着防止用プレート2は、絶縁材3表面に陽極形成板体を構成するチタンシート4を装着するとともに上記絶縁材3の裏面側に取水路の流れ方向に延びる陰極形成材を構成する複数のステンレス鋼帯状体5が装着されており、上記各ステンレス鋼帯状体5が上記絶縁材3及びチタンシート4に形成された取水路の流れ方向に延びる開口部Sを介して取水炉内に露出し、取水炉内の海水と接触するようにしてある。そして、上記チタンシート4及び該ステンレス鋼帯状体5が外部直流電源と電気的に接続されている。
【0022】
絶縁材3の裏面に設けられている複数の長尺ステンレス鋼プレートから構成されるステンレス鋼帯状体5は、陰極として用いられるものであり、このステンレス鋼帯状体(陰極)5の幅は10mm以下にすることが望ましい。陰極の幅を10mm以下とすることにより電流密度を10A/m以上とすることで陰極部への海生生物の付着を防止することができる。また、ステンレス鋼帯状体(陰極)5の海水との接触部の上下方向の幅は2〜10mmとし、かつ取水路の流れ方向に上下に複数設けられているので、陽極電位分布は均一なものとなる。
【0023】
上記チタンシート4は、電気的触媒(図示せず)で被覆されていることが望ましく、この電気的触媒としては白金系触媒、白金系金属酸化物からなる単一体、混晶体又は複合体から選択され、ルテニウム触媒が特に好ましい。この電気的触媒は電気抵抗加熱等によって350〜450℃で数時間の熱活性化処理を施してもよい。このように電気的触媒でチタンシート4を被覆することによって、塩素の発生を抑制しながら酸素を発生させることができる。
【0024】
チタンシート4の裏面側に設けられている絶縁材3は、上記海生生物付着防止用プレート2を取水路の内壁面1に固定する固定部に配設された絶縁性樹脂とその他の部分に配設された発泡剤とからなっており、絶縁性樹脂としては塩化ビニル樹脂等が例示される。固定部に絶縁性樹脂を用いるのは絶縁を確実にすると共に、固定を確固としたものにするためである。また、その他の部分に発泡剤を用いるのは絶縁を確実にすると共に、軽量化を図るためである。
【0025】
チタンシート4、絶縁材3及びステンレス鋼帯状体5は、固定部にて固定部材によりコンクリート製の取水路の内壁面1に固定される。固定部材としてはチタン製アンカーボルトが海水中で溶解しないため望ましい。
【0026】
しかして、陽極形成部材であるチタンシート4と陰極形成部材であるステンレス鋼帯状体5を絶縁材3とともに一体的に取水路内壁面1に取り付けることができ、海生生物付着防止装置を簡便、且つ安価に設置することができる。
【0027】
図2は、本発明に係る海生生物付着防止装置における海生生物付着防止用プレート2の実施の形態を示す正面図であり、図3は、そのA−A部分の断面図、図4はそのB−B部分の断面図、図5は図2で示される海生生物付着防止装置を構成する複合プレートの正面図、図6はその裏面図である。
【0028】
図2〜6に係る海生生物付着防止装置における海生生物付着防止用プレート2は、複数個の複合プレート6、6・・・により構成されており、上記複数個の複合プレート6、6・・・が取水路の内壁面1に配列装着されている。上記複合プレート6は、その表面にパネル状チタンプレート7が設けられ、該パネル状チタンプレート7の裏面に絶縁材8が配され、該絶縁材の裏面側一端に長尺状ステンレス鋼プレートからなるステンレス鋼帯状体9を設けることにより構成されている。
【0029】
しかして、上記複合プレート6を取水路の内壁面1に配列装着した場合、上記複数個のパネル状チタンプレート7により前記チタンシート4が構成される。
【0030】
図3に示されるように、本発明に係る海生生物付着防止用複合プレート6は、上述のように、パネル状チタンプレート7と絶縁材8と長尺状ステンレス鋼プレート9とから構成されており、パネル状チタンプレート7は、本体部7a、その本体部7aから複合プレート6の一側方に突出する上部重合わせ部7b及び複合プレート6の他側方に位置する下部重合わせ部7cとからなる。パネル状チタンプレート7には、予め前述と同様に電気的触媒を被覆しておくことが望ましい。
【0031】
絶縁材8は、パネル状チタンプレート本体部7a及び下部重合わせ部7cの裏面に配されている。パネル状チタンプレート7の裏面の上側部には、絶縁材8を介して長尺状ステンレス鋼プレートからなるステンレス鋼帯状体9が配置されており、この長尺状ステンレス鋼プレートからなるステンレス鋼帯状体9はパネル状チタンプレートの下部重合わせ部7cより突出した突出部9aを有し(図3)、さらにステンレス鋼帯状体9の上端縁部がパネル状チタンプレート7の上端縁より寸法Lだけ突出されている(図4、図5、図6)。また、絶縁材8は、海生生物付着防止用複合プレート6を取水路内壁面に固定する固定部、例えば上記海生生物付着防止用複合プレート6の隅角部に配設された絶縁性樹脂8aとその他の部分に配設された発泡剤8bとからなる。
【0032】
チタンプレート(陽極)7、絶縁材8及びステンレス鋼帯状体(陰極)9は、固定部にて固定部材10によりコンクリート製の取水路の内壁面1に固定される。固定部材10としてはチタン製アンカーボルトが海水中で溶解しないため望ましい。
【0033】
チタンプレート(陽極)7は、後述する陽極導電用チタンプレート11を経て外部直流電源(図示せず)に電気的に接続され、ステンレス鋼帯状体(陰極)7は後述する陰極導電用ステンレス鋼プレート12を経て外部直流電源(図示せず)に電気的に接続される。
【0034】
次に、本発明に係る上記海生生物付着防止用複合プレートを用いた海生生物付着防止装置の設置方法について説明する。
【0035】
コンクリートからなる取水路内壁面1に、上記複合プレート6を、上記パネル状チタンプレート7を表面とし、かつ上記長尺状ステンレス鋼プレートからなるステンレス鋼帯状体9が裏面の上端部に位置するように配置し、上記パネル状チタンプレート7の上部重合わせ部7bと取水路の流れ方向に隣接する複合プレートの上記パネル状チタンプレート7の重ね合わせ部7cとを順次重ね合わせるとともに、ステンレス鋼帯状体9の突出部9a上に隣接する複合プレート6のステンレス鋼帯状体9を重ね合わせる(図3)。一方、上下方向においては、図4に示すように、ステンレス鋼帯状体9の上端縁に上方の複合プレート6の下端部を隣接させて配置し、上下の複合プレート6間の取水路の流れ方向に延びる幅Lの隙間を介して上記ステンレス鋼帯状体9の上端縁が取水路内に露出し、海水と接触し得るようにする。
【0036】
その後、前記固定部で固定部材10、例えばチタン製アンカーボルトによりコンクリート製の取水路内壁面1に固定し、その取水路内壁面1の表面に複数の上記パネル状チタンプレート7から構成されるチタンシート4を形成し、上記絶縁材8の裏面に複合プレート6の上記長尺状ステンレス鋼プレートから構成され、取水路の流れ方向に延びる複数のステンレス鋼帯状体9を設ける。
【0037】
このように、パネル状チタンプレート7と長尺状ステンレス鋼プレート9が一体化して設けられているので、チタンシート(陽極)4とステンレス鋼帯状体(陰極)5とが同時に設置でき、工数が半減される。また、隣接するパネル状チタンプレート7と長尺状ステンレス鋼プレート9は互いに重ね合わせて面接触で安定した電気的導通が取ることができる。具体的にはパネル状チタンプレート上部重合わせ部7bと取水路の流れ方向に隣接する複合プレートのパネル状チタンプレート下部重ね合わせ部7cとを順次重ね合わせてチタンシート4が形成されている。このため、固定手段として用いるアンカーボルトの数量も半減される。
【0038】
図7は、本発明に係る海生生物付着防止装置をコンクリート製ボックスカルバート型取水路に適用した例を示す斜視図である。
【0039】
取水路の内壁面にチタンシート(陽極)4とステンレス鋼帯状体(陰極)5が設置され、それぞれチタンシート4に接続された陽極導通用プレート11とステンレス鋼帯状体に接続された陰極導通用プレート12を直流電源装置13に電気的に接続されている。
【0040】
実際の操業においては、触媒被覆したチタンシート(陽極)4の電位を0.52V〜1.20V(陰極電流密度10A/m以上)に維持して、海水を電気分解し、発生酸素により海生生物の付着を効果的に防止することができた。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明に係る海生生物付着防止装置の概略構成を示す断面図。
【図2】本発明の一実施の形態を示す正面図。
【図3】図2のA−A部分の断面図。
【図4】図2のB−B部分の断面図。
【図5】図2に示される海生生物付着防止装置を構成する複合プレートの正面図。
【図6】図2に示される海生生物付着防止装置を構成する複合プレートの裏面図。
【図7】本発明に係る海生生物付着防止装置をコンクリート製取水路に適用した例を示す斜視図。
【符号の説明】
【0042】
1 取水路
2 海生生物付着防止用プレート
3 絶縁材
4 チタンシート
5 ステンレス鋼帯状体
7 パネル状チタンプレート
7a:本体部
7b:上部重合わせ部
7c:下部重合わせ部
8 絶縁材
8a:絶縁性樹脂
8b:発泡剤
9 長尺状ステンレス鋼プレート
10 固定部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁材の表面に陽極形成板状体を装着するとともに上記絶縁材の裏面側に取水路の流れ方向に延びる複数の陰極形成帯状体を装着した海生生物付着防止用プレートを取水路内壁面に配設し、上記陽極形成板状体及び該陰極形成帯状体を外部直流電源と電気的に接続したことを特徴とする海生生物付着防止装置。
【請求項2】
海生生物付着防止用プレートは、表面に陽極形成板状体を構成するパネル状チタンプレートが設けられ、該パネル状チタンプレートの裏面に絶縁材が配設され、該絶縁材の裏面側一端に陰極形成帯状体を構成するステンレス鋼帯状体が設けられた複数の複合プレートにより構成されていることを特徴とする、請求項1記載の海生生物付着防止装置。
【請求項3】
上記絶縁材は固定部に配された絶縁性樹脂とその他の部分に配された発泡剤とから構成されており、上記固定部で上記チタンプレート、上記絶縁材及び上記ステンレス鋼帯状体が固定部材により上記取水路内壁面に固定されていることを特徴とする、請求項1または2記載の海生生物付着防止装置。
【請求項4】
上記チタンプレートの表面が、電気的触媒で被覆されていることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれかに記載の海生生物付着防止装置。
【請求項5】
上記電気的触媒が、白金系触媒、白金系金属酸化物からなる単一体、混晶体又は複合体から選択されることを特徴とする、請求項4記載の海生生物付着防止装置。
【請求項6】
上記固定部材が、チタン製アンカーボルトであることを特徴とする、請求項3記載の海生生物付着防止装置。
【請求項7】
上記ステンレス鋼帯状体の幅が10mm以下であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の海生生物付着防止装置。
【請求項8】
本体部、上部重合わせ部及び下部重合わせ部とからなるパネル状チタンプレートと、該パネル状チタンプレート本体部及び下部重合わせ部の裏面に配された絶縁材と、該パネル状チタンプレートの裏面の一端に、該絶縁材を介して配置された長尺状ステンレス鋼プレートとからなり、該長尺状ステンレス鋼プレートが該パネル状チタンプレート下部重合わせ部より突出した突出部を有し、かつ該絶縁材が固定部に配された絶縁性樹脂とその他の部分に配された発泡剤とからなることを特徴とする、海生生物付着防止用複合プレート。
【請求項9】
取水路内壁面に、請求項8記載の複合プレートを、上記パネル状チタンプレートを表面とし、かつ上記長尺状ステンレス鋼プレートが裏面の上端部に位置するように配置し、上記パネル状チタンプレート上部重合わせ部と取水路の流れ方向に隣接する複合プレートの上記パネル状チタンプレート下部重ね合わせ部とを順次重ね合わせ、上記固定部で固定部材により上記取水路内壁面に固定し、該取水路内壁面の表面に複数の上記パネル状チタンプレートから構成されるチタンシート形成し、上記絶縁材の裏面に複数の上記長尺状ステンレス鋼プレートから構成されるステンレス鋼帯状体を取水路の流れ方向に複数設けることを特徴とする、海生生物付着防止装置の設置方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−81449(P2006−81449A)
【公開日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−268741(P2004−268741)
【出願日】平成16年9月15日(2004.9.15)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(000211891)株式会社ナカボーテック (42)
【出願人】(391037814)株式会社東京エネシス (24)
【Fターム(参考)】