液処理装置、液処理方法及び記憶媒体
【課題】基板に液処理を行う液処理装置において、装置を構成する各部が使用できない状態になったときにスループットの低下を抑えることができる装置を提供すること。
【解決手段】第1のノズル、第2のノズルを備えた液処理装置を構成する。この液処理装置において、通常時は、第1のカップ群と第2のカップ群との間で交互に基板を受け渡し、両カップ群においてカップが順番に使用されるように基板搬送機構を制御すると共に、基板保持部、処理液供給系またはノズル支持機構が使用できない状態になったことにより第1のカップ群及び第2のカップ群の一方において基板の処理ができない状態になったときに、当該一方のカップ群のうちの使用可能なカップにより基板を処理するために、他方のカップ群を受け持つノズルが移動する。
【解決手段】第1のノズル、第2のノズルを備えた液処理装置を構成する。この液処理装置において、通常時は、第1のカップ群と第2のカップ群との間で交互に基板を受け渡し、両カップ群においてカップが順番に使用されるように基板搬送機構を制御すると共に、基板保持部、処理液供給系またはノズル支持機構が使用できない状態になったことにより第1のカップ群及び第2のカップ群の一方において基板の処理ができない状態になったときに、当該一方のカップ群のうちの使用可能なカップにより基板を処理するために、他方のカップ群を受け持つノズルが移動する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板に処理液を供給して基板に対し液処理を行う液処理装置、液処理方法及び記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体製造工程の一つであるフォトレジスト工程においては、基板である半導体ウエハ(以下、ウエハという)の表面にレジストを塗布し、このレジストを所定のパターンで露光した後に現像してレジストパターンを形成している。このような処理は、一般にレジストの塗布、現像を行う塗布、現像装置に露光装置を接続したシステムを用いて行われる。
【0003】
この塗布、現像装置にはウエハに処理液を供給して液処理を行う各種の液処理装置が設けられている。この液処理装置としては、ウエハに例えばレジストを塗布するレジスト塗布装置がある。このレジスト塗布装置は、ウエハにレジストを塗布するための塗布処理部を備えており、この塗布処理部はウエハを保持する保持部や前記保持部に保持されたウエハを囲み、レジストの飛散を防ぐカップなどを備えている。
【0004】
また、レジスト塗布装置は、ウエハWにレジストを供給するノズルを備えており、このノズルは支持体(アーム)に取り付けられ、ノズルアームを構成している。例えば特許文献1に記載されるように、このノズルアームは、複数例えば3つの塗布処理部で共有化されており、各カップ間を移動して各保持部に保持されたウエハにレジストを供給する。現像処理を行う現像装置なども、基板に供給する処理液が違う他は、このレジスト塗布装置と同様に構成される場合が有る。
【0005】
ところで、上記のように塗布処理部の数と、ノズルアームの数との比は1:1ではない。従って、ノズルアームへ処理液を供給する処理液供給ラインをメンテナンスしたり、ノズルアームが故障し移動できなくなると、複数の塗布処理部で、ウエハの処理が行えなくなる。また、通常のウエハ処理時にノズルからウエハへのレジストの吐出時間が長いと、一の塗布処理部でノズルアームを占有している時間が長くなるので、他の塗布処理部でのウエハの処理開始時間が遅れ、スループットが低下してしまう。このような事情から、通常のウエハ処理時に高いスループットが得られ、且つ各部が故障したりメンテナンスを行う際にスループットの低下が抑えられるレジスト塗布装置が求められていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2010−045185
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明はこのような事情の下になされたものであり、その目的は、基板に液処理を行う液処理装置において、装置を構成する各部が使用できない状態になったときにスループットの低下を抑えることができる液処理装置、液処理方法及び記憶媒体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の液処理装置は、カップ内の基板保持部に基板を水平に保持し、処理液供給系からノズルを介してその上方から基板に処理液を供給して基板に対し液処理を行う装置において、
前記基板保持部がその内部に配置され、左右方向に一列に配列された2n(nは2以上の整数)個のカップと、
通常時は第1のカップ群をなす左側n個のカップのみに対して共通に使用される第1のノズルと、
この第1のノズルを支持し、当該ノズルが2n個全部に対して使用可能なように左右方向に移動自在な第1のノズル支持機構と、
通常時は第2のカップ群をなす右側n個のカップのみに対して共通に使用される第2のノズルと、
この第2のノズルを支持し、当該ノズルが2n個全部に対して使用可能なように左右方向に移動自在な第2のノズル支持機構と、
基板を基板保持部に受け渡すための基板搬送機構と、
通常時は、第1のカップ群と第2のカップ群との間で交互に基板を受け渡し、両カップ群においてカップが順番に使用されるように基板搬送機構を制御すると共に、基板保持部、処理液供給系またはノズル支持機構が使用できない状態になったことにより第1のカップ群及び第2のカップ群の一方において基板の処理ができない状態になったときに、当該一方のカップ群のうちの使用可能なカップにより基板を処理するために、他方のカップ群を受け持つノズルが移動するように制御信号を出力する制御部と、を備えたことを特徴とする。
【0009】
前記制御部は、第1のカップ群及び第2のカップ群の一方において基板の処理ができない状態になったときに、当該一方のカップ群のうちオペレータにより指定されたカップを使用するために、他方のカップ群を受け持つノズルが移動するように制御信号を出力してもよい。また、前記制御部は、第1のカップ群及び第2のカップ群の一方において基板の処理ができない状態になったときに、当該一方のカップ群の中からその状態に応じて予め決められたカップを使用するために、他方のカップ群を受け持つノズルが移動するように制御信号を出力してもよい。
【0010】
また、前記制御部は、第1のカップ群及び第2のカップ群の一方において基板の処理ができない状態になったときに、手動モードと自動モードとを選択できるように構成されてもよく、
例えば手動モードを選択したときには、一方のカップ群のうちオペレータにより指定されたカップを使用するために、他方のカップ群を受け持つノズルが移動するように制御信号を出力し、自動モードを選択したときには、一方のカップ群の中からその状態に応じて予め決められたカップを使用するために、他方のカップ群を受け持つノズルが移動するように制御信号を出力する。
【0011】
カップ内の基板保持部に基板を水平に保持し、処理液供給系からノズルを介してその上方から基板に処理液を供給して基板に対し液処理を行う液処理方法において、
通常時に、前記基板保持部がその内部に配置され、左右方向に一列に配列された2n(nは2以上の整数)個のカップのうち、第1のカップ群をなす左側n個のカップのみに対して共通に使用される第1のノズルから処理液を供給する工程と、
通常時に、前記2n個のカップのうち、第2のカップ群をなす右側n個のカップのみに対して共通に使用される第2のノズルから処理液を供給する工程と、
通常時は、両カップ群においてカップが順番に使用されるように、基板搬送機構により第1のカップ群の基板保持部と第2のカップ群の基板保持部との間で交互に基板を受け渡す工程と、
基板保持部、処理液供給系またはノズル支持機構が使用できない状態になったことにより第1のカップ群及び第2のカップ群の一方において基板の処理ができない状態になったときに、当該一方のカップ群のうちの使用可能なカップにより基板を処理するために、他方のカップ群を受け持つ第1のノズルまたは第2のノズルを左右方向に移動させる工程と、
を含むことを特徴とする液処理方法。
【0012】
この液処理方法は、第1のカップ群及び第2のカップ群の一方において基板の処理ができない状態になったときに、当該一方のカップ群のうちオペレータにより指定されたカップを使用するために、他方のカップ群を受け持つノズルを移動させる工程を含んでいてもよい。また、第1のカップ群及び第2のカップ群の一方において基板の処理ができない状態になったときに、当該一方のカップ群の中からその状態に応じて予め決められたカップを使用するために、他方のカップ群を受け持つノズルを移動させる工程を含んでいてもよい。
【0013】
本発明の記憶媒体は、基板に対して液処理を行う液処理装置に用いられるコンピュータプログラムが記憶された記憶媒体であって、
前記コンピュータプログラムは、上述の液処理方法を実施するためのものであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、第1のカップ群及び第2のカップ群の一方において基板の処理ができない状態になったときに、他方のカップ群を受け持つノズルが一方のカップ群のうち使用可能なカップで基板を処理する。従って、装置のメンテナンス時や故障時において、スループットの低下を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施の形態に係るレジスト塗布装置の斜視図である。
【図2】前記レジスト塗布装置の平面図である。
【図3】前記レジスト塗布装置の塗布処理部の縦断側面図である。
【図4】前記レジスト塗布装置のノズルアームの正面図である。
【図5】前記レジスト塗布装置の制御部の構成図である。
【図6】操作画面による設定の一例を示す説明図である。
【図7】前記制御部のメモリを示す説明図である。
【図8】前記レジスト塗布装置におけるウエハの搬送及びノズルアームの動作を示す作用図である。
【図9】前記レジスト塗布装置におけるウエハの搬送及びノズルアームの動作を示す作用図である。
【図10】前記レジスト塗布装置におけるウエハの搬送及びノズルアームの動作を示す作用図である。
【図11】前記レジスト塗布装置におけるウエハの搬送及びノズルアームの動作を示す作用図である。
【図12】前記レジスト塗布装置におけるウエハの搬送及びノズルアームの動作を示す作用図である。
【図13】前記レジスト塗布装置におけるウエハの搬送及びノズルアームの動作を示す作用図である。
【図14】前記レジスト塗布装置におけるウエハの搬送及びノズルアームの動作を示す作用図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の液処理装置の実施形態であるレジスト塗布装置1について、その斜視図、平面図である図1、図2を夫々参照しながら説明する。レジスト塗布装置1は、4つの塗布処理部11a、11b、11c、11dと、基台31と、を備えている。塗布処理部11a〜11dは基台31上に、横方向に一列に配列されている。
【0017】
各塗布処理部11a〜11dは各々同様に構成されており、ここでは塗布処理部11aを例に挙げて、その縦断側面を示した図3を参照しながら説明する。塗布処理部11aは、ウエハWの裏面中央部を吸着して水平に保持する基板保持部をなすスピンチャック12aを備え、スピンチャック12aは回転軸13aを介して回転駆動機構14aに接続されている。スピンチャック12aは、回転駆動機構14aを介してウエハWを保持した状態で鉛直軸回りに回転自在に構成されている。回転駆動機構14aは後述の制御部90から送信される制御信号を受けてスピンチャック12aの回転速度を制御する。また、回転駆動機構14aは、その回転速度に応じて制御部90に信号を出力する。
【0018】
スピンチャック12aの周囲にはスピンチャック12a上のウエハWを囲むようにして上方側に開口部20aを備えたカップ21aが設けられており、カップ21aの底部側には例えば凹部状をなす液受け部23aが設けられている。液受け部23aは、隔壁24aによりウエハWの周縁下方側に全周に亘って外側領域と内側領域とに区画されている。外側領域の底部には排液口25aが設けられ、内側領域の底部には処理雰囲気を排気するための排気口26aが設けられている。図中15aは昇降自在に構成された昇降ピンであり、カップ21a内に3本設けられている(図3では便宜上2本のみ表示している)。レジスト塗布装置1にウエハWを搬送する基板搬送機構10の動作に応じて、昇降機構16aが昇降ピン15aを昇降させ、前記基板搬送機構10とスピンチャック12aとの間でウエハWが受け渡される。
【0019】
塗布処理部11b、11c、11dにおいて、塗布処理部11aの各部に対応する部分に関しては、塗布処理部11aの説明で用いた数字と同じ数字を用い、且つaの代わりにb、c、dを夫々付して各図中に示している。
【0020】
基台31には、2つのノズルアーム4、5が設けられている。ノズルアーム4、5は互いに同様に構成されており、ここではノズルアーム4を例に挙げて説明する。ノズルアーム4はノズル支持機構41と、アーム32と、複合ノズル部33とを備えている。ノズル支持機構41は、基台31に設けられたガイド42に沿って、塗布処理部11a〜11dの配列方向に移動する。ノズル支持機構41は制御部90から送信される制御信号に従って前記移動を行い、また制御部90にその横方向の位置に応じて信号を出力する。
【0021】
アーム32は、ノズル支持機構41から水平に、当該ノズル支持機構41の移動方向と直交するように伸びている。複合ノズル部33は、複数例えば9本のレジスト供給ノズル34と、1本のシンナー供給ノズル35とにより構成されている。シンナーはレジストの濡れ性を向上させるための処理液である。各レジスト供給ノズル34及びシンナー供給ノズル35は、アーム32の先端に塗布処理部11a〜11dの配列方向に沿って配列されており、各塗布処理部11a〜11dのスピンチャック12a〜12dに保持されたウエハWの中心部上に移動することができる。
【0022】
ノズルアーム5は、ノズル支持機構41に相当するノズル支持機構51を備えており、当該ノズル支持機構51は基台31に設けられたガイド42に沿って、塗布処理部11a〜11dの配列方向に移動する。それによって、ノズルアーム5の各ノズルが、ノズルアーム3の各ノズル同様、塗布処理部11a〜11dに搬送されたウエハWに処理を行うことができる。
【0023】
図3中36は処理液供給ユニットである。処理液供給ユニット36は、レジスト供給ノズル34、シンナー供給ノズル35に夫々供給するレジスト、シンナーが貯留されたタンクと、タンク内を加圧して当該タンク内の処理液をノズルへ送液するための送液手段と、を備えた処理液供給機構37により構成されている。処理液供給機構37はノズル34,35と同じ数である10基設けられている。各処理液供給機構37に貯留されるレジストは、例えば各々濃度や成分が異なっており、所望のレジストをウエハWに供給できるようになっている。
【0024】
図中38は、各ノズル34,35と各処理液供給機構37とを接続する処理液供給管であり、各処理液供給管38にはバルブ39を含む流量制御部30が介設されている。制御部90から送信される制御信号を受けて各バルブ39の開閉が制御され、9種類のレジストとシンナーとを切り替えて、各塗布処理部11a〜11d内のウエハWに供給することができるようになっている。
【0025】
図1及び図2に示すように、塗布処理部11a〜11dを挟むようにノズルバス6,7が設けられている。ノズルバス6は、上側が開口したカップ状に形成されている。ノズルバス6の内部は、ノズルアーム4の複合ノズル部33の待機領域61として構成されている。また、ノズルバス7は、ノズルバス6と同様に構成されており、待機領域61に相当する待機領域71を備えている。この待機領域71は、ノズルアーム5の複合ノズル部33を待機させる領域である。各ノズルアーム4、5の複合ノズル部33は、ウエハWにレジストやシンナーの供給処理を行わないときに、待機領域61、71内に夫々収納されて待機する。以降は、代表してノズルバス6について、図4を参照して説明する。
【0026】
ノズルバス6は、例えば投光部62と受光部63とからなる光センサを備えている。受光部63は、投光部62から入射する光量に応じて制御部90に信号を出力する。図4に示すように待機領域61に前記複合ノズル部33が収納されているときには、受光部63に入射する光が遮られ、前記出力信号が変化する。この出力信号の変化によって、制御部90が待機領域61にあるか否かの判定を行う。また、ノズルバス6は、排液口64を備えている。ノズルアーム4のノズル34、35は待機領域61で待機している間に、メンテナンスとして処理液を待機領域61に吐出する場合がある。この処理液の吐出によって、ノズル34、35内及び処理液供給管38内への付着物を除去し、処理液供給ラインを洗浄する。この洗浄メンテナンスで吐出された処理液は、前記排液口64から排液される。
【0027】
図1及び図2に戻って説明を続ける。レジスト塗布装置1は、各塗布処理部11a〜11dで夫々形成されたレジスト膜の周縁部を夫々除去し、当該レジスト膜の剥がれを防止する4基の周縁部除去機構8を備えている。周縁部除去機構8は、レジストの溶剤であるシンナーを供給する溶剤ノズル81を備えている。図中82は溶剤ノズル81を支持するアームである。83は駆動機構であり、アーム82を介して溶剤ノズル81を昇降させる。また、駆動機構83は、ガイド84に沿って各塗布処理部11a〜11dの配列方向に移動する。各カップ22a〜22dの側方には、上側が開口したカップ状のノズルバス85が設けられている。前記駆動機構83により、ノズルバス85内の待機領域86と、当該待機領域86に隣り合うカップ21内に保持されたウエハWの周縁部上との間で溶剤ノズル81が移動する。
【0028】
続いて、レジスト塗布装置1でのウエハWのレジスト塗布工程について説明する。各塗布処理部11a〜11dでウエハWは同様にレジストの塗布処理を受け、各塗布処理部11a〜11dでの処理は互いに並行して行われる。後述するように通常は、塗布処理部11a〜11dにウエハWが搬送され、塗布処理部11a、11bに搬送されたウエハWはノズルアーム4で塗布処理部11c、11dに搬送されたウエハWはノズルアーム5で夫々処理される。ここでは塗布処理部11aにウエハWが搬送され、ノズルアーム4によりレジストの塗布処理が行われる手順について説明する。
【0029】
基板搬送機構10がカップ21a上にウエハWを搬送し、昇降ピン15aを介して、ウエハWがスピンチャック12aに受け渡され、ウエハWの裏面中央部がスピンチャック12aに保持される。続いて、ウエハWが所定の回転速度で鉛直軸回りに回転すると共にノズルバス6で待機していたノズルアーム4のシンナー供給ノズル35が、ウエハWの中心部上に位置し、ウエハWから所定の高さに位置するように移動した後、シンナーがウエハWの中心部に吐出される。
【0030】
シンナーの吐出停止後、レジスト供給ノズル34がウエハWの中心部上に位置し、ウエハW中心部にレジストが吐出される。レジストは、シンナーに濡れたウエハWを遠心力により周縁部へと展伸される、いわゆるスピンコーティングによりウエハW全体に広がる。レジストの吐出停止後、ノズルアーム4はノズルバス6の待機領域61に戻る。ノズルバス85から溶剤ノズル81がウエハWの周縁部上に移動し、当該溶剤ノズル81からシンナーが供給されて、ウエハWの周縁部のレジスト膜が除去される。溶剤ノズル81がノズルバス85に戻り、昇降ピン15aを介して、ウエハWが基板搬送機構10に受け渡され、レジスト塗布装置1から搬出される。
【0031】
続いて、このレジスト塗布装置1に設けられる制御部90について図5を参照しながら説明する。制御部90はCPU91、メモリ92及びプログラム93を備えている。図中94は、バスである。前記プログラム93には制御部90からレジスト塗布装置1の各部に制御信号を送り、レジスト塗布処理を進行させるように命令(各ステップ)が組み込まれている。そして、回転駆動機構14a〜14dによるウエハWの回転や昇降ピン15a〜15dによるウエハWの受け渡し、基板搬送機構10によるウエハWの搬送、ノズル支持機構41、51によるノズルアーム4、5の移動、流量制御部30によるウエハWへのレジスト及びシンナーの供給などの動作が制御される。このプログラム(処理パラメータの入力操作や表示に関するプログラムも含む)93は、例えばフレキシブルディスク、コンパクトディスク、ハードディスク、MO(光磁気ディスク)、メモリーカードなどの記憶媒体に格納されて制御部90にインストールされる。
【0032】
また、制御部90は、例えばタッチパネルなどにより構成される操作画面95を備えている。レジスト塗布装置1のオペレータは、この操作画面95を介して、メンテナンスを行うために使用を中止するメンテナンス個所または故障などのトラブルを起こし、使用できない状態になったトラブル個所を設定する。このような設定が行われると、自動でウエハWが搬送される塗布処理部11、使用されるノズルアームが上記の通常状態から変更される。また、オペレータは、この操作画面95からウエハWが搬送される塗布処理部11、使用されるノズルアームを手動で変更することもできる。
【0033】
図6は、操作画面95の一例を示している。オペレータは、例えば操作画面95に表示される第1の画面95aで、ノズルアーム4、5、塗布処理部11a〜11dのうち、いずれかをメンテナンス個所として入力することができる。また、ノズルアーム4、5をメンテナンス個所として入力した場合、上記のように待機領域61、71で処理液を吐出する処理液ラインの洗浄メンテナンスを行うか、それ以外の例えば部品交換などのメンテナンスを行うかを、第1の画面95aから入力するようになっている。
【0034】
オペレータは、第1の画面95aから第2の画面95bへ、表示を変更することができる。この第2の画面95bでは、オペレータはノズルアーム4、5、塗布処理部11a〜11dのうちいずれかをトラブル個所として入力することができる。図8にはメモリ92を示しており、第1の画面95a、第2の画面95bで夫々入力されたメンテナンス個所、トラブル個所については、当該メモリ92に記憶される。
【0035】
オペレータは、第2の画面95bから第3の画面95cへ表示を変更することができる。また、第1の画面95aでメンテナンス個所を設定した場合は、第2の画面95bは表示されず、第3の画面95cが表示される。オペレータは、この第3の画面95cにより、ノズルアーム4、5で処理を行う塗布処理部11を自動で設定するか、手動で設定するかを選択することができる。自動で設定することを選択した場合、プログラム93はメモリ92に記憶されたメンテナンス個所及びトラブル個所に基づいて、後述の各ケースで示すように、自動でウエハが搬送される塗布処理部11及び処理に使用するノズルアームを決定する。第3の画面95dで、手動で設定することを選択した場合、第4の画面95dが現れる。オペレータは、この第4の画面95dからノズルアーム4、5で夫々処理を行う塗布処理部11を設定することができる。
【0036】
以降の説明では、便宜上、各ウエハWについて、レジスト塗布装置1に搬送されるウエハWのロットの順番にA、B・・・というアルファベットを順に付して示し、そしてそのアルファベットの後にそのロット内においてレジスト塗布装置1に搬送される順に数字の番号を付して示す。つまり、例えばあるロット内のウエハWで、そのロットで3番目にレジスト塗布装置1に搬送されるウエハWをウエハA3として示す。そして、前記ロットの次にレジスト塗布装置1に搬送される後続ロットにおいて、その後続ロット内で5番目にレジスト塗布装置1に搬送されるウエハWをウエハB5として示す。
【0037】
図8は、既述の操作画面95からの設定が行われていない通常状態において、基板搬送機構10が各塗布処理部11a〜11dへウエハWを搬送するタイミングを、時系列で示している。また、この図8では、矢印でノズルアーム4、5が移動する領域を示している。塗布処理部11a、11bを第1の処理グループG1、塗布処理部11c、11dを第2の処理グループG2とすると、ウエハWは処理グループG1、G2に交互に搬送され、さらに各処理グループG1、G2内の塗布処理部11に交互に搬送される。具体的にウエハA1、A2、A3、A4は、塗布処理部11a、11c、11b、11dの順に搬送される。さらに後続のウエハA5、A6、A7、A8も同様に塗布処理部11a、11c、11b、11dの順に搬送される。そして、塗布処理部11a、11bに搬送されたウエハWはノズルアーム4により処理され、塗布処理部11c、11dに搬送されたウエハWはノズルアーム5により処理される。
【0038】
以下、装置の各部がメンテナンス箇所またはトラブル箇所として設定された各ケースにおける、ウエハWの搬送及び使用されるノズルアームについて説明する。また、以下の各ケースでは、前記操作画面95において、オペレータによりノズルアーム4、5で処理を行う塗布処理部11を自動で設定することが選択されているものとする。
【0039】
ケース1:ノズルアーム4がメンテナンス箇所とされ、さらに処理液供給ラインの洗浄メンテナンスを行うように設定された場合
上記の設定を行ったときに、装置1で処理中のロットAについては、上記の通常状態で処理される。そして、ロットAの処理が終わると、ノズルアーム4がノズルバス6の待機領域61内で処理液を吐出し、処理液供給ラインの洗浄が行われる。その間、図9に示すように後続のロットBのウエハBは、塗布処理部11c、11dに交互に搬送され、ノズルアーム5がこれらのウエハBに処理を行う。メンテナンスが終わると、次に搬送されるロットのウエハから、既述のノズルアーム4、5及び塗布処理部11a〜11dを用いた通常状態での処理が再開される。
【0040】
ケース2:ノズルアーム4がメンテナンス箇所とされ、さらに処理液ラインの洗浄メンテナンスを行うように設定されていない場合
上記の設定を行ったときに、装置1で処理中のロットAについては、通常状態で処理される。そして、ロットAの処理が終わると、ノズルアーム4がノズルバス6の待機領域61内で待機する。そして、図10に示すように後続のロットBのウエハBは、塗布処理部11a〜11dに通常状態と同様の順番で搬送されるが、通常状態と異なりノズルアーム5のみが、これらのウエハBに処理を行う。このようにロットBの処理が行われている間に、オペレータは、ノズルアーム4の部品の交換などのメンテナンス作業を行う。メンテナンスが終わると、例えばオペレータが操作画面95から所定の設定を行い、次に搬送されるロットのウエハから通常状態での処理が再開される。
【0041】
ケース1で、塗布処理部11a、11bを用いないのは、ノズルバス6への処理液の吐出により飛散したミストが、ノズルバス6に近接する当該塗布処理部11a、11bで処理中のウエハWに付着することを防ぐためである。ケース2では、多くの塗布処理部11で並行してウエハWに処理を行い、スループットを向上させるために、すべての塗布処理部11a〜11dを用いている。
【0042】
ケース1でノズルアーム4がメンテナンス個所に設定される代わりにノズルアーム5がメンテナンス個所に設定される場合は、ノズルアーム4及び塗布処理部11a、11bを用いて処理が行われる。ケース2でノズルアーム4がメンテナンス個所に設定される代わりにノズルアーム5がメンテナンス個所に設定される場合は、ノズルアーム4及び塗布処理部11a〜11dを用いて処理が行われる。
【0043】
ケース3:ノズルアーム4がトラブル箇所に設定された場合
設定が行われると、制御部90はノズルアーム4を停止させ、その位置が待機領域61であるか否かを判定する。待機領域61以外の領域に位置していると判定した場合、この判定時以降、装置1に搬送されるウエハAは、塗布処理部11c、11dに交互に搬送され、ノズルアーム5により処理される。図11では、ウエハA5が塗布処理部11aに搬送された後にトラブル個所の設定及び前記判定が行われ、ウエハA6以降のウエハAを上記のように塗布処理部11c、11dへ搬送し、ノズルアーム5で処理する例について示している。
【0044】
制御部90が、ノズルアーム4がノズルバス6の待機領域61で停止していると判定した場合、各ウエハWの搬送先は変更されず、通常状態と同じ塗布処理部11a〜11dに搬送される。そして、この判定以降、塗布処理部11a〜11dに搬送されたウエハAは、ノズルアーム5により処理される。図12では、ウエハA5が塗布処理部11aに搬送された後にトラブル個所の設定及び前記判定が行われ、ウエハA6以降のウエハAを上記のようにノズルアーム5で処理する例について示している。このケース3では、例えばオペレータが操作画面95から所定の設定を行うと、この設定が行われた後、次に搬送されるロットのウエハから通常状態での処理が再開される。
【0045】
このようにノズルアーム4が待機領域61の外部で停止したときには、ウエハWを塗布処理部11c、11dで処理するのは、ノズルアーム4とノズルアーム5との干渉を防ぐためである。また、ノズルアーム4が待機領域61で停止したときには、この干渉が起こらないので、上記のように塗布処理部11a〜11dをすべて使用することが、スループットの低下を抑えるために得策である。
【0046】
上記のケース3で、ノズルアーム4がトラブル箇所に設定される代わりにノズルアーム5トラブル個所に設定される場合もノズルアーム5の停止位置によってウエハWの搬送先が決定される。つまり、ノズルアーム5が待機領域71以外の領域で停止した場合は、塗布処理部11a、11bに交互にウエハWが搬送され、ノズルアーム4により処理が行われる。また、ノズルアーム5が待機領域71で停止した場合は、塗布処理部11a〜11dに通常状態と同様にウエハWが搬送され、ノズルアーム4により処理が行われる。
【0047】
ケース4:塗布処理部11aがトラブル箇所に設定された場合
設定が行われると、基板搬送機構10は、新たに装置1に搬入するウエハAを、塗布処理部11b〜11dのうち、早くウエハAの処理を終えたものに順次搬送し、以降はこの順番で、繰り返し塗布処理部11b〜11dにウエハAが搬送される。塗布処理部11bに搬送されたウエハの処理はノズルアーム4が行い、塗布処理部11c、11dに搬送されたウエハの処理はノズルアーム5が行う。図13の上段では、ロットAのウエハA6が塗布処理部11cに搬送された後に上記の設定が行われたときのウエハWの搬送状況を示している。
【0048】
そして、ロットAのすべてのウエハの処理が終了すると、ノズルアーム4は、ノズルバス6の待機領域61で待機する。図13の下段に示すように、後続のロットBのウエハBは前記設定後のロットAのウエハAと同様の搬送順で塗布処理部11b〜11dに搬送される。そして、ノズルアーム5がこれら塗布処理部11b〜11dに搬送されたウエハBに処理を行う。このようにロットBに処理が行われている間にオペレータは塗布処理部11aのトラブルを解消する。このケース4では、例えばオペレータが操作画面95から所定の設定を行うと、この設定が行われた後、次に搬送されるロットのウエハから通常状態での処理が再開される。
【0049】
上記のようにロットB処理中にはノズルアーム4、5が塗布処理部11a上を通過せず、ノズルバス6に待機するので、オペレータはノズルアーム4、5の移動に妨げられること無く、塗布処理部11aにアクセスし、トラブルの解消処理を行うことができる。そして、その間にノズルアーム5により塗布処理部11bでウエハBの処理が行われるため、ノズルアーム4が使用できないことによるスループットの低下が抑えられる。
【0050】
ケース4で、塗布処理部11aの代わりに、塗布処理部11aと同様、基台31の外側に位置する塗布処理部11dがトラブル個所に設定された場合も同様に処理される。具体的に、ウエハWは塗布処理部11a〜11cに搬送され、ノズルアーム5は待機領域71に待機する。なお、塗布処理部11のトラブルとしては、例えば回転駆動機構14a〜14dの不具合によりスピンチャック12a〜12dが使用できなくなる場合がある。
【0051】
ケース5:塗布処理部11bがトラブル箇所に設定された場合
上記のように設定が行われると、基板搬送機構10は、装置1で処理中のロットAの後続のウエハAを、塗布処理部11a、11c、11dのうち、早くウエハWの処理を終えたものに順次搬送し、以降はこの順番で、繰り返し塗布処理部11a、11c、11dにウエハWが搬送される。塗布処理部11aに搬送されたウエハの処理はノズルアーム4が行い、塗布処理部11c、11dに搬送されたウエハの処理はノズルアーム5が行う。図14では、ロットAのウエハA3が塗布処理部11bに搬送された後に上記の設定が行われたときの搬送例を示している。
【0052】
このように設定が行われた後は、ノズルアーム4、5が塗布処理部11b上を通過しないので、オペレータはノズルアーム4の移動に妨げられること無く、塗布処理部11bにアクセスし、トラブルの対処を行うことができる。例えばオペレータが操作画面95から所定の設定を行うと、この設定が行われた後、次に搬送されるロットのウエハから通常状態での処理が再開される。
【0053】
ケース4で、塗布処理部11bの代わりに、塗布処理部11bと同様に内側の塗布処理部である11cがトラブル個所に設定された場合も同様に処理される。具体的に、ウエハWは塗布処理部11a、11b、11dに搬送される。そして、塗布処理部11a、11bのウエハWはノズルアーム4により処理され、塗布処理部11dのウエハWはノズルアーム5により処理される。
【0054】
また、ケース4、5で塗布処理部11a、11bがトラブル個所に設定される代わりに、メンテナンス個所に設定された場合も、例えばこのケース4、5と同様の処理が行われる。
【0055】
以上、説明したようにこのレジスト塗布装置1では、塗布処理部11a〜11dのいずれかでウエハWの処理が行えなくなったときに、通常状態ではその塗布処理部11に処理を行わないノズルアームが当該塗布処理部11でウエハWの処理を行う。従って、メンテナンスを行う際や装置にトラブル個所が発生した際においてもスループットの低下を抑えることができる。そして、通常状態では塗布処理部11a〜11dに対して2基のノズルアーム4、5が処理を行うため、ノズルアームが1基の場合に比べて高いスループットが得られる。また、レジストの供給時間を長く設定しても、それによるスループットの低下が抑えられる。
【0056】
上記の例ではトラブル個所をオペレータが設定する構成となっているが、トラブル個所を制御部100が自動で検出するようにし、上記の各ケースで、この検出をオペレータの設定に代えてもよい。例えば、制御部100が、回転駆動機構14a〜14dからの出力信号に基づいて、回転駆動機構14a〜14dの回転速度と予め設定された回転速度とを比較し、両者の差が設定値以上になったら、その回転駆動機構14を含む塗布処理部11がトラブル個所になったものとして、自動でケース4、ケース5の処理を行うようにしてもよい。
【0057】
また、他の例として、制御部100が、ノズル支持機構41、51からの出力信号に基づいて、基台31におけるこれらノズル支持機構41、51横方向の位置を検出する。更に制御部100は、当該制御部100からノズル支持機構41、51を所定の位置に移動させるために出力する制御信号の送信時間と、ノズル支持機構41、51が前記所定の位置に移動したときに出力する信号の送信時間とのずれを演算する。このずれが設定値以上になったら、そのノズル支持機構を含むノズルアームがトラブル個所になったものとして、自動でケース3と同様の処理を行う。
【0058】
また、上記の各ケースで挙げた搬送例は一つの例であり、この例に限られるものではない。例えばケース1において、塗布処理部11b〜11dにウエハWを搬送するようにし、ノズルアーム5でこれらの塗布処理部のウエハWに処理を行うようにしてもよい。
【0059】
本発明のノズルから供給する処理液としてはレジストやシンナーに限られるものではなく、現像液や反射防止膜を形成するための処理液を供給してもよい。
【符号の説明】
【0060】
1 レジスト塗布装置
11a、11b、11c、11d 塗布処理部
12a、12b、12c、12d スピンチャック
21a、21b、21c、21d カップ
34 レジスト供給ノズル
4、5 ノズルアーム
41、51 ノズル支持機構
6、7 ノズルバス
61、71 待機領域
90 制御部
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板に処理液を供給して基板に対し液処理を行う液処理装置、液処理方法及び記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体製造工程の一つであるフォトレジスト工程においては、基板である半導体ウエハ(以下、ウエハという)の表面にレジストを塗布し、このレジストを所定のパターンで露光した後に現像してレジストパターンを形成している。このような処理は、一般にレジストの塗布、現像を行う塗布、現像装置に露光装置を接続したシステムを用いて行われる。
【0003】
この塗布、現像装置にはウエハに処理液を供給して液処理を行う各種の液処理装置が設けられている。この液処理装置としては、ウエハに例えばレジストを塗布するレジスト塗布装置がある。このレジスト塗布装置は、ウエハにレジストを塗布するための塗布処理部を備えており、この塗布処理部はウエハを保持する保持部や前記保持部に保持されたウエハを囲み、レジストの飛散を防ぐカップなどを備えている。
【0004】
また、レジスト塗布装置は、ウエハWにレジストを供給するノズルを備えており、このノズルは支持体(アーム)に取り付けられ、ノズルアームを構成している。例えば特許文献1に記載されるように、このノズルアームは、複数例えば3つの塗布処理部で共有化されており、各カップ間を移動して各保持部に保持されたウエハにレジストを供給する。現像処理を行う現像装置なども、基板に供給する処理液が違う他は、このレジスト塗布装置と同様に構成される場合が有る。
【0005】
ところで、上記のように塗布処理部の数と、ノズルアームの数との比は1:1ではない。従って、ノズルアームへ処理液を供給する処理液供給ラインをメンテナンスしたり、ノズルアームが故障し移動できなくなると、複数の塗布処理部で、ウエハの処理が行えなくなる。また、通常のウエハ処理時にノズルからウエハへのレジストの吐出時間が長いと、一の塗布処理部でノズルアームを占有している時間が長くなるので、他の塗布処理部でのウエハの処理開始時間が遅れ、スループットが低下してしまう。このような事情から、通常のウエハ処理時に高いスループットが得られ、且つ各部が故障したりメンテナンスを行う際にスループットの低下が抑えられるレジスト塗布装置が求められていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2010−045185
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明はこのような事情の下になされたものであり、その目的は、基板に液処理を行う液処理装置において、装置を構成する各部が使用できない状態になったときにスループットの低下を抑えることができる液処理装置、液処理方法及び記憶媒体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の液処理装置は、カップ内の基板保持部に基板を水平に保持し、処理液供給系からノズルを介してその上方から基板に処理液を供給して基板に対し液処理を行う装置において、
前記基板保持部がその内部に配置され、左右方向に一列に配列された2n(nは2以上の整数)個のカップと、
通常時は第1のカップ群をなす左側n個のカップのみに対して共通に使用される第1のノズルと、
この第1のノズルを支持し、当該ノズルが2n個全部に対して使用可能なように左右方向に移動自在な第1のノズル支持機構と、
通常時は第2のカップ群をなす右側n個のカップのみに対して共通に使用される第2のノズルと、
この第2のノズルを支持し、当該ノズルが2n個全部に対して使用可能なように左右方向に移動自在な第2のノズル支持機構と、
基板を基板保持部に受け渡すための基板搬送機構と、
通常時は、第1のカップ群と第2のカップ群との間で交互に基板を受け渡し、両カップ群においてカップが順番に使用されるように基板搬送機構を制御すると共に、基板保持部、処理液供給系またはノズル支持機構が使用できない状態になったことにより第1のカップ群及び第2のカップ群の一方において基板の処理ができない状態になったときに、当該一方のカップ群のうちの使用可能なカップにより基板を処理するために、他方のカップ群を受け持つノズルが移動するように制御信号を出力する制御部と、を備えたことを特徴とする。
【0009】
前記制御部は、第1のカップ群及び第2のカップ群の一方において基板の処理ができない状態になったときに、当該一方のカップ群のうちオペレータにより指定されたカップを使用するために、他方のカップ群を受け持つノズルが移動するように制御信号を出力してもよい。また、前記制御部は、第1のカップ群及び第2のカップ群の一方において基板の処理ができない状態になったときに、当該一方のカップ群の中からその状態に応じて予め決められたカップを使用するために、他方のカップ群を受け持つノズルが移動するように制御信号を出力してもよい。
【0010】
また、前記制御部は、第1のカップ群及び第2のカップ群の一方において基板の処理ができない状態になったときに、手動モードと自動モードとを選択できるように構成されてもよく、
例えば手動モードを選択したときには、一方のカップ群のうちオペレータにより指定されたカップを使用するために、他方のカップ群を受け持つノズルが移動するように制御信号を出力し、自動モードを選択したときには、一方のカップ群の中からその状態に応じて予め決められたカップを使用するために、他方のカップ群を受け持つノズルが移動するように制御信号を出力する。
【0011】
カップ内の基板保持部に基板を水平に保持し、処理液供給系からノズルを介してその上方から基板に処理液を供給して基板に対し液処理を行う液処理方法において、
通常時に、前記基板保持部がその内部に配置され、左右方向に一列に配列された2n(nは2以上の整数)個のカップのうち、第1のカップ群をなす左側n個のカップのみに対して共通に使用される第1のノズルから処理液を供給する工程と、
通常時に、前記2n個のカップのうち、第2のカップ群をなす右側n個のカップのみに対して共通に使用される第2のノズルから処理液を供給する工程と、
通常時は、両カップ群においてカップが順番に使用されるように、基板搬送機構により第1のカップ群の基板保持部と第2のカップ群の基板保持部との間で交互に基板を受け渡す工程と、
基板保持部、処理液供給系またはノズル支持機構が使用できない状態になったことにより第1のカップ群及び第2のカップ群の一方において基板の処理ができない状態になったときに、当該一方のカップ群のうちの使用可能なカップにより基板を処理するために、他方のカップ群を受け持つ第1のノズルまたは第2のノズルを左右方向に移動させる工程と、
を含むことを特徴とする液処理方法。
【0012】
この液処理方法は、第1のカップ群及び第2のカップ群の一方において基板の処理ができない状態になったときに、当該一方のカップ群のうちオペレータにより指定されたカップを使用するために、他方のカップ群を受け持つノズルを移動させる工程を含んでいてもよい。また、第1のカップ群及び第2のカップ群の一方において基板の処理ができない状態になったときに、当該一方のカップ群の中からその状態に応じて予め決められたカップを使用するために、他方のカップ群を受け持つノズルを移動させる工程を含んでいてもよい。
【0013】
本発明の記憶媒体は、基板に対して液処理を行う液処理装置に用いられるコンピュータプログラムが記憶された記憶媒体であって、
前記コンピュータプログラムは、上述の液処理方法を実施するためのものであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、第1のカップ群及び第2のカップ群の一方において基板の処理ができない状態になったときに、他方のカップ群を受け持つノズルが一方のカップ群のうち使用可能なカップで基板を処理する。従って、装置のメンテナンス時や故障時において、スループットの低下を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施の形態に係るレジスト塗布装置の斜視図である。
【図2】前記レジスト塗布装置の平面図である。
【図3】前記レジスト塗布装置の塗布処理部の縦断側面図である。
【図4】前記レジスト塗布装置のノズルアームの正面図である。
【図5】前記レジスト塗布装置の制御部の構成図である。
【図6】操作画面による設定の一例を示す説明図である。
【図7】前記制御部のメモリを示す説明図である。
【図8】前記レジスト塗布装置におけるウエハの搬送及びノズルアームの動作を示す作用図である。
【図9】前記レジスト塗布装置におけるウエハの搬送及びノズルアームの動作を示す作用図である。
【図10】前記レジスト塗布装置におけるウエハの搬送及びノズルアームの動作を示す作用図である。
【図11】前記レジスト塗布装置におけるウエハの搬送及びノズルアームの動作を示す作用図である。
【図12】前記レジスト塗布装置におけるウエハの搬送及びノズルアームの動作を示す作用図である。
【図13】前記レジスト塗布装置におけるウエハの搬送及びノズルアームの動作を示す作用図である。
【図14】前記レジスト塗布装置におけるウエハの搬送及びノズルアームの動作を示す作用図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の液処理装置の実施形態であるレジスト塗布装置1について、その斜視図、平面図である図1、図2を夫々参照しながら説明する。レジスト塗布装置1は、4つの塗布処理部11a、11b、11c、11dと、基台31と、を備えている。塗布処理部11a〜11dは基台31上に、横方向に一列に配列されている。
【0017】
各塗布処理部11a〜11dは各々同様に構成されており、ここでは塗布処理部11aを例に挙げて、その縦断側面を示した図3を参照しながら説明する。塗布処理部11aは、ウエハWの裏面中央部を吸着して水平に保持する基板保持部をなすスピンチャック12aを備え、スピンチャック12aは回転軸13aを介して回転駆動機構14aに接続されている。スピンチャック12aは、回転駆動機構14aを介してウエハWを保持した状態で鉛直軸回りに回転自在に構成されている。回転駆動機構14aは後述の制御部90から送信される制御信号を受けてスピンチャック12aの回転速度を制御する。また、回転駆動機構14aは、その回転速度に応じて制御部90に信号を出力する。
【0018】
スピンチャック12aの周囲にはスピンチャック12a上のウエハWを囲むようにして上方側に開口部20aを備えたカップ21aが設けられており、カップ21aの底部側には例えば凹部状をなす液受け部23aが設けられている。液受け部23aは、隔壁24aによりウエハWの周縁下方側に全周に亘って外側領域と内側領域とに区画されている。外側領域の底部には排液口25aが設けられ、内側領域の底部には処理雰囲気を排気するための排気口26aが設けられている。図中15aは昇降自在に構成された昇降ピンであり、カップ21a内に3本設けられている(図3では便宜上2本のみ表示している)。レジスト塗布装置1にウエハWを搬送する基板搬送機構10の動作に応じて、昇降機構16aが昇降ピン15aを昇降させ、前記基板搬送機構10とスピンチャック12aとの間でウエハWが受け渡される。
【0019】
塗布処理部11b、11c、11dにおいて、塗布処理部11aの各部に対応する部分に関しては、塗布処理部11aの説明で用いた数字と同じ数字を用い、且つaの代わりにb、c、dを夫々付して各図中に示している。
【0020】
基台31には、2つのノズルアーム4、5が設けられている。ノズルアーム4、5は互いに同様に構成されており、ここではノズルアーム4を例に挙げて説明する。ノズルアーム4はノズル支持機構41と、アーム32と、複合ノズル部33とを備えている。ノズル支持機構41は、基台31に設けられたガイド42に沿って、塗布処理部11a〜11dの配列方向に移動する。ノズル支持機構41は制御部90から送信される制御信号に従って前記移動を行い、また制御部90にその横方向の位置に応じて信号を出力する。
【0021】
アーム32は、ノズル支持機構41から水平に、当該ノズル支持機構41の移動方向と直交するように伸びている。複合ノズル部33は、複数例えば9本のレジスト供給ノズル34と、1本のシンナー供給ノズル35とにより構成されている。シンナーはレジストの濡れ性を向上させるための処理液である。各レジスト供給ノズル34及びシンナー供給ノズル35は、アーム32の先端に塗布処理部11a〜11dの配列方向に沿って配列されており、各塗布処理部11a〜11dのスピンチャック12a〜12dに保持されたウエハWの中心部上に移動することができる。
【0022】
ノズルアーム5は、ノズル支持機構41に相当するノズル支持機構51を備えており、当該ノズル支持機構51は基台31に設けられたガイド42に沿って、塗布処理部11a〜11dの配列方向に移動する。それによって、ノズルアーム5の各ノズルが、ノズルアーム3の各ノズル同様、塗布処理部11a〜11dに搬送されたウエハWに処理を行うことができる。
【0023】
図3中36は処理液供給ユニットである。処理液供給ユニット36は、レジスト供給ノズル34、シンナー供給ノズル35に夫々供給するレジスト、シンナーが貯留されたタンクと、タンク内を加圧して当該タンク内の処理液をノズルへ送液するための送液手段と、を備えた処理液供給機構37により構成されている。処理液供給機構37はノズル34,35と同じ数である10基設けられている。各処理液供給機構37に貯留されるレジストは、例えば各々濃度や成分が異なっており、所望のレジストをウエハWに供給できるようになっている。
【0024】
図中38は、各ノズル34,35と各処理液供給機構37とを接続する処理液供給管であり、各処理液供給管38にはバルブ39を含む流量制御部30が介設されている。制御部90から送信される制御信号を受けて各バルブ39の開閉が制御され、9種類のレジストとシンナーとを切り替えて、各塗布処理部11a〜11d内のウエハWに供給することができるようになっている。
【0025】
図1及び図2に示すように、塗布処理部11a〜11dを挟むようにノズルバス6,7が設けられている。ノズルバス6は、上側が開口したカップ状に形成されている。ノズルバス6の内部は、ノズルアーム4の複合ノズル部33の待機領域61として構成されている。また、ノズルバス7は、ノズルバス6と同様に構成されており、待機領域61に相当する待機領域71を備えている。この待機領域71は、ノズルアーム5の複合ノズル部33を待機させる領域である。各ノズルアーム4、5の複合ノズル部33は、ウエハWにレジストやシンナーの供給処理を行わないときに、待機領域61、71内に夫々収納されて待機する。以降は、代表してノズルバス6について、図4を参照して説明する。
【0026】
ノズルバス6は、例えば投光部62と受光部63とからなる光センサを備えている。受光部63は、投光部62から入射する光量に応じて制御部90に信号を出力する。図4に示すように待機領域61に前記複合ノズル部33が収納されているときには、受光部63に入射する光が遮られ、前記出力信号が変化する。この出力信号の変化によって、制御部90が待機領域61にあるか否かの判定を行う。また、ノズルバス6は、排液口64を備えている。ノズルアーム4のノズル34、35は待機領域61で待機している間に、メンテナンスとして処理液を待機領域61に吐出する場合がある。この処理液の吐出によって、ノズル34、35内及び処理液供給管38内への付着物を除去し、処理液供給ラインを洗浄する。この洗浄メンテナンスで吐出された処理液は、前記排液口64から排液される。
【0027】
図1及び図2に戻って説明を続ける。レジスト塗布装置1は、各塗布処理部11a〜11dで夫々形成されたレジスト膜の周縁部を夫々除去し、当該レジスト膜の剥がれを防止する4基の周縁部除去機構8を備えている。周縁部除去機構8は、レジストの溶剤であるシンナーを供給する溶剤ノズル81を備えている。図中82は溶剤ノズル81を支持するアームである。83は駆動機構であり、アーム82を介して溶剤ノズル81を昇降させる。また、駆動機構83は、ガイド84に沿って各塗布処理部11a〜11dの配列方向に移動する。各カップ22a〜22dの側方には、上側が開口したカップ状のノズルバス85が設けられている。前記駆動機構83により、ノズルバス85内の待機領域86と、当該待機領域86に隣り合うカップ21内に保持されたウエハWの周縁部上との間で溶剤ノズル81が移動する。
【0028】
続いて、レジスト塗布装置1でのウエハWのレジスト塗布工程について説明する。各塗布処理部11a〜11dでウエハWは同様にレジストの塗布処理を受け、各塗布処理部11a〜11dでの処理は互いに並行して行われる。後述するように通常は、塗布処理部11a〜11dにウエハWが搬送され、塗布処理部11a、11bに搬送されたウエハWはノズルアーム4で塗布処理部11c、11dに搬送されたウエハWはノズルアーム5で夫々処理される。ここでは塗布処理部11aにウエハWが搬送され、ノズルアーム4によりレジストの塗布処理が行われる手順について説明する。
【0029】
基板搬送機構10がカップ21a上にウエハWを搬送し、昇降ピン15aを介して、ウエハWがスピンチャック12aに受け渡され、ウエハWの裏面中央部がスピンチャック12aに保持される。続いて、ウエハWが所定の回転速度で鉛直軸回りに回転すると共にノズルバス6で待機していたノズルアーム4のシンナー供給ノズル35が、ウエハWの中心部上に位置し、ウエハWから所定の高さに位置するように移動した後、シンナーがウエハWの中心部に吐出される。
【0030】
シンナーの吐出停止後、レジスト供給ノズル34がウエハWの中心部上に位置し、ウエハW中心部にレジストが吐出される。レジストは、シンナーに濡れたウエハWを遠心力により周縁部へと展伸される、いわゆるスピンコーティングによりウエハW全体に広がる。レジストの吐出停止後、ノズルアーム4はノズルバス6の待機領域61に戻る。ノズルバス85から溶剤ノズル81がウエハWの周縁部上に移動し、当該溶剤ノズル81からシンナーが供給されて、ウエハWの周縁部のレジスト膜が除去される。溶剤ノズル81がノズルバス85に戻り、昇降ピン15aを介して、ウエハWが基板搬送機構10に受け渡され、レジスト塗布装置1から搬出される。
【0031】
続いて、このレジスト塗布装置1に設けられる制御部90について図5を参照しながら説明する。制御部90はCPU91、メモリ92及びプログラム93を備えている。図中94は、バスである。前記プログラム93には制御部90からレジスト塗布装置1の各部に制御信号を送り、レジスト塗布処理を進行させるように命令(各ステップ)が組み込まれている。そして、回転駆動機構14a〜14dによるウエハWの回転や昇降ピン15a〜15dによるウエハWの受け渡し、基板搬送機構10によるウエハWの搬送、ノズル支持機構41、51によるノズルアーム4、5の移動、流量制御部30によるウエハWへのレジスト及びシンナーの供給などの動作が制御される。このプログラム(処理パラメータの入力操作や表示に関するプログラムも含む)93は、例えばフレキシブルディスク、コンパクトディスク、ハードディスク、MO(光磁気ディスク)、メモリーカードなどの記憶媒体に格納されて制御部90にインストールされる。
【0032】
また、制御部90は、例えばタッチパネルなどにより構成される操作画面95を備えている。レジスト塗布装置1のオペレータは、この操作画面95を介して、メンテナンスを行うために使用を中止するメンテナンス個所または故障などのトラブルを起こし、使用できない状態になったトラブル個所を設定する。このような設定が行われると、自動でウエハWが搬送される塗布処理部11、使用されるノズルアームが上記の通常状態から変更される。また、オペレータは、この操作画面95からウエハWが搬送される塗布処理部11、使用されるノズルアームを手動で変更することもできる。
【0033】
図6は、操作画面95の一例を示している。オペレータは、例えば操作画面95に表示される第1の画面95aで、ノズルアーム4、5、塗布処理部11a〜11dのうち、いずれかをメンテナンス個所として入力することができる。また、ノズルアーム4、5をメンテナンス個所として入力した場合、上記のように待機領域61、71で処理液を吐出する処理液ラインの洗浄メンテナンスを行うか、それ以外の例えば部品交換などのメンテナンスを行うかを、第1の画面95aから入力するようになっている。
【0034】
オペレータは、第1の画面95aから第2の画面95bへ、表示を変更することができる。この第2の画面95bでは、オペレータはノズルアーム4、5、塗布処理部11a〜11dのうちいずれかをトラブル個所として入力することができる。図8にはメモリ92を示しており、第1の画面95a、第2の画面95bで夫々入力されたメンテナンス個所、トラブル個所については、当該メモリ92に記憶される。
【0035】
オペレータは、第2の画面95bから第3の画面95cへ表示を変更することができる。また、第1の画面95aでメンテナンス個所を設定した場合は、第2の画面95bは表示されず、第3の画面95cが表示される。オペレータは、この第3の画面95cにより、ノズルアーム4、5で処理を行う塗布処理部11を自動で設定するか、手動で設定するかを選択することができる。自動で設定することを選択した場合、プログラム93はメモリ92に記憶されたメンテナンス個所及びトラブル個所に基づいて、後述の各ケースで示すように、自動でウエハが搬送される塗布処理部11及び処理に使用するノズルアームを決定する。第3の画面95dで、手動で設定することを選択した場合、第4の画面95dが現れる。オペレータは、この第4の画面95dからノズルアーム4、5で夫々処理を行う塗布処理部11を設定することができる。
【0036】
以降の説明では、便宜上、各ウエハWについて、レジスト塗布装置1に搬送されるウエハWのロットの順番にA、B・・・というアルファベットを順に付して示し、そしてそのアルファベットの後にそのロット内においてレジスト塗布装置1に搬送される順に数字の番号を付して示す。つまり、例えばあるロット内のウエハWで、そのロットで3番目にレジスト塗布装置1に搬送されるウエハWをウエハA3として示す。そして、前記ロットの次にレジスト塗布装置1に搬送される後続ロットにおいて、その後続ロット内で5番目にレジスト塗布装置1に搬送されるウエハWをウエハB5として示す。
【0037】
図8は、既述の操作画面95からの設定が行われていない通常状態において、基板搬送機構10が各塗布処理部11a〜11dへウエハWを搬送するタイミングを、時系列で示している。また、この図8では、矢印でノズルアーム4、5が移動する領域を示している。塗布処理部11a、11bを第1の処理グループG1、塗布処理部11c、11dを第2の処理グループG2とすると、ウエハWは処理グループG1、G2に交互に搬送され、さらに各処理グループG1、G2内の塗布処理部11に交互に搬送される。具体的にウエハA1、A2、A3、A4は、塗布処理部11a、11c、11b、11dの順に搬送される。さらに後続のウエハA5、A6、A7、A8も同様に塗布処理部11a、11c、11b、11dの順に搬送される。そして、塗布処理部11a、11bに搬送されたウエハWはノズルアーム4により処理され、塗布処理部11c、11dに搬送されたウエハWはノズルアーム5により処理される。
【0038】
以下、装置の各部がメンテナンス箇所またはトラブル箇所として設定された各ケースにおける、ウエハWの搬送及び使用されるノズルアームについて説明する。また、以下の各ケースでは、前記操作画面95において、オペレータによりノズルアーム4、5で処理を行う塗布処理部11を自動で設定することが選択されているものとする。
【0039】
ケース1:ノズルアーム4がメンテナンス箇所とされ、さらに処理液供給ラインの洗浄メンテナンスを行うように設定された場合
上記の設定を行ったときに、装置1で処理中のロットAについては、上記の通常状態で処理される。そして、ロットAの処理が終わると、ノズルアーム4がノズルバス6の待機領域61内で処理液を吐出し、処理液供給ラインの洗浄が行われる。その間、図9に示すように後続のロットBのウエハBは、塗布処理部11c、11dに交互に搬送され、ノズルアーム5がこれらのウエハBに処理を行う。メンテナンスが終わると、次に搬送されるロットのウエハから、既述のノズルアーム4、5及び塗布処理部11a〜11dを用いた通常状態での処理が再開される。
【0040】
ケース2:ノズルアーム4がメンテナンス箇所とされ、さらに処理液ラインの洗浄メンテナンスを行うように設定されていない場合
上記の設定を行ったときに、装置1で処理中のロットAについては、通常状態で処理される。そして、ロットAの処理が終わると、ノズルアーム4がノズルバス6の待機領域61内で待機する。そして、図10に示すように後続のロットBのウエハBは、塗布処理部11a〜11dに通常状態と同様の順番で搬送されるが、通常状態と異なりノズルアーム5のみが、これらのウエハBに処理を行う。このようにロットBの処理が行われている間に、オペレータは、ノズルアーム4の部品の交換などのメンテナンス作業を行う。メンテナンスが終わると、例えばオペレータが操作画面95から所定の設定を行い、次に搬送されるロットのウエハから通常状態での処理が再開される。
【0041】
ケース1で、塗布処理部11a、11bを用いないのは、ノズルバス6への処理液の吐出により飛散したミストが、ノズルバス6に近接する当該塗布処理部11a、11bで処理中のウエハWに付着することを防ぐためである。ケース2では、多くの塗布処理部11で並行してウエハWに処理を行い、スループットを向上させるために、すべての塗布処理部11a〜11dを用いている。
【0042】
ケース1でノズルアーム4がメンテナンス個所に設定される代わりにノズルアーム5がメンテナンス個所に設定される場合は、ノズルアーム4及び塗布処理部11a、11bを用いて処理が行われる。ケース2でノズルアーム4がメンテナンス個所に設定される代わりにノズルアーム5がメンテナンス個所に設定される場合は、ノズルアーム4及び塗布処理部11a〜11dを用いて処理が行われる。
【0043】
ケース3:ノズルアーム4がトラブル箇所に設定された場合
設定が行われると、制御部90はノズルアーム4を停止させ、その位置が待機領域61であるか否かを判定する。待機領域61以外の領域に位置していると判定した場合、この判定時以降、装置1に搬送されるウエハAは、塗布処理部11c、11dに交互に搬送され、ノズルアーム5により処理される。図11では、ウエハA5が塗布処理部11aに搬送された後にトラブル個所の設定及び前記判定が行われ、ウエハA6以降のウエハAを上記のように塗布処理部11c、11dへ搬送し、ノズルアーム5で処理する例について示している。
【0044】
制御部90が、ノズルアーム4がノズルバス6の待機領域61で停止していると判定した場合、各ウエハWの搬送先は変更されず、通常状態と同じ塗布処理部11a〜11dに搬送される。そして、この判定以降、塗布処理部11a〜11dに搬送されたウエハAは、ノズルアーム5により処理される。図12では、ウエハA5が塗布処理部11aに搬送された後にトラブル個所の設定及び前記判定が行われ、ウエハA6以降のウエハAを上記のようにノズルアーム5で処理する例について示している。このケース3では、例えばオペレータが操作画面95から所定の設定を行うと、この設定が行われた後、次に搬送されるロットのウエハから通常状態での処理が再開される。
【0045】
このようにノズルアーム4が待機領域61の外部で停止したときには、ウエハWを塗布処理部11c、11dで処理するのは、ノズルアーム4とノズルアーム5との干渉を防ぐためである。また、ノズルアーム4が待機領域61で停止したときには、この干渉が起こらないので、上記のように塗布処理部11a〜11dをすべて使用することが、スループットの低下を抑えるために得策である。
【0046】
上記のケース3で、ノズルアーム4がトラブル箇所に設定される代わりにノズルアーム5トラブル個所に設定される場合もノズルアーム5の停止位置によってウエハWの搬送先が決定される。つまり、ノズルアーム5が待機領域71以外の領域で停止した場合は、塗布処理部11a、11bに交互にウエハWが搬送され、ノズルアーム4により処理が行われる。また、ノズルアーム5が待機領域71で停止した場合は、塗布処理部11a〜11dに通常状態と同様にウエハWが搬送され、ノズルアーム4により処理が行われる。
【0047】
ケース4:塗布処理部11aがトラブル箇所に設定された場合
設定が行われると、基板搬送機構10は、新たに装置1に搬入するウエハAを、塗布処理部11b〜11dのうち、早くウエハAの処理を終えたものに順次搬送し、以降はこの順番で、繰り返し塗布処理部11b〜11dにウエハAが搬送される。塗布処理部11bに搬送されたウエハの処理はノズルアーム4が行い、塗布処理部11c、11dに搬送されたウエハの処理はノズルアーム5が行う。図13の上段では、ロットAのウエハA6が塗布処理部11cに搬送された後に上記の設定が行われたときのウエハWの搬送状況を示している。
【0048】
そして、ロットAのすべてのウエハの処理が終了すると、ノズルアーム4は、ノズルバス6の待機領域61で待機する。図13の下段に示すように、後続のロットBのウエハBは前記設定後のロットAのウエハAと同様の搬送順で塗布処理部11b〜11dに搬送される。そして、ノズルアーム5がこれら塗布処理部11b〜11dに搬送されたウエハBに処理を行う。このようにロットBに処理が行われている間にオペレータは塗布処理部11aのトラブルを解消する。このケース4では、例えばオペレータが操作画面95から所定の設定を行うと、この設定が行われた後、次に搬送されるロットのウエハから通常状態での処理が再開される。
【0049】
上記のようにロットB処理中にはノズルアーム4、5が塗布処理部11a上を通過せず、ノズルバス6に待機するので、オペレータはノズルアーム4、5の移動に妨げられること無く、塗布処理部11aにアクセスし、トラブルの解消処理を行うことができる。そして、その間にノズルアーム5により塗布処理部11bでウエハBの処理が行われるため、ノズルアーム4が使用できないことによるスループットの低下が抑えられる。
【0050】
ケース4で、塗布処理部11aの代わりに、塗布処理部11aと同様、基台31の外側に位置する塗布処理部11dがトラブル個所に設定された場合も同様に処理される。具体的に、ウエハWは塗布処理部11a〜11cに搬送され、ノズルアーム5は待機領域71に待機する。なお、塗布処理部11のトラブルとしては、例えば回転駆動機構14a〜14dの不具合によりスピンチャック12a〜12dが使用できなくなる場合がある。
【0051】
ケース5:塗布処理部11bがトラブル箇所に設定された場合
上記のように設定が行われると、基板搬送機構10は、装置1で処理中のロットAの後続のウエハAを、塗布処理部11a、11c、11dのうち、早くウエハWの処理を終えたものに順次搬送し、以降はこの順番で、繰り返し塗布処理部11a、11c、11dにウエハWが搬送される。塗布処理部11aに搬送されたウエハの処理はノズルアーム4が行い、塗布処理部11c、11dに搬送されたウエハの処理はノズルアーム5が行う。図14では、ロットAのウエハA3が塗布処理部11bに搬送された後に上記の設定が行われたときの搬送例を示している。
【0052】
このように設定が行われた後は、ノズルアーム4、5が塗布処理部11b上を通過しないので、オペレータはノズルアーム4の移動に妨げられること無く、塗布処理部11bにアクセスし、トラブルの対処を行うことができる。例えばオペレータが操作画面95から所定の設定を行うと、この設定が行われた後、次に搬送されるロットのウエハから通常状態での処理が再開される。
【0053】
ケース4で、塗布処理部11bの代わりに、塗布処理部11bと同様に内側の塗布処理部である11cがトラブル個所に設定された場合も同様に処理される。具体的に、ウエハWは塗布処理部11a、11b、11dに搬送される。そして、塗布処理部11a、11bのウエハWはノズルアーム4により処理され、塗布処理部11dのウエハWはノズルアーム5により処理される。
【0054】
また、ケース4、5で塗布処理部11a、11bがトラブル個所に設定される代わりに、メンテナンス個所に設定された場合も、例えばこのケース4、5と同様の処理が行われる。
【0055】
以上、説明したようにこのレジスト塗布装置1では、塗布処理部11a〜11dのいずれかでウエハWの処理が行えなくなったときに、通常状態ではその塗布処理部11に処理を行わないノズルアームが当該塗布処理部11でウエハWの処理を行う。従って、メンテナンスを行う際や装置にトラブル個所が発生した際においてもスループットの低下を抑えることができる。そして、通常状態では塗布処理部11a〜11dに対して2基のノズルアーム4、5が処理を行うため、ノズルアームが1基の場合に比べて高いスループットが得られる。また、レジストの供給時間を長く設定しても、それによるスループットの低下が抑えられる。
【0056】
上記の例ではトラブル個所をオペレータが設定する構成となっているが、トラブル個所を制御部100が自動で検出するようにし、上記の各ケースで、この検出をオペレータの設定に代えてもよい。例えば、制御部100が、回転駆動機構14a〜14dからの出力信号に基づいて、回転駆動機構14a〜14dの回転速度と予め設定された回転速度とを比較し、両者の差が設定値以上になったら、その回転駆動機構14を含む塗布処理部11がトラブル個所になったものとして、自動でケース4、ケース5の処理を行うようにしてもよい。
【0057】
また、他の例として、制御部100が、ノズル支持機構41、51からの出力信号に基づいて、基台31におけるこれらノズル支持機構41、51横方向の位置を検出する。更に制御部100は、当該制御部100からノズル支持機構41、51を所定の位置に移動させるために出力する制御信号の送信時間と、ノズル支持機構41、51が前記所定の位置に移動したときに出力する信号の送信時間とのずれを演算する。このずれが設定値以上になったら、そのノズル支持機構を含むノズルアームがトラブル個所になったものとして、自動でケース3と同様の処理を行う。
【0058】
また、上記の各ケースで挙げた搬送例は一つの例であり、この例に限られるものではない。例えばケース1において、塗布処理部11b〜11dにウエハWを搬送するようにし、ノズルアーム5でこれらの塗布処理部のウエハWに処理を行うようにしてもよい。
【0059】
本発明のノズルから供給する処理液としてはレジストやシンナーに限られるものではなく、現像液や反射防止膜を形成するための処理液を供給してもよい。
【符号の説明】
【0060】
1 レジスト塗布装置
11a、11b、11c、11d 塗布処理部
12a、12b、12c、12d スピンチャック
21a、21b、21c、21d カップ
34 レジスト供給ノズル
4、5 ノズルアーム
41、51 ノズル支持機構
6、7 ノズルバス
61、71 待機領域
90 制御部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カップ内の基板保持部に基板を水平に保持し、処理液供給系からノズルを介してその上方から基板に処理液を供給して基板に対し液処理を行う装置において、
前記基板保持部がその内部に配置され、左右方向に一列に配列された2n(nは2以上の整数)個のカップと、
通常時は第1のカップ群をなす左側n個のカップのみに対して共通に使用される第1のノズルと、
この第1のノズルを支持し、当該ノズルが2n個全部に対して使用可能なように左右方向に移動自在な第1のノズル支持機構と、
通常時は第2のカップ群をなす右側n個のカップのみに対して共通に使用される第2のノズルと、
この第2のノズルを支持し、当該ノズルが2n個全部に対して使用可能なように左右方向に移動自在な第2のノズル支持機構と、
基板を基板保持部に受け渡すための基板搬送機構と、
通常時は、第1のカップ群と第2のカップ群との間で交互に基板を受け渡し、両カップ群においてカップが順番に使用されるように基板搬送機構を制御すると共に、基板保持部、処理液供給系またはノズル支持機構が使用できない状態になったことにより第1のカップ群及び第2のカップ群の一方において基板の処理ができない状態になったときに、当該一方のカップ群のうちの使用可能なカップにより基板を処理するために、他方のカップ群を受け持つノズルが移動するように制御信号を出力する制御部と、を備えたことを特徴とする液処理装置。
【請求項2】
前記制御部は、第1のカップ群及び第2のカップ群の一方において基板の処理ができない状態になったときに、当該一方のカップ群のうちオペレータにより指定されたカップを使用するために、他方のカップ群を受け持つノズルが移動するように制御信号を出力することを特徴とする請求項1記載の液処理装置。
【請求項3】
前記制御部は、第1のカップ群及び第2のカップ群の一方において基板の処理ができない状態になったときに、当該一方のカップ群の中からその状態に応じて予め決められたカップを使用するために、他方のカップ群を受け持つノズルが移動するように制御信号を出力することを特徴とする請求項1記載の液処理装置。
【請求項4】
前記制御部は、第1のカップ群及び第2のカップ群の一方において基板の処理ができない状態になったときに、手動モードと自動モードとを選択できるように構成され、
手動モードを選択したときには、一方のカップ群のうちオペレータにより指定されたカップを使用するために、他方のカップ群を受け持つノズルが移動するように制御信号を出力し、自動モードを選択したときには、一方のカップ群の中からその状態に応じて予め決められたカップを使用するために、他方のカップ群を受け持つノズルが移動するように制御信号を出力することを特徴とする請求項2または3記載の液処理装置。
【請求項5】
カップ内の基板保持部に基板を水平に保持し、処理液供給系からノズルを介してその上方から基板に処理液を供給して基板に対し液処理を行う液処理方法において、
通常時に、前記基板保持部がその内部に配置され、左右方向に一列に配列された2n(nは2以上の整数)個のカップのうち、第1のカップ群をなす左側n個のカップのみに対して共通に使用される第1のノズルから処理液を供給する工程と、
通常時に、前記2n個のカップのうち、第2のカップ群をなす右側n個のカップのみに対して共通に使用される第2のノズルから処理液を供給する工程と、
通常時は、両カップ群においてカップが順番に使用されるように、基板搬送機構により第1のカップ群の基板保持部と第2のカップ群の基板保持部との間で交互に基板を受け渡す工程と、
基板保持部、処理液供給系またはノズル支持機構が使用できない状態になったことにより第1のカップ群及び第2のカップ群の一方において基板の処理ができない状態になったときに、当該一方のカップ群のうちの使用可能なカップにより基板を処理するために、他方のカップ群を受け持つ第1のノズルまたは第2のノズルを左右方向に移動させる工程と、
を含むことを特徴とする液処理方法。
【請求項6】
第1のカップ群及び第2のカップ群の一方において基板の処理ができない状態になったときに、当該一方のカップ群のうちオペレータにより指定されたカップを使用するために、他方のカップ群を受け持つノズルを移動させる工程を含むことを特徴とする請求項5記載の液処理方法。
【請求項7】
第1のカップ群及び第2のカップ群の一方において基板の処理ができない状態になったときに、当該一方のカップ群の中からその状態に応じて予め決められたカップを使用するために、他方のカップ群を受け持つノズルを移動させる工程を含むことを特徴とする請求項5記載の液処理方法。
【請求項8】
基板に対して液処理を行う液処理装置に用いられるコンピュータプログラムが記憶された記憶媒体であって、
前記コンピュータプログラムは、請求項5または7のいずれか一つに記載の液処理方法を実施するためのものであることを特徴とする記憶媒体。
【請求項1】
カップ内の基板保持部に基板を水平に保持し、処理液供給系からノズルを介してその上方から基板に処理液を供給して基板に対し液処理を行う装置において、
前記基板保持部がその内部に配置され、左右方向に一列に配列された2n(nは2以上の整数)個のカップと、
通常時は第1のカップ群をなす左側n個のカップのみに対して共通に使用される第1のノズルと、
この第1のノズルを支持し、当該ノズルが2n個全部に対して使用可能なように左右方向に移動自在な第1のノズル支持機構と、
通常時は第2のカップ群をなす右側n個のカップのみに対して共通に使用される第2のノズルと、
この第2のノズルを支持し、当該ノズルが2n個全部に対して使用可能なように左右方向に移動自在な第2のノズル支持機構と、
基板を基板保持部に受け渡すための基板搬送機構と、
通常時は、第1のカップ群と第2のカップ群との間で交互に基板を受け渡し、両カップ群においてカップが順番に使用されるように基板搬送機構を制御すると共に、基板保持部、処理液供給系またはノズル支持機構が使用できない状態になったことにより第1のカップ群及び第2のカップ群の一方において基板の処理ができない状態になったときに、当該一方のカップ群のうちの使用可能なカップにより基板を処理するために、他方のカップ群を受け持つノズルが移動するように制御信号を出力する制御部と、を備えたことを特徴とする液処理装置。
【請求項2】
前記制御部は、第1のカップ群及び第2のカップ群の一方において基板の処理ができない状態になったときに、当該一方のカップ群のうちオペレータにより指定されたカップを使用するために、他方のカップ群を受け持つノズルが移動するように制御信号を出力することを特徴とする請求項1記載の液処理装置。
【請求項3】
前記制御部は、第1のカップ群及び第2のカップ群の一方において基板の処理ができない状態になったときに、当該一方のカップ群の中からその状態に応じて予め決められたカップを使用するために、他方のカップ群を受け持つノズルが移動するように制御信号を出力することを特徴とする請求項1記載の液処理装置。
【請求項4】
前記制御部は、第1のカップ群及び第2のカップ群の一方において基板の処理ができない状態になったときに、手動モードと自動モードとを選択できるように構成され、
手動モードを選択したときには、一方のカップ群のうちオペレータにより指定されたカップを使用するために、他方のカップ群を受け持つノズルが移動するように制御信号を出力し、自動モードを選択したときには、一方のカップ群の中からその状態に応じて予め決められたカップを使用するために、他方のカップ群を受け持つノズルが移動するように制御信号を出力することを特徴とする請求項2または3記載の液処理装置。
【請求項5】
カップ内の基板保持部に基板を水平に保持し、処理液供給系からノズルを介してその上方から基板に処理液を供給して基板に対し液処理を行う液処理方法において、
通常時に、前記基板保持部がその内部に配置され、左右方向に一列に配列された2n(nは2以上の整数)個のカップのうち、第1のカップ群をなす左側n個のカップのみに対して共通に使用される第1のノズルから処理液を供給する工程と、
通常時に、前記2n個のカップのうち、第2のカップ群をなす右側n個のカップのみに対して共通に使用される第2のノズルから処理液を供給する工程と、
通常時は、両カップ群においてカップが順番に使用されるように、基板搬送機構により第1のカップ群の基板保持部と第2のカップ群の基板保持部との間で交互に基板を受け渡す工程と、
基板保持部、処理液供給系またはノズル支持機構が使用できない状態になったことにより第1のカップ群及び第2のカップ群の一方において基板の処理ができない状態になったときに、当該一方のカップ群のうちの使用可能なカップにより基板を処理するために、他方のカップ群を受け持つ第1のノズルまたは第2のノズルを左右方向に移動させる工程と、
を含むことを特徴とする液処理方法。
【請求項6】
第1のカップ群及び第2のカップ群の一方において基板の処理ができない状態になったときに、当該一方のカップ群のうちオペレータにより指定されたカップを使用するために、他方のカップ群を受け持つノズルを移動させる工程を含むことを特徴とする請求項5記載の液処理方法。
【請求項7】
第1のカップ群及び第2のカップ群の一方において基板の処理ができない状態になったときに、当該一方のカップ群の中からその状態に応じて予め決められたカップを使用するために、他方のカップ群を受け持つノズルを移動させる工程を含むことを特徴とする請求項5記載の液処理方法。
【請求項8】
基板に対して液処理を行う液処理装置に用いられるコンピュータプログラムが記憶された記憶媒体であって、
前記コンピュータプログラムは、請求項5または7のいずれか一つに記載の液処理方法を実施するためのものであることを特徴とする記憶媒体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2011−187490(P2011−187490A)
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−48111(P2010−48111)
【出願日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【出願人】(000219967)東京エレクトロン株式会社 (5,184)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【出願人】(000219967)東京エレクトロン株式会社 (5,184)
【Fターム(参考)】
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