説明

液体スープ包材

【課題】内容物として液体を充填する液体スープ包材において、ガスバリア性に優れ、焼却処理が容易であると供に、耐圧性能も優れた、液体スープ包材を提供する。
【解決手段】支持基材フィルムが透明な延伸ポリアミドフィルムからなる基材であり、そのポリアミドフィルム基材1の少なくとも片面にプライマー層2、蒸着層3、保護コート層4を順次積層したポリアミドフィルム積層体10を構成要素とする液体スープ包材であって、保護コート層4の上に印刷層5および/又はヒートシール層6を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
ポリアミドフィルムを用いたガスバリア性を有する液体スープ包材に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、食品等の包装形態も大幅に変ってきており、流通販売過程における温度変化や湿度分や、酸素ガス等の影響による製品の品質低下は、販売上の損失のみならず食品衛生面からも大きな問題である。こうした状況の下で、気体や水分の透過度が小さく、食品としての品質低下を起こさない様な包装フィルムの要望が高まっている。
【0003】
即ち、食品成分の蛋白質や油脂等の酸化や変質を抑制し、味や鮮度を保持することが重要である。そのためには、ガスバリア性の良好な包装材を用いて空気やガスの透過を遮断することが望まれる。しかも、ガスバリア性フィルムで包装すれば、内容物の香気が保持されると共に湿度分の透過も阻止されるので、乾燥物では吸湿劣化が抑制され、含水物の場合は水分の揮発による変質や固化が抑制され、包装時の新鮮な風味を長時間保持することが可能となる。
【0004】
こうした理由から、包装フィルムに求められるガスバリア性や防湿性は極めて重要な特性とされている。これらの特性は、上記の様な食品包装用フィルムに限られるものではなく、医療品や、電子部品等の包装用フィルムにおいても極めて重要となる。
【0005】
ガスバリア性包装材料として、アルミニウム等の金属からなる金属箔を用いた包装材料は、ガスバリア性に優れているが、使用後の廃棄の際は不燃物として処理しなければならないことや、包装材料を透視して内容物を確認することができないこと等の問題があり、充填シール時のシール不良などの確認が困難でり、また金属探知器による異物の検知ができないなどの欠点を有し問題があった。また、ガスバリア層としてアルミニウム等の金属箔を積層したものは、ガスバリア性が良好で経済性にも優れたものであるが、またマイクロ波を透過しないため電子レンジによる加熱処理ができない。
【0006】
また、塩化ビニリデン等をガスバリア層としてコーティングしたものは、安価で経済的であるが、水蒸気や酸素ガス等に対するガスバリア性が十分でない。また、塩化ビニリデン系については、焼却時のダイオキシン、塩素ガスの発生等により大気汚染の問題も生じてくる。
【0007】
そこで、近年、塩化ビニリデン、アルミニウム金属箔等を使用しない、いわゆる脱塩素、脱アルミニウムのガスバリア性包装材料として、無機酸化物からなる蒸着薄膜をプラスチック基材、例えばポリエステル系フィルム上に形成した蒸着フィルムが多く用いられるようになった。
【0008】
一般に、液体スープ包材には、突き刺し性や耐衝撃性、耐ピンホール性が求められるため基材はポリアミドフィルムが好ましい。しかし、ポリアミド系フィルムはポリエステル系フィルムと比較してガラス転移点が低く柔らかいために、硬い蒸着層を均一に成膜することが難しくバリア性が発現しにくい問題がある。また、蒸着膜の上にヒートシール層を積層した包装材料では密着性が充分でないために、耐圧強度が低く、液体スープ等の包装材料として用いるとダンボールに箱詰めにした際に最下層の袋が破袋するなどの問題点があった。
【0009】
以下に公知文献を記す。
【特許文献1】公開昭62−38140号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものであって、ガスバリア性に優れ、焼却処理が容易であると供に、耐圧性能に優れる液体スープ包材を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の請求項1に係る発明は、内容物として液体を充填する液体スープ包材において、透明な延伸ポリアミドフィルムからなる基材の少なくとも片面にプライマー層、薄膜の蒸着層、保護コート層を順次積層した積層体を構成要素とすることを特徴とする液体スープ包材である。
【0012】
本発明の請求項2に係る発明は、前記保護コート層の上に印刷層および/又はヒートシール層を設けることを特徴とする請求項1記載の液体スープ包材である。
【発明の効果】
【0013】
本発明のポリアミドフィルム基材の積層体フィルムを用いた液体スープ包材では、ガスバリア性および耐圧性能に優れる液体スープ包材であって、液体スープ等の包装材料として用いた場合、耐ピンホール性が優れ、突き刺し性や耐衝撃性、加重等による袋の破袋が発生せず、焼却時のダイオキシン、塩素ガスの発生等により大気汚染の問題も発生しない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明の液体スープ包材の実施例を、図面を用いて更に詳細に説明する。図1は、本発明の液体スープ包材用のガスバリアフィルム積層体を説明する断面図である。図1は、積層体を構成要素とする液体スープ包材の一実施例であって、支持基材であるポリアミドフィルム基材(1)上に、プライマー層(2)、蒸着層(3)と、保護コート層(4)、印刷層(5)と、ヒートシール層(6)が順次積層された積層構成になっている。
【0015】
液体スープ包材には、突き刺し性や耐衝撃性、耐ピンホール性が求められるためフィルム基材はポリアミドフィルムである必要がある。ポリアミドフィルム基材(1)は、プラスチック材料の中で柔軟性に優れているナイロン樹脂からなり、延伸された透明フィルムが良好である。透明な延伸ポリアミドフィルムは、例えばε−カプロラクタムの開環重合反応で得られるナイロン6、ヘキサメチレンジアミンとアジピン酸塩との縮重合反応で得られるナイロン66、メタキシレンジアミンとアジピン酸を縮重合して得られるMXD6ナイロン、ナイロン11、ナイロン12等からなる汎用の単層フィルムを使用する。延伸方法は2軸延伸方法でも逐次延伸方法でもかまわない。厚みはフィルムの製膜性及び経済性等の観点から12〜25μmの範囲のものが好ましい。また、このポリアミドフィルム基材(1)に種々の添加剤や安定剤、例えば帯電防止剤、紫外線防止剤、可塑剤、滑剤などが使用されていても良い。ポリアミドフィルム基材(1)の表面に前処理としてコロナ処理、低温プラズマ処理、イオンボンバード処理を施しておいても良い。
【0016】
さらにポリアミドフィルム基材(1)に薬品処理、溶剤処理などを施しても良い。ポリアミドフィルムの片面もしくは両面に易接着層が設けられているとプライマー層との密着性が向上するため、より物理的なストレスがかかる形状ないし構造の容器に用いる場合には易接着があることが望ましい。
【0017】
次ぎにプライマー層(2)について説明する。プライマー層(2)は基材と薄膜層との間の密着性を高め、内容物の影響などによるラミネート強度低下を抑えることを目的に設けられるものである。プライマー樹脂として用いることができるのは、基材と薄膜層との密着性を向上できる材料であれば任意の樹脂材料が使用できる。プライマー層には、アクリルポリオールやポリビニルアセタール、ポリエステルポリオール、ポリウレタンポリオール等のポリオール類とイソシアネート化合物との二液反応によって得られる有機高分子、またはポリイソシアネート化合物および水との反応によりウレア結合を有する有機化合物、ポリエチレンイミンまたはその誘導体、ポリオレフィン系エマルジョン、ポリイミド、メラミン、フェノール、また有機変性コロイダルシリカのような無機シリカ、シランカップリング剤及びその加水分解物のような有機シラン化合物を主剤とするものなどが挙げられ、どれもがプライマー剤として使用できる。またこれらを2つ以上を組み合わせて使用しても全くかまわない。厚みは、一般的には乾燥後の厚さで50〜50000Åの範囲になるようにコーティングする事が望ましく、より好ましくは100〜10000Åの範囲にある。100Å以下の場合は塗工技術の点から均一な塗膜が得られ難く、逆に1μmを越える場合は不経済である。
【0018】
次に無機化合物からなる薄膜の蒸着層(3)について説明する。無機化合物からなる蒸着層(3)は、ケイ素、アルミニウム、チタン、ジルコニウム、錫、マグネシウムなどの酸化物、チッソ、弗化物の単体、あるいはそれらの複合物からなり層であり、その蒸着層の形成方法は、真空蒸着法、スパッタリング法、プラズマ気相成長法などの真空プロセスにより形成される。特に酸化アルミニウムは、無色透明であり、煮沸殺菌や加熱や加圧の殺菌にも優れ、広範囲の用途に使用することができる。蒸着層(3)の膜厚は、用途によって異なるが、20Åから5000Åの範囲が望ましいが、50Å以下では薄膜の連続性に問題があり、また3000Åを超えるとクラックが発生しやすく、可とう性が低下するため、好ましくは50〜3000Åである。
【0019】
またさらに、蒸着層(3)上には必要に応じて蒸着層を保護する保護コート層(4)を形成することができる。蒸着層はきわめて薄い膜であり、こすれなどの物理的刺激により比較的容易に傷つき易く、場合によっては基材から脱落するおそれがある。従って、蒸着層を形成した後、他の加工を施す前に保護コート層を形成することは有意義である。
【0020】
保護コート層(4)について説明する。保護コート層としては、任意の樹脂をコーティングなどの方法により形成すればよく、蒸着層を保護するものであれば、アクリルポリオールやポリビニルアセタール、ポリエステルポリオールポリウレタンポリオール等のポリオール類とイソシアネート化合物との二液反応によって得られる有機高分子、またはポリイソシアネート化合物および水との反応によりウレア結合を有する有機化合物、ポリエチレンイミンまたはその誘導体、ポリオレフィン系エマルジョン、ポリイミド、メラミン、フェノール、また有機変性コロイダルシリカのような無機シリカ、シランカップリング剤のような有機シリカなどの非水系保護層や、ポリビニルアルコール、でんぷん、セルロース、エマルジョンアクリル系高分子、SBRラテックス、ポリ酢酸ビニル、エチレン・ビニル共重合体、シランカップリング剤や金属アルコキシドおよびその加水分解のようなシラン化合物などの水系保護層でもよい。またこれらの材料を2種類以上組み合わせて使用してもよい。例えば水溶性高分子であるポリビニルアルコールと金属アルコキシドおよびその加水分解物の混合物は蒸着層との密着も良好でバリア性も良好である。本発明のガスバリア性被膜の保護コート層(4)は、Si(OR14およびR2Si(OR33(R1、R2はCH3、C25、C24OCH3等の加水分解性基、R2は有機官能基)、で表されるケイ素化合物あるいはその加水分解物と、水酸基を有する水溶性高分子を混合した溶液を塗布し加熱乾燥して形成したものが好ましい。
【0021】
上記保護コート層(4)に、耐水性、インキ若しくは接着剤との密着性、濡れ性、収縮
によるクラック防止性を考慮して、ケイ素化合物、その加水分解物と、水酸基を有する水溶性高分子を混合した溶液にシランカップリング剤や、イソシアネート化合物、コロイダルシリカやスメクタイトなどの粘土鉱物、安定化剤、着色剤、粘度調整剤などの公知の添加剤なども添加して塗布し加熱乾燥することもできる。
【0022】
保護コート層(4)の上に印刷層を設けることもできる。印刷層(5)は、包装袋などとして実用的に用いるために形成されるものであり、ウレタン系、アクリル系、ニトロセルロース系、ゴム系、塩化ビニル系等の従来から用いられているインキバインダー樹脂に各種顔料、体質顔料及び可塑剤、乾燥剤、安定剤等の添加剤などが添加されてなるインキにより構成される印刷層であり、文字、絵柄等が形成されている。形成方法としては、例えばオフセット印刷法、グラビア印刷法、シルクスクリーン印刷法等の周知の印刷方式や、ロールコート、ナイフエッジコート、グラビアコート等の周知の塗布方式を用いることができる。厚さは0.1〜2.0μmで良い。
【0023】
また、本発明の液体スープ包材用の積層体を包装材料として使用する場合、積層体の最上面となる側にポリオレフィン系熱可塑性樹脂からなるヒートシール層(6)を形成することが好ましい。またこの積層体を用いた包装材料では、必要に応じて中間層を設けることができる。この中間層は、引裂性付与や包装材の腰強度を上げるなど更に包装材料を機能化させるために設けられるもので、消費者の要求や内容物の適性等によって任意の材料を選択して用いることができる。例えば引裂性を付与する場合は、一軸延伸ナイロンフィルム、一軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、一軸延伸ポリプロピレンフィルム等を用いることができ、また腰強度を上げるためには、2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、二軸延伸ポリプロピレンフィルム等のプラスチック材料を用いることができる。
【0024】
また、前記中間層の厚さは、材質や要求品質、要求物性等に応じて決められるが、一般的には10〜30μmの範囲である。中間層の形成方法としては、2液硬化型ウレタン系樹脂等の接着剤を用いて貼り合わせるドライラミネート法や加熱溶融させた樹脂をカーテン状に押出貼り合わせるエキストルージョンラミネート法等の公知の方法を用いることより積層することができるが、一般的にはドライラミネート法を用いる場合が多い。
【0025】
ヒートシール層(6)、例えばポリエチレン系熱可塑性樹脂層は、袋状包装体などを形成する際の接着部に利用されるものであり、その他、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸エステル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体及びそれらの金属架橋物等の樹脂が用いられる。厚さは目的に応じて決められるが、一般的には15〜200μmの範囲である。形成方法としては、上記樹脂からなるフィルム状のものを2液硬化型ウレタン樹脂などの接着剤を用いて貼り合わせるドライラミネート法、ノンソルベントラミネートにより積層する方法、上記樹脂を加熱溶融させカーテン状に押出し貼り合わせるエキストルージョンラミネート法、ニーラム法等いずれも公知の方法により積層することができる。
【0026】
延伸ポリアミドフィルム基材(1)の反対面にも、印刷層、ヒートシール層、接着剤を介する複数の樹脂の積層も可能である。
【0027】
本発明の液体スープ包材用のガスバリア性積層体について具体的な実施例を挙げて更に説明する。図2は、本発明にかかる液体スープ包材の層構成の実施例1を示す側断面図である。以下、図2を参照して、本発明の実施例1〜3を説明する。
【0028】
本発明の液体スープ包材では、保護コート液は、テトラエトキシシラン10.4gに塩
酸(0.1N)89.6gを加え、30分間撹拌し加水分解させた固形分3wt%(SiO2換算)の加水分解溶液(A液)と、ポリビニルアルコールの3wt%水/イソプロピルアルコール溶液(水:イソプロピルアルコール重量比で90:10)液(B液)とを作製したあと、前記のA液とB液を配合比(wt%)で60/40に混合したものを保護コート液とした。
【実施例1】
【0029】
支持基材フィルムとしてポリアミドフィルム基材(1)は、片面がコロナ処理された厚さ15μmの二軸延伸ナイロンフィルム(ユニチカ(株)、エンブレムONM)を使用した。グラビアコート機を用いて二軸延伸ナイロンフィルムのコロナ処理面にポリエステル樹脂とイソシアネート化合物からなる厚さ約0.1μmのプライマー層(2)を積層した。次に、プライマー層(2)上に真空蒸着装置で厚さ12nmの酸化アルミニウムからなる蒸着層(3)を積層した。さらに、再度グラビアコート機にて蒸着層(3)の上に保護コート液を塗布、乾燥した厚さ0.2μmの乾燥被膜からなる保護コート層(4)を積層し、ポリアミドフィルム積層体を得た。さらにポリアミドフィルム積層体の保護コート層(4)上にインキ組成物をグラビア印刷にて印刷層(5)を積層した。次に、押出しラミネート法により、印刷層(5)の上にグラビアコートにより2液硬化型ウレタン系溶液を約0.3g/m2塗布してアンカーコート層(7)を設けた後、押出しラミネート法により、厚さ30μmの直鎖状低密度ポリエチレンを積層後、さらに厚さ30μmの直鎖状低密度ポリエチレンを積層して、合わせて厚さ60μmの直鎖状低密度ポリエチレンからなるヒートシール層(6)を形成した。その後40℃5日間養生させて本発明の液体スープ包材に用いる実施例1のポリアミドフィルムの積層体フィルムを得た(図2参照)。
【実施例2】
【0030】
実施例1において、保護コート液にシランカップリング剤を全固形分量に対し、5w%添加し、保護コート層(4)を形成した以外は実施1と同様にして本発明の液体スープ包材に用いる実施例2のポリアミドフィルムの積層体フィルムを得た(図2参照)。
【0031】
本発明の実施例1、実施例2に対して、比較例として実施例3を実施した。以下その実施例3を説明する。
【実施例3】
【0032】
本発明の比較例である実施例3は、実施例1において、支持基材フィルムのポリアミドフィルム基材(1)の代わりに厚さ15umの塩化ビニリデンコートナイロンフィルムを用いた以外は実施例1と同様の層構成、すなわち本発明のポリアミドフィルムの積層体の層構成の液体スープ包材に用いる実施例3の積層体フィルムを得た(図2参照)。
【0033】
次いで、本発明の実施例1、実施例2、ポリアミドフィルムの積層体フィルム及び実施例3の積層体フィルムを評価1〜評価4によって、液体スープ包材としての品質特性を評価した。以下説明する。
【0034】
評価1として、実施例1、2のポリアミドフィルムの積層体フィルムおよび実施例3の積層体フィルムのフィルム試料の酸素透過度を測定した。JIS―7126Bに準拠し、酸素透過度測定装置(OX―TRAN 10/50A:Modern Controls社製)により、温度30℃、湿度70%RHの環境下で測定した。
【0035】
評価2として、実施例1、2および実施例3のフィルム試料を用いて10cm角の4方シールノッチ付き袋作成し、内容物として市販品のめんつゆ50gを充填した。このめんつゆ入りの小袋の一部を縦+横+高さ=100cmのダンボールに隙間なく充填し、封をして宅配便にて東京―大阪間を往復輸送し、輸送後の小袋の破袋状況を確認した。
【0036】
評価3として、さらに、評価2で作製しためんつゆ入りの小袋の残り一部を40℃90%RHの促進試験室で2週間保存し、保存前後でめんつゆの味覚を官能試験した。めんつゆの風味が変化していないものを○、味覚が変化したものを×とした。
【0037】
評価4として、また実施例1、2のポリアミドフィルムの積層体フィルムおよび実施例3の積層体フィルムをもちいて燃焼試験を実施した。この燃焼試験に塩素ガスが出ないものを○、塩素ガスが出るものを×とした。その評価1〜評価4の結果を下記の表1に記す。
【0038】
【表1】

なお、燃焼試験の評価では、○は、塩素ガスが出ない、
×は、塩素ガスが出る。
【0039】
表1より、実施例1、2のポリアミドフィルムの積層体フィルムは、実施例3の塩化ビニリデンコートフィルムの積層体フィルムと比べてバリア性が高く、優れている。耐圧性能も良好で輸送試験による破袋もおこらない。また40℃90%RHによる促進保存試験でも、実施例1、2のポリアミドフィルムの積層体フィルムは、バリア性が高いため内容物の味覚の変化を防ぐことができる。さらに燃焼試験でも塩素ガスの発生もない。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明にかかる液体スープ包材の層構成の一実施例を示す側断面図である。
【図2】本発明にかかる液体スープ包材の層構成の実施例1〜3を示す側断面図である。
【符号の説明】
【0041】
1…ポリアミドフィルム基材
2…プライマー層
3…蒸着層
4…保護コート層
5…印刷層
6…ヒートシール層
7…アンカーコート層
10…ポリアミドフィルム積層体
20…液体スープ包材用ポリアミドフィルム積層体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内容物として液体を充填する液体スープ包材において、透明な延伸ポリアミドフィルムからなる基材の少なくとも片面にプライマー層、薄膜の蒸着層、保護コート層を順次積層した積層体を構成要素とすることを特徴とする液体スープ包材。
【請求項2】
前記保護コート層の上に印刷層および/又はヒートシール層を設けることを特徴とする請求項1記載の液体スープ包材。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2008−207868(P2008−207868A)
【公開日】平成20年9月11日(2008.9.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−49005(P2007−49005)
【出願日】平成19年2月28日(2007.2.28)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】