説明

液体吐出ラインヘッドおよび液体吐出装置

【課題】ノズル面と吐出対象物との距離を適正に保持することができる、液体吐出ラインヘッドおよび液体吐出装置を提供する。
【解決手段】インク吐出ラインヘッド16は、用紙12に対してインクを吐出する複数のノズル14が開口されたノズル面46aを有し、複数のノズル14は用紙12における幅方向の一端から他端に亘って対応するように配置されているラインヘッド本体40と、ノズル面46aに対向して配設され、用紙12が載置されるプラテン22と、ラインヘッド本体40に対してプラテン22を取り付ける取付部42とを備えている。インク吐出装置10は、前記インク吐出ラインヘッド16と、インク吐出ラインヘッド16に用紙12を搬送する搬送装置18とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ノズル面に対向する位置に配設されたプラテンを備える液体吐出ラインヘッドおよび液体吐出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
プリンタ、ファクシミリまたは複写装置等のような従来の一般的な液体吐出装置には、液体を吐出する複数のノズルを有する液体吐出ヘッドが組み込まれており、液体吐出ヘッドにおける複数のノズルが形成されたノズル面に対向する領域に搬送装置によって吐出対象物(用紙等)が搬送され、当該吐出対象物に対してノズルから液体が吐出される。そのため、ノズル面に対向する位置には、吐出対象物が載置されるプラテンが配置されており、当該プラテンによってノズル面と吐出対象物との距離が適正に保持されている。また、従来の一般的な液体吐出装置には、液体吐出ヘッドの吐出性能を保持するために、ノズルをクリーニングするクリーニング機構が設けられている。このクリーニング機構としては、「各ノズルからインクを連続的に吐出させるフラッシング機構」、「ノズルからインクを強制的に吸引する吸引機構」および「液体吐出ヘッドのノズル面に付着したインクを拭き取るワイピング機構」等が存在するが、これらのいずれの機構を採用する場合でも、ノズル面に対向する位置に当該機構の一部(キャップ、ワイパー等)を配置しなければならないため、特に、液体吐出ラインヘッドのようなプラテンに対向して固定的に配設された液体吐出ヘッドでは、ノズルをクリーニングする際にプラテンが邪魔になるおそれがあった。
【0003】
そこで、従来では、特許文献1に記載されているように、プラテンを移動可能に構成するとともに、装置本体(ケーシング等)に駆動装置を取り付け、クリーニングを行う際には、駆動装置でプラテンを移動させることによって、当該プラテンをノズル面に対向する位置から退避させるようにしていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−142280号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述の従来技術(特許文献1)によれば、プラテンをノズル面に対向する位置から一時的に退避させることができるので、ノズルをクリーニングする際にプラテンが邪魔になるのを防止することができる。しかし、プラテンは、装置本体に取り付けられた駆動装置の保持部材(特許文献1の図13、図14参照)や、装置本体に取り付けられた駆動装置の支軸(特許文献1の図17、図18参照)で支持されていたので、ノズル面とプラテンとの位置調整が難しく、ノズル面とプラテンに載置された吐出対象物との距離を適正に保持することが困難であった。なお、上述の従来技術(特許文献1)は、プラテンをノズル面に対向する位置から一時的に退避させる機能を有するものであるが、当該機能の有無にかかわらず、装置本体に取り付けられた保持部材等でプラテンを支持する構成である限り、ノズル面とプラテンとの間に多くの部品が介在するため、ノズル面に対するプラテンの位置精度を高めることができず、ノズル面と吐出対象物との距離を適正に保持することは困難であった。
【0006】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、ノズル面と吐出対象物との距離を適正に保持することができる、液体吐出ラインヘッドおよび液体吐出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明に係る液体吐出ラインヘッドは、吐出対象物に対して液体を吐出する複数のノズルが開口されたノズル面を有し、前記複数のノズルは吐出対象物における幅方向の一端から他端に亘って対応するように配置されているラインヘッド本体と、前記ノズル面に対向して配設され、前記吐出対象物が載置されるプラテンと、前記ラインヘッド本体に対して前記プラテンを取り付ける取付部とを備える。
【0008】
この構成では、ラインヘッド本体に対して取付部を介してプラテンが取り付けられているので、ラインヘッド本体とプラテンとの間に介在する部品の数が少なくなり、ノズル面に対するプラテンの位置精度を高めることができる。
【0009】
上記課題を解決するために、本発明に係る液体吐出装置は、吐出対象物に対して液体を吐出する液体吐出ラインヘッドと、前記液体吐出ラインヘッドに吐出対象物を搬送する搬送装置とを備え、前記液体吐出ラインヘッドは、液体を吐出する複数のノズルが開口されたノズル面を有し、前記複数のノズルは吐出対象物における幅方向の一端から他端に亘って対応するように配置されているラインヘッド本体と、前記ノズル面に対向して配設され、前記搬送装置で搬送される吐出対象物が載置されるプラテンと、前記ラインヘッド本体に対してプラテンを取り付ける取付部とを有している。
【0010】
この構成は、上述の「液体吐出ラインヘッド」を備える液体吐出装置に関するものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、以上に説明したように構成され、ラインヘッド本体と取付部とプラテンとが一体になっているので、ラインヘッド本体とプラテンとの間に介在する部品の数が少なくなり、ノズル面に対するプラテンの位置精度を高めることができる。また、当該部品の数が少なくなることから、液体吐出ラインヘッドが組み込まれる液体吐出装置の全体を小型化することができるとともに、製造コストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】実施形態に係るインク吐出装置の構成を示す斜視図である。
【図2】実施形態に係るインク吐出装置の構成を示す正面図である。
【図3】実施形態に係るインク吐出ラインヘッドおよびキャップ装置の構成を示す分解斜視図である。
【図4】実施形態に係るインク吐出ラインヘッドの構成を下方から示す斜視図であり、(A)は、プラテンがノズル対向位置に位置している状態を示す斜視図、(B)は、プラテンがノズル非対向位置に位置している状態を示す斜視図である。
【図5】駆動装置の構成を示す部分斜視図である。
【図6】駆動装置の構成を示す部分拡大斜視図である。
【図7】「プリントポジション」における構成を示す正面図であり、(A)は、インク吐出ラインヘッドおよびキャップ装置の構成を示す正面図、(B)は、駆動装置の構成を示す正面図である。
【図8】「キャップポジション」における構成を示す正面図であり、(A)は、インク吐出ラインヘッドおよびキャップ装置の構成を示す正面図、(B)は、駆動装置の構成を示す正面図である。
【図9】「ワイプポジション」における構成を示す正面図であり、(A)は、インク吐出ラインヘッドおよびキャップ装置の構成を示す正面図、(B)は、駆動装置の構成を示す正面図である。
【図10】インク吐出ラインヘッドの構成を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、本発明の好ましい実施形態に係る「液体吐出装置」について図面を参照しながら説明する。本発明の好ましい実施形態に係る「液体吐出ラインヘッド」については、「液体吐出装置」の構成部品であることから、「液体吐出装置」の説明の中で併せて説明する。
【0014】
なお、以下の実施形態では、本発明を「インク吐出装置」に適用しているが、本発明は、着色液を吐出させる「着色液吐出装置」や、導電液を吐出させる「導電液吐出装置」等のような他の「液体吐出装置」にも適用可能である。本発明を「着色液吐出装置」または「導電液吐出装置」等に適用した場合には、以下の説明で用いる「インク」を「着色液」または「導電液」等に読み替えるものとする。また、以下の説明で用いる「下」とは、インクを吐出する方向を意味し、「上」とは、その反対の方向を意味するものとする。
【0015】
[インク吐出装置の全体構成]
図1は、本発明の実施形態に係る「液体吐出装置」としてのインク吐出装置10の構成を示す斜視図であり、図2は、インク吐出装置10の構成を示す正面図である。
【0016】
インク吐出装置10は、「吐出対象物」としての用紙12に対してインクを吐出する複数のノズル14(図4(B))を有する「液体吐出ラインヘッド」としてのインク吐出ラインヘッド16と、インク吐出ラインヘッド16に用紙12を搬送する搬送装置18と、必要に応じてインク吐出ラインヘッド16の複数のノズル14を覆うキャップ装置20と、インク吐出ラインヘッド16の後述するプラテン22(図3)とキャップ装置20の後述するキャップ本体24とを駆動する駆動装置26とを備えている。本実施形態では、図1および図2に示すように、搬送装置18によって用紙12を搬送するための搬送路Rが構成されており、搬送路Rの途中に位置するプリント位置Pにインク吐出ラインヘッド16が用紙12の搬送方向に対して直交する方向に延びて固定的に配置されている。また、インク吐出ラインヘッド16の複数のノズル14と対向する位置にキャップ装置20が配置されており、インク吐出ラインヘッド16およびキャップ装置20のそれぞれに対応して駆動装置26が配置されている。そこで、以下には、インク吐出装置10の上記各構成要素について、搬送装置18、インク吐出ラインヘッド16、キャップ装置20および駆動装置26の順に説明する。なお、以下の説明では、用紙12の搬送方向を「搬送方向X」といい、搬送方向Xに対して直交する方向を「ライン方向Y」という。
【0017】
<搬送装置>
搬送装置18は、図1および図2に示すように、用紙12をプリント位置Pに供給するとともに、プリント位置Pから排出するものであり、8つのローラー30a〜30hと、これらのローラー30a〜30hに巻き掛けられた搬送ベルト32と、ローラー30a〜30hのうち少なくとも1つに接続された駆動モータ(図示省略)とを有している。
【0018】
図2に示すように、搬送装置18においては、プリント位置Pよりも搬送方向Xの上流側に配置された2つのローラー30aおよび30bとこれらの間に掛け渡された搬送ベルト32とによって、用紙12をプリント位置Pに供給する用紙供給部34が構成されている。また、プリント位置Pよりも搬送方向Xの下流側に配置された2つのローラー30cおよび30dとこれらの間に掛け渡された搬送ベルト32とによって、用紙12をプリント位置Pから排出する用紙排出部36が構成されている。そして、最も下流側に位置するローラー30dおよび最も上流側に位置するローラー30aのそれぞれの下方には、ローラー30eおよび30fが配置されている。さらに、プリント位置Pの上流側に位置するローラー30bと下流側に位置するローラー30cとの間には、搬送ベルト32を搬送路Rから下方に逃すための2つのローラー30gおよび30hが、ローラー30bおよび30cよりも下方に配置されており、これにより、プリント位置Pにおける搬送路Rの下方には、キャップ装置20を配設するための空間Sが構成されている。
【0019】
<液体吐出ラインヘッド>
図3は、インク吐出ラインヘッド16およびキャップ装置20の構成を示す分解斜視図であり、図4は、インク吐出ラインヘッド16の構成を下方から示す斜視図である。
【0020】
インク吐出ラインヘッド16は、搬送路Rのプリント位置P(図1、図2)に、搬送方向Xに対して直交する方向(すなわちライン方向Y)に延びて固定的に配置されたものであり、図3および図5に示すように、ラインヘッド本体40と、プラテン22と、ラインヘッド本体40に対してプラテン22を取り付ける取付部42とを有している。
【0021】
ラインヘッド本体40は、図4に示すように、ライン方向Yに延びる略直方体状のヘッドホルダー44と、ノズルプレート46とを有しており、ノズルプレート46は、ヘッドホルダー44の下面、すなわち搬送路Rを搬送される用紙12(図1、図2)に対向する面にライン方向Yに延びて配設されている。また、ノズルプレート46は、図4(B)に示すように、インクを吐出する複数のノズル14が開口されたノズル面46aを有しており、ノズル面46aにおける複数のノズル14が形成された領域(以下、「ノズル領域」という。)Qの長さ(すなわちライン方向Yの長さ)は、複数のノズル14が用紙12における幅方向の一端から他端に亘って対応可能なように、用紙12の幅とほぼ同じ長さか、それよりも長めに設計されている。一方、ノズル領域Qの幅(すなわち搬送方向Xの長さ)は、特に限定されるものではないが、本実施形態では、ノズル面46aにおける搬送方向Xの中央部にノズル領域Qが位置するように、ノズル面46aの幅よりも十分に狭く設計されている。
【0022】
図示していないが、ノズルプレート46の上面には、複数のノズル14のそれぞれに個別に連通する複数の圧力室を有する流路ユニットと、複数の圧力室のそれぞれに個別に対応する複数の駆動部を有するアクチュエータと、アクチュエータの各駆動部に駆動電圧を付与する配線基板とが一体的に接合されており、これらの構成要素がヘッドホルダー44の内部に収容されている。そして、配線基板がヘッドホルダー44から引き出されて制御装置に接続されており、当該制御装置から出力された制御信号に基づいてアクチュエータに駆動電圧が与えられるようになっている。また、流路ユニットには、インクチューブを介してヘッドホルダー44の外部に配設されたインクタンクが接続されており、当該インクタンクから送出されたインクが流路ユニットに与えられるようになっている。なお、ノズル14からインクを吐出させる方式は、特に限定されるものではなく、「アクチュエータ」を用いてインクを吐出させる方式に代えて、「発熱体で加熱したときの圧力」を用いてインクを吐出させる方式を採用してもよい。また、1つのインク吐出ラインヘッド16において、複数のインク色ごとに複数のノズル14を有して、各色のインクが吐出されるように構成されていてもよい。さらに、本実施形態では、1つのインク吐出ラインヘッド16が1つのプリント位置Pに配置されているが、複数のインク色ごとに複数のインク吐出ラインヘッド16が複数のプリント位置に配置されてもよい。
【0023】
そして、ノズル面46aの延びる方向(すなわちライン方向Y)におけるラインヘッド本体40の両側端面40aには、図3および図4に示すように、後述する取付部42(図4)を回転可能に支持するための突起状の回転軸48と、取付部42を位置決めするための突起状の位置決め部50と、取付部42を位置決め部50側へ付勢するコイルばね52の一方端部が係止される突起状のばね係止部54aとが形成されている。なお、回転軸48、位置決め部50およびばね係止部54aの位置は、プラテン22および取付部42のそれぞれの位置と深く関係しているため、これらの位置については後述する。
【0024】
プラテン22は、ラインヘッド本体40のノズル面46aと対向する位置で用紙12を支持することによって、ノズル面46aと用紙12との距離を適正に保持するものであり、図3に示すように、ライン方向Yに延びる略長方形の平面視形状(すなわち上方から見たときの形状)を有する枠体60と、枠体60に対してライン方向Yに間隔を隔てて形成された複数の用紙載置部62とを有している。
【0025】
枠体60は、図3に示すように、搬送方向Xに間隔を隔てて、ライン方向Yに延びて形成された一対の長辺部64aおよび64bと、一対の長辺部64aおよび64bをライン方向Yの両端部において接合する一対の短辺部66aおよび66bとを有しており、一対の長辺部64aおよび64bの間には、いわゆる「縁なしプリント」および用紙12への印字直前に行う「予備吐出」の際にノズル14から吐出されたインクをノズル14側とは反対側へ逃すための開口部68が構成されている。なお、「予備吐出」は、用紙12への印字直前にノズル14からインクを吐出させるものに限らず、用紙12の搬送を行うことなく、インクの吐出だけを行うものであってもよい。
【0026】
複数の用紙載置部62のそれぞれは、図3に示すように、プリント位置P(図1、図2)において用紙12が載置される部分であり、枠体60における搬送方向Xの上流側に位置する長片部64aに一体に形成された上流側載置片62aと、下流側に位置する長片部64bに一体に形成された下流側載置片62bとを有しており、上流側載置片62aと下流側載置片62bとが、搬送方向Xに直線状に並んで配設されており、これらの上面が用紙12を載置するための「用紙載置面」となっている。また、上流側載置片62aと下流側載置片62bとの間には、上述のノズル領域Q(図4(B))の幅よりも十分に広い幅を有する隙間Gが確保されており、これにより上述の開口部68の機能(すなわち縁なしプリント機能)を有効に発揮できるようになっている。そして、プラテン22における搬送方向Xの上流側に位置する端部、すなわち複数の上流側載置片62aのそれぞれの上流側の端部には、上流側に向かうにつれてノズル面46aから遠ざかるように傾斜するガイド面70が形成されており、これによりプラテン22に対する用紙12の引っ掛かりを防止して、プリント位置Pに用紙12をスムーズに供給できるようになっている。つまり、本実施形態では、ラインヘッド本体40とプラテン22とが一体に形成されているため、プラテン22の上記「用紙載置面」の高さを搬送ベルト32における用紙供給部34(図2)の上面の高さに一致させることが困難であり、これらの間に段差が生じるおそれがあるが、当該段差においても、ガイド面70によって用紙12を案内することができるので、プラテン22に対する用紙12の引っ掛かりを防止して、紙詰まり等を防止することができる。さらに、一対の短辺部66aおよび66bのそれぞれには、後述する駆動装置26の動力が作用する突起状の作用部72が形成されている。
【0027】
取付部42は、ラインヘッド本体40に対してプラテン22を枢軸支するためのものであり、図3に示すように、2つの取付部42がプラテン22と一体に形成されている。つまり、2つの取付部42のそれぞれは、図4に示すように、プラテン22とラインヘッド本体40とを連結する部材であり、各取付部材42の一方端部が、短辺部66aおよび66bに一体に接合されており、各取付部材42の他方端部には、ラインヘッド本体40の回転軸48に対して回転可能に嵌合される軸受孔76が形成されている。また、各取付部42の一方端部には、ラインヘッド本体40の位置決め部50に当接される当接部(本実施形態では、取付部42の側端縁の一部)78と、上述のコイルばね52の他方端部が係止される突起状のばね係止部54bとが形成されている。そして、これら2つの取付部42が、ノズル面46aの延びる方向(すなわちライン方向Y)におけるラインヘッド本体40の両側端面40aのそれぞれに、回転軸48と軸受孔76との嵌合構造を介して回転可能に支持されている。
【0028】
ここで、プラテン22(図4)は、ラインヘッド本体40に対して取付部42を介して枢軸支されることによって、ノズル面46aにおける複数のノズル14が形成されたノズル領域Qに対向するノズル対向位置T1(図4(A))と、ノズル領域Qに対向しないノズル非対向位置T2(図4(B))との間を、ノズル面46aが延びる方向(すなわちライン方向Y)に対して直交する方向(すなわち搬送方向X)へ移動できるようになっている。また、ノズル対向位置T1におけるノズル面46aと複数の用紙載置部62のそれぞれの上面(すなわち用紙載置面)との間隔は、取付部42の長さによって規定されている。したがって、インク吐出装置10の小型化および画像品質の向上等のためにノズル面46aと用紙載置面との距離を短くするためには、取付部42の長さを短くすればよいことになるが、取付部42の長さを短くした場合には、プラテン22がノズル対向位置T1からノズル非対向位置T2に移動する際に、ラインヘッド本体40の下端部に位置する下流側の角部E(図4(A))に衝突するおそれがある。そこで、本実施形態では、図7(A)に示すように、取付部42の「回転中心」がラインヘッド本体40の側端面40aにおけるノズル面46aに対して平行な方向(すなわち搬送方向X)の中央位置Wよりもノズル非対向位置T2側(すなわち下流側)に位置するように、回転軸48の位置が設計されている。
【0029】
また、ノズル対向位置T1(図4(A))は、後述するように、プラテン22に載置された用紙12に対して、ラインヘッド本体40のノズル領域Qに形成されたノズル14からインクを吐出するときの位置であり、上述の「縁なしプリント」および「予備吐出」を実現するためには、プラテン22がノズル対向位置T1(図4(A))に位置しているときに、ラインヘッド本体40のノズル領域Qと、プラテン22の開口部68とが対向している必要がある。そこで、本実施形態では、当該位置関係を達成できるように、プラテン22および取付部42の基本的構成は勿論、回転軸48、位置決め部50、ばね係止部54a、ばね係止部54bおよび当接部78等の細部の位置が設計されている。
【0030】
本実施形態に係るインク吐出ラインヘッド16によれば、たとえば、故障で交換するような場合に、インク吐出装置10から取り外した状態でも、コイルばね52の付勢によってプラテン22がノズル対向位置T1(図4(A))に位置決めされるので、プラテン22によってノズル面46aを保護することができる。
【0031】
<キャップ装置>
キャップ装置20は、図3に示すように、キャップ本体24と、キャップ本体24が上下方向(すなわちノズル面46aに対して近接または離間する方向)に移動する際にキャップ本体24を案内するキャップガイド82とを有している。
【0032】
キャップ本体24は、ノズルキャップ84とノズルキャップ84を支持するキャップホルダー86とを有しており、ノズルキャップ84とキャップホルダー86とが一体となって、キャップガイド82の内部を上下方向に移動できるように構成されている。ノズルキャップ84の基本的な機能は、ラインヘッド本体40のノズル面46aに当接して複数のノズル14を覆うことであり、ノズルキャップ84の開口側の端部84aは、ノズル面46aを傷付けることがないように、ゴム等のような緩衝性を有する材料で形成されている。また、当該端部84aの平面視形状は、ノズル領域Q(図4(B))を覆うことができるように、ライン方向Yに延びる略長方形に設計されている。さらに、ノズルキャップ84は、インクを強制的に吸引する吸引機能等(図示省略)を有している。そして、キャップホルダー86のライン方向Yにおける両端面のそれぞれには、後述する駆動装置26の動力が作用する突起状の作用部88が形成されている。
【0033】
<駆動装置>
駆動装置26は、インク吐出ラインヘッド16のプラテン22を、ノズル対向位置T1(図4(A))とノズル非対向位置T2(図4(B))との間で移動させる機能と、キャップ装置20のキャップ本体24を、ノズル面46aに近接するキャップ位置U1(図8(A))とノズル面46aから離間する待機位置U2(図7(A)、図9(A))との間で移動させる機能とを併有するものであり、図5および図6に示すように、略円形の板状のカム90と、略三角形の板状のスライドカム92と、スライドカム92を案内するスライドガイド94とを有しており、また、カム90を回転駆動するためのギヤユニット96を有している。カム90、スライドカム92およびスライドガイド94のそれぞれは、インク吐出ラインヘッド16におけるライン方向Yの両側に対称に配設されている。
【0034】
カム90は、図5に示すように、略円板状のカム本体100を有しており、カム本体100におけるインク吐出ラインヘッド16側の面には、インク吐出ラインヘッド16のプラテン22を移動させるための環状の第1溝102と、キャップ装置20のキャップ本体24を移動させるための環状の第2溝104とが、プラテン22およびキャップ本体24の動作に応じた所定形状に形成されている。また、カム90の回転軸(図示省略)には、駆動モータを有するギヤユニット96(図1)が接続されており、ギヤユニット96によって、カム90の「回転方向」、「回転角度」および「停止位置」等が制御されるように構成されている。そして、第1溝102には、後述するスライドカム92の作用部106が摺動自在に挿入されており、第2溝104には、キャップ本体24の作用部88が摺動自在に挿入されており、カム90の「回転方向」および「回転角度」に応じて作用部106および88に対して所定方向の動力が付与されるとともに、カム90の「停止位置」に応じて作用部106および88が所定高さで支持される。
【0035】
第1溝102および第2溝104の形状(大きさを含む。)は、後述する「プリントポジション(図7)」、「キャップポジション(図8)」および「ワイプポジション(図9)」の3つの態様を選択できるように設計されている。これらの態様間を移行する過程では、プラテン22とキャップ本体24とが同時に移動されるが、第1溝102および第2溝104は、共にカム本体100に形成されており、ギヤユニット96から付与される共通の動力で駆動されるため、プラテン22とキャップ本体24とが衝突することはない。なお、上述の3つの態様については、「インク吐出装置の動作」の説明において併せて説明する。
【0036】
スライドカム92は、図6に示すように、略直角三角形の板状のカム本体110を有しており、カム本体110の斜辺110aが、プラテン22の作用部72に動力を作用させる「駆動面」となっており、直角を挟む一方の辺110bが、上下方向に延びて形成されており、直角を挟む他方の辺110cが、搬送方向Xに延びて形成されている。そして、カム本体110の表面には、スライドガイド94によってガイドされる突部112が形成されており、カム本体110の表面における突部112よりも上方の部分には、スライドガイド94によってガイドされるとともに、カム90の第1溝102に摺動自在に挿入される突起状の作用部106が形成されている。また、カム本体110における搬送方向Xの下流側の端部には、ノズル非対向位置T2(図8(B))においてプラテン22の作用部72を支持する突起状の支持部114が他方の辺110cの延長線に沿って形成されている。
【0037】
カム本体110の斜辺(すなわち駆動面)110aは、図6に示すように、搬送方向Xの下流側に向かうにつれて高さが低くなるように傾斜して形成されており、プラテン22がノズル対向位置T1(図7)に位置しているときには、プラテン22の作用部72は、斜辺110aの上部に位置している。したがって、スライドカム92がカム90の第1溝102によって上方に移動されると、作用部72が斜辺110aによって持ち上げられ、プラテン22の全体がノズル非対向位置T2(図8、図9)に向けて移動される。
【0038】
スライドガイド94は、図6に示すように、スライドカム92における作用部106および突部112が摺動可能に挿入される長孔118を有しており、当該長孔118が上下方向に延びるようにして、インク吐出装置10のフレーム等(図示省略)に固定されている。したがって、スライドガイド94によって斜辺110aの傾斜角度が規定されており、カム90によってスライドカム92が移動される際には、プラテン22の作用部72に対して常に一定の傾斜角度で駆動力を安定的に付与することができる。
【0039】
[インク吐出装置の動作]
<プリントポジション>
インク吐出装置10を用いてプリント動作を行う際には、カム90が回転されることによって、図7に示す「プリントポジション」が選択される。「プリントポジション」は、プラテン22をノズル対向位置T1で支持するとともにノズルキャップ84を待機位置U2で支持する態様である。この態様におけるスライドカム92は、図7(B)に示すように、カム90の第1溝102によって、その移動範囲内における最も低い位置で支持されており、キャップ本体24も、第2溝104によって、その移動範囲内における最も低い位置で支持されている。そして、ノズルキャップ84がノズル面46aの直下に配置されている。
【0040】
「プリントポジション」において、プリント位置P(図1、図2)に用紙12が供給されると、インク吐出ラインヘッド16のプラテン22によって当該用紙12が支持され、ラインヘッド本体40の複数のノズル14から当該用紙12に対してインクが吐出される。本実施形態では、プラテン22に形成された開口部68(図3)からインクを逃すことができるので、いわゆる「縁なしプリント」にも対応することができる。また、開口部68がプラテン22の長手方向に延びて形成されているため、様々なサイズの用紙12に対して「縁なしプリント」を行うことができる。そして、ノズル14の機能を維持し、或いは、回復するための「予備吐出」の際には、プリント位置Pに用紙12が存在しない状態で、増粘したインクや気泡が混じったインク等がノズル14から吐出されるが、これらのインクを開口部68から下方に逃すことができる。開口部68から下方に逃されたインクは、ノズルキャップ84によって回収される。
【0041】
また、本実施形態では、プラテン22が搬送方向Xの下流側に向けて移動できるように構成されているので、プリント位置Pまたはその近傍で用紙12が詰まりそうな状況が生じた場合でも、詰まりかけた用紙12に押されてプラテン22が搬送方向Xの下流側に移動されるので、用紙詰まり(すなわちジャム)を未然に解消することができる。また、用紙詰まり(すなわちジャム)が生じてしまった場合でも、プラテン22を搬送方向Xの下流側に移動させることによって、詰まった用紙12を簡単に除去することができる。
【0042】
<キャップポジション>
プリント動作の停止時にノズルキャップ84でノズル領域Q(図4(B))を覆う際には、カム90が「プリントポジション」から時計回りα(図7(B))に回転されることによって、図8に示す「キャップポジション」が選択される。たとえば、プリント動作を行わないときに、ノズル14内の増粘したインクや気泡が混じったインクを吸引装置(図示省略)で吸引して除去する「クリーニング動作」や、ノズル内のインクの自然蒸発による増粘固着を防止するためにノズル面をキャッピングする「メンテナンス動作」において、「キャップポジション」が選択される。「キャップポジション」は、プラテン22をノズル非対向位置T2で支持するとともにノズルキャップ84をキャップ位置U1で支持する態様である。この態様におけるスライドカム92は、図8(B)に示すように、カム90の第1溝102によって、その移動範囲内における最も高い位置で支持されており、キャップ本体24も、第2溝104によって、その移動範囲内における最も高い位置で支持されている。
【0043】
「プリントポジション」から「キャップポジション」に移行する際には、プラテン22がノズル対向位置T1からノズル非対向位置T2へ向けて移動されることによって、ノズルキャップ84をノズル面46aに対して近接する方向に移動させるための「キャップ移動径路(図示省略)」が開かれ、その後、ノズルキャップ84がキャップ位置U1まで移動される。本実施形態では、カム90の第1溝102で支持されたスライドカム92によってプラテン22が駆動されるとともに、カム90の第2溝104でキャップ本体24が駆動されるので、プラテン22およびキャップ本体24の動作は常に一体であり、プラテン22がノズル対向位置T1(図7)に位置しているときに、ノズルキャップ84がキャップ位置U1まで移動されることは考えられず、ノズルキャップ84とプラテン22とが衝突する事故を確実に防止することができる。
【0044】
このように動作することで、ノズル面46aに対してノズルキャップ84が当接され、吸引装置(図示省略)でノズルキャップ84内に負圧を発生させることによって、ノズル14内から増粘したインク等を排出させることができる。また、次回のプリント指示が来るまでの間にノズル面46aをキャッピングして、ノズル14の状態を良好に保持することができる。
【0045】
<ワイプポジション>
プリント動作の停止時に、ノズル面46aに付着したインクを拭き取るワイピング動作を実行する際には、ワイピング機構の一部(ワイパー等)をノズル面46aに対向する位置に配置する必要があるため、プラテン22およびノズルキャップ84の両方が邪魔になる。そこで、ワイピング動作を実行する際には、カム90が「プリントポジション」から反時計回りβ(図7(B))に回転されることによって、図9に示す「ワイプポジション」が選択される。「ワイプポジション」は、プラテン22をノズル非対向位置T2で支持するとともにノズルキャップ84を待機位置U2で支持する態様である。この態様におけるスライドカム92は、図9(B)に示すように、カム90の第1溝102によって、その移動範囲内における最も高い位置で支持されており、キャップ本体24は、第2溝104によって、その移動範囲内における最も低い位置で支持されている。
【0046】
ワイパは、ノズル面46aの幅(すなわち搬送方向Xの長さ)に対応する長さ(すなわち搬送方向Xの長さ)を有するブレードを有しており、当該ブレードが図示しない駆動装置によってライン方向Yに摺動されるように構成されている。ブレードは、たとえばプラテン22の「用紙載置面」よりも高い位置において、スライドカム92とインク吐出ラインヘッド16との間に配置されている。そして、ワイピング動作を行うときには、プラテン22がノズル非対向位置T2で支持されるとともに、ブレードが昇降装置(図示省略)によってノズル面46aに接触する位置まで降下され、その後、当該ブレードがライン方向Yに摺動されることによって、ノズル面46aに付着したインクが除去される。
【0047】
[液体吐出ラインヘッドの変形例]
上述の実施形態に係るインク吐出ラインヘッド16によれば、インク吐出装置10から取り外した状態でも、コイルばね52の付勢によってプラテン22がノズル対向位置T1(図4(A))に位置決めされるので、プラテン22によってノズル面46aを保護することができる。しかし、プラテン22に開口部68(図3)が形成されている場合には、開口部68から異物が入り込む可能性がある。そこで、図10に示した変形例に係る液体吐出ラインヘッド130では、プラテン22をノズル対向位置T1とは異なるノズル保護位置T3(図10)に位置決めできるように、位置決め部50の位置を設計するとともに、ノズル保護位置T3でノズル14を覆うことのできるノズル保護部132をプラテン22に形成している。この変形例の場合、ノズル対向位置T1に対するプラテン22の位置決めは、プラテン22の作用部72にスライドカム92の斜辺110aが当接されることによって行われる。
【0048】
なお、本実施形態では、プラテン22が回転軸48を中心に回転駆動されるように構成されているが、プラテン22の駆動機構は、必ずしも「回転機構」である必要はなく、プラテン22が搬送方向Xまたはライン方向Yにスライドされる「スライド機構」であってもよい。
【符号の説明】
【0049】
T1… ノズル対向位置
T2… ノズル非対向位置
T3… ノズル保護位置
U1… キャップ位置
U2… 待機位置
Q… ノズル領域
P… プリント位置
R… 搬送路
S… 空間
W… 中央位置
X… 搬送方向
Y… ライン方向
10… インク吐出装置(液体吐出装置)
12… 用紙
14… ノズル
16… 液体吐出ラインヘッド
20… キャップ装置
22… プラテン
24… キャップ本体
26… 駆動装置
40… ラインヘッド本体
42… 取付部材
46… ノズルプレート
46a… ノズル面
68… 開口部
70… ガイド面
84… ノズルキャップ
90… カム
92… スライドカム
102… 第1溝
104… 第2溝
130… 液体吐出ラインヘッド
132… ノズル保護部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
吐出対象物に対して液体を吐出する複数のノズルが開口されたノズル面を有し、前記複数のノズルは吐出対象物における幅方向の一端から他端に亘って対応するように配置されているラインヘッド本体と、
前記ノズル面に対向して配設され、前記吐出対象物が載置されるプラテンと、
前記ラインヘッド本体に対して前記プラテンを取り付ける取付部とを備える、液体吐出ラインヘッド。
【請求項2】
前記プラテンは、前記ノズル面における前記複数のノズルが形成されたノズル領域に対向するノズル対向位置と、前記ノズル領域に対向しないノズル非対向位置との間を移動可能に構成されており、
前記プラテンが前記ノズル対向位置に位置しているときに、前記プラテンに前記吐出対象物が載置されて前記ノズルから液体が吐出される、請求項1に記載の液体吐出ラインヘッド。
【請求項3】
前記ノズル面は、前記吐出対象物の幅方向に延びて形成されており、
前記プラテンは、前記ノズル面が延びる方向に対して直交する方向へ移動可能に構成されている、請求項2に記載の液体吐出ラインヘッド。
【請求項4】
前記プラテンは、前記ラインヘッド本体に対して前記取付部を介して枢軸支されている、請求項2または3に記載の液体吐出ラインヘッド。
【請求項5】
前記取付部は、前記ノズル面の延びる方向における前記ラインヘッド本体の側端面に回転可能に支持されており、
前記取付部の回転中心は、前記側端面における前記ノズル面に対して平行な方向の中央位置よりも前記ノズル非対向位置側に位置している、請求項4に記載の液体吐出ラインヘッド。
【請求項6】
前記プラテンは、前記ノズルから吐出された液体を前記ノズル側とは反対側へ逃すための開口部を有している、請求項1ないし5のいずれかに記載の液体吐出ラインヘッド。
【請求項7】
前記プラテンは、前記ノズル対向位置とは異なるノズル保護位置に位置しているときに前記ノズルを覆うノズル保護部を有している、請求項6に記載の液体吐出ラインヘッド。
【請求項8】
吐出対象物に対して液体を吐出する液体吐出ラインヘッドと、
前記液体吐出ラインヘッドに吐出対象物を搬送する搬送装置とを備え、
前記液体吐出ラインヘッドは、
液体を吐出する複数のノズルが開口されたノズル面を有し、前記複数のノズルは吐出対象物における幅方向の一端から他端に亘って対応するように配置されているラインヘッド本体と、
前記ノズル面に対向して配設され、前記搬送装置で搬送される吐出対象物が載置されるプラテンと、
前記ラインヘッド本体に対してプラテンを取り付ける取付部とを有している、液体吐出装置。
【請求項9】
前記プラテンは、前記ノズル面における複数の前記ノズルが形成されたノズル領域に対向するノズル対向位置と、前記ノズル領域に対向しないノズル非対向位置との間を移動可能に構成されており、
前記プラテンが前記ノズル対向位置から前記ノズル非対向位置へ移動するときの移動方向は、前記吐出対象物の搬送方向と略同じである、請求項8に記載の液体吐出装置。
【請求項10】
前記ノズル面に対して近接または離間する方向に移動可能に構成され、近接する方向に移動されたときに前記ノズル領域を覆うノズルキャップを備えており、
前記プラテンが前記ノズル対向位置から前記ノズル非対向位置へ移動されることによって、前記ノズルキャップを前記ノズル面に対して近接する方向に移動させるためのキャップ移動径路が開かれる、請求項9に記載の液体吐出装置。
【請求項11】
前記プラテンにおける吐出対象物の搬送方向の上流側に位置する端部には、上流側に向かうにつれて前記ノズル面から遠ざかるように傾斜するガイド面が形成されている、請求項8ないし10のいずれかに記載の液体吐出装置。
【請求項12】
前記プラテンを前記ノズル対向位置と前記ノズル非対向位置との間で移動させるカム機構を備えており、
前記カム機構によって前記プラテンが前記ノズル対向位置または前記ノズル非対向位置のいずれかで支持される、請求項9または10に記載の液体吐出装置。
【請求項13】
前記カム機構は、前記ノズルキャップを前記ノズル面に近接するキャップ位置と前記ノズル面から離間する待機位置との間で移動させる機能を有しており、
前記カム機構によって、前記プラテンを前記ノズル対向位置で支持するとともに前記ノズルキャップを前記待機位置で支持する第1態様と、前記プラテンを前記ノズル非対向位置で支持するとともに前記ノズルキャップを前記キャップ位置で支持する第2態様と、前記プラテンを前記ノズル非対向位置で支持するとともに前記ノズルキャップを前記待機位置で支持する第3態様が切り換えられる、請求項12に記載の液体吐出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−234755(P2010−234755A)
【公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−87850(P2009−87850)
【出願日】平成21年3月31日(2009.3.31)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】