説明

液体カートリッジ及びその製造方法

【課題】液体カートリッジが記録装置に装着された状態で、液体吸収体に吸収保持されている液体が蒸発するのを抑制し、長期間に亘って安定した液体の吐出動作を実現する。
【解決手段】インクを吸収保持するインク吸収体H1600を備える。また、記録ヘッドにインクを供給するためのインク供給口と、外部に連通された大気連通口H1924とを有し、インク吸収体H1600が収納されるタンク容器H1500を備える。また、インク吸収体H1600に当接されて設けられる蒸発抑制部材H2000を備える。そして、インク吸収体H1600には、蒸発抑制部材H2000に当接する表面に、インク吸収体H1600の他の部分よりも密度が高められた高密度層H1601が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば記録用紙等の被記録材にインク等の液体を吐出して記録する記録装置に用いられる液体カートリッジ、及び液体カートリッジの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、インクジェット記録装置に用いられるインクカートリッジには、その供給口から記録ヘッドへのインク供給性を良好なものとすると共に、液体貯留手段として機能させるために、ウレタンや樹脂繊維等のインク吸収体を備えている。そして、一般的には、このインク吸収体の毛管力を利用して負圧を発生させると共に、主に蓋部材に設けられた、開口面積が縮小された大気連通口を介して気液交換させている。
【0003】
しかしながら、上述した構造のみでは、インクジェット記録装置に装着された状態でインク吸収体に貯留されているインクが、大気連通口を介して時間の経過と共に蒸発する。その蒸発は、インクの濃度が変化することによるインク吐出の不安定化、被記録材への記録濃度のばらつき発生等の不具合発生の因子となることが懸念される。
【0004】
特許文献1では、インクの安定供給を目的として、インクを保持しているインク吸収体の一部に熱を加え溶融し、インクの遮断層を形成する構成が提案されている。
【0005】
また、特許文献2では、ゴミ、気泡のインク吐出部への流出を抑制するためにインク吸収体の一部に熱を加えて溶融し、開口径を収縮させる構成が提案されている。これらの提案は蒸発抑制にも効果がある。
【特許文献1】特許第3720586号公報
【特許文献2】特開平7−47688号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
近年、インクジェット記録方式による被記録媒材への記録は、高精細なものが求められており、そのためにはより小さな粒径のインクを吐出させる必要があった。当然インクの粒径が小さくなるのに伴って、インクの蒸発による濃度の変化が顕著(敏感)になる傾向があった。
【0007】
また、インクジェット記録装置に装着された状態で長期間に亘って良好な記録を保つためには、インクの蒸発による濃度の変化が懸念されていた。以上の問題点から更に蒸発抑制を実現するための構成が望まれていた。
【0008】
そこで、本発明は、製造が容易であり、かつ液体の蒸発による影響を可能な限り抑制し、長期間に亘って安定した液体の吐出動作を行うことができる液体カートリッジ及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した目的を達成するため、本発明に係る液体カートリッジは、液体を吸収保持する液体吸収体と、
液体吐出ヘッドに液体を供給するための液体供給口と、外部に連通された大気連通口とを有し、液体吸収体が収納される容器と、
液体吸収体に当接されて設けられる蒸発抑制部材と、を備える。そして、液体吸収体には、蒸発抑制部材に当接する表面に、液体吸収体の他の部分よりも密度が高められた蒸発抑制補助層が設けられている。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、液体カートリッジが記録装置に装着された状態で、液体吸収体に吸収保持されている液体が容器の大気連通口を介して蒸発するのを抑制できる。したがって、本発明によれば、長期間に亘って安定した液体の吐出動作を行うことができる。また、本発明に係る製造方法によれば、製造工程のタクトタイムが短縮できて、生産の高速化が可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0012】
図1に、本実施形態のインクカートリッジの斜視図を示す。また、図2に、本実施形態のインクカートリッジの分解斜視図を示す。
【0013】
インクジェット記録装置に装着されるインクカートリッジは、記録用紙等の被記録材に液体であるインクを吐出して記録する記録ヘッドと、この記録ヘッドにインクを供給するインクタンクとを備えて構成されている。まず、このインクカートリッジについて構成要素毎に順をおって説明する。
【0014】
(記録ヘッド)
図1(b)に示すように、液体吐出ヘッドとしての記録ヘッドは、被記録材へインクを吐出する記録素子基板H1001と、この記録素子基板H1001に電力を供給する電気配線テープH1300とを有して構成されている。記録素子基板H1001は、電気配線テープH1300内に設けられた開口部内に配置されている。電気配線テープH1300は、外部入力端子H1302と開口部に配された電極端子(不図示)とを経由して、インクジェット記録装置側の制御部(不図示)と記録素子基板H1001との間で信号伝達を行う。
【0015】
(インクタンク)
図2に示すように、本実施形態のインクタンクは、インクを吸収保持するインク吸収体H1600と、このインク吸収体H1600が収納される容器としてのタンク容器H1500とを備えている。また、このインクタンクは、インク吸収体H1600に当接されて設けられる蒸発抑制部材H2000を備えている。
【0016】
タンク容器H1500は、図1(a)に示すように、インク吸収体H1600に吸収保持されたインクを記録ヘッドに供給するための液体供給口としてのインク供給口(不図示)と、外部に連通された大気連通口H1924とを有している。
【0017】
タンク容器H1500は、例えば樹脂成形によって形成されている。樹脂材料としては、機械的剛性を向上させて形状を保つためにガラスフィラーが例えば5%から40%程度混入された樹脂材料を使用することが望ましい。タンク容器H1500は、負圧を発生するインク吸収体H1600が保持される収納空間を有することで、インクを貯留するインクタンクの機能を備えている。また、タンク容器H1500は、タンク容器H1500下部に設けられたインク供給口(不図示)にインクを導くためのインク流路が形成されることで、インク供給機能を備えている。
【0018】
本実施形態のインク吸収体H1600としては、PP(ポリプロピレン)繊維が圧縮されたものを用いたが、例えばウレタンが圧縮されたものでも良い。また、インク吸収体H1600は、図2に示すように、蒸発抑制部材H2000に当接する表面に、インク吸収体H1600の他の表面の部分よりも密度が高められた蒸発抑制補助層としての高密度層H1601が設けられている。インク吸収体H1600は、この高密度層H1601によって、蒸発抑制部材H2000による蒸発抑制作用が補助される。
【0019】
記録ヘッドの各インク流路の上流部とインク吸収体H1600の底面との境界部には、記録素子基板H1001内部にゴミが進入するのを防ぐためのフィルタH1700が溶着されて接合されている。フィルタH1700としては、例えばSUSからなる金属メッシュ構造が用いられても良いが、SUSからなる金属繊維焼結構造の方が好ましい。
【0020】
蓋部材H1900は、タンク容器H1500の上部の開口部に溶着されることで、タンク容器H1500内部の独立した空間をそれぞれ閉塞している。ただし、蓋部材H1900には、タンク容器H1500内部の各部屋(空間)の圧力変動を逃がすための微細口H1910と、それぞれに連通した細溝H1920とを有している。さらに、図1(a)に示すように、細溝H1920のほとんどの部分をシール部材H1800で覆い、この細溝H1920の一端部のみを開口させることで、大気連通口H1924が形成されている。蒸発抑制部材H2000は、インク吸収体H1600と蓋部材H1900との間に配置されており、インク吸収体H1600に保持されているインクが、大気連通口H1924から蒸発することを抑制する。
【0021】
(記録ヘッドとインクタンクとの接合)
図1(b)に示すように、記録ヘッドとインクタンクは、例えば、接着剤、又は熱溶融によって接合される。その際、主に電気配線テープH1300の電極端子を保護するために、記録素子基板H1001の外周部に亘って、封止剤H1307、H1308がそれぞれ塗布される。
【0022】
(インクジェット記録装置に対するインクカートリッジの装着)
図1(a)及び図1(b)に示すように、タンク容器H1500の外周部には、装着ガイドH1560が設けられており、この装着ガイドH1560によってインクジェット記録装置側のタンク装着部(不図示)に装着される。その際、インクタンクは、装着ガイドH1560を構成する記録装置突き当て部H1570、H1580、H1590によってタンク装着部に対して位置決めが行われる。
【0023】
以上が本実施形態における基本構成である。なお、記録ヘッドとインクタンクとが着脱可能に分離される構成、或いはインクジェット記録装置からの着脱が不可能に一体に形成された構成であっても、以下の本実施形態と同様の効果を得られる。また、インクタンクが複数のタンク容器を独立して有する構成であっても、以下の本実施形態と同様の効果を得られる。
【0024】
(第1の実施形態)
第1の実施形態について、図2,図3,図4を参照して説明する。
【0025】
図2には、本実施形態のインクカートリッジの基本構成を示している。図3は、インク吸収体H1600と蒸発抑制部材H2000との間のインク吸収体H1600の表面に、蒸発抑制を補助するための高密度層H1601を形成する工程を示す模式図である。図4(a)は、インクカートリッジの組立工程を示すフローチャートである。また、図4(b)は、インク吸収体H1600と蒸発抑制部材H2000との間のインク吸収体H1600の表面に蒸発抑制を補助するための高密度層H1601を形成する工程を示すフローチャートである。
【0026】
まず、図3及び図4(b)を参照して、インク吸収体H1600に蒸発抑制を補助するための高密度層H1601を形成する工程について説明する。
【0027】
図3(a)及び図3(b)に示すように、インク吸収体H1600と、ステップ11で予め所定温度に加熱しておいたヒータH3000との間に、蒸発抑制部材H2000を配置する(ステップ12)。続いて、ステップ13で、ヒータH3000を蒸発抑制部材H2000に当接させる。ヒータH3000の熱が蒸発抑制部材H2000を介してインク吸収体H1600に伝達され、蒸発抑制部材H2000が当接されたインク吸収体H1600の表面が熱圧縮される。その結果、インク吸収体H1600の表面には、インク吸収体H1600の他の外周面よりも気液透過面積が小さくされた高密度層H1601が形成される。インク吸収体H1600の表面に高密度層H1601が形成された後、ヒータH3000を蒸発抑制部材H2000から離間させる(ステップ14)。
【0028】
本実施形態において、蒸発抑制部材H2000としては、アルミニウムを用いて、厚さを12μmに形成した。この構成は、インク吸収体H1600を加熱して高密度層H1601を効率良く形成するためのものであり、熱伝導率が比較的高く、インク吸収体H1600よりも融点が高い材料であれば他の材料を用いてもよい。なお、蒸発抑制部材H2000としては、例えばステンレス鋼(SUS)、銅、黄銅等の金属材料が好ましい。
【0029】
また、本実施形態のヒータH3000は、ステップ11に示したように、加熱する際にヒータH3000を毎回加熱させているが、常時、設定温度に保温させておいても良いことは勿論である。本実施形態では、設定温度が180℃にされたが、設定温度としては、インク吸収体H1600のみが溶融され、蒸発抑制部材H2000が溶融されない温度であれば、必要に応じて適宜設定されても良い。
【0030】
さらに、本実施形態の蒸発抑制部材H2000の表面は、平坦な面に形成されているが、インク吸収体H1600との密着性を向上させるために、インク吸収体H1600に当接される表面に凹凸を形成し、接触面積を増やしても良い。
【0031】
次に、図2、図4(a)を参照して、高密度層H1601が設けられたインク吸収体H1600を用いてインクカートリッジを製造する製造工程について説明する。
【0032】
図2に示すように、予めフィルタH1700が接合されたタンク容器H1500を用意する。図4(a)に示すように、ステップ1で、タンク容器H1500内に所定量のインクを注入する。本実施形態では、タンク容器H1500内にインクを15g注入した。続いて、ステップ2で、高密度層H1601が設けられたインク吸収体H1600と、蒸発抑制部材H2000とを、タンク容器H1500内の所定位置にそれぞれ挿入する。そして、ステップ3で、蓋部材H1900をタンク容器H1500の開口を閉じるように溶着する。最後に、ステップ4で、蓋部材H1900の表面に、細溝H1920の一端部のみを開口させるようにシール部材H1800を貼付けることで、大気連通口H1924を形成する。
【0033】
以上が基本的な組立工程である。本実施形態では、ステップ2に示したように、高密度層H1601が設けられたインク吸収体H1600と、蒸発抑制部材H2000との挿入を同時に行ったが、これらを順番に挿入しても良い。また、インク吸収体H1600及び蒸発抑制部材H2000の挿入を行うステップ2の後に、タンク容器H1500にインクを注入するステップ1を行っても良い。さらに、蒸発抑制部材H2000を介してインク吸収体H1600に高密度層H1601を形成する一連のステップ11からステップ14までは、インク吸収体H1600及び蒸発抑制部材H2000の挿入を行うステップ2と同時に行われても良い。ただし、その場合には、タンク容器H1500内部の熱変形を考慮する必要がある。
【0034】
【表1】

【0035】
本実施形態におけるインクの蒸発量の結果を表1に示す。サンプルとしては3つの条件で各々2個ずつ製作し、環境温度が60℃のもとで3日間(72時間)の保存後と、6日間(144時間)の保存後とにおいて、大気連通口H1924からの蒸発量を測定し、蒸発率を算出した。また、全てのサンプルは、本実施形態の効果を確認するために、タンク容器H1500下部に設けられているインク供給口をエポキシ系の接着剤で塞いで測定を行った。本実施形態は、サンプルC,Dに相当する。また、サンプルA,Bが蒸発を抑える構成が何も施されていないものであり、サンプルE,Fは従来の構成を模したものである。
【0036】
表1に示すように、本実施形態(サンプルC、D)は、インク吸収体H1600のみの構成(サンプルA、B)と、高密度層H1601が設けられている構成(サンプルE、F)のどちらよりも、明らかに大気連通口H1924からの蒸発を抑制できた。また、図5は、3つ条件の蒸発量を各々平均化してグラフ化したものである。図5に示すように、10日後の蒸発量を推測すると、本実施形態のサンプルC,DとサンプルA,Bとの蒸発量の差は1.55g、サンプルE,Fの蒸発量の差は1.02gにまで拡がる。この差の蒸発量のインクで、記録用紙に標準パターンを記録した場合、記録可能枚数は、1.55gのインク量で34枚分、1.02gのインク量で23枚分にそれぞれ相当する。今回の保存環境温度の60℃は、一般的な使用環境としてオフィスの環境温度の20℃と比較すると、12倍程度に加速したことになる。つまり、本実施形態(サンプルC、D)は、1ヶ月間のオフィスでのインクの蒸発による記録枚数の減少を、サンプルA,Bに対して記録用紙34枚分のインク量、サンプルE,Fに対して記録用紙23枚分を抑制することができる。
【0037】
以上のように本実施形態のインクカートリッジによれば、インクジェット記録装置に装着された状態において、タンク容器H1500の大気連通口H1924からのインクの蒸発を抑制することができる。また、このインクカートリッジの製造方法によれば、インク吸収体H1600からのインクの蒸発の抑制を補助する高密度層H1601を形成する際に、加熱溶融後の冷却時間が不要になり、組立て作業時間が短縮される。
【0038】
(第2の実施形態)
第2の実施形態のインクカートリッジについて、図6を参照して説明する。図6に示すように、本実施形態は、第1の実施形態と同様の製造方法で、フィルタH1700に当接する底面以外の、他の全てのインク吸収体H1600の外周面に、蒸発抑制部材H2000〜H2004がそれぞれ配置されている。蒸発抑制部材H2000〜H2004にそれぞれ当接されるインク吸収体H1600の表面には、熱圧縮された高密度層H1601がそれぞれ形成されている。
【0039】
インク吸収体H1600とタンク容器H1500の内周部の側面との間に空隙がある場合には、インク吸収体H1600の側壁面からの蒸発が抑制することが困難であるため、特にこのような場合に、実施形態の構成は有効である。本実施形態におけるインク吸収体H1600は、
記録ヘッドにインクを供給するインク供給面、つまり底面以外の全ての外周面が、蒸発抑制部材H2000〜H2004で被覆されているので、他の実施形態よりもインクの蒸発を更に抑えることができる。
【0040】
(第3の実施形態)
第3の実施形態について、図7を参照して説明する。図7(a)に示すように、塗布ローラH4000に対してインク吸収体H1600を矢印方向に移動させて、インク吸収体H1600の表面を塗布ローラH4000の周面に接触させる。塗布ローラH4000には、図7(c)に示すように、予め外周部に薬液H4001が含浸されている。インク吸収体H1600の表面を塗布ローラH4000の周面に接触させることで、図7(b)に示すように、塗布ローラH4000の周面から薬液H4001がインク吸収体H1600の表面に転写され、薬液H4001によって高密度層H1602が形成される。薬液H4001は、第1の実施形態において加熱によって形成された高密度層H1601に類似した高密度層H1602を形成するためものであればよい。すなわち、薬液H4001は、薬液H4001が塗布されたインク吸収体H1600の外周面の気液透過面積が、このインク吸収体H1600における他の外周面に比べて小さくなれば良い。
【0041】
なお、本実施形態では、薬液H4001として接着剤が用いられたたが、例えば防腐剤や酸化防止剤や封止剤等がでも良い。その際、薬液として選択した材料の物性によって塗布ローラH4000による転写が困難な場合には、インク吸収体H1600の表面に直接、薬液H4001を滴下させても良い。以上の工程を経て高密度層H1602が形成されたインク吸収体H1600を、第1の実施形態と同様に、図4(a)に示した組立工程でインクカートリッジを組立てる。
【0042】
本実施形態は、リサイクル性を考慮して蒸発抑制部材H2000の材料として樹脂材料等を使用することで、蒸発抑制部材とインク吸収体H1600とに融点差を設けることができない場合に有効な構成である。
【0043】
本実施形態においても、第1の実施形態と同様に、インク吸収体H1600と蒸発抑制部材H2000との密着性を更に向上させたい場合、インク吸収体H1600に当接される蒸発抑制部材H2000の表面に凹凸を形成することで、接触面積を増やしても良い。本実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】インクカートリッジを示す斜視図である。
【図2】インクカートリッジを示す分解斜視図である。
【図3】インク吸収体に高密度層を形成する工程を示す模式図である。
【図4】インクカートリッジの製造方法を説明するためのフローチャートである。
【図5】蒸発量と時間との関係を示す図である。
【図6】第1の実施形態のインクカートリッジを説明するための分解斜視図である。
【図7】第3の実施形態のインクカートリッジを説明するための模式図である。
【符号の説明】
【0045】
H1001 記録素子基板
H1200 インク供給口
H1500 タンク容器(容器)
H1600 インク吸収体
H1601 高密度層(蒸発抑制補助層)
H1900 蓋部材
H1910 微細口
H1920 細溝
H1924 大気連通口
H2000 蒸発抑制部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体を吸収保持する液体吸収体と、
液体吐出ヘッドに液体を供給するための液体供給口と、外部に連通された大気連通口とを有し、前記液体吸収体が収納される容器と、
前記液体吸収体に当接されて設けられる蒸発抑制部材と、を備え、
前記液体吸収体には、前記蒸発抑制部材に当接する表面に、前記液体吸収体の他の部分よりも密度が高められた蒸発抑制補助層が設けられている液体カートリッジ。
【請求項2】
前記蒸発抑制部材の融点は前記液体吸収体の融点よりも高い、請求項1に記載の液体カートリッジ。
【請求項3】
前記蒸発抑制部材はアルミニウムからなる、請求項2に記載の液体カートリッジ。
【請求項4】
前記液体吐出ヘッドが着脱可能に設けられている、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の液体カートリッジ。
【請求項5】
前記液体吐出ヘッドが一体に設けられている、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の液体カートリッジ。
【請求項6】
液体を吸収保持する液体吸収体と、
液体吐出ヘッドに液体を供給するための液体供給口と、外部に連通された大気連通口とを有し前記液体吸収体が収納される容器と、
前記液体吸収体に当接されて設けられた蒸発抑制部材と、を備える液体カートリッジの製造方法であって、
前記液体吸収体の、前記蒸発抑制部材に当接する表面に、前記液体吸収体の他の部分よりも密度が高められた蒸発抑制補助層を形成する工程を有することを特徴とする液体カートリッジの製造方法。
【請求項7】
前記蒸発抑制補助層が設けられた前記液体吸収体を前記容器に挿入する工程と、
前記蒸発抑制部材を前記容器に挿入する工程と、
前記容器に液体を注入する工程と、
容器に蓋部材を溶着する工程と、を有する、請求項6に記載の液体カートリッジの製造方法。
【請求項8】
前記容器にインクを注入する工程は、前記液体吸収体を前記容器に挿入する工程及び前記蒸発抑制部材を前記容器に挿入する工程よりも前に行われる、請求項7に記載の液体カートリッジの製造方法。
【請求項9】
前記蒸発抑制部材を介して前記液体吸収体の表面を加熱することによって、前記蒸発抑制補助層を形成する、請求項6に記載の液体カートリッジの製造方法。
【請求項10】
前記液体吸収体の表面に薬液を塗布することによって、前記蒸発抑制補助層を形成する、請求項6に記載の液体カートリッジの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−132079(P2009−132079A)
【公開日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−310941(P2007−310941)
【出願日】平成19年11月30日(2007.11.30)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】