説明

液体噴射ヘッド及び液体噴射装置並びに液体噴射ヘッドの製造方法

【課題】ヘッド本体に設けられた被覆部材を保護し、駆動配線を回路基板に確実に接合させることができる液体噴射ヘッド及び液体噴射装置並びに液体噴射ヘッドの製造方法を提供する。
【解決手段】
ノズル開口26を有するノズルプレート27を備えるヘッド本体20と、ヘッド本体20が固定されたケース部材60とを備え、記録シートSに対して第1方向Xに相対移動する記録ヘッド10である。ヘッド本体20には、その側面及びノズルプレート27の周縁を被覆するカバーヘッド70が設けられている。ケース部材70の第1方向Xにおける端部60bとヘッド本体20との間に、ヘッド本体20ごとに保護壁65が設けられている。保護壁65は、保護壁65の第2方向Yの範囲R1がカバーヘッド70の第2方向Yの範囲R2を含み、かつ第3方向Zにおいてノズルプレート27よりもケース部材60側に位置している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体貯留手段から液体供給路を介してヘッド本体に供給された液体をノズルから噴射する液体噴射ヘッド及び液体噴射装置並びに液体噴射ヘッドの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
液体噴射ヘッドの代表例であるインクジェット式記録ヘッドは、一般的に、インクが充填されたインクカートリッジ(液体貯留手段)からインク流路(液体流路)を介してヘッド本体の圧力発生室にインクが供給されるように構成されている。そして、圧電素子等の圧力発生手段によって、圧力発生室内に圧力を付与することで、圧力発生室に連通するノズルからインク滴が噴射されるようになっている。
【0003】
インクジェット式記録ヘッドの具体的な構成としては、例えば、ヘッド本体と、複数のヘッド本体が固定されるケース部材とを備え、ケース部材内に、圧電素子を駆動するための信号を供給する回路基板が固定されたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
このようなヘッド本体は、ノズルが設けられたノズルプレートを有し、当該ノズルプレートの周縁及びヘッド本体の側面を覆うカバーヘッド(被覆部材)が設けられている。ヘッド本体にカバーヘッドを設けることで、印刷時に記録紙などの記録媒体がヘッド本体に衝突することがあっても、記録媒体はカバーヘッドに衝突するので、ノズルプレートが保護される。これにより、ノズルプレートが損傷したりヘッド本体から剥離することが防止されている。
【0005】
一方、回路基板と、ヘッド本体の圧電素子とは駆動配線で接続されている。駆動配線は、例えば、フレキシブル配線部材(COF基板)などである。駆動配線の一端は、ヘッド本体の圧電素子に接続されており、他端側を回路基板の所定の端子に半田などで接続されている。
【0006】
このような駆動配線の回路基板への接続は、ケース部材を治具で保持し、駆動配線の一端が圧電素子に接続されたヘッド本体を当該ケース部材の所定位置に配置する。回路基板をケース部材に収容し、駆動配線の他端(接合部)を回路基板の端子側に折り曲げた状態を保持する。そして、半田を加熱して、駆動配線の他端を回路基板の端子に接合する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2003−11383号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、ヘッド本体は、カバーヘッドにより保護されるが、カバーヘッド自体は、記録媒体の衝突から保護されていない。このため、カバーヘッド自体が損耗したり、記録媒体がヘッド本体とカバーヘッドとの隙間に入り込むなどして、カバーヘッドがヘッド本体から脱落してしまう虞がある。
【0009】
また、回路基板の回路基板への接続の際には、回路基板の端子側に折り曲げた駆動配線の接合部に所定の荷重を掛け、回路基板の端子に密着させる。このため、回路基板にも荷重が掛かり、さらには治具に保持されたケース部材にも荷重が掛かる。このとき、ケース部材の端部が治具に保持されているので、中央部に荷重が掛けられると、ケース部材が撓む虞がある。ケース部材の撓みにより回路基板にも撓みが生じ、回路基板と駆動配線の接合部とに隙間が生じ、接合不良が生じ得る。
【0010】
なお、このような問題はインクジェット式記録ヘッドだけではなく、インク以外の液体を噴射する液体噴射ヘッドにおいても同様に存在する。
【0011】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、ヘッド本体に設けられた被覆部材を保護し、駆動配線を回路基板に確実に接合させることができる液体噴射ヘッド及び液体噴射装置並びに液体噴射ヘッドの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決する本発明の態様は、液体を噴射するノズル開口が設けられた液体噴射面を有するヘッド本体と、前記ヘッド本体が固定されたケース部材とを備え、液滴が噴射される被噴射媒体に対して第1方向に相対移動する液体噴射ヘッドであって、前記ヘッド本体には、前記液体噴射面の周縁及び当該液体噴射面に連続した側面を被覆する被覆部材が設けられ、前記ケース部材には、当該ケース部材の前記第1方向の端部と前記ヘッド本体との間に、前記被覆部材を保護する保護部材が前記ヘッド本体毎に設けられ、前記被覆部材の前記第1方向に直交する第2方向の範囲は、前記保護部材の前記第2方向の範囲に含まれ、前記保護部材は、前記第1方向及び前記第2方向に直交する第3方向において前記液体噴射面よりも前記ケース部材側に位置していることを特徴とする液体噴射ヘッドにある。
かかる態様では、保護部材は、第1方向に沿って液体噴射ヘッドに対して相対移動される被噴射媒体と被覆部材との間に介在し、被覆部材の第2方向の側面全体を被噴射媒体から保護する。このように保護部材を構成したことで、被覆部材に被噴射媒体が衝突することが防止され、被覆部材の損耗を防止できる。
【0013】
ここで、前記保護部材は、前記ヘッド本体の側面を被覆する前記被覆部材のケース部材側の端部よりも前記液体噴射面側に位置していることが好ましい。これによれば、被噴射媒体がヘッド本体と被覆部材との隙間に入り込むことが防止される。これにより、被噴射媒体が当該隙間に入り込んで、被覆部材をヘッド本体から脱落させてしまうことが防止される。
【0014】
また、前記保護部材は、前記第2方向の長さが前記第1方向の長さよりも長いことが好ましい。これによれば、ケース部材の第2方向の剛性が向上し、ケース部材の撓みが防止される。これにより、ケース部材の撓みに伴い回路基板が撓み、駆動配線が回路基板から剥離してしまうことが防止される。
【0015】
また、本発明の他の態様は、上記態様の液体噴射ヘッドを備えることを特徴とする液体噴射装置にある。
かかる態様では、ヘッド本体に設けられた被覆部材が保護され、駆動配線が回路基板に確実に接合した液体噴射ヘッドが実現される。
【0016】
さらに、本発明の他の態様は、液体を噴射するノズル開口が設けられた液体噴射面を有するヘッド本体と、前記ヘッド本体が固定されたケース部材と、前記ヘッド本体の前記液体噴射面の周縁及び当該液体噴射面に連続した側面を被覆する被覆部材と、前記ケース部材の前記第1方向の端部と前記ヘッド本体との間に、前記ヘッド本体毎に設けられて前記被覆部材を保護する保護部材とを備え、前記ケース部材に設けられて前記ヘッド本体を構成する圧力発生素子が駆動配線を介して接続される回路基板と、液滴が噴射される被噴射媒体に対して第1方向に相対移動する液体噴射ヘッドの製造方法であって、前記保護部材を治具に当接させ、前記ケース部材を当該治具に保持し、前記ヘッド本体の圧力発生素子に一端が接続された駆動配線の他端を、前記回路基板に接続することを特徴とする液体噴射ヘッドの製造方法にある。
かかる態様では、ヘッド本体に設けられた被覆部材が保護され、駆動配線が回路基板に確実に接合した液体噴射ヘッドが実現される。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】実施形態1に係る記録ヘッドの一方面側の分解斜視図である。
【図2】実施形態1に係る記録ヘッドの他方面側の分解斜視図である。
【図3】実施形態1に係る記録ヘッドの断面図である。
【図4】実施形態1に係るヘッド本体の分解斜視図である。
【図5】実施形態1に係るヘッド本体の断面図である。
【図6】実施形態1に係る記録ヘッドのノズル開口側の平面図である。
【図7】図6のA−A線の要部断面図である。
【図8】実施形態1に係る記録ヘッドの製造方法を示す断面図である。
【図9】実施形態2に係るインクジェット式記録装置の概略斜視図である。
【図10】変形例に係る記録ヘッドの平面図及び断面図である。
【図11】変形例に係る記録ヘッドの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
〈実施形態1〉
本発明の実施形態について詳細に説明する。以下、インクジェット式記録ヘッドは、液体噴射ヘッドの一例であり、単に記録ヘッドとも言う。
【0019】
図1は、本実施形態に係る記録ヘッドの一方面側(ノズルとは反対側)の分解斜視図であり、図2は、本実施形態に係る記録ヘッドの他方面側(ノズル側)の分解斜視図であり、図3は、本実施形態に係る記録ヘッドの断面図である。
【0020】
図1及び図2に示すように、記録ヘッド10は、インク滴を噴射する複数のヘッド本体20と、ヘッド本体20が固定されるケース部材60と、ケース部材60のヘッド本体20とは反対面側に設けられた流路部材80と、ケース部材60と流路部材80との間に設けられる回路基板90とを備えている。
【0021】
このようなヘッド本体20の構成の一例について、図4及び図5を参照して説明する。図4は、本実施形態に係るヘッド本体の分解斜視図であり、図5は、ヘッド本体の圧力発生室の長手方向における断面図である。ここでいう圧力発生室の長手方向とは、ノズル開口26が並設された方向(図5の紙面に垂直な方向)とは交差する方向(図5の水平方向)である。
【0022】
これらの図に示すように、ヘッド本体20を構成する流路形成基板21には、複数の圧力発生室22がその幅方向に並設された列が2列設けられている。また、各列の圧力発生室22の長手方向外側の領域には連通部23が形成され、連通部23と各圧力発生室22とが、圧力発生室22毎に設けられたインク供給路24及び連通路25を介して連通されている。
【0023】
流路形成基板21の一方の面には、各圧力発生室22のインク供給路24とは反対側の端部近傍に連通するノズル開口26が穿設されたノズルプレート27が接合されている。
【0024】
一方、流路形成基板21のノズルプレート27とは反対側の面には、弾性膜28及び絶縁体膜29を介して圧電素子30が形成されている。圧電素子30は、第1電極31と、圧電体層32と、第2電極33とで構成されている。各圧電素子30を構成する第2電極33には、絶縁体膜29上まで延設されたリード電極34が接続されている。リード電極34は、一端部が第2電極33に接続されていると共に、他端部側が、駆動配線35に接続されている。駆動配線35は、フレキシブル配線部材(COF基板)であり圧電素子30を駆動するための駆動IC35aが実装されている。このように駆動配線35の一端側にはリード電極34が接続され、駆動配線35の他端側は回路基板90(図3参照)に固定されている。
【0025】
このような圧電素子30が形成された流路形成基板21上には、圧電素子30に対向する領域に、圧電素子30を保護するための空間である圧電素子保持部36を備えた保護基板37が接着剤38によって接合されている。また保護基板37には、マニホールド部39が設けられている。このマニホールド部39は、本実施形態では、流路形成基板21の連通部23と連通されて各圧力発生室22の共通のインク室となるマニホールド40を構成している。
【0026】
また保護基板37には、保護基板37を厚さ方向に貫通する貫通孔41が設けられている。貫通孔41は、本実施形態では、2つの圧電素子保持部36の間に設けられている。そして、各圧電素子30から引き出されたリード電極34の端部近傍は、貫通孔41内に露出するように設けられている。
【0027】
さらに保護基板37上には、封止膜44及び固定板45とからなるコンプライアンス基板46が接合されている。ここで、封止膜44は、剛性が低く可撓性を有する材料からなり、この封止膜44によってマニホールド部39の一方面が封止されている。また、固定板45は、金属等の硬質の材料で形成される。この固定板45のマニホールド40に対向する領域は、厚さ方向に完全に除去された開口部47となっているため、マニホールド40の一方面は可撓性を有する封止膜44のみで封止されている。さらにコンプライアンス基板46には、マニホールド40内にインクを導入するためのインク導入口48が設けられている。
【0028】
コンプライアンス基板46上には、ヘッドケース49が固定されている。ヘッドケース49には、インク導入口48に連通してカートリッジ等の貯留手段からのインクをマニホールド40に供給するインク導入路50が設けられている。さらに、ヘッドケース49には、保護基板37に設けられた貫通孔41と連通する貫通孔51が設けられており、駆動配線35は貫通孔51内に挿通された状態でその一端側がリード電極34と接続されている。
【0029】
ヘッド本体20を構成する各部材には、組立時に各部材を位置決めするためのピンが挿入される位置決め穴52が長手方向の両側の角部の2箇所に設けられている。そして、位置決め穴52にピンを挿入して各部材の相対的な位置決めを行いながら部材同士を接合することで、ヘッド本体20が一体的に形成される。
【0030】
また、ヘッド本体20のノズルプレート27のノズル開口26が開口する液体噴射面27a側には、被覆部材であるカバーヘッド70が固定されている。
【0031】
カバーヘッド70は、ノズルプレート27の表面(記録ヘッド10の液体噴射面27a)の周縁及び液体噴射面27aに交差する側面を被覆する部材である。カバーヘッド70の材質は特に限定されないが、例えば、金属から形成されている。
【0032】
カバーヘッド70は、矩形状の板状部材の縁部がヘッド本体20の側面側に屈曲した箱形状を有し、その底面が液体噴射面27aに接着剤(図示せず)で接合されている。具体的には、カバーヘッド70は、ノズル開口26を露出する矩形状に開口する露出開口部71と、露出開口部71を画成すると共に液体噴射面27aの周縁部に沿って設けられた矩形状の枠部72と、を具備する。また、カバーヘッド70には、ヘッド本体20の液体噴射面27aに直交する側面側に屈曲するように延設された側壁部73が設けられている。側壁部73は、ヘッド本体20の四方の側面を被覆している。
【0033】
枠部72は、その外周が液体噴射面27aであるノズルプレート27の外周よりも大きく、内周、すなわち、枠部72によって画成された露出開口部71がノズルプレート27の外周よりも小さい大きさを有する。これにより、枠部72は、ノズルプレート27の外周縁部に相対向して、ノズルプレート27の周縁部と接着剤を介して接着される。
【0034】
このような構成の各ヘッド本体20は、ケース部材60に固定されている。図1〜図3に示すように、ケース部材60の底面60a側に、複数(本実施形態では4つ)のヘッド本体20が固定されている。
【0035】
ケース部材60には、ケース部材60を厚さ方向に貫通した貫通孔61が、各ヘッド本体20に対応して設けられている。ケース部材60の貫通孔61の外側には、ヘッド本体20のヘッドケース49に設けられたインク導入路50に連通する供給路62が設けられている。そして、各ヘッド本体20の駆動配線35がこの貫通孔61に挿入され、インク導入路50と供給路62とが連通した状態で、各ヘッド本体20のヘッドケース49が貫通孔61の周縁部に接合されている。
【0036】
また、ケース部材60には、ヘッド本体20に設けられたカバーヘッド70を紙などの被噴射媒体から保護する保護部材の一例である保護壁65がヘッド本体20ごとに設けられている。保護壁65の詳細は後述する。
【0037】
流路部材80は、ケース部材60のヘッド本体20とは反対側の面に、回路基板90及びゴム材料等からなるシール部材95を介して固定されている。
【0038】
回路基板90には、上述のように圧電素子30を駆動するための電子部品や各種配線が実装されている。また回路基板90には、厚さ方向に貫通した接続孔91が設けられている。そしてヘッド本体20の駆動配線35は、この接続孔91内に挿通され、その先端部が回路基板90の各種配線等と半田などで電気的に接続されている。
【0039】
流路部材80は、流路部材本体81と、カバー部材82とを備える。上述の回路基板90及びシール部材95は、流路部材80を構成する流路部材本体81とケース部材60との間に保持されている。
【0040】
また流路部材本体81は、インクカートリッジに挿入される複数のインク供給針100が一方面側に固定される固定部83と、この固定部83の下面に突設される流路形成部84とで構成されている。流路形成部84には、一端側がインク供給針100に対向して開口するインク供給孔85がそれぞれ形成されている。そしてインク供給孔85の他端側は、シール部材95に設けられた供給連通路96を介してケース部材60の供給路62と接続されている。
【0041】
なおインク供給孔85の一端側の開口部には、インク内の気泡や異物を除去するためのフィルター110が設けられている。すなわちインク供給針100は、このフィルター110を介して流路部材本体81の固定部83に固定されている。
【0042】
各インク供給針100は、インク供給孔85に連通する貫通路101をそれぞれ内部に備える。貫通路101は、フィルター110を介してインク供給孔85に連通している。
【0043】
カバー部材82は、下面側(ヘッド本体20側)が開口する略箱形状を有し、インク供給針100側から流路部材本体81に重ねられた状態で流路部材本体81と一体化されている。具体的には、カバー部材82は、インク供給針100が露出される開口部87を備えた底面部(上面部)86と、流路形成部84の周りを囲って設けられてケース部材60に達する高さを有する壁面部88とを備えている。
【0044】
このようなカバー部材82をインク供給針100側から流路部材本体81に重ね合わせ、流路部材本体81とケース部材60との間に回路基板90及びシール部材95を挟んだ状態で、カバー部材82とケース部材60とを、例えば、ネジ等の締結部材120によって固定する。これにより、流路部材本体81とカバー部材82とが一体化されて流路部材80が形成されると共に、流路部材80とケース部材60とが一体化される。本実施形態では、流路部材80とケース部材60とが、それらの各辺にそれぞれ設けられた4つの締結部材120によって固定されている(図1参照)。
【0045】
カバー部材82とケース部材60とで空間が形成され、当該空間内に回路基板90が収容されている。すなわち、圧電素子30を駆動するための電子部品等が搭載された回路基板90が、流路部材80及びケース部材60によって覆われている。これにより、ヘッド本体20のノズル開口26からインク滴を噴射した際等に発生するインクミストが、回路基板90に付着することが防止されている。
【0046】
このような本実施形態の記録ヘッド10では、インクカートリッジなどの貯留手段(図示なし)からインク供給針100にインクが供給され、貫通路101、インク供給孔85、供給路62等を介してヘッド本体20のマニホールド40からノズル開口26に至るまでインクで満たされる。そして、記録ヘッド10では、駆動IC35aからの記録信号に従い、圧力発生室22に対応するそれぞれの圧電アクチュエーター30に電圧を印加し、弾性膜28、絶縁体膜29及び圧電アクチュエーター30をたわみ変形させることにより、各圧力発生室22内の圧力が高まりノズル開口26からインク滴が吐出する。
【0047】
ここで、各ケース部材60に設けられた保護壁65について詳細に説明する。図6は、本実施形態に係る記録ヘッドのノズル開口側の平面図であり、図7は、図6のA−A線の要部断面図である。
【0048】
図6に示した第1方向Xは、記録シートに対して記録ヘッド10が相対移動する方向である。第2方向Yは第1方向Xに直交する方向であり、記録ヘッド10のノズル開口26が第2方向Yに並設されている。第3方向は第1方向X及び第2方向Yに直交する方向であり、ノズル開口26から第3方向Zにインクが吐出される。
【0049】
図6に示すように、ケース部材60には、ヘッド本体20ごとに保護部材の一例である保護壁65が設けられている。保護壁65は、ケース部材60の底面60aから第3方向Zに突出している。また、保護壁65は、第2方向Yに長尺であり、ヘッド本体20の第2方向Yの長さよりも長い。
【0050】
保護壁65は、ケース部材60の第1方向Xの端部60bとヘッド本体20との間に配設されている。本実施形態では、ヘッド列20Aと、ヘッド列20Aに近い方の端部60bとの間に保護壁65が配設されている。同様に、ヘッド列20Bと、ヘッド列20Bに近い方の端部60bとの間に保護壁65が配設されている。ここでいうヘッド列とは、第2方向Yに並設された複数の(2つの)記録ヘッド10である。
【0051】
保護壁65とヘッド本体20との第1方向Xの間隔は、特に限定はないが、保護壁65はヘッド本体20に近いことが好ましい。
【0052】
また、ヘッド本体20ごとに配設された保護壁65のそれぞれは、保護壁65の第2方向Yの範囲R1に、カバーヘッド70の第2方向Yの範囲R2が含まれている。ここでいう保護壁65の第2方向Yの範囲とは、保護壁65の第2方向Yの位置と長さである。カバーヘッド70の第2方向Yの範囲についても同様である。範囲R1に範囲R2が含まれるとは、範囲R1の両端部よりも内側に範囲R2の両端部が位置していることをいう。
【0053】
図7に示すように、保護壁65の頂部67は、液体噴射面27a(カバーヘッド70の枠部72の表面)よりもケース部材60側に位置している。すなわち、ケース部材60から保護壁65の頂部67までの第3方向Zの高さH1は、ケース部材60から液体噴射面27aまでの第3方向Zの高さH2よりも低い。
【0054】
また、保護壁65の頂部67は、カバーヘッド70の側壁部73の下端部74よりも液体噴射面27a側に位置している。すなわち、保護壁65の高さH1は、ケース部材60から下端部74までの高さH3よりも高い。
【0055】
ここでいう、保護壁65の頂部67とは、保護壁65の最も液体噴射面27a側の部位であり、カバーヘッド70の側壁部73の下端部74とは、側壁部73の最もケース部材60側の部位である。
【0056】
上述したように、保護壁65は、ケース部材60の端部60bとヘッド本体20との間に位置し、第2方向Yの範囲R1にカバーヘッド70の第2方向の範囲R1が含まれるようにケース部材60に配設されている。すなわち、保護壁65は、第1方向Xに沿って記録ヘッド10に対して相対移動される記録シートSとカバーヘッド70との間に介在し、カバーヘッド70の第2方向Yの側面全体を記録シートSから保護可能になっている。
【0057】
このように保護壁65を構成したことで、万が一、記録シートSがヘッド本体20側に曲がったとしても、保護壁65に衝突するので、カバーヘッド70の第2方向Yに平行な側面に記録シートSが衝突することが防止される。なお、保護壁65によるカバーヘッド70の保護をより確実にするために、保護壁65の頂部67が極力、液体噴射面27a側であることが好ましい。
【0058】
また、保護壁65の頂部67は液体噴射面27aよりもケース部材60側に位置している。これにより、記録シートSが折れ曲がらずに搬送される際に、記録シートSの搬送が保護壁65で妨げられない。
【0059】
さらに、保護壁65の頂部67は、カバーヘッド70の側壁部73の下端部74よりも液体噴射面27a側に位置している。したがって記録シートSがヘッド本体20側に折れ曲がり、保護壁65を超えてヘッド本体20に到達したとしても、記録シートSは側壁部73の下端部74に到達し難い。このように、側壁部73の下端部74に記録シートSを到達させないことで、ヘッド本体20の側面と側壁部73との隙間に、下端部74側から記録シートSが入り込むことが防止される。これにより、記録シートSが当該隙間に入り込んで、カバーヘッド70をヘッド本体20から脱落させてしまうことが防止される。
【0060】
以上に説明したように、本実施形態に係る記録ヘッド10では、ヘッド本体20ごとに保護壁65を設けたので、記録シートSがカバーヘッド70に接触して紙詰まりが生じることを防止することができる。
【0061】
また、保護壁65は、第2方向Yに長尺に形成されているので、ケース部材60の剛性が向上し、ケース部材60の第2方向Yの撓みが防止される。これにより、ケース部材60の撓みに伴い回路基板90が撓み、駆動配線35が回路基板90から剥離してしまうことが防止される。
【0062】
ここで、このような記録ヘッド10の製造方法、特に、駆動配線35を回路基板90に取り付ける方法について説明する。なお、図8は、記録ヘッドの製造方法を示す断面図である。
【0063】
図8(a)に示すように、ケース部材60には、ヘッド本体20が取り付けられている。各ヘッド本体20は、リード電極34(図5参照)に駆動配線35の一端が接続されている。駆動配線35の他端は、ケース部材60の貫通孔61及び回路基板90の接続孔91を挿通している。
【0064】
治具200は、ケース部材60を保持し、上部が開口した箱形部材である。治具200の底面201にはヘッド本体20が収容される凹部202が設けられている。
【0065】
このような治具200に、ヘッド本体20が保持されたケース部材60を保持する。具体的には、治具200の底面201に、保護壁65の頂部67を当接させる。ケース部材60には、ヘッド本体20ごとに保護壁65が設けられているので、各ヘッド本体20の近傍に配置された各保護壁65が、ケース部材60全体を支持している。なお、ヘッド本体20は、凹部202内に収容し、治具200には接触させない。このため、ヘッド本体20には記録ヘッド10の荷重が掛かっていない。
【0066】
次に、図8(b)に示すように、接合ツール203で、駆動配線35の他端を回路基板90の表面側に折り曲げて押圧し、当該他端側の一方面を回路基板90の表面に接触させる。接合ツール203は、駆動配線35を回路基板の所定の端子などに半田付けすることができるものである。このような接合ツール203による押圧で、回路基板90及びケース部材60には荷重が掛かる。
【0067】
ここで、図6に示したように、複数のヘッド本体20が第2方向Yに並設されているので、ケース部材60は第2方向Yに長尺である。したがって、接合ツール203による荷重で回路基板90及びケース部材60の中央部が治具200の底面201側に撓もうとする。
【0068】
しかしながら、上述したように、ヘッド本体20ごとに保護壁65を設け、各保護壁65がケース部材60全体を支持しているので、接合ツール203による荷重が掛かっても回路基板90及びケース部材60の撓みが防止される。
【0069】
すなわち、接合ツール203により駆動配線35を回路基板90に電気的に接続するために、回路基板90及びケース部材60に荷重が掛けられても、回路基板90及びケース部材60が撓むことを防止することができる。このように回路基板90が撓まないので、駆動配線35の他端側の一方面を、回路基板90の表面に隙間なく確実に接触させることができる。これにより、駆動配線35と回路基板90との接合不良が防止され、記録ヘッド10の歩留まりを向上することができる。
【0070】
なお、上述した半田付けするための接合ツール203により回路基板90及びケース部材60に荷重を掛ける場合に限らない。駆動配線35を回路基板90に接合するために押圧する場合に、本実施形態に係る記録ヘッドの製造方法を適用できる。
【0071】
以降、特に図示しないが、回路基板90上に、シール部材95、流路部材80、フィルター110、インク供給針100を順次取り付け、これらの部材をカバー部材82で収容し、ケース部材60に固定することで記録ヘッド10が製造される。
【0072】
〈実施形態2〉
実施形態1で説明した記録ヘッド10は、液体噴射装置の一例であるインクジェット式記録装置に搭載される。図9は、本発明の実施形態2に係る液体噴射装置の一例であるインクジェット式記録装置を示す概略斜視図である。なお、実施形態1と同一のものには同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0073】
図9に示すように、本実施形態のインクジェット式記録装置Iは、記録ヘッド10が固定されて、被噴射媒体である紙などの記録シートSを搬送することで印刷を行う、所謂ライン式記録装置である。第1方向Xは、記録ヘッド10の記録シートSに対して相対移動する方向であり、第2方向Yは、第1方向Xに直交する方向である。
【0074】
具体的には、インクジェット式記録装置Iは、装置本体2と、装置本体2に固定された記録ヘッド10と、被噴射媒体である記録シートSを搬送する搬送手段3と、記録シートSの記録ヘッド10に相対向する印刷面とは反対の裏面側を支持するプラテン4とを具備する。
【0075】
記録ヘッド10は、ヘッド本体20のノズル開口26の並設方向が記録シートSの搬送方向(第1方向X)と交差する第2方向Yとなるように装置本体2に固定されている。
【0076】
搬送手段3は、記録ヘッド10に対して記録シートSの搬送方向の両側に設けられた第1の搬送手段5と、第2の搬送手段6とを具備する。
【0077】
第1の搬送手段5は、駆動ローラー5aと、従動ローラー5bと、これら駆動ローラー5a及び従動ローラー5bに巻回された搬送ベルト5cとで構成されている。また、第2の搬送手段6は、第1の搬送手段5と同様に駆動ローラー6a、従動ローラー6b及び搬送ベルト6cで構成されている。
【0078】
これらの第1の搬送手段5及び第2の搬送手段6のそれぞれの駆動ローラー5a、6aには、図示しない駆動モーター等の駆動手段が接続されており、駆動手段の駆動力によって搬送ベルト5c、6cが回転駆動することで、記録シートSを記録ヘッド10の上流及び下流側で搬送する。
【0079】
なお、本実施形態では、駆動ローラー5a、6a、従動ローラー5b、6b及び搬送ベルト5c、6cで構成される第1の搬送手段5及び第2の搬送手段6を例示したが、記録シートSを搬送ベルト5c、6c上に保持させる保持手段をさらに設けてもよい。保持手段としては、例えば、記録シートSの外周面を帯電させる帯電手段を設け、この帯電手段によって帯電した記録シートSを誘電分極の作用により搬送ベルト5c、6c上に吸着させるようにしてもよい。また、保持手段として、搬送ベルト5c、6c上に押えローラーを設け、押えローラーと搬送ベルト5c、6cとの間で記録シートSを挟持させるようにしてもよい。
【0080】
プラテン4は、第1の搬送手段5と第2の搬送手段6との間に、記録ヘッド10に相対向して設けられた断面が矩形状を有する金属又は樹脂等からなる。プラテン4は、第1の搬送手段5及び第2の搬送手段6によって搬送された記録シートSを、記録ヘッド10に相対向する位置で支持する。
【0081】
なお、プラテン4には、搬送された記録シートSをプラテン4上で吸着する吸着手段が設けられていてもよい。吸着手段としては、例えば、記録シートSを吸引することで吸引吸着するものや、静電気力で記録シートSを静電吸着するもの等が挙げられる。
【0082】
また、記録ヘッド10には、図示していないが、インクが貯留されたインクタンクやインクカートリッジなどのインク貯留手段がインクを供給可能に接続されている。インク貯留手段は、例えば、記録ヘッド10上に保持されていてもよい。また、インク貯留手段は、装置本体2内の記録ヘッド10とは異なる位置に保持され、チューブ等を介して記録ヘッド10の各インク供給針100に接続されていてもよい。さらに、記録ヘッド10には、図示しない外部配線が接続されている。
【0083】
このようなインクジェット式記録装置Iでは、搬送手段5によって記録シートSが搬送され、記録ヘッド10によってプラテン4上で支持された記録シートSに印刷が実行される。印刷された記録シートSは、搬送手段3によって搬送される。
【0084】
〈他の実施形態〉
以上、本発明の各実施形態について説明したが、本発明の基本的構成は上述したものに限定されるものではない。
【0085】
実施形態1では、保護壁65は、第2方向Yに平行であったが、これに限定されない。また、ノズル開口26は、第2方向Yに並設され、ヘッド本体20の側面は第2方向Yに平行となるように配置されていたがこれに限定されない。
【0086】
例えば、図10(a)に示すように、保護壁65は端部60bとヘッド本体20の間に位置し、保護壁65の第2方向Yの範囲R2に、カバーヘッド70の第2方向Yの範囲R1が含まれている。このような構成であれば、保護壁65は、第2方向Yに対して交差していてもよいし、ヘッド本体20も、ノズル開口26の並設方向が第2方向Yに対して交差していてもよい。このような記録ヘッド10Aでも、実施形態1の記録ヘッド10と同様の作用効果を奏する。
【0087】
また、保護壁65は、長尺に形成されている必要はなく、ヘッド本体20もノズル開口26の並設方向に合わせて長尺である必要もない。すなわち、保護壁65は端部60bとヘッド本体20の間に位置し、保護壁65の第2方向Yの範囲R2に、カバーヘッド70の第2方向Yの範囲R1が含まれる形状、構成であればよい。
【0088】
また、実施形態1では、保護壁65の高さは、ヘッド本体20の液体噴射面27aの高さH2よりも低いものであったが、これに限定されない。
【0089】
例えば、図10(b)に示すように、ケース部材60の底面60aが面一ではなく段差があるような場合では、保護壁65Aの高さH1は、液体噴射面27aの高さH2よりも低いとも言える。しかしながら、保護壁65Aの頂部67が液体噴射面27aよりもケース部材60側に位置していれば、記録ヘッド10Bは、実施形態1の記録ヘッド10と同様の作用効果を奏する。
【0090】
さらに、図11に示すように、一つのヘッド本体につき、複数の保護壁65が設けられていてもよい。この場合、第2方向Yにおける各保護壁65の間隔は、記録シートSの第2方向Yの幅以下とする。このような場合、複数の保護壁65からなる保護壁群68の第2方向Yの範囲R1に、カバーヘッド70の第2方向Yの範囲R2が含まれていればよい。かかる記録ヘッド10Cは、実施形態1の記録ヘッド10と同様の作用効果を奏する。
【0091】
また、特に図示しないが、複数のヘッド本体につき一つの保護壁が設けられていてもよい。この場合、一つの保護壁が、ケース部材60の端部60bから各ヘッド本体20までの間に配置され、保護壁の第2方向Yの範囲R1に、各ヘッド本体20の第2方向の範囲R2が含まれていればよい。
【0092】
さらに、保護壁は、ヘッド本体20の周囲を囲うように配置されていてもよい。すなわち、少なくとも保護壁の一部が、ケース部材60の端部60bからヘッド本体20との間に設けられ、上述した保護壁の範囲R1にカバーヘッド70の範囲R2が含まれていればよい。
【0093】
実施形態1の記録ヘッド10には、4つのヘッド本体20が設けられていたが、もちろん個数に限定はない。また、ケース部材60は、第2方向に長尺であったが、形状はこれに限定されない。
【0094】
また、実施形態1では、圧力発生室22に圧力変化を生じさせる圧力発生手段として、薄膜型の圧電素子30を用いて説明したが、特にこれに限定されない。例えば、グリーンシートを貼付する等の方法により形成される厚膜型の圧電アクチュエーターや、圧電材料と電極形成材料とを交互に積層させて軸方向に伸縮させる縦振動型の圧電アクチュエーターなどを使用することができる。また、圧力発生手段として、圧力発生室内に発熱素子を配置して、発熱素子の発熱で発生するバブルによってノズル開口から液滴を吐出するものや、振動板と電極との間に静電気を発生させて、静電気力によって振動板を変形させてノズル開口から液滴を吐出させるいわゆる静電式アクチュエーターなどを使用することができる。
【0095】
なお、上記実施の形態においては、液体噴射ヘッドの一例としてインクジェット式記録ヘッドを挙げて説明したが、本発明は、広く液体噴射ヘッドを対象としたものであり、インク以外の液体を噴射する液体噴射ヘッドにも勿論適用することができる。その他の液体噴射ヘッドとしては、例えば、プリンター等の画像記録装置に用いられる各種の記録ヘッド、液晶ディスプレイ等のカラーフィルターの製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機ELディスプレイ、FED(電界放出ディスプレイ)等の電極形成に用いられる電極材料噴射ヘッド、バイオchip製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド等が挙げられる。
【符号の説明】
【0096】
I インクジェット式記録装置(液体噴射装置)、 10 インクジェット式記録ヘッド(液体噴射ヘッド)、 20 ヘッド本体、 26 ノズル開口、 27 ノズルプレート、 27a 液体噴射面、 60 ケース部材、 65、65A 保護壁、 70 カバーヘッド(被覆部材)、 80 流路部材、 90 回路基板、 100 インク供給針、 200 治具

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体を噴射するノズル開口が設けられた液体噴射面を有するヘッド本体と、前記ヘッド本体が固定されたケース部材とを備え、液滴が噴射される被噴射媒体に対して第1方向に相対移動する液体噴射ヘッドであって、
前記ヘッド本体には、前記液体噴射面の周縁及び当該液体噴射面に連続した側面を被覆する被覆部材が設けられ、
前記ケース部材には、当該ケース部材の前記第1方向の端部と前記ヘッド本体との間に、前記被覆部材を保護する保護部材が前記ヘッド本体毎に設けられ、
前記被覆部材の前記第1方向に直交する第2方向の範囲は、前記保護部材の前記第2方向の範囲に含まれ、
前記保護部材は、前記第1方向及び前記第2方向に直交する第3方向において前記液体噴射面よりも前記ケース部材側に位置している
ことを特徴とする液体噴射ヘッド。
【請求項2】
請求項1に記載する液体噴射ヘッドにおいて、
前記保護部材は、前記ヘッド本体の側面を被覆する前記被覆部材のケース部材側の端部よりも前記液体噴射面側に位置している
ことを特徴とする液体噴射ヘッド。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載する液体噴射ヘッドにおいて、
前記保護部材は、前記第2方向の長さが前記第1方向の長さよりも長い
ことを特徴とする液体噴射ヘッド。
【請求項4】
請求項1〜請求項3の何れか一項に記載する液体噴射ヘッドを備えることを特徴とする液体噴射装置。
【請求項5】
液体を噴射するノズル開口が設けられた液体噴射面を有するヘッド本体と、
前記ヘッド本体が固定されたケース部材と、
前記ヘッド本体の前記液体噴射面の周縁及び当該液体噴射面に連続した側面を被覆する被覆部材と、
前記ケース部材の前記第1方向の端部と前記ヘッド本体との間に、前記ヘッド本体毎に設けられて前記被覆部材を保護する保護部材とを備え、
前記ケース部材に設けられて前記ヘッド本体を構成する圧力発生素子が駆動配線を介して接続される回路基板と、
液滴が噴射される被噴射媒体に対して第1方向に相対移動する液体噴射ヘッドの製造方法であって、
前記保護部材を治具に当接させ、前記ケース部材を当該治具に保持し、
前記ヘッド本体の圧力発生素子に一端が接続された駆動配線の他端を、前記回路基板に接続する
ことを特徴とする液体噴射ヘッドの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−183773(P2012−183773A)
【公開日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−49540(P2011−49540)
【出願日】平成23年3月7日(2011.3.7)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】