説明

液体吐出ヘッド及び画像形成装置

【課題】ヘッドの長尺化に伴って配線部材とヘッド部側の電極の位置ずれや接合強度不足による接合信頼性の低下が生じる。
【解決手段】FPC15には圧電素子部材12の外部電極23aと接合して接続する配線電極41が、予め圧電素子部材12の外部電極23aの配列ピッチより狭い配列ピッチで形成され、圧電素子部材12の位置決め部となるスリット溝14に挿入する突起42がFPC15に設けられ、ヘッド部側のスリット溝14とFPC15側の突起42は、予め各スリット溝14、突起42の配列間隔の比率が各電極(23a、41)の配列間隔比と同じになるように設けられて、FPC15の突起42が圧電素子部材12のスリット溝14に嵌め込まれて電極23aと41とが接合されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は液体吐出ヘッド及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
プリンタ、ファクシミリ、複写装置、プロッタ、これらの複合機等の画像形成装置として、例えばインク液滴を吐出する液体吐出ヘッド(液滴吐出ヘッド)からなる記録ヘッドを用いた液体吐出記録方式の画像形成装置としてインクジェット記録装置などが知られている。この液体吐出記録方式の画像形成装置は、記録ヘッドからインク滴を、搬送される用紙(紙に限定するものではなく、OHPなどを含み、インク滴、その他の液体などが付着可能なものの意味であり、被記録媒体あるいは記録媒体、記録紙、記録用紙などとも称される。)に対して吐出して、画像形成(記録、印字、印写、印刷も同義語で使用する。)を行なうものであり、記録ヘッドが主走査方向に移動しながら液滴を吐出して画像を形成するシリアル型画像形成装置と、記録ヘッドが移動しない状態で液滴を吐出して画像を形成するライン型ヘッドを用いるライン型画像形成装置がある。
【0003】
なお、本願において、液体吐出記録方式の「画像形成装置」は、紙、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックス等の媒体に液体を吐出して画像形成を行う装置を意味し、また、「画像形成」とは、文字や図形等の意味を持つ画像を媒体に対して付与することだけでなく、パターン等の意味を持たない画像を媒体に付与すること(単に液滴を媒体に着弾させること)をも意味する。また、「インク」とは、インクと称されるものに限らず、記録液、定着処理液、液体などと称されるものなど、画像形成を行うことができるすべての液体の総称として用い、例えば、DNA試料、レジスト、パターン材料なども含まれる。
【0004】
従来、液体吐出ヘッドとして、液室内の液体であるインクを加圧する圧力を発生するための圧力発生手段(アクチュエータ手段)として圧電素子、特に圧電層と内部電極を交互に積層した積層型圧電素子を用いて、積層型圧電素子のd33又はd31方向の変位で液室の壁面を形成する弾性変形可能な振動板を変形させ、液室内容積/圧力を変化させて液滴を吐出させるいわゆる圧電アクチュエータを用いた圧電型ヘッドが知られている。
【0005】
このような圧電型ヘッドの圧電素子(圧力発生手段)に駆動信号を与えるため、駆動ICが実装された配線部材としてのフレキシブルプリント基板(以下、FPCと呼ぶ)をはんだや異方性導電膜を用いて圧電素子側の電極と配線電極を接合する熱圧着構造が多く用いられている。FPCはその電極をヘッド部側(圧力発生手段側)の電極に位置合わせし、FPCに高温度の熱圧着ツールを押し付けることにより、FPCの配線電極をヘッド部側の電極に熱圧着して実装される。
【0006】
この場合、ヘッド部側とFPCの接合において、それぞれの電極の位置合わせを適正に行わないと導通不良を起こし、その結果、液体吐出ヘッドが正常に機能しなくなる問題が生じる。
【0007】
従来の位置合わせの手法として、FPCの両端部を突き当て、又は嵌め合いにより位置決めする方法が知られている(特許文献1)。
【0008】
しかしながら、上述したように、FPCはヘッド部側に熱圧着されるが、このときFPCは高温まで加熱されるので熱膨張する。そして、この熱膨張による伸びのため、FPCの電極ピッチが変化し、FPC側の電極とヘッド部側の電極の位置ずれが生じ、導通不良を発生させる問題がある。
【0009】
また、位置決め用のピンに対してFPCにピンより僅かに小径の孔を形成し、FPCを接合する部材側にピンより僅かに大径の孔を形成して両者を位置決めすることで、位置決め精度を向上させるとともに均一に加熱できるようにして接合の確実性をあげる技術事項も知られている(特許文献2)。
【0010】
しかしながら、このような構成にしても熱膨張による電極の位置ずれには対応することができない。
【0011】
そこで、FPCの電極間にスリットを形成することで、位置ずれ量の低減を図るもの(特許文献3)、また、FPCの電極形成部に凸部を形成し、一方ヘッド部側の電極形成部に凹部を設けて凹凸を組み合わせることで、位置ずれの発生を抑制するもの(特許文献4)がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】WO01/042017
【特許文献2】特開2006−346897号公報
【特許文献3】特開2005−153321号公報
【特許文献4】特開2005−125521号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
特に、近年、画像形成装置には高速化が求められており、インクジェット記録装置においては、高速印字のため、ノズル数を多くするライン型ヘッドなど、ヘッドの長尺化が進んでいる。長尺ヘッドにおいては、前述した熱膨張によるFPCの伸び量が大きくなるため、熱膨張による電極位置ずれは大きな問題となっている。
【0014】
ここで、上述したようにFPCにスリットを設ける構成にあっては、電極側部分が分割されるため、FPCのハンドリングが難しく位置合わせがしにくいという問題がある。特に長尺ヘッドでは、スリット本数を増やす必要があるため、さらにハンドリング性が悪化することになる。
【0015】
また、FPCの電極形成部に凸部を形成し、一方ヘッド部側の電極形成部に凹部を設けて凹凸を組み合わせる構成にあっては、圧力発生手段に形成される溝の深さは加工精度のばらつきによってその深さにばらつきを有しており、電極ピッチが微細になると、例えば他の溝よりも深い溝にFPC側の電極を接合するときに、FPCの隣り合う電極の高さに規制されて十分に加圧力が伝わらず、接合不良を起こす場合があり、信頼性が低下する。さらに、すべての電極に対して凹凸を形成する必要があるので生産性も悪いという課題がある。
【0016】
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、配線部材とヘッド部側の電極の位置合わせを容易に行うことができるようにするとともに、熱圧着時の熱膨張による両電極の位置ずれを生じることなく接合可能で長尺化にも対応可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記の課題を解決するため、本発明に係る液体吐出ヘッドは、
液滴を吐出するノズルが連通する液室内の容積を変化させて前記ノズルから液滴を吐出させる複数の圧力発生手段を有するヘッド部と、
前記ヘッド部の前記圧力発生手段に駆動信号を与える配線部材と、を有し
前記ヘッド部に設けられた前記圧力発生手段に接続される電極には、予め前記ヘッド部側の電極の配列間隔よりも狭い配列間隔で設けられた前記配線部材の配線電極がそれぞれ接合され、
前記ヘッド部側と前記配線部材側にそれぞれ複数の位置決め部が設けられ、
前記ヘッド部側と前記配線部材側の位置決め部は、予め各位置決め部の配列間隔の比率が前記各電極の配列間隔比と同じになるように設けられて、
前記ヘッド部側と前記配線部材側の各位置決め部が一致する状態で前記配線部材の配線電極と前記ヘッド部側の電極が接合されている
構成とした。
【0018】
ここで、前記ヘッド部側及び前記配線部材側にはそれぞれ3個以上の位置決め部が設けられている構成とできる。
【0019】
また、前記ヘッド部側及び前記配線部材側の各位置決め部はいずれか一方が凹部で、他方が凸部であって、凹凸嵌合している構成とできる。
【0020】
また、前記ヘッド部側と前記配線部材側との位置決め部は、前記配線部材に設けられた凸部と、前記ヘッド部の圧力発生手段を個別の駆動柱に分ける溝の一部とを凹凸嵌合して形成される構成とできる。
【0021】
この場合、前記配線部材に設けられた凸部は、前記溝の底部に凹凸嵌合される構成とできる。
【0022】
本発明に係る画像形成装置は、本発明に係る液体吐出ヘッドを備えている構成とした。
【発明の効果】
【0023】
本発明に係る液体吐出ヘッドによれば、ヘッド部に設けられた圧力発生手段に接続される電極には、予めヘッド部側の電極の配列間隔よりも狭い配列間隔で設けられた配線部材の配線電極がそれぞれ接合され、ヘッド部側と配線部材側にそれぞれ複数の位置決め部が設けられ、ヘッド部側と配線部材側の位置決め部は、予め各位置決め部の配列間隔の比率が各電極の配列間隔比と同じになるように設けられて、ヘッド部側と配線部材側の各位置決め部が一致する状態で配線部材の配線電極とヘッド部側の電極が接合されている構成としたので、配線部材とヘッド部側の電極の位置合わせを容易に行うことができるようにするとともに、熱圧着時の熱膨張による両電極の位置ずれを生じることなく接合可能で信頼性を向上でき、長尺化にも対応可能となる。
【0024】
本発明に係る画像形成装置によれば、本発明に係る液体吐出ヘッドを備えているので、信頼性が向上し、高画質画像を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明に係る液体吐出ヘッドの一例を示す外観斜視説明図である。
【図2】同じく液室長手方向に沿う断面説明図である。
【図3】同じく液室短手方向に沿う断面説明図である。
【図4】本発明の第1実施形態における電極接続構造の説明に供する平面説明図である。
【図5】同じく断面説明図である。
【図6】同じく正面説明図である。
【図7】本発明の第2実施形態における電極接続構造の説明に供する正面説明図である。
【図8】同じく断面説明図である。
【図9】本発明の第3実施形態における電極接続構造の説明に供する正面説明図である。
【図10】同じく断面説明図である。
【図11】本発明の第3実施形態における電極接続構造の説明に供する平面説明図である。
【図12】同じく断面説明図である。
【図13】本発明の第4実施形態における電極接続構造の説明に供する正面説明図である。
【図14】同じく断面説明図である。
【図15】本発明に係る画像形成装置の機構部全体の概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照して説明する。本発明に係る液体吐出ヘッドの一例について図1ないし図3を参照して説明する。なお、図1は同ヘッドの外観斜視説明図、図2は同ヘッドのノズル配列方向と直交する方向(液室長手方向)に沿う断面説明図、図3は同ヘッドのノズル配列方向(液室短手方向)に沿う断面説明図である。
【0027】
この液体吐出ヘッドは、流路基板(液室基板)1と、この流路基板1の下面に接合した振動板を形成する振動板部材2と、流路基板1の上面に接合したノズル板3とを有し、これらによって液滴(液体の滴)を吐出する複数のノズル4がそれぞれノズル連通路5を介して連通する個別流路としての複数の液室(加圧液室、圧力室、加圧室、流路などとも称される。)6、液室6にインクを供給する供給路を兼ねた流体抵抗部7、この流体抵抗部7を介して液室6と連通する連通部8を形成し、連通部8に振動板部材2に形成した供給口9を介して後述するフレーム部材17に形成した共通液室10からインクを供給する。
【0028】
この流路基板1は、SUS基板を、酸性エッチング液を用いてエッチング、あるいは打ち抜き(プレス)などの機械加工することで、連通路5、加圧液室6、流体抵抗部7などの開口をそれぞれ形成している。
【0029】
振動板部材2は各液室6に対応してその壁面を形成する変形可能な薄肉部である振動領域(ダイアフラム部)2aを有し、振動領域2aの面外側(液室6と反対面側)に圧電素子部材12との連結部となる厚肉部である島状凸部2bが設けられ、この島状凸部2bに振動領域2aを変形させる駆動手段(アクチュエータ手段、圧力発生手段)としての積層型圧電素子部材12の圧電素子柱12A、12Bの上端面(接合面)12aを接合している。また、積層型圧電素子部材12の下端面はベース部材13に接合している。
【0030】
ここで、圧電素子部材12は、圧電材料層21と内部電極22a、22bとを交互に積層したものであり、内部電極22a、22bをそれぞれ端面、即ち圧電素子部材12の振動板2に略垂直な側面に引き出して、この側面に形成された端面電極(外部電極)23a、23bに接続し、端面電極(外部電極)23a、23bに電圧を印加することで積層方向の変位を生じる。この圧電素子部材12は、ハーフカットダイシングによる溝加工を施してスリット溝14を形成することで、1つの圧電素子部材に対して所要数の圧電素子柱12A、12Bを形成したものである。
【0031】
なお、圧電素子部材12の圧電素子柱12A、12Bは、同じものであるが、駆動波形を与えて駆動させる圧電素子柱を圧電素子柱12A、駆動波形を与えないで単なる支柱として使用する圧電素子柱を圧電素子柱12Bとして区別している。この場合、図3に示すように、駆動用圧電素子柱12Aと支柱用圧電素子柱12Bとを交互に使用するバイピッチ構成としているが、すべての圧電素子柱を駆動用圧電素子柱12Aとして使用するノーマルピッチ構成とすることもできる。
【0032】
そして、圧電素子部材12の各駆動用圧電素子柱12Aの外部電極23aには駆動信号を与えるために配線部材としてのFPC15を接続し、このFPC15には圧電素子部材12の各駆動用圧電素子柱12Aに対して選択的に駆動波形(駆動信号)を印加するための駆動回路(ドライバIC)16が実装されている。
【0033】
ノズル板3は、ニッケル(Ni)の金属プレートから形成したもので、エレクトロフォーミング法(電鋳)で製造している。このノズル板3には各液室6に対応して直径10〜35μmのノズル4を形成し、流路板1に接着剤接合している。そして、このノズル板3の液滴吐出側面(吐出方向の表面:吐出面、又は液室6側と反対の面)には撥水層を設けている。
【0034】
さらに、これらの圧電素子部材12、ベース部材13及びFPC15などで構成される圧電アクチュエータ11の外周側には、エポキシ系樹脂或いはポリフェニレンサルファイトで射出成形により形成したフレーム部材17を接合している。そして、このフレーム部材17には前述した共通液室10を形成し、更に共通液室10に外部からインクを供給するための供給口19を形成し、この供給口19は更に図示しないサブタンクやインクカートリッジなどのインク供給源に接続される。
【0035】
このように構成した液体吐出ヘッドにおいては、例えば圧電素子部材12の駆動圧電素子柱12Aに印加する電圧を基準電位から下げることによって駆動圧電素子柱12Aが収縮し、振動板部材2の振動板領域2aが下降して加圧液室6の容積が膨張することで、加圧液室6内にインクが流入し、その後駆動圧電素子柱12Aに印加する電圧を上げて駆動圧電素子柱12Aを積層方向に伸長させ、振動板領域2aをノズル4方向に変形させて加圧液室6の容積を収縮させることにより、加圧液室6内のインクが加圧され、ノズル4からインク滴が吐出(噴射)される。
【0036】
そして、駆動圧電素子柱12Aに印加する電圧を基準電位に戻すことによって振動板領域2aが初期位置に復元し、加圧液室6が膨張して負圧が発生するので、このとき、共通液室8から加圧液室6内にインクが充填される。そこで、ノズル4のメニスカス面の振動が減衰して安定した後、次の液滴吐出のための動作に移行する。
【0037】
なお、このヘッドの駆動方法については上記の例(引き−押し打ち)に限るものではなく、駆動波形の与えた方によって引き打ちや押し打ちなどを行うこともできる。
【0038】
次に、本発明の第1実施形態における圧電素子部材12の駆動圧電素子柱12AとFPC15との電極同士の接続にかかる構造について図4ないし図6を参照して説明する。なお、図4は同構造の説明に供する平面説明図、図5は同じく断面説明図、図6は同じく正面説明図である。
FPC15には圧電素子部材12の駆動圧電素子柱12Aの外部電極(個別電極)23aと接合して接続する配線電極(以下「FPC電極」という。)41が所定の配列間隔(ピッチ)で設けられている。
【0039】
ここで、FPC電極41の配列ピッチL2は、圧電素子部材12との接合を行う前の状態で、熱圧着時の熱膨張(伸び)を予め見込んで、予め圧電素子部材12の駆動圧電素子柱12Aの外部電極(以下「圧電素子電極」という。)23aの配列ピッチL1に対して、L1>L2、の関係になるように狭くしている。
【0040】
また、FPC15の電極側の表面には、圧電素子部材12のスリット溝14の底部に相当する位置に複数の位置決め部である突起(以下「FPC突起」という。)42が形成されている。なお、図4では4個の突起42が形成されている例を示している。
【0041】
ここで、FPC突起42は特定の配列間隔(ピッチ)で形成されており、例えばFPC突起42の配置間隔L22は、位置合わせ時に対応する圧電素子部材12のスリット溝14の溝間隔L12に対して、L22/L12=L2/L1、となるように、また、別のFPC突起42の配置間隔L21は、位置合わせ時に対応する圧電素子部材12のスリット溝14の間隔L11に対して、同じように、L21/L11=L2/L1となるように形成される。なお、ここでは、複数の間隔にてFPC突起42を形成しているが、すべての突起42を同一間隔で形成してもよい。
【0042】
つまり、この例では、圧電素子部材12のスリット溝14をヘッド部側位置決め部として使用し、ヘッド部側とFPC15側にそれぞれ複数の位置決め部が設けられた構成とし、更にヘッド部側とFPC側の位置決め部は、予め各位置決め部の配列間隔の比率が各電極(23a、41)の配列間隔比と同じになるように設けられている。
【0043】
また、FPC突起42とFPC電極41との位置関係も特定の位置関係にて形成されており、例えばFPC突起42とFPC電極41の間隔L20は、位置合わせ時に対応する圧電素子部材12のスリット溝14と圧電素子電極23aの間隔L10に対して、L20/L10=L2/L1、となるよう形成されている。
【0044】
ここで、図6に示すようにヘッド部側の位置決め部として圧電素子部材12を個別の駆動柱へと分けるスリット溝14の一部を利用することにより、ヘッド部側に別途位置決め部を形成する必要が無くなり、製造工程を簡略化しコストダウンが可能となる。また、このような構成であれば、長尺のヘッドであっても液室配列方向の任意の場所に位置決め部を形成することが可能となり、位置決め部間が長くなることで発生する位置決め部から離れた部分での接合位置精度の悪化も容易に防止することができる。
【0045】
また、ここでは、FPC突起42を先端が半球状の円筒ないし円柱として図示しているが、断面形状は特に限定されない。また、FPC突起42の材質も樹脂、金属など特に限定されないが、樹脂にて形成することが好ましい。例えばUV硬化樹脂を用いて形成すると、塗布直後に硬化させることができるので、液滴が広がることなく正確な位置精度で樹脂突起を形成することができる。突起の高さは、圧電素子部材側(ヘッド部側)の位置決め部としてのスリット溝14へ挿入可能な高さを有しており、また突起42の大きさは圧電素子部材側の位置決め部としてのスリット溝14への挿入具合を勘案して適宜決められるが、スリット溝14に圧入される程度にスリット溝14の溝幅よりもわずかに大きくすることが好ましい。
【0046】
このように構成されるFPC15を圧電素子部材12に接合するときには、まず、FPC突起42を圧電素子部材12側の位置決め部であるスリット溝14に挿入する。このとき、FPC突起42の間隔よりも対応する圧電素子部材12のスリット溝14(以下「圧電素子溝14」という。)の間隔のほうが広いため、FPC15は伸びた状態となり、FPC突起42の間隔L22は圧電素子溝14の間隔L12と同じになる。
【0047】
また、FPC突起42の間隔L22と圧電素子溝14の間隔L12の比率がFPC電極41と圧電素子電極23aのピッチ比L2/L1と同じであるため、FPC突起42の挿入によりFPC突起間隔L22は圧電素子溝間隔L12と同じになると、図6に示すように、圧電素子電極23aとFPC電極41のピッチも同じになる。FPC突起42の挿入によりFPC15が機械的に伸ばされるため、FPC15には収縮しようとする力が発生するが、FPC突起42は圧電素子溝14の底部に挿入されるため、圧電素子柱12Aへかかるモーメント荷重は小さく、圧電素子柱12Aの柱倒れが発生する可能性は低い。また、FPC突起42を圧電素子溝14の溝幅よりもわずかに大きくしている場合には、両者は圧入により嵌合することになるため、FPC15と圧電素子部材12が仮固定された状態となり、後述する熱圧着作業などのハンドリング時において位置ずれを起こす可能性も少ない。
【0048】
そして、FPC突起42を圧電素子溝14に挿入して位置合わせを行った後、図示しない熱圧着ツールをFPC15に押し付け、熱圧着してボンディングする。熱圧着時にはFPC15は高温の熱圧着ツールが押し付けられることにより熱膨張するが、FPC15はあらかじめ機械的に伸ばされた状態にあるため、熱膨張によりFPC15の内部応力が緩和されるものの、容易にはFPC電極41と圧電素子電極23aの位置ずれを生じることがない。また、熱膨張による伸びが設計時の見込み量を上回り、FPC電極41のピッチが圧電素子電極23aのピッチ以上に伸びた場合にも、FPC15と圧電素子部材12の位置が機械的に拘束されているため、大幅に位置ずれを起こすことはない。
【0049】
なお、この実施形態では、FPC突起42が4個の場合を例示したが、FPC電極41と圧電素子電極23aのピッチが同じになるよう位置決めするには、少なくとも2個のFPC突起42を電極41の配列方向両端部に形成する必要がある。ただし、位置決め時のFPC15の伸びが電極41を形成する部分全体にわたって均一になるとは限らないため、図4に示すようにFPC電極42の配列方向両端部に加えて、その間にもFPC突起42を形成することが好ましい。突起42の形成位置の間隔が小さいほど効果的に位置ずれを抑えることができる。また、FPC突起42と圧電素子溝14が、前述のとおり圧入により嵌合されていれば、例えばFPCに外力が加わった場合には圧入部分で外力に抗するので、直接FPC15と圧電素子部材12の駆動圧電素子柱12Aの接合部分にストレスがかかず、外力による接合剥離が発生することがない。
【0050】
次に、本発明の第2実施形態における圧電素子部材12の駆動圧電素子柱12AとFPC15との電極同士の接続にかかる構造について図7及び図8を参照して説明する。なお、図7は同構造の説明に供する正面説明図、図8は同じく断面説明図である。
ここでは、ヘッド部側位置決め部としてベース部材13に溝51を形成し、FPC15側の位置決め部であるFPC突起42はこのベース部材13の溝51に嵌め込むようにしている。
【0051】
ベース部材13の位置決め部(溝51)に対してFPC突起42を挿入することで、FPC15を伸ばしたことによる収縮力が圧電素子部材12に駆動圧電素子柱12Aにかかることがないので、圧電素子柱の柱倒れが発生することを確実に低減することができる。
【0052】
なお、ベース部材13の溝51は、圧電素子部材12にダイシングブレードを用いて所定の深さの溝14を複数列研削して複数の圧電素子柱12A、12Bを形成するとき、圧電素子部材12の溝加工に引き続いて、圧電素子部材12の溝から連続するようにベース部材13の溝14を研削加工することにより形成することができる。
【0053】
ここで、図7ではベース部材13まで到達する溝51として加工しているが、ベース部材13までは到達せず、圧電素子部材12に通常のスリット溝14よりも深い溝として形成してもよい。このような溝であっても、FPC突起42の位置決めを溝51の底部に設けることで収縮力のかかる部分にはスリット溝14がないことから圧電素子柱の柱倒れを防止することができる。
【0054】
このように圧電素子部材の溝加工と同時にベース溝加工を行うことにより、圧電素子電極に対するベース溝の位置精度を高めることができる。
【0055】
次に、本発明の第3実施形態における圧電素子部材12の駆動圧電素子柱12AとFPC15との電極同士の接続にかかる構造について図9及び図10を参照して説明する。なお、図9は同構造の説明に供する正面説明図、図10は同じく断面説明図である。
ここでは、ヘッド部側位置決め部としてベース部材13に孔52を形成し、FPC15側の位置決め部であるFPC突起42はこのベース部材13の孔52に嵌め込むようにしている。
【0056】
このようにベース部材の孔にFPC突起を挿入することにより、FPC電極と圧電素子電極のピッチ方向の位置決めのみならず、2次元的な位置決めを行うことができる。
【0057】
以上のように、各実施形態で説明した、圧電素子部材のスリット溝、ベース部材の溝、ベース部材の孔など、ヘッド部側(圧電ユニット11側)に複数の凹型の位置決め部を設けるとともに、FPC突起のようにFPCに複数の凸型の位置決め部を設け、それぞれの位置決め部が電極間隔に比例した間隔で形成され、位置決め部が一致するように位置決めしFPCと圧電素子を熱圧着して接合することで、FPC電極と圧電素子の電極との位置合わせを容易に行うことができるとともに、熱圧着時の熱膨張による両電極の位置ずれを生じることなく接合することができ、電極の位置ずれがないため長尺化にも容易に対応することができる。
【0058】
次に、本発明の第4実施形態における圧電素子部材12の駆動圧電素子柱12AとFPC15との電極同士の接続にかかる構造について図11及び図12を参照して説明する。なお、図11は同構造の説明に供する平面説明図、図12は同じく断面説明図である。
ここでは、ヘッド部のベース部材13に位置決め部としてのピン(凸部)53を設け、FPC15側に位置決め部としての孔43を形成して、FPC15側の位置決め部であるFPC孔43にベース部材13のピン53を嵌め込むようにしている。
【0059】
なお、ここでは、ピン53を円筒又は円柱形状、孔43を円形状として例示しているが、断面形状は特に限定されるものではない。また、FPC15の孔43は貫通孔に限らず、座ぐり孔でもよい。FPC15の孔は、例えば機械的に孔を穿設したり、エッチングにて形成することができる。また、ベース部材13の表面からピン53の先端までの高さはFPC15の孔43へ挿入可能な高さとなっている、また、FPC15の孔43の径はピン53との挿入具合を勘案して適宜決められるが、ピン53に圧入する程度にピン径よりもわずかに小さくすることが好ましい。
【0060】
このように、圧電ユニットの位置決め部とFPCの位置決め部は、前述した各実施形態のように圧電ユニットの位置決め部が凹型で、FPC側の位置決め部が凸型の関係でもよく、あるいは本実施形態のように圧電ユニットの位置決め部が凸型でFPC側の位置決め部が凹型の関係でもよい。
【0061】
また、本実施形態では圧電ユニットの位置決め部としての凸部をベース部材の孔に挿入したピンにより形成しているが、前述した第1実施形態などで説明したFPC突起のように、ベース部材あるいは圧電素子部材に樹脂にて突起(凸部)を形成してもよい。
【0062】
次に、本発明の第5実施形態における圧電素子部材12の駆動圧電素子柱12AとFPC15との電極同士の接続にかかる構造について図13及び図14を参照して説明する。なお、図13は同構造の説明に供する接合前の平面説明図、図14は同じく断面説明図である。
ここでは、圧電素子部材13のスリット溝14をヘッド部側位置決め部とし、FPC15側に位置決め部としての孔43を形成している。なお、FPC孔43の断面形状は円形状に限定されるものではない。
【0063】
そして、FPC孔43に挿入する突起(凸部)62を形成した接合用プレート61を使用してFPC15の接合を行う。接合用プレート61にはFPC孔43と同じ配列間隔にて突起62が形成されており、また、接合用プレート61は突起62の並び方向へ伸縮自在となっている。そこで、接合用プレート61の凸部62を圧電素子部材12のスリット溝14に挿入して位置合わせを行った後、熱圧着によりFPC15の電極41と駆動圧電素子柱12Aの電極23aとを接合する。接合した後は、接合用プレート61を取り外し、必要に応じてベース部材13とFPC15を接着して接合終了となる。なお、ベース部材とFPCの接着することで、外力の作用によりFPCが剥離するのを防ぐことができる。
【0064】
このように、圧電ユニットの位置決め部とFPCの位置決め部は、前記各実施形態に示したように凹凸の関係でもよく、あるいは本実施形態のように圧電ユニットの位置決め部が凹型でFPCの位置決め部が孔の関係でもよい。なお、圧電ユニットの位置決め部はスリット溝以外の前述した各実施形態で説明した構成であってもよい。
【0065】
次に、本発明に係る液体吐出装置を含む本発明に係る画像形成装置の一例について図15を参照して説明する。なお、図15は同装置の機構部全体の概略構成図である。
この画像形成装置は、ライン型画像形成装置であり、装置本体201の内部に画像形成部202等を有し、装置本体201の下方側に多数枚の記録媒体(用紙)203を積載可能な給紙トレイ204を備え、この給紙トレイ204から給紙される用紙203を取り込み、搬送機構205によって用紙203を搬送しながら画像形成部202によって所要の画像を記録した後、装置本体201の側方に装着された排紙トレイ206に用紙203を排紙する。
【0066】
また、装置本体201に対して着脱可能な両面ユニット207を備え、両面印刷を行うときには、一面(表面)印刷終了後、搬送機構205によって用紙203を逆方向に搬送しながら両面ユニット207内に取り込み、反転させて他面(裏面)を印刷可能面として再度搬送機構205に送り込み、他面(裏面)印刷終了後排紙トレイ206に用紙203を排紙する。
【0067】
ここで、画像形成部202は、例えばブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色の液滴を吐出する、フルライン型の4個の本発明に係る液体吐出ヘッドで構成した記録ヘッド211k、211c、211m、211y(色を区別しないときには「記録ヘッド211」という。)を備え、各記録ヘッド211は液滴を吐出するノズルを形成したノズル面を下方に向けてヘッドホルダ213に装着している。
【0068】
また、各記録ヘッド211に対応してヘッドの性能を維持回復するための維持回復機構212k、212c、212m、212y(色を区別しないときには「維持回復機構212」という。)を備え、パージ処理、ワイピング処理などのヘッドの性能維持動作時には、記録ヘッド211と維持回復機構212とを相対的に移動させて、記録ヘッド211のノズル面に維持回復機構212を構成するキャッピング部材などを対向させる。
【0069】
なお、ここでは、記録ヘッド211は、用紙搬送方向上流側から、ブランク、シアン、マゼンタ、イエローの順に各色の液滴を吐出する配置としているが、配置及び色数はこれに限るものではない。また、ライン型ヘッドとしては、各色の液滴を吐出する複数のノズル列を所定間隔で設けた1又は複数のヘッドを用いることもできるし、ヘッドとこのヘッドに記録液を供給する記録液カートリッジを一体とすることも別体とすることもできる。
【0070】
給紙トレイ204の用紙203は、給紙コロ(半月コロ)221と図示しない分離パッドによって1枚ずつ分離され装置本体201内に給紙され、搬送ガイド部材223のガイド面223aに沿ってレジストローラ225と搬送ベルト233との間に送り込まれ、所定のタイミングでガイド部材226を介して搬送機構205の搬送ベルト233に送り込まれる。
【0071】
また、搬送ガイド部材223には両面ユニット207から送り出される用紙203を案内するガイド面223bも形成されている。更に、両面印刷時に搬送機構205から戻される用紙203を両面ユニット207に案内するガイド部材227も配置している。
【0072】
搬送機構205は、駆動ローラである搬送ローラ231と従動ローラ232との間に掛け渡した無端状の搬送ベルト233と、この搬送ベルト233を帯電させるための帯電ローラ234と、画像形成部202に対向する部分で搬送ベルト233の平面性を維持するプラテン部材235と、搬送ベルト233から送り出す用紙203を搬送ローラ231側に押し付ける押さえコロ236と、その他図示しないが、搬送ベルト233に付着した記録液(インク)を除去するためのクリーニング手段である多孔質体などからなるクリーニングローラなどを有している。
【0073】
この搬送機構205の下流側には、画像が記録された用紙203を排紙トレイ206に送り出すための排紙ローラ238及び拍車239を備えている。
【0074】
このように構成した画像形成装置において、搬送ベルト233は矢示方向に周回移動し、高電位の印加電圧が印加される帯電ローラ334と接触することで帯電される。この場合、帯電ローラ234の帯電電圧は所定の時間間隔で極性を切り替えることによって、搬送ベルト233を所定の帯電ピッチで正負に帯電させることができる。
【0075】
ここで、この高電位に帯電した搬送ベルト233上に用紙203が給送されると、用紙203内部が分極状態になり、搬送ベルト233上の電荷と逆極性の電荷が用紙203の搬送ベルト233と接触している面に誘電され、搬送ベルト233上の電荷と搬送される用紙203上に誘電された電荷同士が互いに静電的に引っ張り合い、用紙203は搬送ベルト233に静電的に吸着される。このようにして、搬送ベルト233に強力に吸着した用紙203は反りや凹凸が校正され、高度に平らな面が形成される。
【0076】
そして、搬送ベルト233を周回させて用紙203を移動させ、記録ヘッド211から液滴を吐出することで、用紙203上に所要の画像が形成され、画像が記録された用紙203は排紙ローラ238によって排紙トレイ206に排紙される。
【0077】
このように、この画像形成装置においては本発明に係る液体吐出ヘッドからなる記録ヘッドを備えているので、高い信頼性が得られる記録ヘッドを用いて高速で画像を形成することができる。また、この画像形成装置における記録ヘッド及びこの記録ヘッドを駆動する部分で構成される液体吐出装置においても、本発明に係る液体吐出ヘッドからなる記録ヘッドを備えているので、低コストで、高い信頼性が得られる液体吐出を行うことができる。
【0078】
なお、上記実施形態では本発明をプリンタ構成の画像形成装置に適用した例で説明したが、これに限るものではなく、例えば、プリンタ/ファックス/コピア複合機などの画像形成装置に適用することができる。また、狭義のインク以外の液体や定着処理液などを用いる画像形成装置にも適用することができる。
【符号の説明】
【0079】
1 流路基板
2 振動板部材
3 ノズル板
4 ノズル
6 液室
10 加圧液室
11 圧電アクチュエータ
12 圧電素子部材
12A 駆動圧電素子柱
12B 非駆動圧電素子柱
13 ベース部材
14 スリット溝(位置決め部)
15 FPC(配線部材)
41 配線電極
42 突起(位置決め部)
43 孔(位置決め部)
51 溝(位置決め部)
53 ピン(位置決め部)
211k、211c、211m、211y…記録ヘッド(液体吐出ヘッド)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液滴を吐出するノズルが連通する液室内の容積を変化させて前記ノズルから液滴を吐出させる複数の圧力発生手段を有するヘッド部と、
前記ヘッド部の前記圧力発生手段に駆動信号を与える配線部材と、を有し
前記ヘッド部に設けられた前記圧力発生手段に接続される電極には、予め前記ヘッド部側の電極の配列間隔よりも狭い配列間隔で設けられた前記配線部材の配線電極がそれぞれ接合され、
前記ヘッド部側と前記配線部材側にそれぞれ複数の位置決め部が設けられ、
前記ヘッド部側と前記配線部材側の位置決め部は、予め各位置決め部の配列間隔の比率が前記各電極の配列間隔比と同じになるように設けられて、
前記ヘッド部側と前記配線部材側の各位置決め部が一致する状態で前記配線部材の配線電極と前記ヘッド部側の電極が接合されている
ことを特徴とする液体吐出ヘッド。
【請求項2】
前記ヘッド部側及び前記配線部材側にはそれぞれ3個以上の位置決め部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の液体吐出ヘッド。
【請求項3】
前記ヘッド部側及び前記配線部材側の各位置決め部はいずれか一方が凹部で、他方が凸部であって、凹凸嵌合していることを特徴とする請求項1又は2に記載の液体吐出ヘッド。
【請求項4】
前記ヘッド部側と前記配線部材側との位置決め部は、前記配線部材に設けられた凸部と、前記ヘッド部の圧力発生手段を個別の駆動柱に分ける溝の一部とを凹凸嵌合して形成されることを特徴とする請求項3に記載の液体吐出ヘッド。
【請求項5】
前記配線部材に設けられた凸部は、前記溝の底部に凹凸嵌合されることを特徴とする請求項4に記載の液体吐出ヘッド。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれかに記載の液体吐出ヘッドを備えていることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2010−201832(P2010−201832A)
【公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−51246(P2009−51246)
【出願日】平成21年3月4日(2009.3.4)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】