説明

消化ガスの生成方法およびその生成装置

【課題】環境に対する負荷を低減することができ、かつ低コストで、かつ高効率で消化ガスを生成することができる消化ガスの生成方法およびその生成装置を提供する。
【解決手段】消化ガスの生成装置において、消化槽30の上流に曝気槽20を設ける。
曝気槽20内でシロキサン化合物と有機成分とを含有する汚泥を曝気ガスで曝気して前記汚泥に含まれるシロキサン化合物を当該曝気ガスに移行させ、曝気後の汚泥を消化槽30内で消化して消化ガスを生成させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、消化ガスの生成方法およびその生成装置に関する。より詳しくは、下水などの水処理の際に生じる汚泥の有効利用に好適な消化ガスの生成方法およびその生成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
下水処理場で行なわれる下水処理では、下水中に含まれる固体状の有機成分などの浮遊物を沈殿またはろ過して除去する際、あるいは下水中に溶解している有機成分などを生物処理により除去する際に下水汚泥が発生する。この下水汚泥は、前記有機成分を含んでいることから、カーボンニュートラルな性質を有する燃料を生成させるバイオマス資源としての利用が期待されている。
【0003】
前記下水汚泥からカーボンニュートラルな性質を有する燃料を生成させる技術としては、例えば、嫌気性消化法などが挙げられる。前記嫌気性消化法では、メタン生成細菌などによって下水汚泥中の有機成分を嫌気性条件下で消化させることで、消化ガスを生成させることができる。かかる消化ガスは、メタンガスを含んでいることから、発電機のガスエンジンやガスタービンを稼動させて発電するための燃料として利用することができる。
【0004】
ところで、近年、リンス、ヘアクリーム、スキンクリームなどの化粧料の使用量の増加に伴い、化粧料に用いられる成分であるシロキサン化合物の使用量がますます増加している。そのため、下水中に混入するシロキサン化合物の量が増加していることから、下水汚泥中に混入するシロキサン化合物の量も増加し、消化ガスに混入するシロキサン化合物の量がますます増加する傾向にある。
【0005】
前記シロキサン化合物を含む消化ガスを発電のための燃料として用いた場合、ガスエンジンやガスタービンの燃焼室内で消化ガスを燃焼させることによってガスエンジンやガスタービンの内部に二酸化ケイ素の結晶が析出し、蓄積する。そして、蓄積した二酸化ケイ素の結晶は、ガスエンジンまたはガスタービンの部品の磨耗または劣化や、発電効率の低下などを引き起こすことがある。そのため、前記シロキサン化合物を含む消化ガスは、そのままでは、発電のための燃料などに用いにくいという欠点がある。
【0006】
そこで、消化ガス中に含まれるシロキサン化合物を、多孔質吸着剤に吸着させて除去する装置および方法が提案されている(例えば、特許文献1などを参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2005−111377号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、前記特許文献1に記載の装置および方法では、多孔質吸着剤が用いられているため、多孔質吸着剤の吸着限界に伴って、シロキサン化合物の除去効率が低下する。そのため、多孔質吸着剤の吸着限界に応じて多孔質吸着剤を交換する必要があり、消化ガスの利用に要するコストの増大を招くことがある。
また、有機ケイ素化合物を吸着した多孔質吸着剤は、廃棄物として処理する必要があることから、前記特許文献1に記載の装置および方法は、かえって、環境に対する負荷の増大を招くおそれがある。
【0009】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、シロキサン化合物が除去された消化ガスを、環境に対して低負荷で、かつ低コストで生成することができる消化ガスの生成方法およびその生成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の消化ガスの生成方法は、シロキサン化合物と有機成分とを含有する汚泥を消化して消化ガスを生成する消化ガスの生成方法であって、
(A) 前記汚泥を曝気ガスで曝気して当該曝気ガスに前記汚泥に含まれるシロキサン化合物を移行させる工程、および
(B) 前記工程(A)で得られた曝気後の汚泥を消化して消化ガスを生成する工程
を含むことを特徴とする。
【0011】
本発明の消化ガスの生成方法では、汚泥を曝気ガスで曝気して曝気ガスに汚泥中のシロキサン化合物を移行させた後、曝気後の汚泥を消化するので、汚泥の消化に際し、消化ガスに混入するシロキサン化合物が無くなるか、あるいは消化ガスに混入するシロキサン化合物の量を低減させることができる。
そのため、吸着剤にシロキサン化合物を吸着させることなく、あるいは吸着剤を用いたとしても、従来の方法よりも少量の吸着剤の使用でシロキサン化合物が除去された消化ガスを得ることができる。
したがって、本発明の消化ガスの生成方法によれば、吸着剤の使用量を低減させることができる、これにより、吸着剤に要するコストを削減することができる。また、吸着剤の使用量を低減できることから、使用後の吸着剤の廃棄に伴う環境への負荷を低減させることができる。
【0012】
本発明の消化ガスの生成方法では、前記工程(A)において、前記汚泥を加熱しながら曝気することが好ましい。これにより、曝気ガスにシロキサン化合物を効率よく移行させることができ、しかも、工程(B)での汚泥の消化を促進させることができる。
【0013】
本発明の消化ガスの生成方法では、前記曝気ガスが気体燃料であり、前記工程(A)でシロキサン化合物を移行させた曝気ガスを燃焼させて焼却してもよい。これにより、シロキサン化合物を効率よく焼却処分することができる。
【0014】
また、本発明の消化ガスの生成方法では、前記工程(B)で得られた消化ガスを前記工程(A)における曝気に用いられる気体燃料として戻すことが好ましい。これにより、気体燃料に要するコストを低減することができる。
【0015】
前記工程(A)でシロキサン化合物を移行させた曝気ガスを燃料として用いて前記工程(B)の消化後に得られた汚泥を燃焼させることが好ましい。これにより、汚泥の燃焼に際し、シロキサン化合物を移行させた曝気ガスを有効に利用することができると同時に、シロキサン化合物を効率よく焼却処分することができる。
【0016】
また、本発明の消化ガスの生成方法では、前記曝気ガスが空気であってもよい。この場合、前記工程(A)でシロキサン化合物を移行させた曝気ガスを助燃ガスとして用いて前記工程(B)の消化後に得られた汚泥を燃焼させることが好ましい。これにより、汚泥の燃焼にシロキサン化合物を移行させた曝気ガスを有効に利用することができ、しかも、シロキサン化合物を効率よく焼却処分することができる。
【0017】
本発明の消化ガスの生成方法では、前記工程(A)において、前記汚泥を曝気する際に、前記汚泥に対して前記工程(B)での汚泥の消化を促進させる消化前処理を施してもよい。これにより、汚泥からのシロキサン化合物の曝気ガスへの移行が促進されるうえ、前記工程(B)での汚泥の消化も促進させることができることから、シロキサン化合物が低減された消化ガスを効率よく生成させることができる。前記消化前処理として、超音波照射、オゾン曝露およびアルカリ剤の添加からなる群より選ばれた少なくとも1種の処理を行なうことができる。
【0018】
前記工程(A)において、汚泥を撹拌しながら曝気することが好ましい。これにより、汚泥と曝気ガスとを十分に接触させることができることから、汚泥に含まれるシロキサン化合物を効率よく曝気ガスに移行させることができる。
【0019】
本発明の消化ガスの生成装置は、シロキサン化合物と有機成分とを含有する汚泥を消化して消化ガスを生成する消化ガスの生成装置であって、
前記汚泥を曝気ガスで曝気して前記汚泥に含まれるシロキサン化合物を当該曝気ガスに移行させる曝気槽と、前記曝気槽の下流に設けられており、曝気後の汚泥を消化して消化ガスを生成する消化槽とを備えていることを特徴とする。
【0020】
前記構成を備えた本発明の消化ガスの生成装置では、曝気槽で汚泥に含まれるシロキサン化合物が曝気ガスに移行させ、消化槽でこの汚泥を消化することができる。
したがって、前述した本発明の消化ガスの生成方法と同様の作用効果を得ることができる。
【0021】
本発明の消化ガスの生成装置では、前記曝気槽が、前記汚泥を加熱する加熱装置を備えていることが好ましい。これにより、汚泥の曝気に際して、汚泥を加熱することができることから、汚泥から曝気ガスへのシロキサン化合物の移行および汚泥の消化の促進を行なうことができる。
【0022】
また、本発明の消化ガスの生成装置では、前記曝気槽が、前記汚泥を撹拌する撹拌装置を備えていることが好ましい。これにより、汚泥の消化を促進させることができることから、消化ガスを効率よく生成させることができる。
【0023】
本発明の消化ガスの生成装置は、前記消化槽の下流に、前記消化槽で得られた消化後の汚泥を脱水する脱水装置と、前記曝気槽でシロキサン化合物を移行させた曝気ガスが導入され、前記脱水装置で得られた脱水後の汚泥を燃焼させる燃焼炉とをさらに備えていることが好ましい。
これにより、汚泥の燃焼に際して、シロキサン化合物を移行させた曝気ガスを有効に利用することができると同時に、シロキサン化合物を効率よく焼却処分することができる。
【0024】
前記消化槽と曝気槽との間に、前記消化槽で得られた消化ガスの一部を曝気ガスとして前記曝気槽内に供給する消化ガス供給流路が設けられていることが好ましい。
これにより、汚泥の燃焼に際し、燃料として、シロキサン化合物を移行させた曝気ガスを有効に利用することができると同時に、シロキサン化合物を効率よく焼却処分することができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明の消化ガスの生成方法およびその生成装置によれば、シロキサン化合物が除去された消化ガスを、環境に対して低負荷で、かつ低コストで生成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の一実施形態に係る消化ガスの生成装置の構成を示す概略説明図である。
【図2】本発明の変形例に係る消化ガスの生成装置の構成を示す概略説明図である。
【図3】本発明の変形例に係る消化ガスの生成装置の構成を示す概略説明図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る消化ガスの生成方法の処理手順を示す工程図である。
【図5】本発明の変形例に係る消化ガスの生成方法の処理手順を示す工程図である。
【図6】本発明の変形例に係る消化ガスの生成方法の処理手順を示す工程図である。
【図7】実施例1に用いられた実験装置の構成を示す概略説明図である。
【図8】実施例1において、下水汚泥の曝気の際の処理温度とシロキサンの揮散率との関係を調べた結果を示すグラフである。
【図9】実施例1において、下水汚泥の曝気の際の処理温度30℃および80℃それぞれにおいて、曝気時間と、曝気ガスに移行し、吸着剤に吸着されたシロキサンの量(吸着剤におけるシロキサンの吸着量m1)との関係を調べた結果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
[用語の定義]
本明細書において、「シロキサン化合物」とは、直鎖状シロキサンおよび環状シロキサンをいう。直鎖状シロキサンとしては、例えば、式(I):
【0028】
【化1】

【0029】
(式中、nは2〜14の自然数を示す)
で表される化合物が挙げられる。また、環状シロキサンとしては、例えば、式(II):
【0030】
【化2】

【0031】
(式中、mは3〜7の自然数を示す)
で表される化合物が挙げられる。前記シロキサン化合物のうち、一般的に、環状シロキサンであるオクタメチルシクロテトラシロキサン(m=4)、デカメチルシクロペンタシロキサン(m=5)およびドデカメチルシクロヘキサシロキサン(m=6)が下水汚泥中に多く含まれ、そこから発生した消化ガス中には、環状シロキサンであるオクタメチルシクロテトラシロキサン(m=4)およびデカメチルシクロペンタシロキサン(m=5)が多く含まれている。
【0032】
本明細書において、「有機成分」とは、ケイ素を含まない有機化合物であって、嫌気性消化法によって消化ガスの主成分であるメタンガスを生じうる有機化合物をいう。
【0033】
また、本明細書において、「気体燃料」とは、消化ガス、天然ガスなどの気体状の燃料をいう。なお、本明細書においては、便宜上、消化ガス以外の気体燃料を「他の気体燃料」と称することもある。
【0034】
本明細書において、「曝気」の用語は、汚泥を空気に曝すことに加え、汚泥を気体燃料、不活性ガスなどの気体に曝すことをも包含する。また、「曝気」には、気泡を汚泥に導入すること(バブリング)、汚泥を撹拌して空気に接触させることなどが含まれる。
【0035】
[消化ガスの生成装置]
以下、添付図面により、本発明の一実施形態に係る消化ガスの生成装置を詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る消化ガスの生成装置の構成を示す概略説明図である。
【0036】
図1に示される生成装置1は、下水汚泥S0を濃縮する濃縮装置10と、濃縮汚泥S1を曝気する曝気槽20と、曝気後の汚泥S2を消化する消化槽30と、消化槽30での汚泥の消化により生成したガスを脱硫する脱硫装置40と、消化後の汚泥(消化汚泥S3)を脱水して減容する脱水装置50と、脱水汚泥S4を燃焼させる燃焼炉60とから構成されている。
【0037】
濃縮装置10としては、重力を利用して下水汚泥S0を濃縮する重力濃縮装置、遠心力を利用して下水汚泥S0を濃縮する遠心濃縮装置などが挙げられる。
この濃縮装置10では、下水汚泥S0が濃縮され、液体成分が排出される。かかる液体成分は、返流水として種々の水処理を施すことができる。
【0038】
曝気槽20は、濃縮装置10の下流に接続されており、濃縮装置10から濃縮汚泥S1を導入することができるように構成されている。
曝気槽20は、槽本体21と、この槽本体21の外周に設けられた加熱装置22と、槽本体21内に設けられた気泡発生装置23とから構成されている。
この曝気槽20の槽本体21内には濃縮汚泥S1が収容される。そして、槽本体21内は、槽本体21内に収容された濃縮汚泥S1が加熱装置22によって加熱されると同時に、気泡発生装置23によって曝気されるように構成されている。
槽本体21の上部には、シロキサン化合物を移行させた曝気ガス(「シロキサン化合物含有ガス」ともいう)を槽本体23の外部に排出するシロキサン化合物含有ガス流路P1が設けられている。
【0039】
消化槽30は、曝気槽20の下流に接続されており、曝気槽20から曝気後の汚泥S2を導入することができるように構成されている。このように、消化槽30が曝気槽20の下流に設けられているため、曝気槽20で得られた曝気後の汚泥S2を、消化槽30で消化することができる。これにより、消化を行なう際における消化ガスへのシロキサン化合物の混入を抑制することができる。
【0040】
消化槽30は、槽本体31と、この槽本体31内に設けられた撹拌装置32とから構成されている。
この消化槽30の槽本体31の内部は、メタン生成細菌などの消化ガスを生成する嫌気性細菌が発酵を行なうことができるように嫌気性消化条件に保たれている。
槽本体31の上部には、消化槽30内での汚泥の消化により生成したガス(「粗消化ガス」という)を槽本体31の外部に排出する粗消化ガス流路P2が設けられている。
【0041】
脱硫装置40は、粗消化ガス流路P2を介して消化槽30の下流に接続されており、消化槽30から粗消化ガスを導入することができるように構成されている。
脱硫装置40では、当該脱硫装置40内に粗消化ガスが導入されることで、粗消化ガスに含まれる硫化水素などが酸化され、除去される。
脱硫装置40としては、微生物などにより粗消化ガスを脱硫する生物脱硫装置、鉄粉などの脱硫剤により粗消化ガスを脱硫する乾式脱硫装置などが挙げられる。
この脱硫装置40の下流には、脱硫後に得られたガス(「消化ガス」という)を発電機101に供給する消化ガス流路P3と、消化ガスの一部を曝気ガスとして曝気槽20に供給する曝気ガス流路P4とが接続されている。これにより、シロキサン化合物含有ガスに消化ガスが配合されるようになっていることから、シロキサン化合物含有ガスを燃焼させて焼却することが可能になる。
【0042】
脱水装置50は、消化槽30の下流に接続されており、消化槽30から消化後の汚泥(消化汚泥S3)を導入することができるように構成されている。
脱水装置50としては、遠心脱水装置、フィルタープレス脱水装置、ベルトプレス脱水装置、スクリュープレス脱水装置、回転加圧脱水装置などが挙げられる。
この脱水装置50では、消化汚泥S3の脱水により液体成分が排出される。かかる液体成分は、返流水として種々の水処理を施すことができる。
【0043】
燃焼炉60は、脱水装置50の下流に接続されており、脱水装置50から脱水後の汚泥(脱水汚泥S4)を導入することができるように構成されている。
また、この燃焼炉60には、シロキサン化合物含有ガス流路P1が接続されている。本実施形態の生成装置1において、シロキサン化合物含有ガス流路P1内を流れるシロキサン化合物含有ガスは、消化ガスを含んでいることから、燃焼炉60における脱水汚泥S4の燃焼に際して、シロキサン化合物含有ガスを燃料ガスとして利用することができる。
【0044】
[消化ガスの生成装置の変形例]
つぎに、本発明の変形例に係る消化ガスの生成装置を説明する。
本発明においては、図2に示されるように、消化ガスの一部を曝気ガスとして曝気槽20に供給する代わりに、他の気体燃料や、空気などを曝気ガスとして曝気槽20に供給するための曝気ガスボンベ70が、曝気ガス流路P4を介して曝気槽20に接続されていてもよい。
【0045】
また、曝気槽20は、槽本体21内に汚泥を撹拌する撹拌装置24を備えていてもよい(図2参照)。かかる図2に示される生成装置2では、曝気ガスが濃縮汚泥S1に供給され、濃縮汚泥S1が撹拌装置24で撹拌されるため、曝気ガスと濃縮汚泥S1とを十分に接触させることができる。
【0046】
さらに、本発明においては、図3に示されるように、濃縮装置10の上流に曝気槽20を設置してもよい。かかる図3に示される生成装置3では、下水汚泥S0が直接曝気された後、曝気後の汚泥が濃縮される。
【0047】
なお、本発明においては、消化ガス流路P3上に、必要に応じて、消化ガス中の不要成分を吸着して除去するための吸着剤を有する吸着装置が設けられていてもよい(図示せず)。例えば、消化ガス中にシロキサン化合物が残留している場合には、吸着剤としてシロキサン化合物を吸着する吸着剤を用いることができる。
【0048】
[消化ガスの生成方法の処理手順]
つぎに、添付図面により、本発明の一実施形態に係る消化ガスの生成方法の処理手順を説明する。図4は、本発明の一実施形態に係る消化ガスの生成方法の処理手順を示す工程図である。なお、図4においては、図1に示される生成装置1を用いる場合を例としてあげて説明する。しかしながら、本発明の消化ガスの生成方法において、用いられる生成装置は特に限定されるものではない。
【0049】
本実施形態に係る消化ガスの生成方法では、まず、前記シロキサン化合物と有機成分とを含む下水汚泥S0を濃縮する(「濃縮工程S1−1」)。本実施形態において、濃縮工程S1−1は、濃縮装置10で行なわれる。
【0050】
濃縮工程S1−1では、下水汚泥S0の濃縮の度合いは、下水汚泥S0の種類や量、生成装置の処理能力などに応じて適宜設定することができる。
下水汚泥S0の濃縮は、例えば、重力濃縮、遠心濃縮などにより行なうことができる。
かかる濃縮工程S1−1では、下水汚泥S0を濃縮することによって濃縮汚泥S1が得られる。
【0051】
つぎに、濃縮汚泥S1に曝気ガスとして消化ガスを吹き込んで濃縮汚泥S1に曝気ガスをバブリングすることで曝気を行ない、曝気ガスにシロキサン化合物を移行させる(「曝気工程S1−2」)。本実施形態において、曝気工程S1−2は、曝気槽20で行なわれる。
【0052】
かかる曝気工程S1−2では、曝気ガスとして、消化ガスの一部が用いられる。
なお、曝気ガスとして、消化ガスの代わりに、他の気体燃料、空気、不活性ガスなどを用いてもよい。この場合、例えば、図2に示される生成装置2などを用いることができる。前記曝気ガスのなかでは、燃焼させることによる焼却処分が容易であることから、消化ガスや他の気体燃料および空気が好ましい。
【0053】
曝気に際して、濃縮汚泥S1への曝気ガスの供給量は、下水汚泥S0の種類や量、曝気槽20の容量などに応じて適宜設定することができる。濃縮汚泥S1への曝気ガスの供給量は、通常、濃縮汚泥S11Lあたり2L/min以下とすることができる。なお、濃縮汚泥S1への曝気ガスの供給量の下限値は、消化ガスに混入するシロキサン化合物をなくすのに十分な量であればよい。
バブリングの際の曝気ガスの気泡の大きさは、消化ガスに混入するシロキサン化合物の量をより一層低減させる観点から、微細であるほど好ましい。このように曝気ガスの気泡の大きさを微細にすることにより、濃縮汚泥S1と曝気ガスとの接触面積が大きくなるので、シロキサン化合物を濃縮汚泥S1から曝気ガスからなる気相に効率よく移行させることができる。曝気ガスの気泡の大きさは、通常、500〜7000μm程度とすることができる。
【0054】
また、曝気に際して、濃縮汚泥S1と曝気ガスとを十分に接触させて曝気ガスにシロキサン化合物を効率よく移行させる観点から、濃縮汚泥S1を撹拌しながらバブリングすることが好ましい。
【0055】
本実施形態においては、曝気を行なう際には、濃縮汚泥S1を常温で用いることができる。
なお、温度が30℃〜300℃となるように汚泥を加熱することによって、汚泥中の有機成分が嫌気性消化に適した状態に変換される。したがって、図5に示されるように、濃縮汚泥S1の曝気を行なう際に、温度が30℃〜300℃となるように濃縮汚泥S1を加熱すること(図5の加熱曝気工程S2−2)により、後の消化工程S1−4における消化を促進させることができる。この場合、曝気の際の濃縮汚泥S1の温度は、シロキサン化合物を濃縮汚泥S1から曝気ガスからなる気相に効率よく移行させる観点から、好ましくは30℃以上、より好ましくは40℃以上、さらに好ましくは60℃以上であり、消化ガスの生成に要するコストを低減させる観点から、好ましくは300℃以下、より好ましくは250℃以下である。
【0056】
また、汚泥の曝気を行なう際に、汚泥に対して、超音波照射、オゾン曝露またはアルカリ剤の添加などの処理を施すことによっても、汚泥中の有機成分が嫌気性消化に適した状態に変換される。したがって、濃縮汚泥S1の曝気を行なう際に、濃縮汚泥S1に対して汚泥の消化を促進させる処理として、超音波照射、オゾン曝露およびアルカリ剤の添加からなる群より選ばれた少なくとも1種の処理を施すことが好ましい。
【0057】
つぎに、曝気後の汚泥S2を消化してガス(粗消化ガス)を生成する(「消化工程S1−3」)。本実施形態において、消化工程S1−3は、消化槽30中で行なわれる。
【0058】
消化工程S1−3における消化は、嫌気性微生物の作用によって行なわれる。なお、嫌気性微生物には、単独で、前記有機成分から消化ガスを生成させることができる能力を有する微生物や、複数種類の微生物が共存することによって前記有機成分から消化ガスを生成させることができる微生物群が包含される。
【0059】
消化工程S1−3では、曝気後の汚泥S2と嫌気性微生物とを嫌気性条件下で接触させることにより、消化を行なうことができる。
かかる消化工程S1−3では、曝気後の汚泥S2と嫌気性微生物とを十分に接触させて消化ガスを効率よく生成させる観点から、曝気後の汚泥S2を撹拌することが好ましい。
【0060】
消化工程S1−3において、消化を行なう際の曝気後の汚泥S2の温度は、用いられる嫌気性微生物の種類などに応じて適宜設定することができる。消化工程S1−3における曝気後の汚泥S2の温度は、用いられる嫌気性微生物の種類などによって異なるが、通常、35〜40℃(中温消化)、あるいは50〜55℃(高温消化)程度である。
なお、前記曝気工程S1−2において、濃縮汚泥S1を加熱した場合、温度が上昇しすぎたときには、消化工程S1−3において、曝気後の汚泥S2の温度を消化に適した温度に調整する。
【0061】
また、消化工程S1−3において、消化を行なう際の曝気後の汚泥S2のpHは、用いられる嫌気性微生物の種類などに応じて適宜設定することができる。消化工程S1−3における曝気後の汚泥S2のpHは、用いられる嫌気性微生物の種類などによって異なるが、通常、6.5〜8.2程度である。
なお、前記曝気工程S1−2において、濃縮汚泥S1にアルカリ剤を添加した場合において、pHが上昇しすぎた場合は、曝気後の汚泥S2のpHを消化に適したpHに調整する。
【0062】
消化工程S1−3において、消化を行なう時間(曝気後の汚泥S2と嫌気性微生物とを接触させる時間)は、曝気後の汚泥S2の種類や量、嫌気性微生物の種類などに応じて適宜設定することができる。前記消化を行なう時間は、通常、20〜30日間である。
【0063】
その後、消化工程S1−3で得られたガスを脱硫する(「脱硫工程S1−4」)。本実施形態では、脱硫工程S1−4は、脱硫装置40で行なわれる。
かかる脱硫工程S1−4では、消化工程S1−3で得られたガス中の硫化水素などを酸化させて除去する。
脱硫は、例えば、微生物などによる硫黄酸化反応や、鉄粉などの脱硫剤による硫黄酸化反応を利用することにより行なうことができる。
本脱硫工程S1−4は、消化工程S1−3で得られたガス中に硫化物が含まれていない場合には行なわなくてもよい。
本発明により得られた消化ガスは、シロキサン化合物が除去されており、ガスエンジンやガスタービンへの負荷が低減されていることから、例えば、発電のための燃料として好適である。
【0064】
なお、曝気工程S1−2でシロキサン化合物を移行させた曝気ガスは、消化工程S1−3で生じた消化汚泥S2を脱水して得られた脱水汚泥S4を燃焼させる際の燃料ガスまたは助燃用ガスとして用いることにより燃焼させ焼却処分することができる(「燃焼工程S2−5」)。
【0065】
本発明においては、図6に示されるように、下水汚泥S0を濃縮する前に、当該下水汚泥S0を加熱しながらバブリングすることにより曝気を行なってもよい(図6の「加熱曝気工程S3−1」および「濃縮工程S3−2」参照)。また、この場合、下水汚泥S0を加熱せず、常温のままバブリングすることにより曝気を行なってもよい。
【0066】
以上のように、本発明によれば、汚泥中のシロキサン化合物を、汚泥の消化に先立って、曝気ガスを含む気体に移行させているため、従来の方法のように、吸着剤にシロキサン化合物を吸着させることなく、あるいは吸着剤を用いたとしても、従来の方法よりも少量の吸着剤の使用でシロキサン化合物が除去された消化ガスを得ることができる。そのため、本発明によれば、吸着剤に要するコストを削減することができるので、消化ガスの利用に要するコストを削減することができ、しかも、吸着剤の廃棄に伴う環境への負荷を低減させることができる。
したがって、本発明によれば、汚泥を用いて、例えば、ガスエンジンやガスタービンへの負荷が低く、発電のための燃料として好適な消化ガスを、環境に対して低負荷で、かつ低コストで生成することができる。
【0067】
また、大気中の温暖化ガスの増加を抑制する要望が高まっている一方、化粧料などにおけるシロキサン化合物の使用量がますます増大していることから、本発明の消化ガスの生成方法およびその生成装置は、カーボンニュートラルなバイオマス資源として、汚泥からエネルギーを得る手段として有用である。
【実施例】
【0068】
以下、実施例などにより、本発明をより詳細に説明するが、本発明は、かかる実施例により限定されるものではない。
【0069】
(実施例1)
(1)実験装置の構築
大阪府原田水みらいセンター内の重力濃縮汚泥と遠心濃縮汚泥とを混和する混和槽(消化直前に位置する)より汚泥を採取し、以下の実験における汚泥Sとして用いた。
【0070】
実験装置として、図7に示される装置を用いた。かかる実験装置は、曝気容器200と窒素ガスボンベ210とpHメータ220とトラップ装置230とシロキサンサンプリング装置240と乾式ガスメータ250とからなる。曝気容器200の容器本体201内には、2Lの汚泥Sが入っている。容器本体201内には、気泡発生装置202と撹拌子203とがセットされている。
また、容器本体201の外周にはヒータ205が設置されており、容器本体201内の汚泥Sを加熱することができるようになっている。
前記汚泥Sには、pHメータ220のセンサが差し込まれており、汚泥SのpHがpHメータ220によってモニターできるようになっている。
曝気容器200の下流には、トラップ装置230が連結されており、容器本体201から排出されたシロキサン化合物含有ガス中の水分をトラップするように構成されている。このトラップ装置230の下流にはシロキサンサンプリング装置240が接続され、さらに、乾式ガスメータ250が接続されている。
シロキサンサンプリング装置240内には、樹脂吸着剤〔三菱化学(株)製、商品名:SEPABEADS SP825L〕5gが充填されている。
【0071】
(2)汚泥Sの曝気
容器本体201内の汚泥Sを撹拌速度120min-1で撹拌しながら、当該汚泥Sに窒素ガスを流量1L/minで吹き込んでバブリングするとともに、前記汚泥Sを温度が30℃、60℃または80℃で最大で、72時間まで加熱することにより、汚泥Sの曝気を行なった。
【0072】
ラフ・デウィル(Raf Dewil)ら〔「排水処理由来の活性汚泥中の揮発性シロキサンの分析(The analysis of volatile siloxanes in waste activated sludge)」、タランタ(Talanta)、2007年11月、第74巻、1号、pp.14−19〕に記載の方法に準じて、曝気前の汚泥S中におけるシロキサン化合物の含有量M、曝気後の汚泥S中におけるシロキサン化合物の含有量mを測定した。具体的には、汚泥S 100mLに対して、n−ヘキサン100mLを添加し、得られた混合物を24時間撹拌することにより、汚泥S中に含まれるシロキサンをn−ヘキサン相に移行させ、その後、n−ヘキサン相を分離し、n−ヘキサン相に含まれるシロキサン化合物の量を測定した。
また、宅和雄也ら〔「アジアにおける埋立地ガス中微量成分の特性(Characterization of Trace Contituents in Landfill Gas And A Comparison Of Sites in Asia)」、ジャーナル オブ マテリアル サイクルズ アンドウエスト マネジメント(Journal of Material Cycles and Waste Management)、2009年、第11巻、4号、pp.305−311〕に記載の方法に準じて、シロキサンサンプリング装置240の吸着剤に吸着されたシロキサン化合物の量m1を測定した。
【0073】
つぎに、揮散率を、下記式:
【0074】
揮散率(%)=(M−m)/M×100
【0075】
を用いて算出した。
【0076】
実施例1において、下水汚泥を48時間曝気した際の処理温度とシロキサンの揮散率との関係を調べた結果を図8に示す。図中、黒バーはデカメチルシクロペンタシロキサンの揮散率、白バーはドデカメチルシクロヘキサシロキサンの揮散率をそれぞれ示す。
また、実施例1において、下水汚泥の曝気の際の処理温度30℃および80℃それぞれにおいて、曝気時間と、曝気ガスに移行し、吸着剤に吸着されたシロキサンの量(吸着剤におけるシロキサンの吸着量m1)との関係を調べた結果を図9に示す。図中、黒丸は30℃の場合でのデカメチルシクロペンタシロキサンの吸着量、黒四角は30℃の場合でのドデカメチルシクロヘキサシロキサンの吸着量、白丸は80℃の場合でのデカメチルシクロペンタシロキサンの吸着量、白四角は80℃の場合でのドデカメチルシクロヘキサシロキサンの吸着量をそれぞれ示す。
【0077】
図8に示された結果から、処理温度が60℃または80℃である場合のシロキサン化合物の揮散率は、処理温度が30℃である場合のシロキサン化合物の揮散率よりも大きいことがわかる。特に、処理温度が80℃である場合、デカメチルシクロペンタシロキサンおよびドデカメチルシクロヘキサシロキサンそれぞれの揮散率は、いずれも90%以上であることがわかる。したがって、これらの結果から、下水汚泥の曝気に際して、下水汚泥を30℃以上、好ましくは60〜80℃に加熱することにより、下水汚泥からのシロキサン化合物の揮散率が向上し、下水汚泥中に含まれるシロキサン化合物をより効率よく曝気ガスからなる気相に移行させることができることがわかる。
【0078】
また、図9に示された結果から、下水汚泥の曝気に際して、下水汚泥を24時間以上、好ましくは48時間以上バブリングすることにより、下水汚泥からのシロキサン化合物の吸着量は一定となり、それ以上は曝気ガスに移行していかないことがわかる。特に、処理温度が80℃である場合、処理温度が30℃である場合と比べて、一般的に下水汚泥中に多く含まれるデカメチルシクロペンタシロキサンをより多く曝気ガスに移行させることができる。したがって、この場合、後段の消化槽では少なくとも60℃以下で運転されること、また消化槽ではシロキサン化合物は生物分解されにくく、かつより揮発しやすい低分子量のシロキサン化合物を生成することも考えにくいことから、シロキサン化合物を含まない消化ガスを得ることができることが容易に推測できる。
【0079】
さらに、これらの結果から、汚泥や消化ガス中に多く含まれているオクタメチルシクロテトラシロキサンは、デカメチルシクロペンタシロキサンおよびドデカメチルシクロヘキサシロキサンよりも揮発性しやすいことから、デカメチルシクロペンタシロキサンおよびドデカメチルシクロヘキサシロキサンの場合と同様の結果が得られることが示唆される。
【符号の説明】
【0080】
1 消化ガスの生成装置
2 消化ガスの生成装置
3 消化ガスの生成装置
10 濃縮装置
20 曝気槽
21 槽本体
22 加熱装置
23 気泡発生装置
24 撹拌装置
30 消化槽
31 槽本体
32 撹拌装置
40 脱硫装置
50 脱水装置
60 燃焼炉
P1 シロキサン化合物含有ガス流路
P2 粗消化ガス流路
P3 消化ガス流路
P4 曝気ガス流路
0 下水汚泥
1 濃縮汚泥
2 曝気後の汚泥
3 消化汚泥
4 脱水汚泥

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シロキサン化合物と有機成分とを含有する汚泥を消化して消化ガスを生成する消化ガスの生成方法であって、
(A) 前記汚泥を曝気ガスで曝気して前記汚泥に含まれるシロキサン化合物を当該曝気ガスに移行させる工程、および
(B) 前記工程(A)で得られた曝気後の汚泥を消化して消化ガスを生成する工程
を含む消化ガスの生成方法。
【請求項2】
前記工程(A)において、前記汚泥を加熱しながら曝気する請求項1に記載の消化ガスの生成方法。
【請求項3】
前記曝気ガスが気体燃料であり、
前記工程(A)でシロキサン化合物を移行させた曝気ガスを燃焼させて焼却する請求項1または2に記載の消化ガスの生成方法。
【請求項4】
前記工程(B)で得られた消化ガスを前記工程(A)における曝気に用いられる気体燃料として戻す請求項3に記載の消化ガスの生成方法。
【請求項5】
前記工程(A)でシロキサン化合物を移行させた曝気ガスを燃料として用いて前記工程(B)の消化後に得られた汚泥を燃焼させる請求項3または4に記載の消化ガスの生成方法。
【請求項6】
前記曝気ガスが空気である請求項1または2に記載の消化ガスの生成方法。
【請求項7】
前記工程(A)でシロキサン化合物を移行させた曝気ガスを助燃ガスとして用いて前記工程(B)の消化後に得られた汚泥を燃焼させる請求項6に記載の消化ガスの生成方法。
【請求項8】
前記工程(A)において、前記汚泥を曝気する際に、前記汚泥に対して前記工程(B)での汚泥の消化を促進させる消化前処理を施す請求項1〜7のいずれかに記載の消化ガスの生成方法。
【請求項9】
前記消化前処理が、超音波照射、オゾン曝露およびアルカリ剤の添加からなる群より選ばれた少なくとも1種の処理である請求項8に記載の消化ガスの生成方法。
【請求項10】
前記工程(A)において、汚泥を撹拌しながら曝気する請求項1〜9のいずれかに記載の消化ガスの生成方法。
【請求項11】
シロキサン化合物と有機成分とを含有する汚泥を消化して消化ガスを生成する消化ガスの生成装置であって、前記汚泥を曝気ガスで曝気して前記汚泥に含まれるシロキサン化合物を当該曝気ガスに移行させる曝気槽と、前記曝気槽の下流に設けられており、曝気後の汚泥を消化して消化ガスを生成する消化槽とを備えていることを特徴とする消化ガスの生成装置。
【請求項12】
前記曝気槽が、前記汚泥を加熱する加熱装置を備えている請求項11に記載の消化ガスの生成装置。
【請求項13】
前記曝気槽が、前記汚泥を撹拌する撹拌装置を備えている請求項11または12に記載の消化ガスの生成装置。
【請求項14】
前記消化槽の下流に、
前記消化槽で得られた消化後の汚泥を脱水する脱水装置と、前記曝気槽でシロキサン化合物を移行させた曝気ガスが導入され、前記脱水装置で得られた脱水後の汚泥を燃焼させる燃焼炉とをさらに備えている請求項11〜13のいずれかに記載の消化ガスの生成装置。
【請求項15】
前記消化槽と曝気槽との間に、前記消化槽で得られた消化ガスの一部を曝気ガスとして前記曝気槽内に供給する消化ガス供給流路が設けられている請求項11〜14のいずれかに記載の消化ガスの生成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−35171(P2012−35171A)
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−176057(P2010−176057)
【出願日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 平成22年2月9日 国立大学法人京都大学主催の「平成21年度京都大学工学部地球工学科環境工学コース 特別研究発表会」において文書をもって発表
【出願人】(504132272)国立大学法人京都大学 (1,269)
【Fターム(参考)】