説明

液体収容容器の誤挿入防止装置、液体収容容器、液体消費装置、および液体収容容器の誤挿入防止方法

【課題】液体収容容器のホルダーへの誤挿入を未然に防止しつつ、液体収容容器の仕様の変更や追加に容易かつ低コストで適応する。
【解決手段】印刷ヘッド11と接続されたホルダー30の開口部31よりバーコードにID情報を記載したインクカートリッジ20を挿入する。ホルダー内のバーコードリーダー60においてID情報を読み取り、これをメモリー43に記憶されたID情報と比較する。両者が一致しなかった場合には、第2の可動部材70を固定してインクカートリッジ20の挿入を阻止する。一致した場合には、第2の可動部材70の固定を解除してインクカートリッジ20が通過することを許容する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体消費装置と結合したホルダーに対して液体収容容器が誤挿入されることを防止するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
こうした誤挿入を防止する目的で、液体収容容器の仕様(収容する液体の種類等)を示す凹凸形状を液体収容容器の側面に形成しておくとともに、ホルダー側に正規の液体収容容器が挿入された場合のみ当該凹凸形状と係合可能な構造を設けることが提案されている(特許文献1)。すなわち、本来そのホルダーに装着されるべきではない液体収容容器が当該ホルダーに挿入されようとすると、液体容器収容部側の凹凸形状とホルダー側の係合構造とが係合せずに液体収容容器の挿入が阻止される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−54007号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、ある液体収容容器の仕様に対して一対一に対応する凹凸構造を液体収容容器とホルダーの双方に設けている。そのため仕様の変更や追加があった場合には、新たな金型を用いて当該仕様を表す凹凸構造を形成する必要がある。近年は仕様に対する要求の多様化や仕様変更サイクルの短縮化が顕著になっており、その都度新たな金型を作製することは製造コストの上昇要因となっている。
【0005】
本発明は上記課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、液体収容容器の仕様の変更や追加に容易かつ低コストで適応可能な液体収容容器の誤挿入防止技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題の少なくとも一部を解決するため、本発明は以下に列挙する種々の態様を採り得る。
【0007】
本発明の第1の態様は、液体収容容器の誤挿入防止装置であって、開口部および液体消費装置との結合部を有するホルダーと、前記ホルダー内の第1の位置において、前記開口部より挿入された液体収容容器からID情報を読み取るセンサーと、前記第1の位置と前記結合部の間の第2の位置に設けられ、前記液体収容容器の挿入を阻止するストッパーと、前記ホルダーに装着されるべき液体収容容器のID情報が予め記憶された記憶部と、前記センサーにより読み取られた前記ID情報と前記記憶部に記憶されたID情報との一致が判定されると信号を出力する判定部と、前記信号により前記ストッパーを解除する操作部とを備える。
【0008】
このような構成によれば、液体収容容器の仕様を示すID情報をセンサーで読み取り、そのホルダーに装着されるべき液体収容容器であることが確認された場合にのみストッパーが解除され、当該ホルダーへの当該液体収容容器の挿入が許容される。
【0009】
前記誤挿入防止装置は、前記開口部と前記第1の位置の間に設けられ、前記液体収容容器の通過により操作されるスイッチを更に備え、前記センサーは、前記スイッチにより起動される構成としてもよい。
【0010】
このような構成によれば、液体収容容器がホルダーの開口部から挿入された場合のみ、センサーに電力が供給される構成とすることができる。
【0011】
この場合、前記操作部が前記スイッチにより起動される構成とすれば、操作部が早期に解除動作の待機状態とされるため、円滑な液体収容容器の挿入動作が可能となる。
【0012】
前記誤挿入防止装置において、前記ストッパーは、前記液体収容容器を前記ホルダーから抜脱することにより、自動的に前記液体収容容器の挿入を阻止する位置に復帰する構成としてもよい。
【0013】
このような構成によれば、適正でない液体収容容器の挿入を阻止可能な状態を容易に再形成できる。
【0014】
前記センサーによる前記ID情報の読み取りは、例えば前記ID情報を前記液体収容容器の側面に設けられたバーコードにより示されるものとし、前記センサーを前記第1の位置に設けられたバーコードリーダーとする構成により可能とされる。
【0015】
前記ID情報を、前記液体収容容器において前記ホルダーへの挿入時に前記結合部に対向する側面に設けられたバーコードにより示されるものとし、前記センサーを、前記ホルダーにおいて前記側面に対向する位置に設けられたバーコードリーダーとする構成としてもよい。
【0016】
前記ID情報を、前記液体収容容器に設けられたRFIDタグに記憶されるものとし、前記センサーを、前記第1の位置に設けられたRFIDセンサーとする構成としてもよい。
【0017】
前記ID情報を、前記液体収容容器に設けられた磁石の位置、数、極性の少なくとも一つにより示されるものとし、前記センサーを、前記第1の位置に設けられた磁気センサーとする構成としてもよい。
【0018】
前記一致が判定されなかった場合に警告を発する報知部を、前記誤挿入防止装置がさらに備える構成とすれば、適切でない液体収容容器がホルダーに挿入されたことをユーザーが容易に知ることができる。
【0019】
前記記憶部に予め記憶されているID情報を書き換え可能とすれば、液体収容容器の仕様の変更・追加に対して容易かつ柔軟に対応することができる。
【0020】
本発明の第2の態様は、前記誤挿入防止装置のセンサーに検出されるID情報を備える液体収容容器である。
【0021】
本発明の第3の態様は、液体消費装置であって、前記誤挿入防止装置と、液体収容容器との結合部を有するホルダーと、前記結合部を介して液体収容容器から供給される液体を消費する液体消費部とを備える。
【0022】
本発明の第4の態様は、液体消費装置との結合部を有するホルダーへ液体収容容器が誤挿入されることを防止するための方法であって、前記液体収容容器にID情報を示す被読取部を設けておき、前記ホルダーの開口部より前記液体収容容器が挿入されたときに、前記ホルダー内の第1の位置において、前記被読取部から前記ID情報を読み取り、読み取られた前記ID情報を予め記憶されたID情報と比較し、前記読み取られたID情報と前記予め記憶されたID情報とが対応しなかった場合に、前記ホルダー内における前記第1の位置と前記結合部の間の第2の位置において前記液体収容容器の挿入を阻止する。
【0023】
これにより、液体収容容器の仕様が変更された場合においても、液体収容容器に添付されたID情報を変更するのみで対処することが可能となり、構造上の変形を伴うことがない。
【0024】
この場合、前記第2の位置にストッパーを設けておき、前記読み取られたID情報と前記予め記憶されたID情報とが対応しなかった場合に、前記ストッパーにより前記液体収容容器の挿入を阻止し、前記読み取られたID情報と前記予め記憶されたID情報とが対応する場合には、前記ストッパーを解除操作するようにしてもよい。これにより、簡易な構成により液体収容容器の誤挿入を防止することができる。
【0025】
さらに、ホルダーの開口部と前記第1の位置の間にスイッチを設けておき、前記スイッチを前記液体収容容器の通過により操作して、前記ID情報の読み取りを開始するようにすれば、ID情報の読み取りに要する電力を最小限とすることができる。
【0026】
また、この場合、前記スイッチにより、前記ストッパーを解除操作する装置を起動するようにすれば、ストッパーを操作するのに要する電力を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るプリンターおよびインクカートリッジを示す模式断面図である。
【図2】図1のプリンターにおけるホルダーにインクカートリッジを挿入する際の動作を説明する模式断面図である。
【図3】図1のプリンターにおけるホルダーに装着されたインクカートリッジを抜脱する際の動作を説明する模式断面図である。
【図4】本発明の第2の実施形態に係るプリンターにおけるホルダーにインクカートリッジを挿入する際の動作を説明する模式断面図である。
【図5】本発明の第3の実施形態に係るプリンターおよびインクカートリッジを示す模式断面図である。
【図6】本発明の第4の実施形態に係るプリンターおよびインクカートリッジを示す模式断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
添付の図面を参照しつつ本発明について以下詳細に説明する。なお以下の説明に用いる各図面では、各部材を認識可能な大きさとするために縮尺を適宜変更している。
【0029】
図1に本発明の第1の実施形態に係るプリンター(液体消費装置)10およびインクカートリッジ(液体収容容器)20を示す。プリンター10はインクジェットプリンターであり、印刷ヘッド11に対して、ホルダー30に挿入されたインクカートリッジ20からインクを供給することにより印刷を行うものである。
【0030】
一方、インクカートリッジ20は、筐体21の内部に設けられたインク収容部(図示せず)にインクを収容している。筐体21における第1の側面22には、インク収容部に連通するインク供給口23が設けられている。インク供給口23は、封止部材24により液密に封止されている。
【0031】
筐体21における第2の側面25には、バーコードが印刷された標識(被読取部)26が設けられている。当該バーコードは、本発明におけるID情報に相当する、インク収容部に収容されているインクの属性(色、量、用途等)を示すものである。
【0032】
ホルダー30は、開口部31と、内部空間32を画成する複数の側壁部と、インク供給針33とを備えている。インクカートリッジ20は、開口部31を通じて内部空間32に対して挿抜可能とされている。
【0033】
インク供給針33は、内部空間32の最奥部34に設けられており、プリンター1内に設けられたインク供給路12を介して印刷ヘッド11に連通している。インク供給針33は、本発明における結合部として機能する。
【0034】
インクカートリッジ20がホルダー30の内部空間32に挿入されると、筐体21の第1の側面22はインク供給針33に対向し、第2の側面25は側壁部の一つに対向する。インク供給口23が最奥部34に達するまでインクカートリッジ20がホルダー30に挿入されると、インク供給針33が封止部材24を突き破り、インク供給口23と嵌合する。
【0035】
インク供給針33がインク供給口23と嵌合すると、インクカートリッジ20に収容されているインクがインク供給針33およびインク供給路12を通じて印刷ヘッド11に供給され、所定の印刷媒体へ向けて噴射される(消費される)。
【0036】
またプリンター10は、インクカートリッジの誤挿入防止装置100を備えている。誤挿入防止装置100は、ホルダー30に対して、第1の可動部材50と、バーコードリーダー60と、第2の可動部材70とが設けられた構成とされる。誤挿入防止装置100は、制御部40と、モータ−80と、スイッチ90と、報知部95とをさらに備えている。
【0037】
制御部40は、CPU(図示せず)やメモリー43等の素子群により構成されており、センサー駆動部41と、モーター駆動部42とを有している。センサー駆動部41はバーコードリーダー60と電気的に接続されている。モーター駆動部42はモーター80と電気的に接続されている。
【0038】
第1の可動部材50は、開口部31よりも奥側において、ホルダー30の側壁部の一つ(本実施形態では上壁部)に支持されている。第1の可動部材50は、支点51を中心に回動可能に支持されており、突起部52が内部空間32内に突出している初期位置と、突起部52が内部空間32から退いている退避位置との間で可動とされている。第1の可動部材50は、突起部52に外力が作用していない状態においては自重により初期位置をとるように構成されている。
【0039】
バーコードリーダー60は、第1の可動部材50よりも奥側において、内部空間32を画成する側壁部のうち、インクカートリッジ20の第2の側壁25と対向する側壁部に設けられている。より具体的には、インクカートリッジ20がホルダー30に挿入されてバーコードリーダー60の前を通過する際に、第2の側壁25に設けられた標識26に対向する位置に設けられている。
【0040】
バーコードリーダー60は、LED光源とCCDイメージセンサーを含んで構成されている。本実施形態においてはインクカートリッジ20の挿入方向(図1の左右方向)に配列されたバーコードを通過させつつ読み取るペン型のものを用いている。
【0041】
しかしながらこの構成に限らず、標識26のバーコードをインクカートリッジ20の挿入方向に直交する向き(図1の上下方向)に配列し、バーコードリーダー60をラインセンサー型として、標識26がバーコードリーダー60を通過する際にバーコードを一度に読み取る構成としてもよい。
【0042】
第1の可動部材50およびバーコードリーダー60は、制御部40と電気的に接続されている。第1の可動部材50は、突起部52が退避位置に移動すると制御部40に検出信号を出力するように構成されている。
【0043】
制御部40は、検出信号を受信すると、センサー駆動部41にバーコードリーダー60へ電力を供給させるように構成されている。バーコードリーダー60は電力の供給を受けて起動し、LED光源が点灯する(読み取りを待機する状態となる)。
【0044】
また制御部40は、検出信号を受信すると、モーター駆動部42にモーター80へ電力を供給させるように構成されている。モーター80は電力の供給を受けて起動し、制御信号の入力を待機する状態となる。
【0045】
バーコードリーダー60により読み取られたバーコードが示すインクカートリッジ20のID情報は、制御部40に送信されるように構成されている。制御部40は、バーコードリーダー60よりID情報を受信すると、バーコードリーダー60への電力供給を絶つようにセンサー駆動部41を制御するように構成されている。
【0046】
第2の可動部材70は、バーコードリーダー60(第1の位置)とインク供給針33の間の位置(第2の位置)において、ホルダー30の側壁部の一つ(本実施形態では上壁部)に支持されている。第2の可動部材70は、支点71を中心に回動可能に支持されており、突起部72が内部空間32内に突出している初期位置と、突起部72が内部空間32から退いている退避位置との間で可動とされている。第2の可動部材70は、突起部72に外力が作用していない状態においては自重により初期位置をとるように構成されている。
【0047】
モーター80の回転軸81には係止部材82が装着されている。モーター80は制御部40のモーター駆動部42に電気的に接続されている。モーター駆動部42から出力される制御信号に応じて回転軸81が回転することにより、係止部材82が係止位置82aと解除位置82bの間で回動可能となるように構成されている。初期状態において係止部材82は係止位置82aにある。
【0048】
係止位置82aにある係止部材82は第2の可動部材70と当接し、突起部72に外力が作用しても退避位置への移動が阻止される。係止部材82が解除位置82bにある場合、第2の可動部材70の変位が許容され、突起部72が退避位置へ移動することを許容する。
【0049】
制御部40が備えるメモリー43には、ホルダー30に装着されるべきインクカートリッジ20のID情報が予め記憶されている。このID情報はインクカートリッジ20の仕様の変更・追加に応じて適宜書き換え可能とされている。
【0050】
制御部40は、バーコードリーダー60から送信されたID情報と、メモリー43に予め記憶されたID情報とを比較し、両者が一致した場合に、モーター80を駆動して係止部材82を解除位置へと移動させる信号をモーター駆動部42に出力させるように構成されている。
【0051】
突起部72が退避位置に到達するとスイッチ90が操作されるように構成されている。スイッチ90は制御部40と電気的に接続されており、スイッチ90が操作されることにより制御部40へ信号が出力される構成とされている。
【0052】
制御部40は、スイッチ90からの信号出力が絶たれると、モーター80を駆動して係止部材82を係止位置82aに移動させる制御信号をモーター駆動部42に出力させるように構成されている。
【0053】
制御部40は、バーコードリーダー60から送信されたID情報と、メモリーに予め記憶されたID情報が一致しない場合、モーター駆動部42にモーター80を駆動する信号を出力させず、報知部95を動作させるように構成されている。
【0054】
報知部95は、光、文字、音声の少なくとも一つによって警告を発することにより、ID情報が一致しない事実すなわち誤ったインクカートリッジ20がホルダー30に挿入されたことをユーザーに報知するように構成されている。
【0055】
以上を踏まえ、図2および図3を参照しつつ、本実施形態においてインクカートリッジ20の誤挿入を防止するための動作について説明する。なお本明細書において用いる「誤挿入」という語は、本来そのホルダー30に挿入されるべきではない属性のインク(色が異なる、量が異なる、用途が異なる等)を収容するインクカートリッジ20が誤って挿入される場合を含みうる意味で用いる。
【0056】
ホルダー30にインクカートリッジ20が挿入されていない初期状態において、第1の可動部材50の突起部52および第2の可動部材70の突起部72は各々初期位置に位置している。すなわち突起部52および突起部72の双方がホルダー30の内部空間32内に突出している。さらに係止部材82は係止位置82aにあって第2の可動部材70に当接し、突起部72の移動を阻止している。
【0057】
インクカートリッジ20の第1の側面22およびインク供給口23をホルダー30のインク供給針33に対向させて開口31より挿入すると、初期位置にある第1の可動部材50の突起部52に第1の側面22が当接する。
【0058】
この状態からさらにインクカートリッジ20をホルダー30内に挿入すると、図2の(a)に示すように第1の可動部材50が支点51を中心に回動し、突起部52が退避位置へと移動される。
【0059】
突起部52が退避位置へと移動されることにより、第1の可動部材50より制御部40のセンサー駆動部41へ検出信号が出力される。これによりセンサー駆動部41から電力が供給されてバーコードリーダー60が起動される。またモーター駆動部42から電力が供給されてモーター80が起動される。すなわち第1の可動部材50は、インクカートリッジ50の通過により操作される、本発明におけるスイッチとして機能する。
【0060】
センサー駆動部41からの電力供給を受けてバーコードリーダー60のLED光源が点灯し、通過する標識26に印刷されたバーコードがバーコードリーダー60により読み取られる。すなわちインクカートリッジ20のID情報を読み取る、本発明におけるセンサーとして機能する。
【0061】
バーコードリーダー60により読み取られたID情報は、制御部40へと送信される。制御部40は、ID情報の受信を受けてバーコードリーダー60への電力供給を絶つようにセンサー駆動部41を制御する。これによりバーコードリーダー60のLED光源は消灯する。
【0062】
さらに制御部40は、バーコードリーダー60より送信されたID情報と、メモリー43に予め記憶されたID情報とを比較する。すなわちメモリー43は、ホルダーに装着されるべき液体収容容器のID情報が予め記憶された、本発明における記憶部として機能する。
【0063】
両者が一致していると判定された場合、すなわちそのホルダー30に本来装着されるべきインクカートリッジ20が挿入されていると判定された場合、制御部40は本発明における判定部として機能し、モーター駆動部42にモーター80を駆動して係止部材82を解除位置へと移動させる信号を出力させる。すなわちセンサーにより読み取られたID情報と予め記憶されたID情報との一致が判定されると信号を出力する、本発明における判定部として機能する。
【0064】
一方、両者が一致していないと判定された場合、すなわちホルダー30に挿入されたインクカートリッジ20が本来そのホルダー30に装着されるべきインクカートリッジではない(誤挿入である)と判定された場合、制御部40はモーター駆動部42にモーター80を駆動する信号を出力させることなく、報知部95を動作させてユーザーに誤挿入の事実を報知する。
【0065】
モーター80が動作しないため、係止部材82は係止位置82aに留まり、初期位置にある突起部72にインクカートリッジ20の第1の側面22が当接する。第2の可動部材70は係止部材82により係止されているため、この状態からインクカートリッジ20をさらに挿入させようとしても、突起部72は移動することなくインクカートリッジ20の前進を阻止する。すなわち第2の可動部材70と係止部材82は、バーコードリーダー60とインク供給針33の間に設けられて液体収容容器の挿入を阻止する、本発明におけるストッパーとして機能する。
【0066】
ID情報の一致が判定されてモーター駆動部42から出力される制御信号によりモーター80が駆動されると、図2の(b)に示すように、回転軸81が回転して係止部材82が解除位置82bへ移動する。これにより第2の可動部材70の係止が解除されるため、図3の(a)に示すように、インクカートリッジ20の第1の側面22によって第2の可動部材70が支点71を中心に回動され、突起部72が退避位置へと移動される。すなわちモーター80は、判定部が出力する信号によりストッパーを解除する、本発明における操作部材として機能する。
【0067】
突起部72が退避位置に到達するとスイッチ90が操作されて、スイッチ90より制御部40へ信号が出力される。制御部40は当該信号の受信をもって正規のインクカートリッジがホルダー30に装着されたことを認識し、モーター駆動部42からモーター80への電力供給を絶つ。
【0068】
インク供給口23がホルダー30の最奥部34に達すると、インク供給針33が封止部材24を突き破り、インク供給口23と嵌合する。これによりインクカートリッジ20に収容されているインクがインク供給針33およびインク供給路12を通じて印刷ヘッド11に供給される。
【0069】
交換等の理由によりインクカートリッジ20をホルダー30から抜脱するには、図3の(b)に示すように、挿入方向と逆向きにインクカートリッジ20をホルダー30から引き抜く。
【0070】
インクカートリッジ20の第1の側面22が第2の可動部材70が設けられている位置を通過すると、第2の可動部材70は自重により支点71を中心に回動し、突起部72が初期位置に復帰する。同時にスイッチ90から制御部40への信号出力が絶たれ、制御部40は、モーター80を起動して係止部材82を係止位置82aに移動させる制御信号をモーター駆動部42に出力させる。これによりモーター80の回転軸81が回転して係止部材82が再び係止位置82aに移動し、突起部72が初期位置にある状態の第2の可動部材70を係止して回動できないようにする。すなわちストッパーが機能している状態に復帰する。
【0071】
インクカートリッジ20の第1の側面22が第1の可動部材50が設けられている位置を通過すると、第1の可動部材50は自重により支点51を中心に回動し、突起部52が初期位置に復帰する。
【0072】
以上説明したように、誤挿入防止装置100においては、ホルダー30の開口部31よりID情報を備えるインクカートリッジ20を挿入すると、ホルダー30内の第1の位置において、ID情報を読み取り、それを予めメモリー43に記憶されたID情報と一致するか否かを判断して、必要に応じて、第2の可動部材70をインクカートリッジ20のホルダー30への挿入を阻止するストッパーとして機能させるようになっている。
【0073】
このような構成によれば、従来のようにインクカートリッジの仕様に対応する凹凸構造を液体収容容器およびホルダーに設ける必要がなく、仕様の変更・追加毎に新たな係合部材を得るための金型を作製する必要もない。したがってインクカートリッジ20のホルダー30への誤挿入の未然防止を低コストで実現することができる。
【0074】
また誤挿入防止装置100においては、バーコードリーダー60を、第1の可動部材50の変位に基づいて起動する構成としたため、インクカートリッジ20が開口部31から挿入された場合のみ、バーコードリーダー60へ電力を供給する構成とすることができる。したがってセンサーによる読取動作を円滑に行なうことができると共に、電力消費量の抑制に寄与する。
【0075】
またモーター80が第1の可動部材50の変位に基づいて起動される構成とされているので、モーター80を早期に解除動作の待機状態とすることができる。したがって、バーコードリーダー60による読み取り結果に基づいて第2の可動部材70からなるストッパーを解除状態とすることができ、円滑な液体収容容器の挿入動作が可能となる。
【0076】
さらに誤挿入防止装置100においては、インクカートリッジ20をホルダー30から抜脱することにより、第2の可動部材70が自動的に元の位置に復帰する構成となっているので、適正でないインクカートリッジの挿入を阻止可能な状態を容易に復元することができ、操作性がよい。
【0077】
誤挿入防止装置100においては、報知部95を備えたことにより、適切でないインクカートリッジがホルダー30に挿入されたことをユーザーが容易に知ることができる。
【0078】
さらにメモリー43に記憶されているID情報は書き換え可能であるため、インクカートリッジの仕様変更や追加に対して容易かつ柔軟に対応することができ、汎用性に優れた装置を実現することができる。
【0079】
次に図4を参照しつつ、本発明の第2の実施形態に係るプリンター10Aおよびインクカートリッジ20Aについて説明する。第1の実施形態と同一または同等の要素については同一の参照番号を付与し、重複する説明は省略する。
【0080】
本実施形態におけるインクカートリッジ20Aは、バーコードが印刷された標識26Aが筐体21における第1の側面22、すなわちホルダー30Aのインク供給針33に対向する側面に設けられている点において、第1の実施形態に係るインクカートリッジ20と相違する。
【0081】
本実施形態におけるプリンター10Aが備える誤挿入防止装置100Aは、センサーとしてのバーコードリーダー60Aがホルダー30Aの最奥部34、すなわちインクカートリッジ20Aの第1の側面に対向する位置に設けられている点において、第1の実施形態に係る誤挿入防止装置100と相違する。
【0082】
バーコードリーダー60Aは、LED光源とCCDイメージセンサーを含んで構成されている。本実施形態においては、第1の位置すなわち第1の可動部材50と第2の可動部材70の間の位置において標識26Aに印刷されたバーコードを読み取り可能なラインセンサー型のものを用いている。
【0083】
インクカートリッジ20Aの第1の側面22およびインク供給口23をホルダー30Aのインク供給針33に対向させて開口31より挿入すると、初期位置にある第1の可動部材50の突起部52に第1の側面22が当接する。
【0084】
この状態からさらにインクカートリッジ20Aをホルダー30A内に挿入すると、図4の(a)に示すように第1の可動部材50が支点51を中心に回動し、突起部52が退避位置へと移動される。
【0085】
突起部52が退避位置へと移動されることにより、第1の可動部材50より制御部40のセンサー駆動部41へ検出信号が出力される。これによりセンサー駆動部41から電力が供給されてバーコードリーダー60Aが起動される。
【0086】
すると図4の(b)に示すように、センサー駆動部41からの電力供給を受けてバーコードリーダー60AのLED光源が点灯し、対向する標識26Aに印刷されたバーコードがバーコードリーダー60Aにより読み取られる。
【0087】
バーコードリーダー60Aにより読み取られたID情報は、制御部40へと送信される。制御部40は、ID情報の受信を受けてバーコードリーダー60Aへの電力供給を絶つようにセンサー駆動部41を制御する。これによりバーコードリーダー60AのLED光源は消灯する。
【0088】
次に図5を参照しつつ、本発明の第3の実施形態に係るプリンター10Bおよびインクカートリッジ20Bについて説明する。第1の実施形態と同一または同等の要素については同一の参照番号を付与し、重複する説明は省略する。
【0089】
本実施形態におけるインクカートリッジ20Bは、ID情報がRFIDタグ27に記憶されている点において、第1の実施形態に係るインクカートリッジ20と相違する。
【0090】
本実施形態におけるプリンター10Bが備える誤挿入防止装置100Bは、センサーとしてのRFIDセンサー61を備えている点において、第1の実施形態に係る誤挿入防止装置100と相違する。
【0091】
RFIDタグ27は筐体21の第2の側面25に装着されている。すなわちRFIDタグ27は、ホルダー30Bの内部空間32を画成する側壁部の一つに対向する側面に設けられている。
【0092】
RFIDセンサー61は、第1の可動部材50よりも奥側において、内部空間32を画成する側壁部のうち、インクカートリッジ20Bの第2の側壁25と対向する側壁部に設けられている。RFIDセンサー61は、RFIDタグ27と近距離無線通信を行ない、RFIDタグ27が備えるICに記憶されたID情報を読み取る構成とされている。
【0093】
インクカートリッジ20Bの第1の側面22およびインク供給口23をホルダー30Bのインク供給針33に対向させて開口31より挿入すると、初期位置にある第1の可動部材50の突起部52に第1の側面22が当接する。
【0094】
この状態からさらにインクカートリッジ20Bをホルダー30B内に挿入すると、第1の実施形態と同様に、第1の可動部材50が支点51を中心に回動し、突起部52が退避位置へと移動される。
【0095】
突起部52が退避位置へと移動されることにより、第1の可動部材50より制御部40のセンサー駆動部41へ検出信号が出力される。これによりセンサー駆動部41から電力が供給されてRFIDセンサー61が起動される。
【0096】
センサー駆動部41からの電力供給を受けて起動されたRFIDセンサー61が通過するRFIDタグ27と近距離無線通信を行ない、RFIDタグ27が備えるICに記憶されたID情報が読み取られる。
【0097】
RFIDセンサー61により読み取られたID情報は、制御部40へと送信される。制御部40は、ID情報の受信を受けてRFIDセンサー61への電力供給を絶つようにセンサー駆動部41を制御する。
【0098】
本実施形態においては、RFIDを用いた近距離無線通信によりID情報の読取がなされるため、バーコード読み取り方式と比較するとRFIDセンサー61やRFIDタグ27の位置決め精度に対する要求を緩和することができる。
【0099】
次に図6を参照しつつ、本発明の第4の実施形態に係るプリンター10Cおよびインクカートリッジ20Cについて説明する。第1の実施形態と同一または同等の要素については同一の参照番号を付与し、重複する説明は省略する。
【0100】
本実施形態におけるインクカートリッジ20Cは、筐体21の内部に設けられた磁石28の位置、数、および極性の少なくとも一つによりID情報が示されている点において、第1の実施形態に係るインクカートリッジ20と相違する。
【0101】
本実施形態におけるプリンター10Cが備える誤挿入防止装置100Cは、センサーとしての磁気センサー62を備えている点において、第1の実施形態に係る誤挿入防止装置100と相違する。
【0102】
磁石28は、筐体21の第2の側面25の内側に装着されている。すなわちRFIDタグ27は、ホルダー30Cの内部空間32を画成する側壁部の一つに対向する側面の内側に設けられている。
【0103】
磁石28は、インクカートリッジ20Cの製造時において、筐体21の内部(第2の側面25の裏側)に設けた所定の磁石保持部に装着される。磁石保持部は例えば6箇所設けられており、インクカートリッジ20Cの仕様に応じて、装着される磁石28の数や位置が定められる。図6の例では2つの磁石28が縦方向に並ぶ配置とされている。磁石28が装着される向きによって極性を変化させるようにしてもよい。
【0104】
上記のようにして適宜選択された磁石28の数、位置、および極性の少なくとも一つによって形成される磁場の状態が異なるため、これをもってインクカートリッジ20CのID情報を示すことができる。
【0105】
磁気センサー62は、第1の可動部材50よりも奥側において、内部空間32を画成する側壁部のうち、インクカートリッジ20の第2の側壁25と対向する側壁部に設けられている。磁気センサー62は、インクカートリッジ20Cの仕様に応じて適宜配置された磁石28により形成される磁場の状態を検出し、もってID情報を読み取る構成とされている。
【0106】
インクカートリッジ20Cの第1の側面22およびインク供給口23をホルダー30Cのインク供給針33に対向させて開口31より挿入すると、初期位置にある第1の可動部材50の突起部52に第1の側面22が当接する。
【0107】
この状態からさらにインクカートリッジ20Cをホルダー30C内に挿入すると、第1の実施形態と同様に、第1の可動部材50が支点51を中心に回動し、突起部52が退避位置へと移動される。
【0108】
突起部52が退避位置へと移動されることにより、第1の可動部材50より制御部40のセンサー駆動部41へ検出信号が出力される。これによりセンサー駆動部41から電力が供給されて磁気センサー62が起動される。
【0109】
センサー駆動部41からの電力供給を受けて起動された磁気センサー62が通過する磁石28により形成される磁場の状態を検出する。
【0110】
磁気センサー62により検出された磁場の状態は、ID情報として制御部40へと送信される。制御部40は、ID情報の受信を受けて磁気センサー62への電力供給を絶つようにセンサー駆動部41を制御する。
【0111】
上記実施形態は本発明の理解を容易にするためのものであって、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく変更・改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは勿論である。また上記に示した各構成を適宜選択的に組み合わせて採用するようにしてもよい。
【0112】
例えば本発明は、上記実施形態において例示したプリンターおよび印刷ヘッドに限らず、液晶ディスプレイ等のカラーフィルター製造に用いられる色材を噴射するヘッドを備えた装置、有機ELディスプレイや面発光ディスプレイ(FED)等の電極形成に用いられる電極材(導電ペースト)を噴射するヘッドを備えた装置、精密ピペットとしての試料噴射ヘッドを備えた装置等にも適用可能である。
【0113】
誤挿入防止装置100は、上記実施形態において例示したようにプリンター10の一部として設けられる必要はない。例えば少なくともホルダー、センサー、ストッパー、および操作部を有する誤挿入防止装置を、プリンター10の外部に設け、結合部と液体消費部とを適宜の液体供給路によって接続する構成としてもよい。記憶部および判定部は、プリンター10の側に設けても、外部に設置された誤挿入防止装置100の側に設けてもよい。
【0114】
上記実施形態において例示したように、スイッチの操作によって同時にセンサーと操作部が起動される構成とする必要はない。例えば、判定部がID情報の一致を判定した場合のみ操作部を起動する構成とすることができる。この場合待機電力を最小限に抑えることができる。
【0115】
操作部は、上記の実施形態において例示したモーター80により係止部材82を回動させる構成に限られない。係止部材82を係止位置82aと解除位置82bとの間で進退させるアクチュエーターを、制御部40から出力される信号に応じて動作させる構成としてもよい。
【0116】
第1の可動部材50および第2の可動部材70は、上記の実施形態において例示した自重で初期位置に復帰する構成に限られない。例えば支点51および71に捩りばねを装着し、突起部52および72に外力が付与されていない状態において初期位置に復帰するような付勢力を加える構成としてもよい。
【0117】
また上記実施形態においては、インクカートリッジ20、20A、20B、20Cが備えるID情報と、メモリ43に記憶されたID情報とが一致するか否かを判断するようにしている。しかしながらこれに限らず、メモリ43に所定のデータテーブルを格納しておき、インクカートリッジ20、20A、20B、20Cから読みとったID情報が、データテーブル上の所定のデータ範囲の場合に、インクカートリッジ20、20A、20B、20Cの開口部32への挿入を許容するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0118】
10:プリンター、11:印刷ヘッド、20:インクカートリッジ、22:第1の側面、25:第2の側面、26:標識、27:RFIDタグ、28:磁石、30:ホルダー、31:開口部、33:インク供給針、40:制御部、43:メモリー、50:第1の可動部材、60:バーコードリーダー、61:RFIDセンサー、62:磁気センサー、70:第2の可動部材、80:モーター、82:係止部材、90:スイッチ、100:誤挿入防止装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部および液体消費装置との結合部を有するホルダーと、
前記ホルダー内の第1の位置において、前記開口部より挿入された液体収容容器からID情報を読み取るセンサーと、
前記第1の位置と前記結合部の間の第2の位置に設けられ、前記液体収容容器の挿入を阻止するストッパーと、
前記ホルダーに装着されるべき液体収容容器のID情報が予め記憶された記憶部と、
前記センサーにより読み取られた前記ID情報と前記記憶部に記憶されたID情報との一致が判定されると信号を出力する判定部と、
前記信号により前記ストッパーを解除する操作部とを備える、液体収容容器の誤挿入防止装置。
【請求項2】
前記開口部と前記第1の位置の間に設けられ、前記液体収容容器の通過により操作されるスイッチを更に備え、
前記センサーは、前記スイッチにより起動される、請求項1に記載の誤挿入防止装置。
【請求項3】
前記操作部は、前記スイッチにより起動される、請求項2に記載の誤挿入防止装置。
【請求項4】
前記ストッパーは、前記液体収容容器を前記ホルダーから抜脱することにより、自動的に前記液体収容容器の挿入を阻止する位置に復帰する、請求項1から3のいずれか一項に記載の誤挿入防止装置。
【請求項5】
前記ID情報は、前記液体収容容器の側面に設けられたバーコードにより示され、
前記センサーは、前記第1の位置に設けられたバーコードリーダーである、請求項1から4のいずれか一項に記載の誤挿入防止装置。
【請求項6】
前記ID情報は、前記液体収容容器において前記ホルダーへの挿入時に前記結合部に対向する側面に設けられたバーコードにより示され、
前記センサーは、前記ホルダーにおいて前記側面に対向する位置に設けられたバーコードリーダーである、請求項1から4のいずれか一項に記載の誤挿入防止装置。
【請求項7】
前記ID情報は、前記液体収容容器に設けられたRFIDタグに記憶されており、
前記センサーは、前記第1の位置に設けられたRFIDセンサーである、請求項1から4のいずれか一項に記載の誤挿入防止装置。
【請求項8】
前記ID情報は、前記液体収容容器に設けられた磁石の位置、数、および極性の少なくとも一つにより示され、
前記センサーは、前記第1の位置に設けられた磁気センサーである、請求項1から4のいずれか一項に記載の誤挿入防止装置。
【請求項9】
前記一致が判定されなかった場合に警告を発する報知部をさらに備える、請求項1から8のいずれか一項に記載の誤挿入防止装置。
【請求項10】
前記記憶部に予め記憶されているID情報は書き換え可能である、請求項1から9のいずれか一項に記載の誤挿入防止装置。
【請求項11】
ID情報が、請求項1から10のいずれか一項に記載の誤挿入防止装置のセンサーによって読み取り可能な状態で設けられた液体収容容器。
【請求項12】
請求項1から10のいずれか一項に記載の誤挿入防止装置と、
液体収容容器との結合部を有するホルダーと、
前記結合部を介して液体収容容器から供給される液体を消費する液体消費部とを備える、液体消費装置。
【請求項13】
液体消費装置との結合部を有するホルダーへ液体収容容器が誤挿入されることを防止するための方法であって、
前記液体収容容器にID情報を示す被読取部を設けておき、
前記ホルダーの開口部より前記液体収容容器が挿入されたときに、前記ホルダー内の第1の位置において、前記被読取部から前記ID情報を読み取り、
読み取られた前記ID情報を予め記憶されたID情報と比較し、
前記読み取られたID情報と前記予め記憶されたID情報とが対応しなかった場合に、前記ホルダー内における前記第1の位置と前記結合部の間の第2の位置において前記液体収容容器の挿入を阻止する液体収容容器の誤挿入防止方法。
【請求項14】
前記開口部と前記第1の位置の間に設けられたスイッチが前記液体収容容器の通過により操作されると、前記ID情報の読み取りを実行する、請求項13に記載の誤挿入防止方法。
【請求項15】
前記スイッチが前記液体収容容器の通過により操作されると、前記ストッパーを解除操作する装置を起動する、請求項14に記載の誤挿入防止方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−39732(P2013−39732A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−178254(P2011−178254)
【出願日】平成23年8月17日(2011.8.17)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】