説明

液体噴射装置

【課題】読取機能及び印字機能を兼ね備えた省スペース、低コスト、かつ、省電力を実現することが可能な液体噴射装置であって、裏紙印刷時の表裏の確認をユーザーに強いることなく、資源の無駄が生じることを確実に防止可能な液体噴射装置を提供する。
【解決手段】搬送される媒体に対して液体を噴射する記録ヘッドを有する記録手段と、記録手段よりも搬送方向上流側における同一の搬送経路上に設けられ、媒体を収容する第1、第2の収容室と、記録手段と第1、第2の収容室との間に設けられ、搬送される媒体の表面の印字情報を検出する読取手段と、読取手段よりも搬送方向下流側に設けられ、読取手段による印字情報の読取り結果に基づいて動作し、第1の収容室に収容された媒体の搬送経路を下流側に設けられた排出口方向又は第2の収容室方向に切替える切替手段とを備える態様とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体噴射装置に関し、より詳細には記録機構と読取り機構とが同一の搬送経路上に設けられた液体噴射装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、記録装置の分野においては、所謂複合機と呼ばれる読取機構と印字機構とを両方備えた記録装置が開発されており、ユーザーは、その使用用途に合わせて被読取媒体となる原稿や、被記録媒体となる用紙等を所定の位置にセットすることにより、読込んだ原稿をデータ化したデータファイルや、所望のデータを被記録媒体に記録した原稿等を得ることができる。
しかしながら、従来の記録装置においては、所謂裏紙印刷を実行する際には、被記録媒体となる用紙等の表裏を事前に確認する作業がユーザーにとって煩わしく、また、表裏面の確認を怠って既に印字がなされている面を印字機構と対向する側にセットした場合には、既に印字がなされている面に新たな印字が重複して行われてしまい、資源の無駄が生じてしまう。
さらに、従来の記録装置においては、印字機構と読取機構とが別の機構として設けられている関係上、原稿等を読取機構まで搬送する搬送機構を、用紙を印字機構まで搬送する搬送機構と個別に設ける必要があり、機器の大型化や製造コスト増大、或いは駆動源を多用することに伴う電力消費を抑制することが困難となっていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−106410号公報
【特許文献2】特開2005−199655号公報
【特許文献3】特開2010−217831号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記課題を解決すべく、読取機能及び印字機能を兼ね備えた省スペース、低コスト、かつ、省電力を実現することが可能な液体噴射装置であって、裏紙印刷時の表裏の確認をユーザーに強いることなく、資源の無駄が生じることを確実に防止可能な液体噴射装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するための液体噴射装置の態様として、搬送される媒体に対して液体を噴射する記録ヘッドを有する記録手段と、記録手段よりも搬送方向上流側における同一の搬送経路上に設けられ、媒体を収容する第1、第2の収容室と、記録手段と第1、第2の収容室との間に設けられ、搬送される媒体の表面の印字情報を検出する読取手段と、読取手段よりも搬送方向下流側に設けられ、読取手段による印字情報の読取り結果に基づいて動作し、第1の収容室に収容された媒体の搬送経路を下流側に設けられた排出口方向又は第2の収容室方向に切替える切替手段とを備えた態様とした。
本態様によれば、記録ヘッドを有する記録手段と媒体を収容する第1、第2の収容室とが同一の搬送経路上に設けられているため、第1、第2の収容室に収容された媒体を単一の搬送経路により記録手段側に搬送でき、省スペース、低コスト、かつ、省電力な液体噴射装置を得ることができる。
また、読取手段が、記録手段と第1、第2の収容室との間に設けられ、搬送される媒体の表面の印字情報を検出し、切替手段が、読取手段よりも搬送方向下流側に設けられ、読取手段による印字情報の読取り結果に基づいて第1の収容室に収容された媒体の搬送経路を下流側に設けられた排出口方向又は第2の収容室方向に切替える動作を行うことから、裏紙印刷実行前において、ユーザーが媒体の表裏を確認することなく、印字情報が存在しない媒体のみを第2の収容室内に収容することが可能となる。
また、液体噴射装置の他の態様として、記録手段及び読取手段を制御する制御装置を備え、制御装置は、読取手段に読取られた媒体の印字情報の有無を判別する判別手段と、判別手段により媒体の印字情報が認識されたときに、記録手段による印字動作を中止する印字停止手段とを有する態様とした。
本態様によれば、前記態様から生じる効果に加え、記録手段及び読取手段を制御する制御装置の判別手段が、読取手段に読取られた媒体の印字情報の有無を判別し、印字停止手段が、判別手段によって媒体の印字情報が認識されたときに、記録手段による印字動作を中止することから、既に印字がなされている媒体の表面に対して新たな印字が重複して行われることを防止でき、媒体が無駄になることを防止できる。
また、液体噴射装置の他の態様として、読取手段の対面側に媒体の検出基準となる白基準を設け、当該白基準を媒体との摩擦を低減する部材とした。
本態様によれば、前記態様から生じる効果に加え、読取手段を通過する際に発生する媒体と白基準との擦れ音を低減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】インクジェットプリンターの要部を示す側断面図。
【図2】読取モードのフローチャート。
【図3】記録モードのフローチャート。
【図4】複写モードのフローチャート。
【図5】仕分けモードのフローチャート。
【0007】
以下、発明の実施形態を通じて本発明を詳説するが、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また実施形態の中で説明される特徴の組合せのすべてが発明の解決手段に必須であるとは限らず、選択的に採用される構成を含むものである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1は、液体噴射装置の一例としてのインクジェットプリンター1の要部を示す側断面図である。以下、図1を用いてインクジェットプリンター1について説明する。同図においてインクジェットプリンター1は、装置本体2の下方に設けられた第一収容室3と、装置本体2の上部に設けられる第二収容室4と、第一収容室3又は第二収容室4に収容された用紙10を記録手段6に搬送する搬送機構5と、搬送機構5の搬送経路に沿って搬送される用紙10表面の印字情報を読取る読取手段7と、インクジェットプリンター1の動作全般を制御する制御装置70とを備える。
【0009】
第一収容室3又は第二収容室4内に収容された用紙10は、第一送出ローラー21又は第二送出ローラー27及び搬送機構5により矢印で示す搬送経路を経て下流側に位置する読取手段7及び記録手段6まで搬送され、読取手段7による読取動作或いは記録手段6による記録動作が実行される。即ち、本実施形態に係るインクジェットプリンター1は、単一の搬送経路により読取動作及び記録動作を実行可能なプリンターである。なお、本明細書において、第一収容室3内に収容された用紙10が搬送される方向を下流側とし、下流側と反対方向を上流側とする。
【0010】
以下、第一収容室3に収容された用紙10を10Aとし、第二収容室4に収容された用紙10を10Bとし、用紙10Aの搬送経路に沿ってインクジェットプリンター1の詳細を説明する。第一収容室3は、装置本体2の底部に設けられた挿入空間に対して着脱自在な上方開放の箱型のカセット11により構成される。カセット11は、用紙10Aを単一又は重畳した状態で収容する。なお、カセット11に収容可能な用紙10Aの最大面積は、例えばA3サイズとして設定されている。
【0011】
カセット11は、収容される用紙10Aの周囲を取り囲む壁部を有し、搬送方向の両壁部には分離斜面13と湾曲面14とが形成される。分離斜面13は、カセット11の下流側に位置する壁部に形成され、カセット底面12から上方に向かうに従って下流側に傾斜する斜面である。分離斜面13は、第一収容室3内に収容された複数の用紙10A同士が重なった状態で下流側に搬送されることを防止する。湾曲面14は、カセット11の上流側に位置する壁部に形成される断面円弧状の面であって、装置本体2のガイド通路43を経てカセット11内に進入する用紙10Bの表裏面を反転させながら案内する。
【0012】
第一収容室3に収容された用紙10Aは、第一送出ローラー21により装置本体2側へ送り出される。第一送出ローラー21は、揺動軸19を中心に揺動し、下方に附勢された揺動部材20の先端に設けられる。第一送出ローラー21は、後述の第一送出ローラー制御部71により制御される図外のモーターを駆動源とし、カセット11内にセットされた最上位の用紙10Aと接して回転することにより、用紙10Aを下流側に送り出す。
【0013】
第一送出ローラー21の回転によりカセット11から下流側に送り出された用紙10Aは、装置本体2のガイド通路30を経て下流側に位置する記録手段6側に搬送される。ガイド通路30は、装置本体2内に設けられたガイド31;32との間に形成された間隙である。ガイド通路30は、搬送方向と直交する方向に延長し、用紙10Aの桁方向(幅方向)全域がガイド通路30内に進入する。また、用紙10Aは、湾曲して形成されたガイド通路30を経ることにより表裏面が反転し、略水平な状態で記録手段6側に搬送される。
【0014】
ガイド通路30内に進入した用紙10Aは、搬送機構5により下流側に位置する記録手段6に搬送される。搬送機構5は、第一搬送ローラー22、第二搬送ローラー23、第三搬送ローラー24、排出ローラー25及び回送ローラー26とにより構成される。
第一搬送ローラー22は、ガイド通路30の経路内に設けられ、中間ローラーとも呼ばれるローラーである。第一搬送ローラー22は、駆動ローラー22Aと従動ローラー22Bとの一対のローラーにより構成される。駆動ローラー22A及び従動ローラー22Bは、円筒状のゴムローラーであって、装置本体2の桁方向に沿って架設される回転軸により支持される。駆動ローラー22A及び従動ローラー22Bは、外周面が互いに接触するように配置される。駆動ローラー22Aは、後述の搬送制御部73に制御される図外のモーターを駆動源とし、複数の歯車を経由して回転する。なお、搬送制御部73に制御されるモーターの回転力は、他の第二搬送ローラー23、第三搬送ローラー24、排出ローラー25及び回送ローラー26における各駆動ローラーに伝達される。
第一搬送ローラー22が回転している状態において、用紙10Aの端部が駆動ローラー22Aと従動ローラー22Bとの間に挟み込まれると、用紙10Aは第一搬送ローラー22のガイド通路30の経路に沿って反転し、第二搬送ローラー23側に向かって徐々に搬送される。
【0015】
第二搬送ローラー23は、第一搬送ローラー22よりも下流側におけるガイド通路30内に配設される。第二搬送ローラー23は、第一搬送ローラー22の構成と同様の駆動ローラー23Aと従動ローラー23Bとを備え、第一搬送ローラー22により搬送された用紙10Aの先端を挟み込み、下流側の第三搬送ローラー24側に向かって徐々に搬送する。
【0016】
ガイド通路30における第一搬送ローラー22と第二搬送ローラー23との間には、第二収容室4から送り出される用紙10Bの取込口33が開設される。
取込口33は、用紙10Bの搬送方向と直交する方向に沿って延長する開口であって、用紙10Bの桁方向(幅方向)全域を取り込み可能である。用紙10Bは、第二収容室4を形成するトレイ50内に収容されており、第二送出ローラー27の回転により取込口33を経てガイド通路30内に進入する。
【0017】
トレイ50は、装置本体2に対して傾斜して配置される。トレイ50は、用紙10Bの表面と接する基板部と、用紙10Bの桁方向に沿って立ちがある壁部とにより上方開口の収容空間を有する。トレイ50の収容空間は、複数の用紙10Bを収容可能であり、用紙10Bが単一又は重畳した状態で収容される。また、壁部の間隔は、適宜調整可能であり、異なるサイズの用紙10Bを収容することができる。なお、トレイ50に収容可能な用紙10Bの最大面積は、カセット11と同様に例えばA3サイズとして設定されている。
【0018】
第二送出ローラー27は、取込口33の近傍に配設される円筒状のゴムローラーであって、用紙10Bの桁方向に沿って延長する。第二送出ローラー27は、一方向に回転することによりトレイ50内に収容された用紙10Bを一枚づつガイド通路30側へと送り出す。ガイド通路30内に進入した用紙10Bは、下流側に位置する第二搬送ローラー23に挟み込まれ、用紙10Aと同様の経路を経て下流側に搬送される。
即ち、本実施形態に係るインクジェットプリンター1は、第一収容室3及び第二収容室4からなる複数の収容室に収容された用紙10A又は用紙10Bを同一の搬送経路に沿って下流側に搬送する形態である。また、例えば第一収容室3に収容される用紙10Aは、未だ印字がなされていない新規な用紙、又は後述の仕分けモードによって印字対象となる表面に印字がなされていないことが確認された用紙(裏紙)である。一方、第二収容室4に収容される用紙10Bは、後述の読取りモードにおける読取り対象となる原稿や、後述の仕分けモードにおける印字対象となるいずれかの表面に印字がなされている可能性がある用紙である。
【0019】
第三搬送ローラー24は、第二搬送ローラー23よりも下流側、かつ、記録手段6よりも上流側に配設され、前述の第一搬送ローラー22と同様の構成の駆動ローラー24Aと従動ローラー24Bとにより構成される。第三搬送ローラー24は、第二搬送ローラー23により搬送された用紙10A又は用紙10Bの先端を挟み込み、記録手段6側に向かって所定の速度で搬送する。
【0020】
第二搬送ローラー23と第三搬送ローラー24との間の搬送面34上には、読取手段7が設けられる。搬送面34は、上流側から搬送される用紙10A又は用紙10Bを直線的に搬送するためのガイド面である。
また、搬送面34における後述の読取面7Aと対向する表面には、桁方向に渡って帯状に連続する白色の白基準部材35が配置される。白基準部材35は、後述の読取手段7が用紙10A又は用紙10Bの印字情報を読取る際の白色の基準を取得するための部材である。また、白基準部材35は、搬送面34上に貼着又は塗布される白色なフッ素系樹脂やアクリル系樹脂、ABS等の低摩擦係数を有する部材からなり、当該白基準部材35上を通過する用紙10A又は用紙10Bとの擦れ音が低減される。
【0021】
読取手段7は、搬送面34に配置された白基準部材35と対向する側に配設されるスキャナーユニットであって、CIS方式やCCD方式が採用される。読取手段7は、断面矩形の棒体であって、下面に形成された読取面7Aの延長方向が用紙10A又は用紙10Bの搬送方向と直交し、白基準部材35と平行となるように配置される。
読取手段7による読取り動作は、用紙10A又は用紙10Bの表面と対向する読取面7Aの下方を搬送中の用紙10A又は用紙10Bが通過することにより実行され、用紙10A又は用紙10Bの桁方向全域の印字情報を読取る。読取手段7の読取面7Aは、搬送中の用紙10A又は用紙10Bの表面に向かって光を照射する発光部と、用紙10A又は用紙10Bの表面に反射した光を受光する受光部とを有し、反射光の変化により桁方向全域の印字情報を検出する。
また、読取手段7は、制御装置70と電気的に接続され、後述の読取制御部76によって制御される。検出された印字情報は、読取制御部76により記憶部76Aに格納される。
【0022】
第三搬送ローラー24の下流側には、搬送面34と連続し、水平に延長する搬送面36が形成される。搬送面36は、プラテンとも呼ばれる基板であって、第三搬送ローラー24を経た用紙10A又は用紙10Bの水平状態を維持する。
【0023】
搬送面36の対面側には記録手段6が設けられる。記録手段6は、搬送中の用紙10A又は用紙10B上において用紙10A又は用紙10Bの表面に液体としてのインクを噴射する記録ヘッド61と、記録ヘッド61を桁方向に往復動作させるキャリッジ63を備える。記録ヘッド61は、桁方向に延長するガイド軸62に沿って摺動するキャリッジ63の下面に設けられる。キャリッジ63は、内部に形成された液体収容室内に例えば、シアン、マゼンダ、イエロー、ブラック等のインクカートリッジを備える。
キャリッジ63は、図外のタイミングベルトと接続されており、後述するキャリッジ制御部75に制御される図外のモーターの駆動によりタイミングベルトが桁方向に動作することにより、用紙10A又は用紙10Bの桁方向に沿って往復動作する。
【0024】
記録ヘッド61は、キャリッジ63の往復動作中に、キャリッジ63及び記録ヘッド61内に形成されたインク流路を経たインクカートリッジ内のインクを下面に形成されたインクノズルから用紙10A又は用紙10Bに向けて噴射する。インクの噴射動作は、記録ヘッド61内に形成された圧力印加室内の圧力を変化させるピエゾ素子に電力を供給することにより実行され、記録ヘッド61を往復動作させながらインクを噴射することにより、用紙10A又は用紙10Bに印字がなされる。なお、図示は省略するが、記録手段6は、記録ヘッド61の下面を封止するキャッピング機構や、不要なインク滴を回収するフラッシング機構等も有している。
【0025】
搬送面36よりも下流側には、用紙10A又は用紙10Bの搬送経路を切替える切替えフラップ38が設けられる。切替えフラップ38は、記録手段6を通過した用紙10Bの搬送方向を排出口40方向又は第一収容室3方向に切替える。切替えフラップ38は、上下方向に伸長動作する駆動源39によって、水平姿勢又は傾斜姿勢の2つの姿勢をとる切替え面38Aを有する。
【0026】
切替え面38Aは、用紙10A又は用紙10Bの桁方向に沿って延長する面であって、切替えフラップ38が回転軸38Bを中心として回転することにより、搬送面36を経た用紙10A又は用紙10Bの進路を切替える。
駆動源39は、例えばソレノイドにより構成され、制御装置70と電気的に接続される。駆動源39は、制御装置70における後述の搬送制御部73から出力される切替え信号に基づいて収縮し、切替え面38Aを水平姿勢から傾斜姿勢に切替える。
また、切替えフラップ38は、読取手段7の読取面7Aに対して用紙10A又は用紙10Bの搬送方向長さ分以上離間している。より具体的には、離間距離をカセット11及びトレイ50内に収容可能な最大面積(本例ではA3サイズ)を有する用紙10A又は用紙10Bの搬送方向長さ(本例では、420mm)よりも長く設定すれば、後述の仕分けモード時に読取手段7によって読込まれた用紙10Bを確実に仕分け可能な距離が確保される。
【0027】
切替えフラップ38の切替え面38Aが水平姿勢である場合において、搬送面36を通過した用紙10A又は用紙10Bは、排出ローラー25によって排出口40側方向に搬送される。排出ローラー25は、切替えフラップ38よりも下流側に設けられ、前記第一搬送ローラー22と同様の構成の駆動ローラー25Aと従動ローラー25Bにより構成される。排出ローラー25は、第三搬送ローラー24により搬送された用紙10A又は用紙10Bを挟み込みながら下流側に搬送し、用紙10A又は用紙10Bは排出面37に沿って排出口40から排出される。
【0028】
一方、切替えフラップ38の切替え面38Aが傾斜姿勢である場合において、搬送面36を通過した用紙10A又は用紙10Bは、排出面37の下方に形成された開口42から取り込まれ、第一収容室3側に搬送される。ガイド通路43は、ガイド44とガイド45とにより所定の間隔を持って形成される。開口42を形成するガイド44の先端面は、傾斜姿勢の切替え面38Aの先端面と略面一であって、切替え面38Aに沿って搬送される用紙10Bをスムースに取り込み可能である。ガイド通路43は、装置本体2側に形成された開口42からカセット11側に形成された排出口48へ湾曲して連通する通路であって、開口42から取り込まれた用紙10A又は用紙10Bは、排出口48を経てカセット11内に収容される。
【0029】
排出口48は、カセット11の湾曲面14に対応する直上に形成される。また、排出口48の上流側近傍には回送ローラー26が設けられる。回送ローラー26は、切替えフラップ38よりも下流側のガイド通路43内に配設される。回送ローラー26は、前記第一搬送ローラー22と同様の構成の駆動ローラー26Aと従動ローラー26Bとにより構成される。回送ローラー26は、ガイド通路43内に進入した用紙10Bの先端を挟み込み、排出口48からカセット11内に排出する。ガイド通路43を経由してカセット11に搬送される用紙10A又は用紙10Bは、湾曲面14により表裏が反転し、カセット11内に収容される。
【0030】
制御装置70は、CPU,ROM,RAM等の所謂ハードウェアを有し、インクジェットプリンター1の動作全般を制御する。制御装置70は、第一送出ローラー21の動作を制御する第一送出ローラー制御部71と、第二送出ローラー27の動作を制御する第二送出ローラー制御部72と、装置本体2に送り出された用紙10A又は用紙10Bを搬送する搬送機構5及び切替えフラップ38の切替え動作を制御する搬送制御部73を備える。また、制御装置70は、記録ヘッド61の液体噴射動作を制御する記録制御部74と、キャリッジ63の往復動作を制御するキャリッジ制御部75と、読取手段7により用紙10A又は用紙10Bの読取り動作を制御する読取制御部76とを備える。また、制御装置70は、上記各制御部を統括し、複数のモードに応じて各制御部を機能させる主制御部77を備える。
以下、各制御部の機能をインクジェットプリンター1に搭載された複数のモードに対応させて説明する。
【0031】
図2は、読取モードのフローチャートを示す。
読取モードは、トレイ50にセットされた用紙10Bに表記された印字情報を図外のコンピューター等にデータ化して出力するモードである。なお、当該モードにおける用紙10Bは被読取媒体となる原稿等である。
主制御部77は、S101において図外のコンピューターや、装置本体2に設けられた図外の釦からの読取開始信号の入力に基づいて、第二送出ローラー制御部72及び搬送制御部73に駆動コマンドを送信し、用紙10Bの搬送を開始する。第二送出ローラー制御部72及び搬送制御部73は、駆動コマンドの受信に基づいて図外の駆動モーターを所定の速度で回転駆動させ、第二送出ローラー27、及び、搬送機構5を構成する第一搬送ローラー22、第二搬送ローラー23、第三搬送ローラー24及び排出ローラー25を一方向に回転させる。また、このとき切替えフラップ38の駆動源39には電力が供給されず、切替え面38Aは水平姿勢を維持する。当該S101の処理により、トレイ50内に収容された用紙10Bは、読取手段7を通過した後、排出口40から排出される。
【0032】
主制御部77は、S101の処理とともにS102において読取制御部76に読取コマンドを送信し、用紙10Bの読取り動作を開始させる。読取制御部76は、読取コマンドの受信に基づいて読取手段7を動作させ、上流側から搬送されてくる用紙10Bの表面の印字情報をスキャンする。
読取制御部76は、読取手段7から逐次入力される検出信号に基づいて、搬送中の用紙10Bの表面上に印字されている印字情報を印字データとして記憶部76Aに格納する。なお、ここで述べる印字情報とは、印刷された文字の情報だけをさすのではなく、文字に限らず印刷された画像の情報も当然に含まれるものである。主制御部77は、S103において、読取手段7による読取りが完了した時点で記憶部76Aに格納された印字データを所定の形式に変換して図外のコンピューターに出力することにより読取モードを終了する。なお、当該読取モードにおいては、トレイ50に用紙10Bを収容するとして説明したが、これに限られるものではなく、カセット11内に原稿となる用紙10Aを収容するようにしてもよい。そしてこの場合、第一送出ローラー制御部71によって第一送出ローラー21が回転駆動する。
【0033】
次に、記録モードについて説明する。図3は、記録モードのフローチャートを示す。
記録モードは、カセット11に収容された用紙10Aやトレイ50に収容された用紙10Bに対して印刷動作を実行するモードである。なお、当該モードにおける用紙10A及び用紙10Bは被記録媒体となる新規な用紙、或いは、少なくとも記録ヘッド61と対向する表面に印字がなされていない所謂裏紙である。
主制御部77は、S201において例えば図外の電源スイッチの押下により電源供給がなされたことに基づいて記録制御部74に対して印刷準備コマンドを送信する。記録制御部74は、当該コマンドの受信により印刷準備動作を実行する。印刷準備動作とは、例えばインクノズルの詰まりを解消するためにインクを空吐出するフラッシング動作や、ノズル面に付着した不要なインクを拭い去るワイピング動作等を含む。
主制御部77は、S202において、図外のコンピューターや、装置本体2に設けられた図外の釦から印刷動作を開始すべき旨の信号が入力され、記憶部76Aに印刷対象となる印字データが有るかを判定し、YESの場合S203に移行し、NOの場合処理を終了する。
【0034】
主制御部77は、S203において第一送出ローラー制御部71又は第二送出ローラー制御部72、及び、搬送制御部73に駆動コマンドを送信し、用紙10A又は用紙10Bの搬送を開始する。なお、第一送出ローラー制御部71及び第二送出ローラー制御部72のいずれに駆動コマンドを送信するかは、トレイ50又は取込口33の近傍に設けられた図外の検出器による用紙10Bの有無により決定される。本実施形態においては、トレイ50に収容された用紙10Bが優先して搬送される。
【0035】
第一送出ローラー制御部71又は第二送出ローラー制御部72、及び、搬送制御部73は、駆動コマンドの受信に基づいて図外の駆動モーターを所定の速度で回転駆動させ、第一送出ローラー21又は第二送出ローラー27、及び、搬送機構5を一方向に回転させる。
主制御部77は、S204において読取制御部76に読取コマンドを送信し、搬送されてくる用紙10A又は用紙10Bの読取り動作を開始させる。読取制御部76は、読取コマンドの受信に基づいて読取手段7を動作させ、上流側から搬送されてくる用紙10A又は用紙10Bの表面の印字情報を読取る。また、読取制御部76は、読取手段7から逐次入力される信号に基づいて搬送中の用紙10A又は用紙10Bの表面上に既に印字がなされている領域(既印字領域)が有るかを判定し、YESの場合S205に移行し、NOの場合S207に移行する。
【0036】
主制御部77は、S205において、記録制御部74及びキャリッジ制御部75に印刷中止コマンドを送信する。記録制御部74は、印刷中止コマンドの受信に基づいて記録ヘッド61によるインクの噴射を中止する。また、キャリッジ制御部75は、印刷中止コマンドの受信に基づいてキャリッジ63の往復動作を中止し、キャリッジ63を桁方向一側部に設けられた所定位置(ホームポジション)に待機させる。
主制御部77は、S206において搬送制御部73に対して排出コマンドを送信し、印字動作が中止された用紙10A又は用紙10Bを排出する。搬送制御部73は当該コマンドの受信に基づいて駆動モーターの回転数を増加し、搬送中であった既印字領域を有する被記録媒体10A又は用紙10Bを直ちに排出口40側へ向かって搬送,排出する。
つまり、S204及びS205の印字動作中止処理により、搬送される用紙10A又は用紙10Bの表面に既に印字された領域がある場合には印字動作が中止されることから、ユーザーが第一収容室3又は第二収容室4内に過って印字済みの用紙10A又は用紙10Bを収容した場合であっても、用紙10A又は用紙10Bの表面上に新たな印字が重なって印刷されるようなことがなくなり、用紙10A又は用紙10Bが無駄となることを確実に防止できる。
【0037】
主制御部77は、S207において、記録制御部74に印字継続コマンドを送信し、用紙10A又は用紙10Bへの印字動作を継続させる。記録制御部74は、印刷継続コマンドの受信、及び、記億部76Aに格納された印字データに基づいてキャリッジ63を往復動作させながら記録ヘッド61によるインク噴射動作を実行し、逐次搬送されてくる用紙10A又は用紙10B上に文字や図形等の情報を印字する。記録手段6により適正な印字がなされた用紙10A又は用紙10Bは、図外のモーターの回転が継続することにより排出ローラー25まで到達し、排出口40を経て排出される。
【0038】
また、S203乃至S207の処理は、S202の判定により記憶部76Aに蓄積された印字データがなくなるまで継続し、対応する印字データに相当する枚数分の用紙10A又は用紙10Bへの印字が完了するまで繰り返され、印字データが無くなると記録モードが終了する。
【0039】
次に、複写モードについて説明する。図4は、複写モードのフローチャートを示す。
複写モードは、トレイ50に収容された用紙10Bを読込み、読込んだ印字データをカセット11内の用紙10Aに印字するモードであり、上述の読取りモードと記録モードとが組み合わされた処理を実行する。当該モードにおける用紙10Aは、被記録媒体となる新規な用紙、或いは、少なくとも記録ヘッド61と対向する表面に印字がなされていない所謂裏紙であり、用紙10Bは、被読取媒体となる原稿等である。以下、複写モードについて概説する。
【0040】
主制御部77は、S301において例えば図外の電源スイッチの押下により電源供給がなされたことに基づいて記録制御部74に対して印刷準備コマンドを送信する。記録制御部74は、当該コマンドの受信により印刷準備動作を実行する。なお、記録制御部74は、印刷準備動作実行後、用紙10Bの読取動作が完了するまで、用紙10Aへの印字動作を保留する。
主制御部77は、S302において第二送出ローラー制御部72及び搬送制御部73に駆動コマンドを送信し、用紙10Bの搬送を開始させる。主制御部77は、S302の処理とともにS303において読取制御部76に読取コマンドを送信し、用紙10Bの読取り動作を開始させる。読取制御部76は、読取コマンドの受信に基づいて読取手段7を動作させ、読取手段7から逐次入力される検出信号に基づいて搬送中の用紙10Bの表面上に印字されている印字情報を印字データとして記憶部76Aに格納する。当該印字データの格納処理は、トレイ50内の用紙10Bが無くなるまで継続し、記憶部76Aには用紙10Bの枚数に応じた印字データが蓄積される。
【0041】
印字データの格納完了後、主制御部77は、S304において記憶部76Aに印刷対象となる印字データが有るかを判定し、YESの場合S305に移行し、NOの場合処理を終了する。主制御部77は、S305において第一送出ローラー制御部71、及び、搬送制御部73に駆動コマンドを送信し、カセット11内に収容された用紙10Aの搬送を開始させる。また、記録制御部74は、保留していた用紙10Aへの印字動作を開始する。
主制御部77は、S306において、読取制御部76に読取コマンドを送信し、用紙10Aの読取り動作を開始させる。読取制御部76は、読取コマンドの受信に基づいて読取手段7を動作させ、上流側から搬送されてくる用紙10Aの表面の印字情報をスキャンする。読取制御部76は、読取手段7から逐次入力される信号に基づいて搬送中の用紙10Aの表面上に既印字領域が有るかを判定し、判定の結果、既印字領域が存在する場合にはS307に移行し、印字がなされている領域が存在しない場合には、S309に移行する。
【0042】
主制御部77は、S307において、記録制御部74に印刷中止コマンドを送信する。記録制御部74は、前述の記録モードと同様に印刷中止コマンドの受信に基づいて、記録ヘッド61及びキャリッジ63の動作を中止する。主制御部77は、S308において搬送制御部73に対して排出コマンドを送信する。搬送制御部73は、前述の記録モードと同様に印字動作が中止された用紙10Aを直ちに排出する。
【0043】
つまり、当該複写モードにおいても、S306及びS307の処理により、搬送される用紙10Aの表面に既に印字された領域がある場合には印字動作が中止されることから、ユーザーが第一収容室3に過って印字済みの用紙10Aを収容した場合であっても、用紙10Aの表面上に新たな印字が重なって印刷されるようなことがなくなり、用紙10Aが無駄となることを確実に防止できる。
なお、上記複写モードにおいては、用紙10A及び用紙10Bをそれぞれカセット11及びトレイ50に収容するものとしたが、例えばカセット11又はトレイ50のいずれか一方に用紙10A上に用紙10Bを重ねて収容するものとしてもよい。このように収容すれば第一送出ローラー21と第二送出ローラー27との切替制御が不要となるため、複写をより速く完了することが可能となる。
【0044】
主制御部77は、S309において、記録制御部74に印字継続コマンドを送信し、用紙10Aへの印字動作を継続させる。記録制御部74は、印刷継続コマンドの受信、及び、記億部に格納された印字データに基づいてキャリッジ63を往復動作させながら記録ヘッド61によるインク噴射動作を実行し、逐次搬送されてくる用紙10A上に文字や画像等の情報を印字する。S305乃至S309の処理は、S304の判定により記憶部76Aに蓄積された印字データがなくなるまで継続し、対応する印字データに相当する枚数分の用紙10Aへの印字が完了するまで繰り返され、印字データが無くなると複写モードが終了する。
【0045】
次に、仕分けモードについて説明する。図5は、仕分けモードのフローチャートを示す。
仕分けモードは、トレイ50内に収容された用紙10Bを排出口40又はカセット11内に仕分ける動作を実行するモードである。当該モードは、例えばユーザーが、所謂裏紙印刷を実行したいような場合に、表裏面の確認を行うことなく印字可能な用紙を自動的にカセット11内に収容するモードであり、当該モードが実行されることにより、裏紙印刷が可能な用紙10Bのみをカセット11内に収容できる。また、当該モードにおける用紙10Bは、例えばユーザーによって印字の有無が確認されていない用紙であり、場合によって記録ヘッド61と対向する表面に既に印字がなされている用紙が混在する用紙である。以下、仕分けモードの処理について説明する。
【0046】
図5に示すように、主制御部77は、S401において、図外のコンピューターや、装置本体2に設けられた図外の釦からの仕分け開始信号の入力に基づいて、第二送出ローラー制御部72及び搬送制御部73に駆動コマンドを送信し、用紙10Bの搬送を開始する。
主制御部77は、S402において、S401の処理とともに読取制御部76に読取コマンドを送信し、用紙10Bの読取り動作を開始する。
読取制御部76は、読取コマンドの受信に基づいて読取手段7を動作させ、上流側から搬送されてくる用紙10Bの表面の印字情報をスキャンする。また、読取制御部76は、読取手段7から逐次入力される信号に基づいて搬送中の用紙10Bの表面上に既印字領域が有るかを判定する。当該判定の結果、既印字領域が存在する場合にはS403に移行し、存在しない場合にはS405に移行する。
【0047】
主制御部77は、S403において切替えフラップ38を動作させることなく、搬送制御部73に対して排出コマンドを送信する。搬送制御部73は、前述の記録モードと同様に印字動作が中止された用紙10Bを直ちに排出する。つまり、当該処理により既印字領域を有する用紙10Bが排出口40から排出される。
一方、主制御部77は、S405において搬送制御部73に経路切替コマンドを送信し、読取手段7を経た用紙10Bの搬送経路をカセット11方向に切替える。搬送制御部73は、経路切替コマンドの入力に基づいて駆動源39に対して駆動信号を出力し、切替えフラップ38の切替え面38Aをガイド通路43側に傾斜させる。切替え面38Aがガイド通路43側に傾斜することにより、切替え面38A上を通過する用紙10Bは、ガイド通路43を経てカセット11内に進入し、印字がなされていない面が下方を向いた状態で収容される。また、上記S401乃至403及びS405の処理は、S404における判定がYESとなるまで継続し、トレイ50内に収容された用紙10Bが無くなると仕分けモードは終了する。
【0048】
つまり、S402,S403及びS405の処理により、搬送される用紙10Bにおける記録手段6と対向する表面に既印字領域がある場合には、裏紙印刷に不適当な用紙として排出口40から排出する一方、表面に既印字領域が存在しない場合には、裏紙印刷に適した用紙としてカセット11内に収容する構成である。
また、ユーザーは、排出口40から排出された用紙10Bの表裏を反転させてから再度トレイ50に収容し、再び仕分けモードを実行することにより、裏紙印刷に適した用紙をカセット11内に収容できる。つまり、本実施形態に係るインクジェットプリンター1によれば、ユーザーは、裏紙印刷を実行する際に、事前に仕分けモードを実行することにより、表裏面を確認することなく裏紙印刷に適した用紙のみを確保することが可能となる。
【0049】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能である。
特に上述の仕分けモードにおける各処理と記録モードにおける各処理とは連続して実行することが可能である。
具体的には、一方のトレイ50内に収容された用紙10Bの中から、読取手段7及び切替えフラップ38による仕分け動作により裏紙印刷に適した用紙のみをカセット11に収容し、さらにカセット11内に収容された用紙10Aを被記録媒体として記録手段6側に搬送することにより、ユーザーは用紙の表裏面を確認することなくトレイ50内に用紙10Bを収容するだけで、裏紙印刷を実行することが可能となる。
また、液体噴射装置をインクジェットプリンターとして説明したが、液体を噴射可能な記録ヘッドを備えていればファクシミリ等その他の装置をも含む。また、液体はインクに限定されるものではなく、液晶ディスプレイ、ELディスプレイ、面発光ディスプレイ、カラーフィルター等の製造に採用される電極材や色材を分散又は溶解した状態のものを含む。また、被記録媒体、或いは、被読取媒体は、所謂普通紙のみに限らず、上記フィルム等、記録部に対して搬送可能なものであれば、特に限定されない。
【符号の説明】
【0050】
1 インクジェットプリンター、2 装置本体、3 第一収容室、4 第二収容室、
5 搬送機構、6 記録手段、7 読取手段、10;10A;10B 用紙、
11 カセット、14 湾曲面、21 第一送出ローラー、
22 第一搬送ローラー、23 第二搬送ローラー、24 第三搬送ローラー、
25 排出ローラー、26 回送ローラー、27 第二送出ローラー、
30 ガイド通路、35 白基準部材、38 切替えフラップ、43 ガイド通路、
50 トレイ、70 制御装置。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送される媒体に対して液体を噴射する記録ヘッドを有する記録手段と、
前記記録手段よりも搬送方向上流側における同一の搬送経路上に設けられ、前記媒体を収容する第1、第2の収容室と、
前記記録手段と前記第1、第2の収容室との間に設けられ、搬送される前記媒体の表面の印字情報を検出する読取手段と、
前記読取手段よりも搬送方向下流側に設けられ、前記読取手段による印字情報の読取り結果に基づいて動作し、前記第1の収容室に収容された前記媒体の搬送経路を下流側に設けられた排出口方向又は前記第2の収容室方向に切替える切替手段とを備えた液体噴射装置。
【請求項2】
前記記録手段及び読取手段を制御する制御装置を備え、
前記制御装置は、前記読取手段に読取られた前記媒体の印字情報の有無を判別する判別手段と、
前記判別手段により前記媒体の印字情報が認識されたときに、前記記録手段による印字動作を中止する印字停止手段とを有する請求項1記載の液体噴射装置。
【請求項3】
前記読取手段の対面側に前記媒体の検出基準となる白基準が設けられ、当該白基準が前記媒体との摩擦を低減する部材である請求項1又は請求項2に記載の液体噴射装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−176838(P2012−176838A)
【公開日】平成24年9月13日(2012.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−41502(P2011−41502)
【出願日】平成23年2月28日(2011.2.28)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】