説明

液体圧送装置

【課題】 作業員によるストレーナの分解・清掃が不要な液体圧送装置を提供する。
【解決手段】 エゼクタ5と循環ポンプ13を駆動流体管14で連通する。駆動流体管14を分岐して、圧送通路6と分岐管15を接続する。分岐管15に圧力感知弁4を取り付ける。圧力感知弁4の出口側をストレーナ3の異物漉取部10と接続する。ストレーナ3を地下ピット1内に配置して、ストレーナ3の入口側に吸込通路2を接続する。
ストレーナ3の異物漉取部10にゴミなどの異物が詰まって駆動流体管14内の流体圧力が設定値以下になると、圧力感知弁4が自動的に開弁して異物漉取部10から吸込通路2側へ流体を供給することによって、異物漉取部10は自動的に清掃される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主に各種プラントや石油化学コンビナート等において、ピットに溜まった水を液体エゼクタで吸引して所定箇所へ圧送することのできる液体圧送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液体圧送装置は、駆動流体源とエゼクタのノズルを駆動流体管で接続して、ノズルの周囲に吸込室を形成し、エゼクタのディフューザを圧送通路と連通して、吸込室と液体溜部を連通する吸込通路を設けたもので、地下ピットに溜まった雨水をエゼクタで吸引して、圧送通路を介して所定箇所へ圧送することができるものである。
【0003】
この液体圧送装置においては、吸込通路に一般的に取り付けられるストレーナの異物漉取部が比較的短時間で詰まってしまい、その都度、作業員がストレーナを分解し清掃しなければならない煩雑さが問題であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−120856号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
解決しようとする課題は、作業員によるストレーナの分解・清掃が不要な液体圧送装置を提供すること。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、駆動流体源とエゼクタのノズルを駆動流体管で接続して、ノズルの周囲に吸込室を形成し、エゼクタのディフューザを圧送通路と連通して、吸込室と液体溜部を連通する吸込通路を設けたものにおいて、吸込通路に流体中の異物を漉し取る異物漉取部を設けたストレーナを介在すると共に、駆動流体管に流体の圧力が設定値以下に低下すると開弁する圧力感知弁を介在して、当該圧力感知弁の出口側をストレーナの異物漉取部と接続したものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明の液体圧送装置は、吸込通路に異物漉取部を設けたストレーナを介在すると共に、駆動流体管に流体の圧力が設定値以下に低下すると開弁する圧力感知弁を介在して、この圧力感知弁の出口側をストレーナの異物漉取部と接続したことによって、ストレーナの異物漉取部に異物が詰まってストレーナからの流体量が減少して駆動流体管内の流体圧力が圧力感知弁の設定値以下になると、圧力感知弁が自動的に開弁してストレーナの異物漉取部へ流体を供給することによって、異物漉取部は自動的に清掃される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の液体圧送装置の実施例を示す構成図。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明の液体圧送装置は、ストレーナを用いるものであるが、このストレーナとしては、従来公知のY型ストレーナなどを用いることができる。
【実施例1】
【0010】
図1は本発明の1実施例の構成図であって、各種工場に数多く設けられている地下ピット1内に溜まった雨水7を圧送する場合に適用した例を示す。液体溜部としての地下ピット1内に配置した吸込通路2とストレーナ3と圧力感知弁4とエゼクタ5、及び、圧送通路6で液体圧送装置を構成する。
【0011】
エゼクタ5の吸込室8内に図示しないノズルを配置すると共に、吸込通路2の上端を接続する。吸込通路2には順次にY型ストレーナ3と逆止弁9を介在する。逆止弁9は、吸込通路2からエゼクタ5側への水の通過は許容するが、反対方向の水の通過は阻止する機能を有する弁である。
【0012】
Y型ストレーナ3は、吸込通路2を入口側と接続し、出口側を逆止弁9と接続すると共に、ほぼ中央部に斜め左上方向に伸びた異物漉取部10を設ける。吸込通路2からストレーナ3内へ流入した地下ピット1内の雨水が、異物漉取部10を通過する間にゴミ等の異物を漉し取られてエゼクタ5に吸引されるものである。
【0013】
エゼクタ5のディフューザ11を、管路12と循環ポンプ13を介して圧送通路6と連通する。管路12は、循環ポンプ13とエゼクタ5を循環接続する駆動流体管14と接続する。駆動流体管14の一部を分岐した分岐管15に圧力感知弁4を取り付ける。圧力感知弁4は、駆動流体管14内の流体の圧力が設定値以下に低下すると自動的に開弁するもので、出口側の分岐管15をストレーナ3の異物漉取部10と接続する。
【0014】
循環ポンプ13を駆動して駆動流体管14内の水をエゼクタ5へ供給することによって、エゼクタ5の吸込室8で吸引力を発生して、吸込通路2からストレーナ3と逆止弁9を通して雨水7を吸引することができるものである。吸引された水の一部は循環ポンプ13を経て圧送通路6から所定の圧送箇所へ圧送されると共に、駆動流体管14からエゼクタ5へと循環される。
【0015】
ストレーナ3の異物漉取部10にゴミなどの異物が詰まってストレーナ3を通過する流体量が減少して駆動流体管14内の流体圧力が圧力感知弁4の設定値以下になると、圧力感知弁4が自動的に開弁してストレーナ3の異物漉取部10から吸込通路2側へ流体を供給することによって、異物漉取部10は自動的に清掃され、異物漉取部10から剥ぎ落とされた異物は、再度、地下ピット1内へ逆流する。
【0016】
上述のように、異物漉取部10が自動的に清掃されることによって、作業員によるストレーナ3の分解・清掃が不要となる。
【産業上の利用可能性】
【0017】
本発明は、異物を多く含んだ水を、エゼクタで吸引する液体圧送装置として利用することができる。
【符号の説明】
【0018】
1 地下ピット
2 吸込通路
3 ストレーナ
4 圧力感知弁
5 エゼクタ
6 圧送通路
8 吸込室
9 逆止弁
10 異物漉取部
11 ディフューザ
13 循環ポンプ
14 駆動流体管
15 分岐管

【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動流体源とエゼクタのノズルを駆動流体管で接続して、ノズルの周囲に吸込室を形成し、エゼクタのディフューザを圧送通路と連通して、吸込室と液体溜部を連通する吸込通路を設けたものにおいて、吸込通路に流体中の異物を漉し取る異物漉取部を設けたストレーナを介在すると共に、駆動流体管に流体の圧力が設定値以下に低下すると開弁する圧力感知弁を介在して、当該圧力感知弁の出口側をストレーナの異物漉取部と接続したことを特徴とする液体圧送装置。

【図1】
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【公開番号】特開2012−87631(P2012−87631A)
【公開日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−232732(P2010−232732)
【出願日】平成22年10月15日(2010.10.15)
【出願人】(000133733)株式会社テイエルブイ (913)
【Fターム(参考)】