説明

消火、火災予防、および可燃性動作流体の引火性の低減または排除のためのフルオロケトンの使用方法

本発明は、モノブロモペルフルオロケトン類、モノヒドロモノブロモペルフルオロケトン類、(ペルフルオロアルコキシ)モノブロモペルフルオロケトン類、(フルオロアルコキシ)モノブロモペルフルオロケトン類、およびモノクロロモノブロモペルフルオロケトン類から選択される少なくとも1種類のフルオロケトンの使用方法に関し、i)このようなフルオロケトンを火災に適用することによりその火災を消火する、ii)可燃材料の入っている、空気を含有する密閉された区域中にこのようなフルオロケトンを導入し、そのフルオロケトンをその密閉された区域中の可燃材料の燃焼を鎮圧するのに十分な量に保つことによってこの区域中の火災を防止する、およびiii)約0.1から約99重量%の間のこのようなフルオロケトンを可燃性動作流体と混合することにより可燃性動作流体の引火性を低減または排除する方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モノブロモペルフルオロケトン、モノヒドロモノブロモペルフルオロケトン、(ペルフルオロアルコキシ)モノブロモペルフルオロケトン、(フルオロアルコキシ)モノブロモペルフルオロケトン、およびモノクロロモノブロモペルフルオロケトンを用いて消火し、火災を予防し、また可燃性動作流体の引火性を減少または排除する方法に関する。
【0002】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2003年6月18日出願の米国仮特許出願第60/479,559号の優先権の利益を請求する。
【背景技術】
【0003】
消火活動については多くの薬品および方法が知られており、特定の火災に対してその規模、場所、および関係する可燃材料の種類などの要因に応じて選択することができる。ハロゲン化炭化水素消火剤が、固定された囲い(例えば、コンピュータ室、地下貯蔵室、電気通信開閉室、図書館、文書館、石油パイプラインのポンプ輸送ステーションなど)を保護するフラッディング用途に、または迅速な消火を必要とするストリーミング用途(例えば、軍用機、市販の小型消火器)に伝統的に使用されてきた。このような消火剤は、効果的であるだけでなく、水とは違って「きれいな消火剤」として働き、たとえあるとしても囲いまたはその中身に対する損傷をほとんど引き起こさない。
【0004】
大部分の一般に使用されるハロゲン化炭化水素消火剤は、臭素含有化合物のブロモトリフルオロメタン(CFBr、ハロン(Halon)(商標)1301)およびブロモクロロジフルオロメタン(CFClBr、ハロン(商標)1211)であった。これらの臭素含有炭化水素は消火にはきわめて効果的であり、持ち運びできるストリーミング設備から、あるいは手動でまたは何らかの火災検知方法のいずれかによって作動する自動式室内フラッディングシステムから送り出すことができる。しかしながらこれらの化合物は、オゾン層破壊につながっていた。モントリオール議定書およびその付帯修正案は、ハロン(商標)1211および1301の生産を中止することを義務づけた。
【0005】
したがってこの分野では、一般に使用される臭素含有消火剤の代用品または代替品の使用方法に対する必要性が存在する。そのような方法に使用されるこのような代用品は、低いオゾン層破壊の可能性を有するべきであり、火災、例えばクラスA(ごみ、木材、または紙)、クラスB(可燃性液体または油脂)、および/またはクラスC(電気設備)の火災を消火し、抑制し、また予防する能力を有するべきであり、また「きれいな消火剤」、すなわち電気的に非導電性、非揮発性、または非ガス状であり、かつ使用時に残留物を何も残さないものであるべきである。好ましくはそのような方法で使用されるこのような代用品はまた、低毒性であり、空気中で可燃性混合物を形成せず、消火用途に用いるための許容しうる熱的および化学的安定性を有し、かつ大気中の寿命が短く、地球温暖化の可能性が低いはずである。
【0006】
消火剤として用いるために様々な異なるフッ化炭化水素が提案されている。例えば、タプスコット(Tapscott)は米国特許公報(特許文献1)で、冷媒、発泡剤、溶剤、エーロゾル噴射剤、および滅菌剤の引火性を低減させる対流圏分解性の臭素含有炭化水素添加剤を開示している。リバース(Rivers)らは、米国特許公報(特許文献2)中で消火剤にペルフルオロケトンの使用について開示している。
【0007】
【特許文献1】米国特許第6,300,378号明細書
【特許文献2】米国特許第6,478,979号明細書
【特許文献3】米国特許第3,185,734号明細書
【特許文献4】米国特許第5,557,010号明細書
【非特許文献1】コレンコ(Kolenko)およびプラシュキン(Plashukin)、Izvestiya Akademii Nauk SSSR,Seriya Khimicheskaya,1648〜1650ページ(1977)
【非特許文献2】ザペヴァロフ(Zapevalov)ら、Zhurnal Organicheskoi Khimii,Vol.26,265〜272ページ(1990)
【非特許文献3】ザペロフ(Zapelov)ら、Zhurnal Vsesoyuznogo Khimicheskogo Obshchestva im.D.I.Mendeleeva,Vol.18,591〜593ページ(1973)
【非特許文献4】サロウチナ(Saloutina)、Zhurnal Organicheskoi Khimii,Vol.29,1325〜1336ページ(1993)
【非特許文献5】サロウチナ(Saloutina)ら、Izvestiya Akademii Nauk SSSR,Seriya Khimicheskaya,1893〜1896ページ(1982)
【非特許文献6】コレンコ(Kolenko)、Izvestiya Akademii Nauk SSSR,Seriya Khimicheskaya,2509〜2512ページ(1979)
【非特許文献7】ファウセット(Faucett)ら、Journal of the American Chemical Society,Vol.84,4285〜4288ページ(1962)
【非特許文献8】R・ヒルスト(R.Hirst)およびK・ブース(K.Booth)、「Measurement of Flame−Extinguishing Concentrations」、Fire Technology,vol.13(4):296〜315(1977)
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0008】
一般に使用される臭素含有消火剤の代用品または代替品を使用する方法に関する上記目的は、モノブロモペルフルオロケトン、モノヒドロモノブロモペルフルオロケトン、(ペルフルオロアルコキシ)モノブロモペルフルオロケトン、(フルオロアルコキシ)モノブロモペルフルオロケトン、およびモノクロロモノブロモペルフルオロケトンを用いて消火し、火災を予防し、また可燃性動作流体の引火性を減少または排除する方法を含む本発明により満たされる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
用語「フルオロケトン」は、本明細書中の箇所では本発明の方法で使用することができるモノブロモペルフルオロケトン、(ペルフルオロアルコキシ)モノブロモペルフルオロケトン、(フルオロアルコキシ)モノブロモペルフルオロケトン、モノヒドロモノブロモペルフルオロケトン、およびモノクロロモノブロモペルフルオロケトンの類を集合名詞的に指すことにする。
【0010】
本発明のフルオロケトンは、単独で、互いに組み合わせて、またはヒドロフルオロカーボン、ヒドロクロロフルオロカーボン、ペルフルオロカーボン、ペルフルオロケトン、ペルフルオロポリエーテル、ヒドロフルオロポリエーテル、ヒドロフルオロエーテル、クロロフルオロカーボン、ブロモフルオロカーボン、ブロモクロロフルオロカーボン、ヒドロブロモカーボン、ヨードフルオロカーボン、およびヒドロブロモフルオロカーボンの類の周知の消火剤から選択される共同消火剤または補助噴射剤と組み合わせて使用することができる。このような補助剤は、消火能力を高めるために、または個々のタイプ(または規模または立地)の火災事故用の消火組成物の物理的性質を改変する(例えば噴射剤として働くことにより投入速度を改変する)ように選択することができ、また好ましくはその得られた組成物が空気中で可燃性混合物を形成しないような割合(フルオロケトンに対する補助剤の)で使用することができる。このような消火性混合物は、少なくとも1種類のフルオロケトンを約10〜90重量%および少なくとも1種類の補助剤を約90〜10重量%含有することができる。
【0011】
本発明のフルオロケトンは、噴射剤(例えば、密封容器から液状フルオロケトンを噴出させるための)がほどほどに可燃性であるか、または可燃性である場合、さらにその噴射剤と組み合わせて使用することができる。ただし、得られるフルオロケトンとそのような噴射剤とを含む組成物が非可燃性である。
【0012】
本発明のフルオロケトンと、ペルフルオロケトンおよびヒドロフルオロカーボンからなる群から選択される1種または複数種の化合物とを含有する共沸および共沸状の混合物は特定の効用がある。このような混合物は、その混合物のどちらかの構成成分よりも低い沸点を有する消火組成物を提供し、また吐出の間ずっと成分が一定比率の混合物を提供することができる。
【0013】
本発明のフルオロケトンは、周囲条件下で固体、液体、または気体であることができるが、火災予防および消火の本発明の方法の場合、好ましくは液状またはガス状のいずれか(またはその両方)で用いられる。したがって普通は固体のこれら化合物は、融解、昇華、または液状補助剤中への溶解により液体および/または気体に変換した後に使用することが好ましい。このような変換は、その化合物を火災の熱に曝すときに起きてもよい。
【0014】
本発明には、火災の消火方法であって、前記火災を消火するのに十分な量のモノブロモペルフルオロケトン、モノヒドロモノブロモペルフルオロケトン、(ペルフルオロアルコキシ)モノブロモペルフルオロケトン、(フルオロアルコキシ)モノブロモペルフルオロケトン、およびモノクロロモノブロモペルフルオロケトンからなる群から選択される少なくとも1種類の化合物を含む組成物を上記火災に適用することを含む、上記火災の消火方法が含まれる。
【0015】
本発明の消火方法は、火災を取り巻く密閉された区域中にこの組成物を導入することにより行うことができる。適切な量の組成物がその密閉された区域中に適切な間隔で計量しながら供給されるという条件で、周知の導入方法のいずれも用いることができる。例えば、ストリーミング、例えば通常の持ち運びできる(または固定の)消火設備を用いたストリーミングにより、噴霧により、またはフラッディング、例えば火災を取り巻く密閉された区域中にその組成物を放出(適切な管、弁、および制御装置を用いて)することにより導入することができる。この組成物は、任意選択で不活性な噴射剤、例えば窒素、アルゴン、グリシジルアジドポリマーの分解生成物、または二酸化炭素と組み合わせて、使用するストリーミングまたはフラッディング用設備からの組成物の吐出し量を増すことができる。この組成物が、ストリーミングすなわち局所的適用により導入されることになる場合、約40℃から約130℃の範囲の標準沸点を有するフルオロケトン(特に周囲条件下で液状のフルオロケトン)を用いることが好ましい。この組成物が噴霧により導入されることになる場合、約40℃から約110℃の範囲の標準沸点を有するフルオロケトンが一般に好ましい。また、この組成物がフラッディングさせることにより導入されることになる場合、約40℃から約80℃の範囲の標準沸点を有するフルオロケトンが一般に好ましい。
【0016】
好ましくは本発明の消火プロセスは、フルオロケトンを火災または火炎を消火するのに十分な量でその火災または火炎に導入することを伴う。当業者ならば、ある特定の火災を消火するのに必要なフルオロケトンの量がその事故の性質および程度によることを認めるはずである。このフルオロケトンがフラッディングによって導入されることになる場合、カップバーナ試験のデータが、特定のタイプおよび規模の火災を消火するために必要なフルオロケトンの量または濃度を決めるのに役立つ。火災の消火に用いられるフルオロケトンの量は一般に、平均として得られる濃度がフルオロケトンの気体体積で約1%と約10%の間である。
【0017】
本発明の方法にはさらに、可燃材料の入った、空気を含有する密閉された区域中にモノブロモペルフルオロケトン、モノヒドロモノブロモペルフルオロケトン、(ペルフルオロアルコキシ)モノブロモペルフルオロケトン、(フルオロアルコキシ)モノブロモペルフルオロケトン、およびモノクロロモノブロモペルフルオロケトンからなる群から選択される少なくとも1種類の化合物を含む組成物を導入する工程と、その密閉された区域中の可燃材料の燃焼を鎮圧するのに十分な量に上記組成物を保つ工程とを含む、上記区域中の火災の防止が含まれる。
【0018】
したがって本発明にはさらに、可燃材料が発火しないようにするためのフルオロケトンの使用方法が含まれる。フルオロケトンを用いた本発明の方法は、自続型または非自続型可燃材料の入っている、空気を含有する密閉された区域中の火災または爆燃を防止することができる。この方法は、空気を含有する密閉された区域中に、少なくとも1種類の本発明のフルオロケトンを含む本質的にガス状の非引火性の火災防止組成物を導入する工程を含み、この組成物はその密閉された区域中の可燃材料の燃焼を防止するのに十分な量が導入されかつ維持される。
【0019】
火災予防の場合、フルオロケトン(および使用される任意の補助剤)は、使用条件下で本質的にガス状である組成物をもたらすように選択することができる。本発明用の好ましいフルオロケトンは、約40℃から約130℃の範囲の標準沸点を有する。このフルオロケトン組成物は、その密閉された区域中の可燃材料の燃焼を防止するのに十分な量が導入されかつ維持される。この量は、その密閉された区域中に存在するその個々の可燃性材料のその可燃性によって変わる。可燃性は、化学組成に応じて、また体積、気孔率等に比例する表面積などの物理的性質に応じて変わる。本発明のフルオロケトンを用いて空気の燃焼持続性を排除し、それによって可燃性材料(例えば、紙、布、木材、可燃性液体、およびプラスチック製品)の燃焼を防止することができる。本発明のフルオロケトンは、火災の脅威が常に存在する場合は連続的に保つことができ、また火災または爆燃の脅威が生ずる場合は緊急措置として雰囲気中に導入することもできる。
【0020】
本発明にはさらに、a)モノブロモペルフルオロケトン、モノヒドロモノブロモペルフルオロケトン、(ペルフルオロアルコキシ)モノブロモペルフルオロケトン、(フルオロアルコキシ)モノブロモペルフルオロケトン、およびモノクロロモノブロモペルフルオロケトンからなる群から選択される少なくとも1種類の化合物を含む添加剤を提供する工程、およびb)約0.1から約99重量%の間の前記添加剤を可燃性動作流体と混合する工程を含む、前記可燃性動作流体の引火性を低減または排除する方法が含まれる。
【0021】
これら可燃性動作流体は、冷媒(例えば、プロパン、プロピレン、ジフルオロメタン(HFC−32)、1,1−ジフルオロエタン(HFC−152a)、1,1,1−トリフルオロエタン(HFC−143a))、発泡剤(例えば、シクロペンタン、n−ペンタン、イソ−ペンタン、n−ブタン、イソ−ブタン、ジメチルエーテル、1,1−ジフルオロエタン(HFC−152a)、1,1−ジクロロ−1−フルオロエタン(HCFC−141b))、溶剤(例えば、モノクロロトルエン、ベンゾトリフルオリド、揮発性メチルシロキサン、テルペン、アルコール、石油留出物、炭化水素、エーテル、エステル、ケトン)、エーロゾル噴射剤(例えば、ジメチルエーテル、1,1−ジフルオロエタン(HFC−152a))、および/または滅菌剤(例えば炭化水素のエポキシド(エチレンオキシド))を含むことができる。
【0022】
本発明のこの更なる方法は、普通は引火性の動作流体の引火性を低減または排除するために添加剤として前述のフルオロケトンを使用する。これら前述のフルオロケトンは、高い効率で引火性を低減させる特性を有するが、大気中の寿命が短く(数日または数週間程度)、その結果オゾン層破壊の可能性が低く、かつ地球温暖化の可能性が低い。
【0023】
必要なフルオロケトンの量は、その用途、その引火性を低減しなければならない材料、およびその特定のフルオロケトンに左右されるはずである。その混合物中のフルオロケトンの濃度は0.1〜99重量%の範囲にあることができるが、これらフルオロケトンは1〜80重量%の範囲の濃度で最も有効であるはずである。適切な比率には、冷媒混合物の場合はフルオロケトン5〜40重量%、発泡剤混合物の場合はフルオロケトン5〜50重量%、溶剤混合物の場合はフルオロケトン1〜99重量%、エーロゾル噴射剤の場合はフルオロケトン5〜25重量%、また滅菌剤の場合はフルオロケトン5〜40重量%が挙げられる。
【0024】
冷媒、発泡剤、溶剤、エーロゾル噴射剤、および/または滅菌剤は、気体(蒸気)または液体のいずれでもよい。多くの場合、これら材料は或る形態で貯蔵され、別の形態で使用される。例えば、発泡剤は液体として貯蔵し、その発泡剤を実際に発泡させる時は気体として使用することもできる。ある場合には、使用中ずっとガス状と液状の両方の形態が存在する。したがって冷媒は、大部分の冷凍機または熱ポンプの作動の間、蒸気と液体の両方の形態で存在する。気相では、この引火性を低下させるフルオロケトンを含有する普通は引火性の冷媒、発泡剤、溶剤、エーロゾル噴射剤、および/または滅菌剤は、このフルオロケトンが存在するせいで低い引火性を有することになる。これら冷媒、発泡剤、溶剤、エーロゾル噴射剤、および/または滅菌剤が液体の状態で存在する場合、このフルオロケトンの働きは特に重要である。本発明のフルオロケトンは揮発性である。もっとも或るフルオロケトンはより揮発性であり、或るフルオロケトンはさほど揮発性でない。したがってこれらフルオロケトンを含有する普通は引火性の冷媒、発泡剤、溶剤、エーロゾル噴射剤、および滅菌剤は、一部または完全に蒸発した時、同様に蒸発するこれら引火性を低下させるフルオロケトンが存在するせいで引火性の低い蒸気を生ずることになる。冷媒、発泡剤、溶剤、エーロゾル噴射剤、および冷媒が蒸発するか、または或る区域に放出される場合、これらフルオロケトンの放出は、液体/蒸気界面の上方の蒸気(すなわち燃えやすい液体)の引火性の低下、および室などの或る容積中に放出された場合、その蒸気の爆発性の低下を助けることになる。
【0025】
モノブロモペルフルオロケトンは、1個の臭素置換基を含有する過フッ化ケトンを含み、一般に式RC(O)R(式中、RはC〜Cのペルフルオロアルキル基であり、RはC〜Cのモノブロモペルフルオロアルキル基である)で表すことができる。モノブロモペルフルオロケトンには、周知のモノブロモペルフルオロケトン、例えばCBrFC(O)CF、CBrFC(O)CFCF、CFC(O)CBrFCF、CFC(O)CFCBrF、CBrFC(O)CFCFCF、CFC(O)CBrFCF(CF、CBrFC(O)CF(CF)CFCF、CBrFCFC(O)CF(CF、CFCBrFC(O)CF(CF、CFCFC(O)CBr(CF、およびCFCFC(O)CF(CBrF)(CF)がある。
【0026】
本発明の方法に有用な新規のモノブロモペルフルオロケトンCFC(O)CFCFCBrF、CFCFC(O)CFCFCBrF、およびCFC(O)CFCFCFCFCBrFは、(非特許文献1)中の方法により、また(非特許文献2)中の方法により対応するモノヒドロペルフルオロケトンの臭素化によって調製することができる。CFC(O)CFCFCBrFは、モノヒドロペルフルオロケトンCFC(O)CFCFCHFの臭素化によって調製することができ、このモノヒドロペルフルオロケトンCFC(O)CFCFCHFは(非特許文献3)中で述べているようにエポキシドの異性化により調製することができる。CFCFC(O)CFCFCBrFおよびCFC(O)CFCFCFCFCBrFは、(非特許文献4)中の方法により、それぞれモノヒドロペルフルオロケトンCFCFC(O)CFCFCHFおよびCFC(O)CFCFCFCFCHFの臭素化によって調製することができる。
【0027】
本発明の方法に有用な新規のモノブロモペルフルオロケトンCFC(O)CFCFCBrF、CFCFC(O)CFCFCBrF、およびCFC(O)CFCFCFCFCBrFの調製は、元素状態の臭素、五臭化リン、または臭素と三臭化リンの混合物などの臭素化剤を用いて行うことができるモノヒドロペルフルオロケトン末端C−H結合の末端C−Br結合への転化により行うことができる。好ましい臭素化剤は、臭素と三臭化リンの混合物である。
【0028】
モノヒドロペルフルオロケトンと臭素化剤の反応は、約300℃から600℃の温度で臭素と臭化水素を接触させるのに適した構造の材料から作製された容器中で蒸気相または液相中で実質的に無水状態下で行うことができる。このような構造の材料の例には、例えばハステロイ(Hastelloy)(商標)Cおよびハステロイ(商標)Bなどのニッケルを含有する金属合金がある。この反応は、その反応温度における反応物の自然圧下で行われる。
【0029】
この臭素化剤対モノヒドロペルフルオロケトンの比は、モノヒドロペルフルオロケトン1モル当たり臭素化剤少なくとも約1モル、好ましくはモノヒドロペルフルオロケトン1モル当たり臭素化剤約1.3モルである。モノヒドロペルフルオロケトン1モル当たり臭素化剤が1.7モルを超えるとほとんど利益は得られない。
【0030】
このモノヒドロペルフルオロケトンの臭素化は、約300℃から約600℃の温度で行うことができる。好ましい臭素化剤を用いて、好ましくは約300℃から350℃の温度で行われる。この臭素化剤とモノヒドロペルフルオロケトンの接触時間は、約1時間から約20時間であることができる。
【0031】
この接触期間の終りに反応混合物を冷却し、次いで試薬で処理して、亜硫酸ナトリウムなどの臭素化剤を分解する。このモノブロモペルフルオロケトンは、有機相を回収し、続いて蒸留することにより単離することができる。
【0032】
本発明の方法に有用なこの新規のモノブロモペルフルオロケトンCFCFC(O)CBrFCFCF、CFCFCBrFC(O)CF(CF、(CFCBrC(O)CF(CF、CFCFC(O)CBr(CF)CFCF、およびCFCBrFC(O)CF(CF)CFCF、ならびにモノブロモペルフルオロケトンCFC(O)CBrFCFCFとCFCBrFC(O)CFCF、またはCFC(O)CBrFCFCFCFCFとCFCBrFC(O)CFCFCFCF、またはCFCFC(O)CBrFCFCFCFとCFCFCBrFC(O)CFCFCFの混合物は、ペルフルオロ−2−ペンテン、ペルフルオロ−2−ヘプテン、またはペルフルオロ−3−ヘプテンのエポキシドなどのペルフルオロオレフィンエポキシドを、(非特許文献5)中で述べているようにアルカリ金属臭化物と反応させることによって調製することができる。このペルフルオロオレフィンエポキシドは、(非特許文献6)中で述べているようにペルフルオロオレフィンを次亜ハロゲン酸アルカリ金属塩と反応させることにより調製することができる。
【0033】
ペルフルオロオレフィンエポキシドとアルカリ金属臭化物の反応は、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、およびテトラエチレングリコールジメチルエーテルなどのグリコールエーテル類、またはN,N−ジメチルホルムアミド、またはN,N−ジメチルアセトアミド、またはジメチルスルホラン、またはジメチルスルホキシド、またはN−メチルピロリジノン、またはアセトニトリル、プロピオニトリル、およびブチロニトリルなどのアルカンニトリル類などの極性の非プロトン性溶媒中で行うことができる。ペルフルオロオレフィンエポキシドをアルカリ金属臭化物と接触させるための好ましい溶媒は、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテルなどのグリコールエーテル類、およびアセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリルなどのアルカンニトリル類である。
【0034】
ペルフルオロオレフィンエポキシド環の開環およびC−Br結合の形成に適したアルカリ金属臭化物には、臭化リチウム、臭化ナトリウム、臭化カリウム、および臭化セシウムが挙げられ、臭化ナトリウムおよび臭化リチウムが好ましい。
【0035】
アルカリ金属臭化物対ペルフルオロオレフィンエポキシドのモル比は、少なくとも約2:1、好ましくは約10:1である。
【0036】
アルカリ金属臭化物とペルフルオロオレフィンエポキシドの反応は、約10℃から約150℃の温度において約0.5時間から約36時間の接触時間により実質的に無水状態下で液相中で行うことができる。反応の起こる圧力は重要ではない。
【0037】
この接触期間の終りに反応混合物を蒸留してこのモノブロモペルフルオロケトンを単離することができる。
【0038】
本発明の方法に有用な新規なモノブロモペルフルオロケトンCBrFC(O)CF(CF、CBrFCFC(O)CFCF、CFCFC(O)CFCFCFCBrF、CBrFCFCFC(O)CF(CF、CBrFCFC(O)CF(CF)CFCF、およびCFCBrFCFC(O)CF(CFは、モノブロモペルフルオロアシルフルオリドをペルフルオロオレフィンと反応させることにより調製することができる。
【0039】
CBrFC(O)CF(CFはCBrFC(O)FをCFCF=CFと反応させることにより調製することができ、CBrFCFC(O)CFCFはCBrFCFC(O)FをCF=CFと反応させることにより調製することができ、CFCFC(O)CFCFCFCBrFはCBrFCFCFCFC(O)FをCF=CFと反応させることにより調製することができ、CBrFCFCFC(O)CF(CFはCBrFCFCFC(O)FをCFCF=CFと反応させることにより調製することができ、CBrFCFC(O)CF(CF)CFCFはCBrFCFC(O)FをCFCF=CFCFと反応させることにより調製することができ、またCFCBrFCFC(O)CF(CFはCFCBrFCFC(O)FをCFCF=CFと反応させることにより調製することができる。
【0040】
本発明の方法に有用なモノブロモペルフルオロケトンCFC(O)CBr(CF、CFCBrFC(O)CFCFCF、CFC(O)CBr(CF)CFCF、CFC(O)CF(CF)CBrFCF、CFCFCFC(O)CBr(CFは、ペルフルオロアシルフルオリドをモノブロモペルフルオロオレフィンと反応させることにより調製することができる。
【0041】
CFC(O)CBr(CFはCFC(O)FをCFCBr=CFと反応させることにより調製することができ、CFCBrFC(O)CFCFCFはCBrF=CFをCFCFCFC(O)Fと反応させることにより調製することができ、CFC(O)CBr(CF)CFCFとCFC(O)CF(CF)CBrFCFの混合物はCFCBr=CFCFをCFC(O)Fと反応させることにより調製することができ、またCFCFCFC(O)CBr(CFはCFCFCFC(O)FをCFCBr=CFと反応させることにより調製することができる。
【0042】
本発明のプロセスに有用な(ペルフルオロアルコキシ)モノブロモペルフルオロケトンは、式RC(O)CF(CF)OR(式中、RはC〜Cのモノブロモペルフルオロアルキル基であり、RはC〜Cのペルフルオロアルキル基である)のものであり、式RC(O)Fのモノブロモペルフルオロアシルフルオリドを式CF=CFORのペルフルオロビニルエーテルと反応させることにより得ることができる。本発明のプロセスに有用な代表的な新規な(ペルフルオロアルコキシ)モノブロモペルフルオロケトンには、CBrFC(O)CF(CF)OCF、CBrFCFC(O)CF(CF)OCF、CBrFCFCFC(O)CF(CF)OCF、CBrFC(O)CF(CF)OC、CBrFCFC(O)CF(CF)OC、CBrFC(O)CF(CF)OCF、CBrFCFC(O)CF(CF)OCF、CBrFC(O)CF(CF)OCF(CF、CBrFCFC(O)CF(CF)OCF(CF、CFCBrFC(O)CF(CF)OCF(CF、CFCBrFC(O)CF(CF)OCF、およびCFCBrFC(O)CF(CF)OCが挙げられる。
【0043】
CBrFC(O)CF(CF)OCFはCBrFC(O)FをCF=CFOCFと反応させることにより調製することができ、CBrFCFC(O)CF(CF)OCFはCBrFCFC(O)FをCF=CFOCFと反応させることにより調製することができ、CBrFCFCFC(O)CF(CF)OCFはCBrFCFCFC(O)FをCF=CFOCFと反応させることにより調製することができ、CBrFC(O)CF(CF)OCはCBrFC(O)FをCF=CFOCと反応させることにより調製することができ、CBrFCFC(O)CF(CF)OCはCBrFCFC(O)FをCF=CFOCと反応させることにより調製することができ、CBrFC(O)CF(CF)OCFはCBrFC(O)FをCF=CFOCFと反応させることにより調製することができ、CBrFCFC(O)CF(CF)OCFはCBrFCFC(O)FをCF=CFOCFと反応させることにより調製することができ、CBrFC(O)CF(CF)OCF(CFはCBrFC(O)FをCF=CFOCF(CFと反応させることにより調製することができ、CBrFCFC(O)CF(CF)OCF(CFはCBrFCFC(O)FをCF=CFOCF(CFと反応させることにより調製することができ、CFCBrFC(O)CF(CF)OCFはCFCBrFC(O)FをCF=CFOCFと反応させることにより調製することができ、またCFCBrFC(O)CF(CF)OCはCFCBrFC(O)FをCF=CFOCと反応させることにより調製することができる。
【0044】
式RC(O)CF(CF)ORの(ペルフルオロアルコキシ)モノブロモペルフルオロケトンはまた、式ROCF(CF)C(O)Fのペルフルオロアルコキシペルフルオロアシルフルオリドをモノブロモペルフルオロオレフィンと反応させることにより得ることができる。本発明のプロセスに有用な代表的な新規な(ペルフルオロアルコキシ)モノブロモペルフルオロケトンには、CFCBrFC(O)CF(CF)OCF、(CFCBrC(O)CF(CF)OCF、CFCBrFC(O)CF(CF)OC、(CFCBrC(O)CF(CF)OC、CFCBrFC(O)CF(CF)OCF、およびCFCBrFC(O)CF(CF)OCF(CFが挙げられる。
【0045】
CFCBrFC(O)CF(CF)OCFはCFOC(CF)FC(O)FをCF=CBrFと反応させることにより調製することができ、(CFCBrC(O)CF(CF)OCFはCFOC(CF)FC(O)FをCFCBr=CFと反応させることにより調製することができ、CFCBrFC(O)CF(CF)OCはCOC(CF)FC(O)FをCF=CBrFと反応させることにより調製することができ、(CFCBrC(O)CF(CF)OCはCOC(CF)FC(O)FをCFCBr=CFと反応させることにより調製することができ、CFCBrFC(O)CF(CF)OCFはCCFOC(CF)FC(O)FをCF=CBrFと反応させることにより調製することができ、またCFCBrFC(O)CF(CF)OCF(CFは(CFCFOC(CF)FC(O)FをCF=CBrFと反応させることにより調製することができる。
【0046】
本発明のプロセスに有用な(フルオロアルコキシ)モノブロモペルフルオロケトンは、式RC(O)CX(CF)OR(式中、XはHまたはFであり、RはC、C、またはCブロモペルフルオロアルキル基であり、RはC〜Cのアルキルまたはフルオロアルキル基である)のものであり、式RC(O)Fのモノブロモペルフルオロアシルフルオリドを式CF=CXORのヒドロフルオロビニルエーテルと反応させることにより調製することができる。代表的な新規な(フルオロアルコキシ)モノブロモペルフルオロケトンには、CBrFC(O)CF(OCFCHF)CF、CBrFC(O)CH(OCFCHF)CF、CBrFC(O)CF(OCH)CF、およびCBrFC(O)CF(CFOCH)CFが挙げられる。
【0047】
CBrFC(O)CF(OCFCHF)CFはCBrFC(O)FをCF=CFOCFCHFと反応させることにより調製することができ、CBrFC(O)CH(OCFCHF)CFはCBrFC(O)FをCF=CHOCFCHFと反応させることにより調製することができ、またCBrFC(O)CF(OCH)CFはCBrFC(O)FをCF=CFOCHと反応させることにより調製することができる。
【0048】
本発明のプロセスに有用な別の(フルオロアルコキシ)モノブロモペルフルオロケトンには、CBrFC(O)FをCFCF=CFOCHと反応させることにより調製されるCBrFC(O)CF(CFOCH)CFがある。
【0049】
フルオロアシルフルオリドとフルオロオレフィンの反応は、ファウセット(Fawcett)らが米国特許公報(特許文献3)および(非特許文献7)中で述べている。これら参考文献の方法は、モノブロモペルフルオロアシルフルオリドとペルフルオロオレフィンの反応による前述のモノブロモペルフルオロケトンの調製、およびペルフルオロアシルフルオリドとモノブロモペルフルオロオレフィンの反応による前述のモノブロモペルフルオロケトンの調製に応用することができる。これら参考文献の方法はまた、モノブロモペルフルオロアシルフルオリドとペルフルオロビニルエーテルの反応による、またはペルフルオロアルコキシペルフルオロアシルフルオリドとモノブロモオレフィンの反応による(ペルフルオロアルコキシ)モノブロモペルフルオロケトンの調製にも応用することができる。これら参考文献の方法はまた、モノブロモペルフルオロアシルフルオリドとヒドロフルオロビニルエーテルの反応による(フルオロアルコキシ)モノブロモペルフルオロケトンの調製にも応用することができる。
【0050】
本発明のケトンの調製にとって不可欠ではないが、フルオロアシルフルオリド(ペルフルオロアシルフルオリドまたはモノブロモペルフルオロアシルフルオリドなど)とフルオロオレフィン(ペルフルオロオレフィン、モノブロモペルフルオロオレフィン、ペルフルオロビニルエーテル、またはヒドロフルオロビニルエーテルなど)の反応は、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホラン、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリジノン、およびエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテルなどのグリコールエーテル類などの極性の非プロトン性溶媒中で行うことができる。フルオロアシルフルオリドとフルオロオレフィンの反応用の好ましい溶媒はグリコールエーテル類である。この反応は実質的な無水状態下で行うことができる。
【0051】
反応中のフルオロオレフィン対フルオロアシルフルオリドのモル比は、少なくとも約1:1から約2:1であることができ、好ましくは約1:1である。フルオロアシルフルオリド1モル当たりフルオロオレフィンが約2モルを超えるとほとんど利益は得られない。
【0052】
好ましくはフルオロアシルフルオリドとフルオロオレフィンの反応は、アルカリ金属フッ化物、アルカリ金属の二フッ化水素塩(すなわち重フッ化物)、アルカリ土類金属フッ化物、フッ化テトラアルキルアンモニウム、フッ化水素テトラアルキルアンモニウム、フッ化トリアルキルアンモニウム、または非酸化性の遷移金属フッ化物などのフッ化物イオン供給源の存在下で行う。好ましいフッ化物イオン供給源は、フッ化カリウム、フッ化セシウム、およびフッ化水素カリウムである。このフッ化物イオン供給源は、存在するフルオロオレフィンの量を基準にして5モル%から20モル%程度の量、好ましくは約10モル%存在することができる。
【0053】
約50℃から約250℃、好ましくは約100℃から約150℃の温度が、フルオロアシルフルオリドとフルオロオレフィンの反応により本発明のフッ化ケトンのいずれかを生成するのに効果的である。
【0054】
フルオロアシルフルオリドとフルオロオレフィンのこの反応は、バッチ方式または半バッチ方式でフルオロオレフィン、溶媒、およびフッ化物イオン供給源の混合物にフルオロアシルフルオリドを徐々に加えながら行うことができる。この反応に適した接触時間は、約0.5時間から約24時間であることができる。この反応は、一般にはその反応温度において反応物によりもたらされる自然圧下で行われる。
【0055】
故意にこの反応に加えるわけではないが、微量の水の存在のせいでフルオロアシルフルオリドの反応中、少量のフッ化水素が存在することがある。フルオロアシルフルオリドとフルオロオレフィンの反応は、高温高圧でフッ化水素と化学反応を起こさない材料から形成される容器中で行うことができる。このような材料の例には、ステンレス鋼、具体的にはオーステナイトタイプのステンレス鋼、モネル(Monel)(商標)ニッケル−銅合金、ハステロイ(商標)ニッケル系合金、およびインコネル(Inconel)(商標)ニッケル−クロム合金などのよく知られている高ニッケル合金、ならびに銅クラッド鋼が挙げられる。
【0056】
これらフルオロケトン生成物は、下方の液層として、または蒸留により反応混合物から単離することができる。水で洗浄して微量のフッ化塩を除去した後、このような生成物を蒸留により精製することができる。
【0057】
本発明の方法にはさらに、ペルフルオロケトン中のC−F結合の1つをC−Br結合で置き換え、さらに加えて上記ペルフルオロケトン中の別のC−F結合をC−H結合で置き換えたモノヒドロモノブロモペルフルオロケトンの使用が含まれる。本発明のプロセスに有用な新規なモノヒドロモノブロモペルフルオロケトンは、CHFCFC(O)CBrFCF、(CFCHC(O)CBrFCF、CHFCFC(O)CBr(CF、(CFCHC(O)CBr(CF、(CFCHC(O)CBrF、およびCBrFCFC(O)CH(CFを含む。
【0058】
CHFCFC(O)CBrFCFはCHFCFC(O)FをCBrF=CFと反応させることにより調製することができ、(CFCHC(O)CBrFCFは(CFCHC(O)FをCBrF=CFと反応させることにより調製することができ、CHFCFC(O)CBr(CFはCHFCFC(O)FをCFCBr=CFと反応させることにより調製することができ、(CFCHC(O)CBr(CFは(CFCHC(O)FをCFCBr=CFと反応させることにより調製することができ、またCBrFCFC(O)CH(CFはCBrFCFC(O)FをCFCH=CFと反応させることにより調製することができる。このモノヒドロモノブロモペルフルオロケトン(CFCHC(O)CBrFは、ブロモフルオロアシルフルオリドCBrFC(O)FとモノヒドロペルフルオロオレフィンCFCH=CFの反応により調製することができる。
【0059】
モノヒドロペルフルオロアシルフルオリドとモノブロモペルフルオロオレフィンの反応による、およびモノブロモペルフルオロアシルフルオリドとモノヒドロペルフルオロオレフィンの反応によるこのモノヒドロモノブロモペルフルオロケトンの生成は、フルオロアシルフルオリドとフルオロオレフィンの反応について上記本明細書中で考察したものと類似の反応条件および手順を用いることができる。
【0060】
本発明の方法にはさらに、ペルフルオロケトン中のC−F結合の1つをC−Br結合で置き換え、さらに加えて上記ペルフルオロケトン中の別のC−F結合をC−Cl結合で置き換えたモノクロロモノブロモペルフルオロケトンの使用が含まれる。本発明のプロセスに有用な新規なモノクロロモノブロモペルフルオロケトンは、式CXFCFYC(O)CFRCF(式中、XがClかつYがBrであるか、またはXがBrかつYがClであり、RはF、CF基、またはC基である)の化合物を含む。これらの化合物は、ダースト(Darst)らが米国特許公報(特許文献4)中で開示しているやり方で調製される式CXFCFYC(O)Fの酸フッ化物を、式CFR=CFRのペルフルオロオレフィンと接触させることにより調製することができる。
【0061】
代表的なモノクロロモノブロモペルフルオロケトンには、CClFCFBrC(O)FをCF=CFと反応させることにより調製されるCClFCFBrC(O)CFCF、CBrFCClFC(O)FをCF=CFと反応させることにより調製されるCBrFCClFC(O)CFCF、CClFCFBrC(O)FをCF=CFCFと反応させることにより調製されるCClFCFBrC(O)CF(CF、およびCBrFCClFC(O)FをCF=CFCFと反応させることにより調製されるCBrFCClFC(O)CF(CFが挙げられる。
【0062】
本発明の方法に有用なモノクロロモノブロモペルフルオロケトンはさらに、モノクロロペルフルオロアシルフルオリドをモノブロモペルフルオロオレフィンと反応させることにより調製することができるCClFC(O)CBr(CF、CClFCFC(O)CBr(CF、CFCClFC(O)CBr(CF、CClFC(O)CBrFCF、CClFCFC(O)CBrFCF、およびCFCClFC(O)CBrFCFを含む。
【0063】
CClFC(O)CBr(CFはCClFC(O)FをCFCBr=CFと反応させることにより調製することができ、CClFCFC(O)CBr(CFはCClFCFC(O)FをCFCBr=CFと反応させることにより調製することができ、CFCClFC(O)CBr(CFはCFCClFC(O)FをCFCBr=CFと反応させることにより調製することができ、CClFC(O)CBrFCFはCClFC(O)FをCF=CBrFと反応させることにより調製することができ、CClFCFC(O)CBrFCFはCClFCF(O)FをCF=CBrFと反応させることにより調製することができ、またCFCClFC(O)CBrFCFはCFCClFC(O)FをCF=CBrFと反応させることにより調製することができる。
【0064】
本発明の方法に有用なモノクロロモノブロモペルフルオロケトンにはさらに、モノブロモペルフルオロアシルフルオリドをモノクロロペルフルオロオレフィンと反応させることにより調製することができるCBrFC(O)CCl(CF、CBrFCFC(O)CCl(CF、CBrFC(O)CClFCF、およびCBrFCFC(O)CClFCFが挙げられる。
【0065】
CBrFC(O)CCl(CFはCBrFC(O)FをCFCCl=CFと反応させることにより調製することができ、CBrFCFC(O)CCl(CFはCBrFCFC(O)FをCFCCl=CFと反応させることにより調製することができ、CBrFC(O)CClFCFはCBrFC(O)FをCF=CClFと反応させることにより調製することができ、またCBrFCFC(O)CClFCFはCBrFCFC(O)FをCF=CClFと反応させることにより調製することができる。
【0066】
式CXFCFYC(O)Fのフルオロアシルフルオリドをペルフルオロオレフィンと反応させることによる、またはモノクロロペルフルオロアシルフルオリドをモノブロモペルフルオロオレフィンと反応させることによる、またはモノブロモペルフルオロアシルフルオリドをモノクロロペルフルオロオレフィンと反応させることによるモノヒドロモノブロモペルフルオロケトンの形成は、フルオロアシルフルオリドとフルオロオレフィンの反応について上記本明細書中で考察したものと類似の反応条件および手順を用いることができる。
【実施例】
【0067】
(実施例1.CFCBrFC(O)CおよびCFC(O)CBrFCの合成)
(ペルフルオロ2,3−エポキシペンタンの調製)
2L曲げ型(creased)フラスコに、機械的スターラー、熱電対さや、添加漏斗、および硫酸カルシウム乾燥管に連結したドライアイス蒸留ヘッドを装備した。このフラスコに次亜塩素酸ナトリウム溶液800mL(塩素10〜13%)および硫酸水素テトラブチルアンモニウム15.0gを装入した。冷ペルフルオロ−2−ペンテン60.0g(0.24モル)を添加漏斗に装入した。氷水浴を用いてこの溶液を20℃に冷却し、混合物を600rpmで攪拌した。次いでその次亜塩素酸ナトリウム溶液にこのF−2−ペンテンを20〜22℃の範囲の反応温度を保ちながら約1時間かけて加えた。添加が完了した後、この混合物をさらに1時間攪拌した。次いでこのフラスコに蒸留の準備をし、次いでポット温度を約40℃まで上昇してエポキシド生成物(32.8g、CAS Reg.No.[71917−15−2])を混合物から蒸留させた。
【0068】
(ペルフルオロ−2−ブロモ−3−ペンタノンとペルフルオロ−3−ブロモ−2−ペンタノンの混合物の調製)
1Lフラスコに、機械的スターラー、熱電対さや、およびドリエライト(Drierite)(商標)管に連結されたドライアイス凝縮器を装備した。このフラスコにフッ化ナトリウム146.3g(1.42モル)、臭化テトラブチルアンモニウム10g(0.031モル)、およびアセトニトリル235.8g(300mL)を装入した。この混合物を室温で15分間攪拌し、次いで氷水浴を用いて約6℃に冷却した。次いで上記のように調製したペルフルオロ2,3−エポキシペンタンの試料32.9g(0.12モル)をいっぺんにフラスコに加えた。氷浴を取り除き、反応物を室温で急速に6時間攪拌した。
【0069】
次いでこのフラスコに真空蒸留の準備をした。次いでこのブロモペルフルオロペンタノン混合物(50.3g)を圧力約80mmHgおよびポット温度約20〜25℃でフラスコから蒸留させた。ガスクロマトグラフィ−質量分析による留出物の分析の結果、これが主としてアセトニトリル(31.1GC面積%)、ペルフルオロ−2−ブロモ−3−ペンタノン(13.6%)、およびペルフルオロ−3−ブロモ−2−ペンタノン(47.0%)の共沸混合物であることを示した。
【0070】
この留出物を、溶離剤としてオクタンを用いたシリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィにかけた。次いで、主としてオクタンと、ペルフルオロ−2−ブロモ−3−ペンタノンおよびペルフルオロ−3−ブロモ−2−ペンタノンの混合物とを含有するカラム溶出液を56および100トルの圧力でそれぞれ2回の真空蒸留にかけて、大部分のオクタンからブロモペルフルオロケトンを分離した。次いで真空蒸留から得られる低沸点留分を大気圧で再蒸留した。71.2〜72.8℃のヘッド温度で回収された留分を一緒にした。この生成物は、全体としての純度>98GC面積%を有するモル比1.0から1.12のペルフルオロ−2−ブロモ−3−ペンタノンとペルフルオロ−3−ブロモ−2−ペンタノンの混合物であった。
【0071】
(実施例2.CFCBrFC(O)CおよびCFC(O)CBrFCの混合物の消火濃度)
それぞれモル比が1.0から1.12のCFCBrFC(O)CおよびFC(O)CBrFCの混合物の消火濃度をICIカップバーナ法により求めた。この方法は、(非特許文献8)に記載されている。
【0072】
具体的には、空気流が底部のガラスビーズ分配器から外側の煙突(内径8.5cm×高さ53cm)を40L/分で通り抜ける。燃料カップバーナ(外径3.1cm、内径2.15cm)が煙突の上縁部より30.5cm下の煙突内に位置決めされる。すべての試験について空気流量を40L/分に保ちながら、それがガラスビーズ分配器中に入る前に消火剤を空気流に加える。この空気および消火剤の流量は補正済みロータメーターを用いて測定される。
【0073】
この試験は、槽中の燃料(n−ヘプタン)レベルを調整して、カップバーナ中の液状燃料のレベルをカップバーナ上のすりガラスのリップとちょうど同じ高さにすることにより行われる。空気流量を40L/分に保った状態でカップバーナ中の燃料が点火される。消火剤を炎が消えるまで正確に計った増分刻みで加える。
【0074】
消火濃度は下記の等式、消火濃度=(F/(F+F))×100(式中、Fは消火剤流量、Fは空気流量である)から求められる。
【0075】
【表1】



【特許請求の範囲】
【請求項1】
火災の消火方法であって、モノブロモペルフルオロケトン、モノヒドロモノブロモペルフルオロケトン、(ペルフルオロアルコキシ)モノブロモペルフルオロケトン、(フルオロアルコキシ)モノブロモペルフルオロケトン、およびモノクロロモノブロモペルフルオロケトンからなる群から選択される少なくとも1種類の化合物を、前記火災を消火するのに十分な量で含む組成物を前記火災に適用することを含むことを特徴とする火災の消火方法。
【請求項2】
前記組成物がモノブロモペルフルオロケトンを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記組成物がモノヒドロモノブロモペルフルオロケトンを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記組成物が(ペルフルオロアルコキシ)モノブロモペルフルオロケトンを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記組成物が(フルオロアルコキシ)モノブロモペルフルオロケトンを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記組成物がモノクロロモノブロモペルフルオロケトンを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記組成物が、ヒドロフルオロカーボン、ヒドロクロロフルオロカーボン、ペルフルオロカーボン、ペルフルオロケトン、ペルフルオロポリエーテル、ヒドロフルオロポリエーテル、ヒドロフルオロエーテル、クロロフルオロカーボン、ブロモフルオロカーボン、ブロモクロロフルオロカーボン、ヒドロブロモカーボン、ヨードフルオロカーボン、およびヒドロブロモフルオロカーボンからなる群から選択される少なくとも1種類の共同消火剤をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記モノブロモペルフルオロケトンが、CFC(O)CBrFCFCF、CFC(O)CFCFCBrF、CBrFC(O)CF(CF、CFC(O)CBr(CF、CBrFCFC(O)CFCF、CFCBrFC(O)CFCF、CFCBrFC(O)CFCFCF、CFCFC(O)CBrFCFCF、CFCFC(O)CFCFCBrF、CFC(O)CBr(CF)CFCF、CFC(O)CF(CF)CBrFCF、CFC(O)CBrFCFCFCFCF、CFC(O)CFCFCFCFCBrF、CFCBrFC(O)CFCFCFCF、CFCFC(O)CBrFCFCFCF、CFCFC(O)CFCFCFCBrF、CFCFCBrFC(O)CFCFCF、CBrFCFC(O)CF(CF)CFCF、CFCBrFC(O)CF(CF)CFCF、CFCFC(O)CBr(CF)CFCF、CFCFC(O)CF(CBrF)CFCF、CBrFCFCFC(O)CF(CF、CFCFCBrFC(O)CF(CF、CFCFCFC(O)CBr(CF、(CFCBrC(O)CF(CF、CFCBrFC(O)CF(CF)OCF、CFCBrFC(O)CF(CF)OC、およびCFCBrFCFC(O)CF(CFからなる群から選択されることを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項9】
前記モノヒドロモノブロモペルフルオロケトンが、CHFCFC(O)CBr(CF、(CFCHC(O)CBr(CF、CHFCFC(O)CBrFCF、(CFCHC(O)CBrFCF、(CFCHC(O)CBrF、およびCBrFCFC(O)CH(CFからなる群から選択されることを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項10】
前記(ペルフルオロアルコキシ)モノブロモペルフルオロケトンが式RC(O)CF(CF)OR(式中、RがC〜Cのモノブロモペルフルオロアルキル基であり、RがC〜Cのペルフルオロアルキル基である)を有する化合物から選択されることを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項11】
前記(ペルフルオロアルコキシ)モノブロモペルフルオロケトンが、CBrFC(O)CF(CF)OCF、CBrFCFC(O)CF(CF)OCF、CBrFCFCFC(O)CF(CF)OCF、CBrFC(O)CF(CF)OC、CBrFCFC(O)CF(CF)OC、CBrFC(O)CF(CF)OCF、CBrFCFC(O)CF(CF)OCF、CBrFC(O)CF(CF)OCF(CF、CBrFCFC(O)CF(CF)OCF(CF、CFCBrFC(O)CF(CF)OCF(CF、CFCBrFC(O)CF(CF)OCF、(CFCBrC(O)CF(CF)OCF、CFCBrFC(O)CF(CF)OC、(CFCBrC(O)CF(CF)OC、CFCBrFC(O)CF(CF)OCF、およびCFCBrFC(O)CF(CF)OCF(CFからなる群から選択されることを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記(フルオロアルコキシ)モノブロモペルフルオロケトンが式RC(O)CX(CF)OR(式中、XがHまたはFであり、RがC、C、またはCブロモペルフルオロアルキル基であり、RがC〜Cのアルキルまたはフルオロアルキル基である)を有する化合物から選択されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記(フルオロアルコキシ)モノブロモペルフルオロケトンが、CBrFC(O)CF(OCFCHF)CF、CBrFC(O)CH(OCFCHF)CF、CBrFC(O)CF(OCH)CF、およびCBrFC(O)CF(CFOCH)CFからなる群から選択されることを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記モノクロロモノブロモペルフルオロケトンが、CClFCFBrC(O)CFCF、CBrFCFClC(O)CFCF、CClFCFBrC(O)CF(CF、CBrFCFClC(O)CF(CF、CClFCFBrC(O)CF(CF)(C)、CBrFCFClC(O)CF(CF)(C)、CClFC(O)CBr(CF、CClFCFC(O)CBr(CF、CFCClFC(O)CBr(CF、CClFC(O)CBrFCF、CClFCFC(O)CBrFCF、CFCClFC(O)CBrFCF、CBrFC(O)CCl(CF、CBrFCFC(O)CCl(CF、CBrFC(O)CClFCF、およびCBrFCFC(O)CClFCFからなる群から選択されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項15】
可燃材料の入った、空気を含有する密閉された区域中の火災防止方法であって、モノブロモペルフルオロケトン、モノヒドロモノブロモペルフルオロケトン、(ペルフルオロアルコキシ)モノブロモペルフルオロケトン、(フルオロアルコキシ)モノブロモペルフルオロケトン、およびモノクロロモノブロモペルフルオロケトンからなる群から選択される少なくとも1種類の化合物を含む組成物を前記区域に導入する工程と、前記組成物をこの密閉された区域中の可燃材料の燃焼を鎮圧するのに十分な量に保つ工程とを含むことを特徴とする方法。
【請求項16】
前記組成物がモノブロモペルフルオロケトンを含むことを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記組成物がモノヒドロモノブロモペルフルオロケトンを含むことを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記組成物が(ペルフルオロアルコキシ)モノブロモペルフルオロケトンを含むことを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項19】
前記組成物が(フルオロアルコキシ)モノブロモペルフルオロケトンを含むことを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項20】
前記組成物がモノクロロモノブロモペルフルオロケトンを含むことを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項21】
前記組成物が、ヒドロフルオロカーボン、ヒドロクロロフルオロカーボン、ペルフルオロカーボン、ペルフルオロケトン、ペルフルオロポリエーテル、ヒドロフルオロポリエーテル、ヒドロフルオロエーテル、クロロフルオロカーボン、ブロモフルオロカーボン、ブロモクロロフルオロカーボン、ヒドロブロモカーボン、ヨードフルオロカーボン、およびヒドロブロモフルオロカーボンからなる群から選択される少なくとも1種類の共同消火剤をさらに含むことを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項22】
前記モノブロモペルフルオロケトンが、CFC(O)CBrFCFCF、CFC(O)CFCFCBrF、CBrFC(O)CF(CF、CFC(O)CBr(CF、CBrFCFC(O)CFCF、CFCBrFC(O)CFCF、CFCBrFC(O)CFCFCF、CFCFC(O)CBrFCFCF、CFCFC(O)CFCFCBrF、CFC(O)CBr(CF)CFCF、CFC(O)CF(CF)CBrFCF、CFC(O)CBrFCFCFCFCF、CFC(O)CFCFCFCFCBrF、CFCBrFC(O)CFCFCFCF、CFCFC(O)CBrFCFCFCF、CFCFC(O)CFCFCFCBrF、CFCFCBrFC(O)CFCFCF、CBrFCFC(O)CF(CF)CFCF、CFCBrFC(O)CF(CF)CFCF、CFCFC(O)CBr(CF)CFCF、CFCFC(O)CF(CBrF)CFCF、CBrFCFCFC(O)CF(CF、CFCFCBrFC(O)CF(CF、CFCFCFC(O)CBr(CF、(CFCBrC(O)CF(CF、CFCBrFC(O)CF(CF)OCF、CFCBrFC(O)CF(CF)OC、およびCFCBrFCFC(O)CF(CFからなる群から選択されることを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項23】
前記モノヒドロモノブロモペルフルオロケトンが、CHFCFC(O)CBr(CF、(CFCHC(O)CBr(CF、CHFCFC(O)CBrFCF、(CFCHC(O)CBrFCF、(CFCHC(O)CBrF、およびCBrFCFC(O)CH(CFからなる群から選択されることを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項24】
前記(ペルフルオロアルコキシ)モノブロモペルフルオロケトンが式RC(O)CF(CF)OR(式中、RがC〜Cのモノブロモペルフルオロアルキル基であり、RがC〜Cのペルフルオロアルキル基である)を有する化合物から選択されることを特徴とする請求項18に記載の方法。
【請求項25】
前記(ペルフルオロアルコキシ)モノブロモペルフルオロケトンが、CBrFC(O)CF(CF)OCF、CBrFCFC(O)CF(CF)OCF、CBrFCFCFC(O)CF(CF)OCF、CBrFC(O)CF(CF)OC、CBrFCFC(O)CF(CF)OC、CBrFC(O)CF(CF)OCF、CBrFCFC(O)CF(CF)OCF、CBrFC(O)CF(CF)OCF(CF、CBrFCFC(O)CF(CF)OCF(CF、CFCBrFC(O)CF(CF)OCF(CF、CFCBrFC(O)CF(CF)OCF、(CFCBrC(O)CF(CF)OCF、CFCBrFC(O)CF(CF)OC、(CFCBrC(O)CF(CF)OC、CFCBrFC(O)CF(CF)OCF、およびCFCBrFC(O)CF(CF)OCF(CFからなる群から選択されることを特徴とする請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記(フルオロアルコキシ)モノブロモペルフルオロケトンが式RC(O)CX(CF)OR(式中、XがHまたはFであり、RがC、C、またはCブロモペルフルオロアルキル基であり、RがC〜Cのアルキルまたはフルオロアルキル基である)を有する化合物から選択されることを特徴とする請求項19に記載の方法。
【請求項27】
前記(フルオロアルコキシ)モノブロモペルフルオロケトンが、CBrFC(O)CF(OCFCHF)CF、CBrFC(O)CH(OCFCHF)CF、CBrFC(O)CF(OCH)CF、およびCBrFC(O)CF(CFOCH)CFからなる群から選択されることを特徴とする請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記モノクロロモノブロモペルフルオロケトンが、CClFCFBrC(O)CFCF、CBrFCFClC(O)CFCF、CClFCFBrC(O)CF(CF、CBrFCFClC(O)CF(CF、CClFCFBrC(O)CF(CF)(C)、CBrFCFClC(O)CF(CF)(C)、CClFC(O)CBr(CF、CClFCFC(O)CBr(CF、CFCClFC(O)CBr(CF、CClFC(O)CBrFCF、CClFCFC(O)CBrFCF、CFCClFC(O)CBrFCF、CBrFC(O)CCl(CF、CBrFCFC(O)CCl(CF、CBrFC(O)CClFCF、およびCBrFCFC(O)CClFCFからなる群から選択されることを特徴とする請求項27に記載の方法。
【請求項29】
可燃性動作流体の引火性を低減または排除する方法であって、
a)モノブロモペルフルオロケトン、モノヒドロモノブロモペルフルオロケトン、(ペルフルオロアルコキシ)モノブロモペルフルオロケトン、(フルオロアルコキシ)モノブロモペルフルオロケトン、およびモノクロロモノブロモペルフルオロケトンからなる群から選択される少なくとも1種類の化合物を含む添加剤を提供する工程、および
b)約0.1から約99重量%の間の前記添加剤を前記可燃性動作流体と混合する工程を含むことを特徴とする方法。
【請求項30】
前記添加剤がモノブロモペルフルオロケトンを含むことを特徴とする請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記添加剤がモノヒドロモノブロモペルフルオロケトンを含むことを特徴とする請求項29に記載の方法。
【請求項32】
前記添加剤が(ペルフルオロアルコキシ)モノブロモペルフルオロケトンを含むことを特徴とする請求項29に記載の方法。
【請求項33】
前記添加剤が(フルオロアルコキシ)モノブロモペルフルオロケトンを含むことを特徴とする請求項29に記載の方法。
【請求項34】
前記添加剤がモノクロロモノブロモペルフルオロケトンを含むことを特徴とする請求項29に記載の方法。
【請求項35】
前記モノブロモペルフルオロケトンが、CFC(O)CBrFCFCF、CFC(O)CFCFCBrF、CBrFC(O)CF(CF、CFC(O)CBr(CF、CBrFCFC(O)CFCF、CFCBrFC(O)CFCF、CFCBrFC(O)CFCFCF、CFCFC(O)CBrFCFCF、CFCFC(O)CFCFCBrF、CFC(O)CBr(CF)CFCF、CFC(O)CF(CF)CBrFCF、CFC(O)CBrFCFCFCFCF、CFC(O)CFCFCFCFCBrF、CFCBrFC(O)CFCFCFCF、CFCFC(O)CBrFCFCFCF、CFCFC(O)CFCFCFCBrF、CFCFCBrFC(O)CFCFCF、CBrFCFC(O)CF(CF)CFCF、CFCBrFC(O)CF(CF)CFCF、CFCFC(O)CBr(CF)CFCF、CFCFC(O)CF(CBrF)CFCF、CBrFCFCFC(O)CF(CF、CFCFCBrFC(O)CF(CF、CFCFCFC(O)CBr(CF、(CFCBrC(O)CF(CF、CFCBrFC(O)CF(CF)OCF、CFCBrFC(O)CF(CF)OC、およびCFCBrFCFC(O)CF(CFからなる群から選択されることを特徴とする請求項30に記載の方法。
【請求項36】
前記モノヒドロモノブロモペルフルオロケトンが、CHFCFC(O)CBr(CF、(CFCHC(O)CBr(CF、CHFCFC(O)CBrFCF、(CFCHC(O)CBrFCF、(CFCHC(O)CBrF、およびCBrFCFC(O)CH(CFからなる群から選択されることを特徴とする請求項31に記載の方法。
【請求項37】
前記(ペルフルオロアルコキシ)モノブロモペルフルオロケトンが式RC(O)CF(CF)OR(式中、RがC〜Cのモノブロモペルフルオロアルキル基であり、RがC〜Cのペルフルオロアルキル基である)を有する化合物から選択されることを特徴とする請求項32に記載の方法。
【請求項38】
前記(ペルフルオロアルコキシ)モノブロモペルフルオロケトンが、CBrFC(O)CF(CF)OCF、CBrFCFC(O)CF(CF)OCF、CBrFCFCFC(O)CF(CF)OCF、CBrFC(O)CF(CF)OC、CBrFCFC(O)CF(CF)OC、CBrFC(O)CF(CF)OCF、CBrFCFC(O)CF(CF)OCF、CBrFC(O)CF(CF)OCF(CF、CBrFCFC(O)CF(CF)OCF(CF、CFCBrFC(O)CF(CF)OCF(CF、CFCBrFC(O)CF(CF)OCF、(CFCBrC(O)CF(CF)OCF、CFCBrFC(O)CF(CF)OC、(CFCBrC(O)CF(CF)OC、CFCBrFC(O)CF(CF)OCF、およびCFCBrFC(O)CF(CF)OCF(CFからなる群から選択されることを特徴とする請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記(フルオロアルコキシ)モノブロモペルフルオロケトンが式RC(O)CX(CF)OR(式中、XがHまたはFであり、RがC、C、またはCブロモペルフルオロアルキル基であり、RがC〜Cのアルキルまたはフルオロアルキル基である)を有する化合物から選択されることを特徴とする請求項33に記載の方法。
【請求項40】
前記(フルオロアルコキシ)モノブロモペルフルオロケトンが、CBrFC(O)CF(OCFCHF)CF、CBrFC(O)CH(OCFCHF)CF、CBrFC(O)CF(OCH)CF、およびCBrFC(O)CF(CFOCH)CFからなる群から選択されることを特徴とする請求項39に記載の方法。
【請求項41】
前記モノクロロモノブロモペルフルオロケトンが、CClFCFBrC(O)CFCF、CBrFCFClC(O)CFCF、CClFCFBrC(O)CF(CF、CBrFCFClC(O)CF(CF、CClFCFBrC(O)CF(CF)(C)、CBrFCFClC(O)CF(CF)(C)、CClFC(O)CBr(CF、CClFCFC(O)CBr(CF、CFCClFC(O)CBr(CF、CClFC(O)CBrFCF、CClFCFC(O)CBrFCF、CFCClFC(O)CBrFCF、CBrFC(O)CCl(CF、CBrFCFC(O)CCl(CF、CBrFC(O)CClFCF、およびCBrFCFC(O)CClFCFからなる群から選択されることを特徴とする請求項34に記載の方法。

【公表番号】特表2007−515989(P2007−515989A)
【公表日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−517507(P2006−517507)
【出願日】平成16年6月18日(2004.6.18)
【国際出願番号】PCT/US2004/019878
【国際公開番号】WO2004/112908
【国際公開日】平成16年12月29日(2004.12.29)
【出願人】(390023674)イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー (2,692)
【氏名又は名称原語表記】E.I.DU PONT DE NEMOURS AND COMPANY
【Fターム(参考)】