説明

液体噴射装置

【課題】インクジェット記録ヘッドへの紙粉・塵埃等の異物の付着を確実に防止する。
【解決手段】インクジェット記録ヘッド16と支持部材17との間において、支持部材17上には電極棒21が設けられている。電極棒21は電位差発生手段19に接続され、これによって電極棒21と支持部材17との間に電位差即ち電界が形成されている。各構成要素間の距離関係が、d1<d2となるよう構成されており、これにより記録用紙Pに付着した紙粉等dは、電極棒21とノズル面16bとの間で形成された電界よりも、電極棒21と支持部材17との間で形成された電界の影響を極めて強く受け、これにより記録用紙Pの端部Peに付着した紙粉等dが、ノズルプレート16aに飛翔し付着することを防止できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ファクシミリやプリンターに代表される液体噴射装置に関する。
【背景技術】
【0002】
以下、液体噴射装置の一例としてのインクジェットプリンターを例に説明する。インクジェットプリンターは、インクジェット記録ヘッドと対向する位置に支持部材(プラテンとも呼ばれる)を有し、支持部材により記録用紙を支持することによりインクジェット記録ヘッドと記録用紙との間の距離を規定するよう構成されている。
【0003】
ここで、近年のインクジェットプリンターにおいては、記録品質のより一層の向上を目指してインク滴の微細化が進み、例えば数pl程度までインク滴が微細化されている。この為インク滴の質量が極めて小さく、インクジェット記録ヘッドから記録用紙にインク滴が吐出されても、一部が記録用紙に着弾せず、ミストとなって浮遊し、種々の問題を発生させていた。加えて、記録用紙の四辺に余白なく記録を行う、いわゆる縁無し記録においては、記録用紙の端部から外れた領域にもインク滴を吐出する為、上記のミスト浮遊現象がより一層顕著になる。
【0004】
そこで従来から、特許文献1、2に示すようにインクジェット記録ヘッド、記録用紙、支持部材のこれらの間に電位差を設け、電界を発生させることでインク滴にクーロン力を作用させ、インク滴を記録用紙に引きつける技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−118321号公報
【特許文献2】特開2007−118318号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
<<1.記録用紙の高速搬送化に伴って生じた課題>>
ところで近年のインクジェットプリンターにおいては、特にビジネス用途などにおいて高速化が進み、これに伴い用紙の搬送速度が従来に比べて大幅に増加している。さらにインクジェット記録ヘッドが用紙搬送方向と直交する方向に移動しながら記録を行う所謂シリアルタイプのインクジェットプリンターにおいては、用紙が停止している間にヘッド走査(記録)が実施されるため、スループットの低下を防止するため、更に用紙搬送速度を高める必要がある。
【0007】
また、近年のインクジェットプリンターにおいては、走査(移動)を行わない固定式のインクジェット記録ヘッド、いわゆるラインヘッドを用い、極めて高いスループットにより記録を実行可能なものが提案されている。このようなインクジェットプリンターでは、記録用紙は装置内部の用紙搬送経路を極めて高速に搬送される。
【0008】
しかしながらこの様な記録用紙の高速搬送化に伴って、以下のような問題が生じることが判明した。即ち、記録用紙の端部(エッジ)には、切断時に生じた紙粉が付着しているが、記録用紙・支持部材(プラテン)・インクジェット記録ヘッド、のこれら3つの要素(以下「記録部構成要素」と総称する)の間の電位を制御しない場合、記録部構成要素間に生じた電界により、記録用紙に付着していた紙粉がインクジェット記録ヘッドに向かって飛翔し、付着してしまう。特に、高速で記録用紙を搬送する場合には、用紙搬送の際の振動や衝撃が大きくなり、そのため紙粉の飛翔がより一層顕著に生じてしまう。
【0009】
また、用紙カセットに収容された記録用紙間の摩擦や、用紙搬送経路の構成要素(例えば、エッジガイドや、搬送ローラーなど)と記録用紙との間の摺接・接触に伴い、摩擦帯電や剥離帯電が顕著となり、即ち記録部構成要素がより顕著に帯電する。その結果、記録部構成要素間に形成される電界が強くなり、また紙粉自体の帯電も強くなる為、紙粉に加わるクーロン力が大きくなって、インクジェット記録ヘッドへの紙粉の付着がより顕著になってしまう。
【0010】
また、紙粉自体が帯電していない場合であっても、飛翔した紙粉が電界中に置かれた場合には、誘電分極或いは静電誘導によって紙粉に電荷の偏りが生じ、これによりインクジェット記録ヘッドの側に引きつけられてしまう。
【0011】
図7はこの問題点を示す為の説明図であり、符号160はインクジェット記録ヘッド、符号160aはノズルプレート、符号170は支持部材(プラテン)、符号170aは支持部材170に形成されるリブを示している。また符号Pは記録用紙を、符号Peは用紙端部を、符号dは紙粉を示している。更に丸囲いされた「+」、「−」は、帯電極性を示している。
【0012】
記録用紙Pは除電ブラシなどにより除電されており、従ってこの記録用紙Pに付着している紙粉dは帯電はしていない。しかしながら、紙粉dの拡大図に示すように、ノズルプレート160aがプラス帯電し、また支持部材170がマイナス帯電している場合(一例)には、誘電分極(紙粉dが誘電体の性質を有している場合)或いは静電誘導(紙粉dが導体の性質を有している場合)によって、紙粉dのノズルプレート側にはマイナス電荷が表れ、支持部材側にはプラス電荷が表れる。そしてこれにより、紙粉dはノズルプレート160a及び支持部材170のいずれの側にも引き寄せられてしまうことになる。
【0013】
そして紙粉がインクジェット記録ヘッドに付着すると、紙粉がノズル開口を直接閉塞することにより、或いはノズル面の清掃(ワイピング)時に紙粉がノズル開口に移動することによって、ドット抜けを招くことになる。
【0014】
また、このように紙粉がノズル開口を物理的に閉塞するほか、紙粉を構成する炭酸カルシウムなどの填料がインクの水分と反応して増粘し、ノズル開口のメニスカスの振動を阻害して、インク滴吐出の妨げになる場合もある。従って、インクジェット記録ヘッドへの紙粉の付着を防止することは、インクジェットプリンターにおいて適切な記録品質を得るために極めて重要となる。
【0015】
<<2.従来技術の問題点>>
上記特許文献1、2には、上述のようにインクジェット記録ヘッド・記録用紙・支持部材(記録部構成要素)のこれらの間に電位差を設け、電界を発生させることでインク滴にクーロン力を作用させ、インク滴を記録用紙に引きつける技術が提案されている。従って紙粉をインク滴と同列にみなせば、電界を制御することで紙粉を記録用紙側に引きつけることにより、インクジェット記録ヘッドへの紙粉の付着を防止できるようにも思われる。
【0016】
しかしながら、紙粉を構成するセルロース繊維と填料は、帯電列的にプラス、マイナスいずれの極性にも帯電し易く、従って記録部構成要素間に特定方向の電界を形成することでインクジェット記録ヘッド側への紙粉の飛翔を防止しようとしても、反対極性に帯電した紙粉の、インクジェット記録ヘッド側への飛翔を防止することはできない。
【0017】
尚、特開2003−165230号公報には、インクジェット記録ヘッドのノズル部周辺への紙粉や塵埃等の付着防止を目的の一つとして、ノズルプレート周囲にエアーダクトを設け、記録時および記録待機時にはエアーダクトから加湿エアーを噴射するように構成された記録装置が記載されている。しかしながらこのような構成にあっては、構成の複雑化により装置の大型化及びコストアップを招くことになるし、気流により却って紙粉を記録ヘッドに付着させてしまう虞がある。
【0018】
<<3.本願発明が解決を図る課題>>
本発明は上述した種々の問題に鑑み成されたものであり、その目的は、インクジェット記録ヘッドへの紙粉・塵埃等の異物(以下「紙粉等」と言う)の付着を確実に防止することにある。
【課題を解決するための手段】
【0019】
上記課題を解決する為の本発明の第1の態様は、被噴射媒体に液体を噴射する液体噴射手段と、前記液体噴射手段と対向配置され、被噴射媒体を支持する被噴射媒体支持手段と、を備えた液体噴射装置であって、前記被噴射媒体支持手段は、被噴射媒体と対向する第1の面に、当該第1の面より前記液体噴射手段の側に突出し、被噴射媒体を支持することにより前記液体噴射手段と被噴射媒体との間の距離を規定する支持部を有し、前記支持部によって支持される被噴射媒体より前記第1の面の側に電極が設けられ、当該電極上または当該電極の近傍上を被噴射媒体が通過する構成を備え、前記電極と前記被噴射媒体支持手段の前記第1の面との間に電位差が形成され、前記電極と被噴射媒体との間の、被噴射媒体の被噴射面と直交する方向における距離をd1、前記液体噴射手段において前記被噴射媒体支持手段と対向する液体噴射面と被噴射媒体との間の、前記被噴射面と直交する方向における距離をd2、としたときに、d1<d2となるよう構成されていることを特徴とする。
【0020】
本態様によれば、被噴射媒体支持手段に設けられた電極と、被噴射媒体支持手段において液体噴射手段と対向する第1の面との間に電位差が形成されるので、電極と第1の面との間には電界が生じる。ここで、液体噴射手段の液体噴射面と電極との間においても電位差が形成されると、これらの間にも電界が形成されるが、電極と被噴射媒体との間の距離d1が、液体噴射手段の液体噴射面と被噴射媒体との間の距離d2より短いので、被噴射媒体に付着した紙粉等は、電極と液体噴射面との間で形成された電界よりも、電極と被噴射媒体支持手段(第1の面)と間で形成された電界の影響を極めて強く受ける。
【0021】
これにより、被噴射媒体に付着した紙粉等は、電極と被噴射媒体支持手段(第1の面)との間で形成された電界によりクーロン力を受けて被噴射媒体支持手段側に引き寄せられ、紙粉等が浮遊すること、及び紙粉等が液体噴射手段側に飛翔し付着することを防止できる。また、電極と被噴射媒体支持手段(第1の面)との間に電位差が形成されることで、これらの間に電界が生じ(一方から他方に向かう電気力線が生じ)、このため紙粉等がいずれの極性に帯電した場合であっても、これを電極・被噴射媒体支持手段の側に引き寄せることができる。
【0022】
本発明の第2の態様は、第1の態様において、前記液体噴射手段の前記第2の面が導体によって形成されており、前記第2の面と前記電極とが同電位に設定されていることを特徴とする。
【0023】
本態様によれば、液体噴射手段の前記第2の面が導体によって形成されており、当該第2の面と前記電極とが同電位に設定されているので、液体噴射手段の前記第2の面と前記電極との間に電界が形成されない状態(無電界状態)となる。従ってこれにより、被噴射媒体に付着した紙粉等が液体噴射手段側に飛翔し付着することがより確実に防止される。
【0024】
本発明の第3の態様は、第1のまたは第2の態様において、前記電極が、前記液体噴射手段から当該電極に対し液体を噴射可能な位置に設けられていることを特徴とする。
【0025】
本態様によれば、前記電極が、前記液体噴射手段から当該電極に対し液体を噴射可能な位置に設けられているので、仮に電極棒に紙粉等が付着した場合にはこれが再び飛散しないよう、液体とともに電極棒に固着させることができる。
【0026】
本発明の第4の態様は、第1から第3の態様のいずれかにおいて、前記電極が、被噴射媒体の搬送方向と直交する方向における被噴射媒体の端部領域が通過する位置に設けられていることを特徴とする。
【0027】
本態様によれば、前記電極が、被噴射媒体の搬送方向と直交する方向における被噴射媒体の端部領域が通過する位置に設けられているので、紙粉等の付着が顕著な被噴射媒体の端部において効率的に紙粉等を被噴射媒体支持手段側に引き寄せることができる。
【0028】
本発明の第5の態様は、第1から第4の態様のいずれかにおいて、前記第1の面上に前記電極を複数備えるとともに、間隔d0で配置された隣合う2つの前記電極の中間位置における前記第1の面上の位置と前記電極との間の距離d4が、前記電極と前記液体噴射面との間の距離d3より小さいことを特徴とする。
【0029】
本態様によれば、上記距離関係により、被噴射媒体支持手段の第1の面と電極との間の電界が、電極と液体噴射手段との間の電界より強くなり、紙粉等が液体噴射手段側に飛翔することを確実に防止できる。
【0030】
本発明の第5の態様は、被噴射媒体に液体を噴射する液体噴射手段と、前記液体噴射手段と対向配置され、被噴射媒体を支持する被噴射媒体支持手段と、を備えた液体噴射装置であって、前記被噴射媒体支持手段は、被噴射媒体と対向する第1の面に、当該第1の面より前記液体噴射手段の側に突出し、被噴射媒体を支持することにより前記液体噴射手段と被噴射媒体との間の距離を規定する支持部を複数有し、複数の前記支持部の間には、液体を吸収する、誘電体材料により形成された液体吸収材が配設され、前記支持部の頂部と前記液体吸収材の上面との間に電位差が形成され、前記支持部の頂部と前記液体吸収材上面との間の、被噴射媒体の被噴射面と直交する方向における距離をD1、前記液体噴射手段において前記被噴射媒体支持手段と対向する液体噴射面と前記支持部の頂部との間の、前記被噴射面と直交する方向における距離をD2、としたときに、D1<D2となるよう構成されていることを特徴とする。
【0031】
本態様によれば、被噴射媒体支持手段に設けられた支持部の頂部と、被噴射媒体支持手段に設けられた液体吸収材の上面との間に電位差が形成されるので、これらの間には電界が生じる。ここで、液体噴射手段の液体噴射面と支持部との間においても電位差が形成されると、これらの間にも電界が形成されるが、支持部の頂部と液体吸収材の上面との間の距離D1が、液体噴射面と支持部の頂部との間の距離D2より短いので、支持部の頂部から生じる電気力線の殆どが液体吸収材の上面へと収束し、或いは液体吸収材の上面から生じる電気力線の殆どが支持部の頂部へと収束することとなる。
【0032】
そして、被噴射媒体に付着した紙粉等は、支持部の頂部と被噴射媒体の第2の面との間で形成された電界よりも、支持部の頂部と液体吸収材の上面と間で形成された電界の影響を極めて強く受ける。
【0033】
これにより、被噴射媒体に付着した紙粉等は、支持部の頂部と液体吸収材上面との間で形成された電界によりクーロン力を受けて被噴射媒体支持手段側に引き寄せられ、紙粉等が浮遊すること、及び紙粉等が液体噴射手段側に飛翔し付着することを防止できる。また、支持部の頂部と液体吸収材上面との間に電位差が形成されることで、これらの間に電界が生じ(一方から他方に向かう電気力線が生じ)、このため紙粉等がいずれの極性に帯電した場合であっても、これを支持部・液体吸収材の側に引き寄せることができる。
【0034】
本発明の第6の態様は、第5の態様において、前記液体噴射手段の前記第2の面が導体によって形成されており、前記第2の面と前記支持部とが同電位に設定されていることを特徴とする。
【0035】
本態様によれば、液体噴射手段の前記第2の面が導体によって形成されており、当該第2の面と支持部とが同電位に設定されているので、液体噴射手段の前記第2の面と前記電極との間に電界が形成されない状態(無電界状態)となる。従ってこれにより、被噴射媒体に付着した紙粉等が液体噴射手段側に飛翔し付着することがより確実に防止される。
【0036】
本発明の第7の態様は、第5のまたは第6の態様において、前記液体吸収材が、被噴射媒体の搬送方向と直交する方向における被噴射媒体の端部領域が通過する位置に設けられていることを特徴とする。
【0037】
本態様によれば、前記液体吸収材が、被噴射媒体の搬送方向と直交する方向における被噴射媒体の端部領域が通過する位置に設けられているので、紙粉等の付着が顕著な被噴射媒体の端部において効率的に紙粉等を被噴射媒体支持手段側に引き寄せることができる。
【0038】
本発明の第9の態様は、第6から第8の態様のいずれかにおいて、間隔D0で配置された隣合う2つの前記支持部の中間位置における前記液体吸収材の上面位置と前記支持部の頂部との間の距離D4が、前記液体吸収材の上面と前記液体噴射面との間の距離D3より小さいことを特徴とする。
【0039】
本態様によれば、上記距離関係により、支持部の頂部と液体吸収材(の上面)との間の電界が、液体吸収材(の上面)と液体噴射手段との間の電界より強くなり、紙粉等が液体噴射手段側に飛翔することを確実に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明に係るプリンターの用紙搬送経路を示す側断面概略図。
【図2】本発明に係るプリンターの記録領域(用紙端部)の斜視図。
【図3】本発明に係るプリンターの記録領域(用紙端部)の寸法関係を示す図。
【図4】本発明に係るプリンターの記録領域(用紙端部)の電界状態を示す図。
【図5】本発明に係るプリンターの記録領域(用紙端部)の寸法関係を示す図(第2実施形態)。
【図6】本発明に係るプリンターの記録領域(用紙端部)の電界状態を示す図(第2実施形態)。
【図7】従来技術の問題点を説明する為の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0041】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。ここで、図1は本発明に係るインクジェットプリンター1の用紙搬送経路を示す側断面概略図、図2はインクジェットプリンター1の記録領域(用紙端部)の斜視図、図3は同寸法関係を示す図、図4は同電界状態を示す図である。また図5はインクジェットプリンター1の記録領域(用紙端部)の、第2実施形態の寸法関係を示す図、図6は同電界状態を示す図である。尚、図2〜図6は記録領域の一方側端部を示すものであり、他方側端部についても、同様の構成が設けられている。
【0042】
以下、図1を参照しながら各実施形態に共通の構成となる、インクジェットプリンター1の全体的な構成について概説する。インクジェットプリンター1は、装置底部に用紙給送装置2を備えており、この用紙給送装置2から被噴射媒体の一例としての記録用紙Pを送り出し、中間ローラー10にて湾曲反転させて、液体噴射手段としてのインクジェット記録ヘッド16の側へと給送し、記録を行う構成を備えている。
【0043】
より詳しくは、用紙給送装置2は用紙カセット3と、ピックアップローラー7と、中間ローラー10と、リタードローラー11と、ガイドローラー12、13と、を備えている。用紙給送装置2に対して着脱可能な用紙カセット3に収容された記録用紙Pの先端と対向する位置には分離斜面5が設けられており、ピックアップローラー7により送り出される記録用紙Pの先端が分離斜面5に摺接しつつ下流側へ給送されることで、給送されるべき最上位の記録用紙Pと、これに連れられて重送されようとする次位以降の記録用紙Pとの予備的な分離が行われる。
【0044】
用紙給送手段を構成するピックアップローラー7は、揺動軸6aを中心にして図1の時計回り方向及び反時計回り方向に揺動可能な揺動部材6に軸支されており、且つ、図示しない駆動モーターの動力によって回転駆動されるように設けられている。ピックアップローラー7は、用紙給送時には用紙カセット3に収容された記録用紙Pの最上位のものに接して回転することにより、最上位の記録用紙Pを用紙カセット3から送り出す。
【0045】
次に、用紙カセット3から送り出された記録用紙Pは、湾曲反転区間に入る。この湾曲反転区間には、中間ローラー10と、リタードローラー11と、ガイドローラー12、13、のこれらローラーが設けられている。
【0046】
中間ローラー10は、記録用紙Pを湾曲反転させる湾曲反転経路の内側を形成する大径ローラーであり、図示を省略する駆動モーターによって回転駆動される。そして図1の反時計回り方向に回転することにより、記録用紙Pを巻回しながら下流側へと搬送する。
【0047】
リタードローラー11は所定の回転摩擦抵抗が付与された状態で中間ローラー10に対して圧接及び離間可能に設けられており、中間ローラー10との間で記録用紙Pをニップすることにより、給送されるべき最上位の記録用紙Pと、これに連れられて重送されようとする次位以降の記録用紙Pとを分離する。
【0048】
尚、この付近の用紙給送経路には図示を省略する用紙戻しレバーが設けられており、リタードローラー11によって進行が止められた次位以降の記録用紙Pは、この用紙戻しレバーによって用紙カセット3へと戻されるように構成されている。
【0049】
ガイドローラー12、13は自由回転可能なローラーであり、そのうちガイドローラー13は中間ローラー10との間で用紙Pをニップすることにより、中間ローラー10による用紙送りを補助する。
【0050】
以上が用紙給送装置2の構成であり、当該用紙給送装置2を備えたインクジェットプリンターは、更に中間ローラー10の下流側に、搬送駆動ローラー14と搬送従動ローラー15とを備えている。搬送駆動ローラー14は、図示を省略する駆動モーターにより回転駆動され、搬送従動ローラー15は、搬送駆動ローラー14との間で記録用紙Pをニップし、記録用紙Pの搬送に伴って従動回転する。
【0051】
搬送駆動ローラー15の下流側領域は、記録用紙Pへ記録を実行する記録領域であり、液体噴射手段としてのインクジェット記録ヘッド16と、記録用紙Pを支持することにより記録用紙Pとインクジェット記録ヘッド16との間の距離を規定する、被噴射媒体支持手段としての支持部材17とが対向配置されている。
【0052】
図1において符号16aはインクジェット記録ヘッド16において支持部材17と対向する第1の側を形成する、複数のインク吐出ノズル(図示省略)が形成された金属製のノズルプレートを示している。また符号17aは支持部材17に形成された、用紙搬送方向(図1の左右方向)に延びる「支持部」としてのリブであり、当該リブ17aは用紙幅方向に適宜の間隔を空けて複数形成され、当該リブ17aによって記録用紙Pが支持される様になっている。
【0053】
インクジェット記録ヘッド16はキャリッジ9の底部に搭載され、このキャリッジ9は用紙幅方向(図1の紙面表裏方向)に延びるキャリッジガイド軸8によってガイドされながら、図示を省略するモーターにより用紙幅方向に往復動するように構成されている。そしてインクジェット記録ヘッド16の走査(キャリッジ9が移動しながらの、インクジェット記録ヘッド16からのインク吐出)と、搬送駆動ローラー14及び搬送従動ローラー15による用紙搬送動作と、が交互に繰り返し実行されることで、記録用紙Pへの記録が完了する。
【0054】
そしてインクジェット記録ヘッド16と支持部材17との間(記録領域)において記録が行われた記録用紙Pは、図1において図示を省略する排出手段により、装置外部へと排出される。
【0055】
<<第1実施形態>>
以上がインクジェットプリンター1の大略構成であり、以下、記録領域の特徴的構成(第1実施形態)について図2〜図4を参照しながら説明する。
【0056】
図2〜図4において符号Peは用紙端部(用紙幅方向における端部)を、符号dは用紙端部Peに付着している紙粉等を示している。支持部材17において用紙端部Peが通過する領域には、本実施形態では3本の電極棒21が所定間隔で用紙幅方向に沿って配列されている。
【0057】
より詳しくは、支持部材17において記録用紙Pと対向する第1の面(但しリブ17aが形成されていない領域)17bが、用紙幅方向に渡って僅かな凹凸形状に形成されており、当該凹凸形状の凹部に、電極棒21が面17bに接触するように設けられている。複数の電極棒21は、記録用紙Pの記録面と平行な面に沿って配列されており、即ち各々が記録用紙Pとの間で均一な距離を保つように配列されている。
【0058】
図3は、電極棒21と、記録用紙Pと、インクジェット記録ヘッド16において記録用紙Pと対向する第2の面としてのヘッド面(液体噴射面)16bと、のこれらの間の距離関係を示している。具体的には、符号d0は電極棒21の配列間隔を、符号d1は電極21と記録用紙P(うら面)との間の、記録用紙Pの記録面と直交する方向(図3の上下方向:以下ではこれを便宜上「ギャップ方向」と言う)における距離を、符号d2はヘッド面16bと記録用紙P(おもて面)との間のギャップ方向距離を、それぞれ示している。また符号d3は電極棒21とヘッド面16bとの間のギャップ方向距離を、符号d4は隣合う2つの電極棒21の中間位置(d0/2)における第1の面17b上の位置(符号Sで示す)と、電極棒21との間の距離を示している。
【0059】
そして本実施形態では、d1<d2となるよう構成されている。この様に構成されたことによる作用効果を、以下詳説する。電極棒21は、図4に示すように電位差発生手段19に接続されており、具体的には電極棒21がマイナス極に接続され、これによって電極棒21と支持部材17の第1の面17bとの間に電位差が形成されて図4に示す電気力線(破線)のように電界が形成された状態となっている。
【0060】
尚、本実施形態において支持部材17は樹脂材料により形成された誘電体であり、電極棒21との間の電気的な導通はなされないように構成されている。従って支持部材17は、気流や記録用紙Pとの間の摩擦により帯電し、電極21との間で電位差が形成され得る状態となっている。尚、電極棒21に与える電荷の極性は、例えば支持部材17が耐電列的にプラス側に帯電し易い材料により形成されていれば、マイナス極に決定する、という様に支持部材17の材料特性により決定することができる。
【0061】
ここで、電極棒21とノズルプレート16aとの間にも電位差が生じ、電界が形成され得る状態となっているが、電極棒21と支持部材17の第1の面17bとの間の距離が、電極棒21とノズルプレート16aとの間の距離よりも短いので、プラス側に帯電した支持部材17から発生する電気力線の殆どが、マイナス側の電極棒21へと収束することとなる。
【0062】
その上で、電極棒21と記録用紙Pとの間の距離d1が、記録用紙Pとノズルプレート16a(ヘッド面16b)との間の距離d2より短いので、記録用紙Pに付着した紙粉等dは、電極棒21とノズル面16bとの間で形成された電界よりも、電極棒21と支持部材17との間で形成された電界の影響を極めて強く受ける。
【0063】
これにより、記録用紙Pの端部Peに付着した紙粉等dは、電極棒21と支持部材17との間で形成された電界によりクーロン力を受けて電極棒21或いは支持部材17に引き寄せられ、紙粉等dが浮遊すること、及び紙粉等dがノズルプレート16aに飛翔し付着することを防止できる。また、紙粉等dがいずれの極性に帯電した場合であっても、これを引き寄せることができる。
【0064】
尚、上記の距離d1<d2の関係については、上記実施形態ではそれぞれ記録用紙側の距離の起点が用紙のおもて面或いはうら面であるため、用紙厚によって上記関係が不成立となる場合がある。例えば、用紙厚が厚い場合にはd1>d2となるおそれもあるので、使用が想定される用紙のうち最も用紙厚が厚いものを考慮して設計することが好ましい。尚、用紙側の距離の起点を、用紙の厚みの中心位置に設定しても良い。また、距離d1については、上記実施形態では電極棒側の距離の起点が電極棒表面に設定しているが、電極棒の中心位置に設定しても良い。
【0065】
また、本実施形態ではd4<d3に設定されている。この距離関係により、支持部材17の第1の面17bと電極棒21との間の電界が、電極棒21とノズルプレート16bとの間の電界より強くなり、紙粉等がノズルプレート側に飛翔することを確実に防止している。
【0066】
<<第2実施形態>>
以下、記録領域の第2実施形態について図5及び図6を参照しながら説明する。尚、既に説明した構成要素と同一の構成には同一符号を付してあり、以下ではその説明は省略する。
【0067】
本実施形態においては、支持部材17’は導電性材料により形成されているとともに、当該支持部材17’が電位差発生手段19に接続されている。また複数のリブ(支持部)17a’の間は凹部となっており、この凹部にインクを吸収するインク吸収材23が配設されている。
【0068】
ここでインク吸収材23は誘電体材料により形成されており、従ってリブ17a’の頂部と、インク吸収材23の上面との間には電位差が形成され、図6に示す様に電界が形成された状態となっている。尚、支持部材17’に与える電荷の極性は、例えばインク吸収材23が耐電列的にプラス側に帯電し易い材料により形成されていれば、マイナス極に決定する、という様にインク吸収材23の材料特性により決定することができる。
【0069】
図5は、リブ17a’と、記録用紙Pと、ヘッド面16bと、のこれらの間の距離関係を示している。具体的には、符号D1はインク吸収材23の上面とリブ17a’の頂部との間のギャップ方向距離を、符号D2はリブ17a’の頂部とヘッド面16bとの間のギャップ方向距離を、それぞれ示している。また符号D0はリブ17a’の配列間隔を、符号D3は2つのリブ17a’の中間位置におけるインク吸収材23の上面とリブ17a’の頂部との間の距離を示している。また符号D3はインク吸収材23の上面とヘッド面16bとの間のギャップ方向距離を、符号D4は隣合う2つのリブ17a’の中間位置(D0/2)におけるインク吸収材の上面位置(符号Sで示す)と、リブ17a’の頂部との間の距離を示している。
【0070】
そして本実施形態では、D1<D2となるよう構成されている。この様に構成されたことによる作用効果を、以下詳説する。従ってリブ17a’の頂部と、インク吸収材23の上面との間には上記の通り電界が形成されているが、リブ17a’の頂部とノズルプレートとノズルプレート16aとの間にも電位差が生じ、電界が形成され得る状態となっている。
【0071】
しかし、リブ17a’の頂部とインク吸収材23の上面との間の距離D1が、リブ17a’の頂部とノズルプレート16aとの間の距離D2よりも短いので、プラス側に帯電したインク吸収材23から発生する電気力線の殆どが、マイナス側のリブ17a’へと収束することとなる。
【0072】
その上で、距離D1が距離D2より短いので、記録用紙Pに付着した紙粉等dは、リブ17a’とノズル面16bとの間で形成された電界よりも、リブ17a’とインク吸収材23との間で形成された電界の影響を極めて強く受ける。
【0073】
これにより、記録用紙Pの端部Peに付着した紙粉等dは、リブ17a’とインク吸収材23との間で形成された電界によりクーロン力を受けて
【0074】
リブ17a’或いはインク吸収材23に引き寄せられ、紙粉等dが浮遊すること、及び紙粉等dがノズルプレート16aに飛翔し付着することを防止できる。また、紙粉等dがいずれの極性に帯電した場合であっても、これを引き寄せることができる。
【0075】
尚、本実施形態では支持部材17’が導電体として形成されているとともに所定の電位が付与されているので、記録用紙Pに誘電分極が生じ、支持部材17’に引きつけられ、用紙浮きに対して有効となる。
尚、紙粉等が付着したインク吸収材23にインクを吐出することで、インク吸収材23に付着した紙粉等が再び飛散しないよう、インクとともにインク吸収材23に固着させることができる。
【0076】
また、本実施形態ではD4<D3に設定されている。この距離関係により、インク吸収材23の上面とリブ17’との間の電界が、インク吸収材23の上面とノズルプレート16bとの間の電界より強くなり、紙粉等がノズルプレート側に飛翔することを確実に防止している。
【0077】
<<その他のバリエーション>>
(1)電極棒の配置
上記第1実施形態において、電極棒21が、インクジェット記録ヘッド16からのインクの吐出を受けることが可能な位置に設けられていれば、電極棒21に付着した紙粉等が再び飛散しないよう、インクとともに電極棒に固着させることができる。
【0078】
尚、上記第1実施形態では電極棒21を用紙端部領域に配置しているが、これに限られず、用紙中央領域に配置した場合であっても紙粉飛散防止効果が得られることは言うまでもない。
【0079】
(2)電位差発生手段
上記各実施形態において、電極棒21或いは支持部材17’を電位差発生手段19の一方側の極に接続しているが、電極棒21と支持部材17との間(第1実施形態)、或いはリブ17a’とインク吸収材23との間(第2実施形態)に電位差が発生すれば電界は形成されるので、例えば電極棒21或いは支持部材17’をアース接続して電位差を形成すれば、電界を形成することができる。また例えば誘電体としての支持部材17が所定電位にあるとき、電極棒21に支持部材17と同極であって且つ電極棒21より低い電位を与えることで、両者の間に電界を形成することもできる。
【0080】
また、ノズルプレート16aの電位を、電極棒21或いはリブ17a’と同電位に設定すれば、電極棒21或いはリブ17a’とノズルプレート16aとの間を無電界状態とすることができ、紙粉等をより確実に電極棒側に引き寄せることができる。
【0081】
(3)記録用紙の除電手段
上記第1実施形態では、記録用紙については特に除電はしていない。これは、例えば記録用紙をアース接続すると、静電遮蔽によって電気力線が記録用紙を貫通しないから、用紙のおもて面側に付着した紙粉等を電極棒側に引き寄せることができないからである。但し、用紙を除電した場合でも、用紙端部や裏面に付着した紙粉等を電極棒側に引き寄せることはできる。
【0082】
(4)インクジェット記録ヘッド
上記実施形態において、ノズルプレート16aの表面に撥水膜を設けることもできる。ここで、導電性の撥水膜を用いれば、撥水膜の帯電を抑制でき、ノズルプレート16aに紙粉等が付着することを抑制することができる。
【0083】
また、絶縁性の撥水膜を用いれば、SUS等の金属で形成されたノズルプレート16aの鏡像力(ノズルプレートに電荷を持った紙粉等が近づくと、ノズルプレート側にそれと反対の電荷が表れ、互いに引きつけあう現象)を軽減でき、ノズルプレート近傍に舞い上がった紙粉等がノズルプレート16aに引き寄せられることを防止できる。
【0084】
(5)インク滴への電荷付与
インク滴に電荷を与えることは、例えば記録用紙Pとの間で電位差が形成されることでインク滴が記録用紙Pに引きつけられる為、インクミスト浮遊等を防止する観点において好ましい。上記実施形態では、インク滴はノズルプレート16aを介した誘導電荷によって帯電する。しかしインクを収容するインク収容室(例えば、インクカートリッジなど)からノズルプレート16aに至るインク流路における任意の場所でインク滴に電荷を付与するようにしても良い。例えば、インク収容室の内壁の一部、或いは全部を導電性部材で構成し、当該内壁を介してインクに電荷を付与するようにしても良い。
【0085】
即ち、例えばノズルプレート16aは金属などの導体に限らず、シリコン、アクリル、ポリイミドなどの誘電体で形成することもできる。この場合、ヘッド内部のインクの電位をコントロールしないと、ヘッド内部のインクと電極棒との間の電位差による電界が紙粉に強い影響を与え、紙粉がノズルプレート16a側に飛翔する場合がある。しかしながらインクに付与する電位を、インク−電極棒間における電位差が、電極棒間における電位差よりも小さくなるように設定することで、電極棒間の電界をより強くすることができ、紙粉等をより確実に電極棒側に引き寄せることができる。
【0086】
また、ノズルプレート16aを誘電体で形成する場合、ヘッド内部のインクに電位を与える構成として、ノズルプレートにおけるインク流路部分(インクと接する部位)のみを導電性部材で構成し、この導電性部材を介してインクに電位を与えることも可能である。例えば、ノズルプレートが積層構造をとる場合、その全ての層においてインク流路部分を導電性部材で構成しても良いし、その内の少なくとも一層についてインク流路部分を導電性部材で構成しても良い。
【0087】
(6)支持部材
上記第1実施形態では、支持部材17を誘電体材料で形成したが、例えば表面抵抗率が10〜10Ω/□程度の導電性を有する導体として形成することもできる。この場合、電極棒21との間の絶縁性を確保するべく、電極棒21を支持部材17の上面17bから或る程度浮かせた状態とするか、絶縁性材料を介する等の措置を行う。尚、この様な支持部材としては例えば樹脂に金属、炭素等の導電性材料を混入したものを用いることができる。尚、支持部材を導体として形成する場合には、当該支持部材は周囲に対して電気的な導通がない状態(フローティング状態)に設ける。
【符号の説明】
【0088】
1 インクジェットプリンター、2 給送装置、3 用紙カセット、5 分離斜面、6 揺動部材、7 ピックアップローラー、8 キャリッジガイド軸、9 キャリッジ、10 中間ローラー、11 リタードローラー、12、13 ガイドローラー、14 搬送駆動ローラー、15 搬送従動ローラー、16 インクジェット記録ヘッド、16a ノズルプレート、17 支持部材、17a リブ、18 上部案内部材、19 電位差発生手段、21 電極棒、23 インク吸収材、P 記録用紙

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被噴射媒体に液体を噴射する液体噴射手段と、
前記液体噴射手段と対向配置され、被噴射媒体を支持する被噴射媒体支持手段と、を備えた液体噴射装置であって、
前記被噴射媒体支持手段は、被噴射媒体と対向する第1の面に、当該第1の面より前記液体噴射手段の側に突出し、被噴射媒体を支持することにより前記液体噴射手段と被噴射媒体との間の距離を規定する支持部を有し、
前記支持部によって支持される被噴射媒体より前記第1の面の側に電極が設けられ、当該電極上または当該電極の近傍上を被噴射媒体が通過する構成を備え、
前記電極と前記被噴射媒体支持手段の前記第1の面との間に電位差が形成され、
前記電極と被噴射媒体との間の、被噴射媒体の被噴射面と直交する方向における距離をd1、
前記液体噴射手段において前記被噴射媒体支持手段と対向する液体噴射面と被噴射媒体との間の、前記被噴射面と直交する方向における距離をd2、
としたときに、d1<d2となるよう構成されている、
ことを特徴とする液体噴射装置。
【請求項2】
請求項1に記載の液体噴射装置において、前記液体噴射手段の前記第2の面が導体によって形成されており、
前記第2の面と前記電極とが同電位に設定されている、
ことを特徴とする液体噴射装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の液体噴射装置において、前記電極が、前記液体噴射手段から当該電極に対し液体を噴射可能な位置に設けられている、
ことを特徴とする液体噴射装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載の液体噴射装置において、前記電極が、被噴射媒体の搬送方向と直交する方向における被噴射媒体の端部領域が通過する位置に設けられている、
ことを特徴とする液体噴射装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1項に記載の液体噴射装置において、前記第1の面上に前記電極を複数備えるとともに、間隔d0で配置された隣合う2つの前記電極の中間位置における前記第1の面上の位置と前記電極との間の距離d4が、前記電極と前記液体噴射面との間の距離d3より小さい、
ことを特徴とする液体噴射装置。
【請求項6】
被噴射媒体に液体を噴射する液体噴射手段と、
前記液体噴射手段と対向配置され、被噴射媒体を支持する被噴射媒体支持手段と、を備えた液体噴射装置であって、
前記被噴射媒体支持手段は、被噴射媒体と対向する第1の面に、当該第1の面より前記液体噴射手段の側に突出し、被噴射媒体を支持することにより前記液体噴射手段と被噴射媒体との間の距離を規定する支持部を複数有し、
複数の前記支持部の間には、液体を吸収する、誘電体材料により形成された液体吸収材が配設され、
前記支持部の頂部と前記液体吸収材の上面との間に電位差が形成され、
前記支持部の頂部と前記液体吸収材上面との間の、被噴射媒体の被噴射面と直交する方向における距離をD1、
前記液体噴射手段において前記被噴射媒体支持手段と対向する液体噴射面と前記支持部の頂部との間の、前記被噴射面と直交する方向における距離をD2、としたときに、D1<D2となるよう構成されている、
ことを特徴とする液体噴射装置。
【請求項7】
請求項6に記載の液体噴射装置において、前記液体噴射手段の前記第2の面が導体によって形成されており、
前記第2の面と前記支持部の頂部とが同電位に設定されている、
ことを特徴とする液体噴射装置。
【請求項8】
請求項6または7に記載の液体噴射装置において、前記液体吸収材が、被噴射媒体の搬送方向と直交する方向における被噴射媒体の端部領域が通過する位置に設けられている、
ことを特徴とする液体噴射装置。
【請求項9】
請求項6から8のいずれか1項に記載の液体噴射装置において、間隔D0で配置された隣合う2つの前記支持部の中間位置における前記液体吸収材の上面位置と前記支持部の頂部との間の距離D4が、前記液体吸収材の上面と前記液体噴射面との間の距離D3より小さい、
ことを特徴とする液体噴射装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−104913(P2011−104913A)
【公開日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−263654(P2009−263654)
【出願日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】