説明

液体噴射ヘッド及び液体噴射装置

【課題】2つのノズル列を有する液体噴射ヘッド1の厚さを薄く構成し、かつ、各ノズルから噴射する液滴の吐出速度のむらを低減する。
【解決手段】基板12の一方面4と他方面5に第一及び第二アクチュエータ2a、2bを備えるアクチュエータチップ3と、アクチュエータチップ3の両面に設置した第一及び第二流路部材11a、11bと、第一及び第二流路部材11a、11bに液体を分割供給する接続部材14から構成し、流路部材11はその内部に細長い領域からなる液体供給室9を備え、液体供給室9の長手方向に直交する方向の断面積が液体流入側からその反対側にかけて漸次減少するように構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ノズルから液体を吐出して被記録媒体に画像や文字、あるいは薄膜材料を形成する液体噴射ヘッド、及びこれを用いた液体噴射装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、記録紙等にインク滴を吐出して文字、図形を描画する、或いは素子基板の表面に液体材料を吐出して機能性薄膜を形成するインクジェット方式の液体噴射ヘッドが利用されている。この方式は、インクや液体材料を液体タンクから供給管を介して液体噴射ヘッドに供給し、駆動信号に応じて液体噴射ヘッドのインクが充填されたチャンネルの容積を変化させ、チャンネルに連通するノズルからインクを吐出させる。インクの吐出の際には、液体噴射ヘッドや噴射した液体を記録する被記録媒体を移動させて、文字や図形を記録する、或いは所定形状の機能性薄膜を形成する。
【0003】
特許文献1にはこの種のインクジェットヘッドが記載されている。インクジェットヘッドは、インクを吐出するヘッドチップ、ヘッドチップにインクを供給するマニホールド、マニホールドにインクを導く流路形成部、流路形成部にインクを流入する流路コネクタ、ヘッドチップに接続しヘッドチップの圧電素子を駆動する駆動回路基板、これらを支持する筺体フレームなどから構成されている。図6(a)はヘッドチップにインクを供給するための2つのマニホールド116a、116bの分解斜斜視図であり、(b)はこのマニホールドに上部からかぶせて収納する筺体フレーム114の下面図であり、(c)はこのマニホールドに下部からかぶせて収納するキャップ受け板117の上面図である。
【0004】
ヘッドチップ115は細長い板状の形状を有しており、その両側面にインクを加圧して吐出させるための複数のインク流路が形成されている。各インク流路はヘッドチップの下端面に形成されるノズル列の各ノズルに連通し、インク流路で加圧したインクを下端面のノズルから吐出する。2つのマニホールド116a、116bは各面に形成したインク流路にインクを供給可能にヘッドチップの両側面に固定されている。
【0005】
マニホールド116a、116bにはインクが充填される供給凹部116cと、この供給凹部にインクを導入するためのインク流入管116dが設置されている。また、供給凹部116cのヘッドチップ側周囲にはフィルターを設置するための溝からなるフィルター設置部a1が形成されている。2つのマニホールド116a、116bによりヘッドチップ115を挟み、係合爪116gを支持台116iに係合させて固定する。
【0006】
筺体フレーム114の中央部には細長い開口部が形成され、この開口部にヘッドチップ115が貫通して装着されている。筺体フレーム114の右端部には箱型の連通部114sが形成され、インク流路114rから流入するインクを溜めることができる。連通部114sの上面には半円形の切欠きからなる溝部114uが形成され、マニホールド116a、116bのインク流入管116dを受ける。キャップ受板117の中央部にはヘッドチップ115の下端面を露出させるための細長い開口部117aが形成されている。キャップ受板117の右端部には筺体フレーム114と同様に箱型のインク受部117eが形成され、このインク受部117aの上面にも半円形の切欠きからなる2つの溝部117fが形成され、インク流入管116dを受けることができる。
【0007】
従って、2つのマニホールド116a、116bを筺体フレーム114とキャップ受板117により上下から挟み、第一係合部117b、第二係合部117c及び第三係合部117dをマニホールド116a、116bの底面に係合されたときに、マニホールド116a、116bのインク流入管116dは、筺体フレーム114の連通部114s上面に形成した溝部114uとキャップ受板117のインク受部117a上面に形成した溝部117fにより挟まれて固定され、また筺体フレーム114の連通部114s上面とキャップ受板117のインク受部117a上面とが当接してインク溜めの空間を構成する。その結果、インク流路から流入したインクは連通部114sとインク受部117aにより構成される空間に溜まり、2つのマニホールド116a、116bに分割して供給することができる。特許文献1は、ヘッドチップの両側面に形成したインク流路にインクを供給する構造を簡単化することができる、というものである。
【0008】
特許文献2には、ヘッドチップブロックの両側面に形成した溝からインクを吐出させるインクジェットヘッドが記載されている(例えば特許文献2の図7を参照)。インクジェットヘッドは、表面にインク吐出用の多数の溝が形成された圧電プレートを溝が外面となるように重ね合わせたヘッドチップブロックと、ヘッドチップブロックの両側面に形成した溝にインクを供給するインク室プレートと、一方の側のインク室プレートにインクを供給するインク流路部材などにより構成されている。ヘッドチップブロックの一方の側面に設置したインク室プレートと他方の側面に設置したインク室プレートとは、圧電プレート2枚を貫通して形成されたインク孔を介して連通している。そのため、外部から供給されるインクは、一方の側面に設置されたインク流路部材を介して一方の側面のインク室プレートに流入し、更にインク孔を介して他方の側面のインク室に流入させることができる。この構成により、インクジェットヘッドを小型軽量化することができるとともに、部品点数も減らすことができる、というものである。
【0009】
特許文献3には、2列のノズル列を有するインクジェットヘッドが記載されている(例えば特許文献3の図2を参照)。インクジェットヘッドは、複数の圧電素子を2列に配置した基板と、圧電素子を収納するフレーム部材と、圧電素子に対応する位置にダイヤフラムが形成された振動板と、インクの流路を形成する液室流路形成部材と、2列のノズル列を有するノズルプレートが積層して接着されている。ダイヤフラムは圧電素子から振動の伝達が可能に構成され、その上にインクが充填された加圧室が設置されている。圧電素子に駆動信号を与えるとダイヤフラムが振動し、その上の加圧室のインクを加圧して各加圧室に連通するノズルからインクを吐出させる。
【0010】
液室流路形成部材には、外側共通液室と内側共通液室の2列の共通液室が並列する共通液室aと、同じ構成の共通液室bが並列して形成されている。各共通液室a、bは並列して配置された2列のノズル列に対応している。各共通液室a、bは、外側共通液室と内側共通液室の中間の位置に一列状に形成された複数の加圧室を含んでいる。各加圧室は両側に並列する外側共通液室と内側共通液室の両方に連通し、両共通液室からインクの供給が可能に構成されている。各加圧室は対応するノズル列の各ノズルに連通している。従って、インクは外側共通液室と内側共通液室の両側から加圧室に供給され、更にノズルに供給される。各共通液室a及びbには、共通液室a及びbの一方の端部であって、共通液室aと共通液室bの中央に形成される1つのインク供給孔からインクが供給される。このように構成したので、各加圧室に同時にインクが分配供給される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2004−90492号公報
【特許文献2】特開2007−50687号公報
【特許文献3】特開平8−174819号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、特許文献1に記載されるインクジェットヘッドは、各マニホールド116a、116bにインクを分割して供給する連通部114s及びインク受部117eが筺体フレーム114側とキャップ受板117側の2つに分離している。マニホールド116a、116bのそれぞれにインクを流入するインク流入管116dは筺体フレーム114の枡状の連通部114sとキャップ受板117の枡状のインク受部117eに形成した溝により挟み込んで接合する構造を有している。そのため、連通部114sとインク受部117eの2つの部品とこれを接合する接合工程が必要となること、また、その接合部からインクが漏れ出す恐れがある。
【0013】
また、マニホールド116a、116bに形成される供給凹部116cは深さ及び短手方向の幅が長手方向に対して一定である。即ち、供給凹部116cの長手方向に直行する方向の断面積が、インク流入管116d側からインク排出管116e側にかけて一定となっている。しかし、供給凹部116c内のインクは駆動することにより吐出され、消費される。例えば、1列のノズル全部からインクを吐出させる場合を考えると、インク流入管116dの側からインク排出管116eの側に向けて、途中でインクが消費されてインク液の圧力が減少する。そのため、ノズルから吐出される液滴の吐出速度は、インク流入管116dに近いほうが早くインク流入管116dから遠いほうが遅くなる。ノズルと被記録媒体の間には距離が存在し、しかもノズルに対して被記録媒体は移動している。そのため、液滴の吐出速度のむらは液滴の記録位置のむらとなり、液滴の位置精度が低下してしまうという課題があった。
【0014】
また、特許文献2のインクジェットヘッドでは、インクはヘッドチップブロックの一方の側面に設置されたインク流路部材から流入し、一方の側面のアクチュエータの溝に供給される。そして、他方の側面のアクチュエータにはインク孔を通してインクが供給される。即ち、供給されるインクの流路が一方の側と他方の側で対称となっていない。そのため、インク孔の流路抵抗等に起因してノズルから吐出される液滴の吐出速度が一方の側と他方の側で差が生じ、液滴の記録位置精度が低下する、という課題があった。
【0015】
また、特許文献3のインクジェットヘッドにおいて、共通液室a及び共通液室bの、ノズル列に直交する方向の流路の断面積は、インク供給孔に近いほうから遠いほうにかけて一定である。そのために、ノズルから吐出される液滴の吐出速度は、インク供給孔に近いほうが早く遠いほうが遅くなる。これにより液滴の吐出速度にむらが生じ、被記録媒体に着地する液滴の位置精度が低下してしまう、という課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明による液体噴射ヘッドは、基板の一方面側の長手方向に配列する複数の溝と、前記溝に連通するノズル孔が長手方向に配列するノズル列とを備える第一アクチュエータと、前記基板の他方面側の長手方向に配列する複数の溝と、前記溝に連通するノズル孔が長手方向に配列する第二アクチュエータとを備えるアクチュエータチップと、前記一方面側に配列する複数の溝に液体を供給する第一液体供給室と、前記第一液体供給室に液体を流入する第一流入孔を備える第一流路部材と、前記他方面側に配列する複数の溝に液体を供給する第二液体供給室と、前記第二液体供給室に液体を流入する第二流入孔を備える第二流路部材と、内部に流路を備え、前記第一及び第二流路部材に接続し、前記第一及び第二流入孔に液体を分割供給する接続部材と、を備え、前記第一及び第二液体供給室は、前記長手方向に配列する前記複数の溝に対応し、前記長手方向に細長い領域からなり、前記細長い領域の一方の端部に前記流入孔が開口し、前記細長い領域の長手方向に直交する方向の断面積は前記一方の端部からその反対側の他方の端部にかけて漸次減少するようにした。
【0017】
また、前記第一及び第二流路部材は、前記流入孔に連通する突状の流入管を備え、前記接続部材は、前記突状の流入管と嵌合する第一及び第二流出孔を備えるようにした。
【0018】
また、前記接続部材は、液体を流入するための液体流入部を備え、前記液体流入部は、液体供給用の供給管を受けるための開口部と、前記開口部の内側に、前記前記供給管が挿入されたときに当接する段差部を備えるようにした。
【0019】
また、前記接続部材は内部に屈曲する流路を備え、前記屈曲する流路の外周側が曲面形状を有するようにした。
【0020】
また、前記接続部材は内部に流路を備え、前記流路は液体を分流するための分流部を有し、前記分流部は表面が曲面状の凸部からなるようにした。
【0021】
また、前記接続部材に液体を供給するための供給管を有する圧力緩衝器を更に備え、前記供給管はその先端近傍の外周部にOリング受溝を有し、前記Oリング受溝にOリングを設置した供給管を前記接続部材の開口部に装着するようにした。
【0022】
本発明による液体噴射装置は、上記いずれかに記載の液体噴射ヘッドと、被記録媒体を主走査方向に搬送する搬送手段と、液体を貯留する液体タンクと、前記液体タンクから前記液体噴射ヘッドに液体を押圧して供給するポンプと、前記液体噴射ヘッドを主走査方向に直交する副走査方向に移動させる移動機構と、を備えるようにした。
【発明の効果】
【0023】
本発明の液体噴射ヘッドは、基板の一方面側の長手方向に配列する複数の溝と、溝に連通するノズル孔が長手方向に配列するノズル列とを備える第一アクチュエータと、基板の他方面側の長手方向に配列する複数の溝と、溝に連通するノズル孔が長手方向に配列する第二アクチュエータとを備えるアクチュエータチップと、一方面側に配列する複数の溝に液体を供給する第一液体供給室と、第一液体供給室に液体を流入する第一流入孔を備える第一流路部材と、他方面側に配列する複数の溝に液体を供給する第二液体供給室と、第二液体供給室に液体を流入する第二流入孔を備える第二流路部材と、内部に流路を備え、第一及び第二流路部材に接続し、第一及び第二流入孔に液体を分割供給する接続部材と、を備え、第一及び第二液体供給室は長手方向に配列する複数の溝に対応する細長い領域からなり、細長い領域の一方の端部に流入孔が開口し、細長い領域の長手方向に直交する方向の断面積は一方の端部からその反対側の他方の端部にかけて漸次減少するようにした。このように、第一及び第二流路部材の長手方向の端部に接続部材を接続したので、液体噴射ヘッドの厚さを薄く構成することができるとともに、第一及び第二液体供給室に液体を均等に分割供給することができ、かつ、第一及び第二液体供給室は、流入孔側からその反対側に向けて長手方向に直行する方向の断面積が漸次減少するように構成したので、各ノズルから噴射する液滴速度のむらを低減することができ、液滴が被記録媒体に着地する着地点の位置精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の実施形態に係る液体噴射ヘッドの説明図である。
【図2】本発明の実施形態に係る液体噴射ヘッドの説明図である。
【図3】本発明の実施形態に係る液体噴射ヘッドの説明図である。
【図4】本発明の実施形態に係る液体噴射ヘッドの分解斜視図である。
【図5】本発明の実施形態に係る液体噴射装置の模式的な斜視図である。
【図6】従来公知のインクジェットヘッドに適用するマニホールドの説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明の液体噴射ヘッドは、細長い基板の一方面側に第一アクチュエータを、一方面側とは異なる他方面側に第二アクチュエータを備えるアクチュエータチップと、第一アクチュエータに液体を供給する第一流路部材と、第二アクチュエータに液体を供給する第二流路部材と、第一及び第二流路部材に液体を分割供給する接続部材を備えている。
【0026】
第一アクチュエータは、基板の一方面側に形成した複数の溝を有し、この複数の溝は基板の長手方向に配列している。第一アクチュエータは、更に各溝に連通し、例えば基板端面の長手方向に配列するノズル孔を備えている。第二アクチュエータは、基板の一方面側とは反対の他方面側に形成した複数の溝を有し、この複数の溝は基板の長手方向に配列している。第二アクチュエータは、更に各溝に連通し、例えば基板端面の長手方向に配列するノズル孔を備えている。第一流路部材は、第一アクチュエータの複数の溝に液体を供給するための第一液体供給室と、この第一液体供給室に液体を流入するための第一流入孔を備えている。同様に、第二流路部材は、第二アクチュエータの複数の溝に液体を供給するための第二液体供給室と、この第二液体供給室に液体を流入するための第二流入孔を備えている。接続部材は、第一及び第二流路部材に接続し、第一及び第二流入孔に液体を分割供給する。
【0027】
第一及び第二液体供給室は、基板の長手方向に配列する複数の溝に対応し、基板の長手方向と同じ方向に細長い領域からなり、この細長い領域の一方の端部に第一又は第二流入孔が開口している。そして、第一及び第二液体供給室の細長い領域は、第一又は第二流入孔の側から反対側の端部にかけて長手方向に直交する方向の断面積が漸次減少するように絞られている。
【0028】
液体噴射ヘッドは、第一流路部材、アクチュエータチップ及び第二流路部材が積層する構造を有している。そのため、接続部材を第一及び第二流路部材の端部、即ち上記積層構造の端部に設置すれば、液体噴射ヘッドの全体の厚さを薄く構成することができる。
【0029】
接続部材を上記積層構造の端部に設置すれば、第一及び第二流路部材に液体を均等の条件で、例えば流路抵抗や液体の圧力を均等にして分割供給することができる。また、第一及び第二液体供給室を流入孔側からその反対側に向けて長手方向に直行する方向の断面積が漸次減少するように構成したので、流体が各ノズルから吐出され、消費される場合でも、第一及び第二液体供給室内の液体圧力を一定にし、第一及び第二アクチュエータの各溝にほぼ同じ圧力で液体を供給することができる。そのために、各ノズルから液滴を吐出する際に吐出速度のむらが低減し、液滴が被記録媒体に着地する着地点の位置精度を向上させることができる。
【0030】
なお、第一及び第二アクチュエータはPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)セラミックス等の圧電体ウエハを使用することができる。2枚の圧電体ウエハの表面に複数の溝を形成し、この複数の溝に液体を供給する液体供給孔を設けて第一及び第二アクチュエータとし、この2枚のアクチュエータを溝6が形成された面を外面にして接合することにより、アクチュエータチップを構成することができる。また、1枚の圧電体ウエハの両面に複数の溝を形成し、それぞれの溝に液体を供給するための液体供給孔を設けて第一及び第二アクチュエータとするアクチュエータチップを形成することができる。
【0031】
第一及び第二流路部材や接続部材は合成樹脂や金属材料を使用することができる。第一及び第二流路部材のそれぞれに形成する第一及び第二液体供給室は一つの細長い領域であっても、分離した複数の領域であってもよい。第一及び第二液体供給室がそれぞれ一つの凹部からなる細長い領域である場合に、その一方の端部から他方の端部にかけて凹部の幅が漸次減少するように構成してもよいし、凹部の深さが漸次減少するように構成してもよい。
【0032】
また、第一及び第二流路部材は、各流入孔に連通する突状の第一及び第二流入管を備えるように構成し、接続部材は、この第一及び第二流入管と嵌合する第一及び第二流出孔を備えるように構成することができる。これにより、分割した接続部材により挟んで第一及び第二流入管を接着する必要がなくなり、第一及び第二流入管を第一及び第二流出孔に挿入することで第一及び第二流路部材と接続部材とを接続することが可能となり、簡単な構造で組立工数も削減できる。
【0033】
また、接続部材は、外部から液体を流入するための液体流入部を備え、この液体流入部は、液体供給用の供給管を挿入するための開口部を有しており、この開口部の内部には供給管を挿入したときに供給管の先端が当接する段差部を備えている。このように、開口部の内部に段差部を設けたことにより、接続部材に対する供給管の着脱が容易となり、メンテナンスの実施が容易となる。
【0034】
また、接続部材の流路が屈曲しており、屈曲する流路の外周側が曲面形状を備えている。また、接続部材の流路には液体を分流するための分流部を備えており、その分流部は表面が曲面の凸部を備えている。このように、屈曲する流路の外周側や、液体を分流させる分流部の表面を曲面に形成したことにより、液体の流れが滞留する液溜まりが減少し、流路の洗浄や流路中に混入した気泡の除去を迅速に行うことができる。
【0035】
また、圧力緩衝器を更に設けることができる。圧力緩衝器は接続部材に液体を供給するための供給管を有している。供給管はOリング受溝を有しており、このOリング受溝にOリングを設置した供給管を接続部材の開口部に装着することができる。これにより、接続部材の開口部に供給管を繰り返して着脱しても、開口部と供給管の間の密閉性を維持することができ、メンテナンスが容易になるとともに液体の漏れ等に対する信頼性を向上させることができる。
以下、本発明について図面を用いて詳細に説明する。
【0036】
(第一実施形態)
図1は本発明の第一実施形態にかかる液体噴射ヘッド1を説明するための説明図である。図1(a)は、液体噴射ヘッド1の分解斜視図であり、(b)は、組み立てた状態の斜視図であり、(c)は、組み立てた状態を下面からみた下面図であり、(d)は、部分AAの横断面図である。
【0037】
液体噴射ヘッド1は、液滴を吐出するアクチュエータチップ3と、このアクチュエータチップ3を両側から挟む第一及び第二流路部材11a、11bと、第一及び第二流路部材11a、11bの端部に接続する接続部材14を備えている。アクチュエータチップ3は、長尺形状の基板12からなり、基板12の一方面4側に形成した第一アクチュエータ2aと、その反対の他方面5側に形成した第二アクチュエータ2bを備えている。
【0038】
第一アクチュエータ2aは、基板12の一方面4側の短手方向に形成し長手方向に配列する複数の溝6と、この複数の溝6に液体を導入するための液体供給孔24と、基板12の下端面に開口し、複数の溝6のそれぞれに連通する複数の第一ノズル孔8aを備えている。第二アクチュエータ2bは、第一アクチュエータ2aと同様に、基板12の他方面5側の短手方向に形成し長手方向に配列する複数の溝と、この複数の溝に液体を導入するための液体供給孔と、基板12の下端面に開口し、複数の溝のそれぞれに連通する複数の第二ノズル孔8bを備えている。従って、図1(c)に示すように、基板12の下端面には第一ノズル孔8aと第二ノズル孔8bが並行して長手方向に配列している。
【0039】
なお、基板12は具体的には4層構造を有している。第一アクチュエータ2aは、表面に多数の溝6を形成した圧電体プレートと、貫通する液体供給孔24を備え、圧電体プレートの溝6の側に接合したカバープレートと、カバープレートの液体供給孔24に設置したフィルター25及び気泡抜きフィルター26を備えている。圧電プレートの表面に設けた溝6は、液体供給孔24において露出しているので、液体供給孔24から各溝6に液体を供給することができる。第二アクチュエータ2bも同様の構造を有している。第一及び第二アクチュエータ2a、2bの、溝6が形成された面と反対側の裏面を接合してアクチュエータチップ3を構成した。
【0040】
第一流路部材11aは、アクチュエータチップ3の側に開口する第一液体供給室9aと、この第一液体供給室9aに液体を導入するための第一流入孔10aと、この第一流入孔10aに連通する第一流入管13aを備えている。第二流路部材11bは、第一流路部材11aと同様の構造を有し、アクチュエータチップ3の側に開口する第二液体供給室9bと、この第二液体供給室9bに液体を導入するための第二流入孔10bと、この第二流入孔10bに連通する第二流入管13bを備えている。ここで、第一及び第二液体供給室9a、9bはアクチュエータチップ3の一方面4側及び他方面5側に形成した複数の溝6にそれぞれ対応し、細長い領域からなる。つまり、アクチュエータチップ3の一方面4及び他方面5のそれぞれに形成した液体供給孔24に対応する。図1(d)に示すように、第一及び第二液体供給室9a、9bは、第一及び第二流入孔10a、10bの側からその反対側の端部にかけて、深さdが次第に浅くなる。即ち、液体供給室9の長手方向に直交する方向の断面積が液体の流入側からその反対側にかけて漸次減少する。
【0041】
接続部材14は、上部に設けた液体導入用の液体流入部17と、下部側面に設けたから第一及び第二流出孔15a、15bを備えている。接続部材14はその内部に流路16を有し、上部の開口部18と下部の第一及び第二流出孔15a、15bは連通している。下部側面の第一流出孔15aに第一流路部材11aの第一流入管13aを挿入し、第二流出孔15bに第二流路部材11bの第二流入管を挿入して各流路部材11a、11bを装着固定している。接続部材14の内部流路16は、第一流出孔15aと第二流出孔15bの中間の垂直平面に対して面対称の形状を有している。従って、第一及び第二流路部材11a、11bに流出する液体の流路抵抗や圧力は等しくなる。
【0042】
液体流入部17から導入した液体は、第一及び第二流入管13a、13bを介して第一及び第二流路部材11a、11bに分割して流入する。更に、液体は、第一及び第二流路部材11a、11bから第一及び第二アクチュエータ2a、2bの溝6に流入し、アクチュエータチップ3に与えられる駆動信号に基づいて第一及び第二ノズル孔8a、8bから吐出される。
【0043】
このように、接続部材14を第一及び第二流路部材11a、11bとアクチュエータチップ3の端部に設置したので、液体噴射ヘッド1の全体の厚さを薄く構成することができる。また、液体を、その流路抵抗や印加圧力を均等にして第一及び第二流路部材11a、11bに分割供給することができる。更に、第一及び第二液体供給室9a、9bは、第一及び第二流入孔10a、10b側からその反対側に向けて、長手方向に直行する方向の断面積Sが漸次減少するので、各ノズルから噴射する液滴速度のむらを低減することができ、液滴が被記録媒体に着地する着地点の位置精度を向上させることができる。
【0044】
なお、第一アクチュエータ2aの表面に形成した液体供給孔24の淵に、フィルター設置用の段差を設け、第一フィルター25aを設置している。第二アクチュエータ2bの表面にも同様に第二フィルター25bを設置している。更に、第一及び第二アクチュエータ2a、2bの表面であり、第一及び第二流路部材11a、11bの第一及び第二流入孔10a、10bとは反対側の端部に、流路に混入した気泡を除去するための気泡抜きフィルター26a、26bを設置し、対応する位置に気泡抜き用溝27a、27bを形成した。第一及び第二フィルター25a、25bの設置により、第一及び第二ノズル孔8a、8bが気泡により目詰まりを起こす不具合の発生を低減させることができる。また、液体内部に気泡が混入した場合は、気泡抜き用溝27を介して気泡を外部に迅速に排出することができる。
【0045】
また、気泡抜き用溝27の上部に気泡抜き用フィルター26を設置したので、気泡抜き用溝27から第一及び第二液体供給室9a、9bへ気体が入り込むことを防止することができる。また、第一及び第二流路部材11a、11bの端部、及び接続部材14の側面には図示しないフレームにビス止め固定するための貫通部28を形成した。
【0046】
(第二実施形態)
図2は、本発明の第二実施形態に係る液体噴射ヘッド1の接続部材14の説明図である。図2(a)は接続部材14の上面図であり、(b)は部分BBの縦断面図であり、(c)は部分CCの縦断面図である。本第二実施形態においてアクチュエータチップ3、第一及び第二流路部材11a、11bは第一実施形態と同様であり、説明を省略する。なお、同一の部分または同一の機能を有する部分には同一の符号を付している。
【0047】
接続部材14は、その上部に液体を導入するための円筒状の開口部18と、その下部に第一及び第二流入管13a、13bを挿入するための第一及び第二流出孔15a、15bを備えている。図2(b)に示すように、接続部材14は、開口部18の内部に接続部材14の高さの約1/2であり、円筒状の内壁面から円筒中心軸方向に延びる第一及び第二段差部19a、19bを有している。第一及び第二段差部19a、19bの上面は、弦の長さが開口部18の内径に満たない半月形状を有し、第一段差部19aのほうが第二段差部19bよりも上面の面積が広い。第一段差部19aの側面29は平坦面であり、第一及び第二流出孔15a、15bがこの平坦な側面29に開口している。第二段差部19bの側面と円筒状の内壁面との間は曲面形状を有している。更に、第二段差部19bの側面と底部内面との間を屈曲外周面30の曲面状に形成した。屈曲外周面30は屈曲する流路16の外周側に当たる。更に、図2(c)に示すように、接続部材14の流路16は底部に分流部20を備えている。分流部20は第一流出孔15aと第二流出孔15bが開口する開口部の手前の中間に位置する。分流部20を表面が曲面状の凸部に形成した。
【0048】
このように、第一及び第二段差部19a、19bを形成したことにより、開口部18に供給管を挿入したときにその先端が第一又は第二段差部19a、19bに当接する。そのため、供給管の着脱を繰り返しても抜け難くなることがなく、メンテナンスが容易となる。また、屈曲外周面30や分流部20の表面形状を曲面状としたことにより、液体の流れが滞留する液溜まりが減少し、液体に混入した気泡やごみを迅速に除去することができる。また、接続部材14の内部形状を、上部から下部に向けて内径が小さくなる構造とし、また、底部に設けた第一及び第二流出孔15a、15bは第一段差部19aの平坦な側面に開口する構造としたので、接続部材14を型成形により一体的に容易に形成することができる。そのため、部品点数が減少し、組立工数も削減させることができる。
【0049】
(第三実施形態)
図3は、本発明の第三実施形態に係る液体噴射ヘッド1の説明図である。図3(a)は圧力緩衝器21を接続部材14から取り外した分解斜視図であり、(b)は接続部材14の模式的な縦断面図である。接続部材14は上記第二実施形態と同様の構造を有している。
【0050】
液体噴射ヘッド1の移動に伴い、液体供給管の中の液体にその慣性によって衝撃波が印加される。この衝撃波に伴う圧力変動はノズルから吐出する液滴の吐出速度を変化させる。圧力緩衝器21は、この圧力変動を吸収し、液滴の吐出速度を一定に維持するために設けている。液体噴射ヘッド1は、接続管32から液体を流入し、供給管31から液体を供給する。供給管31の先端部にOリング受溝23を形成し、このOリング受溝23にOリング22を装着した。
【0051】
液体流入部17の開口部18に供給管31を挿入すると、Oリング22が開口部18の内壁面に接触して、内部液体が外部に漏れ出さないようにシールされる。開口部18は内部には第一及び第二段差部19a、19bが設けてあるので、この段差部19a、19bに供給管31の先端部が当接する。そのため、接続部材14の開口部18に供給管31を繰り返して着脱しても、開口部18と供給管31の間に密閉性を維持することができ、メンテナンスが容易になるとともに、液体の漏れ等に対する信頼性を向上させることができる。接続部材14のその他の構成や、第一及び第二流路部材11a、11b及びアクチュエータチップ3は第一実施形態又は第二実施形態と同様なので、説明を省略する。
【0052】
なお、本実施形態では圧力緩衝器21に取り付けた供給管31を開口部18に装着する場合を説明したが、これに限定されるものではなく、圧力緩衝器21を除去し、Oリング受溝23を形成した供給管31にOリング22を装着して、開口部18に挿入するものでもよい。
【0053】
(第四実施形態)
図4は、本発明の第四実施形態に係る液体噴射ヘッド1の模式的な斜視図である。基体38は、接続部材14、第一及び第二流路部材11a、11b、及びカバー39、39’を支持している。裏側のカバー39は、ノズル孔から液体を噴射させる駆動の制御回路を構成した回路基板36を収納している。フレキシブルプリント基板(FPC)35は、一端をアクチュエータチップ3の上端部に他端を回路基板36の下端部に接続し、駆動信号を伝達する。回路基板36の上面に圧力緩衝器21を設置し、圧力緩衝器21の上部をビス40により裏側のカバー39に固定している。圧力緩衝器21の供給管31を接続部材14の開口部18に挿入し、連結している。圧力緩衝器21の上面に表側のカバー39’を設置し、圧力緩衝器21を保護する。
【0054】
ここで、接続部材14や第一及び第二流路部材11a、11bは、第一実施形態又は第二実施形態と同様の構造を有している。このように、第一及び第二流路部材11a、11bとアクチュエータチップ3の端部に接続部材14を設置し、平板状の圧力緩衝器21と回路基板36とを積層するように構成したので、液体噴射ヘッド1の厚さを薄く構成することができるとともに、第一及び第二流路部材11a、11bに液体を均等の条件で供給することができる。また、第一及び第二液体供給室を流入孔側からその反対側に向けて長手方向に直行する方向の断面積が漸次減少するように構成すれば、流体が各ノズルから吐出され、消費される場合でも、第一及び第二液体供給室内の液体圧力を一定にし、第一及び第二アクチュエータの各溝にほぼ同じ圧力で液体を供給することができる。そのために、各ノズルから液滴を吐出する際に吐出速度のむらが低減し、液滴が被記録媒体に着地する着地点の位置精度を向上させることができる。
【0055】
また、接続部材14の開口部18内部に第一及び第二段差部を形成すれば、開口部18に供給管31を挿入したときにその先端が第一又は第二段差部に当接し、供給管の着脱を繰り返しても抜け難くなることがなく、メンテナンスが容易となる。また、接続部材14内部の流路に、曲面状の屈曲外周面や分流部を形成すれば、液体の流れが滞留する液溜まりが減少し、液体に混入した気泡やごみを迅速に除去することができる。また、接続部材14を型成形により一体的に容易に形成することができるので、部品点数が減少し、組立工数も削減させることができる。
【0056】
(第五実施形態)
図5は、本発明の第五実施形態に係る液体噴射装置50の模式的な斜視図である。本液体噴射装置50は、上記第一から第四実施形態で説明したいずれかの液体噴射ヘッド1を使用している。液体噴射装置50は、液体噴射ヘッド1、1’を往復移動させる移動機構63と、液体噴射ヘッド1、1’に液体を供給する液体供給管53、33’と、液体供給管53、53’に液体を供給する液体タンク51、51’を備えている。各液体噴射ヘッド1、1’は、液体を吐出させるアクチュエータチップと、このアクチュエータチップに液体を供給する第一及び第二流路部材と、第一及び第二流路部材に液体を分割供給する接続部材と、接続部材に圧力変動を吸収した液体を供給する圧力緩衝器を備えている。
【0057】
具体的に説明する。液体噴射装置50は、紙等の被記録媒体54を主走査方向に搬送する一対の搬送手段61、62と、被記録媒体54に液体を吐出する液体噴射ヘッド1、1’と、液体タンク51、51’に貯留した液体を液体供給管53、53’に押圧して供給するポンプ52、52’と、液体噴射ヘッド1、1’を主走査方向と直交する副走査方向に走査する移動機構63等を備えている。
【0058】
一対の搬送手段61、62は副走査方向に延び、ローラ面を接触しながら回転するグリッドローラとピンチローラを備えている。図示しないモータによりグリッドローラとピンチローラを軸周りに移転させてローラ間に挟み込んだ被記録媒体54を主走査方向に搬送する。移動機構63は、副走査方向に延びた一対のガイドレール56、57と、一対のガイドレール56、57に沿って摺動可能なキャリッジユニット58と、キャリッジユニット58を連結し副走査方向に移動させる無端ベルト59と、この無端ベルト59を図示しないプーリを介して周回させるモータ60を備えている。
【0059】
キャリッジユニット58は、複数の液体噴射ヘッド1、1’を載置し、例えばイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4種類の液滴を吐出する。液体タンク51、51’は対応する色の液体を貯留し、ポンプ52、52’、液体供給管53、53’を介して液体噴射ヘッド1、1’に供給する。各液体噴射ヘッド1、1’は駆動信号に応じて各色の液滴を吐出する。液体噴射ヘッド1、1’から液体を吐出させるタイミング、キャリッジユニット58を駆動するモータ60の回転及び被記録媒体54の搬送速度を制御することにより、被記録媒体54上に任意のパターンを記録することできる。
【0060】
なお、以上の説明において、液体噴射ヘッド1を第一及び第二流路部材11a、11bにより第一及び第二アクチュエータ2a、2bからなるアクチュエータチップ3を挟み、その端部に接続部材14を設置した構造について説明したが、これに限定されない。第一実施形態から第四実施形態において説明したいずれかの液体噴射ヘッド1を多数積層した構成とすることができる。また、第一及び第二流路部材11a、11bによりアクチュエータチップ3を挟む構造を多数積層し、共通の接続部材14により各流路部材11に液体を供給する構成としてもよい。
【符号の説明】
【0061】
1 液体噴射ヘッド
2 アクチュエータ
3 アクチュエータチップ
4 一方面
5 他方面
6 溝
8 ノズル孔
9 液体供給室
10 流入孔
11 流路部材
12 基板
13 流入管
14 接続部材
15 流出孔
16 流路
19 段差部
50 液体噴射装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板の一方面側の長手方向に配列する複数の溝と、前記溝に連通するノズル孔が長手方向に配列するノズル列とを備える第一アクチュエータと、前記基板の他方面側の長手方向に配列する複数の溝と、前記溝に連通するノズル孔が長手方向に配列する第二アクチュエータとを備えるアクチュエータチップと、
前記一方面側に配列する複数の溝に液体を供給する第一液体供給室と、前記第一液体供給室に液体を流入する第一流入孔を備える第一流路部材と、
前記他方面側に配列する複数の溝に液体を供給する第二液体供給室と、前記第二液体供給室に液体を流入する第二流入孔を備える第二流路部材と、
内部に流路を備え、前記第一及び第二流路部材に接続し、前記第一及び第二流入孔に液体を分割供給する接続部材と、を備え、
前記第一及び第二液体供給室は、前記長手方向に配列する前記複数の溝に対応し、前記長手方向に細長い領域からなり、前記細長い領域の一方の端部に前記流入孔が開口し、前記細長い領域の長手方向に直交する方向の断面積は前記一方の端部からその反対側の他方の端部にかけて漸次減少する液体噴射ヘッド。
【請求項2】
前記第一及び第二流路部材は、前記流入孔に連通する突状の流入管を備え、
前記接続部材は、前記突状の流入管と嵌合する第一及び第二流出孔を備えている請求項1に記載の液体噴射ヘッド。
【請求項3】
前記接続部材は、液体を流入するための液体流入部を備え、
前記液体流入部は、液体供給用の供給管を受けるための開口部と、前記開口部の内側に、前記前記供給管が挿入されたときに当接する段差部を備えている請求項1又は2に記載の液体噴射ヘッド。
【請求項4】
前記接続部材は内部に屈曲する流路を備え、
前記屈曲する流路の外周側が曲面形状を有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の液体噴射ヘッド。
【請求項5】
前記接続部材は内部に流路を備え、前記流路は液体を分流するための分流部を有し、
前記分流部は表面が曲面状の凸部からなる請求項1〜4のいずれか1項に記載の液体噴射ヘッド。
【請求項6】
前記接続部材に液体を供給するための供給管を有する圧力緩衝器を更に備え、
前記供給管はその先端近傍の外周部にOリング受溝を有し、
前記Oリング受溝にOリングを設置した供給管を前記接続部材の開口部に装着した請求項1〜5のいずれか1項に記載の液体噴射ヘッド。
【請求項7】
請求項1〜6項のいずれか1項に記載の液体噴射ヘッドと、
被記録媒体を主走査方向に搬送する搬送手段と、
液体を貯留する液体タンクと、
前記液体タンクから前記液体噴射ヘッドに液体を押圧して供給するポンプと、
前記液体噴射ヘッドを主走査方向に直交する副走査方向に移動させる移動機構と、を備える液体噴射装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−131534(P2011−131534A)
【公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−294655(P2009−294655)
【出願日】平成21年12月25日(2009.12.25)
【出願人】(501167725)エスアイアイ・プリンテック株式会社 (198)
【Fターム(参考)】