説明

液体ベース光学素子、光学素子の制御方法及び電子装置

本発明は、内壁を有する容器を有する光学素子に関する。前記容器は第1液体(A)及び電気感受性第2液体(B)を密閉する。前記液体(A;B)は非混和性で、かつ界面(14)を介して相互に接している。前記界面(14)は内壁との接触角及び、電圧の手段によって界面形状を制御する電極配置(2;12)を有する。光学素子は、第1接触角から第2接触角の間の動作範囲を有し、第1接触角の値の範囲は、50°-110°で、第2接触角の値の範囲は、70°-130°であって、第2接触角の値は第1接触角の値よりも大きい。界面(14)の位置変化の応答時間は接触角(θ)の関数であって、応答速度はθ=90°付近で最大値に到達し、少なくとも所定の角度でこの最大値の75%には到達することを発見した。その結果、有利な応答特性を有する光学素子が得られる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内壁を有する容器を有する光学素子に関する。前記容器は第1液体及び電気感受性第2液体を密閉し、前記液体は非混和性で、かつ界面を介して相互に接している。前記界面は前記内壁との接触角及び、電圧の手段によって前記界面形状を制御する電極配置を有する。
【0002】
本発明はさらに、そのような光学素子の制御方法にも関する。
【0003】
本発明はまた、そのような光学素子を有する電子装置にも関する。
【背景技術】
【0004】
液体の操作に基づく光学素子は急速に商業的関心を増大させている。その理由は機械的可動部分が少ないことでも、素子が比較的単純なことでもなく、液体の操作に基づくことで安価で耐久性を有するためである。
【0005】
特許文献1は、屈折率がそれぞれ異なる2種類の流体を有し、一方の流体が導電性で他方の流体が絶縁性であることを特徴とする円柱状可変焦点レンズについて開示している。これらの流体は、液体の向きにおける引力の影響がレンズの向きに依存しないように同程度の密度を有する。2種類の流体間の界面形状は、レンズに電圧を印加することによって操作される。界面形状の変化は、レンズ焦点に変化を導入するのに用いることが可能である。シリンダの壁及び、シリンダの透明なふたの1つには疎水性コーティングが施されることで、少なくともスイッチオフの状態では、両流体間で明確な界面を保持するため、電気感受性を有する流体は当該壁で濡れない。電気感受性を有する流体は、典型的には極性液体又は分極可能な液体である。
【特許文献1】国際公開第03/06980号パンフレット
【特許文献2】米国特許出願公開第2001/0017985号明細書
【非特許文献1】ブルノ・ベルグ(Bruno Berge)他、”European Physical Journal E”、2000年、第3巻、pp.159-163
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
たとえ液体ベースの光学素子が偉大な可能性を示しているとしても、そのような素子に付随する問題も同様に存在する。問題のうちの1つは、界面の応答時間、つまり界面がその初期位置から印加電圧によって制御される位置まで変化するのに要する時間が非常に遅くなってしまう恐れがあることである。このことは、使用者が速い応答時間を期待しているような用途、たとえばデジタルスチルカメラ、カメラ機能搭載の携帯電話又はブルーレイディスクレコーダのような二重層光記録システムでは特に望ましくない。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、界面の高速応答時間が実現可能な光学素子の提供を目指す。
【0008】
本発明はまた、そのような光学素子を有する電子装置の提供を目指す。
【0009】
本発明はさらに、そのような光学素子の制御方法の提供を目指す。
【0010】
本発明の第1態様に従うと、内壁を有する容器を有する光学素子が供される。前記容器は第1液体及び電気感受性第2液体を密閉する。前記液体は非混和性で、かつ界面を介して相互に接している。前記界面は内壁との接触角及び、電圧の手段によって界面形状を制御する電極配置を有する。光学素子は、第1接触角から第2接触角の間の動作範囲を有し、第1接触角の値の範囲は、50°-110°で、第2接触角の値の範囲は、70°-130°であって、第2接触角の値は第1接触角の値よりも大きい。
【0011】
本発明は、界面の応答時間が界面と容器内壁との接触角に依存し、接触角が約50°-130°の範囲内にあるときには、応答速度は少なくともその最大値の75%に到達する。
【0012】
動作範囲は約90°の中心付近が好ましい。その理由は、この角度で切り換え速度が最大となるからである。
【0013】
この点では、特許文献2において、屈折率は等しいが透過率が異なっていて、一方が導電性である2種類の非混和性液体を内蔵する光学素子が開示されている。これら2種類の液体間の境界面を変化させることによって、素子を通り抜ける光路中の各液体の量が変化し、その結果絞りが得られる。この特許出願では、光学素子の高さを減少させるために、境界面と架空の垂直軸との間の接触角θは90°付近が最適であることが示唆される実施例が図示されている。これは、光学素子の光軸に対して容器の接触壁を傾けることで実現される。しかし、この特許出願では液体界面と容器内壁との間の接触角が90°付近の場合については開示しておらず、そのような接触角が光学素子の切り換え速度に有利であることも開示していないことを強調しておく。従って、本発明は新規性と進歩性の両方の点で特許文献2よりも優れている。
【0014】
ある実施例では、第1液体及び第2液体のうちの少なくとも一は表面張力を減少させる成分を有する。そのような成分は、トリフルオロエタノール又はナトリウムトリフルオロアセテートのようなフッ素化した有機化合物であって良い。0[V]において界面と容器内壁との間の接触角θは以下の関係式に従う。
【0015】
【数1】

ここで、γは光学素子の様々な部分間の表面張力を表す。L1は第1液体を、L2は第2液体を、IWは容器内壁を意味する。適切な表面活性成分を導入し、界面と内壁との間の接触角を90°へ変化させることによって、液体のうちの1種類と内壁との間の表面張力を減少させることが可能である。
【0016】
光学素子内部での様々な表面張力を操作する代替手法として、所望範囲の接触角は、光学素子がアイドル状態のとき、つまり使用される前にあるときに0ではない電圧を光学素子に印加することによって実現することも可能である。この目的のため、光学素子は当該アイドル状態にあるときに0ではない電圧を電極配置に供するための駆動回路をさらに有する。その結果、容器内壁と第1液体、及び/又は容器内壁と第2液体との間の表面張力を大きなまま保持することが可能である。これは、接触角を極値、つまり90°より十分離れた値に切り換えるのに必要な電圧が小さくなるという利点を有する。
【0017】
上述の類推で、本発明は内壁を有する容器を有する光学素子を供する。前記容器は第1液体(A)及び電気感受性第2液体(B)を密閉する。前記液体(A;B)は非混和性で、かつ界面(14)を介して相互に接している。前記界面は前記内壁との接触角及び、電圧の手段によって前記界面(14)の形状を制御する電極配置(2;12)を有する。光学素子は、第1接触角から第2接触角の間の動作範囲を有し、第1接触角の値の範囲は50°-110°で、第2接触角の値の範囲は70°-130°であって、第2接触角の値は第1接触角の値よりも大きい。
【0018】
その方法は、光学素子がアイドル状態にあるときに0ではない電圧を電極配置に供することで、界面と容器内壁との間の接触角を50°-130°の範囲に設定する手順を有する。
【0019】
本発明の別な態様に従うと、請求項1から5までのいずれかに記載の光学素子を有する電子装置が供される。像センサが光学素子の前に設けられ、駆動回路が像センサと電極配置との間で結合する。そのような電子装置は、光学素子の切り換え速度が速くなるという利益を享受する。切り換え速度が速くなった光学素子は、その切り換え速度が、たとえばオートフォーカスアルゴリズムのような律速工程であるような機能において、電子装置の動作周波数を増大させるのに用いることが可能である。
【0020】
ある実施例では、駆動回路は、光学素子がアイドル状態にあるときに0ではない電圧を電極配置に供するように備えられている。これにより、従来技術の光学素子も本発明の利点を享受することが可能となる。
【実施例】
【0021】
添付の図を参照しながら、非限定的な例示をすることによって本発明を詳細に説明する。
【0022】
図は概略的なものに過ぎず、正しいスケールで描かれていないことを理解すべきである。同一参照番号がすべての図を通じて同一又は同様の部分を指していることもまた理解すべきである。
【0023】
図1では、特許文献2で開示されている可変焦点レンズが図示されている。可変焦点レンズは、円柱状チャンバ内に格納されている第1流体A及び第2流体Bを有する。流体は非混和性で、各々が異なる屈折率を有し、及び、界面14を有する流体の向きへの、配向依存する引力の影響を回避するために同一密度を有するのが好ましい。円柱チャンバはさらに、第1端部4及び第2端部6を有する。
【0024】
透明な端部4は、ガラス若しくはポリマーの蓋、又はレンズ形状をとることの可能な他の適切な透明材料であって良い。
【0025】
第1端部4及び円柱状チャンバの内壁は、デュポン社から販売されているAF1600(商標)のような疎水性コーティングで覆われる。疎水性コーティングは、パリレンの積層体と組み合わせることで、電圧を印加することなく絶縁性流体Aによって導電性流体Bを閉じこめることが可能である。界面14の形状は、チャンバ壁に埋め込まれている円柱状電極2及び、第2流体Bと導電接触する第2のふた6上にある、透明であることが好ましい環状電極12に印加されている電圧をV1からV2へ変化させることによって、図(a)で図示されているような凸面形状から図(b)で図示されているような凹面形状へ連続的に切り換えることが可能である。その結果、シリンダを通り抜ける光路Lの焦点が変化する。
【0026】
電極配置2及び12に印加される電圧がなくなるとき、式(1)で表される力によって実際の接触角θが決定される。一般的には、上述のような従来技術に基づくような光学素子の容器内壁のコーティングは、第2液体Bが濡れないような強い相互作用を有するように選択される。その結果、光学素子がアイドル状態にあるときには、界面14と容器内壁との間の接触角θは180°に接近する。
【0027】
しかし本発明は、界面の位置変化の応答時間がこの接触角の関数として表すことが可能であるという理解に基づいている。図2は、界面14の端部に作用する力を概略的に図示している。この図から、次のような発生する力F(θ)が得られる。
【0028】
【数2】

ここでεは内壁上の絶縁性コーティングの誘電率、dparはこのコーティングの厚さ、及びdは壁と接触線が接するところで測定されたメニスカス直径である。
【0029】
F(θ)をθで微分することで、以下の式が得られる。
【0030】
【数3】

θをuに変換することによって、以下の関係式を用いることができる。ここでuは界面14端部の垂直方向の差、つまり図2で図示されているように、界面14の位置変化に起因する界面14と内壁との接触点の垂直変位である。
【0031】
【数4】

そして界面14に作用する力のバネ定数Kを導出することができる。
【0032】
【数5】

接触角θが光学素子の界面高さhi、つまり容器内壁と界面との接触点と容器底部との間の距離に依存することもまた分かった。
【0033】
【数6】

hi-uが一定なので、以下の式が得られる。
【0034】
【数7】

式(7)を式(5)に代入することで以下の式が得られる。
【0035】
【数8】

この式は、接触角θが90°に到達するときに、界面14の最高速応答時間に対応する最大バネ定数Kとなることを示している。減衰が十分である場合には、Kは周知の質量-バネ方程式に従った応答時間に関する。
【0036】
【数9】

ここでmは液体の有効質量である。
【0037】
方程式(9)は、バネ定数が大きくなることで応答時間が短くなることを示している。しかも、90°よりもはるかに大きな接触角は、第2液体Bと容器内壁との間に捕らえられている第1液体Aの‘チャネル’を比較的狭くする。そのような配置から界面位置が変化する間に、第1液体Aはこの‘チャネル’内で比較的大きな摩擦を受けるので、界面の位置変化の応答はさらに遅れてしまう。
【0038】
これらの式は、たとえば円錐状容器のような非円柱状容器にも有効であることを強調しておく。
【0039】
図3では、光学素子の界面14の応答速度、つまり焦点合わせ速度の変化が、接触角θの関数として図示されている。最大値の少なくとも75%の応答速度を保証するため、光学素子の動作範囲は50°-130°の角度内で選択されなければならない。明らかに、第1液体A及び/又は第2液体Bの光学特性は、光学素子の所望の光学機能がこの角度範囲内で実行できるように選択されなければならない。たとえば、液体ベースの可変焦点レンズでは、これらの液体の屈折率は、光学素子の所望の焦点範囲が、当該範囲内にある接触角で実現可能なように選択されなければならない。
【0040】
光学素子の動作範囲角は50°-130°すべてを網羅する必要はない。たとえば80°-100°のようなより狭い角度範囲から選択されて良い。この範囲は、液体ベースの可変焦点レンズがたとえば2[cm]から無限遠の焦点範囲を有することが十分可能なほどに広い。図3に図示されているように、この角度範囲では、全ての接触角において界面14の応答速度が最大値の少なくとも90%であるという利点を有する。動作範囲は接触角が90°付近を中心にとるのが好ましいが、必要なことではない。たとえば、動作範囲100°-120°又は60°-80°では、界面14の応答速度は最大値に到達しないが、上記範囲の全接触角において、応答速度は依然として最大値の少なくとも80%である。この値は、そのような光学素子の応用領域の多くにとって十分な値である。
【0041】
図4は、本発明に従った光学素子の実施例を図示している。この実施例では、式1及び式8を活用することで速い応答時間を有する光学素子が得られている。液体Aとしてペルフルオロノナン、液体Bとしてポリタングステン酸ナトリウム及び、容器内壁上のコーティングにポリエチレンの組み合わせを選択することによって、120°付近の接触角が実現される。当業者には容易に代替手法が思いつくだろう。たとえば、容器内壁にデュポン社から販売されているAF1600(商標)のようなテフロン(登録商標)コーティングを組み合わせているような液体Bの実施例でもまた、接触角θが本発明の所望の範囲内にあることが可能なので、トリフルオロエタン又はナトリウムトリフルオロアセテートのような表面張力を減少させる化合物を水に溶解させることが可能である。
【0042】
図5は本発明の別な光学素子を図示している。光学素子は、円柱状電極2及び好適には環状である電極12を有する電極配置と結合する駆動回路20を有する。駆動回路20は、光学素子がアイドル状態にある、つまり光学素子の機能が利用されていないとき又は、これから利用されるときに、0ではない電圧を電極配置に供するようにプログラムされている。このように0ではない電圧を電極配置に供するようにプログラムされていることで、動作後における光学素子の第1応答時間も速くなることが保証される。0ではない電圧値は実験によって得ることができる。あるいはその代わりに、接触角が以下の式で与えられるため、計算によって求めることもできる。
【0043】
【数10】

ここでVは印加電圧である。この実施例は、光学素子がアイドル状態にある間に適切な0ではない電圧、つまり接触角θを50°-130°の間の範囲にする電圧を供する駆動回路20を付加することによって、図1で図示され、かつ図1の詳細な説明で説明された可変焦点レンズのような、従来技術に基づく液体ベースの光学素子を改良できるという利点を有する。明らかに、第1液体A及び/又は第2液体Bは、光学素子の所望光学特性がこの範囲内に存在するように選択されなければならない。たとえば、液体ベースの可変焦点レンズでは、接触角θが当該範囲内にある状態で光学素子の所望光学特性を実現できるように、これらの液体の屈折率は選択されなくてはならない。
【0044】
図6は本発明の電子装置100を図示している。電子装置100は、本発明の光学素子及び、光学素子によって取得された像を記録するため、光学素子後方に設けられている像センサ30を有する。この像は、光学記録装置によって取得される読み出しビット又は、デジタルスチルカメラ若しくはカメラ機能を有する携帯電話によって取得されたメガピクセル像であって良い。
【0045】
駆動回路20は、像センサ30と光学素子の電極配置との間で結合している。駆動回路20は、光学素子の集積部分又は、電子装置100の一部であって良い。光学素子の応答時間が最適化されているので、本発明の電子装置100の機能に関する性能は改善される。そのような例としては、たとえばエラー信号を生成する像センサ30及びそのようなエラー信号に応答する駆動回路20を有するオートフォーカスアルゴリズムの実装がある。
【0046】
本発明において、光学素子という語は、本発明の素子の応用領域を可視電磁スペクトルに限定することを意図していない。本発明はまた本発明の技術的範囲から逸脱することなく、たとえば音響素子のような可視以外の電磁スペクトル部分に使用することも可能であることを強調しておく。
【0047】
電気感受性を有する液体という語は、電流又は電場の印加によって生じる力によって振る舞いの操作が可能な全ての液体を含むことを意図していることもまた強調しておく。
【0048】
上述の実施例は本発明を限定するというよりは、むしろ本発明を図示するもので、当業者は、特許請求の範囲における請求項で定義される本発明の技術的範囲から離れることなく、本発明に関する多くの代替的実施例を設計することが可能であることに留意すべきである。本発明は、複数の明確に異なる素子を有するハードウエアの手段及び、適切にプログラミングされたコンピュータの手段によって実装することが可能である。複数の手段が列挙されている装置に関する請求項では、これらの手段のうちの複数が、ハードウエアにおける一及び同一の項目によって実施することが可能である。ある方法が、相互に異なる従属請求項において再掲されているという事実だけでは、これらの方法の組み合わせが利点を有しないということを示唆しない。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】従来技術の可変焦点レンズを概略的に図示している。
【図2】図1のような光学素子の界面で作用する力を概略的に図示している。
【図3】応答時間を接触角の関数として概略的に図示している。
【図4】本発明に従った光学素子を概略的に図示している。
【図5】本発明に従った別の光学素子を概略的に図示している。
【図6】本発明に従った電子装置を概略的に図示している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内壁を有し、かつ前記内壁と接触角を有する界面を介して相互に接する非混和性の第1液体及び電気感受性第2液体を密閉する容器;及び、
電圧の手段によって前記界面の形状を制御する電極配置;
を有し、
動作範囲が前記接触角の第1値と第2値との間にあり、
前記第1値が50°-110°の範囲でかつ前記第2値が70°-130°の範囲で、
前記第2値は前記第1値よりも大きい、
ことを特徴とする光学素子。
【請求項2】
前記動作範囲が90°周辺を中心とすることを特徴とする、請求項1に記載の光学素子。
【請求項3】
前記第1液体及び前記第2液体のうちの少なくとも1種類が表面張力を減少させる化合物を有することを特徴とする、請求項1又は2に記載の光学素子。
【請求項4】
前記の表面張力を減少させる化合物がフッ素化された有機化合物であることを特徴とする、請求項3に記載の光学素子。
【請求項5】
前記電極配置と結合することで、0ではない電圧を有する前記電極配置にアイドル状態を供する駆動回路をさらに有する、請求項1又は2に記載の光学素子。
【請求項6】
光学素子の制御方法であって、
前記光学素子は:
その光軸に方向が合わせられている内壁を有し、かつ前記内壁との接触角を有する界面を介して相互に接する、非混和性の第1液体及び電気感受性第2液体を密閉する容器;及び、
電圧の手段によって前記界面の形状を制御する電極配置;
を有し、
動作範囲が前記接触角の第1値と第2値との間にあり、
前記第1値が50°-110°の範囲でかつ前記第2値が70°-130°の範囲で、
前記第2値は前記第1値よりも大きいことを特徴とし、
アイドル状態の間、0ではない電圧を有する前記電極配置を供することによって、前記界面と前記容器の内壁との間の接触角を50°-130°の間の範囲に設定する手順、
を有する方法。
【請求項7】
請求項1から5のいずれかに記載の光学素子;
前記光学素子前方に設けられている像センサ;及び、
前記像センサと前記電極配置との間で結合する駆動回路;
を有する電子装置。
【請求項8】
前記駆動回路が、アイドル状態の間、0ではない電圧を前記電極配置に供するように備えられていることを特徴とする、請求項7に記載の電子装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2008−508552(P2008−508552A)
【公表日】平成20年3月21日(2008.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−523227(P2007−523227)
【出願日】平成17年7月28日(2005.7.28)
【国際出願番号】PCT/IB2005/052541
【国際公開番号】WO2006/013541
【国際公開日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】