説明

消去装置、消去方法及び該消去装置を備えた表示システム

【課題】表示画面に表示された画像の一部を消去装置で消去するときに、消去すべき画像を視認することができ、消去すべき画像を確実に消去することができる消去装置を提供する。
【解決手段】表示画面に表示された画像の消去すべき部分を視認可能とする視認手段と、上記表示画面に表示された画像の消去すべき領域を特定する消去領域特定手段と、を備えてなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示画面に表示された文字、図形、記号等の画像を消去する消去装置、消去方法及び該消去装置を備えた表示システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の表示システム、例えば、タッチパネルを利用した表示システムとして電子白板が提案されている(特許文献1)。
【0003】
特許文献1に記載の電子白板は、図12に示すように、ホワイトボード100の平板面上に光を照射し、該光の反射光に基づいて平板面上での位置座標を入力する座標入力装置と、光を入射方向に反射する反射部材で形成される部位102を有する指示器105及び消去指示器(消去装置)101と、平板面上に光を照射する光源部並びに指示器105からの反射光を受光する受光部を有する光学ユニット103と、光学ユニット103の受光部により受光された反射光に基づいて平板面上での指示器105の位置座標を算定する処理部104と、を備えて構成してなるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−243003号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の電子白板は、ホワイトボード100に表示された文字や図形等の描画内容(画像)を消去指示器101で消去するときに、ホワイトボード100に表示された消去すべき画像の上に消去指示器101を置く(位置させる)ことから、画像を消去指示器101で覆ってしまい画像を視認することができず、本来消去したくない箇所まで消去してしまうおそれがあり、従って、消去すべき画像を確実に消去することができないという課題がある。
【0006】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、表示画面(表示部)に表示された画像の消去すべき部分を視認可能とし、消去すべき画像を正確に視認して誤消去を確実に防止することができる消去装置、消去方法及びその消去装置を備えた表示システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明の消去装置は、表示画面に表示された文字、図形、記号等の画像を消去する消去装置であって、上記表示画面に表示された画像の消去すべき部分を視認可能とする視認手段と、上記表示画面に表示された画像の消去すべき領域を特定する消去領域特定手段とを備えてなる構成である。
【0008】
また、本発明の消去装置は、上記視認手段が、消去する画像を透視し得るべく構成して視認可能とする構成である。
【0009】
そして、本発明の消去装置は、上記視認手段が、消去する画像を空洞に形成して視認可能とする構成である。
【0010】
さらに、本発明の消去装置は、上記視認手段が、消去する画像を表示する画像表示部にて視認可能とする構成である。
【0011】
さらにまた、本発明の消去装置は、上記画像表示部が、消去すべき画像を読み取ることができる撮像手段を有し、前記撮像手段にて読み取られた消去すべき画像を画像表示部及び表示画面のサブ表示画面の少なくとも一方に表示する構成である。
【0012】
その上、本発明の消去装置は、上記視認手段にて視認される画像の視認面積を変更する変更手段を備えてなる構成である。
【0013】
また、本発明の消去装置には、消去する画像を視認可能に構成された取手を備えてなる構成である。
【0014】
そして、本発明の表示システムは、表示装置、位置検出装置、制御装置、消去装置を備えてなる構成であり、前記制御装置は、前記消去装置の座標位置が前記位置検出装置で検出され、消去すべき画像を表示画面のサブ表示画面に表示する構成である。
【0015】
さらにまた、本発明の消去方法は、上記表示画面に表示された画像の消去すべき部分を視認可能とし、上記視認可能とした画像を消去する方法である。
【発明の効果】
【0016】
本発明は、上記のような構成であるから、表示画面に表示された画像の消去すべき部分(消去すべき部分)を視認して正確に消去することができ、誤消去を確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施の形態を示す消去装置を備えた表示システムの概略説明図である。
【図2】図1の表示システムの機能を示す概略機能ブロック説明図である。
【図3】図1の光学式タッチパネルのペン入力モード時の動作説明図である。
【図4】図1の光学式タッチパネルの消去モード時の動作説明図である。
【図5】図1の光学式タッチパネルの動作説明図である。
【図6】図1の光学式タッチパネルの動作フローである。
【図7】本発明の実施の形態を示す消去装置の消去体の実施例1を示す概略説明図である。
【図8】本発明の実施の形態を示す消去装置の消去体の実施例2を示す概略説明図である。
【図9】本発明の実施の形態を示す消去装置の消去体の実施例3を示す概略説明図である。
【図10】本発明の実施の形態を示す消去装置の消去体の実施例4を示す概略説明図である。
【図11】本発明の実施の形態を示す消去装置の消去体に取手を備えた構成を示す概略説明図である。
【図12】従来の表示システムの概略説明図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0018】
以下、本発明の消去装置の実施の形態を、消去装置を備えた表示システムに実施した場合について図1から図7に基づいて説明する。
【0019】
本発明の消去装置を備えた表示システムは、図1の概略説明図に示すように、電子白板程度の大きさの例えば情報表示用大型液晶パネルで構成し、画像としての文字、図形、記号等の描画内容を表示する表示画面1を備えた表示装置2と、表示装置2の表示画面1に接触(タッチ)することにより表示画面1に画像を表示若しくは表示した画像を消去する入力検出用タッチパネル方式の一つである光学式タッチパネルを採用した入力部3(位置検出装置)と、入力部3の入力を信号処理して表示装置2の表示画面1に画像を表示若しくは表示画面1に表示された画像を消去する制御を行う制御装置4と、表示画面1に接触させて座標情報を前記入力部3に検出させる入力ペン5と、表示画面1に表示された画像の消去箇所に位置させて消去箇所の画像を視認手段にて視認し、消去すべき領域を特定する消去領域特定手段としての消去体6とから構成されたものである。
【0020】
なお、上記構成において、以下の実施例の説明で詳細に説明するが、表示画面1に表示された画像の消去箇所に位置させて消去箇所を特定する消去領域特定手段は、表示画面1に表示された画像の消去すべき部分を視認可能とする視認手段とともに消去装置を構成するものであり、また、視認手段は、消去すべき画像を透視し得るべく構成し、または、消去すべき画像を透視するための空洞を形成し、若しくは、消去すべき画像を表示する画像表示部21にて表示して視認可能に構成するものであり、また、視認手段にて視認される画像の視認面積を変更する変更手段を備えてなるものである。そして、画像表示部21は、消去装置の消去体6に表示画面1を構成し若しくは表示装置2の表示画面1にサブ表示画面22を構成して表示するものである。さらに、画像表示部21には、消去すべき画像を読み取ることができる撮像手段(図示せず)を備えてなるものである。
【0021】
次に、消去装置を備えた表示システムの各ブロックの機能を図2の概略機能ブロック説明図とともに説明する。
【0022】
表示装置2には、表示画面1があり、表示画面1は、画像を表示する表示デバイスとしての機能と、表示画面1に対するユーザの入力操作を受け付ける入力デバイスとしての機能とを有している。表示画面1は、制御装置4の制御により画像を表示するものである。また、表示画面1は、表示画面1にタッチされることにより受け付けた入力操作を操作データとして制御装置4に送信するものであり、例えば、電磁誘導方式、赤外線方式、光学方式等のタッチパネルを適用することができる。
【0023】
本発明の実施の形態においては図3と図4に示す光学方式のタッチパネルを用いている。また、光学方式のタッチパネルとして、例えば、ユーザの入力操作を画像で検知する光センサ内蔵液晶表示パネル等を適用することもでき、表示画面1は、画像を表示する表示デバイスとしての機能及び入力デバイスとしての機能を有しているものであればよく、これらの例に限られない。
【0024】
そして、入力部3は、入力座標検出部7と、入力座標信号変換部8と、入力座標情報送信部9と、で構成され、表示画面1に存在する物体の位置を検出するものである(図6、s201)。
【0025】
入力座標検出部7は、表示画面1にユーザがタッチすると座標情報が特定される。入力座標信号変換部8は、入力座標検出部7で特定された座標情報をコンピュータへ送信するための方式、例えばUSB信号(登録商標)に変換する。入力座標情報送信部9は、入力座標信号変換部8で変換された信号を制御装置4の入力座標情報受信部10のパソコンに送信する(s202)。なお、入力部3は、座標によって位置を検出していることを行なった場合について説明したが、これに限ることがなく、例えば、角度信号に基づく座標位置の検出方法、光量信号に基づく座標位置の検出方式や赤外線距離センサに基づく検出方式も実施可能である。
【0026】
上記制御装置4は、入力座標情報受信部10と、入力面積算出部11と、動作モード判定部12と、表示用メモリ領域部13と、映像信号生成部14と、映像信号送信部15と、で構成されている。
【0027】
入力座標情報受信部10は、入力部3の入力座標情報送信部9から送信された座標情報を受信する。入力面積算出部11は、受信した座標情報を元に面積を算出する(s203)。動作モード判定部12は、入力面積算出部11の入力面積が閾値以下の場合はペンにより入力されていると判断してペン入力モードに自動設定され(s204)、入力面積算出部11の入力面積が閾値を越えた場合は消去装置で消去されていると判断して消去モードに自動設定される(s205)。表示用メモリ領域13は、動作モード判定部12で判定された動作モードに基づき、消去モードの場合は、閾値を越えた入力面積で表示画面に表示される画像情報が記録(ペン画像情報を消去)され(s207)、ペン入力モードの場合は、閾値以下の入力面積で表示画面1に表示される画像情報が記録(ペン画像情報を追加)される(s206)。画像信号生成部14は、表示用メモリ領域13に記録された画像情報に基づき、表示画面1に表示する画像信号を生成する(s208、s209)。画像信号送信部15は、画像信号生成部14で生成された画像信号を、例えば、DVI(Digital Visual Interface)方式で表示装置2に送信する。
【0028】
なお、上記説明においては、制御装置4を接続線Uにて表示装置2に接続した場合について説明したが、接続線Uを用いることなく制御装置4を表示装置2に内蔵する構成にしてもよく、制御装置4及び入力部3は、表示装置2の表示画面1において制御装置4及び入力部3として機能すればよい。
【0029】
上記入力部3の光学式タッチパネルは、図3と図4に示すように表示装置2の外周部2aのY軸方向(垂直方向)及び2bのX軸方向(水平方向)に等間隔で、LEDよりなる発光素子2c、2d及びフォトトランジスタよりなる受光素子2e、2fで構成されるフォトカプラを複数配設し、フォトカプラの受光素子2e、2fで検出される対となる発光素子2c、2dからの光量が一定の閾値以下となったとき、対となるフォトカプラの発光素子2c、2dとの直線上をユーザによりタッチ(接触)されたと判定し、フォトカプラによりX軸方向(水平方向)及びY軸方向(垂直方向)のタッチ座標を検出することによりユーザによりタッチされている位置を特定する構成である(s201)。
【0030】
上記のように構成してなる光学式のタッチパネルの位置検出の動作について図5とともに説明すると、入力部3の光学式のタッチパネルで、図5(a)に示すように、発光素子2c、2dから受光素子2e、2fに到達する光量Aが100%である場合は、表示画面1上には、何もタッチされた面積はないので、表示画面1の位置は検出されない。また、図5(b)に示すように、ユーザが表示画面1上に消去体6やペン5でタッチしても、発光素子2c、2dから受光素子2e、2fに到達する光量が約30%〜100%である場合は、図5(a)と同様に、表示画面1の位置は検出されない。そして、図5(c)に示すように、発光素子2c、2dから受光素子2e、2fに到達する光量Aが約30%未満となるように、消去体6やペン5に、光が屈折するように角度Bをつけて、光の反射や屈折を利用して発光素子2c、2dから受光素子2e、2fに到達する光量Aを削減することで、位置を検出することができる。また、角度Bをつけなくても、光量Aを削減する遮光手段を用いても位置を検出することができる。
【0031】
なお、上記入力部3の光学式のタッチパネルは、タッチされている座標を連続的にサンプリングすることにより入力ペン5等による入力操作を検出し(s201)、検出された座標情報を制御装置4に伝達し(s202)、表示画面1の画像表示に反映させるもの(s208、s209)であり、白板機能を実現させる周知のパソコン上のアプリケーションを採用するものであり、また、周知のパソコン上のアプリケーションの拡張機能として、図3に示すようにタッチされた面積3aが一定以下の場合は入力ペン5等による入力モード(s204)と判断し、図4に示すようにタッチされた面積3bが一定以上の場合は消去モード(s205)と判断し、消去モードの際は入力モードで入力された画像(s206)を消去することができるものである(s207)。
【0032】
図7は、本発明の消去装置を備えた表示システムの消去体6aの実施例1の概略説明図である。
【0033】
図7において、表示画面1に表示された画像の消去箇所に位置させて消去箇所を特定する消去領域特定手段は、表示画面1に表示された画像の消去すべき部分を視認可能とする視認手段とともに消去装置を構成するものであり、また、視認手段は、消去すべき画像を透視し得るべく構成されている。消去体6aは、表示画面1に表示された画像の消去すべき部分を視認可能とするように構成されており、ユーザが表示画面1に表示された画像の消去すべき部分を目でみることができるように透視可能な部材17、例えばガラスやプラスチックなどの透明な部材17で形成されている。また、消去体6aは可視光Cを透過することができる材料で形成され、消去体6aの外周囲は、フォトトランジスタのピーク感度となる赤外線領域をカットする赤外線フィルタ16(IRフィルタ)が配置されている。
【0034】
なお、この赤外線フィルタ16をカットする波長は800nm以上であることが好ましい。また、この赤外線フィルタ16は、発光素子2c、2dから照射された光が受光素子2e、2fに照射するのを遮光するように消去体6aに配置されており、このように配置すれば、消去体6aが表示画面1にタッチしている場合にのみ光を遮光させることができるので、表示画面1に消去体6がタッチしたか否かを受光素子2e、2fに確実に認識させることが可能となる。そして、赤外線フィルタ16を消去体6aと一体化した場合を示しているが、赤外線フィルタ16をマグネット、吸盤、接着剤などの取着体にて赤外線フィルタ16を消去体6aに取り付けてもよい。
【0035】
次に、上記構成の消去体6aの消去動作について説明する。
【0036】
まず、ユーザが、表示装置2の表示画面1に表示されている画像を消去する場合は、消去体6aを消去すべき画像の位置に位置させ(もっていく)、そして、ユーザは消去すべき画像を、消去体6aの視認できる箇所(透明な部分)を通して目で確認し、消去すべき画像と判断すると、消去体6aにて表示画面1に表示されている消去すべき画像にタッチする。
【0037】
すると、消去体6aに配置されている赤外線フィルタ16で、表示画面1のフォトカプラの受光素子2e、2fで検出される対となる発光素子2c、2dからの光量が遮光され、遮光が一定の閾値以下となったとき、対となるフォトカプラの発光素子2c、2dとの直線上にある表示画面1がユーザによりタッチ(接触)されたと判定し、入力部3の入力座標検出部7で、タッチされた座標が検出される(s201)。
【0038】
検出された座標情報は、入力座標検出部7でコンピュータへ送信するための方式、例えばUSB信号に変換され、入力座標信号変換部8で変換された信号は、入力座標情報送信部9で、制御装置4の入力座標情報受信部10のコンピュータに送信される(s202)。入力座標情報受信部10は、入力部3の入力座標情報送信部9で送信された座標情報を受信する。
【0039】
入力面積算出部11は入力座標情報送信部9の入力座標を元に、入力されている面積を算出し、消去体6aは、入力面積算出部11の入力面積が閾値を超えたと判定されると(s203)、動作モード判定部12で、消去装置モードに自動設定され(s205)、動作モード判定部12で判定された動作モードに基づき、表示用メモリ領域は入力面積の映像を消去する(s207)。
【0040】
映像信号生成部14は、表示用メモリ領域から表示手段により表示された画像信号を生成し、映像信号送信部15は、映像信号生成部14で生成された映像信号を、例えばDVI方式で表示部に送信する。そして表示部1に表示されていた画像が消去される(s209)。
【実施例2】
【0041】
図8は、本発明の実施の形態を示す消去装置を備えた表示システムの消去体6bの実施例2(他の実施の形態を示す)の概略説明図である。
【0042】
表示画面1に表示された画像の消去箇所に位置させて消去箇所を特定する消去領域特定手段は、表示画面1に表示された画像の消去すべき部分を視認可能とする視認手段とともに消去装置を構成するものであり、また、視認手段は、消去すべき画像を透視し得るべく構成し、しかも、視認手段にて視認される画像の視認面積を変更する変更手段を備えてなるものである。消去体6bは、表示画面1に表示された画像の消去すべき部分を視認可能とするように構成されており、ユーザが表示画面1に表示された画像の消去すべき部分を目で直接みることができるように空洞18が形成されている。
【0043】
消去体6bの画像を視認できる部分は、空洞18になっており、実施例1や従来の消去体のように視認する部分に部材がないので、部材を介することなく、直接表示画面1に表示された画像の消去すべき部分を視認することができ、消去体6bの視認する部分に部材があるものに比べて視認する画像がぼやけることはない。なおこの場合、画像を視認する部分が空洞18であることから、部材のコストを削減することができる。
【0044】
なお、消去体6bの空洞18を形成している外周部の枠には、実施例1と同様に、フォトトランジスタのピーク感度となる赤外線領域をカットする赤外線フィルタ16(IRフィルタ)が配置されており、赤外線領域をカットする赤外線フィルタ16の機能の説明は省略する。また、消去体6bの空洞18を形成している外周部の枠は、拡大縮小及び/若しくは変形可能に形成し、自由に大きさ及び/若しくは形状を変更可能に形成してもよい。このような形成であると、表示画面1に表示されている画像をユーザが消去体6bを通して視認するときに、消去体6bで視認する画像を、広くしたり、または狭くしたり、形状を変えたりすることからができるので、ユーザが自由に消去体6bで視認できる面積及び/若しくは形状を変更することができ、従って、ユーザが自由に消去体6bで消去すべき面積及び/若しくは形状を変更することができ、消去をより確実にしかも精確に効率よく行うことができる。
【0045】
そして、図8の本発明の実施の形態を示す消去装置を備えた表示システムの消去体の実施例2の消去動作は、上記実施例1の消去体6aの消去動作と基本的に同一であるので説明は省略する。
【実施例3】
【0046】
図9は、本発明の実施の形態を示す消去装置を備えた表示システムの消去体6cの実施例3(更なる他の実施の形態を示す)の概略説明図である。
【0047】
表示画面1に表示された画像の消去箇所に位置させて消去箇所を特定する消去領域特定手段は、表示画面1に表示された画像の消去すべき部分を視認可能とする視認手段とともに消去装置4を構成するものであり、また、視認手段は、消去すべき画像を透視し得るべく構成し、しかも、視認手段にて視認される画像の視認面積を変更する変更手段を備えてなるものである。
【0048】
消去体6cは、表示画面1に表示された画像の消去すべき部分を視認可能とするように上記実施例1と同様にユーザが表示画面1に表示された画像の消去すべき部分を目でみることができるように透視可能な部材、例えばガラスやプラスチックなどの透明な部材で形成されており、また、表示画面1に表示された画像を視認する面積を変更することができるとともに消去すべき面積を変更することができるように、消去体6cを第1消去部19及び第2消去部20にて形成し、第1消去部19に第2消去部20を出入可能にして第1消去部19に第1消去部19から第2消去部20を出射方向に付勢力を付与するための伸縮可能なバネ(図示せず)が設けられている(内装されている)。そして、消去体6cの第2消去部20に圧力を加えることにより第2消去部20が第1消去部19の内部に格納され、消去体の面積が図8(a)の第2消去部20の面積S2から、図8(b)の第1消去部19と第2消去部20の両方(和)の面積S1に変化する。従って、表示画面1に表示された画像の消去すべき部分の大きさによって、消去体6cの面積を変更することができる。
【0049】
例えば、表示画面1に表示された画像の消去すべき部分が、消去体6cに圧力を加える前の面積S2よりも小さい場合は、消去体6cに圧力を加える前の面積S2で画像を十分に視認することができ、消去したくない画像を消去することなく確実に消去したい画像を視認して消去動作をすることができる。一方、表示画面1に表示された画像の消去すべき部分が、消去体6cに圧力を加える前の面積S2よりも大きい場合は、消去体6cに圧力をかけた後の面積S1で画像を視認することができるので、消去体6cに圧力をかける前よりも視認面積が広範囲になるので、圧力を加える前の面積S2に比べて、消去動作の手間が省ける。
【0050】
なお、消去体6cには、実施例1若しく実施例2と同様のフォトトランジスタのピーク感度となる赤外線領域をカットする赤外線フィルタ(フィルタ)が配置されており、赤外線領域をカットする赤外線フィルタの機能の説明は省略する。
【0051】
また、図9の本発明の実施の形態を示す消去装置を備えた表示システムの消去体の実施例3の消去動作は、上記実施例1若しくは実施例2の消去体の消去動作と基本的に同一であるので説明は省略する。
【実施例4】
【0052】
図10は、本発明の実施の形態を示す消去装置を備えた表示システムのサブ表示画面と消去体6dの画像表示部の実施例4(更なるもう一つ他の実施の形態を示す)の概略説明図である。
【0053】
表示画面1に表示された画像の消去箇所に位置させて消去箇所を特定する消去領域特定手段は、表示画面1に表示された画像の消去すべき部分を視認可能とする視認手段とともに消去装置を構成するものであり、また、視認手段は、消去すべき画像を表示する画像表示部にて表示して視認可能に構成されている。
【0054】
消去すべき画像を表示する画像表示部21を消去体6dに構成するとともに、表示装置2の表示画面1の一部に消去すべき画像を表示する画像表示部21をサブ表示画面22として表示し、消去体6dの画像表示部21及び/若しくは表示装置2の表示画面1のサブ表示画面22に表示して視認可能に構成するものである。
【0055】
ユーザは、消去体6dを表示装置2の表示画面1の消去すべき画像の位置に位置させ(もっていく)、そして、ユーザは消去すべき画像を、消去体6dの画像表示部21及び/若しくはサブ表示画面22の表示により視認することができる。表示方法として、消去体6dに備わっている撮像手段(図示せず)、例えば、CCDカメラ等の撮像装置で消去すべき画像を読み取り、前記撮像手段にて読み取られた消去すべき画像を画像表示部21に表示させる。
【0056】
そして、画像表示部21に表示された消去すべき画像をユーザは目で確認し、ユーザが消去すべき画像と判断すると、ユーザは、消去体6dにて表示画面1に表示されている消去すべき画像にタッチする。該ユーザが消去体6dを表示画面1に表示されている消去すべき画像にタッチし、表示画面1が消去体6dによりタッチ(接触)されたと判定すると、入力部3の入力座標検出部7で、タッチされた座標を検出して(s201)、検出された座標は制御装置4に送信され、消去すべき画像をサブ表示画面22に表示する。また、実施例1から3の消去体が、表示画面にタッチ(接触)することにより、入力部3の入力座標検出部7で、タッチされた座標を検出して(s201)、検出された座標は制御装置4に送信され、消去すべき画像をサブ表示画面22に表示することもできる。
【0057】
そして、制御装置4は、表示画面1、画像表示部21若しくは/及びサブ表示画面22に表示されている消去すべき画像を、周知の画像処理技術にて画像処理を行い表示画面1から消去すべき画像を消去する。
【0058】
上記の場合、表示画面1に表示された画像を消去する時、消去体6dの画像表示部21及び/若しくは表示装置2の表示画面1のサブ表示画面22に消去する画像を表示することができる。また、同時にユーザが消去体6dの画像表示部21で消去したい画像が、サブ表示画面22にも表示されるので、消去すべき画像を画像表示部21及びサブ表示画面22で確認することができ、消去すべき画像を二度確認することができるので誤消去を確実に防止することができる。
【0059】
上記実施例4においては、表示画面1に表示されている消去すべき画像にタッチすることにより消去すべき画像が消去される場合について説明したが、消去体6dに画像を消去するシステム、例えば消去モードボタン(図示せず)を構成することにより、表示画面1にタッチしなくても表示画面1に表示された画像を消去することができる。
【0060】
なお、上記実施例4においては、表示画面1に表示されている消去すべき画像にタッチする場合について説明したが、サブ表示画面22に表示されている消去すべき画像にタッチして消去することもできる。
【0061】
また、上記実施例4においては、消去すべき画像を表示する画像表示部21を消去体6d及び表示装置2の表示画面1のサブ表示画面22に表示して視認可能に構成したが、消去すべき画像を表示する画像表示部21を消去体6若しくは表示画面1のサブ表示画面22のどちらか一方に表示する構成にしてもよい。
【0062】
さらに、表示方法として、消去体6dに撮像手段を設けて消去すべき画像を読み取り、読み取られた消去すべき画像を画像表示部21に表示させる構成にしたが、消去体6dに撮像手段がなくても、消去体6dが表示画面1に接触したことにより消去体の座標位置が位置検出装置3で検出して、例えば、図示しない無線装置による画像通信等を使用して消去すべき画像を画像表示部21に送信して表示する構成にしてもよい。
【0063】
さらにまた、サブ表示画面22は、表示画面1上の所定位置に固定して構成した場合について説明したが、必要に応じて表示画面1上を移動可能に構成してもよく、例えば、ユーザが表示画面1の右側にいたら、サブ表示画面22は右側に表示され、ユーザが表示画面1の左側にいたら、サブ表示画面22は左側に表示され、ユーザの好みの場所にサブ表示画面22を移動表示する構成にしても良い。
【0064】
図11は、本発明の実施の形態を示す消去装置の消去体に取手を備えた構成を示す概略説明図である。
【0065】
上記実施例1から4に記載の消去装置の消去体において、消去体6を表示画面1上に移動させて消去すべき画像に位置させる場合は、消去体6をユーザが手で保持して移動させる必要があり、そのために消去体6の消去すべき画像を視認可能とする部分(消去体の透明な部分17、19、20、消去体の空洞18)をユーザの手で覆って(遮って)しまい、消去したい画像を確実に確認することができないという問題を惹起するが、消去体6を保持して移動可能とする取手23を備える構成にすることにより解決することができる。
【0066】
取手23は、ユーザが消去体6で視認する画像を著しく遮らない位置に設けることが好ましい。そのために、取手23を消去体6の消去すべき画像を視認可能とする部分より離隔した位置23aに移動可能に枢支(回動)ピン24、ヒンジ24等を介して装着する構成にしておく。そして、枢支(回動)ピン24、ヒンジ24等を介して取手23を消去体6に装着する構成にすることにより、消去体6の不使用時に、消去体6にある取手23がヒンジ24を軸に回転して折りたたまれると取手23は23aのように消去体6の上に置かれるようになり、不使用時の消去体6の収納をコンパクトに行うことができる。
【符号の説明】
【0067】
1 表示画面(表示部)
2 表示装置
3 入力部(位置検出装置)
4 制御装置
5 入力ペン
6 消去体(消去装置)
16 赤外線フィルタ(消去領域特定手段)
17、19、20 透視可能な部材(視認手段)
18 空洞(視認手段)
21 画像表示部(視認手段)
22 サブ表示画面
23 取手


【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示画面に表示された画像を消去する消去装置であって、
上記表示画面に表示された画像の消去すべき部分を視認可能とする視認手段と、
上記表示画面に表示された画像の消去すべき領域を特定する消去領域特定手段と、
を備えてなることを特徴とする消去装置。
【請求項2】
上記視認手段は、消去する画像を透視し得るべく構成して視認可能とすることを特徴とする請求項1記載の消去装置。
【請求項3】
上記視認手段は、消去する画像を空洞に形成して視認可能とすることを特徴とする請求項1記載の消去装置。
【請求項4】
上記視認手段は、消去する画像を表示する画像表示部にて視認可能とすることを特徴とする請求項1記載の消去装置。
【請求項5】
上記消去装置は、表示画面に表示された消去すべき画像を読み取ることができる撮像手段を有し、前記撮像手段にて読み取られた消去すべき画像を前記画像表示部及び前記表示画面のサブ表示画面の少なくとも一方に表示することを特徴とする請求項4記載の消去装置。
【請求項6】
上記視認手段にて視認される画像の視認面積を変更する変更手段を備えてなることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかひとつに記載の消去装置。
【請求項7】
上記消去装置には、消去する画像を視認可能に構成された取手を備えてなることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかひとつに記載の消去装置。
【請求項8】
画像を表示する表示画面を備えた表示装置と、
請求項1から請求項6のいずれかひとつに記載の消去措置と、
前記表示装置の表示画面上に配置した前記消去装置の位置を検出する位置検出装置と、
前記位置検出装置の入力を信号処理して前記表示画面に画像を表示若しくは表示画面に表示された画像を消去する制御装置と、
を備えていることを特徴とする表示システム。
【請求項9】
上記制御装置は、前記消去装置の座標位置が前記位置検出装置で検出して、消去すべき領域の画像を前記表示画面のサブ表示画面に表示することを特徴とする請求項8記載の表示システム。
【請求項10】
表示画面に表示された画像を消去する消去方法であって、
上記表示画面に表示された画像を消去すべき部分を視認可能とし、
前記視認可能とした画像を消去する消去方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−18603(P2012−18603A)
【公開日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−156737(P2010−156737)
【出願日】平成22年7月9日(2010.7.9)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】