説明

液体噴射装置

【課題】インクカートリッジから供給されるインクを噴射するノズル間において、インクの噴射圧力のばらつきを抑制する。
【解決手段】圧力制御弁ユニット10,11に、弁室30と、圧力室32と、可撓膜34と、圧力室32内の容積が増大するように可撓膜34が変形するときに弁室30と圧力室32の間の流路である連通孔31を閉塞し、圧力室32内の容積を減少するように可撓膜34が変形するときに弁室30と圧力室32の間の流路である連通孔31を開放する弁体24と、を備え、可撓膜34を挟んで圧力室32と反対側に内部を減圧可能な減圧室35を、圧力制御弁ユニット10,11のそれぞれの圧力室32に対応して設け、圧力制御弁ユニット10の減圧室35と圧力制御弁ユニット11の減圧室35と連通して減圧室35内を減圧する減圧ポンプ駆動部を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体噴射装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液体供給源からの液体を液体噴射ヘッドに供給する形式の液体噴射装置として、種々な液体を対象にしたものが知られている。液体噴射装置の代表的なものとして、インクジェット式記録装置(以下、記録装置と称する)をあげることができる。
【0003】
記録装置には、液体収容体としてのインクカートリッジと、ノズルから液体を噴射する液体噴射ヘッドとの間に配置され、インクカートリッジと液体噴射ヘッドとを接続する流路を開閉する圧力制御弁ユニットを備えたものがある。圧力制御弁ユニットは、インクカートリッジから液体噴射ヘッドに至るインクの圧力変動を抑制する機能を果たしている。
【0004】
例えば、特許文献1では、インクカートリッジと液体噴射ヘッドとの間の流路を開閉する弁体と、弁体を付勢する圧力調整バネとを備えた圧力制御弁ユニットが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際公開第2005/075202号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1では、インクカートリッジごとに圧力制御弁ユニットが備えられ、それぞれの圧力制御弁ユニットごとに圧力調整バネが取り付けられている。そのため、各圧力調整バネの付勢力のばらつきにより、インクカートリッジから供給されるインクを噴射するノズル間において、インクの噴射圧力のばらつきが発生していた。そのため、ノズルから噴射する液体噴射量がばらついてしまい、用紙などの記録媒体に形成される画像品質が低下するという課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
【0008】
[適用例1]ノズルから液体を噴射する液体噴射ヘッドと、液体を収容する液体収容体とを備える液体噴射装置であって、前記液体収容体と前記ノズルとの間の流路に配置され、前記流路を開閉する開閉弁部を複数有し、前記開閉弁部は、前記液体収容体側に配置された弁室と、前記液体噴射ヘッド側に配置された圧力室と、前記圧力室の壁面の一部を構成し、前記圧力室内の容積が増大・減少するように変形する可撓膜と、前記圧力室内の容積が増大するように前記可撓膜が変形するときに前記弁室と前記圧力室の間の流路を閉塞し、前記圧力室内の容積を減少するように前記可撓膜が変形するときに前記弁室と前記圧力室の間の流路を開放する弁体と、を備え、前記可撓膜を挟んで前記圧力室と反対側に内部を減圧可能な減圧室を、前記複数の開閉弁部のそれぞれの前記圧力室に対応して設け、複数の前記減圧室の少なくとも2つと連通して前記減圧室内を減圧する減圧部を備えることを特徴とする液体噴射装置。
【0009】
本適用例によれば、圧力室内の容積が増大するように可撓膜が変形するときに弁室と圧力室の間の流路を閉塞する弁体と、複数の減圧室の少なくとも2つと連通して減圧室内を減圧する減圧部を備える。これにより、圧力室から液体噴射ヘッドまでの複数の流路における負圧を同じにすることができる。そのため、液体収容体から供給される液体を噴射するノズル間における液体の噴射圧力のばらつきを抑制し、ノズルから噴射する液体噴射量のばらつきを小さくすることができる。従って、用紙などの記録媒体に形成される画像品質の低下を抑制できる。
【0010】
[適用例2]前記可撓膜は、前記減圧室内を減圧したときに、液体を通過させず気体を通過させることを特徴とする上記液体噴射装置。
【0011】
本適用例によれば、減圧室内の減圧により開閉弁部を閉塞するとともに、圧力室内の気泡を通過させて圧力室内から除去することができる。これにより、液体噴射ヘッドから気泡が介在することにより液体が噴射できなくなることを抑制することができる。
【0012】
[適用例3]前記減圧部による減圧によって前記可撓膜が変形したときの前記圧力室から前記液体噴射ヘッドの圧力により、前記ノズル内の液体のメニスカスが前記ノズルから前記液体噴射ヘッド内に引き込まれないことを特徴とする上記液体噴射装置。
【0013】
本適用例によれば、メニスカスがヘッド内に引き込まれない圧力となるように減圧する。これにより、減圧部の減圧によって圧力室内の容積が増大するように可撓膜が変形することにより、圧力室から液体噴射ヘッドまでが負圧となり、ノズル内の液体のメニスカスが引き込まれてしまい、ノズルから液体を噴射することができなくなることを抑制できる。そのため、液体を噴射中も減圧動作を継続することができ、減圧の大きさは小さくとも長時間圧力室内を減圧し続け、圧力室内の脱気が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】インクジェット記録装置の概略構成を示した模式図。
【図2】弁体が弁室と圧力室の間の流路を閉塞している時の状態を示した模式図。
【図3】弁体が弁室と圧力室の間の流路を開放している時の状態を示した模式図。
【図4】実施形態2における圧力制御弁ユニットの模式図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下の各図においては、各層や各部材を認識可能な程度の大きさにするため、各層や各部材の尺度を実際とは異ならせしめている。
【0016】
(実施形態1)
まず、実施形態1に係る液体噴射装置としてのインクジェット記録装置の概略構成について説明する。図1は、インクジェット記録装置1の概略構成を示した模式図である。キャリッジ14は、キャリッジモーター(不図示)の駆動により、タイミングベルト(不図示)を介して、ガイド軸18に沿って主走査方向(図面左右方向)に往復移動する。
【0017】
キャリッジ14には、ノズル19からインクを噴射する記録ヘッド15が搭載される。インクジェット記録装置1は、紙送りモーター(不図示)や紙送りローラー(不図示)を含んで構成される搬送部(不図示)を備え、紙送りモーターの駆動により、用紙(不図示)を主走査方向と交わる副走査方向に移動させる。
【0018】
インクジェット記録装置1は、搬送部により用紙を副走査方向に移動させながら、主走査方向に往復移動するキャリッジ14に搭載された記録ヘッド15からインクを噴射させて、用紙に画像を形成することができる。
【0019】
図1のインクジェット記録装置1は4色(ブラック、シアン、マゼンタ、イエロー)のインクを吐出可能なインクジェット式プリンターである。インクジェット記録装置1は、液体収容体としての、ブラックインクのインクカートリッジ2と、シアンインクのインクカートリッジ3と、マゼンタインクのインクカートリッジ4と、イエローインクのインクカートリッジ5とを有する。
【0020】
インクカートリッジ2〜5内のインクは、水頭圧等の加圧力により、インクカートリッジ2〜5のそれぞれに対応したインク導出管6〜9を通じて、キャリッジ14に搭載された圧力制御弁ユニット10〜13に供給される。圧力制御弁ユニット10〜13は、インクカートリッジ2〜5と、インクカートリッジ2〜5に対応するノズル19との間の流路に配置された、流路を開閉する開閉弁部である。
【0021】
圧力制御弁ユニット10〜13内に供給されたインクは、圧力制御弁ユニット10〜13と減圧流路17で連結された、減圧部としての減圧ポンプ駆動部16による減圧空気の力によって、一定負圧を保つように圧力調整される。
【0022】
圧力調整された圧力制御弁ユニット10〜13内のインクがキャリッジ14下部の記録ヘッド15に吸引され、記録ヘッド15がガイド軸18に沿って往復移動しながらインクを吐出する。圧力制御弁ユニット10〜13内のインクが一定圧に保たれているので、記録ヘッド15からのインク吐出量も一定に保つことが出来る。
【0023】
図2は、弁体24が弁室30と圧力室32の間の流路を閉塞している時の状態を示した模式図である。圧力制御弁ユニット10は、図1のインクカートリッジ2側に配置され、インクカートリッジ2と連通する図2の弁室30と、図1の記録ヘッド15側に配置され、記録ヘッド15と図2のヘッド側導出管36を介して記録ヘッド15と連通する図2の圧力室32と、圧力室32の壁面の一部を構成し、圧力室32内の容積が増大・減少するように変形する可撓膜34とを有する。
【0024】
減圧室35は、可撓膜34を挟んで圧力室32と反対側に形成される。減圧室35の内部は、減圧流路17と連結された減圧ポンプ駆動部16によって減圧される。
【0025】
弁体軸20は、弁室30と圧力室32を連通する連通孔31を貫通して備えられる。弁体軸20の弁室30側は、ゴムなどの弾力性を有する弁体24が備えられた弁体受圧板23が固定される。弁体軸20の圧力室32側は、ばね固定板21が固定される。
【0026】
弁体軸20はコイル状の弁体ばね22を貫通し、弁体ばね22は、ばね固定板21と圧力室32内の弁室30側の壁面37とによって挟まれるようにして備えられる。
【0027】
圧力室32は記録ヘッド15と連通するので、記録ヘッド15からインクを噴射させていない非印字時における圧力室32内の負圧は、記録ヘッド15からインクを噴射させている印字時における圧力室32内の負圧より小さい。
【0028】
そのため、非印字時は、減圧室35の負圧の方が圧力室32の負圧より大きい。図2に示すように、非印字時は、減圧室35の負圧の方が圧力室32の負圧より大きいので、可撓膜34が減圧室35側に引っ張られ、可撓膜34上に取り付けられた弁体軸受け33と弁体軸20とが離れた状態にある。
【0029】
弁体軸受け33と弁体軸20が離れた状態にあると、弁体ばね22の付勢力によって、ばね固定板21を減圧室35側(図面左側)に移動させ、弁体軸20を減圧室35側に移動させる。さらに弁室30側は加圧状態にあるので、弁体受圧板23が減圧室35側に押されて、弁体受圧板23に備えられた弁体24が、弁室30を形成する連通孔31周囲の壁面に当接し、連通孔31を閉塞する。
【0030】
このように、圧力制御弁ユニット10に備えられた弁体24は、図2の圧力室32内の容積が増大するように可撓膜34が変形するときに弁室30と圧力室32の間の流路である連通孔31を閉塞する。
【0031】
図3は、弁体24が弁室30と圧力室32の間の流路を開放している時の状態を示した模式図である。図2の弁体24が閉じている状態から、さらに記録ヘッド15でインクが消費されると、圧力室32内の負圧が大きくなり、減圧室35の負圧より圧力室32の負圧の方が大きくなる。
【0032】
すると、可撓膜34が圧力室32側に引っ張られ、可撓膜34上に取り付けられた弁体軸受け33が弁体軸20を、弁体ばね22の付勢力に反して弁室30側(図面右側)に押す。これにより、弁体軸20に固定された弁体受圧板23が図面右側に移動し、弁体受圧板23に備えられた弁体24が、連通孔31周囲の壁面から離れることにより連通孔31が開放され、圧力室32内にインクが弁室30側から供給される。
【0033】
このように、圧力制御弁ユニット10に備えられた弁体24は、圧力室32内の容積を減少するように可撓膜34が変形するときに弁室30と圧力室32の間の流路を開放する。
【0034】
インクが供給された後は、また図2の弁体24が連通孔31を閉塞した状態に戻る。ここで、減圧ポンプ駆動部16による減圧は、可撓膜34が変形したときの圧力室32の負圧でノズル19から記録ヘッド15内にインクが引き込まれない程度の減圧力とする。
【0035】
図2、図3の圧力制御弁ユニット11は、圧力制御弁ユニット10の構成と同じである。圧力制御弁ユニット10の減圧室35と、圧力制御弁ユニット11の減圧室35とは、減圧流路17によって連通している。同様に、図示しないが、図1の圧力制御弁ユニット12,13の減圧室は、圧力制御弁ユニット10,11の減圧室35と減圧流路17によって連通している。
【0036】
圧力制御弁ユニット10〜13のうちの少なくとも2つの減圧室35を減圧流路17によって連通させ、減圧流路17を通して共通の減圧ポンプ駆動部16で減圧することで、連通させた減圧室35に対応する圧力室32から記録ヘッド15までの複数の流路であるヘッド側導出管内の負圧を略同じにすることができる。
【0037】
また、圧力室32内の負圧は減圧ポンプ駆動部16の減圧力の範囲内で保たれる。これにより、圧力制御弁ユニット10〜13内のインク圧が一定に保たれているので、記録ヘッド15からのインク吐出量も一定の範囲に保つことが出来る。
【0038】
以上、本実施形態で説明した図1のインクジェット記録装置1は、ノズル19から液体であるインクを噴射する液体噴射ヘッドとしての記録ヘッド15と、インクを収容する液体収容体としてのインクカートリッジ2〜5とを備えるインクジェット記録装置1であって、インクカートリッジ2〜5とノズル19との間の流路に配置され、流路を開閉する開閉弁部である圧力制御弁ユニット10〜13を有する。
【0039】
そして、図2、図3の圧力制御弁ユニット10,11は、インクカートリッジ2,3側に配置された弁室30と、記録ヘッド15側に配置された圧力室32と、圧力室32の壁面の一部を構成し、圧力室32内の容積が増大・減少するように変形する可撓膜34と、圧力室32内の容積が増大するように可撓膜34が変形するときに弁室30と圧力室32の間の流路である連通孔31を閉塞し、圧力室32内の容積を減少するように可撓膜34が変形するときに弁室30と圧力室32の間の流路である連通孔31を開放する弁体24と、を備え、可撓膜34を挟んで圧力室32と反対側に内部を減圧可能な減圧室35を、圧力制御弁ユニット10,11のそれぞれの圧力室32に対応して設け、圧力制御弁ユニット10の減圧室35と圧力制御弁ユニット11の減圧室35と連通して減圧室35内を減圧する減圧部としての減圧ポンプ駆動部16を備える。
【0040】
この構成によれば、圧力室32から記録ヘッド15までの複数の流路であるヘッド側導出管36内の負圧を同じにすることができる。そのため、インクカートリッジ2,3から供給されるインクを噴射するノズル19間におけるインクの噴射圧力のばらつきを抑制し、ノズル19から噴射するインク噴射量のばらつきを小さくすることができる。従って、用紙などの記録媒体に形成される画像品質の低下を抑制できる。
【0041】
また、減圧ポンプ駆動部16による減圧によって可撓膜34が変形したときの圧力室32から記録ヘッド15の圧力により、ノズル19内のインクのメニスカスがノズル19から記録ヘッド15内に引き込まれないように減圧ポンプ駆動部16を駆動させる。
【0042】
この構成によれば、減圧ポンプ駆動部16の減圧によって圧力室32内の容積が増大するように可撓膜34が変形することにより、圧力室32から記録ヘッド15までが負圧となり、ノズル19内のインクのメニスカスが引き込まれてしまい、ノズル19からインクを噴射することができなくなることを抑制できる。そのため、インクを噴射中も減圧動作を継続することができ、減圧の大きさは小さくとも長時間圧力室内を減圧し続け、圧力室32内の脱気が可能となる。
【0043】
(実施形態2)
実施形態2では、液体を通過させず気体を通過させる可撓膜を備えたインクジェット記録装置について説明する。図4は、実施形態2における圧力制御弁ユニット10a,11aの模式図である。実施形態2の圧力制御弁ユニット10a,11aに備えられた可撓膜34aは、減圧室35内を減圧したときに、インクを通過させずに気体を通過することができる。
【0044】
実施形態2のインクジェット記録装置におけるその他の構成は、実施形態1のインクジェット記録装置1の構成と同じである。
【0045】
この構成によれば、減圧室35内の減圧により、圧力室32内の気泡Bが可撓膜34aを通過して減圧室35側に移動するので、圧力室32内から気泡Bを除去することができる。これにより、圧力室32内の気泡Bがヘッド側導出管36を通り記録ヘッド15内に移動することによりインクが噴射できなくなることを抑制することができる。
【0046】
上記実施形態は、インクジェット式プリンターが採用されているが、インク以外の他の液体を噴射したり吐出したりする液体噴射装置に採用しても良い。微小量の液滴を吐出させる液体噴射ヘッド等を備える各種の液体噴射装置に流用可能である。なお、液滴とは、上記液体噴射装置から吐出される液体の状態をいい、粒状、涙状、糸状に尾を引くものも含むものとする。
【0047】
また、ここでいう液体とは、液体噴射ヘッドが噴射させることができるような材料であれ良い。例えば、物質が液相であるときの状態のものであれば良く、粘性の高い又は低い液状体、ゾル、ゲル水、その他の無機溶剤、有機溶剤、溶液、液状樹脂、液状金属(金属融液)のような流状体、また物質の一状態としての液体のみならず、顔料や金属粒子などの固形物からなる機能材料の粒子が溶媒に溶解、分散または混合されたものなどを含む。
【0048】
また、液体の代表的な例としては上記実施形態で説明したようなインクや液晶等が挙げられる。ここで、インクとは一般的な水性インクおよび油性インク並びにジェルインク、ホットメルトインク等の各種液体組成物を包含するものとする。
【0049】
液体消費装置の具体例としては、例えば液晶ディスプレイ、EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイ、面発光ディスプレイ、カラーフィルターの製造などに用いられる電極材や色材などの材料を分散または溶解のかたちで含む液体を噴射する液体噴射装置、バイオチップ製造に用いられる生体有機物を噴射する液体噴射装置、精密ピペットとして用いられ試料となる液体を噴射する液体噴射装置、捺染装置やマイクロディスペンサー等であってもよい。
【0050】
さらに、時計やカメラ等の精密機械にピンポイントで潤滑油を噴射する液体噴射装置、光通信素子等に用いられる微小半球レンズ(光学レンズ)などを形成するために紫外線硬化樹脂等の透明樹脂液を基板上に噴射する液体噴射装置、基板などをエッチングするために酸又はアルカリ等のエッチング液を噴射する液体噴射装置を採用しても良い。そして、これらのうちいずれか一種の噴射装置に本発明を適用することができる。
【符号の説明】
【0051】
1…インクジェット記録装置、2〜5…インクカートリッジ、6〜9…インク導出管、10〜13,10a,11a…圧力制御弁ユニット、15…記録ヘッド、16…減圧ポンプ駆動部、17…減圧流路、19…ノズル、20…弁体軸、21…ばね固定板、23…弁体受圧板、24…弁体、30…弁室、31…連通孔、32…圧力室、34,34a…可撓膜、35…減圧室、36…ヘッド側導出管、37…壁面。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ノズルから液体を噴射する液体噴射ヘッドと、液体を収容する液体収容体とを備える液体噴射装置であって、
前記液体収容体と前記ノズルとの間の流路に配置され、前記流路を開閉する開閉弁部を複数有し、
前記開閉弁部は、前記液体収容体側に配置された弁室と、前記液体噴射ヘッド側に配置された圧力室と、前記圧力室の壁面の一部を構成し、前記圧力室内の容積が増大・減少するように変形する可撓膜と、前記圧力室内の容積が増大するように前記可撓膜が変形するときに前記弁室と前記圧力室の間の流路を閉塞し、前記圧力室内の容積を減少するように前記可撓膜が変形するときに前記弁室と前記圧力室の間の流路を開放する弁体と、を備え、
前記可撓膜を挟んで前記圧力室と反対側に内部を減圧可能な減圧室を、前記複数の開閉弁部のそれぞれの前記圧力室に対応して設け、
複数の前記減圧室の少なくとも2つと連通して前記減圧室内を減圧する減圧部を備えることを特徴とする液体噴射装置。
【請求項2】
請求項1に記載の液体噴射装置であって、
前記可撓膜は、前記減圧室内を減圧したときに、液体を通過させず気体を通過させることを特徴とする液体噴射装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の液体噴射装置であって、
前記減圧部による減圧によって前記可撓膜が変形したときの前記圧力室から前記液体噴射ヘッドの圧力により、前記ノズル内の液体のメニスカスが前記ノズルから前記液体噴射ヘッド内に引き込まれないことを特徴とする液体噴射装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−162052(P2012−162052A)
【公開日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−25925(P2011−25925)
【出願日】平成23年2月9日(2011.2.9)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】