説明

液晶とこれを含む液晶材料混合物及び液晶表示パネル

【課題】液晶表示パネル(LCD)に使用されて良好な透過率を示す液晶と液晶材料混合物とを提供する。
【解決手段】液晶は下記の特性(i)誘電率異方性(Δε)は約−2.5〜約−5の範囲であり、(ii)広がり弾性定数(K11)は約1.1×10-11N〜約1.6×10-11Nの範囲であり、(iii)曲げ弾性定数(K33)は約1.1×10-11N〜約1.6×10-11Nの範囲であり、(iv)Δε、K11(N)、及びK33(N)は下記式を満たす


を有し、液晶材料混合物は上記液晶と重合性単量体とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶表示パネル(LCD)に使用される液晶、特に、PSA(Polymer Sustained Alignment、ポリマー固定配向)LCDに使用される液晶材料混合物に関する。
【背景技術】
【0002】
表示装置市場では、LCDが最も定着し普及しているディスプレイである。LCDは従来のブラウン管(CRT)表示装置に比べて、軽量、低消費電力、良好な携帯性、放射がない等の多くの利点を有している。従って、携帯電話、デジタルカメラ、ノート型コンピュータ、デスクトップ表示装置等の3C製品に広く使用されてきた。
【0003】
液晶材料の特性は、LCDの性能に大きく影響する。一般に液晶材料は、誘電率異方性(Δε)に関して、ポジ型液晶材料(即ち、Δε>0)と、ネガ型液晶材料(Δε<0)とに分類される。ポジ型液晶材料は通常、平行配向(PA)LCDに使用され、ネガ型液晶材料は通常、垂直配向(VA)LCDに使用される。
【0004】
LCDの性能を向上させるために、高速応答及び高コントラスト比を特徴とするLCDを得るために液晶分子にプレティルト角を与える幾つかのアシスト液晶配向技術が提案されている。アシスト液晶配向技術の1つは、液晶材料に重合性単量体を添加することである。重合されると、その重合体は液晶分子にプレティルト角を与え、アシスト配向効果と改善された光学的性質とを達成する。重合性単量体を添加したこのような液晶材料を使用するLCDは、通常、PSA‐LCDとして知られている。
【0005】
しかし、LCDの画素構造は、特にマルチドメイン画素構造の開発に伴ってますます複雑となり、LCD産業は減少する液晶透過率に対処する課題に直面している。簡単に言うと、駆動電圧は同じとして実効の電界はますます小さくなっており、その結果、他の条件を同じとして、液晶材料の透過率は減少する傾向にあり、LCDの光学的性質に悪影響を及ぼしている。
【0006】
上記の問題に鑑みて、本願の発明者は、研究によって、特定の特性を持つ液晶材料を選択することで、LCDの光学性能、例えば透過率を向上させることができることを見出した。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の1つの目的は、液晶表示パネルを提供することである。この液晶表示パネルは、第1基板と、第2基板と、該第1基板と第2基板の間に封入された複数の液晶分子とを備え、該複数の液晶分子は下記の特性、
(i)誘電率異方性(Δε)は約−2.5〜約−5の範囲であり、
(ii)広がり弾性定数(K11)は約1.1×10-11 N〜約1.6×10-11 Nの範囲であり、
(iii)曲げ弾性定数(K33)は約1.1×10-11 N〜約1.6×10-11 Nの範囲であり、
(iv)Δε、K11(N)、及びK33(N)の間の関係は下記式で表わされる、
を有する。
【0008】
【数1】

【0009】
本発明の別の目的は、液晶を提供することである。この液晶は、下記の特性、
(i)誘電率異方性(Δε)は約−2.5〜約−5の範囲であり、
(ii)広がり弾性定数(K11)は約1.1×10-11 N〜約1.6×10-11 Nの範囲であり、
(iii)曲げ弾性定数(K33)は約1.1×10-11 N〜約1.6×10-11 Nの範囲であり、
(iv)Δε、K11(N)、及びK33(N)の間の関係は下記式で表わされる、
を有する。
【0010】
【数2】

【0011】
本発明の更に別の目的は、上記複数の液晶分子と重合性単量体とを含む液晶材料混合物を提供することである。
以下に記載する図と方法とを参照することで、当業者は本発明の思想と他の目的と技術的手段と好適な実施形態とを容易に理解できるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
駆動電圧をあるレベル(約10V)まで増加させると、液晶材料の透過率は、そのパラメータに関係なく飽和することが研究によって示された。しかし、現在の表示パネルの実用上の制約により、採用される駆動電圧は通常、透過率を飽和させるのに適当ではない。上記の現象は、図1の透過率対駆動電圧のグラフによって説明することができる。異なるK11、K33及びΔεを持った2種類の液晶材料、即ち、液晶材料LC1(K11= K33=1.33×10-11 N, Δε= -3.5)と液晶材料LC2(K11= K33=1.33×10-11 N, Δε= -3.1)とを、同じ画素構造を用いて同じ測定方法で試験した。電圧の関数としての透過率の増加は、この2種類の液晶材料でかなり異なることが分かった。例えば、通常の使用駆動電圧7.5Vで、LC2はLC1より高い透過率を示した。更なる研究によって、駆動電圧は同じとした時、液晶材料のK11、K33及びΔεは透過率に影響する重要な因子であることが分かった。
【0013】
従って、本発明は特定の特性を持った液晶を提供する。特に、本液晶のパラメータK11、K33及びΔεは次の条件を満たす。
(i)Δεは約−2.5〜約−5の範囲であり、
(ii)K11は約1.1×10-11 N〜約1.6×10-11 Nの範囲であり、
(iii)K33は約1.1×10-11 N〜約1.6×10-11 Nの範囲であり、
(iv)Δε、K11(N)、及びK33(N)の間の関係は下記式で表わされる。
【0014】
【数3】

【0015】
本発明によれば、上記特性を持った液晶はいずれも、LCDに使用されて適切な透過率を提供し、いかなる特定の制約も受けない。本発明の液晶は、例えば(これらに限定されないが)、下記の一般式(III)、(IV)、(V)、及び(VI)の化合物からなるグループから選択される。
【0016】
【化1】

【0017】
【化2】

【0018】
【化3】

【0019】
【化4】


ここで、R1、R2、R3、R4、及びR6はそれぞれ他から独立に、1〜12個の炭素原子を含むアルキル基であり、1つのCH2基、又は互いに隣接していない2つのCH2基は、-O-、-CH=CH-、-CO-、-OCO-、又は-COO-によって置換されてもよく、R5は2〜8個の炭素原子を含むアルケニル基であり、dは0または1であり、
【0020】
【化5】


【0021】
【化6】

又は
【0022】
【化7】

であり、
【0023】
【化8】


【0024】
【化9】

はそれぞれ他から独立に
【0025】
【化10】

【0026】
【化11】

【0027】
【化12】

又は
【0028】
【化13】

であり、
【0029】
【化14】


【0030】
【化15】

又は
【0031】
【化16】

である。
【0032】
本発明の液晶の好適な実施形態において、採用されたパラメータK11、K33及びΔεは次のとおりである。
(i)Δεは約−3〜約−5の範囲であり、
(ii)K11は約1.1×10-11 N〜約1.55×10-11 Nの範囲であり、
(iii)K33は約1.1×10-11 N〜約1.55×10-11 Nの範囲であり、
(iv)Δε、K11(N)、及びK33(N)の間の関係は下記式で表わされる。
【0033】
【数4】

【0034】
本発明の液晶の別の好適な実施形態において、採用されたパラメータK11、K33及びΔεは次のとおりである。
(i)Δεは約−3〜約−5の範囲であり、
(ii)K11は約1.37×10-11 N〜約1.6×10-11 Nの範囲であり、
(iii)K33は約1.37×10-11 N〜約1.6×10-11 Nの範囲であり、
(iv)Δε、K11(N)、及びK33(N)の間の関係は下記式で表わされる。
【0035】
【数5】

【0036】
上記のように、本発明は、特定の組合せのパラメータ(Δε、K11、及びK33)を持った液晶を選択することで、適切な液晶を提供する。この液晶がLCDに使用されると、LCDの光学性能が向上する。
【0037】
従って、本発明は、LCD、特にPSA‐LCDも提供する。本発明のLCDは、第1基板と、第2基板と、これらの基板の間に封入された本発明の液晶とを備える。また、第1電極と第2電極がそれぞれ、第1基板の表面上と第2基板の表面上に配置される。必要に応じて、配向膜(例えば、ポリイミド)を第1電極及び/又は第2電極上に配置してもよい。
【0038】
PSA‐LCDの場合、配向膜上に配置されたポリマー膜を更に備える。このポリマー膜は重合性単量体から重合される。本発明において使用される重合性単量体は、光重合性単量体、熱重合性単量体、又はこれらの組合せである。この重合性単量体は、例えば(これらに限定されないが)、下記の一般式(I)及び(II)の化合物からなるグループから選択される。
【0039】
【化17】

【0040】
【化18】

ここで、
P1 は他から独立に、重合性基、例えば、アクリル酸塩またはメタクリル酸塩であり、
Sp1 は他から独立に、スペーサ基、例えば、1つ以上の炭素原子を含む直線炭素鎖であり、
X1 は他から独立に、-O-, -S-, -OCH2-, -CO-, -COO-, -OCO-, -CO-NR-, -NR-CO-, -OCH2-, -SCH2-, -CH2S-, -CH=CH-COO-, -OCC-CH=CH-または単一結合であり、ここでRはアルキル基であり、
L は他から独立に、-F, -Cl, -CNまたは1〜7個の炭素原子を含むアルキル基、アルキルカルボニル基、アルコキシカルボニル基またはアルキルカルボニルオキシ基であり、mは1以上であり、ここで、Lが1〜7個の炭素原子を含むアルキル基、アルキルカルボニル基、アルコキシカルボニル基またはアルキルカルボニルオキシ基である場合は、1つ以上のH原子はFまたはCl原子によって置換されてもよく、
Y は他から独立に、-H, -F, -Cl, -CN, -SCN, -SF5H, -NO2、1〜12個の炭素原子を含む単一結合または分岐型アルキル基、又は-X2-Sp2-P2であり、ここで、
P2 は他から独立に、重合性基、例えば、アクリル酸塩またはメタクリル酸塩であり、
Sp2 は他から独立に、スペーサ基、例えば、1つ以上の炭素原子を含む直線炭素鎖であり、
X2 は他から独立に、-O-, -S-, -OCH2-, -CO-, -COO-, -OCO-, -CO-NR-, -NR-CO-, -OCH2-, -SCH2-, -CH2S-, -CH=CH-COO-, -OCC-CH=CH-または単一結合であり、ここでRはアルキル基である。
【0041】
当業者が本発明の実施形態に係るLCDを容易に理解できるように、1つの実施形態としてのPSA‐LCDを添付の図面を参照しながら下記に説明する。図面において同様の要素には同様の符号を付す。
【0042】
図2は本発明の本実施形態に係るPSA‐LCD20を例示する。LCD20は、第1基板211と、第2基板213と、これらの基板の間に封入された本発明の液晶11とを備える。また、第1電極251と第2電極253がそれぞれ、第1基板211の表面上と第2基板213の表面上に互いに対向して設けられ、液晶11をねじるための電界を提供する。また、図2に示すように、配向膜27が第1電極251の表面上と第2電極253の表面上に互いに対向して設けられ、液晶11を配向させる。ポリマー膜29が配向膜27の表面上に設けられ、液晶11の配向をアシストする。また、図2に示すように、該2つの基板は、通常約2.5μm〜約10μmの範囲の所定距離、即ち、セルギャップ23だけ隔てられている。
【0043】
本発明のLCDの製造において、カラーフィルター製造工程、薄膜トランジスタアレイ工程、液晶セル工程、モジュール組立工程等の任意の適切な工程を使用することができる。これらの工程は本分野で周知であり、それらの詳細は、説明を省略する。PSA‐LCDの場合、該配向膜上に配置される該ポリマー膜は、本発明の液晶に加えて重合性単量体を含む液晶材料混合物をLCDセルに注入または滴下し、重合性単量体を重合して、該配向膜上にポリマー膜を形成することで設けることができる。
【0044】
従って、本発明は、上述のように、本発明の液晶と、重合性単量体とを含む液晶材料混合物にも関係する。本発明によると、重合性単量体の濃度は、当業者が実際の要求に依って決定してもよい。一般に、重合性単量体の濃度は、液晶の重量の約0.01重量%〜約5重量%の範囲である。
【0045】
当業者が本発明の利点と技術的特徴をより理解できるように本発明を更に例示するために下記の実施例を提供する。
【0046】
実施例1
垂直配向LCDに液晶材料1〜5を使用して透過率のシミュレーションを実行し、広がり弾性定数(K11)、ねじれ弾性定数(K22)、曲げ弾性定数(K33)、誘電率異方性(Δε)、及び粘度係数(γ)の透過率への影響を観察した。結果を表1に示す。
【0047】
【表1】

【0048】
表1は、K22とγに比べてK11、K33、及びΔεは液晶材料の透過率をより反映することを示している。より詳細には、液晶材料1と5の結果から、K11、K33、γ、及びΔεを固定した場合、異なるK22値の液晶材料1と5(それぞれ0.8と0.5)は、透過率に大きな差はない(7V電圧時、それぞれ24.1%と24.0%、4.2V電圧時、両方とも18.1%)ことが分かる。同様に、液晶材料3と4の結果から、K11、K22、K33、及びΔεを固定した場合、異なるγ値の液晶材料3と4(それぞれ0.11と0.14)は、透過率に大きな差はない(7V電圧時、それぞれ24.1%と24.0%、4.2V電圧時、両方とも21.6%)ことが分かる。一方、液晶材料1と2の比較から、K22、γ、及びΔεを固定した場合、低駆動電圧(例えば、4.2V)時、異なるK11、K33値の液晶材料1と2の透過率は、それぞれ18.1%と24.6%で大きな差があり、液晶材料2が透過率の点で性能がよいことが分かる。また、液晶材料1と3の比較から、K11、K33、K22、及びγを固定した場合、低駆動電圧(例えば、4.2V)時、異なるΔε値の液晶材料1と3(それぞれ−3と−3.5)の透過率は、それぞれ18.1%と21.6%で大きな差があり、液晶材料3が透過率の点で性能がよいことが分かる。
【0049】
実施例1から、液晶パラメータK22、γ、及びΔεを固定した場合、パラメータK11、K33が液晶材料の透過率に影響することが分かる。一方、K11、K33、K22、及びγを固定した場合、パラメータΔεが液晶材料の透過率に影響する。
【0050】
実施例2
図2に示した構造を備えたLCDに、他の要素は変えずに液晶11だけを変えて、試験を行った。
【0051】
先ず、パラメータがΔε= -3, K11 = 1.52×10-11 N, K33 = 1.55×10-11 Nである液晶材料1を液晶11として使用した。次に、透過率測定器を使用して組み立てたLCDに光学測定を行った。測定結果を表2(LC1)に示す。
【0052】
次に、パラメータがΔε= -3, K11 = 1.37×10-11 N, K33 = 1.41×10-11 Nである液晶材料2を液晶11として使用した。次に、透過率測定器を使用して組み立てたLCDに光学測定を行った。測定結果を表2(LC2)に示す。
【0053】
次に、パラメータがΔε= -3.5, K11 = 1.52×10-11 N, K33 = 1.5×10-11 Nである液晶材料3を液晶11として使用した。次に、透過率測定器を使用して組み立てたLCDに光学測定を行った。測定結果を表2(LC3)に示す。
【0054】
【表2】

【0055】
表2に示すように、液晶材料1と2の比較から、Δεを固定した場合、K11値13.7、K33値14.1の液晶材料2の透過率(%)は、K11値15.2、K33値15.5の液晶材料1より良いことが分かる。即ち、液晶材料2は3.9の透過率(%)を有し、液晶材料1は3.7の透過率(%)を有する。同様に、液晶材料1と3の比較から、K11を固定した場合、Δε値−3.5、K33値15の液晶材料3の透過率(%)は、Δε値−3、K33値15.5の液晶材料1より良いことが分かる。即ち、液晶材料3は4.4の透過率(%)を有し、液晶材料1は3.7の透過率(%)を有する。
【0056】
実施例2から分かるように、適切なΔε、K11、K33値の液晶材料を選択することで、LCDの透過率を効果的に向上させることができる。
【0057】
上記の開示は本発明の詳細な技術内容とその独創的な特徴に関する。当業者は、本発明の上記の開示と提示に基づいて本発明の範囲から逸脱することなく様々な変更と置換を想到する可能性がある。そのような変更と置換は完全には本明細書に開示されていないが、添付の請求項に実質的に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】同一のLCD構造において液晶パラメータを変えた場合の透過率対駆動電圧特性を比較するグラフである。
【図2】本発明の一実施形態のLCDの概略図である。
【符号の説明】
【0059】
11 液晶分子
20 PSA‐LCD
23 セルギャップ
27 配向膜
29 ポリマー膜
211 第1基板
213 第2基板
251 第1電極
253 第2電極

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1基板(211)と、
第2基板(213)と、
該第1基板(211)と第2基板(213)の間に封入された複数の液晶分子(11)と
を備え、該複数の液晶分子は下記の特性、
(i)誘電率異方性(Δε)は約−2.5〜約−5の範囲であり、
(ii)広がり弾性定数(K11)は約1.1×10-11 N〜約1.6×10-11 Nの範囲であり、
(iii)曲げ弾性定数(K33)は約1.1×10-11 N〜約1.6×10-11 Nの範囲であり、
(iv)Δε、K11(N)、及びK33(N)の間の関係は下記式で表わされる、
を有する液晶表示パネル。
【数1】

【請求項2】
前記Δεは約−3〜約−3.5の範囲であり、前記K11、K33はそれぞれ他から独立に約1.1×10-11 N〜約1.55×10-11 Nの範囲である請求項1に記載の液晶表示パネル。
【請求項3】
前記Δεは約−3.0〜約−5の範囲である請求項1に記載の液晶表示パネル。
【請求項4】
前記K11は約1.37×10-11 N〜約1.6×10-11 Nの範囲である請求項1に記載の液晶表示パネル。
【請求項5】
前記K33は約1.37×10-11 N〜約1.6×10-11 Nの範囲である請求項1に記載の液晶表示パネル。
【請求項6】
前記第1基板(211)の表面上と前記第2基板(213)の表面上に互いに対向してそれぞれ設けられた第1電極(251)と第2電極(253)と、
該第1電極(251)及び/又は該第2電極(253)上に設けられた1つ以上の配向膜(27)と
を更に備える請求項1に記載の液晶表示パネル。
【請求項7】
前記配向膜(27)上に設けられたポリマー膜(29)を更に備える請求項6に記載の液晶表示パネル。
【請求項8】
約2.5μm〜約10μmの範囲の所定のセルギャップ(23)が、前記第1基板(211)と第2基板(213)の間に存在する請求項1に記載の液晶表示パネル。
【請求項9】
下記の特性、
(i)誘電率異方性(Δε)は約−2.5〜約−5の範囲であり、
(ii)広がり弾性定数(K11)は約1.1×10-11 N〜約1.6×10-11 Nの範囲であり、
(iii)曲げ弾性定数(K33)は約1.1×10-11 N〜約1.6×10-11 Nの範囲であり、
(iv)Δε、K11(N)、及びK33(N)の間の関係は下記式で表わされる、
を有する液晶。
【数2】

【請求項10】
ネガ型液晶であり、下記の一般式(III), (IV), (V)または(VI)、
【化1】

【化2】

【化3】

【化4】

で表わされる化合物であって、R1、R2、R3、R4、及びR6はそれぞれ他から独立に、1〜12個の炭素原子を含むアルキル基であり、1つのCH2基、又は互いに隣接していない2つのCH2基は、-O-、-CH=CH-、-CO-、-OCO-、又は-COO-によって置換されてもよく、R5は2〜8個の炭素原子を含むアルケニル基であり、dは0または1であり、
【化5】


【化6】

又は
【化7】

であり、
【化8】


【化9】

はそれぞれ他から独立に
【化10】

【化11】

【化12】

又は
【化13】

であり、
【化14】


【化15】

又は
【化16】

である
化合物からなる請求項9に記載の液晶。
【請求項11】
前記Δεは約−3〜約−3.5の範囲であり、前記K11、K33はそれぞれ他から独立に約1.1×10-11 N〜約1.55×10-11 Nの範囲である請求項9に記載の液晶。
【請求項12】
前記Δεは約−3.0〜約−5の範囲である請求項9に記載の液晶。
【請求項13】
前記K11は約1.37×10-11 N〜約1.6×10-11 Nの範囲である請求項9に記載の液晶。
【請求項14】
前記K33は約1.37×10-11 N〜約1.6×10-11 Nの範囲である請求項9に記載の液晶。
【請求項15】
液晶と重合性単量体とを含み、
該液晶は下記の特性、
(i)誘電率異方性(Δε)は約−2.5〜約−5の範囲であり、
(ii)広がり弾性定数(K11)は約1.1×10-11 N〜約1.6×10-11 Nの範囲であり、
(iii)曲げ弾性定数(K33)は約1.1×10-11 N〜約1.6×10-11 Nの範囲であり、
(iv)Δε、K11(N)、及びK33(N)の間の関係は下記式で表わされる、
を有する液晶材料混合物。
【数3】

【請求項16】
前記重合性単量体は、光重合性単量体、熱重合性単量体、又はこれらの組合せである請求項15に記載の液晶材料混合物。
【請求項17】
前記重合性単量体は、下記の一般式(I)または(II)、
【化17】

【化18】

で表わされる化合物であって、
P1 は他から独立に、アクリル酸塩またはメタクリル酸塩であり、
Sp1 は他から独立に、1つ以上の炭素原子を含む直線炭素鎖であり、
X1 は他から独立に、-O-, -S-, -OCH2-, -CO-, -COO-, -OCO-, -CO-NR-, -NR-CO-, -OCH2-, -SCH2-, -CH2S-, -CH=CH-COO-, -OCC-CH=CH-または単一結合であり、ここでRはアルキル基であり、
L は他から独立に、-F, -Cl, -CNまたは1〜7個の炭素原子を含むアルキル基、アルキルカルボニル基、アルコキシカルボニル基またはアルキルカルボニルオキシ基であり、mは1以上であり、ここで、Lが1〜7個の炭素原子を含むアルキル基、アルキルカルボニル基、アルコキシカルボニル基またはアルキルカルボニルオキシ基である場合は、1つ以上のH原子はFまたはCl原子によって置換されてもよく、
Y は他から独立に、-H, -F, -Cl, -CN, -SCN, -SF5H, -NO2、1〜12個の炭素原子を含むアルキル基、又は-X2-Sp2-P2であり、ここで、
P2 は他から独立に、アクリル酸塩またはメタクリル酸塩であり、
Sp2 は他から独立に、1つ以上の炭素原子を含む直線炭素鎖であり、
X2 は他から独立に、-O-, -S-, -OCH2-, -CO-, -COO-, -OCO-, -CO-NR-, -NR-CO-, -OCH2-, -SCH2-, -CH2S-, -CH=CH-COO-, -OCC-CH=CH-または単一結合であり、ここでRはアルキル基である化合物からなる請求項16に記載の液晶材料混合物。
【請求項18】
前記液晶はネガ型液晶であり、下記の一般式(III), (IV), (V)または(VI)、
【化19】

【化20】

【化21】

【化22】

で表わされる化合物であって、R1、R2、R3、R4、及びR6はそれぞれ他から独立に、1〜12個の炭素原子を含むアルキル基であり、1つのCH2基、又は互いに隣接していない2つのCH2基は、-O-、-CH=CH-、-CO-、-OCO-、又は-COO-によって置換されてもよく、R5は2〜8個の炭素原子を含むアルケニル基であり、dは0または1であり、
【化23】


【化24】

又は
【化25】

であり、
【化26】


【化27】

はそれぞれ他から独立に
【化28】

【化29】

【化30】

又は
【化31】

であり、
【化32】


【化33】

又は
【化34】

である
化合物からなる請求項15に記載の液晶材料混合物。
【請求項19】
前記重合性単量体の濃度は、前記液晶の重量の約0.01重量%〜約5重量%の範囲である請求項15に記載の液晶材料混合物。
【請求項20】
前記Δεは約−3〜約−3.5の範囲であり、前記K11、K33はそれぞれ他から独立に約1.1×10-11 N〜約1.55×10-11 Nの範囲である請求項15に記載の液晶材料混合物。
【請求項21】
前記Δεは約−3.0〜約−5の範囲である請求項15に記載の液晶材料混合物。
【請求項22】
前記K11は約1.37×10-11 N〜約1.6×10-11 Nの範囲である請求項15に記載の液晶材料混合物。
【請求項23】
前記K33は約1.37×10-11 N〜約1.6×10-11 Nの範囲である請求項15に記載の液晶材料混合物。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2009−84566(P2009−84566A)
【公開日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−231050(P2008−231050)
【出願日】平成20年9月9日(2008.9.9)
【出願人】(501358079)友達光電股▲ふん▼有限公司 (220)
【氏名又は名称原語表記】AU Optronics Corporation
【住所又は居所原語表記】No.1,Lt−Hsin Rd,II,Science−Based Industrial Park,Hsinchu,Taiwan,R.O.C.
【Fターム(参考)】