説明

海面の水温低下装置

【課題】 海面の水温を効率良く低下させ、海面の水温の低下によって海面からの水蒸気の蒸発を抑制し、低気圧の発生を防止ないしは勢力を弱める。また、海面水温の上昇を抑制することで赤潮や青潮の発生を防止ないしは軽減する。
【解決手段】 海面の水温を低下させるための装置として、送水用のパイプを海中に設置し、そのパイプ11の吸入口18を目的海面Aの水温よりも低温の冷水帯Lに配置し、またパイプ11の噴出口19を海面下の所要の位置に配置するとともに、吸入口18から冷水を吸引し、噴出口19から噴出させるために、パイプ11にポンプ15を接続し、目的海面Aの領域の海面下に供給し、より高温の暖水と混合させるように構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、海面の水温を低下させるための装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
水面における水温は環境に大きな影響を及ぼす要因の一つである。例えばエルニーニョ現象として有名なペルーの海岸に沿って南へ流れる暖流があり、高温によりエルニーニョが成長するとき、西部太平洋において台風の発生する頻度も高まるという相関関係が明らかになっている。このような地球的規模の例をさておいても、高温により海水面からの蒸発が活発になると低気圧が発生しやすくなるという傾向は一般的に認められる事項であ
る。また水温上昇は、規模の小さい閉鎖的水面の場合には、青潮、赤潮の発生しやすい状況の原因の一つとなり、海洋生物の生態に大きな影響を及ぼす。
【0003】
特開平7−99862号(特許第3282152号)は、海洋生物生産用の海洋深層水及び表層水の水温制御システムを扱っており、熱交換器とヒートポンプの蒸発器とから排出される、冷却された表層水を海洋生物生産用の海洋水として用いるように構成されている。即ち、取水した深層水と表層水とを熱交換器に送水し、表層水の有する熱量だけを深層水に与えて熱交換するもので、冷却された表層水と加熱された深層水を各別に得ることができ、設定された水温レベルを有する表層水、深層水が得られるという効果を奏する。しかしながら、この発明の方法では、熱交換器、凝縮器を備えるヒートポンプ、その他の機器を必要とするので、適用できる対象が限られており、それ以上に拡大することは容易ではない。
【0004】
特開平11−71735号は、海水の温暖化防止方法と称するもので、海中深いところに停滞している低温度水を上昇させ、海面側の高温度水に波動を及ぼして海水の温度を下げる目的を有する。同発明の場合、圧搾空気装置からのエアを海中深い場所から噴射ノズルを用いて上方へ噴射し、エアの圧力で海中に停滞している低温度水を押し上げるという構成を取っている。しかし、気泡を海中深い場所から噴射させるには、その深海中の圧力に打ち克って噴出させ得る圧力が必要であり、なおかつ気泡は深海中では高圧により圧縮され小さくなっているはずであるから、低温度水を効率良く押し上げることができるかどうかは疑問である。
【0005】
特開2004−49960号は、水底からの曝気により富栄養物質を除去するもので、気泡により低温度水を上方へ運ぶ点において前記の発明と共通している。しかし同発明は溶存酸素濃度の上昇とともに、緩やかな誘起流れを発生させるもので、100メートルを越えるような深度から曝気に伴う誘起流れで低温度水を表層まで運ぶことを示唆しているものではないので、ごく浅い水域を対象としており、必要な圧力も比較的小さい。
【0006】
なお、米国特許第5441200号は既に発生してしまった熱帯サイクロンの崩壊方法を開示している。同発明では、サイクロンが自壊作用を起こすような化学薬品を熱帯サイクロンの目に供給するという手段を取っている。水蒸気が化学薬品と化合し、大きな分子を形成し、目の壁が遠心力によってスピンアウトすることで、目の直径が拡大し、風速が低下し、嵐も極小となる。また米国特許第6315213号は、架橋性ポリマーを雲の中に投じて雨をポリマーに吸収させようとするもので、その結果ゼラチン状の物質となって凝固するので、勢力が弱まり、雲の降雨能力が低下する、というものである。
【0007】
前3者は海面の水温を低下させる技術を扱っており、海面の水温低下により、海面からの蒸発が抑制され、これを大規模に実施することができれば、低気圧の発生を抑制し、或いは遅らせ、または勢力を弱めることができるとの考えに基いている。これに対して、後2者はサイクロンを形成している雲の勢力を弱めるものであるから、海面から供給されるエネルギーが弱まらない限り、サイクロンは存在し続けると考えられ、また加えて、薬品の投入による環境汚染の問題がある。
【0008】
【特許文献1】特開平7−99862号
【特許文献2】特開平11−71735号
【特許文献3】特開2004−49960号
【特許文献4】米国特許第5441200号
【特許文献5】米国特許第6315213号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は前記の点に着目してなされたものであり、その課題は、海面の水温を効率良く低下させることである。また本発明の他の課題は、海面の水温の低下によって、海面からの水蒸気の蒸発を抑制し、低気圧の発生を防止するか、或いは既に発生している低気圧の勢力を弱めることである。また本発明の他の課題は、海面の水温上昇による赤潮や青潮等の発生を防止ないしは軽減することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記の課題を解決するため、本発明は、海面の水温を低下させるための装置について、送水用のパイプを海中に設置し、そのパイプの吸入口を海面の水温よりも低温の冷水帯に配置し、またパイプの噴出口を海面下の所要の位置に配置するとともに、吸入口から冷水を吸引し、噴出口から噴出させるために、パイプにポンプを接続し、海面下の目的領域に供給し、より高温の暖水と混合するようにするという手段を講じたものである。
【0011】
本発明は、目的海面の水温を低下させる装置であり、その目的は、海面からの水蒸気の蒸発を防止するか、或いは可能な限り抑制させることにある。海面からの水蒸気の蒸発を抑制する発明としては、特許第2727128号の台風防止装置があり、同発明では、カバーにより海水面を覆うという手段を開示している。しかし、カバーによって覆うことが可能な海面の広さはたかが知れており、厖大な数のカバーを必要とする、その反面、そのように広大なカバーを海面に敷き広げること、及び事後撤収することには著しい困難が伴うと考えられる。
【0012】
そこで本発明では、送水パイプを海中に設置し、目的海面近くの、水温よりも低温の冷水帯から海面より低温の冷水を吸引して、より高温の目的海面下の領域に供給し、当該領域を低温化し、それによって目的海面からの水蒸気の蒸発を抑制するものである。目的海面の水温よりも低温の冷水帯は、多くの場合、深い海中に求められるが、冷水塊が近くに得られる場合には、より水面に近い箇所の冷水帯から求めても良い。送水パイプは海中に設置するものとし、海中から海中へ海水をパイプ輸送させる方法を取る。冷水を海中で目的領域へ移動し、海面上から散布する方法は取らない、その理由は余分の散布装置を必要とする上、逆に海面を波立たせて蒸発を促進し、逆効果となるおそれがあるからである。
【0013】
送水用のパイプにより、海面の水温よりも低温の冷水帯の冷水を取り入れ、目的海面に水中供給するので、目的海面における、より高温の暖水は冷水と混合し、直接熱交換が行なわれ、より低温となる。したがって、目的海面の水温は、冷水帯の水温によって低温化し、十分低温な冷水が得られた場合には、より少ない水量でより広域の目的海面を、より低温に冷却することができる。これに対して、冷水帯の水温が十分でない場合には、より多量でも十分には目的海面を冷却できないことも起こり得る。しかし、熱帯低気圧の勢力が強まる海面の水温は約26℃以上であるとされている(例えば1998年8月気象庁作成資料)。これに対して、海面下200mの水温は北緯20度付近でも15℃〜20℃と十分に低いとすれば、26℃の海面の水温とは数度ないし約十度の差が得られるので、目的海面の水温を1〜2度低下させるには十分有効であると考えられる。また海面に及ぶ冷水塊の水温は、例えば周囲の水温と5℃程度は低温であるので、これを利用するときは200m以上もパイプを沈めなくても或る程度の効果を得ることができる。
【0014】
ホースによって輸送し得る冷水量はパイプの大きさと流速によるので、必要な数量のホースを目的海面に配置することが重要である。そこで、本発明では、潜水及び浮上機能を有する潜水プラットフォームを海中に配置し、その潜水プラットフォームに複数個のパイプを縦に設置したものを、必要隻数用意して目的海面の海中に配置する方法を取ることができる。潜水プラットフォームに必要なのは、送水用のポンプ動力であり、それと潜水プラットフォームを所望水深に配置しておく、深度調整機能であるので、例えば退役した潜水艦を使用することができればそれがベストに近い。潜水艦の推進動力をポンプ用動力として利用し得るように改造するのは比較的容易であり、かつ深度調整機能はそのまま利用可能であるからである。
【0015】
このようにして、本発明により、例えば約26℃程度の水温の海面を1〜2℃、より好ましくは約2〜3℃以上までも低下させることができ、それによって水蒸気の蒸発を抑制し、台風、熱帯低気圧へのエネルギー供給を断つか、或いはエネルギー供給量を減少させることができる。さらに、本発明の水温低下装置は海流の中に配置することにより、海流の水温を低下させることができ、或いは、海流を冷水の輸送手段として利用することができるので、既に発生している赤潮、青潮や熱帯低気圧、台風の直下の海面の水温を低下させることが可能となり、それによってそれら熱帯低気圧や台風の勢力を弱めることもなし得る。
【0016】
潜水プラットフォームは目的海面への移動のために、或いは目的海面に対して最適の位置へ移動するために、移動手段として推進器を備えることができる。また、潜水プラットフォームの移動の際に、送水用のパイプが抵抗となるのを軽減するために、移動方向との交差角度が直角よりも小さくなるように送水用のパイプを傾斜させることができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明は以上のように構成されかつ作用するものであるから、目的海面の水温を確実に低下させることができ、それによって水蒸気の蒸発を抑制し、低気圧の発生を防止する
か、或いは勢力を弱めることが可能となり、或いは海面の水温の上昇に伴う他の弊害例えば赤潮や青潮の発生を防止ないしは軽減することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下図示の実施形態を参照しつつ本発明をより詳細に説明する。図1は、本発明に係る水温低下装置10の例1を示す側面図、図2は正面図である。図において11はパイプであり、潜水プラットフォーム12に複数個ずつ、縦に設置されている。
【0019】
潜水プラットフォーム12は、最少限度の機能として潜水深度の調節機能及び、ポンプ15への動力供給機能を有しており、その左右両舷側に沿って各数基ずつ縦管13を立てるとともに、縦管13の上部と下部に梁材14、16を架け渡して接続し、すべての縦管パイプ13と梁材14、16とは斜張材17によって補強し、全体が強固な直方体形の構造体を形成している。構造体は例えば梁材16で潜水プラットフォーム12に固定的に取り付けられる。例示の場合、パイプ11は、多段伸縮構造を有し、舷側に固定されている縦管13に上下位置調整可能に装着されている。図中、18はポンプ側に設けられた冷水の吸入口、19はホース上端に設けられた噴出口、20は推進器を示す。
【0020】
実施形態の装置10では、パイプ11は縦管13の内部に嵌め込まれ、かつ上下にスライド可能に組み合わされており、縦管13を保持しているパイプ保持部21に、ワイヤーなどの連結手段22を介して結合可能に形成されている(図3参照)。ワイヤーなどの連結手段22は、潜水プラットフォーム側に搭載されているウィンチ23によって巻き上げ,巻き下ろし可能に設けられており、それによってパイプ11を上昇、下降させることができるようにパイプ昇降機能を持たせている。これは、潜水プラットフォーム自体を冷水帯Lの深度まで潜水させなくても、パイプ11の伸縮と下降によって吸入口18を目的深度に配置すること、及び冷水帯Lの位置変動に吸入口18の位置を合わせて昇降調節することを可能にする手段である。
【0021】
ポンプ15は、このようなパイプ11の下端に装着されており、水中ポンプの中でも、高深度ポンプと呼ばれるタイプのものを使用する。この例の場合高深度とは、海面下100〜200mの深度を意味するが、それ以上の高深度例えば海面下400m程度までは運用可能であることが望ましい。パイプ11の上端には開閉弁24が設けられており、送水が開始されると開き、終わると閉じるように構成され、このことによって送水時の水圧によりパイプ11を自動的に上昇させ、送水圧が弁に打ち勝ったところで開弁する構成とすることができる。また、噴出口19にはノズルを設け、冷水を目的海面下に適正に供給する。例えば噴出口位置が深い場合には到達距離を長くとれる収束型のノズルを使用し、噴出口位置が浅い場合には到達距離は短いがより広範囲に早く拡散し得る拡散型のノズルを使用することが望ましい。しかし収束、拡散調節可能なタイプのノズルであればさらに好ましい。
【0022】
このように構成されている本発明の装置10は、目的海面A又はその近くに必要台数配置する(図4参照)。即ち本発明の装置10は、例えば目的海面近くの海中に存在する冷水帯Lに、パイプ下端の吸入口18を配置し、パイプ上端の噴出口19は海面表層の暖水帯H又はそれに近い箇所に配置する。吸入口18から吸引された冷水は、噴出口19から噴出され、暖水帯Hの海水と混合し、直接熱交換を行って暖水帯Hの水温を低下させることとなる。実施形態の例では、パイプ11の径を500φ、ポンプ15の送水能力を3t/minと見つもり、本装置1台で8本のパイプ11を使用するので、毎分24トンの送水量を想定し、本装置10を図4に示したように所要台数配置することにより、目的海面Aの水温を低下させるものである。上記本装置10を20台配置すると毎分480トン、毎時28800tの送水能力があるので、暖水帯Hの深さを10mとすると2880平方メートルの海域を1時間で冷却できることとなり、温度低下については、暖水帯Hの水温を26℃、冷水帯Lの水温を20℃とした場合、暖水、冷水等量として23℃に冷却し得る計算となる。
【0023】
図10は、暖水帯Hが停滞ないしはより低速で移動しており、これに対して流れ込む、より高速の海流がある場合に、海流を冷水輸送手段に利用する例を示している。本発明の装置10は、暖水帯Hの上流の所定箇所に例えば格子状に配置する。格子間隔a、bは任意に設定することができるが、前記の実施形態の例を使用すると、例えば100メートル間隔で本装置10を配置すれば良いことになる。暖水帯Hの水温が例えば26℃から3℃も低下するということは、極めて顕著な効果であり、熱帯低気圧が発生する要因を解消し、或いは発生しにくい状況を作り出すための有効な手段であるということができる。また、既に一部触れたように、本発明を構成する潜水プラットフォーム12として、退役した潜水艦を流用することができるので、不要となった潜水艦の安全な利用方法ともなる。
【0024】
図4ないし図9は、本発明に係る水温低下装置30の例2を示す。例2の水温低下装置30は、可倒式の送水用のパイプ11を有するもので、各送水用パイプ11は、例1と同数程度用意され、パイプ保持部31において潜水プラットフォーム12に、移動方向との交差角度が小さくなるように上部が少なくとも後方へ倒れるように軸支されている。送水用のパイプ11について、32は回転軸、33は軸受であり、潜水プラットフォーム側に設置されている(図6)。さらに送水用のパイプ11は上部と下部にて梁材34、36に回転可能に軸支され、斜張材37を掛けて固定されている。また、各送水用のパイプ11の上端には、海面への浮上に使用される浮子35が設けられている。
【0025】
例2における送水用のパイプ11は、パイプ保持部31に固定されている外パイプ41と、その内側に位置する中間パイプ42と、さらに内側に位置する内パイプ43とを有している。外パイプ41は上下のフランジ部44、45を有し、下フランジ部45には中間パイプ42の上端に設けたストッパー46を受け止め、上フランジ部44には内パイプ43の下端に設けたストッパー47を受け止める。ストッパー47の下部外周には、中間パイプ42とのスライドの際の案内となる面取り部47bが設けられている。また、中間パイプ42のスライドの際の下部フランジ部45における案内としてガイド部材50が固定されている。46a、47a、50aは抵抗減少のための凹溝を示す。また、外パイプ41と、中間パイプ42、外パイプ41と内パイプ43との間には、上下方向に沿う凹部48、48′と、それらに嵌合してスライド可能な凸部49、49′とから成る回り止めが設けられている(図8、図9)。
【0026】
中間パイプ42の下端にはポンプ部15が接続されており、その下端が冷水の吸引口19となっている。他の構成については、例1と同様で良いので符号を援用し、詳細な説明を省略する。38は緩衝体であり、浮子35と上フランジ部44との間に配置されていて、内パイプ43が降下したときのショックを吸収する。また39はワイヤー取り付け部、を示す。
【0027】
このように構成されている本発明に係る例2の水温低下装置30は図5に示すように、可倒式の送水用のパイプ11を有しているので、推進器20による航走又は曳航による移動の際の安定性を改善するとともに、送水用のパイプ11が引き起こすことになる抵抗を減少させることができる。また、送水用のパイプ11の内パイプ43には浮子35が設けてあるので、ポンプ15による送水時の水圧で内パイプ43を上昇させる際に、浮子35の浮力を利用することができる。さらに、外パイプ41と中間パイプ42及び内パイプ43は回り止めによってガイドされるので、中間パイプ42の昇降及び内パイプ43の上下移動がスムーズに行なわれる。
【産業上の利用可能性】
【0028】
目的海面の水温調整による海洋生物の飼育、メソ気象の制御による気象災害の抑制、緩和、地球温暖化の緩和等に利用できる可能性がある。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明に係る海面の水温低下装置の例1を示す側面図。
【図2】同上の正面図。
【図3】本発明装置に使用する水中ポンプを有するパイプの拡大図。
【図4】本発明に係る例2の装置の使用状態の側面図。
【図5】図4の装置の前進状態の側面図。
【図6】例2の装置の送水用のパイプを示す部分断面図。
【図7】パイプの一部を拡大して示す断面図。
【図8】外パイプと内パイプの回り止めを示す断面図。
【図9】外パイプと中間パイプの回り止めを示す断面図。
【図10】本発明装置を実施する場合の1例を示す平面説明図。
【符号の説明】
【0030】
10、30 海面の水温低下装置
11 パイプ
12 潜水プラットフォーム
13 縦管
14、16、34、36 梁材
15 ポンプ
17、37 斜張材
18 吸入口
19 噴出口
20 推進器
21、31 パイプ保持部
22 連結手段
23 ウィンチ
24 開閉弁
32 回転軸
33 軸受
35 浮子
38 緩衝体
41 外パイプ
42 中間パイプ
43 内パイプ
44、45 上下のフランジ部
46、47 ストッパー
A 目的海面
H 暖水帯
L 冷水帯




【特許請求の範囲】
【請求項1】
海面の水温を低下させるための装置であって、送水用のパイプを海中に設置し、そのパイプの吸入口を海面の水温よりも低温の冷水帯に配置し、またパイプの噴出口を海面下の所要の位置に配置するとともに、吸入口から冷水を吸引し、噴出口から噴出させるために、パイプにポンプを接続し、海面下の目的領域に供給し、より高温の暖水と混合するようにしたことを特徴とする海面の水温低下装置。
【請求項2】
潜水及び浮上機能を有する潜水プラットフォームを具備し、その潜水プラットフォームに複数個のパイプを縦に設置したものを、必要隻数用意して目的領域の海中に配置するようにした請求項1記載の海面の水温低下装置。
【請求項3】
送水用のパイプは、潜水プラットフォームの移動の際に、移動方向との交差角度が小さくなるように傾斜する方向へ回転可能に設けられている請求項2記載の海面の水温低下装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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