説明

液体試料中の粒子を分析するための方法及び装置

本発明は、試料保持装置中に保持されている液体試料中の粒子を分析するための方法に関り、この方法は、画像取得装置を用いて、この試料保持装置中の異なる複数の焦点面で、試料の複数の画像を取得することと、前記試料中のどの粒子が前記各画像で焦点を合わせて撮像されるかを特定するために、画像分析装置を用いて前記画像を分析することと、焦点を合わせて撮像されると見なされたこれら粒子を分析することと、を具備しており、前記複数の画像は、異なるほぼ平行である焦点面のところで取得され、これら焦点面は10マイクロメートルより短い間隔だけ互いに離間されている。更に、本発明は、本発明の方法のために用いられるように適用されている装置に関わる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、試料保持装置中に保持されている液体試料中の粒子の画像分析のための方法及び装置に関わる。
【背景技術】
【0002】
液体試料中の粒子を分析すること、例えば、粒子の濃度と種類とを決定することは、多くの種々の分野の産業、例えば農業、医療において非常に重要である。
【0003】
液体試料中の粒子を研究する従来の方法は、視覚的に、粒子が小さい場合は可能な限り顕微鏡を用いる。粒子の濃度が、特別な計数チャンバ、例えばビュルカーチャンバ(Buerker chamber)中の試料を顕微鏡で検査することによって、手動の作業で一般的に得られる。この計数チャンバには、明確に規定された容量でこのチャンバを仕切っているグリッドが、設けられている。粒子は、顕微鏡が前記計数チャンバ中の全ての粒子に焦点を合わせて容易に計数できるように、前記計数チャンバの底に安定して置かれる。かくして、前記試料は、計数が行われる前に、数分間落ち着かせる必要がある。粒子の計数は、信頼できる分析を行うことができるように、分析の経験豊かな分析者によって、手動で果たされる。
【0004】
このような分析は、多大な時間を要する。更に、前記分析は手動で行われるので、分析結果が、分析を実施する人によって変わり得る。また、前記分析は、比較的わずかな粒子が計数され、既存の計数チャンバの多くが正確ではないために、正確でないことが多い。
【0005】
液体試料中の粒子の濃度を決定するための自動の分析方法が、多少ある。特に生物学的粒子、例えば細胞粒子に関して、粒子の濃度と大きさとが、インピーダンスの感知に基づくコールターの原理(the Coulter principle)によって決定され得る。このコールターの原理による白血球の計数方法が、特許文献1に開示されている。コールターの原理に従った測定装置が高価であるため、これは相当の投資である。かくして、病院もしくは研究所が、この装置を1つ以上購入したがらない。従って、この分析は、1つの中心的な場所で実施されなければならず、患者は、分析結果を待たなければならなくなる。
【0006】
特許文献2には、牛乳中の体細胞の数を決定するための方法が、開示されている。この方法は、試料コンパートメントに多量の試料を入れることと、この試料コンパートメントから検出部材のアレイに電磁信号を送ることとを具備している。検出された電磁信号の強度が処理される。これの結果は、前記試料中にある細胞の数と関連する。
【0007】
特許文献3は、試料中の粒子の計数及び分類の装置と方法とを開示している。この方法は、試料の少なくとも1つのデジタル画像を取得する工程と、前記画像中の焦点を合わせて撮像された粒子を特定する工程と、これら粒子の種類と数とを決定する工程とを有する。前記粒子が動物細胞である場合、レンズとして作用して細胞質及び細胞膜によって生じる細胞の端部での光学現象が、どの細胞が焦点を合わせて撮像されているかを特定するために、用いられる。また、画像が前記試料中の異なる複数の焦点面で取得され得ることが、開示されている。しかしながら、これら焦点面がどれだけ離れているべきかについては、言及されていない。
【0008】
生物学的試料のような液体試料中の粒子を分析するための従来の自動の方法を、高速化及び簡潔化することが、依然として求められている。この分析が、治療時に行われ得るように、迅速で、簡潔で、比較的安価な分析方法を提示することが、特に有効となるであろう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】US5262302
【特許文献2】WO98/50777
【特許文献3】WO2008/010761
【発明の概要】
【0010】
本発明の目的は、試料中の粒子、例えば白血球、血小板、もしくはバクテリアの計数の決定を可能にする簡潔な分析を提供することである。
【0011】
かくして、本発明の一態様に係われば、試料保持装置中に保持されている液体試料中の粒子を分析するための方法が、提供される。この方法は、画像取得装置を用いて、前記試料保持装置中の異なる複数の焦点面での、前記試料の複数の画像を取得することと、分析された複数の画像のいずれか1の画像に、焦点を合わせて撮像されている試料の粒子を特定するために、そして、特定された各々の粒子に対して、前記分析された画像のどの画像に前記粒子が撮像されているかを特定するために、画像分析装置を用いて、前記複数の画像を分析し、前記分析された画像のいずれか1の画像に焦点を合わせて撮像されていると特定された粒子を、各々の粒子が焦点を合わせて撮像されていると特定された各々の画像を用いて分析することと、を具備している。前記複数の画像は、ほぼ平行な異なる複数の焦点面で取得され、これら焦点面は、10マイクロメートルより短い間隔で、互いに離間されている。焦点を合わせて撮像されている粒子の特定は、各々の前記粒子に対して、粒子が識別できる画像を見つけることと、粒子が存在している前記画像の領域と識別できる粒子が存在していない前記画像の領域との間の最大の光度差を決定することと、同じ粒子が識別できる他の画像中の対応する光度差を決定することと、前記光度差が最大である画像を特定することとによって果たされる。かくして、前記粒子は、この特定された画像に焦点を合わせられていると見なされる。
【0012】
粒子が依然として焦点を合わせて撮像されている異なる複数の焦点面で複数の画像を取得することによって、より多くの試料が、覆われ得る。かくして、より大きな試料保持装置が用いられ得、前記焦点面に直交する前記試料の深さが、大きくなり得る。分析が濃度の決定を含む場合、この分析は、分析される試料の量が増えるので、比較的低い濃度の粒子に対して果され得る。
【0013】
前記画像を取得する前に、前記試料が落ち着くのを待つ必要がない。この試料では、一時停止状態の粒子が、撮像され得る。
【0014】
複数の画像を異なる複数の焦点面で取得することと、どの粒子がどの画像中で焦点を合わせて撮像されているかを決定することとによって、各々の前記粒子が前記試料中のどのくらいの深さにあるかを決定することが、可能である。かくして、例えば、少なくとも2つの重複する粒子は、これら粒子が前記試料中の異なる深さにあるために、互いに離間されることが可能である。
【0015】
また、複数の画像を異なる複数の焦点面で取得することと、どの粒子がどの画像中で焦点を合わせて撮像されるかを決定することとによって、前記焦点面に直交する粒子のディメンションを決定することが可能である。しかしながら、このことは、前記焦点面間の間隔に対してずっと大きい前記粒子に、当然依存している。
【0016】
前記焦点面間の間隔が短いほど、例え高倍率であっても、粒子は、より精度良く焦点を合わせて撮像され得る。かくして、前記焦点面間の間隔が減じられると、より小さい粒子が、分析のために撮像され得る。また、複数の画像を異なる複数の焦点面で取得することの効果が間隔の縮小によって高まるのに従って、前記粒子は、より詳細に撮像及び分析され得る。
【0017】
ある焦点面から他の焦点面への変位は、例えば、前記試料と前記画像取得装置との間に位置されているレンズや他の光屈折媒体を移動させることによって、果たされる。本発明のように少しの距離だけ前記焦点面を変位させるために、例えば、圧電モータが、レンズの移動のために用いられる。更に、このようなモータは、前記レンズを素早く、精度良く移動させるという効果を有している。
【0018】
前記焦点面は、互いにほぼ平行であり、画像取得装置から前記試料を通って延びている光軸に対して直交している。
【0019】
画像分析装置は、焦点を合わせて撮像されている粒子、例えば細胞が特定されるように、複数の画像を分析する。このことは、比較的濃度の高い試料の画像を取得することを可能にし、一方で、焦点を合わせられている粒子のみが、計数されるか、そうでなければ分析される。焦点を合わせられている粒子のみが計数されることを確実にすることによって、即ち、粒子が非常に明瞭に詳細まで撮像される場合、前記粒子の種類の特定が、試料中で、行われ得る。同時にこの特定は、粒子の統計的に信頼できる体積測定(volumetric enumeration)を決定するために、用いられ得る。
【0020】
前記焦点面間の間隔の縮小の効果は、この間隔を更に縮小することによって、高まる。かくして、この間隔は、好ましくは、5マイクロメートルより短く、より好ましくは、2マイクロメートル、特に1.8マイクロメートルより短く、もしくは、1.6マイクロメートルより短いか、更に短い。
【0021】
どの粒子がどの画像で焦点を合わせて撮像されているかを特定するとき、異なる複数の焦点面で取得された異なる画像が、好ましくは互いに比較される。ある特定の粒子が、互いに隣接している(即ち、10マイクロメートルより短い間隔だけ互いに離間されている)異なる複数の焦点面を有する異なる画像中で、代表的に、識別され得る。どの画像でこの特定の粒子が最も精度良く焦点を合わせて撮像されているかを特定するために、それぞれの前記画像間のコントラストが、選択基準として用いられ得る。かくして、前記特定の粒子が存在している画像の領域と、認識できる粒子が存在していない画像の領域即ち背景との最大の光度差が、決定される。同じ粒子が認識できる他の画像は、同じ方法で研究される。かくして、前記特定の粒子に対して最大のコントラストを示す画像が、特定され得、前記粒子は、この特定された画像で焦点を合わせられていると見なされる。そして、同じ工程が、取得されたどの画像でも、認識可能な全ての粒子に対して繰り返される。
【0022】
更に、補足もしくは代替案として、取得された複数の画像のどの画像でどの粒子が焦点を合わせて撮像されているかを特定することが、画素、即ち、試料の偏差に基づいて、為され得る。画素の偏差は、偏っている(biased)(S)か、偏りが修正されている(bias-corrected)(SN―1)。この偏りが修正された画素の偏差は、下記の式に従って計算される。
【数1】

【0023】
取得されたどの画像で粒子が焦点を合わせて撮像されているかを特定するために画素の偏差を用いる場合、前記粒子を有している領域と、粒子の最近接の周囲(背景)とが、規定される。そして、画素の偏差は、この規定された領域に対して決定される。最大の画素の偏差を有していると特定された画像は、粒子が焦点を合わせられていると見なされる画像である。そして、この工程は、取得されたどの画像でも、認識可能な他の粒子に対して繰り返される。
【0024】
かくして、本発明の態様に従って、試料保持装置中に保持されている液体試料中の粒子を分析するための方法が、提示される。この方法は、画像取得装置を用いて、前記試料保持装置中の異なる複数の焦点面での、試料の複数の画像を取得することと、分析された複数の画像のいずれか1の画像に、焦点を合わせて撮像されている試料の粒子を特定するために、そして、特定された各々の粒子に対して、前記分析された画像のどの画像に前記粒子が撮像されているかを特定するために、画像分析装置を用いて前記画像を分析し、前記分析された画像のいずれか1の画像に焦点を合わせて撮像されていると特定された粒子を、各々の粒子が焦点を合わせて撮像されていると特定された各々の画像を用いて分析することと、を具備している。前記複数の画像は、ほぼ平行な異なる複数の焦点面で取得され、これら焦点面は、10マイクロメートルより短い間隔だけ互いに離間されている。焦点を合わせて撮像されている粒子の特定は、各々の前記粒子に対して、粒子が認識できる画像を見つけることと、見つけられた画像の、前記粒子と粒子の最近接の周囲とを含んでいる領域を規定することと、規定された領域の画素の偏差を決定することと、同じ粒子が認識され得る他の画像の対応する領域の画素の偏差を決定することと、前記画素の偏差が最大である画像を特定することとによって、果たされる。かくして、前記粒子は、特定された画像中で、焦点を合わせられていると見なされる。
【0025】
光度差を決定することを含む本発明の方法に係る上の説明は、画素の偏差を決定することを含む本発明の方法に関連する適用可能な部分である。この説明について、言及される。以下の説明は、発明の両方法の随意の特徴に係る。
【0026】
前記特定の粒子は、粒子が認識できる各々の画像のほぼ同じ空間位置を有することによって、前記複数の画像中で同じ粒子として、特定され得る。これは、前記画像は、異なる複数の焦点面で、前記画像取得装置から前記試料を通って延びる光軸に沿って取得され、側方には変位されないからである。かくして、前記画像は、前記試料の同じ領域にあり、異なる深さにある。前記粒子は、液体試料中にあり、かくして時間の経過と共にわずかに移動するかもしれないので、比較的短時間で前記画像を取得することが望ましい。好ましくは少なくとも2つの画像、より好ましくは、少なくとも5つの画像、最も好ましくは、少なくとも10の画像が、毎秒取得される。このことは、全体的に分析の速度を上げる。
【0027】
どの本発明の方法も、前記複数の画像を重ねることと、これによって異なる複数の焦点面で焦点を合わせて撮像されている全ての粒子を含む重ねられた画像を取得することとを、更に有し得る。かくして、前記試料の分析された全ての量が、1つの2次元の画像に表され得る。この画像では、前記試料の粒子は、撮像される時に各々の粒子が実際にこの試料の容量のどれほどの深さのところにあったかに関らず、焦点を合わせられて表示され得る。
【0028】
好ましくは、前記複数の画像は、各画像間の一定の間隔、即ち10マイクロメートルより短い間隔で移動される焦点面に1つのみの画像が、連続して取得される。画像を取得するこの方法は、すばやく、単純な装置を用いて果たされ得る。
【0029】
より多くの画像が取得される場合には、より多くの前記試料が、覆われ得る。上述のように、試料の量が多いほど、例えば濃度の測定がより精度良くなり得、また、粒子の濃度は、より低く決定され得る。従来は、少なくとも10、好ましくは少なくとも20、より好ましくは少なくとも50、更により好ましくは少なくとも100、最も好ましくは少なくとも200の画像が、本発明に従って取得され得る。
【0030】
更に、多量の試料を分析できるようにするために、前記試料保持装置は、撮像のための液体試料を、試料が前記焦点面に直交して十分に大きい深さを有するように、提供することができる。前記深さは、好ましくは少なくとも100マイクロメートル、より好ましくは少なくとも200マイクロメートル、更により好ましくは少なくとも500マイクロメートルである。
【0031】
従来、前記試料保持装置は、前記試料の深さが少なくとも1ミリメートルかこれ以下であるように、撮像のための試料を提供するように構成されている。このことは、前記試料保持装置が、1ミリメートル以下のディメンションを有するチャンバを有し得ることを意味しており、液体試料が、毛管作用によってこのチャンバ中に案内されることができる。かくして、前記液体試料は、前記チャンバと前記装置の外側とを連通させている入口を通って、ピペットやポンプのような装置を必要としないで、前記チャンバ中に直接吸収され得る。特に、血液が、患者の注射された指から、前記チャンバ中に直接吸収され得る。当然、前記チャンバの他のディメンションは、より大きくても良く、前記画像取得装置によって撮像される前記試料の領域がどのくらい大きいかによるけれど、実際は、他のディメンションは、大きい方が望ましい。
【0032】
本発明は、生物学的な分析に特に関る。かくして、前記液体試料は、生物学的な試料、例えば牛乳、尿、脊髄液、もしくは、血液、即ち、全血もしくは血漿であり得る。
【0033】
また、前記粒子は、生物学的な細胞であり、例えば真核細胞、好ましくは哺乳類細胞、より好ましくはヒトの白血球細胞のようなヒト細胞であり得る。しかしながら、前記焦点面間の間隔が小さいために、より小さな細胞も本発明に従えば十分に分析され得るので、前記粒子は、代替案として、20マイクロメートルより、従来では10マイクロメートルより、好ましくは5マイクロメートルより、更に好ましくは2マイクロメートルより小さい、最大直径を有し得る。本発明による分析に関るこのように小さい生物学的粒子の例として、バクテリア、ウィルス、血小板がある。
【0034】
上述されているように、分析の一例として、本発明の方法は、前記試料の粒子の濃度を決定するために用いられ得る。このとき、特定される粒子の数が、撮像される試料の体積に関連して、見積もられる。この体積は、前記試料の撮像される深さが加えられた前記試料の撮像領域によって、規定される。この撮像領域は、画像取得装置の選択と、拡大もしくは縮小とが組み合わされて決定される。前記撮像される深さは、画像の数と、各画像間の間隔との関数である。この分析は、前記間隔が十分に短いことに、あるいは、全ての粒子に関して、これら粒子が、前記撮像される画像で計数されるために、即ち、前記画像の少なくとも1つの画像中で焦点を合わせて撮像されるために、十分な大きさであることに、当然依存している。本発明によって可能になり得る更なる分析が、異なる種類の粒子を決定する。前記異なる種類の粒子は、それぞれの物理的な特徴によって決定され得る。このような特徴は、例えば、前記粒子の大きさ、色、乳白光(opalescence)、及び/もしくは形であり得る。好ましくは、本発明に係る前記粒子の分析は、前記試料中の異なる種類の粒子の比率が決定され得るように、前記粒子の種類と量とを決定することを含んでいる。焦点を合わせて撮像されていると特定されたこれら粒子の分析は、かくして、前記粒子の種類と量とを決定することを有し、これら種類は、前記粒子の物理的な特徴によって識別され、前記試料中の異なる種類の粒子の比率は、決定される。
【0035】
分析されるこれら粒子は、画像が取得される前に、着色剤によって着色され得る。このことは、前記粒子が、背景にある液体から、より容易に識別できるようになり得ることを意味している。例えば、前記粒子が、真核細胞である場合、細胞核を選択的に着色する着色剤が、使用され得る。前記取得された画像中の識別可能性を更に改良するために、前記試料は、前記着色剤によって吸収される特定の波長の光によって照射され得、前記細胞核は、より明るい背景に対して、暗い領域、もしくは、暗いドットとして、明瞭に撮像される。あるいは、前記着色剤は、例えば、分析される粒子に特別に結びつく蛍光染料、もしくは、蛍光で印付けされた抗体、もしくは、抗体の一部分であり得る。そして、前記試料は、前記染料や抗体の蛍光色素分子(fluorophore)によって吸収される電磁波によって照射され得、前記画像取得装置は、前記蛍光色素分子によって放たれる電磁波を明確に検出するように、適用され得、前記着色された粒子は、暗い背景に対して明るい領域、もしくは、明るいドットとして、撮像される。
【0036】
前記着色剤は、液体試料が前記試料保持装置中に案内されるまで、乾燥した状態でこの試料保持装置内に存在し得る。かくして、前記着色剤は、製造中に、前記試料保持装置中に入れられ得る。前記着色剤は、例えば、前記装置中のチャンバの壁で乾燥され得、前記液体試料が、このチャンバ中に導入され、前記着色剤を溶解し、前記試料の画像が、この試料保持装置のチャンバ中で、本発明に従って獲得される。さらに、全血の試料中の赤血球を溶解させるための溶血素(haemolysing agent)、もしくは、例えば液体試料が毛管作用によって前記試料保持装置中に吸収されるのを容易にするための湿潤剤のような、他の試薬もしくは化学薬品が、着色剤の代わりに、もしくはこれに加えて、前記試料保持装置に入れられ得る。本発明の方法による分析のために必要な全ての化学薬品を含むことによって、前記試料保持装置は、直接的に、前記装置のチャンバ中に試料を入れ、分析のためにこの試料を提供することを可能にする。試料を用意する必要がない。実際、前記チャンバは、上述のように毛細血管である場合、血液試料が、患者の注射された指から直接前記チャンバ中に吸収され得、もしくは、試料が、チューブやくぼみのような異なる種類の容器から、直接前記チャンバ中に吸収され得る。前記試料保持装置に試薬を提供することによって、前記試料を分析のために使用できる状態にするための反応が、前記試料保持装置内で可能となる。この反応は、前記試料が前記試薬に触れると、開始される。かくして、前記試料を手動で用意する必要が無く、このことによって、この分析は、実験室で、例えば患者が待っている間に、直接的に行われるのに、特に適切となる。
【0037】
前記試薬は、乾燥した状態で与えられるので、前記試料保持装置は、使用できる状態のキットであり、このキットは、前記試料保持装置の有用性に影響する事無く、長時間移動され且つ蓄積され得る。かくして、前記試薬を備えた試料保持装置が、試料の分析を行うよりずっと前に、製造され得、且つ、用意され得る。
【0038】
前記試料保持装置は、使い捨て用であり、即ち、一度のみ使用されるように構成され得る。前記試料保持装置は、一度のみの使用のために適用される場合、試料保持装置をクリーニングする可能性、あるいは、試薬を再利用する可能性に全く配慮すること無く、形成され得る。更に、前記試料保持装置は、プラスチックの材料によってモールド成形され得、従って、低コストで製造され得る。かくして、使い捨ての試料保持装置を用いることは、依然として、費用効果をもたらし得る。
【0039】
前記画像取得装置は、デジタルカメラであり得る。このような画像取得装置は、取得される画像の全領域を、同時に撮像することができ、この後、前記画像は、デジタル画像の分析のための画像分析装置に、直接与えられ得る。このカメラは、例えば、CCD型、もしくは、CMOS型であり得る。
【0040】
例えば、撮像される粒子の大きさと、前記画像取得装置の解像度とに基づいて、前記液体試料の拡大もしくは縮小のどちらかの画像を取得することが、有効であり得る。前記拡大もしくは縮小は、光屈折媒体によって果たされ得る。この光屈折媒体は、例えば、レンズであり、このレンズは、前記試料と画像取得装置との間で前記光軸と交わるように位置付けられている。便宜上、2−50x、好ましくは2−30x、より好ましくは2−20x、最も好ましくは3−10xの倍率が、用いられる。しかしながら、非常に小さな粒子、例えばバクテリア、ウィルス、もしくは血小板が分析される場合、更に大きな倍率、例えば、10−50x、より好ましくは10−35x、最も好ましくは10−20xが、好ましい。例え大きな倍率が用いられても、多くの画像が、前記試料中の異なる複数の焦点面で取得され得るので、十分に大きな容量が、前記画像によって依然として覆われ得る。かくして、前記試料の撮像される容量は、前記複数の画像によって覆われる前記試料の深さを加えられた前記試料の撮像領域によって、規定される。
【0041】
上述のように、使用される光学的拡大もしくは縮小は、前記画像取得装置の解像度に連関している。この解像度は、便宜上、少なくとも3メガピクセル、好ましくは少なくとも5メガピクセル、特に、6メガピクセルもしくはそれ以上である。
【0042】
本発明の他の態様に従えば、液体試料中の粒子を分析するための測定装置が提供される。この装置は、画像取得装置と、画像分析装置と、前記液体試料を保持する試料保持装置を支持するように構成されているホルダと、前記画像取得装置と前記ホルダとの間に位置されている光屈折媒体とを具備している。焦点面は、前記試料保持装置がホルダによって支持される時、この試料保持装置中を段階的に移動可能である。これによって前記画像取得装置は、前記試料保持装置中の、互いにほぼ平行であり10マイクロメートルより短い間隔だけ互いに離間されている異なる複数の焦点面で、前記試料の複数の画像を取得するように適用されている。前記画像分析装置は、どの粒子が焦点を合わせて撮像されているかを特定し、焦点を合わせて撮像されていると見なされたこれら粒子を分析するために、少なくとも1つの取得された画像を分析するように構成されている。焦点を合わせて撮像されている粒子の特定は、各々の前記粒子に対して、粒子が認識できる画像を見つけることと、粒子が存在している前記画像の領域と、認識できる粒子が存在していない前記画像の領域との間の最大の光度差を決定することと、同じ粒子が識別できる他の画像中の対応する光度差を決定することと、光度差が最大である画像を特定することとによって果たされる。かくして、前記粒子は、特定された画像中で、焦点を合わせられていると見なされる。
【0043】
あるいは、本発明は、液体試料中の粒子を分析するための測定装置を提供する。この装置は、画像取得装置と、画像分析装置と、液体試料を保持する試料保持装置を支持するように構成されているホルダと、前記画像取得装置と前記ホルダとの間に位置されている光屈折媒体とを具備している。焦点面は、前記試料保持装置がホルダによって支持される時、この試料保持装置中を段階的に移動可能である。これによって前記画像取得装置は、前記試料保持装置中の、互いにほぼ平行であり10マイクロメートルより短い間隔だけ互いに離間されている異なる複数の焦点面で、前記試料の複数の画像を取得するように適用されている。前記画像分析装置は、どの粒子が焦点を合わせて撮像されているかを特定し、焦点を合わせて撮像されていると見なされたこれら粒子を分析するために、少なくとも1つの取得された画像を分析するように構成されている。焦点を合わせて撮像されている粒子の特定は、各々の前記粒子に対して、粒子が識別できる画像を見つけることと、見つけられた画像の、前記粒子と粒子の最近接の周囲とを含んでいる領域を規定することと、規定された領域の画素の偏差を決定することと、同じ粒子が識別され得る他の画像の対応する領域の画素の偏差を決定することと、この画素の偏差が最大である画像を特定することとによって、果たされる。かくして、前記粒子は、特定された画像中で、焦点を合わせられていると見なされる。
【0044】
以下の説明は、両方の更なる測定装置に関わる。
【0045】
この装置は、本発明の方法に関して上に説明された試料保持装置を受けるように構成されているホルダを有しており、このホルダは、本発明に従って画像が取得される液体試料を保持する。
【0046】
前記焦点面は、前記装置の光軸に沿って前記液体試料を通って段階的に移動され得、この軸は、前記画像取得装置から前記ホルダを通って、各間隔が10マイクロメートルより短くなるように延び、各段階を追って、画像を取得することを可能にしている。
【0047】
前記焦点面は、例えば、レンズのような光屈折媒体を、前記ホルダと画像取得装置が停止している間に、前記装置の光軸に沿って移動させることによって、移動される。前記焦点面を、本発明に従った短い距離だけ、且つ、十分に速く、十分な精度と再生産性と安定性とを伴って、移動させるために、前記光屈折媒体を移動させるように圧電モータを使用することが好ましい。
【0048】
いずれの前記装置も、前記試料保持装置中に保持されている試料を照射するように構成されている電磁放射源を更に具備している。いずれの従来の放射源も、例えば、発光ダイオード、レーザー、グロー球も、使用され得る。光源は、前記試料の粒子を、前記画像中で容易に識別できるようにする。特定の波長によって前記試料を照射することが望ましい場合、この波長は、従来の手段によって、例えば前記光源に組み合わされた染色性のフィルターもしくはレーザーによって、得られる。
【0049】
本発明の方法に係る上の説明は、本発明の装置に関連する適用可能な部分である。この説明について、言及される。
【0050】
本発明の装置及び方法は、使用者の観点から、全血のような液体試料の非常に簡単な分析を提供している。この分析は、複雑な測定装置、あるいは高度な工程が技師によって果たされることを、必要としない。従って、この分析は、例えば患者の検査に直接つなげて、有能な技術者を必要としないで、実行され得る。ただ、分析される試料が、前記試料保持装置に案内されてこの保持装置によって保持されることが、求められるだけである。このとき、前記試料は、本発明の方法に従って、好ましくは本発明の装置によって、自動で分析され得、これに対する直接の反応で、前記装置が、分析結果を提供し得る。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】図1は、本発明に係る装置の概略図である。
【図2】図2は、本発明に係る方法のフローチャートである。
【図3】図3は、本発明の方法もしくは装置の好ましい実施形態に使用され得る圧電モータの概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0052】
図1を参照すると、本発明の装置は、光源434と、試料保持装置410と、(5xの倍率を有し、6メガピクセルの解像度の画像取得装置と、焦点面を移動させる機能とを備えた)光学システム438と、光を画像取得装置440に導くための絞り450とを、具備している。この装置は、試料の幾つかのデジタル画像を異なる光学設定によって得るように構成されている。例えば、前記幾つかのデジタル画像は、試料710の10の異なる層720a−720jの像を撮像し得る。
【0053】
図2を参照して、白血球の体積測定のための方法が、説明される。この方法は、試料保持装置中への血液試料を得ること(工程102)を有している。不希釈の全血の試料が、この試料保持装置中に入れられる。この試料は、毛細管血もしくは静脈血から取得されても良い。毛細管血の試料は、患者の注射された指から前記試料保持装置のチャンバへと直接引き込まれても良い。この血液試料は、前記試料保持装置内で溶血剤と着色剤とを含んでいる乾燥試薬に触れて、反応を起こす。赤血球が溶解され、前記着色剤は、前記試料の白血球の核中に蓄積される。血液試料を入れてから数分のうちに、この試料は、分析され得る状態になる。代わって、血液試料は、取得されて溶血剤及び着色剤と混ぜ合わされてから、前記試料保持装置中に導かれる。そして、前記試料保持装置は、本発明の装置中に設置される(工程104)。分析が、この装置のボタンを押すことによって開始され得る。代わって、この分析は、前記試料保持装置の存在を検出する装置によって、自動的に開始される。
【0054】
この試料に、光が照射され(工程106)、6メガピクセルの解像度を有する複数のデジタル画像が、この試料の異なるそれぞれの層で、即ち、1.6マイクロメートルの間隔だけ互いに離間されており5xの光学倍率を有する異なる複数の焦点面で、取得される(工程108)。この試料には、着色剤の吸収ピークに対応する波長の電磁波放射線が照射される。このことは、デジタル画像が、白血球の核の位置に、黒即ち比較的暗い色のドットを含むであろうことを示唆する。
【0055】
取得された複数のデジタル画像は、複数のデジタル画像の画像分析を行う画像分析装置に送られる(工程110)。この画像分析装置は、黒いドットを数えることによって白血球の濃度を決定し、またどの細胞がどの画像中で焦点を合わせられているかを特定し、そして、前記白血球を分類してこの血液試料中の異なる種類の白血球の比率を得るように、焦点を合わせられている一定数の細胞の大きさと形状とを分析する。
【0056】
図3を参照すると、圧電モータ1が、円環形状のステータ3と円環形状のロータ2とを有している。このロータ2は、前記ステータ3の表面にプレスされることによって、機械的な出力が可能である。このモータの作動中、進行波が、前記ステータ3の表面に、矢印6によって示されている方向に発生され、この表面は、弾性のリングとして機能し、前記ロータとのインターフェースのところで、楕円形の運動を生じさせる。この接触面の楕円形の運動は、矢印7によって示されている方向に前記ロータ2を駆動させ、これによって、このロータに接続されているドライブシャフトの運動を可能にする。前記矢印6と矢印7とによって示されている方向は、容易に理解されるように、図3に示されている方向の反対方向であっても良い。前記ステータ3に取着されている歯部が、回転速度を高めるために使用され得る。このモータからの出力は、例えば、前記ロータとステータとの間のインターフェースのところの摩擦と、前記ステータ3中の進行波の振幅及び他の特性とに関わる。
【0057】
本書で説明されている好ましい実施形態は、制限されず、多くの代わりの実施形態が、添付の請求項によって規定される保護の範囲内で可能であることが、重要である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
試料保持装置中に保持されている液体試料中の粒子を分析するための方法であり、この方法は、
画像取得装置を用いて、前記試料保持装置中の異なる複数の焦点面での、試料の複数の画像を取得することと、
分析された複数の画像のいずれか1の画像に、焦点を合わせて撮像されている試料の粒子を特定するために、そして、特定された各々の粒子に対して、前記分析された画像のどの画像に前記粒子が撮像されているかを特定するために、画像分析装置を用いて、前記複数の画像を分析し、
前記分析された画像のいずれか1の画像に焦点を合わせて撮像されていると特定された粒子を、各々の粒子が焦点を合わせて撮像されていると特定された各々の画像を用いて分析することと、を具備しており、
前記複数の画像は、10マイクロメートルより短い間隔で互いに離間されているほぼ平行な異なる複数の焦点面で取得され、
焦点を合わせて撮像されている前記粒子の特定が、各々の前記粒子に対して、
粒子が識別できる画像を見つけることと、
粒子が存在している前記画像の領域と、識別できる粒子が存在していない前記画像の領域との間の最大の光度差を決定することと、
同じ粒子が識別できる他の画像中の対応する光度差を決定することと、
前記光度差が最大である画像を特定することとによって果たされ、
これによって前記粒子は、この特定された画像に焦点を合わせられていると見なされる、方法。
【請求項2】
試料保持装置中に保持されている液体試料中の粒子を分析するための方法であり、この方法は、
画像取得装置を用いて、前記試料保持装置中の異なる複数の焦点面での、試料の複数の画像を取得することと、
分析された複数の画像のいずれか1の画像に、焦点を合わせて撮像されている試料の粒子を特定するために、そして、特定された粒子の各々に対して、前記分析された画像のどの画像に前記粒子が撮像されているかを特定するために、画像分析装置を用いて、前記複数の画像を分析し、
前記分析された画像のいずれか1の画像に焦点を合わせて撮像されていると特定された粒子を、各々の粒子が焦点を合わせて撮像されていると特定された各々の画像を用いて分析することと、を具備しており、
前記複数の画像は、10マイクロメートルより短い間隔で互いに離間されているほぼ平行な異なる複数の焦点面で取得され、
焦点を合わせて撮像されている前記粒子の特定が、各々の前記粒子に対して、
粒子が識別できる画像を見つけることと、
見つけられた画像の、前記粒子と粒子の最近接の周囲とを含んでいる領域を規定することと、
規定された領域の画素の偏差を決定することと、
同じ粒子が識別され得る他の画像の対応する領域の画素の偏差を決定することと、
画素の偏差が最大である画像を特定することとによって果たされ、
かくして、前記粒子は、特定された画像に焦点を合わせられていると見なされる、方法。
【請求項3】
前記間隔は、5マイクロメートルより短い、好ましくは2マイクロメートルより短い請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記方法は、前記複数の画像を重ねることと、これによって異なる複数の焦点面で焦点を合わせて撮像される全ての粒子を含む重ねられた画像を取得することとを更に有する請求項1乃至3のいずれか1に記載の方法。
【請求項5】
各焦点面に1つの画像が取得される請求項1乃至4のいずれか1に記載の方法。
【請求項6】
少なくとも10、好ましくは少なくとも100、更に好ましくは200の画像が取得される請求項1乃至5のいずれか1に記載の方法。
【請求項7】
前記試料保持装置は、前記試料が、前記焦点面に直交した、少なくとも100マイクロメートル、好ましくは少なくとも200マイクロメートル、より好ましくは少なくとも500マイクロメートルの深さを有するように、撮像のための液体試料を提供するように構成されている請求項1乃至6のいずれか1に記載の方法。
【請求項8】
前記試料保持装置は、前記試料が、前記焦点面に直交した、少なくとも1ミリメートル以下の深さを有するように、撮像のための液体試料を提供するように構成されている請求項1乃至6のいずれか1に記載の方法。
【請求項9】
前記液体試料は、生物学的試料である請求項1乃至8のいずれか1に記載の方法。
【請求項10】
前記液体試料は、血液試料である請求項1乃至9のいずれか1に記載の方法。
【請求項11】
前記粒子は、真核細胞、好ましくは哺乳類細胞、より好ましくはヒト細胞である請求項1乃至10のいずれか1に記載の方法。
【請求項12】
前記粒子は、バクテリア、ウィルスもしくは血小板である請求項1乃至10のいずれか1に記載の方法。
【請求項13】
前記粒子は、20マイクロメートルより小さく、好ましくは10マイクロメートルより小さく、より好ましくは2マイクロメートルより小さい最大直径を有している請求項1乃至10のいずれか1に記載の方法。
【請求項14】
焦点を合わせて撮像されていると特定された前記粒子の分析は、前記粒子の種類と量とを決定することを含んでおり、前記種類は、前記粒子の物理的な特徴によって識別され、前記試料中の異なる種類の粒子の比率が、決定される請求項1乃至13のいずれか1に記載の方法。
【請求項15】
分析される前記粒子は、前記画像が取得される前に、着色剤によって着色される請求項1乃至14のいずれか1に記載の方法。
【請求項16】
前記液体試料は、前記試料保持装置中の乾燥した状態の前記着色剤に接触し、この着色剤は、前記試料中に溶解される請求項1乃至10のいずれか1に記載の方法。
【請求項17】
前記着色剤は、蛍光性着色剤である請求項15又は16に記載の方法。
【請求項18】
前記画像取得装置は、デジタルカメラである請求項1乃至17のいずれか1に記載の方法。
【請求項19】
前記画像取得装置によって取得される画像は、前記液体試料が拡大されたものであり、この拡大は、レンズのような光屈折媒体によって果たされる請求項1乃至18のいずれか1に記載の方法。
【請求項20】
前記試料の撮像される容量が、複数の前記画像によって覆われる試料の深さを加えられた試料の撮像領域によって規定される請求項1乃至19のいずれか1に記載の方法。
【請求項21】
液体試料中の粒子を分析するための測定装置であり、この装置は、画像取得装置と、画像分析装置と、前記液体試料を保持する液体保持装置を支持するように構成されているホルダと、前記画像取得装置とホルダとの間に位置されている光屈折媒体とを具備しており、
焦点面が、前記試料保持装置がホルダによって支持される時、この試料保持装置中を段階的に移動可能であり、これによって前記画像取得装置は、前記試料保持装置中の、互いにほぼ平行であり10マイクロメートルより短い間隔だけ互いに離間されている異なる複数の焦点面で、前記試料の複数の画像を取得するように適用されており、
前記画像分析装置は、どの粒子が焦点を合わせて撮像されているか特定し、焦点を合わせて撮像されていると見なされたこれら粒子を分析するために、少なくとも1つの取得された画像を分析するように構成されており、
焦点を合わせて撮像されている粒子の特定が、各々の粒子に対して、
粒子が識別できる画像を見つけることと、
粒子が存在している画像の領域と、識別粒子が存在していない画像の領域との間の最大の光度差を決定することと、
同じ粒子が識別できる他の画像中の対応する光度差を決定することと、
光度差が最大である画像を特定することとによって果たされ、
かくして、前記粒子は、特定された画像中で、焦点を合わせられていると見なされる装置。
【請求項22】
液体試料中の粒子を分析するための測定装置であり、この装置は、画像取得装置と、画像分析装置と、液体試料を保持する液体試料保持装置を支持するように構成されているホルダと、前記画像取得装置と前記ホルダとの間に位置されている光屈折媒体とを具備しており、
焦点面が、前記試料保持装置がホルダによって支持される時、この試料保持装置中を段階的に移動可能であり、これによって前記画像取得装置は、前記試料保持装置中の、互いにほぼ平行であり10マイクロメートルより短い間隔だけ互いに離間されている異なる複数の焦点面で、前記試料の複数の画像を取得するように適用されており、
前記画像分析装置は、どの粒子が焦点を合わせて撮像されているか特定し、焦点を合わせて撮像されていると見なされたこれら粒子を分析するために、少なくとも1つの取得された画像を分析するように構成されており、
焦点を合わせて撮像されている粒子の特定が、各々の前記粒子に対して、
粒子が識別できる画像を見つけることと、
見つけられた画像の、前記粒子と粒子の最近接の周囲とを含んでいる領域を規定することと、
規定された領域の画素の偏差を決定することと、
同じ粒子が識別され得る他の画像の対応する領域の画素の偏差を決定することと、
この画素の偏差が最大である画像を特定することとによって果たされ、
かくして、前記粒子は、特定された画像中で、焦点を合わせられていると見なされる装置。
【請求項23】
前記間隔は、5マイクロメートルより短い、好ましくは2マイクロメートルより短い請求項21又は22に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2011−510292(P2011−510292A)
【公表日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−543082(P2010−543082)
【出願日】平成21年1月16日(2009.1.16)
【国際出願番号】PCT/SE2009/000015
【国際公開番号】WO2009/091318
【国際公開日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【出願人】(500223327)
【Fターム(参考)】