説明

消費者行動モデル化を用いたオファーまたは褒賞システム

発明は、販売促進のための消費者モデル化の方法であって、複数の販売場所を設けるステップと、消費者行動を分析してそれに基づくデータを販売場所に配送するようにそれぞれ適応された複数のコンピュータ装置を設けるステップと、個々の販売場所のいずれかにおいて販売取引を行っている消費者に少なくとも促進用材料を提供するための、複数の内の個々の販売場所に付随する装置を設けるステップと、からなる方法に関する。よって、図面には、図示しない消費者によって購入された商品に関するデータのスキャナー(2)と、取引のためのプリンター(3)と、販売場所取引装置(5)における販売場所スクリーン(4)と、専用プリンター装置(6)とを含む販売場所位置(1)が示されている。装置5はPOSソフトウェアを実行し、アプリケーションがクーポンアプリケーションの時にはクーポンからなるような標的とされた促進用材料を格納することもでき、印刷されるべきクーポンのために要求されるイメージとテキストも格納する。専用プリンター6は、販売取引中のいずれの時点においても一つまたは複数のクーポンを印刷することができる。アプリケーションはスクリーン(4)上に表示されるものを決定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、販売促進の目的のための顧客行動のモデル化に関し、特に消費行動のパターンを実践している顧客へのオファーを行う目的のための償還モデル化の作成に関する。
【背景技術】
【0002】
ブランド忠誠心やブランド切り替えやより高い販売量を作り出すことを目的とした、幅広い種類の販売促進方法および技術が存在している。利用可能な方法の中には、販売場所端末に存在しているものがある。そのような促進の最も基本的な形態は、販売場所において製品を購入するように製品を宣伝するか消費者に動機付けを提供するショッピングレシート上での広告である。
【0003】
究極的には、全ての広告主の販売促進は、消費者の行動を変化させること−消費者に或る製品を今もっと買わせたり、製品Bの代わりに製品Aを買わせたり、今会社Xの製品をより高く評価させて後にその製品をもっと買わせたりすること、を狙っている。
【0004】
いくつかのケースでは、この行動の変化は、変化の潜在的な恩恵を説明することにより奨励される。例えば、特定の製品の独自の特徴を実証する広告である。他のケースでは、奨励は変化することへの資金的動機付けまたは市場関係者が「オファー」と呼ぶものの形で来る。これは、例えば、提示された時に、或る製品やサービスの通常購入価格から10%値引きすることを所持者に与える、クーポンの形であっても良い。
【0005】
コンピューティングパワーとオフザシェルフ(off-the-shelf)統計的パッケージの発達しつづける利用可能性により、予測的モデル化は、広告主が販売場所において彼らのオファーの狙いを定めること、即ち特定のオファーをするのに最も都合の良い個人や取引を同定すること、を援助するのに幅広く用いられるツールとなってきている。
【0006】
これをするには、既知の方法は現行の取引を行っている消費者に関する情報(年齢、性別、または以前の購入行動のような)が以前に収集されていて利用可能であること、または現行の購入の中に一つ以上の特定のアイテムが在ることがオファーのための消費者に狙いを定めるのに十分な根拠であることを仮定していた。しかしながら、実際には、多くの取引について情報が存在しないかそれを行っている個人について利用可能ではなく、迅速な取引処理の必要が現行の購入の中の全ての製品を探し出して応答することを不可能にする。
【0007】
従来技術は、消費者行動モデル化のいくつかの形態を教示する。従来技術のモデル化方法の一例は、米国特許出願第09/639,736号に開示されている。これは、標的機能に対して最大の予測されたインパクトをもった個人化されたオファーを構築するように、全ての顧客と全てのオファーについて行動モデルが実装されている促進方法を開示する。オファーを顧客とマッチングした後、個人化されたオファーのセットが標的の顧客になされる。
【0008】
この形態のモデル化は、個々の消費者に特定されており、実際の消費者の購入または実際の購入パターン以外の基準に基づいた予測的可能性を有していない。米国特許出願に従った行動モデルは、マーケティングの目標を達成し、販売を増加させる等に加えて、償還率を増加し、収入を増加するかまたはそれらの組合せのデータを使うことである。マーケティング方法は、顧客のマーケティング行動と最適な顧客の選択に比重が置かれており、標的機能に対して最大の予測されたインパクトをもった個人化されたオファーを構築するように、収集されたデータを使って、ソフトウェアモジュールを使用して、全ての顧客について一つ以上の行動モデルを導き出す。意図された償還行動モデルは、広い意味で米国明細書に開示されている。しかしながら、米国明細書は、潜在的に無制限な数の小売り業者/参加者がいるところで小売り業者間の相互訪問を最大化することを教示していない。
【発明の概要】
【0009】
発明の目的は、消費行動のパターンを実践している顧客へのオファーを行う目的のための償還モデル化を提供することによって、既知の消費者モデル化システムに対する代替物を提供しようとすることである。
【0010】
発明によると、販売促進のための消費者モデル化の方法であって、複数の販売場所を設けるステップと、消費者行動を分析してそれに基づくデータを販売場所に配送するようにそれぞれ適応された複数のコンピュータ装置を設けるステップと、個々の販売場所のいずれかにおいて販売取引を行っている消費者に少なくとも促進用材料を提供するための、複数の内の個々の販売場所に付随する装置を設けるステップと、からなる方法、が提供される。
【0011】
発明によると、販売促進のための消費者モデル化を提供するシステムであって、複数の販売場所と、消費者行動を分析してそれに基づくデータを販売場所に配送するようにそれぞれ適応された複数のコンピュータ装置と、個々の販売場所のいずれかにおいて販売取引を行う時に消費者に少なくとも促進用材料を提供するための、個々の販売場所に付随する装置と、からなるシステム、も提供される。
【0012】
本発明は、最適化のために、個々の消費者の取引の詳細よりも幅広い基準に基づいて予測的モデルを作成することができる、という点で既知の促進システムとは異なる。予測的モデルは従って、各オファーについて利用可能な、
促進用オファーまたはそれに十分に類似するオファーが以前になされた小売り位置、
なされたオファーを特徴付けする特徴(例えば、オファーが言及する製品またはサービスのタイプ)、
オファーの一般的なタイプ(例えば、パーセント割引、一つ購入すると一つ無料)
償還をしている消費者にとってのオファーの実際のまたは知覚された価値、
オファーの類似性がそれに基づくこととなるオファーの期限切れまでの日数、
オファーの償還率(どんな風にその償還が行われたか)、
オファーがそれらと共に現れたその他のオファーとそれが償還されたときにオファーが発行された位置、オファーがそれらと共に現れたその他のオファーとそれが償還されなかったときにオファーが発行された位置、
についての情報から確立されても良い。
【0013】
ここでの販売場所(POS)への言及は、関係していなくても良い多数の本質的に異なる位置と小売り業者に渡ったそのような販売場所の複数またはネットワークから選択された一つであることが理解されるであろう。
【0014】
発明の一実施形態によると、予測的モデルは、オファーが特定の小売り位置において或る範囲の他のオファーと協調して配送された時に、消費者の応答を引出すのに最も効果的であることが証明されているところの特定かつ一般化可能な知識から、それらの予測的能力を導き出している。
【0015】
本発明の利点は、「最適化」、即ち各小売り位置においてどのオファーのセットをどの順番でなすかの決定、がオフラインで遠隔的に行うことができることである。これは、POSシステム上のリアルタイムな負荷の削減をもたらす。一旦決定されると、最適化されたオファーのグループは、都合の良い所定の時間においてPOS環境にアップロードすることができる。
【0016】
発明を実施する方法とシステムはまた、予測的モデル化技術を採用するが、それは予測的モデルを、
或る範囲の広告主からのオファーを同時に考慮し、
或る範囲の別個の小売り業者(即ち、異なるフランチャイズまたは組織の一部である小売り業者)においてそれらのオファーの配送を同時に考慮し、
いくつかの広告主の他よりも優遇的な扱いを許容し、
単一の取引の一部としてなされるべきオファーのグループを集め、
オファーのグループ内のオファーを提示する「ベスト」な順番を同定し、
オファーが物理的に配送される(即ち、印刷される、表示される、あるいは消費者に送信される)小売り位置を考慮に入れ、
集められたオファーのグループに制約(例えば、広告主Aからのオファーは広告主Bからのオファーと同じグループ中に現れることはできない、または広告主Cからのオファーは小売り位置Rにおいて「なされる」べきオファーのグループ中に現れることはできない)を課す、
ようなシステム内で採用するという点で、以前の使用からはずれる。
【0017】
好ましい実施形態では、与えられた数の小売り業者(「ホスト」または「位置」として知られる)について最適化されたオファーのセットが生成され、その各々はオファーのグループを発行するための与えられ固定された能力をもつ。最適な解決策では、いかなるオファーも所定の数のオファーセットよりも多くには現れない(この所定の数はオファーに跨って変動し得ることに注意)。
【0018】
最適度は、そこから少なくとも一つのオファーが償還されたオファーセットの割合によって測定されることが理解されるであろう。もしそれが以下のステップ2および6に記載されるやり方で或るプレミアム広告主により優れた結果を提供し、かつ或るホストまたは他のオファーに対してオファーの配置に関する約束された制約を満たす必要がある場合だけに限って、より最適でない解決策がより最適なものを抜かして受け付けられる。
【0019】
よって、一つの広い形では、本発明は、次からなる:
選択された位置および/または選択された受取人または受取人のグループへの送信のために最適された販売促進のセットを作成する方法であって、
a)少なくとも一つの販売場所における商業的活動から導き出されたデータからデータベースを作成するステップと、
b)前記データを使って、同定された標的機能を最大化するものとして同定されたホストへのオファーの概念上の割当を決定するステップと、
c)以下の基準:
i)特定のホストに割り当てることができないオファーに関する制約、
ii)各オファーでなされた関係のある製品またはサービスの利用可能な在庫、
iii)各ホストのオファーをする能力、
の一つ以上に従って前記割当を決定するステップと、
d)前記データベース中の前記データから、特定のホストまたはホストタイプに送信されたオファーまたはオファーのセットの償還率を予測するステップと、
e)オファーまたはオファーのセットを照合し、それらのオファーを特定のホストまたはホストのセットに割り当てて標的機能を達成するステップと、
からなる方法。
【0020】
一実施形態によると、ホストは、選択された小売り業者または小売り業者のカテゴリーであっても良い。好ましくは、償還率は、データベース上に収集されたデータの分析から作成された指示的フォーミュラの使用によってデータから決定される。償還率は、好ましくは、データベース上のデータと予め選択されたホストへのオファーの割当についての基準を参照することによって決定される。一実施形態によると、償還率はアルゴリズムによって作成される。明細書を通じて、償還率という用語は、商業的に受け入れ可能なレベルの正確さで測定された、選択されたホストまたはホストのグループに送信されたオファーの取り上げ率を意味するものと取られる。
【0021】
好ましい実施形態によると、使用される予測的フォーミュラは、オファーによる償還率である標的変数と、オファーとオファーが発行されたホストについての情報を含んだ説明的変数をもつ一般化線形モデル(Generalized Linear Model)である。
【0022】
好ましい実施形態では、オファーの割当は、期待される償還の総数である客観的関数と、ホストに割り当てることができる各オファーの最大数とあらゆる一人のホストに割り当てることができるオファーの最大数を含んだ制約をもった線形プログラム(Linear Program)の使用によって達成される。
【0023】
また、発明の一実施形態では、概念上の割当が優遇された広告主についてのオファーの最小数または優遇されたホストについての割り当てられたオファーの最小数を含むことを確かにするように、追加の制約を使っても良い。更なる実施形態では、償還率を決定するための予測フォーミュラは、セット中のオファーの少なくとも一つが償還される確率であるフォーミュラ中で使われる標的変数と、各オファーとオファーセット中に各々が現れる位置についての情報を含んだ説明的変数をもつランダムフォレスト(random forest)である。前記ランダムフォレストを構築するのに導き出すことができる歴史的データの十分に大きな貯蔵があるときには、ランダムフォレストは、その時点までに構築されたランダムフォレストによって分類し間違えられた観測の大部分をそれらが含むことを確かにするように選択された、データの連続したサンプルをもつ利用可能なデータのサンプル上に構築されることが好ましい。
【0024】
好ましくは、オファーのセットを作成して操るフォーミュラは、オファーの第一のセット中の一つのオファーを、同じホストに割り当てられたオファーの第二のセット中の別のオファーとスワップすることによって、好まれたオファーセット割当を選択するスワッピングアルゴリズムであり、標的関数は、そこから少なくとも一つの償還があるであろうことが期待されているオファーセットの数である。
【0025】
本発明が、例として、好まれるが限定はしない実施形態に従い同伴する概略的図面を参照して、より詳細に以降に記載される。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】図1は、一実施形態に従った発明を実装する一連のステップの概略的レイアウトを示す。
【図2】図2は、発明を実施している販売場所の概略的斜視図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0027】
ここで、好ましい実施形態に従った発明が、図1とそれにより取引活動データベースから確立された償還率モデルから償還率が予測される6ステッププロセスを参照して、より詳細に記載される。
【0028】
以下に記載される例以外に、特定のタイプのホストまたは消費者のための償還モデル化から償還率を計算する際に考慮に入れるべきオファー基準とホスト/消費者および消費者グループ基準に基づく、オファーの多数の入れ替えや組合せがあることが当業者には理解されるであろう。
【0029】
発明に従った予測的モデル化は、例えば或る範囲の広告主からのオファーと或る範囲の別個の小売り業者においてそれらのオファーの配送を個別にまたは同時に考慮に入れ、いくつかの広告主の他よりも優遇された扱いを許容する。更に、モデル化は、単一の消費者になされるべきオファーのグループを考慮に入れ、オファーのグループ内のオファーを提示する最適な順番を同定しても良い。モデル化はまた、オファーが物理的に配送される小売り位置を考慮に入れ、集められたオファーのグループに制限を敷くかまたは制約を課しても良い。オファーはホスト特定になされ、特定の広告主または商品およびサービス提供者に限定されても良い。よって、制約は、位置に基づくもの、ホストに基づくもの、または広告主に基づくものであっても良い。
【0030】
ここで、発明を実装する一連のステップを示す図1を参照する。
【0031】
ステップ1:
このステップは、現期間中に最適になされるべきオファーのありそうな償還率のホストによる推定を作成する(D2)。つまり、もしオファーOがホストHによって発行されたのであれば、それのありそうな償還率の推定を、OとHの全ての組合せについて作成すべきである。これらの推定は、与えられたオファーが特定のホストによって発行されていた時に記録された歴史的償還率に基づいている(D1)。推定された償還率が計算されなければならないときには、殆どの生きているオファーはまだ期限切れになっていないので、各生きているオファーのその残りの寿命に渡るパフォーマンスを外挿する手段が採用される。この外挿を行う一つのやり方は、一般化線形モデルを各ホストとオファーについての歴史的な日々の償還数に適合させ(A1)、その残りの「寿命」(即ち、現在の日にちとそれが期限切れになる日にちの間)に渡って与えられたホストにおいて発行済みの与えられた生きているオファーの償還行動が、同じまたは類似したホストにおいて発行済みの類似したオファーのそれを広く映していることを仮定することである。
【0032】
このステップでは、例えばオファーをそれら自身だけ考慮した時に期待されるであろうよりも高い(または低い)償還率に導き得るようなオファーの間の相乗効果は考慮に入れていない。新たなオファーと新たなホストについては、歴史的データは存在しないので、「代理」のオファーまたはホストが選択され、それに従って償還率が推定される。
【0033】
理想的には、このステップは、少なくとも以下の入力に基づいているであろう。
【0034】
歴史的なオファー(即ち、期限切れになったオファー)について:
各ホストで各日に発行された数の情報;
記録された各日毎の償還の数(各発行するホスト毎に);
オファーが「生きて」いた日数;
オファータイプを規定する特性(例えば、それがパーセント割引か、円値引き促進かあるいは何か他の種類のオファーか);
それを通してオファーがなされたホストの各々を規定する特性(例えば、それが電子装備小売り業者であったか、ファーストフードレストランであったか、等々)。
【0035】
ステップ2:
このステップは、オファーのホストへの初期割当を作成する(D4)。割当は、(D3)を条件として、期待される償還を最大化することを目的として行われる。
【0036】
最大ホストおよびオファー容量;
或るホストの予定表にオファーを載せることに関連する制約を満たすこと(例えば、小売り業者Rからのオファーは、ライバルの小売り業者Sで印刷される予定表には現れないようにする);
プレミアム広告主に優遇的な扱いを許容すること(広告主のステータスは、例えば段階化された値段付けを通してかまたは公開入札プロセスを通して決定され得ることが想定されている);
各ホストの容量の「理に適った」割合が充たされ、各オファーの「理に適った」割合がなされることを確かにすること(これは最適化アルゴリズムにおいて最小の制約を採用することによって達成される)。
【0037】
そのような最適な解決策は、(制約付き)線形プログラミングアプローチ(A2)を使うことによって見つけることができる。
【0038】
このステップは、以下の情報を要求する。
【0039】
ステップ1の出力、各ホストにおける各オファーの推定された償還率;
各オファーが解決策に現れることができる最大回数;
各ホストによって発行されることができるオファーのセットの最大数;
各ホストについてのオファーの各セット中のオファーの数(これはホストによって変わることができることに注意);
与えられたホストについて生成されるオファーセット中に現れてはならないオファーのリスト;
各ホストについて、充たされるべきその容量の最小割合(これはプレミアムホストに優遇的な扱いを提供するようにより高い値に設定しても良い);
各オファーについて、充たされるべきその利用可能な在庫の最小割合(これはプレミアム広告主に優遇的な扱いを提供するようにより高い値に設定しても良い);
全てのホストとオファーのペアについて、解決策中に現れるべきそのようなペアの最小数(これは全てのホストオファーセット上で最初の位置に置かれているホストオファーを提供するもの)。ホストが最初のオファーとして現れることができるそれ自身の一つより多くのオファーを持つ時には、使われたそのようなオファーの各々の割合は、ランダムにまたは償還行動の何らかの以前の知識に基づいて、なされることができる。
【0040】
アプローチは、あらゆる与えられた制約の直接の結果として全体の償還の削減についてなされるべき推定を許容する。この推定は、それから、適切であればその制約に関連する値段を設定する際の理に適った基礎として使用されても良い。
【0041】
ステップ3:
このステップは、初期オファーセット解決策、即ちホストに概念上割り当てられたオファーのグループ、を作成する(D5)。各オファーセットは、それが全てのオファーとホストの制約を満たしているかいないかによって、「有効」または「無効」であるとしてフラグ付けされる(A3)。
【0042】
このステップは、ステップ2で決定されたホストとオファーの割当量と首尾一貫した初期オファーセットを作成することによって開始され、全てのホストオファーセット上の最初のオファーが関係のあるホストについてのオファーであることを確かにする(特定のホストが、それによって発行されるべきオファーセットにそれ自身のオファーを含めないことを選択しなければ)。
【0043】
ホストオファーがホストオファーセット中の最初の位置に意図的に置かれている時は、アルゴリズム中のその後のポイントでそれが事故的にスワップされてしまわないように、それはそのようにフラグ付けされるべきである。ホストが最初のオファーとして現れることができるそれ自身の一つより多くのオファーを持つ時は、そのホストについてのあらゆる与えられた予定表上に現れるオファーの選択は、ランダムにまたは以前の償還行動の知識に基づいて、なされても良い。
【0044】
各オファーセットは、それから検討されてそれが全てのホストとオファーの制約を満たしているかいないかによって、「有効」または「無効」としてフラグ付けされる。次に、ホストがランダムに選択され、それに概念上割り当てられた二つのオファーセットがランダムに選択され、その少なくとも一つは「無効」とフラグ付けされている。アルゴリズムはそれから、両方のオファーセットがセット内のオファーのいくつかを入れ替えることによって有効にできるかどうかを決定する。そのような入れ替えは、予め決められた停止基準が満たされるまで続けられる。一旦入れ替えが完了されると、「無効」とフラグ付けされたオファーセットは無効化されて更なる考慮から除外されるべきである。
【0045】
このステップは、以下の情報を要求する。
【0046】
オファーの割当を提供するステップ2の出力;
各ホストについて、そのホストによって発行されるべきオファーセット中に現れてはならないオファーのリスト;
各オファーについて、同じオファーセット中に現れてはならないオファーのリスト(それは、当然ながら、どのオファーも同じオファーセット中に一度より多く現れることがないように、通常オファーそれ自身を含むであろう)。
【0047】
ステップ4:
この随意のステップ(A3)は、全ての有効なオファーセットの予め決められた割合を無効化して(D7)、最適化ステップによって提供された償還率の引き上げが適切に測定できるようにし、更なる最適化のために有効なオファーのセットを残す(D6)。無効化されたオファーセットの償還率は、それに対して最適化によって提供された償還率の引き上げを評価することができるベンチマークを形成する。
【0048】
このステップは、以下の情報を要求する。
【0049】
ホストに概念上割り当てられたオファーのグループを提供するステップ3の出力;
無効化されるべきオファーセットの割合を表す値。
【0050】
ステップ5:
このステップは、以前に発行されたオファーセットのサンプルを使ってオファーセットの償還行動のモデルを構築し(A5)、そこから償還されているオファーセット内のオファーの少なくとも一つの確率を推定することができる(D8)。そのようなモデルには、同じオファーセット中のオファーに跨る相乗効果を含んだ有意な非線形効果があることが期待される。消費者は、例えば、もし同じオファーセットが“ステレオハイファイ一つにつき10%引き”のオファーを含んでいれば、“CD一つにつき5%引き”のオファーを償還するためにモールに戻ることに誘惑されるかも知れない。
【0051】
そのような非線形性は、理論的には、一般化線形モデルに組み込むことができるが、パラメータ化が問題となる可能性が高い。例えば、もしシステム中に生きているオファーが400個あったとすれば、全てのペア毎のオファー相乗効果を提供するには79,800個のパラメータが要求されるであろう。ランダムフォレストは、明白なパラメータ化を必要とすることなく特定されていない非線形性がモデル化されることを許容するので、そのような状況では理想的である。
【0052】
これらの恩恵にも拘わらず、償還の有用なモデルを構築するためには、オファーとホストの鍵となる特性が抽出されてパラメータ化される(D8において)必要があることが期待される。償還行動のモデルを構築するステップ5は、以下の情報を要求する。
【0053】
全てのオファーが償還されずに期限切れとなったかまたは全てのオファーが期限切れとなり少なくとも一つが償還された、発行済みオファーセットの十分に大きなサンプル(即ち、現在一つ以上の期限切れとなっていないオファーを有するあらゆるオファーセットを除外する)。
【0054】
サンプルオファーセット中のオファーの各々について、以下の情報が少なくとも要求される:
オファーが「生きて」いた日数;
オファータイプを規定する特性(例えば、それがパーセント割引か、円値引き促進かあるいは何か他の種類のオファーか);
それを通してオファーがなされたホストの各々を規定する特性(例えば、それが電子装備小売り業者であったか、ファーストフードレストランであったか、等々)。
【0055】
コンピューティングパワーとメモリの制約を与えられることなくランダムフォレストの正確さを最大化するために、このステップではアーチ状アプローチが採用されている。
【0056】
ステップ6:
このステップは、最終的な最適化されたオファーセットを作成する(D9)。ステップ3の終り(D6)において利用可能であったオファーセットは、有効であるが最適化されていない。このステップ(A6)は、それらのオファーセットを取り上げ、ホストをランダムに選択し、そのホストの概念上割り当てられた二つのオファーセットを選択し、それから、有効なオファーセットを無効化することなくかつ、オファーセット内からの少なくとも一つのオファーの償還の全体的に期待される数を向上するか、もしくはプレミアム広告主からのオファーの配置を向上する(即ち、少なくとも一つの償還を生成するより高い確率を持ったオファーセット中にそれを配置することによって)、というようなペア毎のオファースワップを行うことによって進行する。
【0057】
そのような向上は、ステップ5で作り出された償還予測的アルゴリズム(A5)を使うことによって評価することができる。
【0058】
そのようなスワッピングは、何らかの予め決められた停止基準が満たされるまで続けられるべきである。
【0059】
このステップは、以下の情報を要求する。
【0060】
ステップ3の終りにおいて利用可能なオファーセット;
ステップ5で作り出されたランダムフォレスト予測的アルゴリズム。
【0061】
ここで図2を参照すると、図示しない消費者によって購入された商品に関するデータのスキャナー2と、取引のためのプリンター3と、販売場所取引装置5における販売場所スクリーン4と、専用プリンター装置6とを含む販売場所位置1が示されている。装置5はPOSソフトウェアを実行し、アプリケーションがクーポンアプリケーションの時にはクーポンからなるような標的とされた促進用材料を格納することもでき、印刷されるべきクーポンのために要求されるイメージとテキストも格納する。専用プリンター6は、販売取引中のいずれの時点においても一つまたは複数のクーポンを印刷することができる。アプリケーションはスクリーン4上に表示されるものを決定する。
【0062】
記載された提案された実施形態は通常、但しそれに特化されずに、小売り業者のウィンドウズ(登録商標)に基づいたPOSシステム上に実装されるウィンドウズ(登録商標)オペレーティングシステムのためのものであり、それがその上に常駐しているPOS装置のスイッチがオンにされるといつでも実行されるように構成されている。
【0063】
POS装置上で実行されている時、アプリケーションは、スキャナーまたはキーボードから(キーの押し下げを捕捉してフィルタすることができるSetWindowsHookExと呼ばれるウィンドウズ(登録商標)APIを使って)POS装置に送られている情報のために聞き入り、これをPIOSスクリーンに渡されている情報の検査を開始するためのキューとして受け取るであろう。この検査の目的は、進行中の取引に関する情報の鍵となるもの、即ち:
・購入されているアイテムの各々のライン記述
・各アイテムの価格と量
を同定することであろう。
【0064】
理想的な状況(即ち、POSアプリケーションがネイティブなウィンドウズ(登録商標)アプリケーションとして実行されている時)では、アプリケーションは、ウィンドウ階層を横断してGetWindowTextのAPIを使ってスクリーンの内容を検査することによって直接的にテキストストリングを検査することでこの情報を決定するであろう。この代わりに、もしそれがそのような情報を直接的に収集することができない(ウィンドウ階層を横断した後でいかなるテキストの情報も見つけることができないでいる)ことをアプリケーションが検出すれば、それはルートウィンドウオブジェクトからのスクリーン情報のいくつかまたは全てのピクセル毎のコピーを記録することによってスクリーンの「スナップショット」を撮ることを始める。
【0065】
アプリケーションは二つのモードのどちらかで実行される。
【0066】
1.カリブレーションモードでは、アプリケーションは「レイアウト分析」技術と呼ばれるものを採用し、それが捕捉したイメージを解析して、ライン記述、価格、量、総計のような鍵となるアイテムが典型的に現れるところを同定する。スクリーンイメージはピクセル毎ベースで捕捉されているので、光学式文字認識(OCR)モジュールが我々のアプリケーションに含まれている必要がある。このコンポーネントのために、多数のオフザシェルフ(off-the-shelf)解決策が利用可能であり、それらはあらゆるインハウス(in-house)解決策よりも好まれる。
【0067】
一旦アプリケーションがどのように特定のPOS装置についてのスクリーンデータとそれがその上で実行されているスクリーンを信頼性をもって解析するかを決定すると、それは同様のPOS装置とスクリーンのスクリーン出力を解析するためのベースとして使用できる格納されたプロファイルを作成する。
【0068】
アプリケーションがこのモードで実行されている間は、ホストPCの全デスクトップ上に表示されている全てのものを捕捉する。
【0069】
2.データ捕捉モードでは、アプリケーションは捕捉されたままの各スクリーンを解析し、それもまたホストPC上に常駐しているデータベースに、関係のある構成要素を格納する。スクリーン上にあるものをいつ捕捉するかを決定するための主要なベースはスキャンまたはキーストロークが受け取られたという認識であるが、アプリケーションはまた、前回の捕捉から或る期間が経過した後にスクリーンのスナップショットを撮るように構成されていても良い。
【0070】
速度と効率の理由から、アプリケーションがこのモードで実行されている間は、アプリケーションがカリブレーションモードで実行されていた期間の間に関係があるものとして同定されたスクリーンの部分のみを捕捉する。
【0071】
情報がスクリーン上に表示されるやり方を変えるような変更が行われることが可能である(例えば、スクリーンフォントが変更されるかも知れないし、あるいは小売り業者がPOS装置上の彼らまたは彼女らのアドレス詳細を更新し、そうするにあたって、スクリーン上のこのアドレスの表示を長引かせるかも知れない)ので、アプリケーションは、時々、スクリーンディスプレイが鍵となるスクリーン要素をそれらがそこにあることを期待している場所に有していることをチェックする。(これは、例えば、スクリーン領域の平均色をチェックし、これをもしスクリーンレイアウトが変えられていなかったなら期待されるであろうものと比較することによって、行うことができる)。アプリケーションが時々行うことができる一つの他の単純なチェックは、スクリーンの解像度が変えられていないことである。
【0072】
もしアプリケーションが、もはやスクリーンレイアウトを信頼性をもって認識できないことを見つければ、それはカリブレーションモードに戻り、それによりどのようにして新たなスクリーンレイアウトを認識するかを学習する。
【0073】
発明は更に、販売場所における消費者の購入行動の遠隔監視を提供して、それに基づいて消費者または消費者のグループが大量購入等のような行動のパターンについての褒賞として販売場所またはそれ以外のどこかにおいてオファーを提供されることができるような消費者または消費者のグループに対するモデルを確立する。発明は更に、標的の消費者への褒賞またはオファーの最適化されたセットの配送のためのデータの集まりを提供し、それは予め決められたローカルまたはリモートな販売位置における販売場所において、あるいは特定のウェブサイト、インストア(in-store)キオスク、アドレスされたメールの一通、または移動電話を通じて、特定の商業的取引に従事する個々の消費者についての歴史的情報があってもなくても、消費者にランダムにまたは特化して送信および/または表示され得る。
【0074】
よって、好ましい実施形態では、発明は、選択された位置および/または選択された受取人または受取人のグループへの送信のために最適された販売促進のセットを作成する方法であって、
a)少なくとも一つの販売場所における少なくとも一人の消費者または少なくとも一つの消費者のクラスによる商業的活動から導き出されたデータからデータベースを作成するステップと、
b)前記データを使って、オファーの前記割当を以下の基準:
i)特定のホストに割り当てることができないオファーに関する制約、
ii)各オファーの主体である製品またはサービスの利用可能な在庫、
iii)各ホストのオファーをする能力、
の一つ以上に従って決定するステップと、
c)前記データベース中の前記データから、特定のホストまたはホストタイプに送信されたオファーまたはオファーのセットの償還率を予測するステップと、
d)オファーまたはオファーのセットを照合し、それらのオファーを特定のホストまたはホストのセットに割り当てて標的機能を達成するステップと、
からなる方法、を提供する。
【0075】
好ましい実施形態によると、償還率の予測は、以前の取引活動から導き出された前記データベース中のパラメータ間の関係から決定されたフォーミュラに従って成し遂げられる。
【0076】
しかも、好ましい実施形態では、消費者を分析するステップは、そのような行動を監視して増加的にそれに加えて、消費者の行動のアップツーデートな「ピクチャー」を作成するようにすることを含むことが理解されるであろう。よってデータの自然増加がある。
【0077】
また、消費者活動に関するソフトウェアは、POSにおいてまたはリモートコンピュータのような装置上に積み込むことができる。
【0078】
明細書を通して、償還が予測された了解と首尾一貫するようになるよう、オファーまたはオファーのグループの償還率を最大化するように、最適化されたものへの言及は、特定の位置、位置のグループ、またはホストタイプに仕立てられたオファーを適格にすることへの言及と取られても良い。
【0079】
図面を参照してここに記載された発明は、オファー、広告主および在庫の制約を条件として、そこから少なくとも一つのオファーが償還されることが期待されるオファーセットの割合が最大化されるという意味で作成されたオファーセットが最適であるように、複数の販売場所と小売り業者についてのオファーのセットの作成という技術的効果を提供することが理解されるであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
販売促進のための消費者モデル化の方法であって、複数の販売場所を設けるステップと、消費者行動を分析してそれに基づくデータを販売場所に配送するようにそれぞれ適応された複数のコンピュータ装置を設けるステップと、個々の販売場所のいずれかにおいて販売取引を行っている消費者に少なくとも促進用材料を提供するための、複数の内の個々の販売場所に付随する装置を設けるステップと、からなる方法。
【請求項2】
複数の販売場所は、そのネットワークからなる、請求項1による方法。
【請求項3】
専用の装置は、プリンターからなる、請求項1または請求項2による方法。
【請求項4】
促進用材料は、複数の販売場所のいずれか一つにおける将来の販売取引でのオファー、販売または償還に関するクーポンからなる、請求項1から3のいずれかによる方法。
【請求項5】
複数の販売場所のある販売場所において消費者の購入行動を監視するステップからなる、先行する請求項のいずれかによる方法。
【請求項6】
コンピュータ装置を介して消費者の購入行動を監視して、それにより一般的消費者に対する消費者行動のモデルを確立するステップからなる、先行する請求項のいずれかによる方法。
【請求項7】
複数の販売場所から選択された或る販売場所における償還のために特定の消費者に最適化された促進用材料を配送するための消費者行動データの集まりのステップからなる、先行する請求項のいずれかによる方法。
【請求項8】
データは、ワールドワイドウェブ、インターネット、イントラネット、イーサネット(登録商標)、移動電話およびメールから選択された手段を介して、消費者に配送されるものである、請求項7による方法。
【請求項9】
特定の取引を行っている特定の消費者に関する歴史的情報をコンピュータ装置を介して提供するステップからなる、請求項8による方法。
【請求項10】
時間に渡る消費者販売行動情報を発生し、それにより時間に渡って消費者に提供される促進用材料を最適化するステップからなる、先行する請求項のいずれかによる方法。
【請求項11】
複数の販売場所のためのオファーのセットの用意からなり、それにより償還了解の最大化を提供することからなる、先行する請求項のいずれかによる方法。
【請求項12】
販売促進のための消費者モデル化を提供するシステムであって、複数の販売場所と、消費者行動を分析してそれに基づくデータを販売場所に配送するようにそれぞれ適応された複数のコンピュータ装置と、個々の販売場所のいずれかにおいて販売取引を行う時に消費者に少なくとも促進用材料を提供するための、個々の販売場所に付随する装置と、からなるシステム。
【請求項13】
販売場所は、本質的に異なる販売場所のネットワークからなる、請求項12によるシステム。
【請求項14】
専用の装置は、プリンター装置からなる、請求項12または請求項13によるシステム。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2010−506283(P2010−506283A)
【公表日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−530938(P2009−530938)
【出願日】平成19年10月3日(2007.10.3)
【国際出願番号】PCT/GB2007/003753
【国際公開番号】WO2008/040971
【国際公開日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【出願人】(509098054)ドケット ロケット ピーティワイ リミテッド (1)
【Fターム(参考)】