説明

液体試料分注装置および駆動方法

【課題】 必要量の液体試料を反応容器に精度良く分注する液体試料分注装置を提供する。
【解決手段】 分注用ノズルによって保持された前記液体試料を複数の反応容器に所定量ずつ分注する液体試料分注装置において、前記分注用アクチュエータ制御部に吐出条件記憶部を備え、前記吐出条件記憶部に前記分注用アクチュエータに連結されたシリンジ内にあるプランジャのストロークに対する吐出量を記憶し、前記分注用アクチュエータ制御部が、予め記憶された分注用アクチュエータに連結されたシリンジ内にあるプランジャのストローク、液体試料吸入量、空気吸入量に対する吐出量、液体試料吸引後の吐出回数に基づいて前記分注用アクチュエータ駆動部へ動作指令を与えることを特徴とする液体試料分注装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、必要量の液体試料を反応容器に精度良く分注する液体試料分注装置および駆動方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来例1の液材の吐出方法およびその装置は、管形状の計量部と、前記計量部に内接するプランジャと、吐出口を具えるノズルと、前記計量部と前記ノズルとを連通する第1のバルブと、液材を貯留する貯留容器と、前記貯留容器を前記計量部とを連通する液材供給バルブ(第2のバルブ)と、で構成され、先端面が液材に密接した液材吐出用プランジャを高速前進させ、次いでプランジャ駆動手段を急激停止させて、液材に慣性力を印加して液材を吐出させることにより、弁座とプランジャロッドとの当接を不要とし、液材を飛滴させるために必要な力を与える部材の損傷を防止でき、損傷した部材が液材に混入・熔解することが無いので、液材をクリーンなまま吐出でき、さらに、弁座とプランジャロッドとの当接による損傷が未然に防げるので、部材の交換頻度を抑えることができる。加えて、圧力損失が無いから、精度良い吐出が可能となり、特に僅かな圧力も損失することなく液材に伝達するから、微量に精度よく吐出することができるものである(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
<<全体構造>>
図7において131は枠体であって、プランジャ支持体134を上下方向に案内する案内ロッド133、133と、枠体131の上部に設けたモータ103により回転されプランジャ支持体134を上下方向に移動させるネジ軸132とを支持する上部枠体と、吐出バルブ(第1のバルブ)104と液材供給バルブ(第2のバルブ)110および吐出バルブ(第1のバルブ)104を介して計量部101を支持する下部枠体とで構成されている。
<<吐出部(ポンプ)>>
管状部材で形成された計量部101内には、プランジャ支持体134の上下動により、軽量部101の内面に密接した状態で上下動するプランジャ102が配接されており、前記計量部101は先端が吐出バルブ(第1のバルブ)104が配接され、前記吐出バルブ(第1のバルブ)104の他端は、ノズル107が配接されている。ここで、吐出バルブ(第1のバルブ)104の弁体105に設けた流路106の内径を前記計量部101の内径とほぼ等しく、吐出バルブ(第1のバルブ)104が開位置においては、液材が計量部101から吐出バルブ(第1のバルブ)104へ円滑に流動するように構成する。なお、この実施例では、吐出バルブ(第1のバルブ)104は、前記計量部101とノズル107とを連通する開位置と閉止する閉位置との二位置を取るロータリーバルブを採用したが、流路の径が計量部101の内径と等しければ、スライドバルブを用いてもよい。
<<貯留容器>>
前記計量部101の中央部外壁には管109が蝋接されており、前記計量部101の内径と比して極めて小径の孔113で前記計量部101と前記管109が連通している。前記管109の他端は貯留容器111と連通しており、前記管109と前記貯留容器111との間に液材供給バルブ(第2のバルブ)110が配接されている。ここで、液材供給バルブ(第2のバルブ)110は、前記計量部101と前記貯留容器111とを連通する開位置、または閉止する閉位置、の二位置を取り、また、前記貯留容器111は、前記液材供給バルブ(第2のバルブ)110と、前記貯留容器111と、の間に設けられた貯留容器接続具112により、装置から着脱可能である。
<<気泡抜き>>
前記プランジャ102には、気泡抜き機構が設けられている。すなわち、プランジャ102は、管状部を有し、前記管状部は外壁面と連通する気泡抜き孔126を有するプランジャロッド121と、前記プランジャロッド121の先端に装着され、中心に前記プランジャロッド121の管状部とを連通する気泡抜き孔123を有し、外壁に計量部内壁面と密着するシール部124を有するプランジャヘッド122と、前記プランジャロッド121の管状部に挿入されるバルブロッド125とで構成される。プランジャロッド121の上部は大径の筒部に形成されてさらに上端部にはフランジ部に形成されており、該フランジ部によってプランジャロッド121はプランジャ支持体134に固定される前記大径の筒部にはバルブロッド125の上部の大径部が摺動可能に装着されており、プランジャ支持体134に螺着した固定ネジ135が当接しており、通常、プランジャロッド125は固定ネジ135により一端が加圧されて、プランジャロッド125の他端がプランジャヘッド122と密着している。
<<気泡抜きの作用>>
前記固定ネジ135を緩めると、前記プランジャロッド125は、プランジャロッド125の長さ方向に移動が可能となるため、前記プランジャロッド125とプランジャヘッド122とが離間してプランジャヘッド122に設けた気泡抜き孔123を開放し、プランジャロッド125とプランジャヘッド122との間の空隙を介して、前記プランジャロッド121の気泡抜き孔126とを連通して、外界と連通する。従って、前記固定ネジ135を緩めることで、プランジャヘッド122は、プランジャロッド121および気泡抜き孔126を介して外部と連通可能であり、当該経路により、プランジャヘッド121から外部へ気泡を排出する。
【0004】
次に、上記構成の液材吐出装置を用いた液材吐出作業を説明する。
<<液材充填>>
液材が充填された貯留容器111を貯留容器接続具112に接続する。このときプランジャ102は、前記孔113をノズル側へ越えない前記孔113に近接した位置まで進出している。液材供給バルブ(第2のバルブ)110を開位置にし、貯留容器111と計量部101を連通させ、前記プランジャ102を後退移動させると、前記貯留容器111内の液材は、前記液材供給バルブ(第2のバルブ)110を通じて、前記計量部101内へ流入する。このとき、計量部101内には、前記貯留容器111と前記計量部101との間を満たす空気が充填され、その後に液材が流入する。
<<気泡抜き>>
上記行程において、計量部101内に流入した気体は、気体の圧縮性に伴って圧力応答が鈍くなるので除去する必要がある。そこで、前記液材供給バルブ(第2のバルブ)110を閉位置にし、前記固定ネジ135を緩め、プランジャ102を進出移動させる。プランジャ102の構成部材であるバルブロッド125は、駆動機構に連結されているから、前記駆動機構に連動して進出移動するが、バルブロッド125は、前記プランジャロッド121と前記固定ネジ135により連結固定されているから、前記固定ネジ135を緩めることにより、駆動機構が進出動作しても、固定ネジ135に当接してから進出することになり(プランジャロッド121は自由な状態にあり)、したがって、バルブロッド125とプランジャヘッド121とが離間して、プランジャヘッド121と気泡抜き孔126が連通する。
さらに、プランジャ102を進出移動させると、計量部101内の液材の圧力は上昇する。気体に比べ比重の軽い気体は上部に集まっているから、前記計量部101内の空気がプランジャヘッド121を通じて気泡抜き孔126から外部へ空気が排出される。前記空気が全て排出された後、前記プランジャ102の固定ネジ135を締め、前記バルブロッド125先端と前記プランジャヘッド121とを密着させて、前記プランジャヘッド121と前記気泡抜き孔126との連通を閉止して、気泡抜き作業を終了する。なお、上記説明は、作業開始時における気泡抜きであるが、吐出作業中であっても計量部に気泡混入が認められる場合には、速やかに固定ネジ135を緩め吐出バルブを閉めてプランジャを前進させて気泡除去作業を行い、気泡除去作業の終了後固定ネジ135を閉め吐出バルブを開き、吐出作業を継続することができる。
<<液材充填>>
計量部101内に充填された部材には、気泡が全く混入されていない状態である。ここで、再び、液材供給バルブ(第2のバルブ)110を開位置にし、プランジャ102を後退移動して、所望量の液材を計量部101内に充填し、液材供給バルブ(第2のバルブ)110を閉位置にする。
<<液材吐出>>
吐出は、吐出バルブ(第1のバルブ)104を開位置にし、プランジャ102を所望する吐出量に応じて進出移動する。ここで、所望する吐出量と計量部101の内径とにより、プランジャ102の進出移動量を算出することが可能である。プランジャ102の進出動作は、急速に加速した後に、プランジャを弁座に当接させることなくプランジャ駆動手段を急激に停止させることにより、プランジャ102は急速にその移動が停止し、計量部101内の液材は、前記プランジャ102の急速移動および急激な停止により与えられた慣性力によって、ノズル107先端より吐出される。前記慣性力が大きくなると前記液材は飛滴する。ここで、計量部101内径と吐出バルブ(第1のバルブ)104の内径とほぼ等しいから、圧力損失が少なく、液材に与えた力を効果的に液材の吐出に利用することが可能である。
【0005】
このように、従来例1の液材の吐出方法およびその装置は、プランジャの進出動作により液滴を飛滴させるから、弁座とプランジャロッドとの当接を不要とし、液材を飛滴させるために必要な力を与える部材の損傷を防止でき、損傷した部材が液材に混入・溶解することが無いので、液材をクリーンなまま吐出でき、さらに、弁座とプランジャロッドとの当接による損傷が未然に防げるので、部材の交換頻度を抑えることができる。加えて、圧力損失が無いから、精度よい吐出が可能となり、特に僅かな圧力も損失することなく液材に伝達するから、微量に精度良く吐出することができる。
【0006】
従来例2の液滴吐出方法、液滴吐出システム、膜パターン形成方法、デバイス及びデバイス製造方法、電気光学装置、並びに電子機器は、吐出条件の決定に伴う吐出ヘッドの稼働率の低下を抑制し、処理能力の向上を図ることができる液滴吐出方法及び液滴吐出システムを提供するものである(例えば、特許文献2参照)。
図8は、従来例2の液滴吐出システムの一実施形態例を概略的に示す図である。図8において、液滴吐出システムIJSは、液滴吐出法により、基板Pに対して液体材料を液滴状に吐出するものであり、実処理用の液滴吐出装置(インクジェット装置)IJと、吐出試験機TSとを備えて構成されている。
ここで、液滴吐出法の吐出技術としては、帯電制御方式、加圧振動方式、電気機械変換方式(ピエゾ方式)、電気熱変換方式、静電吸引方式などが挙げられる。帯電制御方式は、材料に帯電電極で電荷を付与し、偏向電極で材料の飛翔方向を制御してノズルから吐出させるものである。また、加圧振動方式は、材料に30kg/cm程度の超高圧を印加してノズル先端側に材料を吐出させるものであり、制御電圧をかけない場合には材料が直進してノズルから吐出され、制御電圧をかけると材料間に静電的な反発が起こり、材料が飛散してノズルから吐出されない。また、電気機械変換方式(ピエゾ方式)は、ピエゾ素子(圧電素子)がパルス的な電気信号を受けて変形する性質を利用したもので、ピエゾ素子が変形することによって材料を貯留した空間に可撓物質を介して圧力を与え、この空間から材料を押し出してノズルから吐出させるものである。また、電気熱変換方式は、材料を貯留した空間内に設けたヒータにより、材料を急激に気化させてバルブ(泡)を発生させ、バルブの圧力によって空間内の材料を吐出させるものである。静電吸引方式は、材料を貯留した空間内に微小圧力を加え、ノズルに材料のメニスカスを形成し、この状態で静電引力を加えてから材料を引き出すものである。液滴吐出方法は、材料の使用に無駄が少なく、しかも所望の位置に所望の量の材料を的確に配置できる。
前記液滴吐出システムIJSにおいては、吐出試験機TSによって吐出条件(駆動波形)を定めるための吐出試験を行う。吐出試験機TSは、試験用吐出ヘッド226、測定装置227、及び制御装置228等を備えて構成されている。
試験用吐出ヘッド226は、上述した液滴吐出装置IJの液滴吐出ヘッド201と同じ構造からなり、液体材料の吐出に関して液滴吐出ヘッド201と同じ特性を有する。つまり、試験用吐出ヘッド226から液体材料を吐出することで、実処理用の液滴吐出装置IJにおける液滴吐出ヘッド201からの液滴の吐出状態が再現される。
測定装置227は、試験用吐出ヘッド226から吐出した液滴に関する液滴情報を測定するものであり、重量測定装置235、及び撮像装置236等を有する。
【0007】
このように、従来例2の液滴吐出方法、液滴吐出システム、膜パターン形成方法、デバイス及びデバイス製造方法、電気光学装置、並びに電子機器は、吐出ヘッドから液体材料を液滴状に吐出する液滴吐出方法において、前記液体材料を吐出した際の前記液体材料の液滴に関する情報を、前記吐出ヘッドと同じ特性を有する試験用吐出ヘッドを用いて測定し、該測定結果に基づいて、前記液体材料に対する前記吐出ヘッドの吐出条件を定めるものである。
【0008】
従来例3の高速にかつ精密に制御する液体の吐出方法および装置は、液体貯留容器から吐出バルブを経て定量吐出するに当り、吐出口からの液体の吐出流速が一定になるように、吐出を開始する前に予め液体に圧力を加えておくことおよび/または吐出の終了後における吐出口近傍部分の圧力が予め定めた特定値となるようにするものである(例えば、特許文献3参照)。
図9、図11は、本発明の液体定量吐出装置一実施の形態を示す要部断面図である。図10は自動調圧装置の処理手順を示すフローチャート図である。図1に示す実施例は、図12の液体温度制御手段を付加する対象となる装置であり、図9中、301は液体貯留を、302は、吐出バルブとしてのニードルバルブをそれぞれ示す。図12は液体温度制御手段を備えた液体定量吐出装置の説明図であり、貯留容器内と吐出バルブ内とに液体の温度を測定する温度センサと、温度センサからの信号を入力し加熱冷却ユニットへ信号を出力する温度制御部と、温度制御部からの信号により所望の温度となる加熱冷却ユニットとを、例えば図9の装置に付加した装置であり、加熱冷却ユニットで液体貯留容器と吐出バルブとを覆った例である。液体の温度は常に所望の温度となるよう制御されており、貯留容器内の液体温度と、吐出バルブ内の液体温度とが温度制御部により管理されている。貯留容器と吐出バルブとを連通する液送チューブの距離が長くなる場合や、吐出間隔が長く、液体の温度が変化し得るほどの時間を掛けて、液体が液送チューブ通過する場合は、液送チューブ内に温度センサを配設し、さらに液送チューブの一部または全長に渡って加熱冷却ユニットで覆うことが望ましい。この場合、液送チューブの長さや吐出間隔に応じて、液送チューブ内に配設する温度センサの数を決めることが望ましい。また、環境温度を所望の温度に制御可能な高温槽内に本装置すべてを収納しても同様な効果が得られる。
図9に示すように、液体貯留容器は、たとえば合成樹脂材料製とすることができるシリンジ303と、このシリンジ303に外接してそれを保持するホルダ304とからなり、ホルダ304は、シリンジの着脱を可能ならしめる。また、液体貯留容器301内の圧力を計測し、その計測結果を制御信号として出力すべく構成する。そして、かかる液体貯留容器301内の液体を所要の圧力に加圧する加圧手段305は、モータ306の出力軸に取付けたボールねじ307に螺合され、ボールねじ307の回転に伴って昇降変位する雌ねじ部材308に、ロッド309を介してプランジャ310を連結することによって構成してなり、ここでプランジャ310は、好ましくは、シリンジ303に液密に内接する。またここで、液体貯留容器301に、液体流路312を介して接続したニードルバルブ302は、流路312に連通して吐出口313に至るアウトレットスペース314内で進退変位して、その吐出口313を開閉するニードル315と、このニードル315の進退作動をモータでし、ここでは複動型のシリンダ316とからなり、ニードル315をシリンダ316のピストン317に連結してなる。さらにここでは、前記吐出口313の近傍部分、図に示すところでは、ニードルバルブ302への流路312の接続部に、その流路312内の液体の圧力を検出する圧力センサ318bを配設するとともに、この圧力センサ318bによる検出信号を入力する制御手段319を設ける。ここにおけるこの制御手段319は入出力部、演算部、記憶部を備え、圧力センサ318a、318bの検出結果に基づいて、吐出開始時の吐出圧の自動調整や、流路312内、特には吐出口近傍部分の液圧が吐出の停止時に、より好ましくは吐出時にもまた、予め定めた特定値となるように、モータ306の作動をコントロールする他、液体の吐出に当っての、モータ306の回転速度、回転時間等とともに、ニードルバルブ302の切換弁320の作動をもコントロールすべく機能する。
以上のように構成してなる装置による液体の定量吐出に当っては、たとえば、圧力センサ318a、318bの検出圧力に基づき、制御手段319をもってモータ306を作動させて、シリンジ303内のプランジャ310を下降もしくは上昇させ、吐出開始時の吐出圧の自動調整を行い、さらには、これによって液体流路312内の液体圧力を、予め定めた特定値として、吐出開始時の流路条件を常に一定とするものとする。その後は、制御手段319から吐出開始信号および吐出圧力信号を出力して、モータ306の所定速度で定速回転させて、シリンジ303内の液体を所要の圧力に加圧するとともに、そのモータ306の作動とタイミングを合わせて、シリンダ316のピストン317、ひいては、ニードル315の後退変位をモータらして吐出口313を開放し、その吐出口313からの液体の吐出を開始する。ところで、この吐出が比較的長い時間にわたる場合には、その吐出中にもまた、圧力センサ318bによる圧力検出を行ない、その結果をモータ306の作動にフィードバックして回転速度等を修正することが、定量吐出精度を高める上で好ましい。そして、液体の所定量の吐出に見合った所定時間の経過時には、制御手段319から、モータ306および切換弁320のそれぞれに、吐出終了信号を出力してモータ306の回転停止と、ニードルバルブ302の閉止作業とを同時に行わせ、これによって一回の定量吐出が終了する。この場合、特にニードルバルブ302のニードル315は、液体圧力の大小にかかわらず、常に円滑に、かつ迅速に進出作動して吐出口313を機械的に閉止するので、すぐれた液切れ性をモータらすとともに、吐出口313の完全閉止を実現して不測の液切れを十分に防止することができる。
【0009】
このように、従来例3の高速にかつ精密に制御する液体の吐出方法および装置は、液体の粘度に依存されず、微量の液体を高速にかつ精密に所望の塗布形状に吐出または塗布する方法および装置を提供することができる。特に、高粘性液体を使用する場合や高速に塗布する場合であっても、線の始点部・終点部の線形状が極めて容易に制御でき、例えば均一な線形状の塗布は線の始点から終点に至るまで線の細り・太りがなく、均一にそろった線形状の形成ができる方法および装置を提供することができる。フィラーの破壊のおそれなしに、吐出の停止時に液切れ性を高め、また、液体の漏れ出しを十分に防止した液体吐出方法および装置を提供することができる。液体が一定の流速を得るまでに時間を要することなく、塗布線の描画を均一ならしめることが可能な液体の吐出または塗布方法および装置を提供することができる。
【特許文献1】特開2003−190871公報(第6頁、図1)
【特許文献2】特開2004−342919公報(第18頁、図1)
【特許文献3】特開2001−46936公報(第13頁、図1〜4)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
液体試料分注装置は、たとえば、生化学分析装置のような血液分析を行うために、血液や試薬等を正確かつ再現性があるように分注作業することが要望されている。正確性や再現性が低下すると、分析の信頼性がなくなり、検査効果が薄れることになる。このために、検査を行う機関からは、装置メーカへこのような要望が出されていた。また、試薬などは高価であるために、液量を少なくして分析できることが望まれている。試薬はコストを低くすることを目的としており、血液の場合は検査対象者への負担を軽減する効果ある。しかしながら、溶液を吸引して吐出するような分注装置では、主にシリンジタイプの分注ポンプが用いられてきたが、微量化に対する対応が遅れているのが現状であり、微量に吐出できても、正確度や再現性をクリアする装置は見当たらないのが現状である。
従来の液体試料分注装置についての課題について説明する。いずれの従来の液体試料分注装置も微量吐出ができることが特徴があるものであるが、ノズルを介して液体試料を吸引できないため、液体試料を吸引して吐出する場合には利用できなかった。また、液体を吸引した場合、ノズル先端に形成される初期メニスカスの影響が考慮されておらず、液体試料吐出時におけるプランジャのストロークと液体試料吸入量と空気吸入量と液体試料吸引後の吐出回数と吐出量との関係に基づいて前記分注用アクチュエータ駆動部への動作指令を指令していないため、液体試料吸引後の1発目の吐出量と目標吐出量に差が生じ、正確度が悪いという問題点があった。
【0011】
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、試料吐出時におけるプランジャのストロークと液体試料吸入量と空気吸入量と吐出量と液体試料吸引後の吐出回数との関係に基づいて前記分注用アクチュエータ駆動部への動作指令を指令とすることで、ノズル先端における液体試料の粘度による表面張力の違いや液体試料吸引後の初期メニスカスの違いによらず液体試料を精度良く吐出する液体試料分注装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記問題を解決するため、本発明は、次のように構成したのである。
請求項1に記載の発明は、液体試料を吸引保持する分注用ノズルと、液体試料の吸引・吐出圧力を発生させるシリンダとプランジャより構成されるシリンジと、液体試料を流すフレキシブルチューブと、前記液体試料の吸引・吐出を前記シリンジと前記フレキシブルチューブを介して前記分注用ノズルから実施させる分注用アクチュエータと、前記分注用アクチュエータを駆動する分注用アクチュエータ駆動部と、前記分注用アクチュエータ駆動部を制御する分注用アクチュエータ制御部を備え、前記分注用ノズルによって保持された前記液体試料を複数の反応容器に所定量ずつ分注する液体試料分注装置において、前記分注用アクチュエータ制御部に吐出条件記憶部を備えたものである。
また、請求項2に記載の発明は、前記吐出条件記憶部が、前記分注用ノズル先端の初期メニスカスの影響を排除するように排出動作パターンを記憶したものである。
また、請求項3に記載の発明は、前記吐出条件記憶部が、少なくとも前記プランジャのストロークと、液体試料吸入量と、吐出量と、吐出回数を記憶テーブルとして備えたものである。
また、請求項4に記載の発明は、前記吐出条件記憶部が、予め吐出精度の良い吐出量のデータをもとにテーブルが作成されているものである。
また、請求項5に記載の発明は、前記吐出条件記憶部が、少なくとも前記プランジャのストロークと、空気吸入量と、吐出量と、吐出回数を記憶テーブルとして備えたものである。
また、請求項6に記載の発明は、前記吐出条件記憶部が、少なくとも前記プランジャのストロークと、液体試料吸入量と、空気吸入量と、吐出量と、吐出回数を記憶テーブルとして備えたものである。
また、請求項7に記載の発明は、前記吐出条件記憶部に記憶された排出動作パターンにより排出された前記分注用ノズル先端の前記初期メニスカスが吐出される排出容器が備えられたものである。
また、請求項8に記載の発明は、液体試料を吸引保持する分注用ノズルと、液体試料の吸引・吐出圧力を発生させるシリンダとプランジャより構成されるシリンジと、液体試料を流すフレキシブルチューブと、前記液体試料の吸引・吐出を前記シリンジと前記フレキシブルチューブを介して前記分注用ノズルから実施させる分注用アクチュエータと、前記分注用アクチュエータを駆動する分注用アクチュエータ駆動部と、前記分注用アクチュエータ駆動部を制御する分注用アクチュエータ制御部を備え、前記分注用ノズルによって保持された前記液体試料を複数の反応容器に所定量ずつ分注する液体試料分注装置の駆動方法において、前記分注用アクチュエータ制御部は、吐出条件記憶部に記憶した動作パラメータに基づいて前記分注用アクチュエータ駆動部への動作指令を指令するものである。
また、請求項9に記載の発明は、前記プランジャの駆動パラメータと前記吐出量と液体試料吸引後の吐出回数との関係に基づいて前記分注用アクチュエータ駆動部への動作指令を指令するものである。
また、請求項10に記載の発明は、前記吐出条件記憶部が、前記分注用ノズル先端の初期メニスカスの影響を排除するように排出動作パターンで前記分注用アクチュエータ駆動部への動作指令を指令するものである。
また、請求項11に記載の発明は、前記吐出条件記憶部に記憶する前記吐出パラメータが前記プランジャのストロークと前記液体試料吸入量と前記吐出量と液体試料吸引後の吐出回数との関係で前記分注用アクチュエータ駆動部への動作指令を指令するものである。
また、請求項12に記載の発明は、前記吐出条件記憶部に記憶する前記吐出パラメータが前記プランジャのストロークと前記空気吸入量と前記吐出量と液体試料吸引後の吐出回数との関係で前記分注用アクチュエータ駆動部への動作指令を指令するものである。
また、請求項13に記載の発明は、前記吐出条件記憶部に記憶する前記吐出パラメータが前記プランジャのストロークと前記液体試料吸入量と前記空気吸入量と前記吐出量と液体試料吸引後の吐出回数との関係で前記分注用アクチュエータ駆動部への動作指令を指令するものである。
【発明の効果】
【0013】
請求項1から13に記載の発明によると、前記分注用アクチュエータ制御部に吐出条件記憶部を備え、プランジャの駆動パラメータと吐出量を記憶し、分注用アクチュエータ制御部から分注用アクチュエータ駆動部への駆動指令を与えることにより、ノズル先端における液体試料の粘度による表面張力の違いや液体試料吸引後の初期メニスカスの違いによらず液体試料を精度よく吐出できる。
また、前記吐出条件記憶部に液体試料吸入量に対する吐出量を記憶し、前記分注用アクチュエータ制御部が、前記分注用アクチュエータの吐出動作パターンを基にした動作指令に予め記憶された前記プランジャのストロークと液体試料吸引量に対する吐出量と液体試料吸引後の吐出回数を前記分注用アクチュエータ駆動部への動作指令とすることができるため、ノズル先端における液体試料の粘度による表面張力の違いや液体試料吸引後の初期メニスカスの違いによらず液体試料を精度良く吐出できる。
また、前記吐出条件記憶部に空気吸入量に対する吐出量を記憶し、前記分注用アクチュエータ制御部が、前記分注用アクチュエータの吐出動作パターンを基にした動作指令に予め記憶された前記プランジャのストロークと空気吸入量と液体試料吸引後の吐出回数に対する吐出量を前記分注用アクチュエータ駆動部への動作指令とすることができるため、ノズル先端における液体試料の粘度による表面張力の違いや液体試料吸引後の初期メニスカスの違いによらず液体試料を精度良く吐出できる。
また、前記吐出条件記憶部に液体試料吸入量、空気吸入量に対する吐出量を記憶し、前記分注用アクチュエータ制御部が、前記分注用アクチュエータの吐出動作パターンを基にした動作指令に予め記憶された前記プランジャのストロークと液体試料吸入量と空気吸入量と液体試料吸引後の吐出回数に対する吐出量を前記分注用アクチュエータ駆動部への動作指令とすることができるため、ノズル先端における液体試料の粘度による表面張力の違いや液体試料吸引後の初期メニスカスの違いによらず液体試料を精度良く吐出できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。
【実施例1】
【0015】
図1は、本発明の第1の実施の形態の液体試料分注装置の構成を示す図である。1は液体試料分注装置、2は液体試料を吸引保持する分注用ノズル、3は液体試料を流すウレタンまたはフッ化樹脂等の材料からなるフレキシブルチューブ、4はシリンダとプランジャから構成されるシリンジ、5はシリンダ、6はシリンジ内にて液体試料を吐出・吸引するプランジャ、7は分注用アクチュエータ(例えばリニアモータ)、8は分注用アクチュエータを駆動する分注用アクチュエータ駆動部、9は分注用アクチュエータ駆動部を制御する分注用アクチュエータ制御部、10は分注用アクチュエータ制御部にあるCPU、11は分注用アクチュエータ制御部にある、シリンジ4内におけるプランジャ6のストロークに対する吐出量と液体試料吸引後の吐出回数を記憶する吐出条件記憶部、12は液体試料を供給する液体試料容器、13は液体試料を吐出する反応容器、14は液体試料である。
【0016】
分注用ノズル2は中空であり、先端に行くほど内径が小さくなるように成形されている。分注用ノズル2は液体試料14に対して垂直な姿勢に保持されており、液体試料容器12に内包された液体試料14を吸引し、反応容器13に液体試料14を吐出する。また、図示しないが、分注用ノズル2は洗浄水容器の洗浄水を吸引・吐出する。洗浄水の供給法や吸引・吐出法として、一般的な種々の方法を採用できる。
【0017】
シリンダ5は、プランジャ6の移動に伴ってシリンジ4内の容積が変化する。シリンダ4はフレキシブルチューブ3を介して分注用ノズル2に接続されている。液体試料14を吸引しシリンジ4内の容積が増加するようにプランジャ6はシリンジ4の紙面上方に移動し、液体試料14を吐出しシリンジ4内の容積が減少するようにプランジャ6はシリンジ4の紙面下方に移動する。プランジャ6は分注用アクチュエータ7により駆動され、分注用アクチュエータ駆動部8によって制御される。分注用アクチュエータ駆動部8は、分注用アクチュエータ制御部9に接続され、動作指令に基づいて分注用アクチュエータ7を駆動する。分注用アクチュエータ制御部9は、CPU10と吐出条件記憶部11からなり、所定の液体試料14を吐出するよう分注用アクチュエータ駆動部8に動作指令を指令している。CPU10は、予めオペレータにより入力されるか、或るいは、液体試料容器12等に表示された識別マークから読み取られた試料数と所望の分析項目に基づいて、所要の分注量及び分注順序に対応するように分注用アクチュエータ駆動部8に指令している。また、吐出条件記憶部11は吐出時におけるストローク、圧力、ノズル径、吐出速度、液体試料吸入量、空気吸入量、吐出量、および液体試料吸引後の吐出回数の関係を記憶している。
【0018】
つぎに、本実施例の動作について図2、3を用いて説明する。図2はアクチュエータ制御部のフローを示す図、図3はノズルの吸引状態を示す図である。
以下に示す手順により、予め実験により吐出精度の良い、吐出量に対する液体試料吸入量を確認しておく。内部圧力が気泡などで低下していない正常状態のとき、流体の質量保存則(流入する質量流量(密度×流速×断面積)と流出する流量(密度×流速×断面積)は等しい。)が成立し、ノズル先端における流速が液切れ速度以上になれば液だまりが生じることがなく吐出できる。そこで、内部圧力を正常状態に保ち、例えばプランジャの動作パターン(台形パターン)である最高速度、加速度、減速度を固定し、空気吸入量を一定値とした場合、シリンジ内におけるプランジャのストローク、液体試料吸入量、吐出量、液体試料吸引後の吐出回数の関係を確認し、図4に示す表のようにまとめておく。
(1) 先ず、液体試料吸入量を記憶する(F0)。
予め計測した吐出量に対する液体試料吸入量を吐出量記憶部に記憶する。
(2) 洗浄水を吸引する(F1)。
アクチュエータ7によりシリンジ4内のプランジャ6が吸引駆動されると、ノズル2から図示しない洗浄水容器の洗浄水15を吸引する。または、図示しない弁と図示しない別のフレキシブルチューブを介して図示しないポンプからフレキシブルチューブとノズル2に洗浄水を供給してもよい。
(3) 空気を吸引する(F2)。
アクチュエータ7によりシリンジ4内のプランジャ6が吸引駆動され、ノズル2からシリンジ4内に一定量の空気を吸引する。
(4) 液体試料を吸引する(F3)。
アクチュエータ7によりシリンジ4内のプランジャ6が吸引駆動され、予め記憶した液体試料吸入量に基づき、ノズル2から液体試料容器12の液体試料14を吸引する。
(5)液体試料を排出する(F4)
ノズル先端の初期メニスカスの影響を排除するため、予め記憶した排出動作パターンを基にしたアクチュエータ7への推力指令により、アクチュエータ7によりシリンジ4内のプランジャ6から吐出駆動され、ノズル2から図示しない排出容器もしくは液体試料容器12へ液体試料14を予め記憶した回数だけ排出する。
(6) 液体試料を吐出する(F5)。
吐出動作パターンを基にしたアクチュエータ7への推力指令により、アクチュエータ7によりシリンジ4内のプランジャ6から吐出駆動され、ノズル2から反応容器13へ液体試料14を吐出する。
(7) 吐出ごとに(2)〜(6)を繰り返す。
このように、本実施例では吐出量に対する液体試料吸入量、液体試料吸引後の吐出回数を予め記憶し液体試料を吐出するため、CV値と正確度ともに精度良く吐出できる。
また、オペレータがノズル2の下に液体試料容器12、反応容器13を準備することを想定しているが、制御部9がアクチュエータ7と同期してノズル2もしくは図示しない液体試料容器12、反応容器13を搭載したテーブル等を制御し、自動的に液体試料を吸引・吐出してもよい。
【0019】
本発明が特許文献1、特許文献2、特許文献3と異なる部分は、吐出時における液体試料吸入量と、空気吸入量と、吐出量と、液体試料吸引後の吐出回数の関係を考慮して、分注用アクチュエータ駆動部への動作指令とすることで、ノズル先端における液体試料の粘度による表面張力の違いや初期メニスカスの違いによらず液体試料を精度良く吐出する液体試料分注装置を提供することである。
【実施例2】
【0020】
本実施例の構成は、実施例1と同様なので説明は省略する。
以下に示す手順により、予め実験により吐出精度の良い、吐出量に対する空気吸入量を確認しておく。内部圧力を正常状態に保ち、例えばプランジャの動作パターン(台形パターン)である最高速度、加速度、減速度を固定し、試薬吸入量を一定値とした場合、シリンジ内におけるプランジャのストローク、空気吸入量、吐出量、液体試料吸引後の吐出回数の関係を確認し、図5に示す表のようにまとめておく。
【0021】
つぎに、本実施例の動作について説明する。
(1) 先ず、空気吸入量を記憶する(F0)。
予め計測した吐出量に対する空気吸入量を吐出量記憶部に記憶する。
(2) 洗浄水の吸引(F1)は実施例1に同じである。
(3) 空気を吸引する(F2)。
アクチュエータ7によりシリンジ4内のプランジャ6が吸引駆動され、予め記憶した空気吸入量に基づき、ノズル2からシリンジ4内に空気を吸引する。
(4) 液体試料の吸引(F3)、(5)液体試料の排出(F4)、(6) 液体試料の吐出(F5)は、実施例1に同じである。
(7) 吐出ごとに(2)〜(6)を繰り返す。
【0022】
このように、本実施例では吐出量に対する空気吸入量、液体試料吸引後の吐出回数を予め記憶し液体試料を吐出するため、CV値と正確度ともに精度良く吐出できる。
【実施例3】
【0023】
本実施例の構成は、実施例1と同様なので説明は省略する。
以下に示す手順により、予め実験により吐出精度の良い、吐出量に対する液体試料吸入量、空気吸入量を確認しておく。内部圧力を正常状態に保ち、例えばプランジャの動作パターン(台形パターン)である最高速度、加速度、減速度を固定した場合、シリンジ内におけるプランジャのストローク、液体試料吸入量、空気吸入量、吐出量、液体試料吸引後の吐出回数の関係を確認し、図6に示す表のようにまとめておく。
(1) 先ず、液体試料吸入量、空気吸入量を記憶する(F0)。
予め計測した吐出量に対する液体試料吸入量、空気吸入量を吐出量記憶部に記憶する。
(2) 洗浄水の吸引(F1)は実施例1に同じである。
(3) 空気を吸引する(F2)。
アクチュエータ7によりシリンジ4内のプランジャ6が吸引駆動され、予め記憶した空気吸入量に基づき、ノズル2からシリンジ4内に空気を吸引する。
(4) 液体試料の吸引(F3)、(5)液体試料の排出(F4)、(6) 液体試料の吐出(F5)は、実施例1に同じである。
(7) 吐出ごとに(2)〜(6)を繰り返す。
【0024】
このように、本実施例では吐出量に対する液体試料吸入量、空気吸入量、液体試料吸引後の吐出回数を予め記憶し液体試料を吐出するため、CV値と正確度ともに精度良く吐出できる。
【産業上の利用可能性】
【0025】
なお、ノズル先端における液体試料の粘度による表面張力の違いや液体試料吸引後の初期メニスカスの違いによらず液体試料を精度良く吐出できるので、吸引・吐出が必要なバイオ関連および医療関連の装置等に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の第1の実施の形態の液体試料分注装置の構成を示す図
【図2】本発明の第1の実施の形態における制御部の動作を示すフロー図
【図3】ノズルの吸引状態を示す断面図
【図4】本発明の第1の実施の形態のシリンジ内におけるプランジャのストローク、液体試料吸入量、吐出量、液体試料吸引後の吐出回数の関係を示す表
【図5】本発明の第2の実施の形態のシリンジ内におけるプランジャのストローク、空気吸入量、吐出量、液体試料吸引後の吐出回数の関係を示す表
【図6】本発明の第3の実施の形態のシリンジ内におけるプランジャのストローク、液体試料吸入量、空気吸入量、吐出量、液体試料吸引後の吐出回数の関係を示す表
【図7】従来例1の実施の形態の液体吐出装置
【図8】従来例2の実施の形態の液滴吐出システムの構成例を概略的に示す図
【図9】、従来例3の実施の形態の要部断面図
【図10】従来例3の実施の形態のフローチャート図
【図11】従来例3の実施の形態の要部断面図
【図12】従来例3の実施の形態の液体温度制御手段を備えた液体定量吐出装置
【符号の説明】
【0027】
1 液体試料分注装置
2 分注用ノズル
3 フレキシブルチューブ
4 シリンジ
5 シリンダ
6 プランジャ
7 分注用アクチュエータ
8 分注用アクチュエータ駆動部
9 分注用アクチュエータ制御部
10 CPU
11 吐出条件記憶部
12 液体試料容器
13 反応容器
14 液体試料
15 洗浄水
16 空気
101 計量部
102 プランジャ
103 モータ
104 吐出バルブ(第1のバルブ)
105 弁体
106 流路
107 ノズル
108 流路
109 管
110 液材供給バルブ(第2のバルブ)
111 貯留容器
112 貯留容器接続具
113 孔
121 プランジャロッド
122 プランジャヘッド
123 気泡抜き孔
124 シール部
125 バルブロッド
126 気泡抜き孔
131 枠体
132 ネジ軸
133 案内ロッド
134 プランジャ支持体
135 固定ネジ
F 揮発性膜
P 基板(ガラス基板)
C 膜パターン(導電性膜)
IJS 液滴吐出システム
TS 吐出試験機
IJ 液滴吐出装置
201 液滴吐出ヘッド
226 試験用吐出システム
227 測定装置
228 制御装置
230 TFT(スイッチング素子)
235 重量測定装置(重量測定手段)
236 撮影装置(撮像手段)
301 液体貯留容器
302 ニードルバルブ
303 シリンジ
304 ホルダ
305 加圧手段
306 モータ
307 ボールねじ
308 雌ねじ部材
309 ロッド
310 プランジャ
312 液体流路
313 吐出口
314 アウトレットスペース
315 ニードル
316 シリンダ
317 ピストン
318 圧力センサ
319 制御手段
320、328、329 (電磁部)切換弁
321 液体圧力補償ピストン
322、323 室
325 三次元マニピュレータ
326 コントローラ
327 エアシリンダ
330 手動減圧弁
331 加圧空気供給源
333 外部設定信号
334 真空レギュレータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体試料を吸引保持する分注用ノズルと、液体試料の吸引・吐出圧力を発生させるシリンダとプランジャより構成されるシリンジと、液体試料を流すフレキシブルチューブと、前記液体試料の吸引・吐出を前記シリンジと前記フレキシブルチューブを介して前記分注用ノズルから実施させる分注用アクチュエータと、前記分注用アクチュエータを駆動する分注用アクチュエータ駆動部と、前記分注用アクチュエータ駆動部を制御する分注用アクチュエータ制御部を備え、前記分注用ノズルによって保持された前記液体試料を複数の反応容器に所定量ずつ分注する液体試料分注装置において、
前記分注用アクチュエータ制御部に吐出条件記憶部を備えたことを特徴とする液体試料分注装置。
【請求項2】
前記吐出条件記憶部は、前記分注用ノズル先端の初期メニスカスの影響を排除するように排出動作パターンを記憶したことを特徴とする請求項1記載の液体試料分注装置。
【請求項3】
前記吐出条件記憶部は、少なくとも前記プランジャのストロークと、液体試料吸入量と、吐出量と、吐出回数を記憶テーブルとして備えたことを特徴とする請求項1記載の液体試料分注装置。
【請求項4】
前記吐出条件記憶部は、予め吐出精度の良い吐出量のデータをもとにテーブルが作成されていることを特徴とする請求項1記載の液体試料分注装置。
【請求項5】
前記吐出条件記憶部は、少なくとも前記プランジャのストロークと、空気吸入量と、吐出量と、吐出回数を記憶テーブルとして備えたことを特徴とする請求項1記載の液体試料分注装置。
【請求項6】
前記吐出条件記憶部は、少なくとも前記プランジャのストロークと、液体試料吸入量と、空気吸入量と、吐出量と、吐出回数を記憶テーブルとして備えたことを特徴とする請求項1記載の液体試料分注装置。
【請求項7】
前記吐出条件記憶部に記憶された排出動作パターンにより排出された前記分注用ノズル先端の前記初期メニスカスが吐出される排出容器が備えられたことを特徴とする請求項1記載の液体試料分注装置。
【請求項8】
液体試料を吸引保持する分注用ノズルと、液体試料の吸引・吐出圧力を発生させるシリンダとプランジャより構成されるシリンジと、液体試料を流すフレキシブルチューブと、前記液体試料の吸引・吐出を前記シリンジと前記フレキシブルチューブを介して前記分注用ノズルから実施させる分注用アクチュエータと、前記分注用アクチュエータを駆動する分注用アクチュエータ駆動部と、前記分注用アクチュエータ駆動部を制御する分注用アクチュエータ制御部を備え、前記分注用ノズルによって保持された前記液体試料を複数の反応容器に所定量ずつ分注する液体試料分注装置の駆動方法において、
前記分注用アクチュエータ制御部は、吐出条件記憶部に記憶した動作パラメータに基づいて前記分注用アクチュエータ駆動部への動作指令を指令することを特徴とする液体試料分注装置の駆動方法。
【請求項9】
前記プランジャの駆動パラメータと前記吐出量と液体試料吸引後の吐出回数との関係に基づいて前記分注用アクチュエータ駆動部への動作指令を指令することを特徴とする請求項8記載の液体試料分注装置の駆動方法。
【請求項10】
前記吐出条件記憶部は、前記分注用ノズル先端の初期メニスカスの影響を排除するように排出動作パターンで前記分注用アクチュエータ駆動部への動作指令を指令することを特徴とする請求項8記載の液体試料分注装置の駆動方法。
【請求項11】
前記吐出条件記憶部に記憶する前記吐出パラメータが前記プランジャのストロークと前記液体試料吸入量と前記吐出量と液体試料吸引後の吐出回数との関係で前記分注用アクチュエータ駆動部への動作指令を指令することを特徴とする請求項8記載の液体試料分注装置の駆動方法。
【請求項12】
前記吐出条件記憶部に記憶する前記吐出パラメータが前記プランジャのストロークと前記空気吸入量と前記吐出量と液体試料吸引後の吐出回数との関係で前記分注用アクチュエータ駆動部への動作指令を指令することを特徴とする請求項8記載の液体試料分注装置の駆動方法。
【請求項13】
前記吐出条件記憶部に記憶する前記吐出パラメータが前記プランジャのストロークと前記液体試料吸入量と前記空気吸入量と前記吐出量と液体試料吸引後の吐出回数との関係で前記分注用アクチュエータ駆動部への動作指令を指令することを特徴とする請求項8記載の液体試料分注装置の駆動方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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