説明

消すことができるインク組成物及び消色方法

【課題】
本発明は、印刷インク、リボンカートリッジインク、デスクジェットインク、各種筆記具用インクなど、記録用インクを製造して使用することにより、一般用紙だけでなく、磁気ストリップが付着された記録媒体を再活用する場合、輸入に依存している磁気ストリップインクと基材の消費量を最小化することができる。また、資源リサイクルの効果や、外貨を節減し、環境破壊を減らすことができる環境親和的な特徴がある。
【解決手段】
本発明は情報が記録された記録媒体を必要な場合に消して再使用することができる方法であって、本発明の構成は1)使用中には消していないが、消色剤によっては容易に消色される色素を用いて容易に消すことができるように構成される各種インクの基本組成、2)熱又は光反応開始剤を含む消色剤の組成、及び3)消色剤を塗布して熱を加えたり光を照射させることによって消す方法から構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は記録媒体上に印刷された情報を必要な場合に消して記録媒体を再使用するために案出されたものであって、消色剤で容易に消すことができるインクの組成物、印刷されたインクを消す消色剤及びこれの消色方法を提供する。
【背景技術】
【0002】
産業の発達につれて一般文書のみならず大衆広報媒体などの紙の使用量は非常に大きな幅で増加している傾向で、紙の原料であるパルプの供給が多くなって森は急速度で破壊されており、漸次地球温暖化による問題が深化されている実情である。
【0003】
インクの色素を示す有機色素は発色団と助色団とから構成されており、通常発色団としてはアゾ基(-N=N-)、カルボニル基(>C=O)、ニトロ基(-NO2)、チオカルボニル基(>C=S)、ニトロソ基(-N=O)、エチレン結合(-C=C-)、シアノ基(-C=N-)などが挙げられ、助色団としてはアミノ基 (-NH2)及び二級アミノ基(-NHR)、三級アミノ基(-NR2)、ヒドロキシ基(-OH)、スルホン基(-SO3)、カルボキシ基(-COOH)、メルカプト基 (-SH)、アルコキシ基(-OR)、ハロゲン化物(-X)などが例で挙げられる。助色団は深色効果と染色性を良くする役割を果たす。なお、このような助色団は非共有電子対を有して反応性を良くする。
【0004】
色素と容易に反応して消色させる物質は酸から遊離された漂白剤(イオン)が色素と反応する分子反応機構であり、もう一つはヒドロキシラジカル(・OH)、ペルオキシラジカル(・OOH)、スーパオキシドラジカル(・O2-)と色素が反応する活性酸素機構が挙げられる。
【0005】
しかし、前記の化合物は記録媒体を酸化させて記録媒体の色まで消色させたり記録媒体を破損する恐れがある。
【0006】
色素を消色させるより安定された反応機構として熱や光によって容易にラジカルを形成する有機化合物を用いる方法である。これらは他の有機化合物と反応して高分子物を形成させたり色素の助色団と反応して発色団を破壊して消色させる。このような反応はデュルックスプロセス(Dulux process)で命名された反応機構として色素が光及び熱によって容易にラジカルを発生する物質と容易に反応して色素が破壊される反応機構(mechanism)を提示している(Heinrich Zollinger et al.著、COLOR CHEMISTRY p288-303 VCH発刊(1971))。
【0007】
なお、熱や光によって分子構造が転換されて顕色と消色とを繰り返すことができるロイコ染料(Leuco dye)と呼ばれる可逆性記録機能材料(Rewritable Marking material)を用いる方法である。可逆性機能材料とはエネルギーが与えて画像が形成され、その画像はエネルギーをそれ以上受けられなければそのまま保持され、再びここに他のエネルギーを加えると画像が失くされて再使用が可能である記録媒体を言う。可逆性記録媒体は色々なものがあるが、この中で熱可逆性媒体がたくさん用いられている。
【0008】
このような熱可逆性記録媒体には高分子/低分子複合型、高分子型、ロイコ染料(Leuco dye)型があるが、この中でロイコ染料型は色調変化を用いたものであって、2成分発色系の中でロイコ染料を発色源にして染料と減色剤の反応を用いたものである。一般に熱転写インクで用いられるロイコ染料は記録用としてたくさん用いられているが、このような熱可逆性媒体は解像力、安定性は優れて広範囲に使用されるものの反復性が足りなく、熱や光に徐々に消色されて長期保管のための文書には適用に問題がある。
【0009】
色素を消色させるより発展された方法としては、色素をデキストリン(Dextrin)のような包接化合物に内包させ、外部に光反応消色剤を化学的に結合させてレーザープリンターのトナー用インクで使用する方法である。前記の方法はKimbery-ClarkのR. S. Nohrチームが続けて研究を進めている(米国特許第5,643,701号、米国特許第5,683,843号、米国特許第5,721,287号、米国特許第6,017,471号、米国特許第6,017,661号、米国特許第6,033,465号、米国特許第6,060,200号、米国特許第6,120,949号、米国特許第6,127,073号、米国特許第6,235,095号、米国特許第6,342,305号)。
【0010】
また、同一な構成でロイコ染料に関する研究は、米国特許第6,017,386号、米国特許第5,922,115号、米国特許第6,063,551号、米国特許第6,790,809号などがある。
【0011】
前記の方法はより最近に提案された方法である米国特許第6,342,305号に叙述したように長期保管時に徐々に退色される技術的問題を克服することのできない短所を伴っている。なお、レーザープリンターのトナーのように固体で存在する場合を除いた液体の印刷インクやリボン用インク、デスクジェットインク、各種筆記具用インクなどは色素と消色剤が溶媒に溶解されて反応するため、保管や使用中に消色されて適用が不可能である。
【0012】
また、前記の技術は包接化合物が溶媒に溶解されないとしても、記録時に記録媒体との摩擦によって破壊することができ、リボン用インクはリボンに染色されたインクをドットインパクト方式で印刷するため、包接化合物が破壊されてリボンの退色を誘発する。
【0013】
特に、本研究陣によって開示された大韓民国特許第0,536,056号のように、駐車券や高速道路通行券などは苛酷条件の場合70乃至100℃の高温と日光に露出されて情報が消えることもある。従って、特殊目的の用途の他に一般用途のインクを色素と消色剤を同時に使用してインクを製造する方法は理論的には可能であり得るが、実質的に多くの問題点を内包しているものである。
【0014】
もう一つの方法としては色素を光消色剤と促進剤を混合してインクを製造し印刷した後、光を照射して消す光消色組成物(特開平9‐286,979号)を提供するものである。公知の特許は特定波長の紫外線を照射する場合のみに消色されると主張しているが、使用中で日光に露出される場合に、光ラジカル形成剤によって退色されない具体的な技術を叙述していない。従って、保管や使用中に退色されない学問的根拠を提示することができない。特に、記録媒体が紙である場合、色素成分と紙を構成している成分のセルロースの水酸基(-OH)との化学的結合によって容易には消されず、残像が残る現象が発生するようになる。
【0015】
従って、特殊目的の用途の他に一般用途のインクを色素と消色剤を同時に使用してインクを製造する方法は理論的には可能であり得るが、実質的には多くの問題点を内包しているものである。
【0016】
一方、紙の再活用は、製紙工場で印刷インクを除去し再生紙を作る方法によって再活用されているが、品質低下は勿論、複雑な製紙再生工程を経るという短所を伴っている。
【0017】
しかし、本発明は一般用紙のみならず各種出入用通行券を始め、特殊印刷して製造費用の高い用紙及び記録媒体などを今までは1回使用して廃棄するが、本発明の実施例を用いる場合は記録媒体を数回乃至半永久的に使用することができて経済的期待効果がさらに大きいだろう。
【0018】
特に、機密を要する機密用紙の処理は一般的に細断したり焼却するが、本発明は活字自体を化学的に分解処理するため、記録媒体に記録された内容を簡単に消して用紙を再使用することができるものである。特に、磁気ストライプが付いた各種出入及び確認カードの場合には、大量で使用する高価な印刷物であるものの再活用が不可であって焼却処理しなければならない実情であり、廃棄された後にも磁気ストライプが分解されなくて環境的な問題を引き起こすが、これを繰り返して使用する場合は環境汚染を大きく減らすことができるのみならず、磁気ストライプの材料は全量輸入するため磁気ストライプが付いた紙を繰り返して使用する場合は輸入代替効果も大きいと期待される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0019】
【特許文献1】米国特許第5,643,701号
【特許文献2】米国特許第5,683,843号
【特許文献3】米国特許第5,721,287号
【特許文献4】米国特許第6,017,471号
【特許文献5】米国特許第6,017,661号
【特許文献6】米国特許第6,033,465号
【特許文献7】米国特許第6,060,200号
【特許文献8】米国特許第6,120,949号
【特許文献9】米国特許第6,127,073号
【特許文献10】米国特許第6,235,095号
【特許文献11】米国特許第6,342,305号
【特許文献12】米国特許第6,017,386号
【特許文献13】米国特許第5,922,115号
【特許文献14】米国特許第6,063,551号
【特許文献15】米国特許第6,790,809号
【特許文献16】大韓民国特許第0,536,056号
【特許文献17】特開平9‐286,979号
【非特許文献】
【0020】
【非特許文献1】Heinrich Zollinger et al.著、COLOR CHEMISTRY p288-303 VCH発刊(1971)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
本発明の目的は消色剤で容易に消すことができるインク組成物と記録媒体に印刷されたインクを消す消色剤を提供することにあり、本発明のもう一つの目的は印刷されたインクを容易で速く完全に除去する消色方法及び記録媒体をそのまま再使用することができる方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0022】
前記の目的を達成するために、本発明は消色剤で容易に消すことができるインクの組成物、印刷されたインクを消す消色剤及びこれの消色方法を提供する。
【0023】
本発明によるインクの組成物は消色剤によって容易に消色される色素、消色促進剤、及び消色促進剤を非活性化させる安定剤が基本組成で構成され、粘度調節剤、界面活性剤、防腐剤、その他添加剤、各種インクの特性による溶媒などを添加剤としてさらに含有する。
【0024】
一方、消色剤は熱反応開始剤又は光開始剤(photoinitiator)と有機溶媒とで構成され、前記インク組成物で印刷された記録媒体に塗布してインクを消色させる役割を果たす。また、記録媒体上に印刷されたインクの消色方法は前記インクで印刷された記録媒体に前記消色剤を塗布して熱を加えたり光を照射させることであって、早くて完璧に記録媒体に印刷されたインクが消色されることを特徴とする。
【0025】
また、記録媒体という用語は、本発明によるインクが印刷できる各種紙、カードなどを指称する。
【0026】
以下、本発明をより詳細に説明する。
【0027】
本発明によるインクの組成物は分子構造上、発色団が置換された炭素から1つ乃至3つの炭素位置に助色団が置換された色素、消色促進剤、及び安定剤とからなっている。
【0028】
本発明によるインク組成物で使用される色素は有機色素であって、消色効率を向上させるためには色素の分子構造内で助色団は発色団が置換された炭素から1乃至3個の炭素位置に存在することが望ましく、一つの色素分子内に二つ以上の発色団が存在すれば、それぞれの発色団に対して助色団が近い位置に存在することが良い。また、助色団と発色団が相互近接された構造の色素選択が重要であり、相互近接性の判断は単純に化学式内における近接如何によるものではなく分子の立体構造を考慮して判断しなければならない。
【0029】
前記色素はダイレクトレッド2(direct red 2)、ダイレクトレッド28(direct red 28)、ダイレクトレッド75(direct red 75)、ダイレクトレッド111(direct red 111)、ダイレクトレッド112(direct red 112)、ダイレクトブラウン106(direct brown 106)、ダイレクトブルー71(direct blue 71)、ダイレクトイエロー24(direct yellow 24)、ダイレクトオレンジ61(direct orange 61)、ディスパースレッド1(disperse red 1)、ディスパースレッド13(disperse red 13)、ディスパースレッド19(disperse red 19)、ディスパースレッド60(disperse red 60)、ディスパースレッド200(disperse red 200)、ディスパースバイオレット1(disperse violet 1)、ディスパースバイオレット4(disperse violet 4)、ディスパースブラック1(disperse black 1)、 ディスパースブラック3(disperse black 3)、ディスパースブラック7(disperse black 7)、ディスパースブルー1(disperse blue 1)、ディスパースブルー3(disperse blue 3)、ディスパースブルー14(disperse blue 14)、 ディスパースブルー19(disperse blue 19)、ディスパースブルー79(disperse blue 79)、ディスパースブルー134(disperse blue 134)、ディスパースブルー183(disperse blue 183)、ディスパースイエロー3(disperse yellow 3)、ディスパースイエロー54(disperse yellow 54)又はディスパースオレンジ3(disperse orange 3)、ディスパースオレンジ10(disperse orange 10)、リアクティブブルー5(reactive blue 5)、リアクティブブルー19(reactive blue 19)、ベーシックグリーン1(basic green 1)、ベーシックグリーン2B(basic green 2B)、ベーシックグリーン4(basic green 4)、ベーシックグリーン6B(basic green 6B)、ベーシックレッド9(basic red 9)、ベー シックバイオレット1(basic violet 1)、ベーシックバイオレット2(basic violet 2)、ベーシックバイオレット3(basic violet 3)、ベーシックバイオレット4(basic violet 4)、ベーシックバイオレット14(basic violet 14)、ベー シックバイオレット23(basic violet 23)、ベーシックブルー1(basic blue 1)、ベーシックブルー7(basic blue 7)、ベーシックブルー8(basic blue 8)、ベーシックブルー11(basic blue 11)、ベーシックブルー15(basic blue 15)、ベーシックブルー18(basic blue 18)、ベーシックブルー20(basic blue 20)、ベーシックブルー26(basic blue 26)、ベーシックイエロー2(basic yellow 2)、ベーシックオレンジ2(basic orange 2)、ソルベントグリーン1(solvent green 1)、ソルベントレッド5(solvent red 5)、ソルベント レッド27(solvent red 27)、ソルベントバイオレット9(solvent violet 9)、ソルベントブラウン2(solvent brown 2)、ソルベントブルー4(solvent blue 4)、ソルベントブルー5(solvent blue 5)、ソルベントブルー6(solvent blue 6)、ソルベントブルー14(solvent blue 14)、ソルベントブルー18(solvent blue 18)、ソルベントブルー23(solvent blue 23)、ソルベントブルー36(solvent blue 36)、ソルベントイエロー1(solvent yellow 1)、ソルベントイエロー5(solvent yellow 5)、ソルベントイエロー56(solvent yellow 56)、ソルベントイエロー58(solvent yellow 58)、ソルベントオレンジ52(solvent orange 52)、ソルベントオレンジ53(solvent orange 53)、サルファーバイオレット2(sulphur violet 2)、アシッドグリーン1(acid green 1)、アシッドグリーン4(acid green 4)、アシッドグリーン5(acid green 5)、ア シッドレッド37(acid red 37)、アシッドレッド53(acid red 53)、アシッドバイオレット1(acid violet 1)、アシッドバイオレット19(acid violet 19)、アシッドバイオレット25(acid violet 25)、アシッドバイオレット73(acid violet 73)、アシッドブラウン43(acid brown 43)、アシッドブラック1(acid black 1)、アシッドブラック47(acid black 47)、アシッドブラック132(acid black 132)、アシッドブルー6(acid blue 6)、アシッドブルー22(acid blue 22)、アシッドブルー24(acid blue 24)、アシッドブルー25(acid blue 25)、アシッドブルー27(acid blue 27)、アシッドブルー40(acid blue 40)、アシッドブルー56(acid blue 56)、アシッドブルー62(acid blue 62)、アシッドブルー74(acid blue 74)、アシッドブルー93(acid blue 93)、アシッドブルー145(acid blue 145)、アシッドオレンジ 10(acid orange 10)とから選ばれるが、これに限られるものではない。前記色素はインク組成物の総重量の1乃至80重量%を使用し、1重量%未満を使用する場合は色相があまりはっきりしなくて印刷物を認識し難いという問題点があり、80重量%を超えて使用する場合は粘度が高すぎてインクを製造し難いという問題点が生じる。
【0030】
一方、消色促進剤はラジカルを容易に形成するように促進させる化合物であって、消色剤で記録媒体を塗布した場合、とても速くラジカルを形成するように促進する物質である。しかし、前記消色促進剤と色素を混合する場合は色素を徐々に消色させるようになるため、先ず消色促進剤と前記消色促進剤を非活性化させる安定剤を反応させて消色促進剤を非活性化させた後、前記色素を添加して色素がインク内に安定した状態で存在するようにする。また、必要に応じて前記のインクで印刷された記録媒体に消色剤を塗布すればインクの均衡が破れ、インクが膨潤されて反応することによって早くて完璧に除去される。
【0031】
本発明によるインク組成物で使用される前記消色促進剤としてはレドックス(redox)系化合物やアミン系ラジカル促進剤が挙げられる。その例として、レドックス系化合物としては亜鉛、鉛、カドミウムを含む硝酸亜鉛、脂肪族石鹸の亜鉛化合物、炭酸鉛、フタル酸鉛、ラウリン酸カドミウム、脂肪族石鹸のカドミウム化合物があり、アミン系ラジカル促進剤としてはジメチルアミノエチルメタクリレート、n−ブチルアミン、トリエチルアミン、4−ジメチルアミン安息香酸イソアミル、ジシアンジアミド、ベンジルジメチルアミン、4−(ジメチルアミノ)−N、N−ジメチルベンジルアミン、4−メトキシ−N、N−ジメチルベンジルアミン、4−メチル−N、N−ジメチルベンジルアミン、メラミンとから選ばれるアミン類;イミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、4−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−(2−シアノエチル)−2−エチル−4−メチルイミダゾールとから選ばれるイミダゾール誘導体;グアナミン、アセトグアナミン、ベンゾグアナミンとから選ばれるグアナミン類;ポリオキシエチレンラウリルアミン、エタノールアミン、トリエタノールアミン、ジエタノールアミンとから選ばれる3級アミン系アルコール類があるが、これに限られるものではない。
【0032】
本発明に使用される安定剤は前記消色促進剤と結合して色素が消色されることを防止し、記録媒体と水素結合を起こさないようにする役割を果たす。その例として、マレイン酸、フマル酸、ステアリル酸から選ばれる塩化物、無水フタル酸、ハイドロキノン、ナフタレンジオール、オキシム、脂肪族アミン、硫黄化合物、ケトン類、アルデヒド類、リン酸塩類、C10乃至C22の飽和脂肪酸や不飽和脂肪酸、天然脂肪酸オイルから選ばれる脂肪族有機酸とから選ばれる1種又は2種以上の混合物を使用することができるが、これに限られるものではない。
【0033】
前記消色促進剤は前記色素と反応して常温で徐々に消色される特性を有していて、前記安定剤は色素と混合して使用する場合、安定剤の分子内に含まれた非共有電子対(non-bonding electron)を有する官能基と紙の水素結合による色素の沈着効果を増加させて、色素が容易に除去されない部分が発生する。従って、使用中に室温において消色される問題点と消色時に容易に除去されない問題点を同時に解決するために消色促進剤と安定剤とを反応させた後、色素を添加しインクを製造して前記問題点を同時に解決することができる。
【0034】
前記消色促進剤及び安定剤は定量的に使用しなければならなく、使用しようとする消色促進剤及び安定剤の化学的結合形態を考慮して1:1乃至1:3の当量比で使用することができ、同一当量比を使用することがさらに望ましい。消色促進剤及び安定剤の反応生成物の使用量はインク組成物の総重量の1乃至95重量%である。前記使用量が1重量%未満であれば消色促進剤と安定剤の役割を果たすことのできない問題点があり、95重量%を超えると印刷物の色が非常にはっきりしないという問題点がある。
【0035】
本発明によるインク組成物は前記色素、消色促進剤及び安定剤の反応生成物の以外に界面活性剤、顕色剤及び溶媒をさらに含有することができる。
【0036】
前記界面活性剤は印刷された活字の色素成分を色素以外のインク組成物に溶解させるための添加剤であって、その例としてはポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテルのポリオキシエチレンアルキルエーテル類;ポリオキシエチレンオクチルフェノールエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェノールエーテルのポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル類;ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロック共重合体類;ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタントリオレエート、ソルビタントリステアレートのソルビタン脂肪酸エステル類;ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタントリオレエート、ポリオキシエチレンソルビタントリステアレートのポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類;フッ素系界面活性剤;又はシリコン系界面活性剤とから選ばれる1種又は2種以上の混合物を使用することができるが、これに限られるものではない。
【0037】
前記界面活性剤は界面活性剤の種類や特性によってその使用量が異なるが、一般にインク組成物の総重量の0.1乃至50重量%を使用することが望ましい。0.1重量%未満を使用すれば溶媒に色素が分散されない問題点があり、50重量%超過を使用すれば印刷時ににじむ現象と消色の後残像が残る。
【0038】
また、色素の溶解度を高くして色相をはっきりする特性を有する顕色剤としては脂肪族アルコール類又は芳香族アルコール類があるが、過量使用する場合は記録媒体に結合された色素が完全に消えない特性を有するようになるため、インク組成物の総重量の1乃至20重量%で使用することが望ましい。
【0039】
なお、本発明に使用される溶媒はインクを希釈及び増量することができる形態で疎水性溶媒及び親水性溶媒を使用することができるが、油性用で使用する場合は疎水性溶媒でパラフィンオイル又はミネラルオイルがあるが、これに限られるものではない。また、水性用で使用する場合は親水性溶媒で水又はアルコール類があるが、これに限られるものではない。前記溶媒はインク組成物の総重量の1乃至90重量%で使用することが望ましい。
【0040】
前記の組成物を有する本発明によるインク組成物は消色剤によって容易に消すことができる色素を含有しており、インクが記録媒体上に印刷されて乾燥された状態においても消色剤によって容易に膨張(swelling)され、消色剤がインクへ浸透されて早くて完璧に消すことができ、記録媒体が紙である場合は紙の成分であるセルロース(cellulose)の水酸基と水素結合による沈着効果を減らす。また、使用中に高温及び日光などに安定して退色されない特性を有している。
【0041】
また、本発明によるインク組成物を基礎として用途による物理的、化学的特性を考慮して適切な溶媒やその他の添加剤を添加して印刷用インクとドットプリンターに使用されるリボンカートリッジ用インク、デスクジェットインク、各種筆記具用インクを製造することができる。
【0042】
本発明による消色剤は熱反応開始剤、光開始剤又は熱反応開始剤と光開始剤の混合物から選ばれる開始剤;及び有機溶媒;とからなっており、前記本発明によるインクが印刷された記録媒体に塗布してインクを消色させる作用をする。
【0043】
熱反応開始剤は熱を加えることによってラジカルが形成されて色素と容易に反応することができる化合物であって、過酸化物、アゾ化合物及びレドックス開始剤が使用することができる。前記熱反応開始剤を具体的に例を挙げると、ベンゾイルペルオキシド、p−クロロベンゾイルペルオキシド、t−ブチルペルオキシド、t−ブチルヒドロペルオキシド、コハク酸ペルオキシド、ジデカニルペルオキシド、クメンヒドロペルオキシド、ジクミルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、2,4−ペンタジオンペルオキシド、ジイソプロピルペルオキシド、ジ−2−エチルヘキシルペルオキシカーボネート、t−ブチルペルオキシベンゾエート、t−ブチルペルオキシピバレート、t−ブチルペルアセテート、シクロヘキサノンペルオキシド、t−アミルペルオキシベンゾエート、過酢酸、2,2−ビス(t−ブチルペルオキシ)ブタン、1,1−ビス(t−ブチルペルオキシ)シクロヘキサン、2,5−ビス(t−ブチルペルオキシ)−2,5−ジメチルヘキサン、2,5−ビス(t−ブチルペルオキシ)−2,5−ジメチル−3−ヘキシン、ビス(1−(t−ブチルペルオキシ)−1−メチルエチル)ベンゼン、1,1−ビス(t−ブチルペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンの過酸化物;4,4−アゾビス(4−シアノ吉草酸)、1,1′−アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリルのアゾ化合物;及び過酸化水素−鉄(II)塩、ペルオキソ二硫酸塩、過硫酸カリウム、亜硫酸水素ナトリウム、クメンヒドロペルオキシド−鉄(II)塩のレドックス開始剤;から選ばれる1種又は2種以上の混合物である。
【0044】
光開始剤は紫外線を照射することによってラジカルが形成されて色素と容易に反応することができる化合物であって、アセトフェノン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、ハロゲン化合物、カルボニル化合物、ジカルボニル化合物、ベンゾインエーテル化合物、アミノカルボニル化合物、有機過酸化物、ジフェニルハロニウム塩、芳香族ケトン、3級アミン、ケタル系化合物、チオル化合物、ハロゲン化化合物、複素環式化合物、多環式化合物、ビスイミダゾル系化合物、N−アリルグリシジル系化合物、アクリジン系化合物、ペルオキシケタ、アゾ化合物、鉄−アレン錯体、又はチタノセン化合物が使用することができる。
【0045】
前記紫外線光反応開始剤を具体的に例を挙げると、アセトフェノン、プロピオフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、ジメトキシアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、ジクロロアセトフェノン、p−tert−ブチルトリクロロアセトフェノン、トリクロロアセトフェノン、N,N−ジメチルアミノアセトフェノン、p−ジメチルアミノプロピオフェノン、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルホリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)ブタン−1−オン、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシン、3,6−ビス(2−メチル−2−モルホリノプロパノイル)−9−ブチルカルバゾル、α−ヒドロキシイソブチルフェノン、α,α′−ジクロロ−4−フェノキシアセトフェノン、1−ヒドロキシ−1−シクロヘキシルアセトフェノン、ジアセチルアセトフェノンから選ばれるアセトフェノン系化合物;ベンゾフェノン、4−メチルベントフェノン、4−フェニルベンゾフェノン、2−クロロベンゾフェノン、4,4′−ジクロロベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン、o−ベンゾイルベンゾ酸メチル、4−(4−メチルニルチオ)ベンゾフェノン、4,4′−ジクロロベンゾフェノン、4,4′−ビスジメチルアミノベンゾフェノン、4,4′−ビスジエチルアミノベンゾフェノン、ミッヒラーケトン、4−ベンゾイル−4′−メチルジフェニルスルフィド、3,3−ジメチル−4−メチルベンゾフェノン、4−(1,3−アクリロイル−1,4,7,10,13−ペンタオキサトリデシル)ベンゾフェノン、3,3′,4,4′−テトラ(tert−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノンから選ばれるベンゾフェノン系化合物;4−ベンゾイル−N,N,N−メチルベンゼンメタンアミニウムクロライド、2−ヒドロキシ−3−(4−ベンゾイルフェノキシ)−N,N,N−トリメチル−1−プロパンアミニウムクロライド、4−ベンゾイル−N,N−ジメチル−N−[(2−(1−オキソ−2−プロフェノキシ)エチル)−ベンゼンメタンアミニウムクロライド、4−ベンゾイル−N,N−ジメチル−N−[(2−(1−オキソ−2−プロフェニルオキシ)エチル)−ベンゼンメタンアミニウムブロマイドから選ばれるハロゲン化合物;チオキサントン、2−クロロチオキサントン、チオクサントン、2−イソプロピルチオイソプロピルチオクサントン、4−イソプロピルチオクサントン、2,4−ジメチルチオクサントン、2,4−ジエチルチオクサントン、2,4−ジイソプロピルチオクサントン、2,4−ジクロロチオクサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオクサントン、2−ヒドロキシ−3−(3,4−ジメチル−9−オキソ−9H−チオクサントン−2−イル−オキシ)−N,N,N−トリメチル−1−プロパンアミニウムクロライド、2−ベンゾイルメチレン−3−メチルナフト(1,2−d)チアゾリンから選ばれるカルボニル化合物;ベンジル、1,7,7−トリメチル−ビシクロ[2,2,1]ヘプタン−2,3−ジオン(カンファーキノンともいう)2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−tert−ブチルアントラキノン、1−クロロアントラキノン、2−アミノアントラキノン、2,3−ジフェニルアントラキノン、9,10−フェナントレンキノン、メチルa−オキソベンゼンアセテートから選ばれるジカルボニル化合物;ベンゾイン(2−ヒドロキシ−1,2−ジフェニルエタノン)、ベンゾインメチルエーテル(2−メトキシ−1,2−ジフェニルエタノン)、ベンゾインエチルエーテル(2−エトキシ−1,2−ジ フェニルエタノン)、ベンゾインメチルエーテル(2−メトキシ−1,2−ジ フェニルエタノン)、ベンゾインイソプロピルエーテル(2−イソプロポキシ−1,2−ジフェニルエタノン)、ベンゾイン−n−ブチルエーテル(2−ブトキシ−1,2−ジフェニルエタノン)、ベンゾインイソブチルエーテル(2−イソブトキシ−1,2−ジフェニルエタノン)から選ばれるベンゾインエーテル化合物;2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジクロロベンゾイル)−(4−n−プロピルフェニル)ホスフィンオキシドから選ばれるアリルホスフィンオキシド化合物;メチル4−ジメチルアミノベンゾエート、エチル4−ジメチルアミノベンゾエート、4−ジメチルアミノベンゾエート−n−ブトキシエチルエステル、イソアミル−4−ジメチルアミノベンゾエート、ベンゾエート−2−ジメチルアミノエチルエステル、4,4′−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4′−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、2,5′−ビス(4−ジメチルアミノベンザル)シクロフェンタノンから選ばれるアミノカルボニル化合物;ベンゾイルペルオキシド、t−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルヒドロペルオキシド、ジ−t−ブチルジペルオキシイソフタレート、3,3′,4,4′−テトラ(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、クメンペルオキシドから選ばれる有機過酸化物;ジフェニルアイオドブロマイド、ジフェニルアイオドクロライドから選ばれるジフェニルハロニウム塩;芳香族ケトン;3級アミン;アセトフェノンジメチルケタル、ベンジルジメチルケタルから選ばれるケタル系化合物;2,4,5−トリアリルイミダゾル2量体、リボフラビンテトラブチレート、2−メルカプトベンゾイミダゾル、2−メルカプトベンゾオキサゾル、2−メルカプトベンゾチアゾルから選ばれるチオル化合物;2,2,2−トリクロロ−1−(4′−tert−ブチルフェニル)エタン−1−オン、2,2−ジクロロ−1−(4−フェノキシ フェニル)エタン−1−オン、α,α,α−トリブロモメチルスルホン、2,2,2−トリブロモエタノール、2,4,6−トリス(トリクロロメチル)トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(4−メトキシフェニル)トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(4−メトキシスチリル)トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(4−メトキシナフチル)トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[2−(5−メチルフリル)エチルリジン]トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[2−(5−メチルフリル)エチルリジン]トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[2−ブリルエチルリジン]トリアジンから選ばれるハロゲン化化合物;3−フェニル−5−イソオキサゾロン、2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジンベンズアントロンから選ばれる複素環式化合物及び多環式化合物;ビスイミダゾル系化合物;N−アリルグリシジル系化合物;アクリジン系化合物;ペルオキシケタ;2,2′−アゾ(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2′アゾビスイソブチロニトリル、1,1′−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2′−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)から選ばれるアゾ化合物;鉄−アレン錯体;又はチタノセン化合物とから選ばれる1種又は2種以上の化合物である。
【0046】
また、商業的に入手可能な紫外線光反応消色剤としてはチバキュア(Chivacure)TPO、200、107、184、173、BDK、660、1400、9842、1256、3482などがあり、イルガキュア(Irgacure)184、369、651、500、819、907、784、2959、CGI1700、CGI1750、CGI1850、CG24-61、ダロキュア(Darocur)1116、1173(Ciba Specialty Chemicals Co., Ltd.製)、ルシリン(Lucirin)TPO、LR8893(BASF製)、ユベクリル(Ubecryl)P36(UCB製)などがある。
【0047】
前記熱反応開始剤、光開始剤又は熱反応開始剤と光開始剤の混合物から選ばれる開始剤は有機溶媒100重量部に対して0.01乃至20重量部、望ましくは0.1乃至10重量部を使用する。前記開始剤の含量が0.01重量%未満である場合は開始剤の濃度が足りなくて消色効率が劣り記録媒体に印刷された活字が完全には消されず、20重量部を超えた場合には記録媒体に印刷された活字は完全に消されているものの消色剤が記録媒体の表面に累積されて染みができたり消色剤の除去過程において完全に除去されていなくて2回以上繰り返して使用する場合に記録媒体の表面に消色剤の成分が残存して再使用された状態の記録媒体上のインクと反応してインクを消色させる恐れがある。
【0048】
本発明による消色剤は前記熱反応開始剤、光開始剤、又は熱反応開始剤と光開始剤との混合物から選ばれる開始剤をアセトン、2−ブタノン、アルキルセロソルブ、エチルアセテート、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド(DMSO)から選ばれる有機溶媒に溶かし、その他の添加剤を添加して製造する。
【0049】
本発明による消色剤は消色剤の性質を向上させるためにその他の添加剤をさらに含有することができ、添加剤で界面活性剤を含有して製造された消色剤の場合、インク活字色素成分の溶解を促進させて消色剤と色素との反応性を高めることができる。前記界面活性剤は前記のインク組成物に使用された界面活性剤と同一な界面活性剤を使用することが望ましく、界面活性剤の単独又は2種以上の混合物を含有することができる。前記界面活性剤は有機溶媒100重量部に対して0.01乃至20重量部、望ましくは0.1乃至10重量部を使用する。
【0050】
本発明による消色剤は印刷された活字に速く浸透して色素との反応を加速化させ、記録媒体を退色させたり膨潤及び変形させないで低温及び光においても容易に消せる性質を有している。
【0051】
本発明による印刷されたインクを消色させる方法は、1)分子構造上、発色団の置換された炭素から1つ乃至3つの炭素位置に助色団が置換された色素を含めて製造されたインクが印刷された記録媒体上に本発明による熱反応開始剤、光開始剤、又は熱反応開始剤と光開始剤の混合物から選ばれる開始剤を含有する消色剤を塗布する段階;及び2)前記1)段階の消色剤が塗布された記録媒体上に熱を加えたり紫外線を照射して前記印刷されたインクを消色する段階;とから構成される。
【0052】
以下、本発明による記録媒体に印刷されたインクを消色させる方法についてさらに詳細に説明する。
【0053】
先ず、熱反応開始剤を含有する消色剤(以下、“熱反応消色剤”という)によるインクの消色方法は本発明による色素を使用して製造されたインクが印刷された記録媒体上に熱反応消色剤をロール方式又はスプレー方式で塗布する段階;及び前記消色剤に含有された熱反応開始剤の種類に応じて熱反応開始剤がラジカルを形成することができる温度の熱を記録媒体に加える段階;とで構成される。
【0054】
前記熱反応消色剤を塗布する段階において、記録媒体に活字又は図案の形態で印刷されているインクは消色過程で消色剤を塗布すれば溶媒が蒸発する前に前記消色剤によって色素、消色促進剤と安定剤の均衡が破られてインクが容易に膨潤されて前記消色剤ともれなく混合されてインクを速くて完璧に消色させることができる。また、前記熱反応消色剤が塗布された状態は熱反応開始剤がラジカルで容易に変形させる特定温度の熱が加えない状態であるため、記録媒体上のインクは既存の印刷状態を保持している。
【0055】
熱反応消色剤を塗布した後、熱反応開始剤がラジカルを形成することができる適正温度の熱を記録媒体に加える段階において、前記温度は熱反応消色剤に使用された熱反応開始剤の種類によって決定される。前記熱反応消色剤は常温で反応しないものが望ましく、特定温度以上の熱を加えることによって前記熱反応消色剤によるインクの消色が進められる。また、前記熱反応消色剤と反応温度の選択は記録媒体の性質を考慮して記録媒体の損傷を加えないながらも前記熱反応消色剤によるインクの消色が進められる温度が望ましい。温度と時間は実施者がインクの組成と熱反応消色剤の組成によって直接的に実験によって調節することができる。なお、長期的に保管する場合には熱反応開始剤がラジカルを形成する温度以下でも一部反応が進められるため、低い温度においても消色が可能であるが、熱反応開始剤が残留する場合に再使用中にインクが消えてしまう問題を引き起こすことがあるため、記録媒体が変形されたり損傷されない条件の高い温度で処理することが有利である。
【0056】
前記熱反応消色剤によるインクの消色方法は多少長い時間を必要とするが、1回に大量の記録媒体消色処理が可能であるという長所がある。
【0057】
また、光開始剤を含有する消色剤(以下、“光反応消色剤”という)によるインクの消色方法は前記の熱反応消色剤によるインクの消色方法と同一な段階で構成される。但し、記録媒体に塗布する消色剤が光反応消色剤であり、インクの消色反応は熱を加える代わりに特定波長の紫外線を照射することによってなされる。前記紫外線は100乃至450nmの波長範囲を有する光源が用いられ、オゾンの発生を防ぐために200乃至420nmの波長範囲を有する光源が望ましい。前記光源は光反応消色剤及び記録媒体の性質によって選択され、光源の強度は1乃至120w/cmの範囲を有し、20乃至80w/cm範囲のものを使用することが望ましい。
【0058】
前記光反応消色剤によるインクの消色方法は数秒以内の短時間内に消色反応が完了される長所があるが、記録媒体が紙である場合、紙の成分であるセルロースとインクが化学的に結合したりにじみが生じて記録媒体の内部まで浸透された時に紫外線によって表面のインクのみが消色されて残像が残留する点と、記録媒体を数回再使用する場合に色相を帯びる記録媒体が退色されるという短所を有している。
【0059】
また、熱反応開始剤と光開始剤の混合物を含有する消色剤(以下、“熱−光反応消色剤”という)によるインクの消色方法は、熱反応開始剤は熱によってラジカルが形成され、光反応開始剤は紫外線の照射によってラジカルが形成され、形成されたラジカルがそれぞれ助色団と反応して色素を破壊するようになるため、熱を加えたり紫外線を照射する2つの方法を同時に、順次に、又はそれぞれ単独に適用することである。
【0060】
前記熱−光反応消色剤によるインクの消色方法は、前記熱反応消色剤と光反応消色剤によって短時間内に大量の記録媒体の消色処理を行うことができるという長所を有している。
【0061】
本発明によるインクが印刷される記録媒体としては一般用紙のみならず磁気ストリップ(magnetic strips)が付いたカードが使用することができる。一般に、高速道路の料金所などで出入り清算カードとして用いられたり各種識別カードとして使用される磁気ストリップが付いたカードは単純な紙などの一般記録媒体に比べて生産単価が高く、記録媒体の粉砕後の再生による再活用に技術的な難しさがあるため、本発明によるインクの消色方法を適用する場合、相当な費用が節減することができる。前記磁気ストリップが付いたカードは特殊コーティングされた紙やプラスチックの材質であり、材質に関わらず本発明によるインクへの印刷が可能である。従って、本発明によるインクが印刷された状態の使用終了された磁気ストリップが付いたカードを収集した後、本発明によるインクを消色させる方法を用いてカードの再活用が可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0062】
以下、本発明を次の実施例によってさらに詳しく説明するが、本発明が実施例によって限られるものではない。
【0063】
<製造例1>消色促進剤と安定剤との反応
【0064】
消色促進剤のポリオキシエチレンラウリルアミン242g(1モル)に安定剤のオレイン酸540g(2モル)を入れて攪拌機100rpmにて24時間常温で十分攪拌させた前記消色促進剤と安定剤の反応生成物の色相は透明褐色であり、粘度は25℃で720cpを示した。
【0065】
<実験例1>色素の選択実験
【0066】
トゥイーン80(TWEEN 80, Polyoxyethyelene Sorbitan Monooleate, Aldrich)95gに下記表1に記載されている色素5gをそれぞれ溶解して製造されたインクをシルク原緞の重量に対して60重量%になるように染色してスタンプインクを製作した。製作されたスタンプインクを文字が彫り上げで刻まれたゴム印を用いて一般事務用紙(A4)に烙印した後、72時間乾燥させて実験材で使用した。
【0067】
消色剤は2−ブタノン100gに1−ヒドロキシシクロヘキシルペンチルケトン2gを溶解させて製造した。
【0068】
製造された消色剤を前記のスタンプインクが烙印された記録媒体に筆で塗布し、50w/cm紫外線ランプを使用して光照射しながら完全に消される時間を測定して下記表1に5秒以内に消される色素を〇で、10秒以内に消されるものを△で、消されない色素を×で表示した。この際、ランプと試料との距離は15cmを保持した。
【0069】
<表1>
【表1】

【0070】
前記表1に消色剤によって容易に消させる色素を示し、発色団に対して助色団がα、βに位置した色素とトリアリルメタン系列の色素がよく消され、発色団に対して助色団がそれ以上離れていたり発色団を2つ以上有している色素の場合は消される時間が長かったり消さないことがわかった。
【0071】
<実験例2>消色促進剤と安定剤との反応による安定性実験
【0072】
インクが添加剤によって消色される現象を確認するためにポリオキシエチレンラウリルアミン、オレイン酸、及び前記製造例1のポリオキシエチレンラウリルアミンとオレイン酸(1:2モル)の反応生成物に色素であるソルベントブルー5を7重量%になるようにそれぞれ溶かしてインクを製造し、前記製造されたそれぞれのインクをシルク原緞の重量の23重量%でそれぞれ染色して室温(27±3℃)に置き、消色される時間と現象を観察して下記表2に示した。
【0073】
<表2>
【表2】

【0074】
前記表2から色素は消色促進剤によって徐々に消色され、酸の存在下においても徐々に消色されることを確認することができたが、製造例1の安定剤と消色促進剤を予め反応させた反応生成物を色素と混合してインクを製造する場合には消色されないことがわかった。
【0075】
<実験例3>インクの組成による熱反応消色実験
【0076】
本発明によるインクの熱反応消色特性を実験するために消される色素であるソルベントブルー5をオレイン酸、ポリオキシエチレンラウリルアミン、製造例1のオレイン酸とポリオキシエチレンラウリルアミンの反応生成物、ベンジルアルコール及びポリエチレングリコールにそれぞれ溶かして色素9重量%が含有されたインクをそれぞれ製造した。前記製造されたそれぞれのインクをシルク原緞の重量の60重量%で染色してスタンプインクを製作した後、文字が彫り上げで刻まれたゴム印を用いて一般事務用紙(A4)に烙印し、72時間室温で放置乾燥させて実験材で使用し、熱反応消色剤はアセトン100gにベンゾイルペルオキシド0.5gを溶解させて製造した。
【0077】
前記烙印された記録媒体上に熱反応消色剤を筆で塗布し、10分間室温で放置した後、50℃オーブンに入れて熱反応消色剤が完全に分解される時間である48時間消色させながら消色される時間を下記表3に示した。この際、熱反応消色剤の完全分解如何の確認は時間別に試料を採取して熱反応消色剤が塗布された部位に再びハンコを押して再び50℃オーブンに入れて文字が退色されない時間を肉眼で確認した。
【0078】
<表3>
【表3】

【0079】
表3から熱反応開始剤を含有する消色剤を塗布した場合、熱を加えることによってインクが印刷された記録媒体が速く消色されることがわかった。
【0080】
また、製造例1のポリオキシエチレンラウリルアミンとオレイン酸の反応生成物を使用する場合、最も速く消色されることがわかった。
【0081】
<実験例4>熱反応消色剤の溶媒選択実験
【0082】
前記実験例3の方法でインクを製造し、印刷した記録媒体に3−ペンタノン、2−ブタノン、アセトン、エチルアセテート、エタノール、2−ブトキシエタノール、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド及びシクロヘキサンから選ばれるそれぞれの有機溶媒に熱反応開始剤であるベンゾイルペルオキシド2重量部を溶解させて消色剤を製造した。
【0083】
前記烙印された記録媒体上に前記製造されたそれぞれの熱反応消色剤を筆で塗布し、10分間室温で放置して乾燥した後、50℃オーブンに入れて48時間消色させ、下記表4に48時間以内に消される色素を〇で、一部分消されるものを△で、消されない色素を×で表示した。
【0084】
<表4>
【表4】

【0085】
前記表4に示したように、消色剤の製造に使用される溶媒は熱によって熱反応開始剤がラジカルを容易に形成できるようにするために特定溶媒を使用することをみせ、特に3−ペンタノン、2−ブタノン、アセトン、及びエチルアセテートを溶媒で使用する場合は13時間以内に色素が完全に消色された。
【0086】
<実験例5>インクの組成による光反応消色実験
【0087】
本発明によるインクの光反応消色特性を実験するために前記実験例3と同一な方法でインクを製造して記録媒体に印刷した後、2−ブタノン100gに1−ヒドロキシシクロヘキシルペンチルケトン2gを溶解させて光反応消色剤を製造し、製造された光反応消色剤をインクが印刷された記録媒体に筆で塗布した後、50w/cm紫外線ランプを使用して光照射しながら完全に消される時間を測定して下記表5に5秒以内に消される色素を〇で、10秒以内に消されるものを△で、消されない色素を×で表示した。この際、ランプと試料との距離は15cmを保持した。
【0088】
<表5>
【表5】

【0089】
前記表5に示したように、光反応消色剤を塗布した後、光照射してエネルギーを加えると、速く反応して消色されることを確認することができた。
【0090】
<実験例6>光反応消色剤の溶媒選択実験
【0091】
消色剤の製造時に使用される溶媒を選択するための実験であって、実験例2のインクをシルク原緞の重量の60重量%になるように染色してスタンプインクを製作し、一般事務用紙(A4)に烙印した。
【0092】
アセトン、メチルセロソルブ、2−ブタノン、2−ブタノン:メチルセロソルブ(1:1重量比)、エタノール:メチルセロソルブ(1:1重量比)、1−ブタノール、エチルアセテート、2−ブタノール、エタノール及びトルエンから選ばれるそれぞれの有機溶媒98重量部に光反応開始剤である1−ヒドロキシヒクロヘキシルペンチルケトン2重量部をそれぞれ溶解させて消色剤を製造し、前記製造されたそれぞれの消色剤をインクが印刷された記録媒体に筆でそれぞれ塗布し、50w/cm紫外線ランプを使用して光照射しながら消色時間を測定して下記表6に5秒以内に消される色素を〇で、10秒以内に消されるものを△で、消されない色素を×で表示した。この際、ランプと試料との距離は15cmを保持した。
【0093】
<表6>
【表6】

【0094】
前記表6に示したように、消色剤の製造に使用される溶媒は光を照射して光反応開始剤がラジカルを容易に形成できるようにするために特定溶媒を使用することをみせ、アセトン、メチルセロソルブ、2−ブタノン、1−ブタノール、エチルアセテート及び2−ブタノールを溶媒で使用する場合は10秒以内に色素が消色された。特に、アセトン、メチルセロソルブ、2−ブタノンを溶媒で使用する場合に5秒以内の短い時間に色素が完璧に消色されることがわかった。
【実施例1】
【0095】
印刷インク
【0096】
製造例1の消色促進剤と安定剤の反応生成物54gを90℃で加熱しながらステアリン酸1gを入れて溶かし、ベンジルアルコール5gを入れて混合し色素であるソルベントブルー5を30g入れてホモミキサーを用いて5000rpmで5時間高速撹拌して完全に溶かした後、パラフィンオイル10gを入れて撹拌機1000rpmで1時間撹拌した後、濾過して常温で冷却して印刷用インクを製造した。
【実施例2】
【0097】
リボンインク
【0098】
製造例1の消色促進剤と安定剤の反応生成物70gにベンジルアルコール5gを入れて混合し、色素であるソルベントブルー5を15g入れてホモミキサーを用いて7000rpmで5時間高速撹拌して完全に溶かした後に、パラフィンオイル10gを入れて撹拌機1000rpmで1時間撹拌した。高速撹拌によって混合物の温度が80乃至90℃程度で上昇したため、これを常温で冷却、定置した後、濾過してリボンカートリッジ用インクを製造した。
【実施例3】
【0099】
デスクジェットインク
【0100】
製造例1の消色促進剤と安定剤の反応生成物2gに色素であるソルベントブルー5を1.1g入れて均一に混合する。そこにポリオキシエチレンラウリルアミン9.3gとポリオキシエチレンイソオクチルフェニルエーテル3.7gを添加してホモミキサーを用いて7000rpmで1時間均質化させ、ここに順次にN−メチル−2−ピロリドン4.7g、エチレングリコールモノフェニルエーテル4.7g、エタノール41.9gを入れた後に30分間均質化させ、ここに最終的に水32.6gを入れた後に1時間均質化させ、細孔サイズ5μmのメンブレインフィルターで濾過してプリンター用インクジェットインクを製造した。
【実施例4】
【0101】
筆記具用インク
【0102】
製造例1の消色促進剤と安定剤の反応生成物78gにベンジルアルコール2gを入れて混合し、色素であるソルベントブルー5を15g入れてホモミキサーを用いて7000rpmで5時間高速撹拌して完全に溶かした後に、パラフィンオイル5gを入れて撹拌機1000rpmで1時間撹拌した。高速撹拌によって混合物の温度が80乃至90℃程度で上昇したため、これを常温で冷却、定置した後、濾過して筆記具用インクを製造した。
【実施例5】
【0103】
消色剤の製造
【0104】
光反応消色剤の製造は2−ブタノン100gに光反応開始剤である1−ヒドロキシシクロヘキシルペンチルケトン2gを溶かして製造し、熱反応消色剤の製造はアセトン100gにベンゾイルペルオキシド0.5gを溶かして製造した。
【実施例6】
【0105】
消すことのできるインクで印刷された記録媒体の熱反応消色剤による消色
【0106】
<印刷用インク>
【0107】
前記実施例1で製造した印刷用インクをシルク原緞の重量に対して60重量%で染色した後、A4用紙に判子を押した後、実施例5で製造した熱反応消色剤を塗布した。塗布されたA4用紙の熱反応消色剤溶媒を10分間乾燥させて50℃オーブンに入れて観察した。12時間経過時に完全に消色された。
【0108】
<リボン用インク>
【0109】
前記実施例2で製造したリボン用インクをリボンの重量に対して23重量%で染色した後、ドットインパクトプリンターでA4用紙に印刷した後、実施例5で製造した熱反応消色剤を塗布した。塗布されたA4用紙の熱反応消色剤溶媒を10分間乾燥させて50℃オーブンに入れて観察した。10時間経過時に完全に消色された。
【0110】
<インクジェットインク>
【0111】
前記実施例3で製造したデスクジェットインクをインクカートリッジに充填してEPSON Stylus C43UXプリンターを用いて一般のA4用紙に印刷出力した後、実施例5で製造した熱反応消色剤を塗布した。塗布されたA4用紙の熱反応消色剤溶媒を10分間乾燥させて50℃オーブンに入れて観察した。8時間経過時に完全に消色された。
【0112】
<筆記具用インク>
【0113】
前記実施例4で製造した筆記具用インクをモナミ153事務用ボールペンの充填物を除去した後、代替して一般のA4用紙に筆記した後、実施例5で製造した熱反応消色剤を塗布した。塗布されたA4用紙の熱反応消色剤溶媒を 10分間乾燥させて50℃オーブンに入れて観察した。11時間経過時に完全に消色された。
【実施例7】
【0114】
消すことのできるインクで印刷された記録媒体の光反応消色剤による消色
【0115】
<印刷用インク>
【0116】
前記実施例1で製造した印刷用インクをシルク原緞の重量に対して60重量%で染色した後、A4用紙に判子を押した後、実施例5で製造した光反応消色剤を塗布した。塗布されたA4用紙を50w/cm紫外線ランプを使用してランプから15cm距離で光照射した。光照射の7秒以内に完全に消色された。
【0117】
<リボン用インク>
【0118】
前記実施例2で製造したリボン用インクをシルクリボンの重量に対して23重量%で染色した後、ドットインパクトプリンターに装着してA4用紙に印刷した後、実施例5で製造した光反応消色剤を塗布した。塗布されたA4用紙を50w/cm紫外線ランプを使用してランプから15cm距離で光照射した。光照射の5秒以内に完全に消色された。
【0119】
<インクジェットインク>
【0120】
前記実施例3で製造したデスクジェットインクをインクカートリッジに充填してEPSON Stylus C43UXプリンターを用いて一般のA4用紙に印刷出力した後、実施例5で製造した光反応消色剤を塗布した。塗布されたA4用紙を50w/cm紫外線ランプを使用してランプから15cm距離で光照射した。光照射の4秒以内に完全に消色された。
【0121】
<筆記具用インク>
【0122】
前記実施例4で製造した筆記具用インクをモナミ153事務用ボールペンの充填物を除去した後、代替して一般のA4用紙に筆記した後、実施例5で製造した光反応消色剤を塗布した。塗布されたA4用紙を50w/cm紫外線ランプを使用してランプから15cm距離で光照射した。光照射の6秒以内に完全に消色された。
【実施例8】
【0123】
熱反応消色剤による温度別消色実験
【0124】
製造例6で実験した方法と同一に製造してオーブンの温度を30℃から100℃まで10℃のおきで各温度別に除去される時間を下記表7に示した。
【0125】
<表7>
【表7】

【0126】
前記表7で示したように、消色時間が30℃では53時間、80℃では42分、100℃では13分であって温度に応じて大きな差異をみせ、これから熱反応消色剤で消色する場合に実施者によって適切な温度を選んで消色させることができることがわかった。
【産業上の利用可能性】
【0127】
本発明は資源再活用効果の増大と紙の消費量を最小化することができて輸入に依存しているパルプの消費を減らして外貨を節減し、環境破壊を減らすことができて環境親和的であり、特に、本発明は使用量が急速に増加している一般用紙のみならずマグネチックストライプが付いた記録媒体に適用する場合、生産費用を大きく節減するだけでなく全量輸入に依存するマグネチックインクの輸入代替効果も非常に大きく、環境汚染を大きく減らすことができるという長所を有している。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
分子構造上、発色団の置換された炭素から1つ乃至3つの炭素位置に助色団が置換された色素;及び消色促進剤と安定剤の反応生成物;とからなることを特徴とするインク組成物。
【請求項2】
前記色素は、ダイレクトレッド2、ダイレクトレッド28、ダイレクトレッド75、ダイレクトレッド111、ダイレクトレッド112、ダイレクトブラウン106、ダイレクトブルー71、ダイレクトイエロー24、ダイレクトオレンジ61、ディスパースレッド1、ディスパースレッド13、ディスパースレッド19、ディスパースレッド60、ディスパースレッド200、ディスパースバイオレット1、ディスパースバイオレット4、ディスパースブラック1、ディスパースブラック3、ディスパースブラック7、ディスパースブルー1、ディスパースブルー3、ディスパースブルー14、ディスパースブルー19、ディスパースブルー79、ディスパースブルー134、ディスパースブルー183、ディスパースイエロー3、ディスパースイエロー54又はディスパースオレンジ3、ディスパースオレンジ10、リアクティブブルー5、リアクティブブルー19、ベーシックグリーン1、ベーシックグリーン2B、ベーシックグリーン4、ベーシックグリーン6B、ベーシックレッド9、ベーシックバイオレット1、ベーシックバイオレット2、ベーシックバイオレット3、ベーシックバイオレット4、ベーシックバイオレット14、ベーシックバイオレット23、ベーシックブルー1、ベーシックブルー7、ベーシックブルー8、ベーシックブルー11、ベーシックブルー15、ベーシックブルー18、ベーシックブルー20、ベーシックブルー26、ベーシックイエロー2、ベーシックオレンジ2、ソルベントグリーン1、ソルベントレッド5、ソルベントレッド27、ソルベントバイオレット9、ソルベントブラウン2、ソルベントブルー4、ソルベントブルー5、ソルベントブルー6、ソルベントブルー14、ソルベントブルー18、ソルベントブルー23、ソルベントブルー36、ソルベントイエロー1、ソルベントイエロー5、ソルベントイエロー56、ソルベントイエロー58、ソルベントオレンジ52、ソルベントオレンジ53、サル ファーバイオレット2、アシッドグリーン1、アシッドグリーン4、アシッドグリーン5、アシッドレッド37、アシッドレッド53、アシッドバイオレット1、アシッドバイオレット19、アシッドバイオレット25、アシッドバイオレット73、アシッドブラウン43、アシッドブラック1、アシッドブラック47、アシッドブラック132、アシッドブルー6、アシッドブルー22、アシッドブルー24、アシッドブルー25、アシッドブルー27、アシッドブルー40、アシッドブルー56、アシッドブルー62、アシッドブルー74、アシッドブルー93、アシッドブルー145、アシッドオレンジ10とから選ばれることを特徴とする請求項1に記載のインク組成物。
【請求項3】
前記消色促進剤は、亜鉛、鉛、カドミウムを含む硝酸亜鉛、脂肪族石鹸の亜鉛化合物、炭酸鉛、フタル酸鉛、ラウリン酸カドミウム、脂肪族石鹸のカドミウム化合物から選ばれるレドックス(redox)系化合物、又はジメチルアミノエチルメタクリレート、n−ブチルアミン、トリエチルアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、ジシアンジアミド、ベンジルジメチルアミン、4−(ジメチルアミノ)−N、N−ジメチルベンジルアミン、4−メトキシ−N、N−ジメチルベンジルアミン、4−メチル−N、N−ジメチルベンジルアミン、メラミンのアミン類;イミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、4−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−(2−シアノエチル)−2−エチル−4−メチルイミダゾールのイミダゾール誘導体;グアナミン、アセトグアナミン、ベンゾグアナミンのグアナミン類;ポリオキシエチレンラウリルアミン、エタノールアミン、及びトリエタノールアミン、ジエタノールアミンの3級アミン系アルコール類;とから選ばれる1種又は2種以上の混合物であることを特徴とする請求項1に記載のインク組成物。
【請求項4】
前記安定剤は、マレイン酸、フマル酸、ステアリル酸の塩化物、無水フタル酸、ハイドロキノン、ナフタレンジオール、オキシム、脂肪族アミン、硫黄化合物、ケトン類、アルデヒド類、リン酸塩類、C10乃至C22の飽和又は不飽和脂肪酸、及び天然脂肪酸オイルの脂肪族有機酸とから選ばれる1種又は2種以上の混合物であることを特徴とする請求項1に記載のインク組成物。
【請求項5】
前記消色促進剤と安定剤の混合物の混合割合は1:1乃至1:3の当量比であることを特徴とする請求項1に記載のインク組成物。
【請求項6】
前記色素1乃至80重量%及び消色促進剤と安定剤の反応生成物1乃至95重量%含有することを特徴とする請求項1に記載のインク組成物。
【請求項7】
界面活性剤;顕色剤;パラフィンオイル又はミネラルオイルの疎水性溶媒及び水及びアルコールから選ばれる親水性溶媒;とをさらに含有することを特徴とする請求項1に記載のインク組成物。
【請求項8】
前記界面活性剤は、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテルのポリオキシエチレンアルキルエーテル類;ポリオキシエチレンオクチルフェノールエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェノールエーテルのポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル類;ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロック共重合体類;ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタントリオレエート、ソルビタントリステアレートのソルビタン脂肪酸エステル類;ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタントリオレエート、ポリオキシエチレンソルビタントリステアレートのポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類;フッ素系界面活性剤;及びシリコン系界面活性剤とから選ばれる1種又は2種以上の混合物であることを特徴とする請求項7に記載のインク組成物。
【請求項9】
前記界面活性剤は、0.1乃至50重量%で含有することを特徴とする請求項8に記載のインク組成物。
【請求項10】
前記顕色剤は、脂肪族アルコール類及び芳香族アルコール類の化合物から選ばれることを特徴とする請求項7に記載のインク組成物。
【請求項11】
前記顕色剤は、1乃至20重量%で含有することを特徴とする請求項10に記載のインク組成物。
【請求項12】
前記疎水性及び親水性溶媒は、1乃至90重量%で含有することを特徴とする請求項7に記載のインク組成物。
【請求項13】
請求項1乃至請求項12から選ばれるいずれかに記載のインク組成物を含有することを特徴とする印刷用インク、リボンカートリッジ用インク、デスクジェットインク、及び筆記具用インク。
【請求項14】
熱反応開始剤、紫外線光反応開始剤、又は熱反応開始剤と紫外線光反応開始剤との混合物から選ばれる開始剤;及びアセトン、2−ブタノン、アルキルセロソルブ、エチルアセテート、アセトニトリル又はジメチルスルホキシド(DMSO)から選ばれる有機溶媒;とからなり、前記請求項12に記載のインクに塗布してインクを消色させることを特徴とする消色剤。
【請求項15】
界面活性剤をさらに含有することを特徴とする請求項14に記載の消色剤。
【請求項16】
前記熱反応開始剤は、ベンゾイルペルオキシド、p−クロロベンゾイルペルオキシド、t−ブチルペルオキシド、t−ブチルヒドロペルオキシド、コハク酸ペルオキシド、ジデカニルペルオキシド、クメンヒドロペルオキシド、ジクミルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、2,4−ペンタジオンペルオキシド、ジイソプロピルペルオキシド、ジ−2−エチルヘキシルペルオキシカーボネート、t−ブチルペルオキシベンゾエート、t−ブチルペルオキシピバレート、t−ブチルペルアセテート、シクロヘキサノンペルオキシド、t−アミルペルオキシベンゾエート、過酢酸、2,2−ビス(t−ブチルペルオキシ)ブタン、1,1−ビス(t−ブチルペルオキシ)シクロヘキサン、2,5−ビス(t−ブチルペルオキシ)−2,5−ジメチルヘキサン、2,5−ビス(t−ブチルペルオキシ)−2,5−ジメチル−3−ヘキシン、ビス(1−(t−ブチルペルオキシ)−1−メチルエチル)ベンゼン、1,1−ビス(t−ブチルペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンの過酸化物;4,4−アゾビス(4−シアノ吉草酸)、1,1′−アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリルのアゾ化合物;及び過酸化水素−鉄(II)塩、ペルオキソ二硫酸塩、過硫酸カリウム、亜硫酸水素ナトリウム、クメンヒドロペルオキシド−鉄(II)塩のレドックス開始剤;から選ばれる1種又は2種以上の混合物であり、
前記紫外線光反応開始剤は、アセトフェノン、プロピオフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、ジメトキシアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、ジクロロアセトフェノン、p−tert−ブチルトリクロロアセトフェノン、トリクロロアセトフェノン、N,N−ジメチルアミノアセトフェノン、p−ジメチルアミノプロピオフェノン、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルホリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)ブタン−1−オン、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシン、3,6−ビス(2−メチル−2−モルホリノプロパノイル)−9−ブチルカルバゾル、α−ヒドロキシイソブチルフェノン、α,α′−ジクロロ−4−フェノキシアセトフェノン、1−ヒドロキシ−1−シクロヘキシルアセトフェノン、ジアセチルアセトフェノンから選ばれるアセト フェノン系化合物;ベンゾフェノン、4−メチルベントフェノン、4−フェニルベンゾフェノン、2−クロロベンゾフェノン、4,4′−ジクロロベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン、o−ベンゾイルベンゾ酸メチル、4−(4−メチルニルチオ)ベンゾフェノン、4,4′−ジクロロベンゾフェノン、4,4′−ビスジメチルアミノベンゾフェノン、4,4′−ビスジエチルアミノベンゾフェノン、ミッヒラーケトン、4−ベンゾイル−4′−メチルジ フェニルスルフィド、3,3−ジメチル−4−メチルベンゾフェノン、4−(1,3−アクリロイル−1,4,7,10,13−ペンタオキサトリデシル)ベンゾフェノン、3,3′,4,4′−テトラ(tert−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾ フェノンから選ばれるベンゾフェノン系化合物;4−ベンゾイル−N,N,N−メチルベンゼンメタンアミニウムクロライド、2−ヒドロキシ−3−(4−ベンゾイルフェノキシ)−N,N,N−トリメチル−1−プロパンアミニウムクロライド、4−ベンゾイル−N,N−ジメチル−N−[(2−(1−オキソ−2−プロフェノキシ)エチル)−ベンゼンメタンアミニウムクロライド、4−ベンゾイル−N,N−ジメチル−N−[(2−(1−オキソ−2−プロフェニルオキシ)エチル)−ベンゼンメタンアミニウムブロマイドから選ばれるハロゲン化合物;チオキサントン、2−クロロチオキサントン、チオクサントン、2−イソプロピルチオイソプロピルチオクサントン、4−イソプロピルチオクサントン、2,4−ジメチルチオクサントン、2,4−ジエチルチオクサントン、2,4−ジイソプロピルチオクサントン、2,4−ジクロロチオクサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオクサントン、2−ヒドロキシ−3−(3,4−ジメチル−9−オキソ−9H−チオクサントン−2−イル−オキシ)−N,N,N−トリメチル−1−プロパンアミニウムクロライド、2−ベンゾイルメチレン−3−メチルナフト(1,2−d)チアゾリンから選ばれるカルボニル化合物;ベンジル、1,7,7−トリメチル−ビシクロ[2,2,1]ヘプタン−2,3−ジオン(カンファーキノンともいう)2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−tert−ブチルアントラキノン、1−クロロアントラキノン、2−アミノアントラキノン、2,3−ジフェニルアントラキノン、9,10−フェナントレンキノン、メチルa−オキソベンゼンアセテートから選ばれるジカルボニル化合物;ベンゾイン(2−ヒドロキシ−1,2−ジフェニルエタノン)、ベンゾインメチルエーテル(2−メトキシ−1,2−ジフェニルエタノン)、ベンゾインエチルエーテル(2−エトキシ−1,2−ジフェニルエタノン)、ベンゾインメチルエーテル(2−メトキシ−1,2−ジフェニルエタノン)、ベンゾインイソプロピルエーテル(2−イソプロポキシ−1,2−ジフェニルエタノン)、ベンゾイン−n−ブチルエーテル(2−ブトキシ−1,2−ジフェニルエタノン)、ベンゾインイソブチルエーテル(2−イソブトキシ−1,2−ジフェニルエタノン)から選ばれるベンゾインエーテル化合物;2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジクロロベンゾイル)−(4−n−プロピルフェニル)ホスフィンオキシドから選ばれるアリルホスフィンオキシド化合物;メチル4−ジメチルアミノベンゾエート、エチル4−ジメチルアミノベンゾエート、4−ジメチルアミノベンゾエート−n−ブトキシエチルエステル、イソアミル−4−ジメチルアミノベンゾエート、ベンゾエート−2−ジメチルアミノエチルエステル、4,4′−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4′−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、2,5′−ビス(4−ジメチルアミノベンザル)シクロフェンタノンから選ばれるアミノカルボニル化合物;ベンゾイルペルオキシド、t−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルヒドロペルオキシド、ジ−t−ブチルジペルオキシイソフタレート、3,3′,4,4′−テトラ(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、クメンペルオキシドから選ばれる有機過酸化物;ジフェニルアイオドブロマイド、ジフェニルアイオドクロライドから選ばれるジフェニルハロニウム塩;芳香族ケトン;3級アミン;アセトフェノンジメチルケタル、ベンジルジメチルケタルから選ばれるケタル系化合物;2,4,5−トリアリルイミダゾル2量体、リボフラビンテトラブチレート、2−メルカプトベンゾイミダゾル、2−メルカプトベンゾオキサゾル、2−メルカプトベンゾチアゾルから選ばれるチオル化合物;2,2,2−トリクロロ−1−(4′−tert−ブチルフェニル)エタン−1−オン、2,2−ジクロロ−1−(4−フェノキシ フェニル)エタン−1−オン、α,α,α−トリブロモメチルスルホン、2,2,2−トリブロモエタノール、2,4,6−トリス(トリクロロメチル)トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(4−メトキシフェニル)トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(4−メトキシスチリル)トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(4−メトキシナフチル)トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[2−(5−メチルフリル)エチルリジン]トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[2−(5−メチルフリル)エチルリジン]トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[2−ブリルエチルリジン]トリアジンから選ばれるハロゲン化化合物;3−フェニル−5−イソオキサゾロン、2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジンベンズアントロンから選ばれる複素環式化合物及び多環式化合物;ビスイミダゾル系化合物;N−アリルグリシジル系化合物;アクリジン系化合物;ペルオキシケタ;2,2′−アゾ(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2′アゾビスイソブチロニトリル、1,1′−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2′−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)から選ばれるアゾ化合物;鉄−アレン錯体;又はチタノセン化合物とから選ばれる1種又は2種以上の化合物であることを特徴とする請求項14に記載の消色剤。
【請求項17】
前記熱反応開始剤又は紫外線光反応開始剤は有機溶媒100重量部に対して0.01乃至20重量部で含有することを特徴とする請求項14に記載の消色剤。
【請求項18】
前記界面活性剤は、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテルのポリオキシエチレンアルキルエーテル類;ポリオキシエチレンオクチルフェノルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェノルエーテルのポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類;ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロック共重合体類;ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノロレート、ソルビタントリオレエート、ソルビタントリステアレートのソルビタン脂肪酸エステル類;ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタントリオレエート、ポリオキシエチレンソルビタントリステアレートのポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類;フッ素系界面活性剤;又はシリコン系界面活性剤から選ばれる1種又は2種以上の混合物であることを特徴とする請求項15に記載の消色剤。
【請求項19】
前記界面活性剤は色素100重量部に対して0.01乃至20重量部で含有することを特徴とする請求項15に記載の消色剤。
【請求項20】
1)請求項1乃至請求項12から選ばれるいずれかに記載のインク組成物が印刷された記録媒体上に前記請求項14乃至請求項19から選ばれるいずれかに記載の消色剤を塗布する段階;
2)前記1)段階の消色剤が塗布された記録媒体上に熱を加えたり紫外線を照射する段階;と
からなるインクの消色方法。
【請求項21】
前記記録媒体は一般紙及び磁気ストリップ(magnetic strips)が付着されたカードであることを特徴とする請求項20に記載のインクの消色方法。


【公表番号】特表2011−502191(P2011−502191A)
【公表日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−530921(P2010−530921)
【出願日】平成20年10月6日(2008.10.6)
【国際出願番号】PCT/KR2008/005850
【国際公開番号】WO2009/054621
【国際公開日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【出願人】(510114572)
【Fターム(参考)】