説明

液体燃料の改質及びエマルジョン処理装置

【課題】液体燃料を省スペースで効率よく改質、エマルジョン処理できる装置を提供する。
【解決手段】液体燃料を改質する為の、セラミックス、磁気等1による燃料改質器及び改質循環ポンプ3を接続した改質循環流通パイプ5と、エマルジョン処理燃料を作る為の、ラインミキサー10及びエマルジョン循環ポンプ9を接続したエマルジョン循環流通パイプとを、連結パイプ6により連結し、これらを主流通パイプ4に接続した液体燃料の改質及びエマルジョン処理装置。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】

【技術分野】
【0001】
本発明は、石油燃料等の液体燃料の改質及びエマルジョン処理を同時に行う処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、セラミックスや磁界を通して処理された液体燃料には改質効果があり、例えば改質された石油燃料を用いた場合の内燃機関やボイラーの性能に及ぼす影響については、一般に燃料消費率の低減、排気ガス中のCO濃度及び黒鉛濃度の低減等に効果があるとされている。
【0003】
このセラミックスや磁界を通して処理される改質作用は、たとえば石油燃料の場合では、微粒化が促進される為であると言われており、この理由については、油中の凝集不純物がセラミックス、磁界によって分解分散させられること、磁界による磁力線やセラミックスから出る遠赤外線によって炭素化合物が低分子化すること、燃料の分子間に働いている引力バランスを崩すこと等で微粒化すること、あるいは一種の触媒現象が関与している等の諸説が考えられている。
【0004】
そこで、従来の磁界を使用した装置では液体燃料の流通パイプの途中に磁石のS極とN極を対向して設置しているのである。流れている液体燃料が磁場内を通過することにより改質作用を受けるが、1度だけ通過するよりも、複数回通過する方が効果的であることが知られている。
【0005】
同様に、セラミックスを使用した装置では液体燃料の流通パイプの途中にセラミックス充填容器を接続し、流れている液体燃料がセラミックスを通過することにより改質作用を受けるが、1度だけ通過するよりも、複数回通過したり、長時間接触した方が効果的であることが知られている。
【0006】
又、軽油、重油等の液体燃料に水を15〜20%程度混合し、エマルジョン処理した燃料は、水の高温爆発により燃料が微細化され燃焼効率が向上し省エネ効果が有ることが知られている。
【0007】
ところが、従来のエマルジョン処理装置は、液体燃料と水及び乳化剤をタンク内で攪拌しなければならず、大きなスペースが必要であった。この問題点をラインミキサーにより解決することが出来るが、ラインミキサーでエマルジョン処理するには、少なくとも毎分6リットル以上の流量が必要になり、この消費量以下のボイラー等の機器ではエマルジョン処理された燃料をタンクに一時的に保管し、そこから徐々に使用する必要があった。
【0008】
さらに、消費流量が多いボイラー等の消費機器でも消費流量が一定でない為、一定の流量が必要なラインミキサーとボイラーとを直接々続することは困難であり、一時保管タンクが必要であった。
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記のように燃料改質については、流通パイプに沿って磁石を配置したり、セラミックスを通過させたりして効率良く処理を行おうとすれば、長い距離に磁石を定間隔で多数配置したり、セラミックス充填容器を長くしなければならず、流通パイプも必然的に長くなり、圧力損失、設置するスペースの問題も発生するのであった。
【0010】
エマルジョン処理については、エマルジョン処理された燃料を一時的にタンクに保管することにより、時間の経過と共に水と油が分離するという問題があった。又、ラインミキサーを一度だけ通過するよりも複数回通過する方がよりエマルジョン化が促進されることも分かっている。
【0011】
そこで本発明は、液体燃料を省スペースで改質とエマルジョン処理を同時に効率的に行うことが、出来る装置を提供せんとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の処理装置において、請求項1の発明は、先ず改質循環流通パイプにセラミックス充填容器、循環ポンプを直列に接続し、さらに磁石のS極とN極をパイプに対して対面して設置し、次にエマルジョン循環流通パイプにラインミキサー、循環ポンプを直列に接続し、これら二つの循環流通パイプを連結パイプにより連結し、それぞれの循環流通パイプに主流通パイプを接続したことを特徴とするものである。
【0013】
このような回路を接続しても、主流通パイプの流通に全く影響を及ぼさないことが確認されている。
【作用】
【0014】
主流通パイプより流入した液体燃料は、改質循環ポンプにより改質循環流通パイプ内を循環し、対面した磁界、セラミックス充填容器内を複数回通過することにより、改質処理が行われることになる。
【0015】
改質処理された液体燃料は、連結パイプを通してエマルジョン循環流通パイプに流入しエマルジョン循環ポンプによりラインミキサー内を複数回循環し、改質されたエマルジョン処理燃料となり、主流通パイプの一方を通して必要な分だけ流出することになる。
【0016】
それぞれの循環流通パイプ内の流量を、主流通パイプの流量の複数倍にしておけば、複数回改質、エマルジョン処理された液体燃料が主流通パイプから流出することになる。
【実施例】
【0017】
本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施の形態を示す平面図であり、改質前の燃料油は主流通パイプ4を通して改質循環流通パイプ5に入り、改質循環ポンプ3を介してセラミックス充填容器2内を通過して循環する。改質循環流通パイプ5には対面して磁石1が設置してある。
改質循環ポンプ3の位置は、図1の様に吸入側に主流通パイプ、吐出側にセラミックス充填容器2を接続した方が良い。
【0018】
次に、改質循環流通パイプ5内を循環して改質された燃料油は、連結パイプ6を介して連結されたエマルジョン循環流通パイプ13に流入する。
エマルジョン循環流通パイプ13には、改質された燃料油をさらにエマルジョン処理燃料にする為に、エマルジョン循環ポンプ9、ラインミキサー10が接続されている。
【0019】
エマルジョン循環ポンプ9の吸入側には、乳化剤用定量ポンプ8を介して乳化剤タンク7が接続されている。
ラインミキサー10には、水用定量ポンプ11を介して水が供給されている。エマルジョン循環ポンプ9は、図1の様に吐出側とラインミキサーの入口側を接続する。
【0020】
これら二つの循環処理により、改質、エマルジョン処理された燃料油は、必要な量だけ主流通パイプ12を通して燃料消費機器に供給されることになる。
燃料油の流れ方向は、矢印で示した。
【0021】
改質については、例えば主流通パイプを流れる流量を毎分1リットルとした場合、改質循環ポンプの吐出量を毎分10リットルにすれば、約9回循環することになり、エマルジョン処理については、毎分6リットルのエマルジョン循環ポンプを接続しておけば、毎分1リットルの消費量でもエマルジョン処理燃料の供給は安定して可能である。
【発明の効果】
【0022】
以上のように本発明は、処理装置内へ液体燃料を導入すれば、循環改質装置で効率良く改質処理し、エマルジョン処理装置では省スペースで効率良くエマルジョン処理し、改質とエマルジョン処理が同時になされた燃料を、安定して供給することが出来るものである。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本装置の平面図である。
【図2】本発明の他の実施の形態、直列接続を示す平面図である。
【図3】本発明の他の実施の形態、並列接続を示す平面図である。
【符号の説明】
1 磁石
2 セラミックス充填容器
3 改質循環ポンプ
4 主流通パイプ
5 改質循環流通パイプ
6 連結パイプ
7 乳化剤タンク
8 乳化剤用定量ポンプ
9 エマルジョン循環ポンプ
10ラインミキサー
11水用定量ポンプ
12主流通パイプ
13エマルジョン循環流通パイプ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
セラミックス、磁気等による燃料改質器及び循環ポンプを接続した循環流通パイプと、ラインミキサー及び循環ポンプを接続した循環流通パイプとを連結パイプで連結し、これらを主流通パイプに接続したことを特徴とする液体燃料の改質及びエマルジョン処理装置。
【請求項2】
気・液体の主流通パイプに、気・液体を循環させる為の循環ポンプ等の循環装置及び改質器を接続した循環流通パイプを、直列又は並列に、直接又は連結パイプを介して複数個接続したことを特徴とする流通回路。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2007−248036(P2007−248036A)
【公開日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−112686(P2006−112686)
【出願日】平成18年3月17日(2006.3.17)
【出願人】(506107988)有限会社パワーライフ石川 (4)
【出願人】(506107999)
【Fターム(参考)】