説明

液圧回路

【課題】エネルギの無駄使いを防止して、省エネを図る。
【解決手段】ポンプ7を駆動させてアキュムレータ9に蓄圧させた後に前記ポンプ7を停止させ、該アキュムレータ9からシリンダ1の駆動に必要な作動液を供給する液圧回路5であって、前記アキュムレータ9は、第1のアキュムレータ9Lと、該第1のアキュムレータより蓄圧力の大きい第2のアキュムレータ9Hとから構成されており、前記第1のアキュムレータ9Lは、前記シリンダ1にかかる負荷が低負荷である時に作動液を該液圧回路内に吐き出し、前記第2のアキュムレータ9Hは、前記シリンダ1にかかる負荷が、前記低負荷より大きい高負荷である時に作動液を該液圧回路内に吐き出す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、工作機械等に用いられる液圧回路に関するものであり、更に述べると、一旦、アキュムレータに作動液を蓄えた後にポンプを停止し、前記アキュムレータから該アクチュエータの駆動に必要な油等の作動液を供給する、所謂ポンプ停止形の液圧回路に関するものである。
【背景技術】
【0002】
アクチュエータ、例えば、工作機械のクランプ用油圧シリンダは、電磁切換弁を介して油圧回路等の液圧回路に接続されている。前記液圧回路には、作動液を供給するポンプと蓄圧用のアキュムレータが配置されている。
【0003】
前記液圧回路では、該回路中の液圧は、シリンダがストローク後に必要な推力を得ることのできる圧力αを有している必要があるため、アキュムレータには、更に高い圧力βが蓄積される必要がある。従って、前記液圧回路の液圧は、圧力α〜圧力β の間で変動することになる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般的な工作機械等においては、シリンダが、無負荷、又は、低負荷(以下、単に、「低負荷」という)でストロークした後に、被削物の保持、又は、待機のために推力が必要になることが殆どである。
液圧回路中のエネルギは、 液圧P×流量Q で表されることが知られている。即ち、無負荷状態のシリンダを同じ速度でストロークさせるためには、圧力の低い作動液を供給すれば足りるので、該アキュムレータから圧力の高い作動液を供給することは、エネルギーの無駄使い(ロス)となる。
【0005】
この発明は、上記事情に鑑み、エネルギの無駄使いを防止して、省エネを図ることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は、ポンプを駆動させてアキュムレータに蓄圧させた後に前記ポンプを停止させ、該アキュムレータからアクチュエータの駆動に必要な作動液を供給する液圧回路であって、前記アキュムレータは、前記アクチュエータの負荷が低負荷である時に作動液を該液圧回路内に吐き出す第1のアキュムレータと、前記アクチュエータの負荷が、前記低負荷より大きい高負荷である時に作動液を該液圧回路内に吐き出す第2のアキュムレータと、を備えていることを特徴とする。
【0007】
この発明の前記ポンプは、単数設けられていることを特徴とする。この発明の前記ポンプは、前記第1のアキュムレータに作動液を供給する第1のポンプと、前記第2のアキュムレータに作動液を供給する第2のポンプと、から構成されていることを特徴とする。
【0008】
この発明は、前記アクチュエータの負荷が、前記低負荷と前記高負荷の間の値であるときに、作動液を該液圧回路内に吐き出す第3のアキュムレータを備えていることを特徴とする。この発明は、前記液圧回路の圧力を検出し、検出信号を制御手段に出力する圧力スイッチが設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
この発明は、以上のように構成したので、アクチュエータが、無負荷又は低負荷(以下、単に「低負荷」という)時には、第1のアキュムレータから作動液が吐き出され、又、前記低負荷より大きい高負荷時には、第2のアキュムレータから作動液が吐き出される。そのため、アクチュエータの低負荷時には、駆動に必要な最低限のエネルギだけが供給されることになるので、従来例と異なり、エネルギのロスがなくなり、省エネを図ることができる。
【0010】
又、第1、第2、及び、第3のアキュムレータを設けると、アクチュエータの負荷の大きさに対応して前記各アキュムレータを使い分けることができ、更に、省エネを図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
この発明の第1の実施形態を図1、図2により説明する。
アクチュエータ、例えば、NC旋盤等のクランプ用油圧シリンダ1は、ピストン1aとピストンロッド1bを備え、シリンダ1の切換手段、例えば、電磁切換弁3を介して液圧回路、例えば、油圧回路5の管路Rに連結されている。又、前記シリンダ1の両端部には、ストロークエンドを検出する手段、例えば、リミットスイッチLM0、LM1が設けられている。前記電磁切換弁3及びリミットスイッチLM0、LM1は、制御手段である制御盤に接続されている(図示省略)。
【0012】
前記油圧回路5の管路Rには、ポンプ7と第1及び第2アキュムレータ9L、9Hとが配置されている。前記ポンプ7は、電動モータMの駆動により油タンク11内の作動液、例えば、油、を前記油圧回路5の管路R内に供給するが、前記制御盤の指示に従って駆動する。
【0013】
前記第1のアキュムレータ9Lは、低圧用アキュムレータであり、最大使用圧力は低圧であり、例えば、1MPa以下である。このアキュムレータ9Lは、切換手段、例えば、電磁切換弁13を介して前記管路Rに連結されている。前記電磁切換弁13は、前記制御盤により操作される。
【0014】
前記第2のアキュムレータ9Hは、高圧用アキュムレータであり、最大使用圧力が高圧であり、例えば、3MPa以上である。このアキュムレータ9Hは、逆止弁15を介して前記管路Rに連結されている。
【0015】
このアキュムレータ9Hと前記逆止弁15との間には、圧力スイッチ10の付いた連結管R1が設けられ、この連結管R1は高圧用アキュムレータ9Hの切換手段、例えば、電磁切換弁17を介して前記管路Rに連結されている。前記電磁切換弁17は、前記制御盤により操作される。
【0016】
前記高圧用アキュムレータ9Hの最大使用圧力は、前記低圧用アキュムレータ9Lより高く設定されている。前記高圧用アキュムレータ9Hの使用圧力は、シリンダ1がストロークした後に圧力保持又は待機できる値であり、又、前記低圧用アキュムレータ9Lのそれは、シリンダ1がストロークできる値であり、例えば、前記高圧用アキュムレータ9Hは、3MPaであり、前記低圧用アキュムレータ9Lは、1MPaが選択される。
【0017】
図1において、14は低圧用アキュムレータ9Lの近傍に設けた圧力スイッチ、16は安全弁、18はポンプ7への逆流を防止する逆止弁、19は安全弁16から排出される油を貯留する排油タンク、をそれぞれ示す。
【0018】
次に、本実施形態の作動について説明する。
各アキュムレータ9L、9Hは、所定圧、例えば、低圧用アキュムレータ9Lは1MPa、高圧用アキュムレータ9Hは、3MPa、に調圧されている。
前記制御盤は、電磁切換弁17を切り換え、作動させるシリンダ1の回路を低圧用アキュムレータ(低圧ACC)側に切り換える(S1)。
これにより高圧用アキュムレータ9Hと管路Rとは遮断されるので、該高圧用アキュムレータ9Hの作動油が前記管路Rに流出することはない。
【0019】
前記電磁切換弁17の切り換えが終わると、前記制御盤は、前記シリンダ1の電磁切換弁(進行方向弁)3を切り換え、該シリンダ1を管路Rに連通させる(S2)。
次に前記制御盤は、前記低圧用アキュムレータ9Lの電磁切換弁(元弁)13を開き、該低圧用アキュムレータ9Lを管路Rに連通させる(S3)。
これにより低圧用アキュムレータ9Lと管路Rが連通し、該アキュムレータ9Lに蓄積された作動油は、該管路Rに供給され、前記シリンダ1のピストン1aをリミットスイッチLM1側に押圧する。
【0020】
前記制御盤は、圧力スイッチ14の検出信号に基いて回路圧Pが低圧設定圧力最低値PL1より高いか否かを判断する(S4)。
前記回路圧Pが前記最低値PL1より低い場合(P<PL1)は、ポンプ7を起動して圧力を上昇させる(S4の1)。
その後、前記制御盤は、回路圧Pが前記低圧設定圧最高値PL2であるか否かを判断し(S4−2)、該設定最高値PL2に到達したらポンプ7を止める(S4の3)。
これにより回路圧Pは、低圧設定圧最低値PL1より高い圧力となる。
【0021】
前記シリンダ1に低圧用アキュムレータ9Lの作動油が圧送されると、ピストン1aが摺動し、ストロークを開始するが、前記ピストン1aがシリンダ1の後端に当接すると、リミットスイッチLM1のスイッチがオンになり、到達信号を前記制御盤に送信する(S5)(往路行程)。
【0022】
そうすると、前記制御盤は、電磁切換弁17を切り換え、作動させるシリンダ1の回路を高圧用アキュムレータ9H側に切り換える(S6)。
前記制御盤は、圧力スイッチ10の検出信号に基いて前記回路圧Pが高圧設定圧力最低値PH1より高いか否か判断し(S7)、それが低い場合には、ポンプ7を起動させて圧力を上昇させる(S7の1)。
前記制御盤は、圧力スイッチ10の検出信号に基いて回路圧Pが高圧設定圧力最高値PH2であるか否か判断し(S7の2)、前記最高値PH2になるとポンプを停止させる(S7の3)。
【0023】
前記回路圧Pは、高圧設定圧力最低値PH1より高い値で維持され、待機状態となる(S8)(往路待機行程)。
【0024】
この実施形態では、前記ステップS1〜S8を順次繰り返すことにより、往路行程、往路待機行程、復路行程、復路待機行程が順次繰り返され、シリンダ1が駆動される。前記往路行程は復路行程と同様であり、又、前記往路保持行程と復路待機行程とは、同様であるので、復路行程、復路待機行程についての説明は、省略する。
【0025】
前記往路行程、復路行程は、例えば、NC旋盤のチャックを閉じながら被削物を掴むまでの行程であり、シリンダ1には殆ど負荷がかからない(低負荷状態)。この低負荷状態においては、高圧の作動液を必要としないので、高圧用アキュムレータ9Hと管路Rとの連通を断ち、低圧用アキュムレータ9Lからのみ作動液をシリンダ1に供給する。
【0026】
更に、前記往路待機行程、復路待機行程は、例えば、NC旋盤のチャックを閉じて被削物を強く掴み固持する行程であり、シリンダ1には大きな負荷(高負荷)がかかる。この高負荷状態においては、高圧の作動液を必要とするので、高圧用アキュムレータ9Hから作動液をシリンダ1に供給するように制御している。
【0027】
この発明の第2実施形態を図3により説明するが、図1と同一図面符号は、その名称も機能も同一である。
この実施形態と前記第1実施形態との相違点は、2台のポンプ、即ち、第1のポンプ7Lと第2のポンプ7Hを配置することである。
【0028】
前記第1のポンプ7Lは、低圧用ポンプであり、低圧用管路RLを介して低圧用アキュムレータ9Lに連結されている。前記低圧用管路RLは、逆止弁21、電磁切換弁3を介してシリンダ1に連結されている。
第2のポンプ7Hは、高圧用ポンプであり、高圧用管路RHを介して高圧用アキュムレータ9Hに連結されている。前記高圧用管路RHは、電磁切換弁27、電磁切換弁3を介してシリンダ1に接続されている。前記高圧用ポンプ7Hは、前記低圧用ポンプ7Lよりもポンプ吐き出し圧が高く、例えば、前記ポンプ7Hの前記吐き出し圧は、前記ポンプ7Lの3倍に設計されている。
【0029】
この実施形態では、低圧用ポンプ7Lは、低圧用アキュムレータ9Lに連結されると共に、逆止弁21を介してシリンダ1の電磁切換弁3に連結されている。前記高圧用ポンプ7Hは、高圧用アキュムレータ9Hに連結されると共に、電磁切換弁27を介して前記シリンダ1の電磁切換弁3に連結されている。
【0030】
この実施形態では、低圧用ポンプ7Lの駆動により低圧用アキュムレータ9Lに所定圧が蓄圧されると、前記ポンプ7Lは停止される。又、高圧用ポンプ7Hの駆動により高圧用アキュムレータ9Hに所定圧が蓄圧されると、前記ポンプ7Hは停止される。前記両ポンプ7L、7Hは、前記制御盤により制御される。
【0031】
そして、前記ポンプ7L、7Hを切り換える代わりに、シリンダ1の負荷状態に応じて、低圧用アキュムレータ9L、又は、高圧用アキュムレータ9Hから作動油を供給する。即ち、シリンダ1が、無負荷、又は、低負荷の時(往路行程、復路行程)には、前記制御盤の指示に基いて電磁切換弁3を切り換え、低圧用アキュムレータ9Lからシリンダ1に作動油を圧送してピストン1aを摺動させる。
【0032】
又、前記シリンダ1が、高負荷の時(往路待機行程、復路待機行程)には、前記制御盤の指示に基いて電磁切換弁27を開くとともに、電磁切換弁3を切り換えて、高圧用アキュムレータ9Hからシリンダ1に作動油を圧送する。
なお、この実施形態では、前記実施形態と異なり低圧用アキュムレータ9Lに電磁切換弁が配置されていないが、高圧用アキュウムレータ9Hが開いていれば、該高圧用アキュムレータ9Hより低圧である低圧用アキュムレータ9Lからは、作動油が供給されることはない。
【0033】
この発明の第3実施形態を図4、図5A、図5Bにより説明するが、図1、図3と同一図面符号は、その名称も機能も同一である。
この実施形態と第1実施形態との相違点は、次の通りである。
(1)前記アキュムレータが、蓄圧力の相違する3個のアキュムレータ、即ち、前記第1のアキュムレータ(低圧用アキュムレータ)9Lより最大使用圧の大きい第3のアキュムレータ(中圧用アキュムレータ)9Mと、該中圧用アキュムレータ9Mより最大使用圧の大きい第2のアキュムレータ(高圧用アキュムレータ)9H、から構成されていること、
(2)シリンダが、3個配設されていること、
である。
【0034】
前記中圧用アキュムレータ9Mの最大使用圧力は、前記低圧用アキュムレータ9Lと前記高圧用アキュムレータ9Hとの中間の値であり、例えば、2MPaである。
【0035】
この実施形態では、前記制御盤の指示により前記ポンプ7の吐き出し方向を低圧用アキュムレータ9L側の管路R3と中圧用及び高圧用アキュムレータ9M、9H側の管路R4とに切り換える、電磁切換弁31が設けられ、前記中圧用及び高圧用アキュムレータ9M、9Hは、それぞれ電磁切換弁33M、33Hを介して前記管路R4に連結され、該管路R4は切電磁切換弁27、逆止弁35、チェック弁37を介してシリンダ1の電磁切換弁3に連結されている。
【0036】
前記低圧用アキュムレータ9Lは、電磁切換弁13を介して管路R3に連結され、該管路R3は逆止弁39、チェック弁37を介してシリンダ1の電磁切換弁3に連結されている。
【0037】
次に、本実施形態の作動を図5A、図5Bに基づいて説明する。
各アキュムレータ9L、9M、9Hは、所定圧、例えば、低圧用アキュムレータ9Lは1MPa、中圧用アキュムレータ9Mは2MPa、高圧用アキュムレータ9Hは3MPa、に調圧されている。
【0038】
図示しない制御盤は、電磁切換弁31を切り換え、ポンプ7の吐出回路を低圧用アキュムレータ9L側(管路R3)に切り換える(S1)。これにより中圧用及び高圧用アキュムレータ9M、9Hと管路R3との連通は遮断されるので、該中圧用及び高圧用アキュムレータ9M、9Hの作動油が前記管路R3に流出することはない。
【0039】
前記電磁切換弁37の切り換えが終わると、前記制御盤は、前記シリンダ1の電磁切換弁(進行方向弁)3を切り換え、該シリンダ1を管路R3に連通させる(S2)。
次に前記制御盤は、前記低圧用アキュムレータ9Lの電磁切換弁(元弁)13を開かせる(S3)。
これにより低圧用アキュムレータ9Lと管路R3が連通し、該アキュムレータ9Lに蓄積された作動油は、該管路R3に供給され、前記シリンダ1のピストン1aをリミットスイッチLM1側に押圧する。
【0040】
前記制御盤は、圧力スイッチ14の検出信号に基いて回路圧Pが低圧設定圧力最低値PL1より高いか否かを判断する(S4)。
前記回路圧Pが前記最低値PL1より低い場合(P<PL1)は、ポンプ7を起動して圧力を上昇させる(S4の1)。その後、前記制御盤は、回路圧Pが前記低圧設定圧最高値PL2であるか否かを判断し(S4の2)、該設定最高値PL2に到達したらポンプ7を止める(S4の3)。
これにより回路圧Pは、低圧設定圧最低値PL1より高い圧力となる。
【0041】
前記シリンダ1に低圧用アキュムレータ9Lの作動油が圧送されると、ピストン1aが摺動し、ストロークが開始するが、前記ピストン1aがシリンダ1の後端に当接すると、リミットスイッチLM1のスイッチがオンになり、到達信号を前記制御盤に送信する(S5)(往路行程)。
【0042】
そうすると、前記制御盤は、ポンプ7の吐出回路を中圧用及び高圧用アキュムレータ9M、9H側(管路R4)に切り換える(S6)。
この切換により中圧用アキュムレータ9M、又は、高圧アキュムレータ9Hの使用が可能になるが、どちらを選択するかは、シリンダ1にかかる負荷の大きさにより決定される。最初に、中圧用アキュムレータ9Mを使用する場合について説明する。
【0043】
前記制御盤は、圧力スイッチ10Mから出力される検出圧力値に基づいて、保持圧力(回路圧)Pが中圧PMであるか否かを判断する(S7)。
ここで中圧PMは、シリンダ1の保持又は待機行程に必要な大きさの圧力である。
【0044】
前記制御盤は、中圧を使用する場合には、回路圧Pが中圧PMであることを確認すると、中圧用アキュムレータ9Mの電磁切換弁(元弁)33Mを開かせ(S8)るとともに、中圧保持のシリンダの電磁切換弁39、電磁切換弁3を開かせる(S9)。
これにより中圧用アキュムレータ9Mの作動油は、シリンダ1に圧送されるので、ピストン1aは停止した状態を保持する。
【0045】
前記制御盤は、圧力スイッチ10Mから送信される検出信号に基づいて、回路圧Pが中圧設定圧力最低値PM1より高いか否かを判断し(S10)、その値が低い場合には、ポンプ7を起動して(S10の1)して昇圧させる。
そして、前記圧力値が中圧設定圧力最高値PM2になったか否かを判断し(S10の2)、前記値PM2に到達したらポンプ7の駆動を停止する(S10の3)。
【0046】
この様にして、前記回路圧Pは、中圧設定圧力最低値PM1より高い値を維持する(S11)(往路待機行程)。
中圧で使用する場合には、前記ステップS1〜S11の行程を繰り返す(S12)。
【0047】
次に、高圧用アキュムレータ9Hを使用する場合について説明する。
前記制御盤は、高圧アキュムレータ9Hの電磁切換弁(元弁)33Hを開かせる(S13)と共に、高圧保持のシリンダ1の電磁切換弁33H、電磁切換弁3を開かせる(S14)。そうすると、高圧用アキュムレータ9Hから吐き出された作動油が管路R4を介してシリンダ1に供給され、ピストン1aを押圧する。
【0048】
前記制御盤は、圧力スイッチ10Hから送出される圧力信号に基づいて、回路圧Pが高圧設定圧力最低値PH1より高いか否かを判断し(S15)、その値が前記最低値PH1より低いときには、ポンプ7を起動して昇圧させる(S15の1)。
【0049】
前記制御盤は、回路圧Pが高圧設定圧力最高値PH2になったか否かを判断し(S15の2)、前記値PH2に達するとポンプ7を停止させる(S15の3)。
前記回路圧Pは、高圧設定圧力最低値PH1より高い値で維持され、待機状態となる(S16)(往路待機行程)。
【0050】
高圧で使用する場合には、前記ステップS1〜S10、ステップS13〜ステップ17が順次繰り返される(S17)。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本件発明の第1の実施形態を示す正面図である。
【図2】フローチャートを示す図である。
【図3】本件発明の第2の実施形態を示す正面図である。
【図4】本件発明の第3の実施形態を示す正面図である。
【図5A】本件発明の第3実施形態を示すフローチャートを示す図であり、該フローチャートの前半部を示す図である。
【図5B】本件発明の第3実施形態を示すフローチャートを示す図であり、該フローチャートの後半部を示す図である。
【符号の説明】
【0052】
1 シリンダ
3 電磁切換弁
5 油圧回路
7 ポンプ
9L 第1の(低圧用)アキュムレータ
9H 第2の(高圧用)アキュムレータ
10 圧力スイッチ
13 電磁切換弁
14 圧力スイッチ
17 電磁切換弁
R 管路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポンプを駆動させてアキュムレータに蓄圧させた後に前記ポンプを停止させ、該アキュムレータからアクチュエータの駆動に必要な作動液を供給する液圧回路であって、
前記アキュムレータは、前記アクチュエータの負荷が低負荷である時に作動液を該液圧回路内に吐き出す第1のアキュムレータと、前記アクチュエータの負荷が前記低負荷より大きい高負荷である時に作動液を該液圧回路内に吐き出す第2のアキュムレータと、を備えていることを特徴とする液圧回路。
【請求項2】
前記ポンプは、単数設けられていることを特徴とする請求項1記載の液圧回路。
【請求項3】
前記ポンプは、前記第1のアキュムレータに作動液を供給する第1のポンプと、前記第2のアキュムレータに作動液を供給する第2のポンプと、を備えていることを特徴とする請求項1記載の液圧回路。
【請求項4】
前記第2のアキュムレータには、制御手段により前記第1のアキュムレータの作動時に閉に切り換えられる、電磁切換弁が設けられていることを特徴とする請求項1記載の液圧回路。
【請求項5】
前記アクチュエータの負荷が、前記低負荷と前記高負荷の間の値であるときに、作動液を該液圧回路内に吐き出す第3のアキュムレータを備えていることを特徴とする請求項1記載の液圧回路。
【請求項6】
前記液圧回路の圧力を検出し、検出信号を制御手段に出力する圧力スイッチが設けられていることを特徴とする請求項1記載の液圧回路。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【公開番号】特開2010−48332(P2010−48332A)
【公開日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−212903(P2008−212903)
【出願日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【出願人】(000193999)
【出願人】(390034625)
【Fターム(参考)】