説明

液体サンプリング用ピペットにおける正確な液量測定用のシステムと方法

【課題】ピペットの現在の物理的状態又は要求された容積に応じて、ピペットで液体を吸引/放出するために、液体の要求された容積を調整する方法と装置を提供すること。
【解決手段】本発明のピペットは、ピストン組立体に接触すし、チップホルダ内でピストン組立体のピストンロッドを移動させるピストン駆動機構を有し、これによりチップホルダ内の液体の調整を行う。本発明の方法は、(A)ピペットで、要求された容積を選択するステップ(要求された容積は調整される液体の量を表し)と、(B)容積特性を用いて、修正容積を計算するステップ(容積特性は、要求された容積の関数としてチップホルダ内で調整される液体量の差を表し)と、(C)ピペットのユーザに修正容積を表示するステップとを有する。これによりチップホルダ内の液体の要求された容積を調整する。前記容積特性は校正プロセスを用いて決定される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体の調整した量を吸引し放出するピペットに関し、特に、液体の正確な量を測定する液体サンプリングピペットに関する。
【背景技術】
【0002】
製薬研究、ゲノム研究、タンパク研究、生物学研究、薬剤開発研究あるいは他のバイオテクノロジーのアプリケーションにおいては、液体ピペットを用いて、様々な実験手順において実験用サンプルを取り扱っている。ピペットを用いてある量の液体をピペット内に吸引する。その液体をその後1つあるいは複数の放出容積に分けて放出する。ピストン駆動機構で、ピストン組立体を動かすことにより、所定量の液体を吸引し放出するのを制御する。ピペットを手動で操作する場合、ユーザは感圧性ノブを用いて液体の吸引量と放出量とその速度を手動で制御している。別構成として、ピペットをモータ駆動させる場合、モーターが液体の吸引と/又は放出を制御している。いずれの場合においても、ピペットは、例えば、吸引する必要量を表示するような電子部品を有する。ユーザは様々なパラメータを、例えば速度、容積、吸引の回数、放出の回数を、ピペットに搭載されるディスプレイを用いて選択できる。ピストンロッドの動きは、ピストン駆動機構によりかかる推力により制御される。モータ駆動の(機械式)ピペットにおいては、ピストンロッドの動きはピペットのハウジング内に収納された小型プロセッサで制御される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
機械式ピペットあるいは非機械式(手動式)ピペットのいずれにおいても、ピペットにより実際に調整される液体の量の誤差は、様々な影響で原因で発生する。サンプリングするために少量の液体が必要な場合には、ある影響が観測される。実際にサンプリングされる容積は、必要容積よりも大きい。サンプリングされる容積が少ない場合には、誤差は毛細管現象に起因して発生する。逆に大容量(容積)の液体が必要とされる場合には、実際にサンプリングされる量は必要容積よりも小さい。サンプリングされる量が大量の場合には、誤差は液体を圧縮する液体柱の重量に起因する。更に誤差は、ピペットの校正温度とは異なるピペットの実際の動作温度が原因で発生する。例えばピペットの加温は、ユーザが長時間に渡りピペット取り扱うと発生する。ピペットの加温は、吸引又は放出する液体を調整するピペットの構成要素の膨張を引き起こし、必要とされる容積の吸引に誤差を発生させる。冷たいピペットではその構成要素は収縮する。更に別の誤差が、校正雰囲気とは異なるピペットの現在の周囲状態が原因で発生する。例えばピペットが動作する雰囲気の温度、圧力、湿度は、ピペットの校正時の周囲パラメータとは異なる。それ故に必要なことは、ピペットの現在の物理的状態と/又は現在必要とされる容積を修正する方法であり、これにより液体を取り扱うピペット内の液体の必要量を正確に調整することである。更に必要なことは、ピペットの販売値段を抑えその製造工程を単純化しながら、ピペットの精度を改善する方法である。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の一実施形態は、ピペットの現在の物理的状態を修正することにより液体処理ピペット内の液体の必要量を調整する方法である。本発明の方法は、これに限定されるものではないが、本発明は、ピペットの現在の物理的状態に応じて修正することにより、液体を取り扱うピペット内の液体の要求された容積を調整する方法において、ピペットで、要求された容積を選択するステップ(前記ピペットは、ピストン駆動機構を有し、前記ピストン駆動機構は、ピストン組立体のピストンロッドをチップホルダ内で移動させるよう、ピストン組立体に接触し、これによりチップホルダ内の液体の量を調整し、前記要求された容積は、調整する溶液の量を表し)と、容積特性を用いて修正容積を計算するステップ(前記容積特性は、チップホルダ内で調整される液体の量を要求された量の関数としての差を特徴付け、前記容積特性は、校正プロセスを用いて決定され)と、ピペットのユーザに修正容積を表示するステップ(これによりチップホルダ内の液体の要求された容積を調整する)とを有する。
【0005】
本発明の一実施形態は、ピペットの現在の物理的状態を修正することにより液体処理ピペット内の液体の必要量を調整する装置である。本発明の装置は、これに限定されるわけではないが、ボディケースと、チップホルダと、ピストン組立体と、ピストン駆動機構と、容積セレクタと、ディスプレイと、プロセッサとを有する。チップホルダは、ボディケースに搭載される。ピストン組立体は、チップホルダに搭載され、これに限定されるわけではないが、チップホルダ内に適合するピストンロッドを有する。前記ピストン駆動機構は、これに限定されるわけではないが、ピストン組立体に接触する表面を有するコントロールロッドを有し、前記ピストン駆動機構は、チップホルダ内でピストン組立体のピストンロッドを移動させ、これによりチップホルダ内の液体の調整を行う。容積セレクタは、ボディケースに搭載され、ユーザが要求された容積を選択できるよう構成される。要求された容積は、調整すべき液体の量を表す。ディスプレイは、ボディケースに搭載される。プロセッサは、ディスプレイと容積セレクタに接続され、容積特性を用いて修正容積を計算する。前記容積特性は、要求された容積の関数として、チップホルダ内の調整された液体の量の差を特徴付ける。容積特性は、校正プロセスを用いて決定される。ディスプレイは、修正容積をピペットのユーザに示し、これによりチップホルダ内の液体の要求された容積を調整する。
【0006】
本発明の基本的特徴及び利点は、図面、発明の詳細の説明、特許請求の範囲を検討することにより当業者に明らかである。
【0007】
(実施形態)
本明細書において用語「搭載する」とは、結合する、統合する、接続する、関連づける、挿入する、吊す、保持する、固着する、取り付ける、固定する、貼り付ける、ボルト締めする、ネジ止めする、リベットで付ける、はんだ付けする、溶接する等の意味を含む。用語「調整する」とは、ピペット内の液体を吸引することあるいは放出することを含む。図1,2の実施形態において、電子ピペット30は、液体容積を連続的に1個あるいは複数個のチップホルダ36に自動的に吸引し放出するよう指令を受ける。この電子ピペット30は、複数の構成要素とサブシステムを含み、それらが一体となって正確な容積の液体を吸引し放出する様々な動作モードを提供する。電子ピペット30の構成要素とサブシステムは、これに限定されるものではないが、ボディケース32と、ピストン駆動機構34と、ピストン組立体35と、チップホルダ36と、内部パワーサブシステム38と、外部チップ離脱機構40と、内部チップ離脱機構42と、制御電子カード44と、ディスプレイ170と、容積選択器172とを有する。これらの構成要素とサブシステムのあるものは当業者に公知であり詳細な説明はここでは割愛する。ボディケース32は、通常中空で、電子ピペット30の他の構成要素の配置基準として機能する。ピペットの構成要素の多くはは、直接的あるいは間接的に、ボディケース32に搭載される。ボディケース32は、ユーザが電子ピペット30を保持できるようなグリップを提供し、ピペットを取り扱う時には、ユーザの手と直接接触するピペット部品の1つとなる。
【0008】
内部パワーサブシステム38は、バッテリー120と、コネクター122と、バッテリーケース124とを含む。このバッテリーケース124は、バッテリー120を保持しボディケース32にはまる。バッテリーは、パワーを例えばピストン駆動機構34と/又は制御電子カード44に送る。コネクター122は、電気的接続機能を制御電子カード44に与える。制御電子カード44は、これに限定されるものではないが、プロセッサ、メモリ、クロック、他の関連電子部品(図示せず)を有する。
【0009】
ピストン駆動機構34により、チップホルダ36を介して、所定量の液体の吸引と放出が、チップホルダ36内の縦方向軸A-Aに沿って、ピストン組立体35内をピストンロッド94を移動させることにより行われる。ピストンの移動により空気の吸排気が行われ、これにより液体をチップホルダ36内に吸引するあるいはチップホルダ36外に放出する。ピストン駆動機構34はユーザにより手動で、例えば図3に示すボリュームセレクタ202の回転により制御されるか、あるいはモータ70を使用して自動的に制御される。図2の実施形態を参照すると、ピストン駆動機構34は、これに限定されるものではないが、モータ70と、制御ロッド72と、制御ロッドチップ74と、制御ロッド支持部材76と、ハウジング78と、チップホルダ取り付けノブ80とを有する。ピストン駆動機構34は、制御ロッド72は縦方向軸A-Aに沿って伸びるよう、電子ピペット30のボディケース32内に取り外し可能に搭載される。
【0010】
モータ70は、制御ロッド72を、制御電子カード44に搭載されたプロセッサの制御に従って、移動させる。モータ70は、従来公知の様々な電子機械装置を用いて実現できる。モータ70は、正確に制御ロッド72を縦軸A-Aに沿って上下に移動し、液体を、チップホルダ36内に吸引したりチップホルダ36から放出する。モータ70は、制御電子カード44のプロセッサとインターフェースし、制御電子カード44からモータ70は電気信号を受領して制御ロッド72の移動を制御する。制御電子カード44は、モータ70と通信する1つあるいは複数のコネクタあるいはインターフェースを有する。制御ロッドチップ74は、制御ロッド72のモータ70の反対端部に搭載される。例えば制御ロッドチップ74は、制御ロッド72にネジで係合される。制御ロッド支持部材76は、制御ロッド72が縦軸A-Aに沿って移動できるよう保持する。ハウジング78は、制御ロッド支持部材76に搭載され、制御ロッド72の一部と制御ロッドチップ74を収納し、制御ロッド支持部材76を越えて伸び、ソケットを構成する。
【0011】
図2の実施形態を参照すると、ピストン組立体35は、これに限定されるものではないが、ピストンヘッド92と、ピストンロッド94と、ピストンハウジング96と、ピストン復帰バネ98と、スプリングガイド100とを有する。ピストンヘッド92は、金属製あるいはプラスチック材料製の円形ディスクである。ピストンヘッド92は、第1面91を有する。ピストンロッド94は、ピストンヘッド92に搭載され、ピストンヘッド92の第1面91に直交する方向に伸びる。ピストンロッド94は円筒形状をしている。
【0012】
ピストンハウジング96は、ピストンヘッド92に搭載され、ピストンヘッド92の第1面91に直交する方向に伸び、ピストンロッド94を包囲する。ピストンハウジング96は、円筒形をしており、1つあるいは複数のテーパ部分を有する。ピストン復帰バネ98は、ピストンハウジング96に搭載され、ピストンヘッド92の第1面91に直交する方向で縦軸A-Aに沿って伸びる。本発明の実施形態においては、ピストン復帰バネ98は、ピストンハウジング96上をスライドし、ピストン復帰バネ98とピストンヘッド92に隣接するピストンハウジング96の部分との間に、摩擦力により配置される。ピストン組立体35は、図2に示すピストン駆動機構のハウジング78内にスライドする。
【0013】
図2の実施形態に示すように、チップホルダ36は、これに限定されるものではないが、上部チューブ110と、下部チューブ112と、Oリング114とを有する。下部チューブ112は、上部チューブ110に搭載される。例えば下部チューブ112は、ネジ切り端部を有し、この部分が上部チューブ110のネジの切られた表面にネジ止めされる。上部チューブ110と下部チューブ112は、1つあるいは複数のテーパ状部分を有する。Oリング114は、上部チューブ110と下部チューブ112との間のアンダーカットされた部分に配置される。Oリング114は、ピストンロッド94と下部チューブ112との間で防水接続機能を提供する。チューブ取り付けナット84は、ピストン組立体35に圧力を加えるチップホルダ36の上をスライドし、これによりチップホルダ36がボディケース32とピストン駆動機構34に対し動かないようにする。
【0014】
制御ロッドチップ74は、ピストン駆動機構34のハウジング78内でピストン組立体35の第1面91に接触する。液体を放出するときは、ピストン駆動機構34は、縦軸A-Aに沿った制御ロッドチップ74の移動により、ピストン組立体35をピストン駆動機構34から離す方向に、制御ロッドチップ74が第1面91に接触する場所で、押す。ピストン復帰バネ98は、チューブ取り付けナット84により保持されたスプリングガイド100に当たって圧縮される。液体を吸引するときは、ピストン駆動機構34は、制御ロッドチップ74をピストン駆動機構34の方向に移動させる。この移動にもかかわらず、第1面91は、ピストン復帰バネ98の圧縮力の結果、制御ロッドチップ74に接触した状態を維持する。
【0015】
外部チップ離脱機構40と内部チップ離脱機構42は、チップ130を、電子ピペット30の吸引端と放出端から離脱させ、サンプルの汚染を回避する。内部チップ離脱機構42は、これに限定されるものではないが、離脱ノブ140と、固定シリンダ142と、ノブシリンダ144と、ボディシリンダ146と、ロッド148と、離脱スプリング150と、搭載ブレース(固定器)152を有する。固定シリンダ142は、ボディケース32に搭載される。搭載ブレース152は、ボディケース32と/又は固定シリンダ142に搭載される。固定シリンダ142と搭載ブレース152は、ボディケース32に固定保持される。離脱ノブ140は、ノブシリンダ144に搭載される。離脱ノブ140は、縦軸A-Aの周囲に回転可能で、ユーザの左手あるいは右手のいずれかを用いて適正な操作を確保する。ノブシリンダ144は、スライド可能に固定シリンダ142に搭載され、ノブシリンダ144の動きと離脱ノブ140の圧縮と組み合わせ、チップ130を離脱する。ボディシリンダ146は、ノブシリンダ144に搭載される。ロッド148は、ノブシリンダ144に対向するボディシリンダ146の一端に搭載される。離脱スプリング150は、ボディシリンダ146に第1端156で、搭載ブレース152に第2端158で搭載される。離脱ノブ140を圧縮することにより、ロッド148をチップ130の方向に駆動する。離脱スプリング150により、ロッド148は反対方向に戻り、これにより、離脱ノブ140が解放されたときに、離脱ノブ140を元の位置に戻す。
【0016】
図2を参照すると、外部チップ離脱機構40は、これに限定されるものではないが、離脱ブレード156と離脱ブレード調整ノブ158とを有する。離脱ブレード156は、チップホルダ36の外側形状に沿った湾曲形状を有する。離脱ブレード156は、第1端部160と第2端部162とを有する。第2端部162は、閉鎖シリンダーを有し、チップホルダ36の上をスライドする。その結果離脱ノブ140を圧縮することにより、離脱ブレード156をチップホルダ36に沿って移動させて、チップ130を第2端部162でチップホルダ36から離脱させる。第1端部160近傍で離脱ブレード156に搭載された離脱ブレード調整ノブ158を回転させることにより、離脱ブレード156の第2端部162はチップホルダ36を上下に移動させる。チップホルダ36に沿って離脱ブレード156の位置を調整することにより、外部チップ離脱機構40は様々な種類のチップを離脱する。
【0017】
電子ピペット30は、コンピュータ装置と通信する通信インターフェースを有する。コンピュータは、ディスクトップ、ラップトップ、パーソナルデータアシスタントのいずれかのコンピュータでもよい。コンピュータは、物理的に電子ピペット30から離れて配置される。通信インターフェースは、チップ130に対向したボディケース32の上部に配置され、電子ピペット30の操作を干渉することなく、ユーザにより容易にアクセス可能となる。電子ピペット30とコンピュータとの間の通信は様々な伝送技術を用いる。例えば、符号分割多重化(Code Division Multiple Access(CDMA)), Global System for Mobile Communications(GSM), Universal Mobile Telecommunications Systen(UMTS), 時分割多重化(Time Division Multiple Access(TDMA)),Transmission Control Protocol/Internet Protocol(TCP/IP), Short Messaging Service(SMS), Multimedia Messaging Service(MMS), e-mail, Instant Messaging Service(IMS), Bluetooth, IEEE 802.11, 等でる。電子ピペット30とコンピュータとは、これに限定されるものではないが、様々な媒体例えば無線、赤外線、レーザー、ケーブル等を用いて通信される。通信インターフェースは、有線接続と/又は無線接続を用いる。
【0018】
有線接続は、電子ピペット30の通信インターフェースに接続する第1端と、コンピュータの通信インターフェースに接続する第2端とを有する。本発明の一実施形態においては、電子ピペット30の通信インターフェースは、Institute of Electrical and Electronics Engineers (IEEE)1394 mini 標準に適合する。本発明の一実施形態においては、コンピュータの通信インターフェースは、RS 232 のタイプでUniversal Serial Bus connector と接続する。本発明の他の実施形態においては、電子ピペット30の通信インターフェースと/又はコンピュータの通信インターフェースは、Ethernet(登録商標)インターフェースでもよい。
【0019】
無線インターフェースは、短距離から長距離までの様々な距離に渡って、装置間を接続する。電子ピペット30とコンピュータ装置は、無線信号をブロードキャストしたり受信したりするプロセスをサポートする。無線信号は、例えばIEEE 802.11TM(登録商標)標準で、802.11 a, 802.11 b, 802.11 f or 802.11 gのいずれかのバージョンを用いることもできる。更に無線信号は、例えば最新のバージョンであるIEEE 802.15.1のBLUETOOTH標準を用いることもできる。IEEE 802.11TM(登録商標)規格は、Wireless Local Area Networks (WLANs)の無線標準を規定し、ワイヤレスのクライアントとベースステーションあるいはアクセスポイント間、及び無線クライアント間の無線(over-the-air)インターフェースを提供する。IEEE 802.15 Working Groupは、複雑でなくかつ低電力消費のWireless Personal Area Networks(PANs)を提供し、例えばこれらはBluetooth仕様により支持されている。
【0020】
図3を参照すると、手動式ピペット200の断面が一実施形態として示されている。手動式ピペット200の構成要素とサブシステムは、これに限定されるものではないが、ボリュームセレクタ202と、ボディケース204と、ピストン駆動機構206と、ピストン組立体208と、チップホルダ210と、バッテリー212と、チップ離脱機構214と、ディスプレイ216と、制御電子カード218と、チップの種類を示すインディケータ256を有する。これらの構成要素とサブシステムは、当業者で公知であり、詳細な説明は割愛する。ボリュームセレクタ202は、ノブ220と調整ネジ222とを有する。ノブ220を回転させることにより、調整ネジ222が縦軸方向A-Aに沿って上下し、これにより吸引あるいは放出する要求容積を変化させる。
【0021】
ボディケース204は一体部品材料から形成される。本発明の実施形態によれば、この材料はプラスチックである。ボディケース204は、通常中空で、ピペット200の他の構成要素に対し取り付け基準として機能する。例えば調整ネジ222の位置は、ボディケース204に対し調整可能であり、調整する為に要求される液体容積を設定する。かくして多くのピペット構成要素は、直接的あるいは間接的に、ボディケース204に搭載される。ボディケース204は、これに限定されるものではないが、窓を有し、そこを通してディスプレイ216が見える。この窓は、ガラス製又は透明なプラスチック製である。ボディケース204は、ユーザに対しピペット200を保持するグリップを提供する。かくしてピペットの部品の1つが、ユーザがピペットを取り扱うときに、ユーザの手に直接接触する。
【0022】
ピストン駆動機構206により、チップホルダ210を通して液体の必要量の吸引と放出が、これはピストンロッド224をピストン組立体208内で縦軸A-Aに沿って動かすことにより、行われる。ピストンロッドの移動により空気の容積の移動が起こり、これによりチップホルダ210内に液体が吸引され、チップホルダ210から液体が放出される。ピストン駆動機構206は、これに限定されるものではないが、制御ロッド226と、制御ロッドチップ228と、制御ロッド支持部材230と、ハウジング232と、チップホルダ取り付けノブ234とを有する。ピストン駆動機構206は、ピペット200のボディケース204内に取り外し可能に、制御ロッド226は縦軸A-Aに沿って伸びるよう、搭載される。本発明の一実施形態においては、チップホルダ取り付けノブ254は、ピペット200の内側内部に固定されるチップホルダ取り付けノブ234に搭載される。
【0023】
ノブ220を回転することにより、制御ロッド226の(平行)移動が行われる。制御ロッドチップ228は、ノブ220に対向する制御ロッド226の端部に搭載される。例えば制御ロッドチップ228は、制御ロッド226の内側または外側にネジで結合される。制御ロッド支持部材230は、制御ロッド226が縦軸A-Aに沿って移動するのを維持する。ハウジング232は、制御ロッド支持部材230に搭載され、制御ロッド226と制御ロッド支持部材230を越えて伸びる制御ロッドチップ228の一部を包囲し、ソケットを形成する。
【0024】
ピストン組立体208は、これに限定されるものではないが、ピストンヘッド236と、ピストンロッド224と、ピストンハウジング240と、ピストン復帰スプリング242と、スプリングガイド244とを有する。ピストンヘッド236は、金属製あるいはプラスチック材料製の円形ディスクである。ピストンヘッド236は、第1面246を有する。ピストンロッド224はピストンヘッド236に搭載され、ピストンヘッド236の第一面246に直交する方向に伸びる。ピストンロッド224は円筒形状を有する。
【0025】
ピストンハウジング240は、ピストンヘッド236に搭載され、ピストンヘッド236の第一面246に直交する方向に伸び、ピストンロッド224を包囲する。ピストンハウジング240は、ほぼ円筒形状をし、1つあるいは複数のテーパ部分を有する。ピストン復帰スプリング242は、ピストンハウジング240に搭載され、ピストンヘッド236の第一面246に対向して直交する方向に、縦軸A-Aに沿って伸びる。本発明の一実施形態においては、ピストン復帰スプリング242は、ピストンハウジング240上をスライドし、ピストン復帰スプリング242とピストンヘッド236に隣接するピストンハウジング240の一部の間に摩擦力で配置される。組立のときには、ピストン組立体208は、ピストン駆動機構206のハウジング232内にスライドする(図3)。
【0026】
図3の実施形態に示すように、チップホルダ210は、これに限定されるものではないが、上部チューブ248と、下部チューブ250と、Oリング252とを有する。下部チューブ250は、上部チューブ248に搭載される。例えば下部チューブ250は、ネジ切り端部を有し、この部分が上部チューブ248のネジの切られた表面にネジ止めされる。上部チューブ248と下部チューブ250は、1つあるいは複数のテーパ状部分を有する。Oリング252は、上部チューブ248と下部チューブ250との間のアンダーカットされた部分に配置される。Oリング252は、ピストンロッド224と下部チューブ250との間で防水接続機能を提供する。チューブ取り付けナット254は、ピストン組立体208に圧力を加えるチップホルダ210の上をスライドし、これによりチップホルダ210がボディケース204とピストン駆動機構206に対し動かないようにする。
【0027】
制御ロッドチップ228は、ピストン駆動機構206のハウジング232内でピストン組立体208の第1面246に接触する。液体を放出するときは、ピストン駆動機構206は、縦軸A-Aに沿った制御ロッドチップ228の移動により、ピストン組立体208をピストン駆動機構206から離す方向に、制御ロッドチップ228が第1面246に接触する場所で、押す。ピストン復帰バネ242は、チューブ取り付けナット254により保持されたスプリングガイド244に当たって圧縮される。液体を吸引するときは、ピストン駆動機構206は、制御ロッドチップ228をピストン駆動機構206の方向に移動させる。この移動にもかかわらず、第1面246は、ピストン復帰バネ242の圧縮力の結果、制御ロッドチップ228に接触した状態を維持する。
【0028】
チップ離脱機構214は、チップ130を電子ピペット30の吸引端と放出端から図2,3と同様な方法で、離脱させるが、これはサンプルの汚染を防ぐためである。ディスプレイ216は、情報をピペットのユーザに示す。例えばユーザが選択したノブ220を回転させることにより、選択した必要容量が、ディスプレイ216に表示される。制御電子カード218は、これに限定されるわけではないが、プロセッサと、メモリと、クロックと、他の関連電子部品(図示せず)とを有し、ディスプレイ216と、ピペット200の調整を制御する。バッテリーは、エネルギーを例えばディスプレイ216と制御電子カード218に与える。
【0029】
図4を参照すると、ピペット200は、校正プロセスの間、スケール260に接続ワイヤ262を介して接続される。接続ワイヤ262は、ピペット200に、端末264を介して接続され、スケール260からのデータをピペットのメモリに直接与える。例えば端末264は、RS232型のコネクタである。他の実施形態においては、ピペット30も同様な方法で使用できる。
【0030】
図5を参照して、図4のピペット200を用いた校正プロセスのフローチャートを示す。ステップ278において、ピペット200の重量をスケール260を用いて決定する。ステップ280において、ユーザは、ピペット200で調整すべき校正容積を選択する。ステップ282において、ユーザは、ピペット200を用いて必要な容積を吸引する。ステップ284において、吸引された液体を含むピペット200の吸引された状態の重さをスケール260を用いて測定する。ステップ286において、吸引された実容積を、ピペット200の吸引された状態の重さとピペット200が空の時の重さとの差と、当業者に公知の吸引された液体の物理的特性に基づいて計算する。ステップ288において、計算された実吸引容積をピペット200に送り、そこで校正容積と共にメモリに記憶させる。例えば、校正容積と測定された実吸引容積は、データベース内にあるいは当業者に公知の表内に記憶させる。ステップ290において、テストは更なる校正容積が吸引されるべきかを決定する。決定が肯定的の(YES)場合には、ステップ280−288は、更なる校正容積に対し繰り返される。本発明の他の実施形態においては、ピペットが空の重さを、各追加的な校正容積に対し計算してもよい。ステップ292において、追加的校正容積が使用される場合には、調整された液体の量と校正容積の関数としての差を特徴付ける容積特性が決定される。
【0031】
図6を参照すると、理想的な応答カーブ294と測定された応答カーブ296が示されている。この応答カーブ294は、校正容積を正確に吸引する理想的なピペットを示す。一方測定された応答カーブ296は、ピペットの実際の応答を示す。応答カーブ294と測定された応答カーブ296の差が調整誤差である。例えば図5に記載した校正プロセスの間、3個の校正容積A,B,Cが選択される。校正容積Aに基づいて、実際の容積Aaが、校正プロセスの間測定される。調整誤差298は、校正容積Aと実際の容積Aaの差即ちAa-Aである。同様に調整誤差300は、校正容積Bと実際の容積Baの差即ちBa-Bである。同様に調整誤差302は、校正容積Cと実際の容積Caの差即ちCa-Cである。
【0032】
校正容積、例えばAと、それに対応する実際の吸引容積Aaが校正データポイントを決定する。校正プロセスの間、より多くの校正データポイントが使用されると、測定された応答カーブ296に対するより正確な概算値が計算できる。当業者に公知のシミュレーションと様々な方法を用いて校正容積と調整誤差、あるいは吸引された実容積を含む校正容積データを用いて、測定された応答カーブ296を概算できる。容積特性は、校正容積以外の容積の場所において測定された応答カーブ296を決定する為に、これらの方法のいずれかを用いて決定できる。
【0033】
例えば様々なカーブ適合アルゴリズムを用いて、データポイントの組に対し最適の適合性を与えることができる。カーブ適合アルゴリズムの出力は、数式である。n次の多項式を用いて、A,B,Cにおける校正データポイントを用いて、測定された応答カーブ296を概算できる。かくして1つあるいは複数の校正データポイントを用いて、容積特性を決定できる。例えば、容積特性は、湾カーブ適合アルゴリズムを用いて決定された数式である。単純な数式では、測定された応答カーブ296をシミュレートするのに不十分の場合には、更なる数式を決定して、校正容積間で、必要とされる吸引容積の間の応答を決定できる。例えば測定された応答カーブ296に基づいて、線形数式がB以上の容積に対しては十分である。しかし多項式が、B以下の測定された応答カーブ296を概算するのにより好ましい。この場合、容積特性は2つの数式を含む。
【0034】
別の構成として、容積特性は、複数の校正データポイントを含む表で表してもよい。実際に吸引された容積は、校正データポイント間を内挿することにより、あるいは所定の計算式を用いて校正データポイントから外挿することにより決定できる。他の実施形態としては、校正データポイントからの内挿と/又は外挿に対し使用される数式を、表内に含めてもよい。データは当業者に公知の表として形成される。表は、ファイルで規定された表あるいはデータベースの如何なる形態でもよい。図7を参照すると、表304は、校正容積A,B,Cの関数としての調整誤差を表す。これは単なる例示である。実際に吸引された容積と調整誤差の内の一方あるいは両方を表304に記憶することができる。
【0035】
別の構成として、図8の表306には、数式の指標とその数式で使用される定数が含まれる。例えば数式の指標1は、各校正容積の間の測定された応答カーブ296を記述するために「定数1」のみを使用する線形数式を意味する。数式の指標3は、各校正容積の間の測定された応答カーブ296を記述する定数1,2,3を使用する2次の多項式を意味する。かくして数式2.7+0.5A+0.01A2はA未満の要求された容積に対する修正容積を表す。数式4.6-1.6AはAを越えてB未満の必要とされる容積に対する修正容積を規定する。数式2.9+8.9AはBを越える必要とされる容積に対する修正容積を規定する。
【0036】
本発明の一実施形態においては、少なくとも2個の校正容積を用いて、容積特性を決定する。好ましくはこの2個の校正容積の1つは、ピペットの最小動作容積であり、他の1つはピペットの最大動作容積である。ピペットの最大容積を用いた校正は、機械的な欠陥に対する最大の考慮が可能となる、特にネジ通路の容積量とピストンの直径とチップホルダ内の容積の重量を最大限に考慮したものである。一方ピペットの最小容積を用いた校正は、機械的な欠陥と毛細管現象を最大限考慮したものである。より正しい値は更なる校正容積を用いて得られる。これに関連して様々な内挿方法は、当業者に公知であるが、これを用いて、ピペットの操作中に、1つあるいは複数の校正容積には等しくない要求された容積における修正容積を決定することもできる。
【0037】
1つあるいは複数の数式及び/又は表を用いて、ピペットの更なる物理的状態に基づいて容積特性を決定できる。例えば、第1の数式及び/又は表を、ピペットの種類に基づいて決定できる。第2の数式及び/又は表を、特定のピペットに対し決定できる。その理由は、測定された実容積は、ピペットの製造に際しピペットの校正部品毎に異なる製造誤差が原因で異なるからである。
【0038】
更なる例として、測定された応答カーブ296は、ピペットが異なる周囲温度の環境で動作したときにも変わる。図9を参照すると、3つの測定応答カーブの例が示されている。例えば測定応答カーブ308は、10℃の大気温度で決定される。例えば測定応答カーブ310は、20℃の大気温度で決定される。例えば測定応答カーブ312は、25℃の大気温度で決定される。その結果、異なる数式あるいは表を用いて、各測定応答カーブ308,310,312を規定できる。かくして容積特性は、修正容積を決定するために、パラメータと要求された容積を用いる。当業者に公知のように様々な方法を用いて複数のカーブ間を内挿できる。かくしてピペットの場所の現在の物理的状態を表すパラメータを用いて、ピペットの容積特性を規定することができ、これにより吸引された容積の更なる変動原因に対する修正ができる。
【0039】
パラメータは、これに限定されるわけではないが、ピペットのチップの種類、ピペットのある場所の大気温度、ピペットの部分の温度、ピペットのある場所の大気圧、ピペットの空腔内の圧力、ピペットのある場所の大気湿度、調整すべき液体の粘度である。チップの種類を示すインディケータ256をユーザが用いて、チップホルダ210上に配置するチップの先端の種類を選択する。異なるサイズと形状を有するチップは、異なる測定応答カーブを示す。かくしてチップホルダに搭載されたチップの種類は、容積特性を変化させる。更にピペットに搭載された1つあるいは複数のセンサー(図11−16を参照のこと)を用いて、容積特性に使用されるパラメータを提供できる。これにより、ピペットのチップの種類、ピペットのある場所の大気温度、ピペットの部分の温度、ピペットのある場所の大気圧、ピペットの空腔内の圧力、ピペットのある場所の大気湿度に基づいて修正容積を計算できる。センサーあるいはインディケータは、更に調整すべき液体の種類を示す。この場合液体特性は、液体の粘度に主に基づいて選択された液体に対する修正値を含む。
【0040】
一般的にセンサーが測定したパラメータを用いて決定された容積特性は、調整誤差Cであり、これはプロセッサが実行する所定の数式で大気圧の測定パラメータと大気圧湿度の測定パラメータを入れたものである。一実施形態においてはCは次式で計算される。C=a*B+mここでBは必要とされる容積であり、aとmは所定の修正値であり、mの値は0のこともある。パラメータaは次式で定義される。
a=(1-Datm/e)/(Di-Datm)
Diは調整される液体の密度であり、Datm は空気の密度であり、eは定数である。
【0041】
密度Diは、大気温センサーにより測定された温度を含む所定の数式により計算される。この実施形態においては、Di=g/f(Ti)である。ここでgは定数(定数)であり、Tiは測定温度であり、f(Ti)は所定の多項式である。例えば次式である。
Di=1000/(999.87-0.06426Ti+0.0085045Ti2-0.0000679Ti3)
この式において、Tiは摂氏で表現され、Diは、立方メートル当たりのキログラムで表される。
【0042】
同様に、Datmは、センサーが測定した大気圧と大気温と大気湿度を有する所定の数式により計算される。この実施形態では次式である。
Datm=45Patm/(12908(Ti+273.15))+(Ti-0.02H)1000)
Patmはパスカルで表された圧力であり、Hはパーセントで表された湿度である。例えば湿度が40%の場合はHは0.4となる。
【0043】
図10を参照すると、校正プロセスの間決定された容積特性に基づいた、使用中のピペット液体の正しい調整を行う手順を示す。ステップ320において、ユーザはピペットを用いて調整すべき要求された容積を選択する。ステップ322において、ピペットの現在の物理的状態を表すパラメータを決定する。ピペットのメモリ内に記憶された容積特性を用いて、修正容積をプロセッサを用いてステップ324で計算する。容積特性が、要求された容積の関数と/又はパラメータとして調整された液体の量の差を決定する。かくして修正容積は、要求された容積の関数と/又はパラメータとして、調整された液体の量の差を表す。ステップ326において、要求された容積はユーザに示される。
【0044】
ステップ328において、修正容積がユーザに表示される。この修正容積は吸引された実際の容積か、あるいは要求された容積に関連する2個の校正データポイント間の数式の内挿に基づいた要求された容積の調整誤差である。ステップ330において、ユーザは表示された修正溶液に基づいて、新たな要求容積を選択する。例えばピペットが手動の(モータ駆動でない)場合には、表示は修正溶液と要求された溶液を示す。それに応答して、ユーザは、ユーザが必要とする精度内で、修正溶液が要求された容積に一致するまで新たな要求された容積を選択する。
【0045】
本発明の他の実施形態においては、修正溶液は、要求された溶液として表示され、その結果、要求された容積とパラメータに基づくピペットの修正プロセスはユーザには見えない(関与しない)。かくして例えば電動のピペット20を用いて、プロセッサは、自動的に制御ロッドの位置を修正して、調整誤差を含めるようにする。この表示は、要求された容積を表しこれは修正容積でもある。その理由は、プロセッサは、制御ロッドの位置を調整して、ピペット20の物理的状態の影響と要求された容積の影響を考慮しながら、要求された容積を調整するからである。かくしてディスプレイによる自動修正により特徴付けられる動作モードにおいては、要求された容積の表示は、自動的に修正を組み込んだものである。ディスプレイは、ピペットの物理的状態に伴って変動し、ユーザは如何なる調整も必要としない。
【0046】
高/低のインディケータが、ピペットのユーザに表示される(ステップ332)。この高/低インディケータは、調整誤差が正又は負であるかを示す。高/低インディケータは、実容積が校正容積よりも大きいとき 過小適用(underdosage )のリスクがある場合にはマイナスのサインを、実容積が校正容積よりも小さいとき過大適用(overdosage )のリスクがある場合にはプラスのサインを示す。要するに3つの情報がピペットのディスプレイでユーザに示される。即ち要求された容積と修正溶液と高/低のインディケータである。修正容積は調整誤差あるいは実際の容積である。この情報を用いてユーザは、要求された容積を、高/低インディケータが正又は負のいずれも示さなくなるまで、調整する。これは要求された容積と修正容積との間の差が精度誤差内にあることを意味する。他の実施形態においては、高/低インディケータはピペットには表示されない。
【0047】
本発明の他の実施形態においては、調整された容積を修正する手順は、ユーザにより選択可能なオプションである。かくしてユーザは、ピペットを用いてユーザが液体を調整する際に、どの様な修正値を含まないようにプロセッサに命令するオプションを選択できる。本発明の他の実施形態おいては、ピペットにあるプロセッサは、修正値が例えば所定の精度値よりも大きいときにのみ修正を行うようプログラムすることもできる。所定の精度値は、大幅な修正に関連する状況と関連しない状況の間を区別するよう選択される。この実施形態は、ピペットの操作に渡ってユーザの制御を最大限にする。
【0048】
図5に示す校正手順と図10に示す使用手順により、ピペットで調整される液体の量を修正する。この修正は、次の物理的状態に基づいて行われる。即ち要求される容積が少ない為に発生する毛細管現象、要求される容積が大きい為の液体柱の重量の影響、ピペットの校正部品の製造誤差、ピペットが置かれる大気温度、ピペットの部品の温度、ピペットが置かれる大気圧、ピペットの空腔内の圧力、ピペットが置かれる大気湿度、調整される液体の粘度である。例えばユーザが長期に渡ってピペットを取り扱うときには、ピペットはユーザの手が接触することにより温度が上昇し、その結果ピペットの操作はある構成要素の熱膨張の為変動する。上記した手順に基づいて、ピペットの精度はピペットが加温されても維持され、ピペットの精度は、ピペットの広範囲に渡る動作状態でも維持される。ピペットを自動的に調整してもよい。別の構成として、表示された修正容積は、ユーザに対し変化を示し、それに基づいてユーザは手動でピペットを調整することもできる。ピペットは製造後修正/調整されるために、ピペットの製造時に要求される精度は緩和される。その結果ピペットはより安くより容易に製造できる。サンプリングされる量に直接影響するサンプリングの移動容積のドリフトを通常引き起こすような機械的システムの様々な膨張が緩和される。連続的な修正も複数の物理的状態を考慮するために含めてもよい。
【0049】
図11−16を参照すると、容積特性への入力として使用されるパラメータを加えるセンサー構造が示されている。図8にピペット200の第2実施形態を示す。このピペットは更に温度センサー340を有する。この温度センサー340はピストン駆動機構206のハウジング232に隣接して搭載される。この温度センサー340を配置してピペット200の一部の温度を測定する。この実施形態においては、温度センサー340は、制御ロッド226と、制御ロッド支持部材230と制御電子カード218の近傍に配置される。制御電子カード218は発熱することがあり、これがピストン駆動機構206のある構成要素の熱膨張を引き起こす。温度センサー340は熱膨張にさらされる部品近傍に搭載され、かくしてサンプリングシーケンスに関与する機械的構成要素の温度を知ることができる。温度センサー340は、導電ワイヤ342を介して制御電子カード218に接続され、これにより、プロセッサがセンサーにより測定される温度に会わせて調整する。
【0050】
この調整は図11に示す手順に従って、センサーにより測定された温度をパラメータとして用いて実行される。校正手順の間、ピペットは、通常20℃の温度で、液体を吸引/放出するよう動作するとしている。ユーザが20℃ではない液体を調整しようとする場合には、調整される容積は、ピペットのディスプレイに示される値には対応しない。放出かれる容積は様々な理由で必要とされる容積とは異なる。この誤差の主な原因は、その膨張に起因する、ピペットの内部内のデッドボリュームの加温であり、これにより、ユーザは、予測される調整量で調整するよりも少ない液体を調整することになる。ピペットの校正仕様、特に20℃のピペットに対する公称サンプリング容積の校正仕様を知って、プロセッサは、温度センサー340により決定された温度と、その温度に基づいた容積特性によって、この公称値の修正が必要であるか否かを決定する。
【0051】
図12を参照すると、ピペット200の第3実施形態が示される。このピペットは、更にピストン駆動機構206に隣接して搭載される大気圧センサー350を有する。この実施形態においては、センサーは、バッテリー212上に搭載される。大気圧センサー350は大気圧を測定し、その情報をプロセッサに送り、以前に関連した調整値を修正する。ピペットは、更にチップ近傍のチップホルダの外部に搭載される大気温センサー352を有する。この場所において、大気温センサー352は、調整された液体近傍の温度を測定し、このセンサーが液体の上の空気に接触していない場合でも、液体の温度の概算値を測定できるようにする。大気温センサー352は、チップホルダの表面を内部チューブ356まで貫通し、調整された液体に近い場所の大気温を測定する。大気温センサー352は、導電ワイヤ354を介して制御電子カード218に接続される。これによりプロセッサはセンサーが測定した温度に応じて調整する。本発明の他の実施形態においては、湿度センサーを大気圧センサー350と同様なピペット位置に搭載してもよい。
【0052】
図13に本発明のピペットの第4実施形態を示す。このピペットは、更に大気温センサー360を有する。この大気温センサー360はチップホルダ210の下部チューブに搭載される。大気温センサー360は、チップホルダの下部チューブでリングを形成し、これによりチップホルダの下端部に配置されたシリンダケース内に収納される。大気温センサー360は、トーラス(torus)と同一の内壁を有し、かくしてピペットの縦軸A-Aに対向した壁にその中心を有する円内に配置された湾曲を形成する(図14)。かくして形成された制限された空気通路により、大気温センサー360を通る空気の速度が増加し、更に離脱時の液体の除去ができる。大気温センサー360は、導電ワイヤ362を介して制御電子カード218に接続され、これによりプロセッサがセンサーにより測定された温度に対し調整する。
【0053】
図15に本発明の第5実施形態を示す。このピペットは、ピペット内の可動部分に搭載される大気温センサー370を有する。この大気温センサー370は、ピストンロッド224の端部に直接固定される。この位置においては、大気温センサー370は調整される液体とは接触していない。大気温センサー370は、導電ワイヤ372を介して制御電子カード218に接続され、プロセッサがセンサーが測定した温度に対し調整できるようにする。図16を参照すると、導電ワイヤ372が、2個の金属製バンド374,376に接続される。これらのバンドは、ピストンヘッドで、ピペットの縦軸A-Aに直交する方向に積層される。金属製バンド374,376は、それぞれピペットのボディケースに搭載された2枚のブレード378,380に接触する。この構成によりプロセッサと大気温センサー370との常時電気接続が、ピストンの回転にもかかわらず、可能となる。
【0054】
本発明の実施形態は、様々な動作環境において、ピペットの製造時の機械的製造誤差にもかかわらず、例えば様々な粘性の液体様々なタイプのチップを用いた場合、あらゆる範囲の容積について、ピペットが液体の吸引又は放出を正確に行えるようにする。代表的な操作例は、手動ピペットあるいは電動ピペットのいずれを用いても行うことができる。本発明で実行される機能を実施形態とは異なる数の構成要素間に振り分けること、本発明の機能の分散は、本発明の範囲を離れることなく変更可能である。モジュールの実行順序は、本発明の範囲を離れることなく変更可能である。
【0055】
以上の説明は、本発明の一実施形態に関するもので、この技術分野の当業者であれば、本発明の種々の変形例を考え得るが、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明の一実施形態による電子ピペットの断面図。
【図2】図1の電子ピペットのピストン駆動機構とピストン組立体とチップホルダと外部チップ離脱機構の断面図。
【図3】本発明の一実施形態による手動式ピペットの断面図。
【図4】本発明の第1実施形態により、校正装置に取り付けられた図3の手動式ピペットの断面図。
【図5】図4のピペットの校正操作のフローチャート図。
【図6】ピペット内の実容積と校正容積との間の調整誤差を表すグラフ。
【図7】本発明の実施形態による容積特性を表す第1表。
【図8】本発明の実施形態による容積特性を表す第2表。
【図9】様々な動作状態(条件)におけるピペット内の実容積と校正容積との間の調整誤差を表すグラフ。
【図10】本発明の一実施形態によるピペットの動作を表すフローチャート図。
【図11】本発明の第2実施形態による図3の手動式ピペットのピストン駆動機構の断面図。
【図12】本発明の第3実施形態による図3の手動式ピペットのピストン駆動機構の断面図。
【図13】本発明の第4実施形態による図3の手動式ピペットの本体収納ケースとチップホルダの断面図。
【図14】図13の第4実施形態によるセンサーの断面図。
【図15】本発明の第5実施形態による図3の手動式ピペットのピストン駆動機構とピストン組立体の断面図。
【図16】本発明の第5実施形態による図5の手動式ピペットのピストン組立体の側面図。
【符号の説明】
【0057】
30 電子ピペット
32 ボディケース
34 ピストン駆動機構
35 ピストン組立体
36 チップホルダ
38 内部パワーサブシステム
40 外部チップ離脱機構
42 内部チップ離脱機構
44 電子制御電子回路
70 モーター
72 制御ロッド
74 制御ロッドチップ
76 制御ロッド支持部材
78 ハウジング
80 チップホルダ取り付けノブ
84 チューブ取り付けナット
91 第一面
92 ピストンヘッド
94 ピストンロッド
96 ピストンハウジング
98 ピストン復帰バネ
100 スプリングガイド
110 上部チューブ
112 下部チューブ
114 Oリング
120 バッテリー
122 コネクタ
124 バッテリーケース
130 チップ
140 離脱ノブ
142 固定シリンダ
144 ノブシリンダ
146 ボディシリンダ
148 ロッド
150 離脱スプリング
152 搭載ブレース
156 第1端
156 離脱ブレード
158 第2端
158 離脱ブレード調整ノブ
160 第1端部
162 第2端部
170 ディスプレイ
172 容積を選択する
200 手動式ピペット
202 ボリュームセレクタ
204 ボディケース
206 ピストン駆動機構
208 ピストン組立体
210 チップホルダ
212 バッテリー
214 チップ離脱機構
216 ディスプレイ
218 制御電子カード
220 ノブ
222 調整ネジ
224 ピストンロッド
226 制御ロッド
228 制御ロッドチップ
230 制御ロッド支持部材
232 ハウジング
234 チップホルダ取り付けノブ
236 ピストンヘッド
240 ピストンハウジング
242 ピストン復帰スプリング
244 スプリングガイド
246 第1面
256 チップの種類を示すインディケータ
260 スケール
262 接続ワイヤ
264 端末
294 応答カーブ
296 測定された応答カーブ
298,300,302 調整誤差
295,304,306 表
308,310,312 測定応答カーブ
340 温度センサー
350 大気圧センサー
352 大気温センサー
354 導電ワイヤ
356 内部チューブ
360,370 大気温センサー
372 導電ワイヤ
374,376 金属製バンド
378,380 ブレード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ピペットの現在の物理的状態に応じて修正することにより、液体を取り扱うピペット内の液体の要求された容積を調整する方法において、
(A) ピペットで、要求された容積を選択するステップであって、前記ピペットは、ピストン駆動機構を有し、前記ピストン駆動機構は、ピストン組立体のピストンロッドをチップホルダ内で移動させるよう、ピストン組立体に接触し、これによりチップホルダ内の液体の量を調整し、前記要求された容積は、調整する溶液の量を表す上記ステップと、
(B) 容積特性を用いて、修正容積を計算するステップであって、前記容積特性は、チップホルダ内で調整される液体の量を要求された量の関数としての差を特徴付け、前記容積特性は、校正プロセスを用いて決定される上記ステップと、
(C) ピペットのユーザに修正容積を表示するステップであって、これによりチップホルダ内の液体の要求された容積を調整する上記ステップと、
を有することを特徴とする方法。
【請求項2】
更に、(D) パラメータを決定するステップであって、前記パラメータは、ピペットの現在の物理的状態を表す上記ステップを有し、
前記容積特性は、チップホルダ内の液体の量をパラメータの関数としての差を特徴付けることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記パラメータは、チップの種類であることを特徴とする請求項2記載の方法。
【請求項4】
前記パラメータは、前記ピペットに搭載されたセンサーにより測定されることを特徴とする請求項2記載の方法。
【請求項5】
前記パラメータは、ピペットが置かれた大気温度と、ピペットの部品の温度と、ピペットが置かれた大気圧と、ピペットの空腔内の圧力と、ピペットが置かれた大気湿度と、液体の粘度とからなるグループから選択されることを特徴とする請求項4記載の方法。
【請求項6】
更に、(E) 要求された容積をピペットのユーザに表示するステップを有することを特徴とする請求項2記載の方法。
【請求項7】
修正された容積は、実際の容積であり、実際の容積は、要求された容積に基づいて、チップホルダ内で調整された液体の量を表すことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項8】
修正された溶液は、調整エラーであり、
前記調整エラーは、要求された容積と実際の容積との差を表し、
前記実際の容積は、要求された容積に基づいて、チップホルダ内で調整される液体の量を表すことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項9】
更に、(F) ユーザがピペットで新たな容積を選択するステップであって、前記新たな容積は、調整エラーを含む上記ステップを有することを特徴とする請求項8記載の方法。
【請求項10】
更に、(G) 高/低インディケータをピペットのユーザに表示するステップであって、前記高/低インディケータは、調整エラーが正であるか負であるかを示すことを特徴とする請求項8記載の方法。
【請求項11】
前記容積特性は、表で表され、前記表は、複数のデータポイントを有し
前記各データポイントは、
(X)校正容積データポイントであって、前記校正容積データポイントは、調整すべき液体の容積を表し、前記校正容積データポイントは、ピペットの校正プロセスの一部として選択される前記校正容積データポイントと、
(Y)修正容積であって、前記修正容積は、校正容積データポイントにおけるチップホルダ内で調整される液体の量を表す前記修正容積と、を有することを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項12】
前記容積特性は、表で表され、前記表は、複数のデータポイントを有し
前記各データポイントは、
(X)校正容積データポイントであって、前記校正容積データポイントは、調整すべき液体の容積を表し、前記校正容積データポイントは、ピペットの校正プロセスの一部として選択される前記校正容積データポイントと、
(Y)修正容積であって、前記修正容積は、校正容積データポイントと実際の容積との間の差を表し、前記実際の容積は、校正容積データポイントにおけるチップホルダ内で調整される液体の量を表す前記修正容積と、を有することを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項13】
容積特性は、数式で表されることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項14】
ピペットの現在の物理的状態に応じて修正することにより、液体を取り扱うピペット内の液体の要求された容積を調整する装置において
(A) ボディケースと、
(B) 前記ボディケースに搭載されたチップホルダと、
(C) ピストン組立体であって、チップホルダに搭載され、チップホルダ内に適合するピストンロッドを有する上記ピストン組立体
(D) ピストン駆動機構であって、前記ピストン駆動機構は、ピストン組立体に接触する表面を有するコントロールロッドを有し、前記ピストン駆動機構は、チップホルダ内でピストン組立体のピストンロッドを移動させ、これによりチップホルダ内の液体の調整を行わせる前記ピストン駆動機構と、
(E) 容積セレクタであって、前記容積セレクタは、ボディケースに搭載され、ユーザが要求された容積を選択できるよう構成され、前記要求された容積は、調整すべき液体の量を表す前記容積セレクタと、
(F) 前記ボディケースに搭載されたディスプレイと、
(G) プロセッサであって、前記プロセッサは、ディスプレイと容積セレクタに接続され、容積特性を用いて修正容積を計算し、前記容積特性は、要求された容積の関数として、チップホルダ内の調整された液体の量の差を特徴付け、前記容積特性は、校正プロセスを用いて決定される前記プロセッサと、を有し、
前記ディスプレイは、修正容積をピペットのユーザに示し、これによりチップホルダ内の液体の要求された容積を調整することを特徴とする装置。
【請求項15】
更に、(H) 物理的状態インディケータであって、前記物理的状態インディケータは、装置の一部に搭載され、装置の現在の物理的状態を示す前記物理的状態インジケータを有し、
前記プロセッサは、物理的状態インディケータに接続され、前記容積特性は、現在の物理的状態の関数として、チップホルダ内で調整された液体の量の差を特徴付けることを特徴とする請求項14記載の装置。
【請求項16】
更に、(I) 前記ボディケースに搭載されたチップを有し、
前記物理的状態インディケータは、チップの種類のインディケータであることを特徴とする請求項15記載の装置。
【請求項17】
前記物理的状態インディケータは、センサーであることを特徴とする請求項15記載の装置。
【請求項18】
前記現在の物理的状態は、ピペットが置かれた大気温度と、ピペットの部品の温度と、ピペットが置かれた大気圧と、ピペットの空腔内の圧力と、ピペットが置かれた大気湿度と、液体の粘度からなるグループから選択されることを特徴とする請求項17記載の装置。
【請求項19】
前記ディスプレイは、要求された容積をピペットのユーザに表示するよう構成されることを特徴とする請求項14記載の装置。
【請求項20】
前記修正容積は、実際の容積であり、前記実際の容積は、要求された容積に基づいて、チップホルダ内で調整される液体の量の表すことを特徴とする請求項14記載の装置。
【請求項21】
前記修正容積は、調整エラーであり、前記調整エラーは、要求された容積と実際の容積との間の差を表し、前記実際の容積は、要求された容積に基づいて、チップホルダ内で調整される液体の量を表すことを特徴とする請求項14記載の装置。
【請求項22】
前記容積セレクタは、ユーザがピペットで新たな容積を選択するよう構成され、前記新たな容積は、調整エラーを含むことを特徴とする請求項21記載の装置。
【請求項23】
前記ディスプレイは、高/低インディケータをピペットのユーザに示し、前記高/低インディケータは、調整エラーが正であるか負であるかを示すことを特徴とする請求項21記載の装置。
【請求項24】
前記容積特性は、表で表され、前記表は、複数のデータポイントを有し、
前記各データポイントは、
(X)校正容積データポイントであって、前記校正容積データポイントは、調整すべき液体の容積を表し、前記校正容積データポイントは、ピペットの校正プロセスの一部として選択される前記校正容積データポイントと、
(Y)修正容積であって、前記修正容積は、校正容積データポイントにおけるチップホルダ内で調整される液体の量を表す前記修正容積を、有することを特徴とする請求項14記載の装置。
【請求項25】
前記容積特性は、表で表され、前記表は、複数のデータポイントを有し、
前記各データポイントは、
(X)校正容積データポイントであって、前記校正容積データポイントは、調整すべき液体の容積を表し、前記校正容積データポイントは、ピペットの校正プロセスの一部として選択される前記校正容積データポイントと、
(Y)修正容積であって、前記修正容積は、校正容積データポイントと実際の容積との間の差を表し、前記実際の容積は、校正容積データポイントにおけるチップホルダ内で調整される液体の量を表す前記修正容積と、を有することを特徴とする請求項14記載の装置。
【請求項26】
容積特性は、数式で表されることを特徴とする請求項14記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公表番号】特表2007−515267(P2007−515267A)
【公表日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−540666(P2006−540666)
【出願日】平成16年11月24日(2004.11.24)
【国際出願番号】PCT/IB2004/003876
【国際公開番号】WO2005/051543
【国際公開日】平成17年6月9日(2005.6.9)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(503285760)
【Fターム(参考)】