説明

液体加熱装置

液体加熱装置は、第1の量の水を加熱することのできる第1の動作モードと、それより少量の第2の量の水を加熱し自動的に供給することのできる第2の動作モードとを有する。第1のモードは、着脱可能な液体加熱容器(40)によって実施される。第2のモードは、液体を加熱し出口(45)を介して供給する加熱器(76)を備える第2の加熱室(58)によって実施される。第2の加熱室(58)は、着脱可能な液体加熱容器(40)の水で充填される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水などの液体を加熱沸騰させるための液体加熱装置に関する。
【背景技術】
【0002】
飲み物を作るために水を加熱することは、ほぼ世界中で共通のニーズである。英国や他のヨーロッパの国々では、一般的に、ほとんどの家庭がケトル(湯沸かし器)を所有し、時折飲み物を作るための水を沸騰させるのに使っている。より大きな施設や世界の他の国々においては、まとまった量の水を長時間(場合によって一日中)高温又は沸騰した状態にしておき、「要望に応じて(オンデマンドで)」(つまり、水が室温から熱くなるのを待つことなく)飲み物を作れるようにしておくのがより一般的である。このような例としては、伝統的な電気紅茶湯沸かし器(urn)や、アジアでより一般的ないわゆるエアーポットがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、これらの構成にはそれぞれ欠点がある。ケトルの場合、水を冷めた状態(蛇口から汲んだときの温度)から加熱するのにかかる時間は、たとえ非常に高電力のケトル(3キロワット程度)を使っているとしても、利用者にとっては不便である。ケトルを充填するときに必要な水の量を見積もることが難しい点や、それによって必要量以上の水を沸騰させてしまい水が沸騰するまでにさらに時間がかかってしまいがちな点を考えると、特にそうである。一方、沸騰した状態や沸騰する直前の状態に水を長時間保っておくとなると、熱損失を補うために相当な量のエネルギーが必要となる。
【0004】
最近、このような欠点を補おうと試みた機器がいくつか商品化されている。これらは、冷水の貯水器からほんの数秒でカップ一杯分の湯を供給することができるといわれている。しかし、これらの機器は多くの場合、管状式フロー式加熱器を基本としており、このような構成にはいくつか重大な欠点があることを本出願人は認識している。まず第一に、管状式フロー式加熱器の場合に典型的なように、水蒸気のポケットにより生じるホットスポットで加熱器が過熱したり、及び/又は管内の圧力が高くなりすぎる危険性を避けるために、管内の水が沸点に達する前に加熱を中止しなければならない。もう一つの欠点は、加熱器は比較的急速に加熱するとはいえ、必然的に初期の水は、目標温度にまで加熱されていない加熱器を通り抜ける。この水が、あとで生成される、これもまだ沸点に達していない水と混ざりあって、水の平均温度を下げてしまう。これら2つの要因が相俟って、実際にこのような機器で生成される水は、これが供給されるころまでには沸点よりもずっと低い温度になってしまい、例えばお茶を作る等に適さなくなる。その結果、消費者へのアピール度は低くなる。
【0005】
さらに、本出願人の認識によると、上記のようなカップ1杯分のお湯を供給する供給器だけでなく、利用者のほとんどが、大量の水や本当に沸騰した水が必要な場合に備えて従来のケトルも依然として必要としている。しかし、これにはキッチンで場所をとってしまうという問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一局面によると、本発明は、第1の量の水を加熱することができる第1の動作モードと、それより少量の第2の量の水を加熱し自動的に供給することができる第2の動作モードとを有する液体加熱装置を提供する。
【0007】
当業者には明らかなように、本発明によると、単一の装置を使って、少量の水を急速に加熱し供給したり、大量の水をより従来に近い方法で加熱し沸騰させたりすることができる。これは、どのような場合でも必要な水の量に応じて利用者が適切な動作モードを選択できるという点で有利であり、しかも、これらの作業を行うために別々の器具を用意する費用もかからず、キッチンの調理台に複数の器具を置くスペースを確保する必要もない。もちろん、各モードで加熱することのできる水の相対量は、それぞれ相対最大容量で決まるということを理解しなければならないが、少なくとも好適な実施形態では、第2のモードでも加熱できるほどの少量の水を第1の動作モードを使って加熱してもよい。第2のモードで加熱できる水の量は固定されていてもよいし、例えば利用者等によって変更できるようにしてもよい。
【0008】
装置は、2つの動作モード用にそれぞれ別個の貯水器を備えていていてもよいが、好ましい実施形態では共通の貯水器が設けられている。この装置は、第1か第2のどちらの動作モードが使用されているかによって、各加熱装置へ水(または他の液体)を供給するように構成されてもよいが、好ましい実施形態による装置は、第1の動作モードでは貯水器内の全ての水を加熱し、第2の動作モードではそれより少量の、貯水器からの所定量の水を加熱するように構成されている。
【0009】
装置は、好ましくは、着脱可能な貯水器を備えている。この貯水器は、装置の台から取り外して、例えば蛇口などに持って行って充填することができるので、充填しやすいという点で有利である。特に便利な実施形態では、装置は、第1の動作モードで加熱した水を着脱可能な容器から手動で供給できるようにも構成されている。着脱可能な容器は、従来のケトルと類似しているのが好ましく、したがって、このような実施形態では、装置は基本的に標準的な湯沸かしケトルを備えていると認識されるだろう。ただし、本装置は、必要な水の量が充分に少ない場合には、「要求に応じて(オンデマンドで)」水を加熱し供給できるようにも構成されている。
【0010】
第1または第2の動作モードで水を加熱するために、共通の加熱手段を用いてもよい。例えば、貯水器は、第2の動作モードで加熱することができる少量の水を自身から分割する手段を備えていてもよい。別の実施形態では、第1及び第2の動作モード用にそれぞれ個別の加熱手段が設けられる。これは、各加熱器を特定の用途のために最適化できる点で有利である。特に、第1モードの動作用には基本的に完璧な湯沸かしケトルを設け、ケトルが装置の上に置かれた場合には、ケトルからの水が第2の動作モード用の加熱器に流入することができる構成の実施形態に適している。このような実施形態では、ケトルは装置の他の部分とは独立して作動させることができ、第2の動作モードが要求される場合にのみ装置の当該他の部分の上に置く必要があることを理解できるだろう。
【0011】
このような構成は、それ自体が新規かつ有利であり、したがって、別の局面によると、本発明は、内部の液体を加熱する加熱器を備えた着脱可能な液体加熱容器を備える液体加熱装置を提供する。本装置はさらに、液体を加熱し出口を介して供給するように構成されている第2の加熱室を備え、第2の加熱室は着脱可能な液体加熱容器からの液体で充填される。
【0012】
好ましくは、一方または両方の加熱器は、沸騰するまで水を加熱するように構成されている。本発明の第1の局面と比較すると、着脱可能な液体加熱容器によって第1の動作モードを実現し、第2の加熱室によって第2のモードを実現する。
【0013】
上記全ての実施形態によると、第1の動作モードで液体を加熱する加熱器、例えば上述の本発明の局面の液体加熱容器の加熱器は、好ましくは、その下面に抵抗発熱素子(シーズ線発熱素子(sheathed element)等)が形成または装着された加熱板を備えている。好ましくは、ケトルの技術分野でよく知られているように、加熱器は容器の基部にある開口を閉じるように構成されている。
【0014】
第2の動作モード用に個別の加熱器、例えば上述の本発明の局面による第2の加熱室の加熱器が設けられる場合、この加熱器は便利であればいかなる形態であってもよい。例えば、管状の加熱器であってもよいし、他の形態のフロー式加熱器であってもよい。ただし、液体を所望温度に加熱して供給する室(chamber)を設けるのが好ましい。
【0015】
第2の動作モードにおける自動供給は、適切であればいかなる手段によって行われてもよい。例えば、ポンプを利用してもよいし、また装置は、液体を上部で加熱して静水圧によって下のほうに供給するような構成であってもよい。ただし、好適な実施形態によると、水は、第2の動作モードで沸騰され、沸騰中に発生する蒸気圧の力で装置から供給されるような構成になっている。
【0016】
本発明の実施形態によると、動作モードが第1か第2のどちらであるかにかかわらず、液体が所定の温度に達した場合に液体の加熱を中止するための共通の機構が設けられる。この機構は、例えば電子的な手段等、適切であればいかなる形態であってもよく、液体が加熱される到達温度によって変わってもよい。各動作モードでそれぞれ水を沸騰させる好適な実施形態では、共通の手段は、当該技術分野では周知のように、スナップ動作式バイメタル作動装置(snap acting bimetallic actuator)を有するスイッチ等の蒸気スイッチを備えているのが好ましい。
【0017】
他の実施形態によると、各モードで加熱を中止するための個別の手段が設けられる。例えば着脱可能な液体加熱容器が設けられる場合、従来の蒸気スイッチを設けてもよい。こうすることによって、例えば、着脱可能な容器を標準的なケトルにできる限り近づけることができる。これは、利用者にとって受け入れやすく、なおかつ機器の再構成が最小限で済むという点で有益である。
【0018】
着脱可能な液体加熱容器は、好ましくは、容器が器具に装着されている場合は第2の加熱室に液体を流入させ、また容器が取り外されている場合は液漏れを防ぐよう選択的に作動する弁手段を備えている。弁手段は容器本体に設けられていても良いが、好ましくは、容器の基部にある開口を閉じる加熱板に設けられる。これは、容器の最下部に弁を設けることができるという点で有益であり、しかも、その弁を組み込んだ標準的な加熱板を製造することができ、それによって機器メーカーは既に機構を備えた器具本体を使用することができるということを意味する。
【0019】
必須ではないが、好ましくは、第2の加熱室には別の弁手段が設けられる。このような弁手段は、第2の加熱室に所定量の水がある場合に閉じるように構成されている。こうすることによって、第2の加熱室を所望のレベルに自動的に充填することができる。例えば、フロート弁を備えていてもよい。一連の実施形態によると、フラップ弁よりも強固な自由フローティング弁部材を用いる。このような弁部材は、液体は通すが弁部材は保持する筐体に収容されるという点で有利である。弁部材には、上位置と下位置とがあり、上位置では弁座に当たって弁が閉じられ、下位置では筐体の下部に保持される。弁部材は、適切であればいかなる形態であってもよい。例えば、ボールを備えていてもよい。あるいは、丸状や円盤状、あるいは太く短い円筒形状であってもよい。一連の好適な実施形態では、弁部材は、例えば切頭円錐状等のように下に向かって細くなっている。こうすることによって、使用中に弁部材が詰まってしまう可能性を最小限にすることができる。
【0020】
好ましくは、第2の加熱室の弁手段は、加熱室内の圧力が増加するにつれ、弁部材の浮力に起因する弁の閉鎖圧が増すように構成されている。この弁手段は、好ましくは弾性環を備え、弁部材は第2の加熱室の内部圧力によって弾性環に押圧される。こうすることによって、着脱可能な容器が取り外された場合に水や蒸気が漏れるのを防ぐことができる。
【0021】
2つの動作モードそれぞれに別々の加熱器が好適に設けられている場合、装置は、一度に1つの素子だけを作動させるスイッチング装置を備えているのが好ましい。これは、一度に両方の素子が作動されて主電源に過負荷がかかってしまうという危険を冒すことなく、各加熱器を高電力で作動させることができるという点で有利である。実施形態の単純な一例として、スイッチング装置はロッカースイッチなどの切替式スイッチを備えていてもよい。蒸気スイッチが設けられている場合、どちらの加熱器が作動していたとしてもそれをオフにするように蒸気スイッチが上述のスイッチング装置に作用するのが好ましい。
【0022】
上述の構成はそれ自体で新規かつ進歩性があると考えられ、したがって別の局面において、本発明は、電気器具用のスイッチング装置を提供する。このスイッチング装置は、第1の回路に電力を供給する第1の位置、第2の回路に電力を供給する第2の位置、及びどちらの回路にも電力を供給しない第3の位置を有するスイッチを備えている。このスイッチング装置は、さらに、所定温度に達したときに上記スイッチに作動して、スイッチを第1あるいは第2の位置から第3の位置へと動かす熱感応式作動装置(thermally responsive actuator)も備えている。
【0023】
他の実施形態によると、電子的あるいは電気機械的な装置を用いて通電が同時に起こるのを防いでいる。例えば、一連の実施形態では、継電器(relay)が電源と加熱器の一つとを直列に接続し、継電器の接点は、もう一方の加熱器に電力が供給されたときに開となるように構成されている。もちろん、当業者であれば容易に、電子的に同じ機能を達成するための同等手段を思いつくであろう。好ましくは、第2の加熱室の加熱器が通電されている場合、着脱可能な液体加熱容器への電力を切断するように構成されている。これは、液体加熱容器の電気的な構成全体が標準的なものになるという点で有益である。例えば、継電器あるいは他のスイッチング装置を使うことによって、液体加熱容器へ電力を供給するために用いられる本出願人のP72コネクタ等のコードレスコネクタへの電源を簡単に切断することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
一例として、本発明の好適な一実施形態を、添付の図面を参照しながら説明する。
【図1】図1は、本発明を実施する装置の主要部分を示す模式図である。
【図2】図2は、2つの加熱器用の電気スイッチ装置を例示する回路配線図である。
【図3】図3a〜3dは、本発明の一実施形態の使用形態を示す一連の模式図である。
【図4】図4は、第2の実施形態の模式図である。
【図5】図5は、本発明の第3の実施形態の斜視図である。
【図6】図6は、水差しケトル部分が取り外された状態の、図5に示す実施形態を別の角度から見た斜視図である。
【図7】図7は、外側カバーを取り外した状態の、図6と類似の図である。
【図8】図8は、加熱室の上部の部品の部分分解図である。
【図9】図9は、加熱室の断面図である。
【図10】図10は、加熱室の別の断面を示す図である。
【図11】図11は、水差しケトルと加熱室との間の弁の拡大断面図である。
【図12】図12は、供給室の下部を示す斜視図である。
【図13】図13は、供給室の断面図である。
【図14】図14は、器具の回路配線図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1は、本発明を実施する装置の基本部分を示す。本実施形態では、持ち上げ取っ手4と注ぎ口6とを有するほぼ標準の水差しケトル2がある。ケトルには、その基部にある開口を閉じるように構成される加熱器が装着され、また、金属板の下面に取り付けられたシーズ線発熱素子を備えている。ケトル2はさらに、空の状態でスイッチがオンしたり空だきしたせいで万一過熱した場合に加熱器のスイッチが切れるように、本出願人による標準的なU17制御装置を備えている。当該技術分野では周知のように、このような制御装置は、360度コードレス電気コネクタの雄部を備えている。このコネクタ8の雌部は、装置の基部10上に見えている。
【0026】
このケトル2が普通のケトルと違う点は、その基部に自動閉鎖式弁(非表示)を備えている点である。この弁は、基部10にケトル2を置いたときに、基部10から突き出ている管12を貫通させることによって開くことができる。管12の下端には別の弁(フロート弁13)が設けられており、ケトル2から基部10の加熱室への水の進入を制御している。
【0027】
装置基部10の内部の加熱室は、その下側にケトル2の加熱器と類似の別の加熱器30を有している。基部の加熱室は、上述のフロート弁13によって制御される導入口とともに、供給口14にも接続されている。この供給口は基部10から突出しており、その先端は下に置かれたカップ16や他の入れ物に加熱された水を供給するために下向きの環状形状になっている。
【0028】
また、上端が狭くくびれた垂直蒸気管18も加熱室に通じており、装置の基部10から立ち上がっている。蒸気管の先には、熱感応スナップ動作式のバイメタル作動装置(thermally responsive snap-acting bimetallic actuator)20が設けられている。図1の模式図では示していないが、バイメタル20は、ケトル2が基部10上に置かれた場合、ケトル2の注ぎ口6の上に位置するようにも配置されている。
【0029】
図2は、スイッチング装置を示す回路配線図である。なお、ここでは、バイメタル20が切替式ロッカースイッチ36に作用する場合を示している。ロッカースイッチ36は、3つの位置を有する。スイッチが左右どちらかの位置にある場合、主電源の通電側(live side)に接続された共通端子22と別の2つの端子24、26のうちどちらか一方(ケトル2の素子28に接続された端子24または基部の加熱室の素子30に接続された端子26)との間に回路が繋がる。スイッチ36が中央位置にある場合はどちらの回路も繋がらない。
【0030】
このような構成を使って、素子28、30のうちどちらかを作動させたりまたはどちらの素子も作動させないようにすることがでるが、物理的に両方の素子が同時に作動することはない。その結果、各素子は主電源の最大電力定格値(例えば、英国では3キロワット)で作動することができる。バイメタル作動装置20は、蒸気に触れて動作温度(例えば、90℃)に達した場合、スイッチ36に作用してどちらの素子も作動しない中央の開位置(図2参照)にスイッチを戻す。
【0031】
ケトル素子28と直列に、U17制御装置のライブ極とニュートラル極それぞれのスイッチ接点32が設けられている。また、基部の加熱室素子30と直列に、単純なバイメタルサーモスタットスイッチと温度ヒューズスイッチ、あるいは2つのバイメタルスイッチ(図示せず)が設けられている。これらのスイッチをさらに設けることよって、たとえ空の状態でスイッチがオンしたり空だきしたせいで過熱した場合でも、素子を確実にオフすることができる。
【0032】
さらに図3a〜3dも参照しながら、装置の動作を説明する。図4aは、ケトル2を基部10の上に置き、カップ16を供給口(非表示)の下に置いた場合の装置を示す。使用時、利用者は従来の方法で基部10からケトル2を取り外し、蛇口からケトルに水を入れる(図4b参照)。そして、ケトルが基部10の上に戻されると、管12がケトルの底面を貫通し、フロート弁13が空いていれば(つまり、基部の加熱室が空であれば)水がケトルから排水される。
【0033】
第1の動作モードでは、利用者は比較的多量の水(例えば、最高2リットル)を沸騰させることができる。このためには、ロッカースイッチ36の適切な位置を選択すればよい。これによって、ケトル素子28が作動し、ケトル2の中身を全て沸騰させる。水が沸騰すると、生成された蒸気によってバイメタル20が作動してロッカースイッチ36が中央のオフ位置に戻り、コードレスコネクタ8への電力が遮断されるのでケトル素子28の通電がオフになる。もちろん、このような装置の代わりに、より従来のものに近い公知の蒸気スイッチ装置をケトル2自体に用いても良い。3キロワットの発熱素子を使用した場合、2リットルの水を沸騰させるのにかかる時間はおよそ4分である。水が沸騰した後に素子をオフに切り替えれば、通常のようにケトル2を持ち上げて水を注ぐことができる(図3c参照)。
【0034】
利用者がカップ一杯分の沸騰水を必要とする場合には、第2の動作モードを用いることができる。このためには、ロッカースイッチ36の別の位置(図3d参照)を選択し、それによって基部室の加熱器30を作動させる。これによって、基部室内の少量の水が急速に加熱沸騰され、それによって生成された蒸気が蒸気管18に入ってバイメタル20を作動させ、スイッチ36が中央位置に戻って素子をオフに切り換える。基部室内の水が沸騰するのに伴って圧力が上昇すると、水が押し上げられ、供給口14を通ってカップ16に注がれる。カップ1杯分の水は、およそ30秒以内で沸騰し供給することができる。
【0035】
図4は、さらに別の実施形態を模式的に示した図である。この実施形態による着脱可能なケトル2‘は、同様の構成を有する。この構成では、ケトル自体の素子(図示せず)と、ケトル2’から水を吸水し、少量の所定量の水を急速に加熱し、供給口14’を介してカップ16へ自動的に供給する側面進入給水管12'とを有する。ただし、本実施形態では、密閉した基部の加熱室の下側に加熱器を設ける代わりに、第2の動作モード用に水を加熱するフロー式加熱器30’が設けられている。
【0036】
したがって、当業者には明らかなように、上記実施形態によると、利用者は、カップ一杯分の水を急速に沸騰させたり、通常の方法でケトルいっぱいの水を沸騰させたり等を柔軟に行うことができ、しかも、2つの別々の器具を買ったりそのための収納スペースを確保する必要もない。
【0037】
上記実施形態では、本発明がどのように実施されるかを一例として示しただけであり、さまざまな変更や修正が可能である。例えば、2つの動作モード用に2つの別々の発熱素子を設ける代わりに、1つの共通の素子を使ってもよい。
【0038】
図5は、本発明のさらに別の実施形態を示す斜視図である。この実施形態では、大まかに述べると、水差しケトル40の形態をした着脱可能な液体加熱容器を備えている。水差しケトル40は台42の上に置かれ、台42は供給口45を有する湯供給室44を支柱46を使って支持する役割も果たしている。ケトル40は、蓋と外側の成形取っ手とを取り外した状態で示されている。これによって、本出願人によるR48蒸気制御スイッチ等の標準蒸気スイッチ48が露出している。このスイッチは、ケトル内の水が沸騰した場合にケトルのスイッチを切るのに使われる。
【0039】
図6は、ケトルを取り外した状態の装置を示す。これによって、ケトルを収容する台42の領域中央に配置される本出願人によるP72コネクタ等の360度コードレス電気コネクタ50が露出している。コードレス電気コネクタ50の一方側には水弁52の外部筐体が設けられる。この用途については、後で述べる。
【0040】
また、この図では、湯供給室44の上にあるオン・オフスイッチ54と供給口45(図6では図示せず)の真下にある滴受け56とをより容易に見ることができる。
【0041】
図7は、外側カバーを外した状態の器具の主要部分を示す図である。したがって、器具の下部において、選択的に弁52と連通する加熱室58を見ることができる。加熱室58の側面からは2つの管60及び62が伸びており、これらの管によって加熱室58の内部と供給室44の内部とがつながっている。これら2つの管の用途については、後で述べる。
【0042】
図8は、加熱室の上部の部品の部分分解図である。図で示すように、360度コードレスコネクタ50は、加熱室58の頂面にある専用の凹部60に収納される。コネクタ50からの配線を収容するために溝62が設けられている。コネクタ50は、板64によって所定位置に保持され、この板は、ねじ止めやリベット締めあるいは他の方法で加熱室58の頂部に取り付けられる。この固定板64には、外側弁筐体52も設けられている。外側弁筐体52は、後で詳述する新規の弾性環状封止部材68を間に挟んで、加熱室の頂部に設けられた直立環状壁66にはめ合わされる。
【0043】
加熱室58は、一連のボス・ねじ装置74によって互いにねじ留めされた把持リング70及び72によって互いにクランプ止めされた上部と下部とで構成されている。
【0044】
図9は、加熱室58の縦断面を示す。この図から分かるように、シーズ線抵抗発熱素子76はアルミニウム拡散板78に接着され、アルミニウム拡散板78はステンレス鋼加熱板80の下面に接着される。上述の構成は、湯沸かしケトルで従来使われていた構成と類似している。加熱板80は、周辺溝82によって加熱室58の上部本体に取り付けられている。この周辺溝82は、WO96/18331で詳述されている本出願人のシュアシールシステム(Sure Seal system)に従って、加熱室の下方に懸垂した壁部に圧着されている。
【0045】
本図ではまた、加熱室58と供給室(図示せず)とをつなぐ管のうち、一方の管60の断面も見ることができる。この管は、加熱室58から供給室へ沸騰水を搬送するための排出管である。図から明らかなように、排出管60は加熱室の内部で直角に曲がって伸び、下方に懸垂する管部84で終わっている。管部84の端は加熱板80の数ミリメートル上に位置している。
【0046】
図10もまた、加熱室58の縦断面を示している。しかし、この図では、図9の断面に対して平行な面の断面を示している。本図では、加熱室58と供給室とをつなぐもう一方の管62(通気管(vent tube))を示している。通気管62の下端は、加熱室58内部の頂部にある穴に通じている差し口86にはめ込まれている。
【0047】
図11は、加熱室58の上に置かれたケトル40の縦断面を示す図である。この図では表示を拡大して弁装置をより明確に示しており、さらに明瞭性を高めるためにいくつかの構成要素の図示は省略されている。ケトル40は側壁88を有する。ケトルの下面は、円状のステンレス鋼加熱板90で塞がれ、加熱板90の下面にはアルミニウム拡散板92とシーズ線抵抗発熱素子(非表示)とが設けられている。
【0048】
加熱板90の端付近には穴が形成され、弁機構のケトル部側に設けられた垂直に突出している差込み部94を収容するようになっている。差込み部94は、グロメット96によって加熱板90の穴に封止される。ケトル側弁部は、差込み部94の下に2つの同心環状側板(内部側板98と外部側板100)を備えている。外部側板100は加熱室側弁部の外側筐体52の上に外嵌するような直径を有し、また設置しやすいようその端が斜めになっている。
【0049】
差込み部94と内部側板98との間には、垂直移動可能な弁部材102を備えるばね付き弁装置が設けられている。弁部材102は頂部に弁頭104を有し、弁頭104は圧縮コイルばね108によって対応する弁座106に付勢されている。コイルばねは、弁座106の下面と弁部材102の底部にある環110との間で作用する。図11に示される構成では、上向きの力が弁部材の下方の環110にかかることにより、弁頭104が弁座106から持ち上がり、弁を通って水が流れる。しかし、同様に、この力がなくなると、コイルばね108が作用して弁が閉じるので、水はそれ以上流れなくなる。
【0050】
弁装置の加熱室側に設けられた構成要素としては、中央に面取りした開口を有する外側筐体52(図6、図7及び図8で前述)がある。この中央開口にケトル側弁筐体の内側側板98が収納される。したがって、この外側筐体52は、2つの弁部が連結している間は、上部の内側側板98と外側側板100との間にある。外側筐体52の内側には環状封止部材68が設けられ、上方に突出している環状壁66を液密に封止している。環状壁66は、加熱室58の頂部に一体形成されている。封止部材68は中央に環状の突起を有し、この突起が上方向に開いた環状溝を形成して、ケトル側弁部の内側側板98の下端を収容し封止する。
【0051】
封止部材66の下面には、環状傾斜フランジ112が設けられ、半径方向外側に伸びて軸方向に柔軟性を有している。封止部材66の下には、略切頭円錐型のフロート弁部材114が設けられている。このフロート弁部材114は垂直移動可能であるが、下向きの動きは弁止め部材116によって制限されている。フロート弁部材114が移動範囲の上部に位置する場合、フロート弁部材114の頂面は環状傾斜フランジ112に押圧される。
【0052】
図12は、上部カバーを取り外した状態で、供給室44を上から見た斜視図である。図13は、上部カバーを所定の位置に置いた場合の、供給室の部分垂直断面図である。供給室の主要部44aは略椀状になっており、中央にあるはっきり認識できる凹部44c内に供給口45が設けられている。後端の延長円形部分は、高さのある略水平のプラットフォーム部44bであり、加熱室から伸びる排出管60と通気管62とがその内部に出現している。なお、これら2つの管60及び62は、何らかの方法で供給室内に垂直に伸びている。
【0053】
供給室の外側には(参考のため図12に示す)R48蒸気スイッチ188が搭載され、これにオン・オフロッカースイッチ54が取り付けられている。垂直方向の煙突(chimney)120が供給室44を貫通して(ただし供給室44からは独立して)延び、蒸気スイッチ118のバイメタル作動装置(図12、13でははっきり図示されていない)のちょうど真下で開口している。これによって、動作後のバイメタル作動装置の上を冷気が通ることができ、バイメタル作動装置を比較的迅速にリセットできる。
【0054】
図13から最もよく分かるように、排出口45を形成する管はなんらかの方法で供給室44内に垂直に伸び、同心状に下方に開口したわずかに直径の大きい管122の内部に伸びる。管122は、供給室の上部カバーに取り付けられている。この下方に開口した管122は、供給室の主要部44aの中心にある環状凹部44cのわずかに上の位置まで下方に伸びている。
【0055】
図14は、器具のさまざまな部分の主要な電気接続を示す回路配線図である。図の左側に示すのは、主リード線(図示せず)からのライン接続、ニュートラル接続、アース接続である。供給室に設けられた蒸気スイッチ118のスイッチ接点は、ライン極と継電器のコイル124との間に電気的に直列に接続されている(この模式図では示されていないが、なんらかの整流器が設けられてもよい)。継電器の接点126は切替式になっており、共通接点126aはライン極に接続されている。常時オフ継電器接点126bは、加熱室58の基部に設けられた発熱素子76に接続されている。図示されていないが、この素子76への電気接続は、特徴的な一対の過熱保護バイメタル作動装置を有する改良型Uシリーズ制御装置によって確立される。この一対のバイメタル作動装置はそれぞれ、素子のライン側常時閉接点128a及びニュートラル側常時閉接点128bに作用する。表示用ネオン130は、適切な抵抗器132と直列に素子76の両端に接続されており、素子が導通した場合、それを示すようになっている。
【0056】
常時閉継電器接点126cは、コードレス電気コネクタ50の中央のライン端子に接続されている。ニュートラル端子とアース端子はそれぞれ、主リード線からの対応する入力に直接接続されている。
【0057】
図14の右側には、ケトルの従来の電気的配置が示されている。つまり、発熱素子134は蒸気スイッチ48の常時開接点に直列接続され、さらに、U17制御装置の過熱バイメタルによって作動する常時閉接点136a、136bにも直列接続されている。また、表示用ネオン138と対応する抵抗器140とは、素子134の両端に接続されて、素子が導通した場合、それを示すようになっている。
【0058】
上記実施形態の動作を、図5〜14を参照しながら説明する。
【0059】
前述の各実施形態と同様に、本実施形態の器具は2つの別モードで動作することができる。第1のモードでは、ケトル40を取り外して水を入れ、それをまた基部の上に戻すことができる。沸騰を開始するには、オンスイッチ(図示せず)を押して蒸気スイッチ48の接点を閉じる。図14に示す通常の状態では、コードレスコネクタ50を介して電力を供給して素子134を作動させることができる。ユーザが再びスイッチをオフにしないかぎり、ケトルの水が沸騰するまで加熱は続き、水が沸騰すると蒸気スイッチ48が作動して素子への通電を遮断する。そして、従来のように、ケトル40を再び持ち上げて沸騰水を注ぎ口から注ぐことができる。
【0060】
しかし、利用者がカップ一杯分だけの水を沸騰させ供給したい場合は、第2の動作モードで器具を動作させることができる。これについては、後で述べる。
【0061】
初めて器具を使う場合や、そうでなくとも加熱室58が空になってしまった場合には、加熱室を水で満たす必要がある。この場合は、ケトル40に水を入れて台42の上に戻せばよい。こうすることによって、ケトル40の水が図11に示す弁装置を介して加熱室に流れ込む。さらに詳しく述べると、ケトル40を台の上に戻すと、ケトル側弁部の弁部材102の下端環110が、封止部材68の内側環状突起に接触してコイルばね108の力に抗って持ち上げられる。これによって、水はケトル40内部から弁差込み部94を通って弁部材102を通り、そして封止部材68の中央を通ってフロート弁部材114の端部を超えて加熱室58内に流れ込む。通気管62があるので、たとえ排出管の下部86が覆われた後でも、空気を排出することができる。
【0062】
加熱室58内の水位が上がると、その水によってフロート弁部材114は徐々に持ち上げられ、最終的に、フロート弁部材114は、水が更に加熱室58に入らないようにするのに十分な力で、封止部材68の下面に設けられた環状フランジ112を封止する。ここでケトル40が再び持ち上げられると、コイルばね108によって弁頭104がケトル側弁筐体の弁座106を閉じて、ケトルから水が漏れないようになる。同様に、封止部材68の底部にある柔軟な環状フランジ112に対するフロート弁部材114の浮力によって、弁装置の下部から水が噴出するのを防ぐことができる。ケトル40を元の位置に戻した場合、ケトル側の弁104、106は再び開くが、フロート弁部材114は環状フランジ112に押圧されたままなので水は流れない。
【0063】
第2のモードで器具を動作させるためには、利用者は供給室の頂部に設けられたスイッチ54をオンしなければならない。図14の回路図から分かるように、スイッチをオンすると継電器コイル124が作動し、継電器接点126aと126cとの接続が断たれ、継電器接点126aと126bとが接続される。これによって2つの結果がもたらされる。まず一つめの結果として、コードレスコネクタ50に電力が供給されないので、ケトル40を動作させることができない。したがって、2つの素子76、134が同時に通電されないので、過度の電流が通常の家庭用電源ソケットに流れるのを確実に防ぐことができる。もう一つの結果として、加熱室58の下面の素子76が作動して加熱室内の水を加熱し始める。
【0064】
加熱の初期段階では、加熱室58内の圧力増は、本来常圧である供給室44に接続されている通気管62によって制限される。これによって、まだ十分に加熱されていない水が排出管60を介して早々に排水されることを防ぐことができる。また、フロート弁部材114が封止部材68に対して「ぐらつき(wobble)」にくくなる。したがって、柔軟な環状フランジ122と共に、加熱中に冷水が加熱室に入るのを防ぐことができる。
【0065】
加熱室58内の水温が沸点に近づくにつれて圧力は上昇し、水は排出管60上方へと押し上げられて供給室44内に流入する。これが続くと、加熱室58内のほぼ全ての沸騰水が排出管60上方に押し上げられて供給室44を満たす。加熱室58内の水位が排出管88の下向き延長部の下端より下になるまで、水は排水管内上方に押し上げられ続ける。
【0066】
図12及び図13を参照すると、沸騰水は初めに側部室44bに入り、そのあと室の主要部44aに流れ込んで中央にある環状凹部44cに向かい、室の主要部44aを満たし始めることが分かるだろう。供給室44へ水が流れ込み続けると、下方に開口した管122と上方に向かって伸びている流出口45との間の水位が上昇し、水が流出管45の上端を超え注ぎ口を通って利用者のカップに流れ落ち始める。これによってサイフォン(吸い上げ管)が作動して、供給室44内のほぼ全ての水が流出口45を介して供給される。
【0067】
全ての水が加熱室58から排出管60を介して押し上げられると、加熱室58からの蒸気が排出管60の頂部から(同様に通気管62からも)排出されて供給室44に流れ込む。これによって蒸気スイッチ118がオフされ、継電器コイル124への電力供給が中断し、加熱室素子76への接続が切断される。
【0068】
加熱室内の圧力が弱まると、フロート弁部材114は止め部材16に落下し、これによって加熱室58は自動的にケトル40からの水で再び満たされる(ただし、これはケトル40がそこにあり、中に十分な水が入っていることを前提とする)。ケトル40がそこにない場合、加熱室58は、次にケトルが元の場所に戻されたときに再び満たされる。つまり、ケトル40は、加熱室にとって便利で着脱可能な貯水器の役割を果たしている。こうすることによって、利用者は、毎回ケトルを補充する必要なく、また、同じ水を何度も沸騰しなおすことなく(これは、多くの場合、溶存酸素を取り除くことによって味が損なわれると考えられる)、そして重要なのは、必要以上の水を沸騰させてエネルギーを無駄にすることなく、一日中何度でもカップ一杯分の沸騰水を作ることができる。
【0069】
もし中に水が入っていない状態で加熱室58を作動させた場合、例えば前回の使用後に加熱室を再び満たすための水がケトル40に残っていない場合には、素子76を保護する改良型Uシリーズ制御装置のバイメタルのうちどちらか一方が作動し、それぞれの接点128a又は128bを開にする。
【0070】
以上から明らかなように、比較的大量の水を加熱するために通常のケトルとして使うこともでき、またほんのカップ一杯分の水が必要な場合には、第2の動作モードを使って迅速且つ効果的にカップ一杯分の水を加熱し供給することもできる汎用性の高い器具を提供する。ケトル40は、第2の動作モードでは着脱可能な貯水器の役割をし、それ自体が水を補充しやすくすることから便利である。また、2つの素子間のスイッチングを行う継電器を設けることによって、電気的過負荷がかかるのを防ぐことができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の量の水を加熱することができる第1の動作モードと、それより少量の第2の量の水を加熱し自動的に供給することができる第2の動作モードとを有する液体加熱装置。
【請求項2】
前記2つの動作モード用に共通の貯水器を備えている請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記第1の動作モードでは前記貯水器内の全ての水を加熱し、前記第2の動作モードではそれより少量の、前記貯水器からの所定量の水を加熱するように構成されている請求項2に記載の装置。
【請求項4】
着脱可能な貯水器を備えている、先行する請求項のいずれかに記載の装置。
【請求項5】
前記第1の動作モードで加熱される水は、前記着脱可能な貯水器から手動で供給できるように構成されている請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記第1及び第2の動作モード用にそれぞれ個別の加熱手段を備えている、先行する請求項のいずれかに記載の装置。
【請求項7】
一方または両方の加熱器は、沸騰するまで水を加熱するように構成されている請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記第1の動作モード用の加熱手段は加熱板を備え、前記加熱板の下面には抵抗発熱素子が形成または装着されている請求項6または7に記載の装置。
【請求項9】
水は、前記第2の動作モードで沸騰され、沸騰中に発生した蒸気圧の力で装置から供給される、先行する請求項のいずれかに記載の装置。
【請求項10】
液体を所望の温度に加熱して供給する前記第2の動作モード用の室(chamber)を備えている、先行する請求項のいずれかに記載の装置。
【請求項11】
前記第1及び第2のモードのそれぞれにおいて、加熱を中止するための個別の手段を備えている、先行する請求項のいずれかに記載の装置。
【請求項12】
内部の液体を加熱するための着脱可能な液体加熱容器を備えている液体加熱装置であって、
液体を加熱し出口を介して供給するように構成された加熱器を備えている第2の加熱室をさらに備え、
前記第2の加熱室は前記着脱可能な液体加熱容器からの液体で充填される装置。
【請求項13】
前記着脱可能な液体加熱容器の加熱器は、前記容器の基部に設けられた開口を閉じるように構成されている請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記着脱可能な液体加熱容器は、前記着脱可能な容器が取り外されていない場合は前記第2の加熱室に液体を流入させ、前記着脱可能な容器が取り外されている場合は液漏れを防ぐよう選択的に作動する弁手段を備えている請求項12または13に記載の装置。
【請求項15】
前記弁手段は、前記容器の基部に設けられた開口を閉じる前記加熱器内に設けられる、請求項13に従属する場合の請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記第2の加熱室の上に弁手段を備えている請求項12〜15のいずれかに記載の装置。
【請求項17】
前記弁手段は、前記第2の加熱室に所定量の水がある場合は閉じるように構成されている請求項16に記載の装置。
【請求項18】
フロート弁部材を備えている請求項16または17に記載の装置。
【請求項19】
前記第2の加熱室の弁手段は弾性環を備え、前記弁部材は前記第2の加熱室の内部圧力によって前記弾性環に押圧される請求項18に記載の装置。
【請求項20】
水は、前記第2の加熱室内で沸騰され、沸騰中に発生した蒸気圧の力で装置から供給される、先行する請求項のいずれかに記載の装置。
【請求項21】
前記着脱可能な容器及び前記第2の加熱室のにそれぞれに、加熱を中止するための個別の手段を備えている、先行する請求項のいずれかに記載の装置。
【請求項22】
前記着脱可能な容器用と前記第2の加熱室用にそれぞれ個別の加熱手段を備えている請求項14〜21のいずれかに記載の装置。
【請求項23】
一方または両方の加熱器は、沸騰するまで水を加熱するように構成されている請求項22に記載の装置。
【請求項24】
一度に前記加熱器のうちの1つだけを作動させるスイッチング装置を備えている請求項6、7、8、22または23に記載の装置。
【請求項25】
電源を前記加熱器のうちの1つに直列に接続し、他方の加熱器に電力が供給されている場合に接点が開くように構成された継電器(relay)を備えている請求項24に記載の装置。
【請求項26】
前記スイッチング装置は、前記第2の加熱室の加熱器が通電される場合、前記着脱可能な液体加熱容器への電力を遮断するようなものである請求項24または25に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公表番号】特表2011−507649(P2011−507649A)
【公表日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−540171(P2010−540171)
【出願日】平成20年12月23日(2008.12.23)
【国際出願番号】PCT/GB2008/004249
【国際公開番号】WO2009/081156
【国際公開日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【出願人】(503052542)ストリックス リミテッド (7)
【Fターム(参考)】