説明

液体濾過装置

1つまたはそれ以上の濾過媒体に液体を通過させることにより液体を濾過する濾過装置が提供される。濾過装置は、1つまたはそれ以上の濾過媒体を満たした処理領域を規定するカートリッジを含み、且つ、液体入口及び液体出口を有する。ロッキング機構が、カートリッジを通る液体流内に位置付けられ、且つ、少なくとも1つの濾過媒体の寿命経過時に液体入口及び液体出口の少なくとも1つをロックするように構成されていてもよい。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
液体を濾過媒体に通すまたは循環させることにより、液体の所望の品質を維持することは、例えば、飲料水を濾過する取り組みなど種々の応用において重要である。濾過は一般的に、水中にごく普通に存在する固体粒子及び/または溶存物質及び/または生物学的因子を除去するために有効な手段として認識されている。多種多様な利用可能な技術のうちのどの濾過の方法論を用いるかの選択は、濾過すべき水の特性及び/若しくは汚染度、並びに/または、濾過の方法論の製造コスト及び/若しくは運用コストに依存する。
【0002】
液体を濾過するための、特に飲用水を得るために水を濾過する等のための種々の技術が開発されてきた。これらの技術は典型的には水が通過する濾過媒体を利用する。いくつかの場合において、濾過工程は複数の段階を含み、各段階は汚染物の特定の種類または群に合わせて設計されている。
【背景技術】
【0003】
発明の背景
濾過器、濾過技術及び濾過媒体の例は、本出願の譲渡人に全て譲渡されているUS7,311,829号(特許文献1)、WO08/044230号(特許文献2)、WO08/129551号(特許文献3)及びWO08/026208号(特許文献4)に記載されている。
【0004】
液体濾過器に使用される濾過媒体は有限な耐用寿命を有し、それを過ぎると、濾過して取り除かれた不純物または汚染物で濾過媒体が飽和され、液体からのそれらの除去に有効でなくなる。濾過器がその耐用寿命の終わりに到達した時を表示する手段は、多くの応用において重要である。濾過装置の状態を使用者に表示し、従って、濾過器の効果がなくなったことを使用者が確認できるようにする手段を利用する濾過装置が開発されてきた。このような装置は、例えば、US4,681,677号(特許文献5)、US5,997,734号(特許文献6)及び6,491,811号(特許文献7)、並びに、上に記した国際公開WO08/044230号(特許文献2)に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】US7,311,829号
【特許文献2】WO08/044230号
【特許文献3】WO08/129551号
【特許文献4】WO08/026208号
【特許文献5】US4,681,677号
【特許文献6】US5,997,734号
【特許文献7】US6,491,811号
【発明の概要】
【0006】
概要
本明細書中に開示の局面により、濾過媒体の効果がなくなった時に(使用者の介在の必要なしで)自動的に閉鎖/遮断する能力を持つよう構成された液体濾過装置が提供される。本明細書中の開示の別の局面により、濾過器中の濾過媒体を至適条件下に維持することを可能とするように構成された液体濾過装置が提供される。
【0007】
本発明は、本発明の一局面によると、その中の濾過媒体の少なくとも一部を液体環境中に維持するように構成された新規濾過装置を提供する。これは、濾過媒体が乾燥すると起こり得る、多孔性の喪失を防ぐために重要である。
【0008】
従って、液体部分を少なくとも1つの濾過媒体に通すことにより濾過するための濾過装置が提供される。濾過装置は、少なくとも1つの濾過媒体で満たされた処理領域を含む少なくとも1つのカートリッジと、液体の一部を処理領域に投入するための入口と、液体出口とを含み、カートリッジは次のものを含む:処理領域中に、間隔をあけた関係で、入口から出口までの液体通路中に配置され、液体が容器様空間を通って液体出口で管状容器中へ連続的に流れるように壁の間に容器様空間の列を規定する壁の第一の列であって、管状容器の寸法が、容器様空間の列内で容器が連通する効果を作り出すよう選択され、それにより少なくとも1つの濾過媒体の少なくとも一部を液体環境中に維持する、壁の第一の列。
【0009】
壁の第一の列における壁の配置は、各2つの隣接する容器様空間を通して、上向き及び下向きの交互の液体の流れを規定するようになっている。本発明の特定の態様では、壁の第一の列の各壁は閉ループ構造を有し、そして壁は同心円状に配置される。管状容器は同心円状配置の中心に位置付けられていてもよい。従って、液体は、カートリッジの周辺から中心へ向かう2つの逆向きの全体的な流れの向きで、入口から出口へと流れ得る。ある別の態様では、壁の第一の列における壁は、間隔をあけた板(平面または平面でない)として構成されている。液体は全体的な流れの向きで入口から出口へ、カートリッジの一方から他方へ、管状容器が位置する方へ流れ得る。
【0010】
濾過装置は、処理領域へ向かう途中で液体にさらなる処理をするために、入口へ向かう液体通路中に収容された前処理領域を含んでもよい。例えば、カートリッジはカバーを含み得、そして前処理領域はカバーの内部領域の少なくとも一部中に位置付けられている。前処理は、例えば、栄養または殺菌の有用性のある物質の放出であってもよい。前処理の一例は、前処理領域に含まれるヨウ素含有マトリックスからのヨウ素の放出である。
【0011】
液体が容器様空間に沿って流れる間に2つまたはそれ以上の区画を通るように、好ましくは、処理領域は、液体通路に沿って連続的に配置された複数の区画に分けられる。複数の区画は異なる濾過媒体を含み、そして、異なる濾過媒体の混合を実質的に防ぎつつ、互いの間での液体通過を可能にする方法で互いに連結されている。例えば、隣接する区画の境界面は適当な寸法の孔または膜領域の列を有する。本発明の濾過装置中で使用するのに適する濾過媒体は、例えば、炭質材料、キトサン、イオン交換体、金属酸化物、金属水酸化物等々を含む。
【0012】
濾過媒体(複数または単数)の一部を液体環境中に維持するための上記の技術と組み合わせてもまたは組み合わせなくてもよい、本発明の別の局面によると、本発明は、濾過媒体の効果がなくなった時に自動的に閉鎖/遮断され得る濾過装置を提供する。従って、本発明のこの広い局面によると、液体を1つまたはそれ以上の濾過媒体を通すことによって濾過する濾過装置が提供され、濾過装置は、1つまたはそれ以上の濾過媒体で満たされた処理領域を規定するカートリッジと、液体入口と、液体出口と、カートリッジを通る液体流内に位置付けられ、且つ、少なくとも1つの濾過媒体の寿命経過時に、液体入口及び液体出口のうちの少なくとも1つをロックするよう構成されたロッキング機構とを含む。
【0013】
ロッキング機構は、液体との(直接的または間接的)相互作用の間、連続的または段階的に消えることが可能で、従って可変の体積を有するように選択された構成要素により形成される摩滅性部材を含み、そして、該摩滅性部材に連結され、且つ、ロック解除位置からロック位置へシフトできる機械的アセンブリを含み、シフトが、前記構成要素の体積の減少によって起こり、ロック位置にシフトされた場合、機械的機構が、液体入口及び出口の少なくとも1つを遮断する。
【0014】
機械的アセンブリのロック解除位置は、ある閾値を上回る構成要素の体積に対応し、機械的アセンブリのロック位置は、該閾値と実質的に等しい体積に対応する。
【0015】
ある態様では、摩滅性部材は処理領域の外に位置付けられている。
【0016】
ある態様では、機械的アセンブリは、出口と係合していない引っ込められた位置から、出口と係合し、それによりカートリッジへの液体通路を遮断する解放位置に移動可能な遮断部材を含む。
【0017】
このような機械的アセンブリは、一端が摩滅性部材に結合し、逆側の端が遮断部材と係合した接合具を含み得る。構成要素の体積減少は、遮断部材から外れるまで接合具を遮断部材と引き離し、それにより遮断部材をその解放位置へ解放する。機械的アセンブリは、接合具と結合され、構成要素の体積の減少の間の接合具の動きを制御するバネ様部材を好ましくは含む。
【0018】
ある別の態様では、機械的アセンブリは液体入口と結合され、そして、一方が他方の上にくる並列な関係に配置された少なくとも2枚の板を含んでもよく、各板は、それを通る液体通過のための複数の孔または膜領域を有する。板の配置は、板が互いに対して間隔があけられているか、または、それらの孔若しくは膜領域が整列して位置され、それにより液体がカートリッジへ流れるのを可能にする板の通常の開位置と、板が互いに接触しており、且つ、その孔若しくは膜領域の間でずれが生じるよう方向付けられ、それによりカートリッジへの液体流を遮断する、板が閉じられたロック位置との間でシフトすることができる。
【0019】
板の内の1枚は、接合具によって摩滅性部材に連結され、そして、構成要素の体積の変化による摩滅性部材の位置の変化によって、他の板(1枚または複数枚)に対する移動が駆動される。従って、例えば、上の板は、上の板が少なくとも1枚の他の板から間隔があけられている、板の通常の開位置に対応する特定の位置に接合具により保持され、そして、構成要素の連続的または段階的な体積減少の間、上の板は、少なくとも1枚の他の板と接触する位置へと向かって回転し、その結果、板が閉じられたロック位置となる。回転運動は捩りバネを用いることにより達成され得る。別の例によれば、通常の開位置にある板は、互いに接触するよう配置され、そして、板の少なくとも1枚は、少なくとも1枚の他の板に対して(捩りバネによって)回転可能であり、回転により、板は、板の孔または膜領域の整列に対応した通常の開位置から、孔または膜領域の間にずれが生じる閉じられたロック位置になる。
【0020】
本発明の特定の別の態様では、ロッキング機構は、遮断部材と連結部材とを含む機械的アセンブリを含む。それぞれのバネによって、遮断部材は下向きに偏り、連結部材は上向きに偏っている。遮断部材は、例えば、ベアリングによって下向きの移動が遮断されている。ベアリングは、カートリッジに定常的に含まれる管状構造と結合されており、連結部材の棒によって側方移動が遮断されている。摩滅性部材の体積の変化は、連結部材の棒がベアリングの間の空間から飛び出し、それによりベアリングの側方移動を可能にし、そしてその結果、バネによって連結部材が、遮断部材の下方移動を可能にする位置まで上向きに移動することを引き起こす。好ましくは、遮断部材はその遠心端に、出口のノズルとの密封係合を容易にする柔軟なダイヤフラムを持つ。
【0021】
濾過装置は、ロッキング機構の状態に反応し、且つ、使用者へ提示するための出力データを生じる表示器を含んでもよい。
【図面の簡単な説明】
【0022】
本発明を理解し、そして、実施においてどのように実行すればよいかを示すため、非限定的な実施例により添付の図面を参照して、態様を本明細書に記載する。
【図1】本発明の濾過装置の例の略図である。
【図2A】濾過装置のカートリッジ内の壁の配置の例を示す。
【図2B】濾過装置のカートリッジ内の壁の配置の例を示す。
【図3】カートリッジ内のロッキング機構の例を示す。
【図4A】カートリッジ内のロッキング機構の構成の別の例を示す。
【図4B】カートリッジ内のロッキング機構の構成の別の例を示す。
【図5】図5A〜5Dは、操作前及び操作中の連続的状態における本発明の濾過装置を例示する。
【図6A】カートリッジ内のロッキング機構の別の例を示す。
【図6B】カートリッジ内のロッキング機構の別の例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0023】
態様の詳細な説明
図1を参照すると、液体(例えば、水)を1またはそれ以上の濾過媒体に通すことによって濾過するために、本発明の局面に従って構築され且つ操作される濾過装置10が模式的に図示される。濾過装置10は、携帯飲料水容器または卓上水濾過装置に組み込むようにも、また給水元栓に取り付けられるようにも適切に設計され得る。濾過装置10は、(1つまたは複数の)濾過媒体で満たされた処理領域12を規定するカートリッジ11と、液体入口14と、液体出口16とを有する。
【0024】
好ましくは、その目的及び構成が以下にさらに記載されるロッキング機構40が、カートリッジ11中に提供される。
【0025】
図1にさらに示されるように、カートリッジ11は、処理領域12中に、間隔をあけて、入口14から出口16へ向かう液体通路と実質的に並列な関係で配置された複数の壁Wを含み、そして好ましくはまた、壁Wに対して実質的に垂直に延びる、別の壁の配置を一般的にはLに含む。壁Wは、間に間隔をあけた垂直の流路を規定する。壁W及びLは処理領域12を、以下にさらにその目的を記載する区画に分ける。壁Cは、区画の間に液体が流れるのを可能にするための液体流口(孔または膜領域)を伴って形成される。
【0026】
一般的に、入口14及び出口16が、カートリッジ11から出入りする液体通路としての、1つまたはそれ以上の窓(開口または膜領域)を含んでもよいことが理解されるべきである。例えば、入口はカートリッジに対して周辺を取り巻くように分配されていてもよい。カートリッジは重力送り濾過器として構成され、従って、入口及び出口はそれぞれ処理領域の上部及び底部に位置している。さらに、濾過装置が、カスケード様式で配置された複数のカートリッジを含み得、従って、多段式の濾過装置を形成することが理解されるべきである。
【0027】
図1のカートリッジ、即ち、その処理領域12の構成の2つの具体的で非限定的な例を示す図2A及び2Bを参照する。理解を容易にするため、本発明の全ての例において共通な要素を見分けるために同じ参照番号が用いられる。
【0028】
図2A及び2Bの両方の例で示されるように、カートリッジ11は、処理領域中に、入口14から出口16へ向かう液体通路中に間隔をあけた状態で配置された複数の壁Wを含む。この配置は、壁Wの間に容器様空間A、B、C、Dの列を規定する。液体はこれらの容器様空間を連続的に通り、液体出口にある管状容器18へ流れ込む。管状容器18の寸法(その高さ)は、(1つまたは複数の)濾過媒体の少なくとも一部が常に液体環境中に維持されるように、容器A、B、C、D及び18の配置において、容器が連通する効果を作り出すよう選択される。より詳細には、濾過装置への液体の部分毎の供給を考慮すると、一定量の濾過された液体が、次の部分が処理領域に供給されるまで容器中に残る。さらに、管状容器18の直径は、濾過装置を通る液体の流速を規定する。例えば、濾過装置を通る液体の流速は約6分/リットルであるよう選択され得る。
【0029】
さらに、両方の例において示されるように、壁Wは、2つの隣接するU型の相互接続された各々の容器様空間を通る、上向き及び下向きの交互の流れを規定するように配置されている。これは、濾過される液体の乱流を起こし、それにより液体と(1つまたは複数の)濾過媒体の粒子との間の相互作用を増加させ、そして、濾過された液体の品質を高める。
【0030】
図2Aの例に示されるように、板様の壁Wの間の空間を、液体入口14から液体出口16への全体的な流れの方向dで液体が流れるような形状である。液体出口は管状容器18内に作られている。
【0031】
図2Bの例中、各壁Wは閉ループ構造(例えば、円形または多角形)を有し、そして、同心円状に配置される。管状容器18は中央容器Dに位置付けられている。液体は、処理領域12の周辺(容器A)から中央(容器D)へ、相対する全体的な流れの方向d1及びd2に流れる。
【0032】
図2Bの例中にさらに示されるように、濾過装置10は、処理領域12の入口16へ向かう液体通路内に前処理領域22を規定していてもよい。例えば、カートリッジはカバー24を有していてもよく、そして、前処理領域22はカバー24の内部領域(少なくともその一部)内に位置付けられている。
【0033】
カートリッジ11を通る液体流内に位置付けられているロッキング機構の構成の例を示す図3を参照する。一般的に40にあるロッキング機構は、(1つまたは複数の)濾過媒体の寿命経過時に、液体入口または液体出口のいずれか、または、その両方と結合されるよう構成される。図3における本発明の例では、ロッキング機構は液体出口16と結合されている。
【0034】
ロッキング機構40は、液体との相互作用の間に連続的/段階的に消えることが可能な種類の特定の構成要素により形成された摩滅性部材42を含む。この構成要素の体積は従って、濾過装置の作動中、カートリッジ中に摩滅性部材42を組み込んだ後の作動初期の最大値から、液体との相互作用の結果のその最小値まで変化する。この最小値は、処理領域内の(1つまたは複数の)濾過媒体がさらなる濾過をすることのできない状態に対応する構成要素量についての閾値を示す。該構成要素の(1つまたは複数の)材料及び最大体積は、濾過の要件(例えば、1つまたは複数の濾過媒体、濾過される液体、カートリッジ体積等々)に従って選択されることが理解される。ロッキング機構40内にさらに提供されるのは、摩滅性部材42と連結された機械的アセンブリ44であり、これは、摩滅性部材42の構成要素の体積の減少によって、機械的アセンブリのロック解除位置からロック位置にシフト可能である。機械的アセンブリ44がロック位置にシフトされた場合、液体出口16を遮断するような構成である。従って、機械的アセンブリ44のロック解除位置は、ある閾値を上回る構成要素42の体積の値に対応し、機械的アセンブリ44のロック位置は、閾値と実質的に同等な体積に対応する。
【0035】
摩滅性部材42における使用に適する摩滅性材料は任意の公知の種類を含んでもよく、例えば、水の濾過のためには、摩滅性構成要素は重合体または非重合体の材料を含んでもよいことが特筆される。典型的には、これらは分解されることなく濾過媒体中にゆっくりと溶解する材料、可溶性断片に分解する材料、または、小さな不溶性粒子若しくは断片に徐々に崩壊する材料を含み得る。これらの材料は、濾過された液体に到達するまでに捕捉されるか、または、人が食べても安全で且つ不必要な味若しくは臭いを付けないかのいずれかである。好適な材料の種々の例が、例えば、本出願の譲受人に譲渡されているWO08/044230号中に記載されている。
【0036】
一般的に、摩滅性構成要素の選択は、濾過される特定の液体、並びに、温度、圧力、添加物の有無等々の濾過条件により規定される。摩滅性構成要素は、液体または液体中の要素により摩滅可能である。摩滅性構成要素の液体への曝露の度合いは、該構成要素の摩滅の度合いと相関する。
【0037】
摩滅性部材42は任意の好適な形及び大きさであってよい。摩滅性部材42は実質的に硬い固体物、または、柔軟な固体物、または、中空部材であり得、1つまたは複数の材料により、例えば、多層構造に作られていてもよい。異なる材料は異なる摩滅率を有し得、従って、材料が層毎に摩滅する際、構成要素の体積に漸進的な変化を提供する。
【0038】
図3に戻ると、機械的アセンブリ44は管状容器18と整列された遮断部材46を含み、そして、遮断部材46は、管状容器18に対して引っ込められた位置から解放位置に移動可能である。引っ込められた位置のうちのいずれか1つにある場合、遮断部材46は、出口16から外れ(図中に示されるように出口の上に位置する)、解放位置にある場合、出口16と係合する(管状容器18に沿って下向きに移動)。
【0039】
遮断部材46の引っ込められた位置から解放位置への移動は、摩滅性/消えることが可能な構成要素の体積変化により駆動される。これは、機械的アセンブリ44、即ちその遮断部材46を、接合具48を介して摩滅性部材42に連結することにより実行される。示されるように、接合具48は、その一端48Aにおいて、摩滅性部材42に結合し、逆側の端48Bで遮断部材46と係合されている。構成要素の連続的な体積減少が、遮断部材46から遠ざける方向d3へ、接合具と遮断部材48が外れる位置まで接合具48を「引っ張り」、それにより遮断部材48は解放位置へ解放される。本発明の具体的であるが限定的ではない例において、接合具48と遮断部材46との間の連結は、留金様部材49を提供し、そして、遮断部材46の上側末端をそこに連結することにより達成される(例えば、留金様部材49は遮断部材46と一体式であってもよい)。接合具48はその末端48Bが、滑り込むことを利用して留金様部材49の内側に取り付けられる。最初の最大値から(閾値に対応する)最小値への構成要素42の体積の変化は、留金様アセンブリ49から解放されるまで方向d3へ、接合具48を滑って移動させ、それによって、遮断部材46から外れ、液体出口16を遮断するように遮断部材を管状容器18中へ「落とす」。
【0040】
好ましくは、機械的アセンブリ44は、接合具48と摩滅性部材42との間に相互接続するバネ部材52を含む。(構成要素の体積減少の間の)方向d3への接合具48の動きは従って、バネ52の張力により制御される。
【0041】
図3中にさらに示されるように、本発明の例では、液体出口の遮断は、遮断部材46と管状容器18との間の連結により達成される。より詳細には、遮断部材46はその遠心端で管状容器18に挿入されることができる。さらに、機械的アセンブリ44は、管状容器18に対する遮断部材46の動きを制限する制限機構54を含む。制限機構54は、2つの間隔をあけた位置において遮断部材46を支える、2つの支持要素54A及び54Bにより形成される。本発明の例において、これらは、遮断部材54A上に取り付けられたリング様要素54A及び54Bであり、要素54Aは遮断部材46に結合し、要素54Bはカートリッジ(管状容器46が位置付けられている容器様空間Dの壁または管状容器)に結合する。従って、遮断部材46の管状容器18へ向かう方向への滑動は、リング様要素54Aと54Bとの間の距離により制限される。
【0042】
要素54A及び54Bは、磁力により互いに引き寄せられる磁気要素であってもよい。遮断部材46の最初の引っ込められた位置(消えることが可能な構成要素の最大体積に対応)では、要素
【0043】
次に、ロッキング機構40の構成の別の例を図示する図4A及び4Bを参照する。この例では、ロッキング機構は液体入口14と結合されている。上記の例と同様に、ロッキング機構40は摩滅性部材42と、摩滅性部材42に連結され、且つ、該部材42(即ち、構成要素の体積の変化)により、液体入口の通常の開位置からその閉じられた遮断位置に駆動される機械的アセンブリ44とを含む。機械的アセンブリ44は板の配置56(一方が他方の上にくる並列関係で配置された、少なくとも2枚の板56A及び56B)を含む。これらの板56A及び56Bはカートリッジのカバー(図2Bでは24)と結合されていてもよい。各板は、液体通過のための複数の孔または膜領域を一般的に58に有する。2枚の板のこれらの孔が少なくとも部分的に整列する時、水が流れ、そして、整列していない時、水の流れは遮断される。板56のうちの1枚は、摩滅性部材42に連結されており、摩滅を介した板の動きにより、ロッキング機構の通常の開位置に対応する位置から、閉じられたロック位置への、一方の板の他方に対する相対的移動が起こる。
【0044】
一般的に、ロッキング機構の通常の開位置は、板の、互いに対して間隔をあけ、それによりカートリッジへの液体流を可能にするような配置に対応し得る。あるいは(または加えて)、通常の開位置は、互いに接触し、且つ、他方に対して、それらの孔または膜領域が整列するよう方向付けられ、それによりカートリッジに液体が流れるようになっている板に対応し得る。閉じられたロック位置は、互いに接触しており、且つ、それらの孔または膜領域の間にずれが生じるよう方向付けられ、それによりカートリッジへの液体の流れを遮断するようになっている時の板の位置に対応する。
【0045】
図4A及び4Bの例では、板56A及び56Bもまた互いに接触しており、そして、板のうちの一枚、例えば上の板56Aは、他方の板56Bに対して回転してもよい。板56A及び56Bは、それらの孔/膜58について整列した位置に保たれ、そして、摩滅性部材42により(板56Aの回転を介して)ずれた位置に駆動される。より詳細には、摩滅性部材42は、遮断部材46に連結され、且つ、(図4Bに見られる)接合具48を介して、板56Aに連結される。接合具48は捩りバネ(示さず)と結合されていてもよい。遮断部材46はもう一方の板56Bと結合可能である。これは、遮断部材46を、板56B(図中に特には示さず)に堅く結合され、遮断部材46を溝に沿って滑動させることのできる支持体60中に形成された溝62に差し込むことにより実行される。バネ52は、遮断部材46の上向き動作を制御するために提供される。ロッキング機構の開位置では、遮断部材46は、支持体60と連結され(溝62内に位置付けられ)、それにより板56Aと56Bとの間の結合を(支持体60及び接合具48を介して)維持する。消えることが可能な構成要素の体積の変化は、遮断部材46を溝62から外れるまで上向きに押し上げる、垂直位置の変化を起こす。これは、支持体60(板56B)と接合具48(板56A)との間の乖離を起こし、それにより板56Aを板56Bに対して、孔/膜がずれる位置まで回転させ、処理領域への液体入口を遮断する。
【0046】
本発明の濾過装置はこのように、装置のさらなる使用を自動的に阻止すること、即ち、濾過媒体の寿命経過時に自動的に液体入口及び/または液体出口を遮断することを可能にする。この技術は使用者の介在を必要とせず、即ち、濾過装置を遮断するための使用者による入力を必要としない。しかしながら、濾過装置は、濾過装置が機能しない状態について使用者に知らせる表示器を含んでもよい。
【0047】
濾過装置、即ち、そのロッキング機構及び表示器についての4つの連続した位置を例示する図5Aから5Dについて参照する。この例においては、ロッキング機構は、図4A〜4B に関して上に記載される例と同様に構成される。濾過装置10は、ロッキング機構(特に示さず)を組み込んだ、カバー24を伴って形成されたカートリッジを有し、そして表示ユニット70を備える。表示ユニットは、カバー24上に取り付けられ、且つ、摩滅性部材(図4A〜4B中42)若しくはロッキング機構40、またはその両方と連絡しており、そして、消えることが可能な構成要素の体積及び/またはロッキング機構の位置の変化に対して反応して濾過器状態についての表示、特に濾過器がその耐用寿命に達した時の表示を提供するように構成されている。例えば、表示器70は、定規または目盛り74、及び、定規に沿った動きのために取り付けられたスライダ72を有し;スライダ74は、遮断部材と連絡しており、そして、遮断部材の動きがスライダ72の動きと相関されるように較正されている。
【0048】
図中にさらに示されるように、濾過装置10は、カートリッジをロック位置に保ち、カートリッジ内の摩滅性部材の液体環境への不必要な曝露を防ぐよう、カートリッジに取り外し可能に取り付けられた外部ロッキング機構76も含んでもよい。図5Aは作動前の濾過装置を示す:ロッキング機構76は、カバー24に作られた対応する開口78に結合した操作位置にあり、濾過装置の周囲環境から摩滅性部材を遮蔽する。濾過装置を作動させるために、ロッキング機構76はカバーから取り外される(図5B)。濾過装置のこの最初の操作位置では、板56A及び56Bは、その孔/膜58の間が垂直に整列するよう方向付けられ、そして、表示器70のスライダ72は、消えることが可能な構成要素の最大体積に対応する低い位置にある。装置の作動の間、摩滅性部材は濾過される液体と相互作用し、消えることが可能な構成要素の体積の減少及びそれに対応したスライダ72の、消えることが可能な構成要素の体積の最小の閾値に対応する一番上の位置、従って、液体入口の閉じられた遮断位置、即ち、濾過装置の作動しない位置(図5D)までの上向きの動きを起こす(図5C)。
【0049】
上に示されるように、カートリッジは、種々(一般に少なくとも2つ)の異なる濾過媒体による液体の濾過を可能にするよう好ましくは構成される。これは、処理領域を区画の列に分けることにより実行される。これは図4A及び4Bでより良く示される。上でも述べたように、隣接する区画Cは、該区画各々中の異なる濾過媒体の間での混合を実質的に防ぐような方法で、互いに液体連通している。これは、区画Cの間の壁L中に、それを介しての液体通過を許し、且つ、各々の濾過媒体の粒子の通過を防ぐ寸法の孔/膜を設けることにより達成され得る。
【0050】
図6A及び6Bを次に参照すると、濾過装置10の別の態様が示される。上に記載されたものと同じ機能の要素は同じ参照番号で示され、そして、その機能の説明について、読者は上の記載を参照できる。本態様では、ロッキング機構40は液体出口16の管状部材18と結合されている。
【0051】
本態様のロッキング機構40は、遮断部材46と連結部材48とを有する機械的アセンブリ44を含み、各々のバネ52A及び52Bにより、前者は下向きに偏り、後者は上向きに偏っている。部材46は、ベアリング80によりその下向きの移動が遮断されており、ベアリングは、カートリッジ11に定常的に、例えばカバー24と一体で含まれる管状構造84の内面上に形成された環状凹所82中に保持される。ベアリング80の側方移動は連結部材48の棒86により遮断される。
【0052】
摩滅性部材の摩滅(即ち、体積変化)により、連結部材48はバネ52Bにより、棒86がベアリング80間の空間から飛び出す位置まで上向きに移動し、そしてその結果、ベアリング80は横に動くことができ、それにより図6B中に示されるように遮断部材46の下向きの動きが可能になる。遮断部材46はその遠心端に、図6Bで示された状態では出口ノズル90との密封係合を提供する、柔軟な(例えばゴムからできた)ダイヤフラム88を持つ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つまたはそれ以上の濾過媒体に液体を通過させることにより液体を濾過する濾過装置であって、該1つまたはそれ以上の濾過媒体で満たされた処理領域を規定するカートリッジと;液体入口と;液体出口と;カートリッジを通る液体流内に位置付けられ、且つ、該少なくとも1つの濾過媒体の寿命経過時に液体入口及び液体出口のうちの少なくとも1つをロックするよう構成されたロッキング機構とを含む、濾過装置。
【請求項2】
ロッキング機構が以下を含む、請求項2記載の濾過装置:
液体との相互作用に応じて連続的または段階的に消えることが可能なように選択された構成要素により形成され、それにより可変の体積を有する、摩滅性部材;及び
該摩滅性部材と連結され、且つ、ロック解除位置からロック位置へシフトすることができる機械的アセンブリであって、前記構成要素の体積減少によりシフトが駆動されて、該機械的アセンブリがロック位置にシフトされた場合に、液体入口及び液体出口のうちの少なくとも1つを遮断する、機械的アセンブリ。
【請求項3】
機械的アセンブリのロック解除位置が、ある閾値を上回る前記構成要素の体積に対応し、且つ、機械的アセンブリのロック位置が、該閾値と実質的に等しい体積に対応する、請求項2記載の濾過装置。
【請求項4】
機械的アセンブリが、出口と係合していない引っ込められた位置から、出口と係合し、それにより液体通路をカートリッジから遮断する解放位置へ移動可能な遮断部材を含む、請求項2または3記載の濾過装置。
【請求項5】
機械的アセンブリが、一端が前記構成要素に結合し、逆の端が前記遮断部材と係合した接合具であって、該構成要素の体積減少が該接合具を遮断部材から外れるまで引き離し、それにより遮断部材をその解放位置に解放する接合具を含む、請求項4記載の濾過装置。
【請求項6】
機械的アセンブリが、前記構成要素の体積の減少の間、接合具の動きを制御するように前記接合具と結合されたバネ部材を含む、請求項5記載の濾過装置。
【請求項7】
機械的アセンブリが、液体入口と結合され、且つ、一方が他方の上にくる並列な関係で配置された少なくとも2枚の板を含み、各板が、それを通る液体通過のための複数の孔または膜領域を有し、該板の配置が、液体がカートリッジに流れ込めるように該板が互いに対して位置される通常の開位置と、液体がカートリッジに流れ込むのを遮断するよう位置される閉じられたロック位置との間でシフト可能な配置である、請求項2または3記載の濾過装置。
【請求項8】
板の配置が開位置にある場合、板の間の空間を通って液体が流れるように板が互いに対して間隔があけられており、板の配置が閉位置にある場合、板が互いに接触し、且つその孔または膜領域の間にずれが生じるように方向付けられている、請求項7記載の濾過装置。
【請求項9】
板の配置が開位置にある場合、板が互いに接触し、且つその孔または膜領域が整列するように方向付けられ、板の配置が閉位置にある場合、板が互いに接触し、且つその孔または膜領域の間にずれが生じるように方向付けられている、請求項7記載の濾過装置。
【請求項10】
板の最初の一枚が、接合具により、該板の通常の開位置に対応する位置に保持され、ここで、その第一の板が第二の板から間隔があけられており、前記構成要素の体積減少の間、第一の板が第二の板と接触する位置へ向かって動き、その結果、板が閉じられたロック位置になるように、接合具が摩滅性部材に連結されている、請求項8記載の濾過装置。
【請求項11】
接合具がバネ部材と結合されている、請求項9記載の濾過装置。
【請求項12】
板が互いに接触するよう配置され、且つ、板の少なくとも1枚が他の少なくとも1枚の板に対して回転可能であり、該少なくとも1枚の板の回転により、板が、その孔または膜領域の整列に対応する通常の開位置から、その孔または膜領域がずれている閉じられたロック位置になり、該回転が前記構成要素の体積の減少により引き起こされるように、板の少なくとも1枚が摩滅性部材に連結されている、請求項8記載の濾過装置。
【請求項13】
少なくとも1枚の板と前記構成要素との連結が、バネ部材を介したものである、請求項13記載の濾過装置。
【請求項14】
ロッキング機構が、遮断部材と連結部材とを含む機械的アセンブリを含み、それぞれのバネにより、該遮断部材が下向きに偏っており、且つ連結部材が上向きに偏っている、請求項1から3のいずれか一項記載の濾過装置。
【請求項15】
遮断部材の下向きの移動が、カートリッジに定常的に含まれる管状構造と結合されたベアリングにより遮断されており、該ベアリングの側方移動が、連結部材の棒により遮断されている、請求項14記載の濾過装置。
【請求項16】
摩滅性部材の体積の変化が、連結部材の棒がベアリングの間の空間から飛び出す点までの、バネによる連結部材の上向きの移動を引き起こして、ベアリングの側方移動を可能にし、それにより遮断部材の下向きの移動を可能にする、請求項15記載の濾過装置。
【請求項17】
遮断部材がその遠心端に、出口のノズルとの密封係合を可能にする柔軟なダイヤフラムを持つ、請求項16記載の濾過装置。
【請求項18】
ロッキング機構の状態に反応し、且つ、使用者へ提示するための出力データを生じる表示器を含む、請求項6から17のいずれか一項記載の濾過装置。
【請求項19】
少なくとも1つの濾過媒体で満たされた処理領域を含む少なくとも1つのカートリッジと、該処理領域に液体部分を投入するための入口と、液体出口とを含む、液体部分を少なくとも1つの濾過媒体に通過させることにより濾過するための濾過装置であって、該カートリッジが、該処理領域中の入口から出口へ向けての液体通路中に、空間をあけた関係で配置された第一の壁の列であって、液体が、該容器様空間を通って液体出口で管状容器へと連続的に流れるように、壁と壁の間に容器様空間の列を規定する、壁の列を含み、該管状容器の寸法が、該容器様空間の列の中で容器が連通する効果を作り出し、それにより該少なくとも1つの濾過媒体の少なくとも一部が液体環境中に維持されるように選択される、濾過装置。
【請求項20】
第一の壁の列が、閉ループ構造を有し、且つ、同心円状に配置されている、請求項19記載の濾過装置。
【請求項21】
管状容器が同心円状配置の中心に位置付けられている、請求項20記載の濾過装置。
【請求項22】
第一の列の壁が、各2つの隣接する容器様空間を通る、上向き及び下向き交互の液体の流れを規定するように配置されている、請求項19から21のいずれか一項記載の濾過装置。
【請求項23】
入口へ向かう液体通路中に収容された液体前処理領域を含む、請求項19から22のいずれか一項記載の濾過装置。
【請求項24】
前処理領域が、カートリッジのカバーユニットの内部領域の少なくとも一部の中に形成される、請求項23記載の濾過装置。
【請求項25】
カートリッジが処理領域内に少なくとも2つの区画を含み、該区画が液体通路に沿って連続的に配置され、且つ、少なくとも2つの異なる種類の濾過媒体を各々含有し、隣接する区画が、異なる濾過媒体の混合が実質的に防止された状態で、それらの間の液体通過が可能な様式で互いに対して連結されている、請求項19から24のいずれか一項記載の濾過装置。
【請求項26】
前記区画が、壁の第一の列、及び、壁の第一の列に対して傾けられている壁の第二の列により形成されており、第二の列の壁が複数の孔または膜領域を伴って形成されている、請求項25記載の濾過装置。
【請求項27】
少なくとも1つの濾過媒体が以下より選択される、請求項19から26のいずれか一項記載の濾過装置:炭質材料、キトサン、イオン交換体、金属酸化物及び金属水酸化物。
【請求項28】
カートリッジを通る液体流内に位置付けられ、且つ、少なくとも1つの濾過媒体の寿命経過時に液体入口及び液体出口のうちの少なくとも1つを遮断するよう構成されたロッキング機構を含む、請求項19から27のいずれか一項記載の濾過装置。
【請求項29】
ロッキング機構が以下を含む、請求項28記載の濾過装置:
液体との相互作用に応じて連続的または段階的に摩滅するよう選択され、それにより可変の体積を有する構成要素により形成された摩滅性部材;並びに
該摩滅性部材に連結され、且つ、ロック解除位置からロック位置にシフトできる機械的アセンブリであって、シフトが前記構成要素の体積の減少により駆動されて、該機械的アセンブリがロック位置にシフトされた場合に液体入口及び液体出口の少なくとも1つを遮断する、機械的アセンブリ。
【請求項30】
機械的アセンブリのロック解除位置が、ある閾値を上回る前記構成要素の体積に対応し、且つ、機械的アセンブリのロック位置が、該閾値と実質的に等しい体積に対応する、請求項29記載の濾過装置。
【請求項31】
機械的アセンブリが、管状容器に沿って、出口と係合していない引っ込められた位置から、出口と係合し且つそれにより液体通路をカートリッジから遮断する解放位置へ移動可能な遮断部材を含む、請求項29または30記載の濾過装置。
【請求項32】
機械的アセンブリが、一端が前記構成要素に結合し、逆の端が前記遮断部材と係合した接合具であって、該構成要素の体積減少が、該接合具を、遮断部材から外れるまで引き離し、それにより遮断部材をその解放位置まで解放する接合具を含む、請求項31記載の濾過装置。
【請求項33】
機械的アセンブリが、前記構成要素の体積の減少の間、接合具の動きを制御するように接合具と結合されたバネ部材を含む、請求項32記載の濾過装置。
【請求項34】
機械的アセンブリが、液体入口と結合され、且つ、一方が他方の上にくる並列な関係で配置された少なくとも2枚の板を含み、各板が、それを通る液体通過のための複数の孔または膜領域を有し、該板の配置が、液体がカートリッジに流れ込めるように該板が互いに対して位置される通常の開位置と、液体がカートリッジに流れ込むのを遮断するよう位置された閉じられたロック位置との間でシフト可能な配置である、請求項29または30記載の濾過装置。
【請求項35】
板の配置が開位置にある場合、板の間の空間を通って液体が流れるように、板が、互いに対して間隔があけられており、板の配置が閉位置にある場合、板が、互いに接触し、且つその孔または膜領域の間にずれが生じるように方向付けられている、請求項34記載の濾過装置。
【請求項36】
板の配置が開位置にある場合、板が、互いに接触し、且つその孔または膜領域が整列するように方向付けられ、板の配置が閉位置にある場合、板が、互いに接触し、且つその孔または膜領域の間でずれが生じるように方向付けられている、請求項34または35記載の濾過装置。
【請求項37】
板の最初の一枚が、接合具により、該板の通常の開位置に対応する位置に保持され、ここで、その第一の板が第二の板から間隔があけられており、前記構成要素の体積減少の間、第一の板が第二の板と接触する位置へ向かって動き、その結果、板が閉じられたロック位置になるように、接合具が摩滅性部材に連結されている、請求項35に記載の濾過装置。
【請求項38】
接合具がバネ部材と結合されている、請求項37記載の濾過装置。
【請求項39】
板が互いに接触するよう配置され、且つ、板の少なくとも1枚が他の少なくとも1枚の板に対して回転可能であり、該少なくとも1枚の板の回転により、板が、その孔または膜領域の整列に対応する通常の開位置から、その孔または膜領域がずれている閉じられたロック位置になり、該回転が前記構成要素の体積の減少により引き起こされるように、板の少なくとも1枚が摩滅性部材に連結されている、請求項36記載の濾過装置。
【請求項40】
少なくとも1枚の板と前記構成要素との間の連結が、バネ部材を介したものである、請求項21記載の濾過装置。
【請求項41】
ロッキング機構が、遮断部材と連結部材とを含む機械的アセンブリを含み、それぞれのバネにより、遮断部材が下向きに偏っており、且つ連結部材が上向きに偏っている、請求項28から30のいずれか一項記載の濾過装置。
【請求項42】
遮断部材の下向きの移動が、カートリッジに定常的に含まれる管状構造と結合されたベアリングにより遮断されており、該ベアリングの側方移動が、連結部材の棒により遮断されている、請求項41記載の濾過装置。
【請求項43】
摩滅性部材の体積の変化が、連結部材の棒がベアリングの間の空間から飛び出す点までの、バネによる連結部材の上向きの移動を引き起こして、ベアリングの側方移動を可能にし、それにより遮断部材の下向きの移動を可能にする、請求項42記載の濾過装置。
【請求項44】
遮断部材がその遠心端に、出口のノズルとの密封係合を可能にする柔軟なダイヤフラムを持つ、請求項43記載の濾過装置。
【請求項45】
ロッキング機構の状態に反応し、且つ、使用者へ提示するための出力データを生じる表示器を含む、請求項28から44のいずれか一項記載の濾過装置。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【公表番号】特表2013−504414(P2013−504414A)
【公表日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−528500(P2012−528500)
【出願日】平成22年9月7日(2010.9.7)
【国際出願番号】PCT/IL2010/000741
【国際公開番号】WO2011/030340
【国際公開日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【出願人】(511094750)シュトラウス ウォーター リミテッド (2)
【Fターム(参考)】