説明

液体噴射ヘッド及び液体噴射装置

【課題】液滴の噴射特性を向上しつつ、コストの上昇を抑制することができる液体噴射ヘッド及び液体噴射装置を提供する。
【解決手段】シリコンからなる流路形成部材10,15と、シリコンからなるノズルプレート20と、複数の圧力発生室に連通するマニホールド100を流路形成部材10,15とともに画成するマニホールド部材40と、流路形成部材10,15のノズルプレート20が接合されている面とマニホールド部材40とに接合され、マニホールド100を封止する蓋部材110と、を備え、蓋部材110をノズルプレート20とは異なる材料で形成するとともに、ノズルプレート20とは離間して固定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ノズルから液体を噴射する液体噴射ヘッド及び液体噴射装置に関し、特に、
液体としてインクを噴射するインクジェット式記録ヘッド及びインクジェット式記録装置
に関する。
【背景技術】
【0002】
液滴を噴射する液体噴射ヘッドの代表例であるインクジェット式記録ヘッドとしては、
例えば、ノズルに連通する圧力発生室と、圧力発生室に対向して設けられる圧電アクチュ
エーターと、を具備し、この圧電アクチュエーターの変位によって圧力発生室内に圧力変
化を生じさせることで、ノズルからインク滴を噴射するものがある。
【0003】
このようなインクジェット式記録ヘッドの構造は、様々提案されているが、一般的に、
複数の部材が接着剤等によって固定されてなる(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許3402349号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このように、インクジェット式記録ヘッドにおけるインクの流路は、一般的に複数の部
材によって形成される。インク流路は、その形状がインクの噴射特性に大きく影響するた
め、比較的高精度に形成されていることが好ましい。また印刷品質を向上させるためには
、ノズルの密度を高めることが好ましい。このため近年では、例えば、ヘッドを構成する
部材の材料としてシリコン基板を用い、このシリコン基板をエッチングすることによって
流路やノズルが形成されている。
【0006】
このようにシリコン基板を用いることで、流路やノズルを比較的高精度・高密度に形成
することはできる。ただしシリコン基板は比較的高価な材料であるため、コストが上昇し
てしまうという問題がある。
【0007】
なお、このような問題はインクを噴射するインクジェット式記録ヘッドだけではなく、
インク以外の液体を噴射する液体噴射ヘッドにおいても同様に存在する。
【0008】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、液滴の噴射特性を向上しつつ、
コストの上昇を抑制することができる液体噴射ヘッド及び液体噴射装置を提供することを
目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決する本発明は、液体を噴射するノズルに連通する複数の圧力発生室を備
えるシリコンからなる流路形成部材と、前記流路形成部材に接合され前記ノズルが形成さ
れたシリコンからなるノズルプレートと、前記流路形成部材の前記ノズルプレートとは反
対側の面に固定され、複数の前記圧力発生室に連通するマニホールドの一部を前記流路形
成部材とともに画成するマニホールド部材と、前記流路形成部材の前記ノズルプレートが
接合されている面と前記マニホールド部材とに接合され、前記マニホールドを封止する蓋
部材と、を備え、前記蓋部材は、前記ノズルプレートとは異なる材料で形成されるととも
に、前記ノズルプレートとは離間して固定されていることを特徴とする液体噴射ヘッドに
ある。
かかる本発明では、液滴の噴射特性を向上しつつ、シリコンの使用量を減らすことでコ
ストの上昇を抑制することができる。
【0010】
ここで、前記蓋部材が可撓性を有するコンプライアンス部を備えることが好ましい。シ
リコンからなる流路形成基板にコンプライアンス部を形成しようとすると、製造コストが
高くなってしまう。しかしながら、蓋部材にコンプライアンス部を設けることで、シリコ
ンの加工が容易となり製造コストが更に削減される。
【0011】
また前記蓋部材と前記ノズルプレートとの前記液体の噴射方向における厚さが略同一で
あることが好ましい。蓋部材とノズルプレートとに間に段差が形成されることがなく、ヘ
ッドのノズル面を良好にワイピングすることができる。
【0012】
また例えば、前記流路形成部材が、前記圧力発生室が形成された流路形成基板と、前記
流路形成基板の前記マニホールド部材とは反対側の面に接合されて前記圧力発生室に連通
する連通孔が形成された連通板と、を備え、前記ノズルプレートは前記連通板に接合され
、前記ノズルと前記圧力発生室とが前記連通孔を介して連通されている。
このような構成では、ノズルが圧力発生室に直接連通された構成に比べて、比較的高粘
度の液体であってもノズルから良好に噴射することができる。
【0013】
またこの場合、前記連通孔の内径が前記ノズルの内径よりも大きいことが好ましい。こ
れにより、比較的高粘度の液体をさらに良好に噴射することができる。
【0014】
また本発明は、このような液体噴射ヘッドを具備することを特徴とする液体噴射装置に
ある。かかる本発明では、良好な噴射特性を有する液体噴射装置を比較的安価に実現する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】一実施形態に係る記録ヘッドを示す分解斜視図である。
【図2】一実施形態に係る記録ヘッドを示す断面図である。
【図3】一実施形態に係る記録ヘッドの変形例を示す断面図である。
【図4】一実施形態に係る記録装置の概略構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に本発明を実施形態に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る液体噴射ヘッドの一例を示すインクジェット式記録
ヘッドの分解斜視図であり、図2は、インクジェット式記録ヘッドの圧力発生室の長手方
向の断面図である。
【0017】
図1及び図2に示すように、インクジェット式記録ヘッド1は、ヘッド本体11と、ヘ
ッド本体11が内部に収容されるケース部材40とを備えている。本実施形態では、ヘッ
ド本体11は、流路形成部材である流路形成基板10及び連通板15と、ノズルプレート
20と、保護基板30とで構成されている。
【0018】
流路形成基板10には、複数の圧力発生室12がその幅方向に並設された列が2列形成
されている。また流路形成基板10の圧力発生室12の長手方向の一端側にはインク供給
路14が設けられている。この流路形成基板10は、シリコン、本実施形態では面方位(
110)のシリコン単結晶基板からなる。そして流路形成基板10の一方の面には二酸化
シリコンからなる弾性膜50が形成されている。この弾性膜50は、拡散炉等によって流
路形成基板10を加熱して、その表面を熱酸化することによって形成されている。また圧
力発生室12及びインク供給路14は、シリコン基板である流路形成基板10を異方性エ
ッチングすることによって比較的高精度に形成されている。そしてこれら圧力発生室12
及びインク供給路14の一方面は弾性膜50によって構成されている。
【0019】
流路形成基板10の開口面側(弾性膜50とは反対側)には、連通板15が接合されて
いる。連通板15には、各圧力発生室12に連通する複数のノズル21が穿設されたノズ
ルプレート20が接合されている。連通板15には、圧力発生室12とノズル21とを繋
ぐ連通孔16が設けられている。これら連通板15及びノズルプレート20も、流路形成
基板10と同様にシリコン基板で形成されており、連通孔16及びノズル21も異方性エ
ッチングによって高精度に形成されている。
【0020】
また連通板15及びノズルプレート20は、流路形成基板10と略同程度に比較的小さ
く形成されている。このようにシリコン基板からなる流路形成基板10、連通板15及び
ノズルプレート20の面積を比較的小さくすることで、使用するシリコン基板の量を減ら
すことができ、材料コストの削減を図ることができる。
【0021】
流路形成基板10に形成された弾性膜50上には、さらに弾性膜50とは異なる材料の
酸化膜からなる絶縁体膜55が形成されている。この絶縁体膜55上には、第1電極60
と圧電体層70と第2電極80とからなる圧電アクチュエーター(圧力発生手段)300
が設けられている。本実施形態では、第1電極60が複数の圧電アクチュエーター300
に共通する共通電極として機能し、第2電極80が各圧電アクチュエーター300で独立
する個別電極として機能する。また第2電極80には、リード電極90の一端がそれぞれ
接続されている。リード電極90の他端には、駆動回路120が設けられた配線基板12
1が接続されている。
【0022】
流路形成基板10の圧電アクチュエーター300側の面には、流路形成基板10と略同
一の大きさを有する保護基板30が接合されている。保護基板30は、圧電アクチュエー
ター300を保護するための空間である保持部31を有する。また保護基板30には貫通
孔32が設けられている。リード電極90の他端側は、この貫通孔32内に露出するよう
に延設され、リード電極90と配線基板121とが貫通孔32内で電気的に接続されてい
る。
【0023】
また、このような構成のヘッド本体11には、ヘッド本体11を収容するケース部材4
0が固定されている。またこのケース部材40は、複数の圧力発生室12に連通するマニ
ホールドをヘッド本体11と共に画成するマニホールド部材を兼ねている。ケース部材4
0は、流路形成基板10、連通板15、ノズルプレート20及び保護基板30を備えるヘ
ッド本体11が収容される凹部41を有する。この凹部41は、流路形成基板10よりも
広い開口面積を有し、圧力発生室12の長手方向における流路形成基板10の両外側には
、ケース部材40とヘッド本体11とによってマニホールド100が画成されている。そ
して、このマニホールド100の開口面は、蓋部材110によって封止されている。すな
わち蓋部材110が連通板15及びケース部材40の外周部に接合されて、マニホールド
100の開口部が封止されている。
【0024】
ここで蓋部材110は、シリコン基板からなるノズルプレート20とは異なる材料、例
えば、ステンレス鋼(SUS)や、ポリイミドフィルム等からなり、ノズルプレート20
とは離間して設けられている。すなわち、ヘッド本体11とケース部材40とで画成され
るマニホールド100が、ノズルプレート20とは異なる材料からなる蓋部材110によ
って封止されている。
【0025】
このように本発明では、流路が形成されるヘッド本体11を構成する各部材をシリコン
基板で形成すると共に、シリコン基板とは異なる材料からなる蓋部材110によってマニ
ホールド100を封止するようにした。これにより、圧力発生室12等の流路やノズル2
1を高精度に形成してインクの噴射特性を向上することができると共に、コストの削減を
図ることができる。すなわち、インクジェット式記録ヘッド1の全体におけるシリコン基
板の使用量を減らして、材料コストの削減を図ることができる。またシリコン基板の使用
量の減少に伴ってシリコン基板の加工量も減少するため、加工コストの削減や設備投資費
の削減を図ることもできる。
【0026】
また本実施形態では、連通板15に設けられた連通孔16を介して圧力発生室12とノ
ズル21とを連通させている。このように圧力発生室12とノズル21との間に連通孔1
6が存在することで、インクの増粘が抑制され、比較的高粘度のインクであっても良好に
噴射させることができる。特に、連通孔16の内径がノズル21の内径よりも大きいこと
が好ましい。これにより、さらに効果的にインクの増粘を抑制することができる。
【0027】
ただし連通板15はシリコン基板からなるため、連通板15を設けることでその分のコ
ストが増加してしまう。しかしながら上述したように、マニホールド100を上述した蓋
部材110で封止することで、連通板15を設けた場合でも、ヘッド全体としてのシリコ
ン基板の使用量を抑え、インクジェット式記録ヘッド全体としてのコストの抑制を図るこ
とができる。
【0028】
また蓋部材110の厚さは、特に限定されないが、本実施形態ではノズルプレート20
と略同程度に比較的薄く形成されている。そして蓋部材110は、マニホールド100内
の圧力変化によって変形可能な程度の可撓性を有するコンプライアンス部として機能する
。これにより、極めて容易にコンプライアンス部を形成することができ、この点において
も製造コストの削減を図ることができる。なお本実施形態では、蓋部材110の全体がコ
ンプライアンス部として機能するが、勿論、蓋部材110の一部がコンプライアンス部と
して機能するようにしてもよい。
【0029】
また蓋部材110の厚さは、特に限定されないが、本実施形態のようにノズルプレート
20と略同程度の厚さに形成されていることで、ワイピングによりノズル面に付着したイ
ンクを良好に除去することができる。例えば、蓋部材110の厚さとノズルプレート20
の厚さとが異なり両者の境界に段差が形成されてしまうと、ノズル面を良好にワイピング
できなくなる虞がある。つまり蓋部材110とノズルプレート20とのインク滴の噴射方
向における厚さは、ノズル面を良好にワイピングできる程度に略同一であることが好まし
い。
【0030】
なおケース部材40には、マニホールド100に連通してマニホールド100にインク
を供給するための導入路43が設けられている(図1参照)。またケース部材40には、
保護基板30の貫通孔32に連通して配線基板121が挿通される接続口48が設けられ
ている。さらにケース部材40は、接続口48の開口縁部に壁部49を備えている。この
壁部49には、配線基板121と、配線基板121に接続される接続基板122と、が固
定されている。接続基板122は、例えば、外部配線が接続されるコネクター123が設
けられたリジット基板からなる。
【0031】
そして、このような構成のインクジェット式記録ヘッド1では、インクを噴射する際に
、まずインクカートリッジ等から導入路43を介してインクを取り込み、マニホールド1
00からノズル21に至るまで流路内部をインクで満たす。その後、駆動回路120から
の信号に従い、圧力発生室12に対応する各圧電アクチュエーター300に電圧を印加す
ることにより、圧電アクチュエーター300と共に弾性膜50及び絶縁体膜55をたわみ
変形させる。これにより、圧力発生室12内の圧力が高まり所定のノズル21からインク
滴が噴射される。
【0032】
以上、本発明の一実施形態を説明したが、本発明は、上述した実施形態に限定されるも
のではない。上述の実施形態では、蓋部材110をケース部材40の凹部41の開口面の
みに設けるようにしたが、例えば、ステンレス鋼(SUS)等からなる蓋部材110を、
図3に示すように、ケース部材40の凹部41の開口面から、ケース部材40の側面上ま
で連続的に設けるようにしてもよい。すなわち、ヘッド本体11のノズル21が開口する
ノズル面側を覆って蓋部材110を設けるようにしてもよい。これにより蓋部材110に
よってヘッド本体11のノズル面を保護することもできる。
【0033】
また上述の実施形態では、圧力発生室に圧力変化を生じさせる圧力発生手段として、薄
膜型の圧電アクチュエーターを例示したが、圧力発生手段の構成は特に限定されるもので
はない。圧力発生手段は、例えば、縦振動型の圧電アクチュエーターや、グリーンシート
を貼付する等の方法により形成される厚膜型の圧電アクチュエーターなどであってもよい
。さらに圧力発生手段は、例えば、圧力発生室内に配された発熱素子の発熱で生じるバブ
ルによってノズルから液滴を噴射させるものや、振動板と電極との間に発生させた静電気
力によって振動板を変形させてノズルから液滴を噴射させるものなどであってもよい。
【0034】
なお上述したインクジェット式記録ヘッドは、インクジェット式記録ヘッドユニットの
一部を構成して、インクジェット式記録装置に搭載される。図4は、そのインクジェット
式記録装置の一例を示す概略図である。
【0035】
本実施形態のインクジェット式記録装置は、いわゆるライン式の装置である。図4に示
すように、インクジェット式記録装置Iは、インクジェット式記録ヘッド1を具備するイ
ンクジェット式記録ヘッドユニット2(以下、ヘッドユニット2という)と、装置本体3
と、被記録媒体である記録シートSを給紙するローラー4と、液体貯留手段5とを備えて
いる。
【0036】
ヘッドユニット2は、複数のインクジェット式記録ヘッド1と、これら複数のインクジ
ェット式記録ヘッド1を保持する板状のベースプレート6と、を具備する。このヘッドユ
ニット2は、ベースプレート6に取り付けられたフレーム部材7を介して装置本体3に固
定されている。
【0037】
ローラー4は、装置本体3に設けられ、装置本体3に給紙されインクジェット式記録ヘ
ッド1のノズル面側を通過した紙等の記録シートSを搬送して装置外部に排出させる。
【0038】
またインクが貯留されている液体貯留手段5は装置本体3に固定されており、フレキシ
ブルチューブ等の供給管8を介して各インクジェット式記録ヘッド1に接続されている。
【0039】
このようなインクジェット式記録装置Iでは、液体貯留手段5から供給管8を介して各
インクジェット式記録ヘッド1に供給され、ローラー4によって記録シートSが搬送され
ると、ヘッドユニット2のインクジェット式記録ヘッド1からインクが噴射されて記録シ
ートSに画像等が印刷される。
【0040】
なおこの例では、インクジェット式記録装置Iにはヘッドユニット2が一つだけ搭載さ
れているが、インクジェット式記録装置Iに搭載するヘッドユニット2の数は特に限定さ
れず、複数のヘッドユニット2が搭載されていてもよい。
【0041】
またインクジェット式記録装置として、いわゆるライン式のものを例示したが、インク
ジェット式記録装置は、勿論、これに限定されるものではない。例えば、キャリッジに搭
載されたインクジェット式記録ヘッドを移動させながら印刷を行う、いわゆるシリアル型
のインクジェット式記録装置にも本発明を適用することができる。この場合、液体貯留手
段はインクジェット式記録ヘッドと共にキャリッジに搭載されていてもよい。
【0042】
さらに上述の実施形態では、液体噴射ヘッドの一例としてインクジェット式記録ヘッド
を挙げて本発明について説明したが、本発明は広く液体噴射ヘッド及びそれを具備する液
体射装置全般を対象としたものであり、インク以外の液体を噴射する液体噴射ヘッド及び
それを具備する液体噴射装置にも勿論適用することができる。液体噴射ヘッドとしては、
例えば、プリンター等の画像記録装置に用いられる各種の記録ヘッド、液晶ディスプレイ
等のカラーフィルターの製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機ELディスプレイ、FE
D(電界放出ディスプレイ)等の電極形成に用いられる電極材料噴射ヘッド、バイオch
ip製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド等が挙げられる。
【符号の説明】
【0043】
1 インクジェット式記録ヘッド(液体噴射ヘッド)、 2 インクジェット式記録ヘ
ッドユニット、 3 装置本体、 4 ローラー、 5 液体貯留手段、 6 ベースプ
レート、 7 フレーム部材、 8 供給管、 10 流路形成基板、 11 ヘッド本
体、 12 圧力発生室、 14 インク供給路、 15 連通板、 16 連通孔、
20 ノズルプレート、 21 ノズル、 30 保護基板、 31 保持部、 32
貫通孔、 40 ケース部材、 41 凹部、 43 導入路、 48 接続口、 49
壁部、 50 弾性膜、 55 絶縁体膜、 60 第1電極、 70 圧電体層、
80 第2電極、 90 リード電極、 100 マニホールド、 110 蓋部材、
120 駆動回路、 121 配線基板、 122 接続基板、 123 コネクター、
300 圧電アクチュエーター、 I インクジェット式記録装置(液体噴射装置)、
S 記録シート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体を噴射するノズルに連通する複数の圧力発生室を備えるシリコンからなる流路形成
部材と、
前記流路形成部材に接合され前記ノズルが形成されたシリコンからなるノズルプレート
と、
前記流路形成部材の前記ノズルプレートとは反対側の面に固定され、複数の前記圧力発
生室に連通するマニホールドの一部を前記流路形成部材とともに画成するマニホールド部
材と、
前記流路形成部材の前記ノズルプレートが接合されている面と前記マニホールド部材と
に接合され、前記マニホールドを封止する蓋部材と、
を備え、
前記蓋部材は、前記ノズルプレートとは異なる材料で形成されるとともに、前記ノズル
プレートとは離間して固定されていることを特徴とする液体噴射ヘッド。
【請求項2】
請求項1に記載の液体噴射ヘッドであって、
前記蓋部材が可撓性を有するコンプライアンス部を備えることを特徴とする液体噴射ヘ
ッド。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の液体噴射ヘッドであって、
前記蓋部材と前記ノズルプレートとの前記液体の噴射方向における厚さが略同一である
ことを特徴とする液体噴射ヘッド。
【請求項4】
請求項1〜3の何れか一項に記載の液体噴射ヘッドであって、
前記流路形成部材が、前記圧力発生室が形成された流路形成基板と、前記流路形成基板
の前記マニホールド部材とは反対側の面に接合されて前記圧力発生室に連通する連通孔が
形成された連通板と、を備え、
前記ノズルプレートは前記連通板に接合され、前記ノズルと前記圧力発生室とが前記連
通孔を介して連通されていることを特徴とする液体噴射ヘッド。
【請求項5】
請求項4に記載の液体噴射ヘッドであって、
前記連通孔の内径が前記ノズルの内径よりも大きいことを特徴とする液体噴射ヘッド。
【請求項6】
請求項1〜5の何れか一項に記載の液体噴射ヘッドを具備することを特徴とする液体噴
射装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−196882(P2012−196882A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−62531(P2011−62531)
【出願日】平成23年3月22日(2011.3.22)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】