液晶ディスプレイ用構造化半透過体
本発明によれば、カラー半透過型ディスプレイ装置は、目視側および裏側を有し、画素を確定する透過型ディスプレイユニットを用いる。構造化半透過体は、カラーディスプレイユニットの裏側に配置される。構造化半透過体は、構造面と、構造面にわたって配置される層状誘電反射体を具備する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に、ディスプレイに関し、さらに詳細には、周辺照明下で動作し、バックライト照明も備えた透過反射兼用型(半透過型)ディスプレイに関する。
【背景技術】
【0002】
マイクロプロセッサに基づく技術の物理的な小型化は、携帯型パーソナルコンピュータ、マルチポケットブック、無線電話およびポケットベル(登録商標)の開発につながっている。これらの装置と、置時計、腕時計、計算機などの他のデバイスのすべてに共通に必要とされているものは、電池交換または電池充電の間に有効な作動期間を長くするために、電力消費の少ないデータディスプレイスクリーンを共通に必要としている。
【0003】
そのような装置におけるディスプレイの最も一般的なタイプは、液晶ディスプレイ(LCD)である。LCDは、照射源に基づいて分類される場合もある。反射型ディスプレイは、前方からディスプレイに入射する周辺光によって照射される。LCDの背後に配置されるブラシ研磨金属反射体などの反射面は、LCDによって透過された光を反射すると同時に、反射面に入射する光の偏光配向を維持する。反射型ディスプレイは少ない電力消費の必要性を満たしているが、このディスプレイは良好な周辺照明条件下で有用であるにすぎない。低レベルの周辺光の下で、ディスプレイは暗く、読みにくいことがよくある。したがって、完全な反射型ディスプレイは、有用性が限定されている。
【0004】
LCDディスプレイの別のタイプはバックライト式ディスプレイであり、光はディスプレイの背後で生成され、ディスプレイを透過して目視者に至る。一般に、バックライト式アセンブリは、発光ダイオード(LED)、蛍光灯または光を発する別の装置、発光体からLCDに光を指向するための複数の光学素子を具備している。バックライト照明はまた、さまざまな周辺光状態に関して用いることができるため、反射型ディスプレイを補うために用いられてもよい。しかし、バックライト式アセンブリの導入は、電池の電力消費も増大し、電池の耐用年数または充電間隔を著しく短くする。
【0005】
周辺反射型ディスプレイとバックライト照明の組合せにより、「半透過」フィルムが必要となる。半透過フィルムは、LCDと光源との間に配置され、LCDを透過した周辺光を反射し、LCDを照射するために光源からの光を透過するために用いられる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、周辺照明状態の下では、半透過フィルムは、画像を重ねる入射光の鏡面反射を生じることから、画像が見にくくなることがよくある。これは、特にディスプレイがバックライトモードで動作するカラーディスプレイであり、高いレベルの周辺光がある場合にいえる。したがって、高いレベルの周辺光によって動作する場合に、カラーディスプレイの画像の視認性を向上する改良型半透過体が必要である。半透過体は、色ずれを少なくした状態で光を反射および透過し、所望の角度範囲にわたって反射された周辺光を拡散するように構成されていてもよい。
【課題を解決するための手段】
【0007】
ある特定の実施形態において、本発明は、目視側および裏側を有し、画素を規定する透過型ディスプレイユニットを具備する半透過型ディスプレイ装置に関する。光源は、透過型ディスプレイユニットの裏側に配置される。構造化半透過体は、透過型ディスプレイユニットと光源との間に配置される。構造化半透過体は、構造面および構造面にわたって配置される層状誘電反射体を具備する。
【0008】
別の実施形態において、本発明は、目視側および裏側を有するカラー透過型ディスプレイユニットと、カラーディスプレイユニットの裏側に配置される構造化半透過体と、を具備する半透過型ディスプレイ装置に関する。構造化半透過体は、構造面と、構造面上に配置される誘電部分反射体を有する構造化基板を具備する。ディスプレイユニットに入射する周辺光はグレア方向のグレア光を生成し、構造化半透過体はグレア方向を実質的に包囲する方向の一定の範囲にわたって画像光を反射する。
【0009】
本発明の上記の概要は本発明のそれぞれの示された実施形態またはすべての実装例を説明することを目的としていない。以下の図面および詳細な説明は、これらの実施形態についてさらに詳細に具体化する。
【0010】
本発明は、添付図面と共に、本発明の種々の実施形態に関する以下の詳細な説明を検討することにより、さらに完全に理解されると思われる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明は種々の修正および代替の態様に適用可能であるが、その仕様が図に一例として示され、詳細に説明される。しかし、記載された特定の実施形態に本発明を限定するわけではないことを理解すべきである。逆に言えば、添付の特許請求の範囲によって規定されるように、本発明の精神および範囲に包含されるすべての修正物、代替物および変形物を網羅するものとする。
【0012】
本発明は、半透過型ディスプレイに適用可能であり、カラー半透過型ディスプレイに特に有用であり、反射される画像光が周辺のグレアから分離されるため、目視者によって見られる画像の視認性を向上すると考えられている。
【0013】
半透過型ディスプレイ100の概略図が、図1に示されている。一般には液晶ディスプレイ(LCD)などのディスプレイユニット102が、ディスプレイ102上に表示される情報を制御するコントローラ104に接続されている。1層以上の層の光学フィルムから形成される半透過体106が、ディスプレイユニット102の下に配置されている。電源108は、ディスプレイコントローラ104、ディスプレイユニット102のほか、光源110に電力を供給しうる。光源110は、たとえば、1つ以上の蛍光管、1つ以上の発光ダイオードなどの任意の適切なタイプの光源であってもよい。光源110は、好ましい方向に光を指向するために、任意の反射体111を具備しうる。電源108は、電池、充電式電池または他の電力源であってもよい。
【0014】
ディスプレイユニット102は一般に、上方吸収偏光子112および下方吸収偏光子114を具備する。液晶層116は、上方吸収偏光子112と下方吸収偏光子114との間に挟まれる。ガラス層(図示せず)が、吸収偏光子112および114と液晶層116との間に挟まれてもよい。ディスプレイユニット102は、通過する光のある一部の偏光を変化させることによって動作する。カラーフィルタ118は一般に、ディスプレイユニット102の特定のピクセルに特定の色を提供するために用いられる。
【0015】
カラーディスプレイは一般に、バックライトモードで動作する。しかし、強い日光などの強い周辺光の状態の下では、カラーディスプレイは見にくく、画像は色が褪せて見える。そのような状況下で、画像を形成するために、バックライトおよび周辺光の両方の組合せを用いることは有用であり、周辺光が強いときにはさらに明るく見え、さらに見やすくなる。半透過体106は、ディスプレイユニット102を通過した周辺光を反射し、バックライトによって生じた光をディスプレイユニット102に透過する。したがって、ディスプレイ100は、バックライト、周辺光のいずれかまたはその両方を用いて動作することができる。
【0016】
ここで、異なる偏光状態の光に対するディスプレイ100の動作について述べる。吸収偏光子112によって透過される偏光状態の周辺光120は、液晶層116を介して下方吸収偏光子114に透過される。液晶層116を通過した光が下方吸収偏光子114を通過する偏光状態にある場合には、光は透過されて半透過体106に至る。半透過体106からの反射光122は、ディスプレイユニット102を通過して戻り、目視者によって見られる。ディスプレイユニット102上の他の場所で、液晶層に至る光124は、吸収される偏光状態で下方吸収偏光子114に達する。したがって、光は、ディスプレイユニット102のこの点から目視者には届かない。したがって、光の遮断または反射のいずれかを行うために、異なる色の画素を制御することによって、反射光の画像が目視者に提供される。
【0017】
光120および124とは異なる他の偏光で上方吸収偏光子112に入射する周辺光(図示せず)は、上部偏光子112によって吸収される。
【0018】
バックライト画像は、以下のように目視者のために形成される。光源110は、バックライトユニット126に入射する光112を生成する。示された実施形態において、バックライト光学ユニット126は、光源110からディスプレイ100にわたって光を誘導するための光導波路128を具備してもよく、ディスプレイユニット102に向かって上方に光を発するための反射体を備えていてもよい。一実施形態において、光導波路128は、光源110によって照射されるその厚い端部130を有する透過くさびを具備してもよい。光導波路128の上面および下面の一方または両方に沿って拡散反射パッド132、134が、光導波路128からディスプレイユニット102に向かって光を抽出するために用いられてもよい。バックライトユニット126はまた、光導波路128の下に反射体136を具備し、光導波路128の下面によって透過される光を反射する。反射体136は、拡散反射体または鏡面反射体であってもよい。
【0019】
バックライトユニット126はまた、ディスプレイユニット102へと通過する光を操作するための1つ以上の光操作光学フィルム138を具備してもよい。たとえば、光操作光学フィルムは、ディスプレイ軸140にさらに近くなるように光を誘導するための1つ以上のプリズム状のうねのある輝度向上フィルムを具備してもよい。1つの手法は、2層のプリズム状の輝度向上フィルムを用い、プリズム状のうねの一方の層の方向を他方の層のプリズム状のうねの方向に略直角に向けて、ディスプレイ軸140に対して2次元で光を誘導することである。バックライトユニット126はまた、光を拡散反射体136に反射するための反射偏光子を備えていてもよく、それ以外の光は下方吸収偏光子114に吸収される。
【0020】
半透過体106に向かって放射される一部の光142は、下方吸収偏光子114を透過して液晶層116に至る。液晶層116から上方吸収偏光子112へ放射される光の偏光は、上方吸収偏光子112を通過し、画像光144としてユーザに向かって放射される偏光状態にある。ディスプレイユニット102に向かって透過される他の光146は、下方吸収偏光子114を透過し、液晶層116の異なる部分に入射する。この場合には、光146は、上方吸収偏光子112によって吸収され、ユーザによって見られない偏光状態で上方吸収偏光子112に達する。したがって、バックライトユニット126からディスプレイユニット102を通過する光の空間的に選択される偏光制御により、ユーザは光源110から放射される光によって形成される画像を見る結果となる。
【0021】
一部の状態において、半透過体106は、入射する周辺光を100%反射しなくてもよく、入射するバックライトを100%透過しなくてもよいことを十分に理解されたい。これにより、ディスプレイ100は非反転型ディスプレイとして動作することができ、たとえば、周辺照射およびバックライト照射のいずれの場合も、照らされた青色のピクセルが、依然として照らされた青色のピクセルのままである。
【0022】
半透過体106について説明する前に、モノクロディスプレイとカラーディスプレイとの間の差を検討することは有用である。モノクロディスプレイは、腕時計、携帯電話などの携帯装置において一般に用いられる。モノクロディスプレイ上に表示される情報のタイプは、英数字が多く、グラフィック情報に関してはほとんどない。そのような情報は、高い空間解像度またはグレースケール解像度を必要とせず、一定の色特性を必要とすることから、たとえば、日光、蛍光照明および白熱照明の中を移動することによって直面するとき、周辺光の特性における大きな変動は、モノクロディスプレイによって生成される画像の品質にほとんど影響しない。したがって、モノクロディスプレイを動作させる一般的なデフォルトのモードは、周辺照射下で電池の耐用期間を長くすることであり、バックライトは周辺光が不十分である場合に補助装置として用いられるに過ぎない。モノクロディスプレイにおける半透過体は一般に、60%〜90%の範囲の反射率を備えている。さらに、モノクロシステムにおけるバックライトの使用は、画像の色の反転を生じることが時々ある。周辺照明下の光で明るい背景に暗く見えるものは、バックライト照明下では暗い背景に明るく状態となる。モノクロディスプレイの場合には、そのような反転はユーザにとって不便である可能性があるが、依然として視認可能な画像を維持する。
【0023】
カラーディスプレイは、モノクロディスプレイの場合よりはるかに厳密である必要条件を有する。第一に、周辺照明状態に関係なく、表示された画像におけるカラーバランスを維持することが重要である。ユーザは、白熱灯によって照射される部屋から蛍光灯によって照射される部屋に移動するときに、特定の画像の色が著しく変化するディスプレイを好むことはありそうにないと思われる。カラーディスプレイが一般に用いられるようになった1つの用途は、ラップトップコンピュータである。ラップトップコンピュータにおけるディスプレイは一般に、画像を形成するために、バックライト照射のみを用いる透過型ディスプレイである。これは、一定のカラーバランスおよびグレースケールを保証する。たとえば直射日光などの強い周辺光の状態下で、画像とディスプレイスクリーンから反射される周辺光との間のコントラストの欠如のために、完全透過型ディスプレイ上の画像は、色が褪せるようになる。したがって、一部の照明状態下では、完全透過型ディスプレイは使い物にならなくなる。
【0024】
カラーディスプレイに半透過体を加えることは、バックライトを加えた入射する周辺光を用いて形成する画像を提供する。したがって、カラーディスプレイは、さまざまな照明状態で動作可能である。カラーディスプレイを動作するデフォルトモードは一般にバックライトモードであることから、半透過体106は、モノクロディスプレイより著しく高い割合のバックライトを透過する。たとえば、半透過体による透過率は、約10%〜99%の範囲であり、好ましい範囲は約70%〜約90%である。半透過体106における吸収がないと仮定すると、これは、約10%〜約30%の範囲の半透過体反射率を生じる。
【0025】
さらに、カラーディスプレイにおける色反転は、写真用フィルムによって生成されるカラーネガのように見える画像を生じることになる。そのような画像は一般に、ユーザには気に入られないため、カラーディスプレイと共に利用可能な半透過体のタイプは非反転型半透過体である。部分反射体/部分透過体などの非反転型半透過体の使用により、バックライト画像に周辺画像を加えることができ、周辺照明およびバックライト照明の組合せ下でディスプレイを用いることができる。
【0026】
非反転型半透過体206のある特定の実施形態による概略断面図が、図2Aに示されている。半透過体層210は、第1の微小構造層212および第2の微小構造層214を具備している。2つの微小構造層212および214の間には、部分誘電反射体216があり、微小構造層212および214の形状に適合している。微小構造層212および214は一般に、任意に光透過性ポリマー材料から形成される。
【0027】
金属の部分反射体はモノクロディスプレイにおける半透過体用に広範囲な使い道を見つけているが、金属の半透過体はカラーディスプレイと共に用いるのにあまり適していない。モノクロディスプレイにおいて、半透過体の反射率は比較的高く、たとえば60%〜90%の範囲にある。その結果、金属の半透過体は、金属の比較的厚い層から作製される。
【0028】
カラーディスプレイにおいて、部分反射体の反射率はさらに低く、10%〜30%の範囲であってもよい。この範囲の反射率を有する金属の部分反射体には多くの欠点がある。金属層の反射率はその厚さに左右される。そのような低い反射率はきわめて薄い金属フィルムを必要とし、一様に蒸着することが困難である。また、低い反射率を有する金属の部分反射体の色は、さらに高い反射率を有する金属の部分反射体とは異なる。たとえば、低い反射率の薄い銀のコーティングは、さらに高い反射率のコーティングより高い割合の青色光を透過することから、反射された画像を全体的に黄色く見える。さらに、薄い金属層は損失が多く、光の数%が吸収のために失われる。
【0029】
真珠光沢の反射体および顔料反射体はまた、カラーLCディスプレイと共に用いるのにあまり適していない。反射率および拡散率のレベルは一般に連係しているため、ディスプレイユニットの設計変数は著しく拘束されている。さらに、散乱光の偏光は維持されないため、偏光依存LCディスプレイにさらなる損失を持ち込む。
【0030】
部分誘電反射体216を形成するための好ましい手法は、層状の誘電構造を形成することである。層状の誘電構造は、異なる屈折率の複数の誘電層を具備する。層状誘電反射体216の一例は、さらに低い屈折率の構造面にわたって配置される単一層の比較的高い屈折率の材料である。この場合には、比較的低い屈折率を有する材料の上層は、比較的高い屈折率層のさらに低い屈折率の構造面とは別の側にあってもよい。上層の例としては、空気層または層214などの平坦化層が挙げられる。
【0031】
別の手法において、誘電反射体を形成するために、高い屈折率材料および低い屈折率材料を交互に配置する複数のペアを形成してもよい。特定の波長λに関して最適化された反射の場合には、異なる層は、4分の1波長(λ/4)の奇数倍である光学厚さを有する。波長範囲にわたって最適化された反射の場合には、層の厚さは変化してもよい。選択された波長範囲にわたって所望の反射率を有する部分反射体を形成するように、層の数、厚さおよび屈折率を選択してもよい。さらに、部分反射体における特定の入射角に適合するように、部分反射体の反射率を調整してもよい。
【0032】
高い屈折率および低い屈折率の層に、任意の適切な材料を用いてもよい。たとえば、異なる層にポリマーを用いてもよい。さらに、フッ素化ポリマーは一般に、低い屈折率を有し、1つまたは複数の低い屈折率層に用いるのに特に好都合である場合がある。分散されたナノセラミックスを有するポリマーは、高い屈折率を有し、1つまたは複数の高い屈折率層に用いるのに特に好都合である場合がある。また、非ポリマー誘電材料を用いてもよい。1つまたは複数の高い屈折率層に有用なある種の金属に基づく材料としては、二酸化チタン、酸化スズ、酸化インジウムスズおよび硫化亜鉛が挙げられる。比較的低い屈折率層に有用であると考えられるいくつかのある種の非ポリマー材料としては、フッ化マグネシウム、二酸化ケイ素などが挙げられる。
【0033】
単一層の誘電反射体を有する半透過体の実施形態において、基板の屈折率は約1.3〜1.8の範囲にあり、誘電反射体の屈折率は約1.8〜2.3の範囲にある。平坦化層がない場合には、反射体が空気中にあるのであれば、誘電反射体の上の材料の屈折率は約1である。平坦化層がある場合には、誘電反射体の上の材料の屈折率は約1.3〜1.8の範囲にあると考えられる。
【0034】
「プレートの積み重ね(pile of plate)」と呼ばれる別の手法において、層状の誘電反射体は、誘電材料の複数の層を具備してもよく、その厚さは光学厚さが特定の4分の1波長の奇数の整数倍であるように選択される必要はない。そのような場合には、そのような層間の反射は、4分の1波長積層の場合のように、可干渉性である必要はない。
【0035】
誘電反射体層を用いる利点の1つは、金属の反射体と違い、色品質は反射率の値に直接連係していないことである。その代わりに、反射率の値は、層間の屈折率差および層の数に関連している。また、誘電反射体は、吸収損失を持ち込まない。さらに、たとえば1つまたは複数の反射層または隣接する層において、半透過体に拡散粒子を導入してもよい。ホスト材料から屈折率の小さな差を有する材料から拡散粒子を形成してもよいため、散乱角のサイズを小さくしてもよく、偏光解消量も低減される。したがって、真珠光沢の反射体とは異なり、誘電半透過体の反射率のレベルは拡散量に連係しないため、設計の自由度をさらに大きくする余地がある。
【0036】
半透過体206を形成するための1つの手法は、微小構造面を形成するための適切な技術を用いて微小構造層212および214の1つを最初に形成することである。たとえば、基板218上に微小構造層212を成形するためのパターン形成ツールを用いることによって、下方微小構造層212を形成してもよい。別の手法において、下方微小構造層212は、基板218上に熱型押し加工をしてもよい。下方微小構造層212は、基板218と同一の材料から構成されてもよく、また基板218とは異なる材料から構成されてもよい。一旦、微小構造面が形成されると、部分反射体216が、微小構造面上に蒸着される。基板218は、ポリエステルフィルム、ポリカーボネート(PC)フィルム、トリアセテートセルロース(TAC)フィルムなどの比較的軟性の材料から形成されてもよく、または厚いPC層、アクリル層、ガラス層などの比較的剛性の基板から形成されてもよい。基板218は、ディスプレイにおける他の構成要素とは分離していてもよく、または別のディスプレイ構成要素を具備していてもよい。たとえば、基板218は、たとえばガラス層または吸収偏光子などのディスプレイユニットの下面であってもよい。別の実施例において、基板218は、反射偏光子などのバックライト光学素子ユニット138からなる層、たとえば、多層反射偏光子またはコレステリック偏光子であってもよい。反射偏光子は、バックライト光学素子ユニット138の一部をなしていてもよい。
【0037】
残る微小構造層214は、ナイフコーティングまたはカレンダロール加工などの平坦化処理を用いて形成されてもよい。平坦化処理は、放射線硬化アクリレートまたは溶媒キャストポリマーなどの材料を用いてもよい。上方微小構造層214は、部分反射体216の長い耐用年数に共に耐えうる材料によって形成されてもよい。
【0038】
任意の層220は、半透過体206をたとえばディスプレイユニットの下方吸収偏光子などの別の素子に固着するために用いられてもよいさらなる接着層である。別の実施形態において、層220を省略し、層214が接着材料から形成されてもよいため、平坦化層214はまた、半透過体206をディスプレイユニット102の下面に固着することができる接着層でもある。
【0039】
ピッチPは、微小構造化部分反射体216の角度をなす反射体224の長さであり、半透過体とディスプレイユニット102との間に形成されるモアレ効果を削減するように選択されてもよい。ピッチは、2つ以上の角度をなす反射体224がディスプレイユニットの各画素に関連するように選択されてもよい。
【0040】
角度をなす反射体224の底角は、θと記されている。部分反射体216は、入射光226から反射光228の方向の選択的な角度制御を行うために構成されてもよい。このように、ディスプレイユニット102を通過する入射周辺光は、好ましい方向に沿ってグレアを避けるように指向されてもよい。グレアは、ディスプレイの他方の面から入射する周辺光の鏡面反射から生じやすい。たとえばバックライトからの透過光230は、半透過体206を通過し、層212および214の屈折率が同一である場合には、屈折することなく半透過体206を通過しうる。底角θは2°〜20°の範囲であれば一般的であり、6°〜10°の範囲であればさらに好ましい。
【0041】
半透過体240の別の実施形態が、図2Bに概略的に示されており、接着層250によってディスプレイユニット102の下層252に固着された基板248を示している。誘電反射体246が基板248上に蒸着され、平坦化層242は、光源からディスプレイユニットへと通過する光の場合には、実質的に平坦な下面243を形成する。
【0042】
半透過体260の別の実施形態において、ホログラフィック面262が、基板264上に形成される。ホログラフィック面262は、誘電反射体266で被覆される。誘電反射体266は、ホログラフィック面の面構造を呈し、ホログラフィック反射体として機能する。誘電反射体266は、下にあるホログラフィック面の形状のために、光を鏡面方向以外の方向に優先的に反射するような構造をなしていてもよい。たとえば、誘電反射体266は、半透過体260に垂直な方向272に+30°の方向ではなく、−30°の方向に入射する周辺光270を反射するような構造をなしていてもよい。半透過体260は平坦化層268を備えていてもよく、平坦化層268は接着層であってもよく、拡散粒子を含んでいてもよい。
【0043】
光がディスプレイの平面に対して伝搬する方向を規定ことが有用である。これは、図3を参照して行われる。ディスプレイ300は、x−y平面にある。ディスプレイ300に垂直な線302は中心線と呼ばれ、z軸に平行である。+y方向の成分を有する方向は下と呼ばれ、−y方向の成分を有する方向は上と呼ばれる。+x方向の成分を有する方向は左と呼ばれ、−x方向の成分を有する方向は右と呼ばれる。
【0044】
ある種の状況下では、反射された画像光をグレアから分離することが有用であり、その場合には底角θは0に等しくない。これは、周辺グレアピークの側に指向される画像光を生じる結果となる。グレアと反射された画像光との間の角度間隔が約30°である場合には、底角θは約10°である(光は2nθに略等しい角度で反射される。尚、nは光が反射体によって反射される前および後に光が伝搬する材料の屈折率である。)。
【0045】
反射された画像光とグレアとの間の角度間隔は、図4に示されたグラフに関してさらに説明される。軸の交差点にある各グラフの中心は、z軸に平行な中心線を表す。各グラフの軸に沿って移動することは、0°から90°に角度が増大することを表す。照射は、30°の角度で入射し、グラフの一番上から指向されると仮定されるため、鏡面反射を表すグレアピーク402は中心から下向き方向に30°である。
【0046】
微小構造化半透過体からの光の計算された反射が、点404a〜404hとして示されている。(a)において、角度をなす反射体の底角は6°であると仮定され、各連続グラフ(b)〜(h)に関して2°ずつ増大する。したがって、(h)は20°の底角を表し、(c)は10°の底角を表す。
【0047】
接着層220または別の層は、拡散を提供してもよい。たとえば、接着層220は、接着母材に拡散粒子を備えていてもよい。しかし、これは一般に回転対称の拡散であり、上下方向と同様に、左右方向においても同一の拡散角を生じる。ある状況において、回転対称の拡散を備えるよりも、好ましい目視方向に沿って画像光を広げることが好ましい場合がある。このように、高いバックライト透過率を維持すると同時に、高い反射輝度を達成してもよい。
【0048】
図3を再び参照すると、たとえば手持ち式携帯電話などの多くの携帯型手持ち式装置において、周辺光は一般に、上方から入射し、上と中心の平面において、ビーム310として具体化される。周辺光は、角度φgでディスプレイ300に入射する。結果として生じるグレアは、小さな拡散度のためにある程度の角度拡散を有しうるが、一般にビーム312(角度φgで)を中心に配置される。しかし、中心線の周囲または付近の目視範囲でユーザに画像光を提供することが一般に好ましい。その結果、所望の目視範囲および他の目視方向に関してはさらに低い輝度となる最大反射の画像光を提供するように、ディスプレイ半透過体を設計することが好都合であると考えられる。
【0049】
すべての方向に対称に光を散乱する拡散体に左右されることなく、選択的な角度の反射制御を行うための1つの具体的な手法は、半透過体の平面に対して異なる角度で角度をなす反射体を有する半透過体を用いることである。そのような半透過体506の一実施形態が、図5に概略的に示されている。簡単のため、半透過体の1つの微小構造層508のみが示されている。部分反射体が微小構造層508の形に適合するように配置されることと、部分反射体にわたって平坦化層を形成してもよいことを十分に理解されたい。示された実施形態において、半透過体506は、それぞれに異なる底角θ1、θ2およびθ3を有する3つの角度をなす反射体510、512および514の集合509を具備する。そのような構造を用いて、プリズムの底角の適切な範囲の選択によって、反射体を形成するプリズムの軸に垂直な平面における反射された画像光の拡散を制御してもよい。反射体のパターンは、ディスプレイユニット502のディスプレイ画素(ピクセル)の寸法d以下であるユニットセルの繰り返しを有するように形成されてもよい。反射体509の集合は、たとえば2、4またはそれ以上の何か他の数の反射体であってもよい。
【0050】
反射体509の集合は、任意の所望の順序の反射体を含みうる。たとえば、反射体は、(図示されているように)底角が増大する順序、底角が減少する順序またはランダムな順序で配置されてもよい。さらに、反射体509の集合を形成する反射体は、すべて同一のピッチを有してもよく、たとえば図5Bに示されているように異なるピッチを有してもよい。
【0051】
異なる底角を有する反射体の集合を含む光学結果の一例が、図6に提供されている。図6は、図4のグラフと類似のグラフを示しているが、ユニットセルは複数の角度をなす反射体から形成され、その底角は1°ずつ6°〜20°の範囲をなしていた。視角応答は、主に中心と上の範囲において広がっている。一部の拡散は、一部の横方向の光の広がりに適合すると仮定された。その代わりに、中心と下の目視方向に満たされることが好ましい場合には、10°未満の範囲の底角を有する角度をなす反射体を用いてもよい。
【0052】
反射光の角度範囲の角度制御を行うための別の手法が、図7Aに概略的に示されている。図7Aは、微小構造層702を示している。部分反射体層704が、微小構造層702と同一の形を有するように微小構造層702の上に蒸着される。部分反射体の上に平坦化層(図示せず)を加えてもよい。
【0053】
この実施形態において、反射体706は、非直線のファセット708を有する。ファセット708は、曲率半径を有してもよく、非球面であってもよく、または図7Bに示されているように一連の個別の直線セグメントであってもよい。複数の反射体706は、ディスプレイユニットのピクセルに関連してもよい。1つのピクセルに関連する反射体706は、同一の非直線の形状であってもよく、異なる非直線の形状であってもよい。
【0054】
6°〜20°のファセット角度の範囲に及ぶ湾曲したファセットを有する半透過体の計算された性能を示すグラフが、図7Cに示されている。中心と上の方向に沿って満たされていることは明白であり、わずかな横方向の広がりに適合するためだけに加えられた拡散を有する。異なる範囲の視角を満たすことは、異なる非直線外形のファセットを用いて達成されてもよい。
【0055】
ある種の拡散は、左右方向にある程度の視認性を提供するために好都合であることがよくある。横方向の広がりの量は、中心と上における広がりの量に比べて比較的小さくてもよい。ある種の構成の下で、反射体のファセットは、ある程度の横方向の広がりを形成するように調整されてもよい。そのような横方向の広がりは、たとえばバルク拡散体から、回転対称の拡散と共に形成されてもよく、回転対称の拡散を生じることなく形成されてもよい。
【0056】
反射体802の一例は、図8Aに概略的に示されている。図8Aは、略曲面806を有する反射体ファセット804を示している。反射体812の別の例が、図8Bに概略的に示されている。図8Bは、ランダムまたは擬似ランダムの曲面816を有する反射体ファセット814を示している。そのような面の調整は、反射体ファセットの傾斜に垂直である方向に反射光の横方向の広がりを提供する。
【0057】
反射体ファセットの調整は、種型またはエンボス加工工具を作製する際に、切削工具の深さを調整することによって行われてもよい。調整は、ファセットごとに位置合せされてもよく、または位置ずれがあってもよく、またはファセットごとにランダムまたは擬似ランダムであってもよい。たとえば、バルク拡散体層を用いるなどの他の手法を用いて、横方向の拡散を導入してもよいことを十分に理解されたい。
【0058】
半透過体に用いられるためのファセット角の選択を決定する際に、一定の部分集合の角度の目視範囲が他の角度より好ましい場合がある。たとえば、中心と下の方向に沿って、ユーザは、ディスプレイ輝度が中心付近で最も高く、さらに末端の下の位置がサンプリングされるとそれに応じて低くなることを望む場合がある。結果として生じる構造は、上記で示された構造と異なっていてもよい。中心の目視方向付近で周辺反射率を形成する底角またはファセットの曲率の周波数は、末端の下の目視方向に寄与する周辺反射率を提供する底角/曲率の周波数より高い周波数を有するように選択される。これは、図9を参照して説明される。図9は、平たい反射体ファセットの集まりの底角の周波数を変更することに基づく複数の拘束条件の予測性能を示している。
【0059】
グラフにおいて、異なる底角の周波数の複数の集合が示されている。曲線902は、10°の反射体ファセットのみを有する微小構造面を示している。この場合には、グルーブの周波数は1.0、すなわち10°ファセットの場合には100%である。1.0の結果として生じる正規化された軸方向の光束が、データ点910によって示されている。他のパターンは、この基準性能に対して比較される。曲線904は、60%の10°ファセット、30%の9°ファセットおよび10%の8°ファセットを有する微小構造面を示す。曲線906は、10°〜7°の範囲の底角を有するファセットの異なる周波数を示す。10°未満の角度でファセットを形成することにより、下の目視方向に沿って光の広がりを生じる。しかし、10°未満の底角を有するファセット周波数がより高い底角のファセットの周波数に対して減少する場合には、軸方向の輝度が増大してもよい。
【0060】
曲線904および906から、それぞれの軸方向の輝度値がデータ点920および930から与えられる。より大きな割合の10°ファセットを維持することによって、軸方向の輝度性能の大部分が維持されると同時に、中心と下の方向に沿って視角を広げる。比較のため、曲線908は、6°〜20°の範囲の底角のファセットが等しい周波数を有する場合に一様な事例を示す。対応する軸方向の性能は、点940によって示される。この配置では、結果として生じる軸方向の輝度は約30%であり、記載された他の場合より著しく低い。
【0061】
別の実施例(図示せず)において、7°〜10°の範囲のファセットの周波数は同一であり、角度ごとに25%である。ここでは、結果として生じる正規化された軸方向の輝度は、0.728であると計算される。等しい程度の反射体ファセット角度が、曲線906に関して仮定された構成において見られるようなこの構成によってサンプリングされるが、結果として生じる軸方向の輝度は曲線906に関連する構成の場合より高い。
【0062】
異なる周波数の底角のファセットを混合することによって、加えられる対称な拡散に関係なく、微小構造化半透過体の反射された角度出力が、用いられる具体的な目視装置の特定の必要条件に適合するように、好ましい目視方向に沿って調整または最適化されてもよい。
【0063】
ここまで述べてきた微小構造化半透過体は「グルーブが上にある」配向で動作することを十分に理解されたい。言い換えれば、周辺光は最初に微小構造化構成のファセット側に当たり、平面が対向する側にある。記載された実施形態のいずれかまたはすべては、「グルーブが下にある」配向に向けられてもよく、周辺光は、微小構造面に入射する前に、最初に半透過体の平面を通過してもよい。入射する周辺光のできる限り多くの部分を維持するために、ディスプレイユニットの下方偏光子と半透過体との間の任意の層は、偏光を維持することが好ましい。「グルーブが下にある」配置の候補となる基板は、ポリカーボネートなどの等方性フィルムまたは吸収偏光子もしくは反射偏光子であってもよい。反射偏光子の組込みにより、向上したバックライト動作のために偏光のリサイクルというさらなる利点を提供することができる。
【実施例】
【0064】
図2に示された半透過体206のような半透過体は、ポリエステル基板218上に形成された第1の微小構造層212の上に1層の酸化インジウムスズ(ITO)反射層216を用いて作製した。微小構造層212は、74重量%の脂肪族ウレタン、25重量%のヘキサンジオールジアクリレートおよび1重量%のダロキュア(Darocur)1173、すなわち2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オンからなる組成を有する。微小構造層212の屈折率は、1.49であった。反射層216は、約550nmで4分の1波長の厚さを有し、屈折率が1.9であった。平坦化層214は、屈折率1.47のブチルアクリレート接着剤の層から形成された。ある種の拡散を形成するために、スチレンビードが、平坦化層214内部に蒸着された。構造層212の底角θは、6°であった。
【0065】
サンプルAと呼ばれる実施例に、他の2つのディスプレイと比較試験がなされた。サンプルBは市販の透過型カラーLCディスプレイであり、サンプルCは市販の反射型カラーLCディスプレイ、東芝(Toshiba)携帯電話に用いられるA3013Tであり、LCユニット自体の中に位置決めされた部分金属反射体を備えている。異なるサンプルについて、表Iにまとめてある。
【0066】
【表1】
【0067】
スポットライト測定
スポットライト測定が行われた。この測定において、ディスプレイは垂直に対して30°の角度で面に入射する平行光線化された光ビームによって照射され、ゴニオメータ取付台上の検出器が反射角の関数としてディスプレイから反射された光を測定するために、一定の角度にわたって揺動した。
【0068】
表Iに概略を記した3つのサンプルに関するゴニオメータのスポットライト測定結果が、図10に提供されている。すべてのサンプルは、照射光の鏡面反射に対応して、グラフの右から切れている+30°の周囲に大きな反射ピークの中心があることを示した。この反射ピークの幅は、照射光の発散および反射時の光の拡散量などの因子によって左右された。結果は、標準的な白い拡散反射体、ニューハンプシャー州ノースサットンのラブスフィア(Labsphere(North Sutton,New Hampshire))によって製造されたモデル番号SRS−99−020からの反射に対して正規化される。
【0069】
内部のミラー標準である曲線10‐Cの場合には、垂直から10°〜14°付近にわずかな平坦域があり、きわめて広い視角が見られた。6°の構造化外部半透過体は、類似の反射輝度ピークを形成するが視角がさらに狭い。構造化半透過体のビーム誘導制御がない状態で、OEM制御の平たい半透過体の曲線10‐Bは、視角範囲(公称0°〜15°)にわたって望ましくない平たい応答を示した。
【0070】
バックライト照射
サンプルA、BおよびCのバックライト性能が、同一のバックライトアセンブリを用いてテストされた。バックライトアセンブリは、3つのLEDを用いた縁を照射する光導波路、拡散体シートおよび2つの輝度向上フィルムを用いた。ディスプレイの法線に沿って位置決めされた輝度計が、ディスプレイを透過する光の軸方向の輝度を記録した。裸のバックライトに対する試験下でディスプレイの輝度比の計算によって、ディスプレイシステムの有効透過率が与えられた。結果は、表IIに示されている。
【0071】
【表2】
【0072】
6°の構造化半透過体に関するサンプルAは、サンプルBの透過型ディスプレイに比べて、元のバックライト出力の86%を維持した。これは、内部の半透過体、すなわちサンプルCを備えた半透過型ディスプレイときわめて好ましい比較がなされた。サンプルAは、サンプルCのバックライト輝度の約2.4倍を示した。
【0073】
透過損失の一因となる各サンプルにおける異なる構成要素は、バックライト透過率において測定された差を説明するために考慮すべきである。損失の主な構成要素としては、吸収偏光子、口径比(パターン形成されたミラーまたは黒い母材の周囲の透過領域)、カラーフィルタおよびLC偏光応答が挙げられる。サンプルA、BおよびCにおける前置吸収偏光子および後置吸収偏光子は類似の透過率を示し、サンプルCも反射防止処理された前置偏光子を用いると仮定する。しかし、このAR処理は、数%の透過率の差を生じるに過ぎない。
【0074】
色ずれ(反射光)
スポットライト試験中に反射された光の色は、角度の関数として測定された。色は、測定された各角度に関して決定され、各角度で反射された光の色が図11の色度図に(x、y)座標として作図されている。11‐Dとして示される白い拡散反射標準からの反射に関する(ほとんど重なった)点の集合と共に、各サンプルに関して曲線11−A、11−B、11−Cが示されている。検出の角度が変化するとき、反射標準から反射された光の色におけるずれはごくわずかである。
【0075】
曲線11−A、11−Bおよび11−Cのそれぞれに関して、24°で行われ、30°でグレアピークに近づく測定に対応する点が、記されている。測定は、図10を作成するために行われ多測定に対応して、−6°〜24°の範囲にわたって1°間隔で行われた。サンプルAの場合には、点の広がりは比較的小さく、24°に最も近い2つの点から離れており、範囲にわたる周辺画像にほとんど色ずれがないことを表している。曲線11−Bおよび11−Cの場合には、実質的に大きな広がりがあり、これらのディスプレイの場合の周辺画像はサンプルAの場合より大きな色ずれを角度の関数として示すことを表している。曲線11−Aにおける点の広がりは、単一のITO層の厚さの最適化および/または誘電部分反射体においてさらなる層を追加することによって、さらに小さくなりうる。
【0076】
色ずれ(透過光)
異なるサンプルディスプレイによって透過された光の色が測定された、これらの測定では、ディスプレイモジュールがない状態で動作するバックライトの色が最初に測定されたため、異なるディスプレイのサンプルが比較される色標準を確立した。色度計は、ディスプレイの法線に沿って位置決めされ、異なるサンプルディスプレイによって透過された光の色が記録された。軸方向の色差が1931 CIE色度空間を用いて計算された。結果は、図12に示されている。
【0077】
裸のバックライト基準(それぞれ、点12−Aおよび12−B)からx色座標およびy色座標の両方における小さな変化によって明白であるように、外見上は、サンプルAおよびBは、きわめてわずかの変化を示す。サンプルCは、内部のミラーディスプレイであり、最大の色ずれ(点12−C)を示した。
【0078】
これまでに説明した実施例では、反射光は、グレアから非対称に角度をなして離隔されている。言い換えれば、半透過体によって反射された画像光は、グレアピークの一方の側に優先的に向けられる。この手法は、ディスプレイに対する目視者および周辺光源の位置が実質的に一定である状況に特に有用であるが、これに限定されるわけではない。
【0079】
別の手法において、反射された画像光は、グレアピークを実質的に包囲するように向けられてもよい。言い換えれば、半透過体によって反射された画像光は、グレアピークを中心にして異なる方向に伝搬する。この手法の下で、目視者は、ディスプレイに対する法線を中心にしてさらに広い範囲の方位角から反射された画像を見ることができる。この手法は、ディスプレイに対する目視者および周辺光源の位置が未知である場合、すなわち変数である場合に有用あるが、これに限定されるわけではない。
【0080】
この手法を用いるディスプレイ1300のある特定の実施形態が、図13Aに概略的に示されている。ディスプレイ1300は、半透過体1306の上に配置された液晶ディスプレイなどのディスプレイユニット1302を有する。半透過体1306は、構造面1312を有する基板1310を具備する。誘電部分反射体層1316は、面1312上に配置され、構造面1312の形状を実質的に採用する。誘電部分反射体層1316は、上述した誘電手法のいずれかを用いて形成されてもよい。上層1318が、部分反射体層1316の上に配置されてもよい。上層1318は、平坦化層であってもよい。
【0081】
光線1320および1322は、周辺光源からの光を表す。光線1324は、ディスプレイの法線1330に対して角度θ1でディスプレイユニット1302によって反射される。光線1324は、ディスプレイ1300によって生じる画像の視感度を妨げる望ましくないグレアを表す。他方、光線1326および1328は、構造化部分反射体層1316によって反射され、ディスプレイユニット1302を通過した光を表す。したがって、光線1326および1328は、画像情報を含む。光線1326は、部分反射体1316の「上り勾配」部分から反射するため、角度θ2でディスプレイに法線1330にさらに近い方向に向けられる。光線1328は、部分反射体1316の「下り勾配」位置から反射するため、角度θ3で法線1330からさらに遠ざかる方向に向けられる。
【0082】
基板1310および構造面1312が、図13Bにさらに詳細に似示されている。光線1326および1328が部分反射体1316によって反射されうる角度範囲は、構造面1312の形状に左右される。示された実施形態において、構造面1312は、その面が平面1334に対して最大角αをなす複数のスカロップ1332を具備する。角度αがさらに大きい場合には、半透過体1306によって反射される光は、さらに大きい角度範囲にわたって広がる。スカロップ1332が周知の曲線によって規定される場合には、たとえば、スカロップ1332がアーチ形である場合には、スカロップのピッチPおよび深さdから角度αを決定してもよい。構造面1312は他のタイプの外形を備えていてもよいことを十分に理解されたい。たとえば、構造面が凹面ではなく凸面であってもよく、スカロップとは異なる曲線、たとえば、正弦曲線などの連続曲線を用いてもよい。さらに、構造面は、規則的なパターンまたは不規則なパターンとして形成されてもよい。不規則なパターンは、たとえば、ピッチ、特徴部の高さまたはその両方が不規則である場合を含みうる。
【0083】
各反射ユニットが角度範囲にわたって変化する面を具備する場合には、構造面1312は複数の反射ユニットを含むと考えてもよい。たとえば、各スカロップ1332は、−α〜+αの角度の範囲にわたる面の一部を有し、反射ユニットであると見なしてもよい。反射ユニットのサイズは、ディスプレイユニット1302のピクセルのサイズ未満であってもよく、そのような場合には、ディスプレイユニット1302の各ピクセルは半透過体1306の2つ以上のそれぞれの反射ユニットに関連していてもよい。
【0084】
半透過体と共に用いてもよい構造面の実施例が、図14Aに概略的に提示されている。面1400は、図示されているようにx軸およびy軸を有するものとして特徴付けられている。x方向に沿った断面が、図14Bに概略的に示されている。構造面1412は、隣接するバンプの構成を備えたスカロップ形状である。バンプの間隔またはピッチは、液晶ディスプレイユニットのピクセル化構造などのディスプレイにある他の周期的な構造との相互作用から生じるモアレ効果を避けるように選択されてもよい。たとえば、バンプのピッチは、他の構造の周期によって除算されるとき、無理数を形成するように選択されてもよい。別の実施例において、バンプ自体のピッチは、面にわたって変化してもよい。面1412上で隣接するバンプの高さは異なっていてもよい。面1412はまた、y方向に沿ってスカロップ形状であった。
【0085】
しかし、x方向およびy方向における断面の形状は同一である必要はなく、スカロップ形状である必要もないことを十分に理解されたい。たとえば、1つ以上の方向における断面が、図14Cに概略的に示されているような正弦曲線であってもよく、または別の形状を含んでもよい。さらに、各方向における面1412のピッチはまた、モアレ効果またはディスプレイの別の周期的な構造との相互作用から生じる別の効果を避けるように選択されてもよい。
【0086】
構造面1412はまた、半透過体に対する法線を中心にした小さな回転を伴う他の周期的な構造に対して位置決めされてもよいため、半透過体のx軸およびy軸は周期的な構造の軸と一直線をなさない。
【0087】
平面拡散部分反射体を用いることに関して、図14Aに示されたような構造化半透過体を用いる利点は、特定の視角の円錐角にわたって反射される画像光の広がりを提供すると同時に、バックライトから画像光の角度分布を著しく変化させることを避けることができることである。平面拡散部分反射体は、反射された周辺光およびバックライトの両方を広げる。高い軸方向のゲインが所望である場合には、バックライトの平行を維持することは重要である。
【0088】
図14Aに示されているような半透過体に関する計算された視角円錐応答が、図15に提示されている。このモデルは、x方向のピッチが29.2μmであり、半径245μmであると仮定され、3.41°の最大傾斜角、0.43μmの深さまたはサグを生じた。y方向において、面1412は、ピッチ87.6μmおよび半径502.5μmのスカロップ形状であり、5°の最大傾斜角および1.91μmのサグを生じた。
【0089】
モデルは、図16を参照して説明される。略平行光線化された光線1610は、(y−z平面において、+y側から)180°の方位角方向に沿って−30°の極角Φで半透過体サンプル1600の構造面に向けられる。入射光の鏡面反射から生じるグレアピークは、0°の方位角方向に沿って+30°の極角Φで見つかり、光線1612となった。構造化半透過体からの主な反射光分布が、図15にグレアピーク(+30°の極角および0°の方位角で灰色の領域の中心にあるより暗い点)を包囲する灰色の四角形として示されている。反射光分布は、垂直方向および水平方向の両方に沿って、角度範囲が略対称である。
【0090】
構造面の最大傾斜を調整することによって、図15に示される反射光分布の角度範囲における変化を生じる。さらに大きい傾斜を形成することは、反射される視角円錐の角度範囲を増大するのに対し、さらに小さい傾斜は円錐サイズを小さくする。実施例の半透過体1400において、個別の傾斜外形が2つの直交方向、すなわちx方向およびy方向において形成される。そのような設計によって、出力される反射光分布の角度範囲もまた、これらの2つの方向に沿って制御される。したがって、対称または非対称の反射光分布を形成するために、直交する傾斜外形を選択することができる。しかし、傾斜は2つの直交方向に沿ってのみ規定される必要はないことを十分に理解されたい。たとえば、構造面は、複数のランダムに位置する丸いバンプを有してもよく、各丸いバンプは方位角において対称に光を反射し、反射に関して好ましい方向は存在しない。
【0091】
視角円錐の微調整またはディスプレイの表面的な外観を改善するために、わずかに拡散する層が、構造面と液晶ディスプレイとの間に設けられてもよい。半透過体は、感圧接着剤または他の適切な接着剤を用いて、液晶ディスプレイ装置に接合されてもよく、またはバックライト照明システムの比較的な自由な構成要素または他の構成要素の素子として液晶ディスプレイに関連付けられてもよい。
【0092】
実施例
構造面を成形するための成形型が、銅ドラムをダイヤモンド切削することによって作製された。ドラムは回転され、ドラム面の周囲にねじ切りが施された。成形型に関する設計変数は、3°の最大予測傾斜を与えるために、ねじ山のピッチが39.8μmであり、公称深さが0.53μmであった。ねじ山は、半径375μmの刃先を有するダイヤモンド工具によって切削された。87.6μmのピッチを形成するために、1.16μmの所定の正弦曲線の変動を有する切削工具の深さを駆使することによって、ねじ切りの深さを変化させた。正弦曲線の切削の最大予測傾斜は、3°であった。
【0093】
以下の方法を用いて、基板上に構造面を形成するために工具が用いられた。樹脂が、ポリエステル層と成形工具の一部との間に分配された。樹脂は、74重量%の脂肪族ウレタン、25重量%のヘキサンジオールジアクリレートおよび1重量%のダロキュア(Darocur)1173、すなわち2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オンであった。樹脂は、ポリエステル層を通過するように紫外光を向けることによって紫外硬化された。ポリエステル層/硬化された樹脂シートが、成形型から除去された。硬化された樹脂シートは、図14Cに示されるような下向きのねじ山の方向に正弦曲線の断面と、図14Bに示されるような交差するねじ山の方向に凸レンズの断面と、を有する構造面を備えていた。基板の裏側は黒くなっているため、構造化前面からの反射のみが検出されることになる。
【0094】
構造面から反射された光の分布が、以下の態様でテストされた。試験面1600を示す図16を考える。略平行光線化された光1610が面1600に向けられ、反射光がy−z平面において検出器を移動することによって検出される。鏡面反射光1612は、入射光1610の極角に等しい極角Φgで検出される。最初に、反射は、黒いポリメチルメタクリレート(PMMA)の平たいシートから測定された。PMMAは、鏡面反射を生じるだけに過ぎない。検出光の分布が、図17において曲線1702として示されている。したがって、入射光の円錐角は、半値全幅(FWHM)で約5.5°であった。
【0095】
コーティングされていない構造面が、試験面1600として置き換えられた。矢印1614として示された基準点マークが、y軸(12時の位置と呼ばれる)に平行な方向を指した。反射光分布は、曲線1704として示され、約13°(FWHM)であり、入射光より著しく広いピークを有する。
【0096】
次に、サンプルは、法線1602を中心にして90°の角度分回転されたため、基準点マーク1614はx軸(3時の位置と呼ぶ)に平行な方向を指した。サンプルが3時の位置にあったときの反射光の分布は、曲線1706として示される。3時の位置における反射光分布の幅は、約11°(FWHM)であった。
【0097】
サンプルはさらに90°回転されたため、基準点マーク1614は−y方向(6時の位置と呼ぶ)を指した。サンプルが6時の位置にあったときの反射光の分布は、曲線1708として示される。6時の位置における反射光分布の幅は、約13°(FWHM)であった。
【0098】
最後に、サンプルはさらに90°回転されたため、基準点マーク1614は−x方向(9時の位置と呼ぶ)を指した。サンプルが9時の位置にあったときの反射光の分布は、曲線1710として示される。9時の位置における反射光分布の幅は、約9.5°(FWHM)であった。
【0099】
12時の位置および6時の位置における構造面に対応する曲線1704および1708は、略正確に重なり、この方向における構造が面法線を中心にして正に対称であったことを示している。これらの2つの曲線は、工具のねじ切りに沿った方向に面構造上に形成されたグルーブに対応する。
【0100】
曲線1706および1710は、工具のねじ切りを横断する方向にある面構造に対応する。3時の位置および9時の位置の構造面に対応する曲線1706および1710は近いが、曲線1704および1708のように重ならない。このことは、この特定の実施例に関して、ねじ切りを横断する構造面の形状は、ねじ切りに沿っている場合より対称性が低いことを示唆している。
【0101】
上述したように、本発明は、半透過型液晶ディスプレイに適用可能であり、画像を重ねる周辺光の鏡面反射を低減するために特に有用であると考えられる。本発明は、上述の特定の実施例に限定されるものと考えるべきではなく、添付の特許請求の範囲に完全に記載されているように、本発明のすべての態様を網羅するものと考えるべきである。種々の修正、等価な処理のほか、本発明が適用可能であると思われる種々の構造は、本願明細書を検討すれば、本発明が関係する当業者には容易に明白となるであろう。特許請求の範囲は、そのような修正および装置を網羅するものとする。
【図面の簡単な説明】
【0102】
【図1】本発明の原理による半透過型ディスプレイの実施形態を概略的に示している。
【図2A】本発明の原理による半透過体の異なる実施形態による断面を概略的に示している。
【図2B】本発明の原理による半透過体の異なる実施形態による断面を概略的に示している。
【図2C】本発明の原理による半透過体の異なる実施形態による断面を概略的に示している。
【図3】ディスプレイに対する光路を説明する際に用いられるディスプレイおよび座標を概略的に示している。
【図4】6°〜20°の底角の種々の値に関する図2Aに示されているように異なる半透過体の計算された光学応答を示すグラフを示している。
【図5A】本発明の原理による半透過体の別の実施形態の一部を概略的に示している。
【図5B】本発明の原理による半透過体の別の実施形態の一部を概略的に示している。
【図6】本発明の原理による6°〜20°の角度の範囲に配置される反射体を有する半透過体の計算された光学応答を示すグラフを示している。
【図7A】本発明の原理による非直線の反射ファセットを有する半透過体の実施形態を概略的に示している。
【図7B】本発明の原理による非直線の反射ファセットを有する半透過体の実施形態を概略的に示している。
【図7C】本発明の原理による6°〜20°の角度の範囲にわたって湾曲する湾曲反射体を有する半透過体の計算された光学応答を示すグラフを示している。
【図8A】本発明の原理による横方向の光の拡散を提供する反射体の実施形態を概略的に示している。
【図8B】本発明の原理による横方向の光の拡散を提供する反射体の実施形態を概略的に示している。
【図9】本発明の原理による異なる角度で反射体の異なる組合せを有する半透過体の光学的効果を示すグラフを示している。
【図10】3つの異なるタイプの半透過体を有する反射型ディスプレイに関するスポットライト試験の実験結果を示すグラフを示している。
【図11】4つの異なるタイプの半透過体を有する反射型ディスプレイに関する異なる角度で反射された周辺光の色特性を示すグラフを示している。
【図12】3つの異なるタイプの半透過体を有する反射型ディスプレイに関するバックライト動作における色ずれを示すグラフを示している。
【図13A】本発明の原理による構造化半透過体の別の実施形態を概略的に示している。
【図13B】図13Aに示される構造化半透過体の基板を概略的に示している。
【図14A】本発明の原理による構造化半透過体の別の実施形態を概略的に示している。
【図14B】図14Aに示される構造化半透過体の基板の断面を概略的に示している。
【図14C】図14Aに示される構造化半透過体の基板の断面を概略的に示している。
【図15】本発明の原理によって作製された構造化半透過体から反射される光の計算された分布を示すこのスコープのグラフを示している。
【図16】構造化半透過体の反射特性を決定するために実験を説明する際に用いられるディスプレイおよび座標を概略的に示している。
【図17】構造化半透過体から反射される光の分布を示す実験結果を示している。
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に、ディスプレイに関し、さらに詳細には、周辺照明下で動作し、バックライト照明も備えた透過反射兼用型(半透過型)ディスプレイに関する。
【背景技術】
【0002】
マイクロプロセッサに基づく技術の物理的な小型化は、携帯型パーソナルコンピュータ、マルチポケットブック、無線電話およびポケットベル(登録商標)の開発につながっている。これらの装置と、置時計、腕時計、計算機などの他のデバイスのすべてに共通に必要とされているものは、電池交換または電池充電の間に有効な作動期間を長くするために、電力消費の少ないデータディスプレイスクリーンを共通に必要としている。
【0003】
そのような装置におけるディスプレイの最も一般的なタイプは、液晶ディスプレイ(LCD)である。LCDは、照射源に基づいて分類される場合もある。反射型ディスプレイは、前方からディスプレイに入射する周辺光によって照射される。LCDの背後に配置されるブラシ研磨金属反射体などの反射面は、LCDによって透過された光を反射すると同時に、反射面に入射する光の偏光配向を維持する。反射型ディスプレイは少ない電力消費の必要性を満たしているが、このディスプレイは良好な周辺照明条件下で有用であるにすぎない。低レベルの周辺光の下で、ディスプレイは暗く、読みにくいことがよくある。したがって、完全な反射型ディスプレイは、有用性が限定されている。
【0004】
LCDディスプレイの別のタイプはバックライト式ディスプレイであり、光はディスプレイの背後で生成され、ディスプレイを透過して目視者に至る。一般に、バックライト式アセンブリは、発光ダイオード(LED)、蛍光灯または光を発する別の装置、発光体からLCDに光を指向するための複数の光学素子を具備している。バックライト照明はまた、さまざまな周辺光状態に関して用いることができるため、反射型ディスプレイを補うために用いられてもよい。しかし、バックライト式アセンブリの導入は、電池の電力消費も増大し、電池の耐用年数または充電間隔を著しく短くする。
【0005】
周辺反射型ディスプレイとバックライト照明の組合せにより、「半透過」フィルムが必要となる。半透過フィルムは、LCDと光源との間に配置され、LCDを透過した周辺光を反射し、LCDを照射するために光源からの光を透過するために用いられる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、周辺照明状態の下では、半透過フィルムは、画像を重ねる入射光の鏡面反射を生じることから、画像が見にくくなることがよくある。これは、特にディスプレイがバックライトモードで動作するカラーディスプレイであり、高いレベルの周辺光がある場合にいえる。したがって、高いレベルの周辺光によって動作する場合に、カラーディスプレイの画像の視認性を向上する改良型半透過体が必要である。半透過体は、色ずれを少なくした状態で光を反射および透過し、所望の角度範囲にわたって反射された周辺光を拡散するように構成されていてもよい。
【課題を解決するための手段】
【0007】
ある特定の実施形態において、本発明は、目視側および裏側を有し、画素を規定する透過型ディスプレイユニットを具備する半透過型ディスプレイ装置に関する。光源は、透過型ディスプレイユニットの裏側に配置される。構造化半透過体は、透過型ディスプレイユニットと光源との間に配置される。構造化半透過体は、構造面および構造面にわたって配置される層状誘電反射体を具備する。
【0008】
別の実施形態において、本発明は、目視側および裏側を有するカラー透過型ディスプレイユニットと、カラーディスプレイユニットの裏側に配置される構造化半透過体と、を具備する半透過型ディスプレイ装置に関する。構造化半透過体は、構造面と、構造面上に配置される誘電部分反射体を有する構造化基板を具備する。ディスプレイユニットに入射する周辺光はグレア方向のグレア光を生成し、構造化半透過体はグレア方向を実質的に包囲する方向の一定の範囲にわたって画像光を反射する。
【0009】
本発明の上記の概要は本発明のそれぞれの示された実施形態またはすべての実装例を説明することを目的としていない。以下の図面および詳細な説明は、これらの実施形態についてさらに詳細に具体化する。
【0010】
本発明は、添付図面と共に、本発明の種々の実施形態に関する以下の詳細な説明を検討することにより、さらに完全に理解されると思われる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明は種々の修正および代替の態様に適用可能であるが、その仕様が図に一例として示され、詳細に説明される。しかし、記載された特定の実施形態に本発明を限定するわけではないことを理解すべきである。逆に言えば、添付の特許請求の範囲によって規定されるように、本発明の精神および範囲に包含されるすべての修正物、代替物および変形物を網羅するものとする。
【0012】
本発明は、半透過型ディスプレイに適用可能であり、カラー半透過型ディスプレイに特に有用であり、反射される画像光が周辺のグレアから分離されるため、目視者によって見られる画像の視認性を向上すると考えられている。
【0013】
半透過型ディスプレイ100の概略図が、図1に示されている。一般には液晶ディスプレイ(LCD)などのディスプレイユニット102が、ディスプレイ102上に表示される情報を制御するコントローラ104に接続されている。1層以上の層の光学フィルムから形成される半透過体106が、ディスプレイユニット102の下に配置されている。電源108は、ディスプレイコントローラ104、ディスプレイユニット102のほか、光源110に電力を供給しうる。光源110は、たとえば、1つ以上の蛍光管、1つ以上の発光ダイオードなどの任意の適切なタイプの光源であってもよい。光源110は、好ましい方向に光を指向するために、任意の反射体111を具備しうる。電源108は、電池、充電式電池または他の電力源であってもよい。
【0014】
ディスプレイユニット102は一般に、上方吸収偏光子112および下方吸収偏光子114を具備する。液晶層116は、上方吸収偏光子112と下方吸収偏光子114との間に挟まれる。ガラス層(図示せず)が、吸収偏光子112および114と液晶層116との間に挟まれてもよい。ディスプレイユニット102は、通過する光のある一部の偏光を変化させることによって動作する。カラーフィルタ118は一般に、ディスプレイユニット102の特定のピクセルに特定の色を提供するために用いられる。
【0015】
カラーディスプレイは一般に、バックライトモードで動作する。しかし、強い日光などの強い周辺光の状態の下では、カラーディスプレイは見にくく、画像は色が褪せて見える。そのような状況下で、画像を形成するために、バックライトおよび周辺光の両方の組合せを用いることは有用であり、周辺光が強いときにはさらに明るく見え、さらに見やすくなる。半透過体106は、ディスプレイユニット102を通過した周辺光を反射し、バックライトによって生じた光をディスプレイユニット102に透過する。したがって、ディスプレイ100は、バックライト、周辺光のいずれかまたはその両方を用いて動作することができる。
【0016】
ここで、異なる偏光状態の光に対するディスプレイ100の動作について述べる。吸収偏光子112によって透過される偏光状態の周辺光120は、液晶層116を介して下方吸収偏光子114に透過される。液晶層116を通過した光が下方吸収偏光子114を通過する偏光状態にある場合には、光は透過されて半透過体106に至る。半透過体106からの反射光122は、ディスプレイユニット102を通過して戻り、目視者によって見られる。ディスプレイユニット102上の他の場所で、液晶層に至る光124は、吸収される偏光状態で下方吸収偏光子114に達する。したがって、光は、ディスプレイユニット102のこの点から目視者には届かない。したがって、光の遮断または反射のいずれかを行うために、異なる色の画素を制御することによって、反射光の画像が目視者に提供される。
【0017】
光120および124とは異なる他の偏光で上方吸収偏光子112に入射する周辺光(図示せず)は、上部偏光子112によって吸収される。
【0018】
バックライト画像は、以下のように目視者のために形成される。光源110は、バックライトユニット126に入射する光112を生成する。示された実施形態において、バックライト光学ユニット126は、光源110からディスプレイ100にわたって光を誘導するための光導波路128を具備してもよく、ディスプレイユニット102に向かって上方に光を発するための反射体を備えていてもよい。一実施形態において、光導波路128は、光源110によって照射されるその厚い端部130を有する透過くさびを具備してもよい。光導波路128の上面および下面の一方または両方に沿って拡散反射パッド132、134が、光導波路128からディスプレイユニット102に向かって光を抽出するために用いられてもよい。バックライトユニット126はまた、光導波路128の下に反射体136を具備し、光導波路128の下面によって透過される光を反射する。反射体136は、拡散反射体または鏡面反射体であってもよい。
【0019】
バックライトユニット126はまた、ディスプレイユニット102へと通過する光を操作するための1つ以上の光操作光学フィルム138を具備してもよい。たとえば、光操作光学フィルムは、ディスプレイ軸140にさらに近くなるように光を誘導するための1つ以上のプリズム状のうねのある輝度向上フィルムを具備してもよい。1つの手法は、2層のプリズム状の輝度向上フィルムを用い、プリズム状のうねの一方の層の方向を他方の層のプリズム状のうねの方向に略直角に向けて、ディスプレイ軸140に対して2次元で光を誘導することである。バックライトユニット126はまた、光を拡散反射体136に反射するための反射偏光子を備えていてもよく、それ以外の光は下方吸収偏光子114に吸収される。
【0020】
半透過体106に向かって放射される一部の光142は、下方吸収偏光子114を透過して液晶層116に至る。液晶層116から上方吸収偏光子112へ放射される光の偏光は、上方吸収偏光子112を通過し、画像光144としてユーザに向かって放射される偏光状態にある。ディスプレイユニット102に向かって透過される他の光146は、下方吸収偏光子114を透過し、液晶層116の異なる部分に入射する。この場合には、光146は、上方吸収偏光子112によって吸収され、ユーザによって見られない偏光状態で上方吸収偏光子112に達する。したがって、バックライトユニット126からディスプレイユニット102を通過する光の空間的に選択される偏光制御により、ユーザは光源110から放射される光によって形成される画像を見る結果となる。
【0021】
一部の状態において、半透過体106は、入射する周辺光を100%反射しなくてもよく、入射するバックライトを100%透過しなくてもよいことを十分に理解されたい。これにより、ディスプレイ100は非反転型ディスプレイとして動作することができ、たとえば、周辺照射およびバックライト照射のいずれの場合も、照らされた青色のピクセルが、依然として照らされた青色のピクセルのままである。
【0022】
半透過体106について説明する前に、モノクロディスプレイとカラーディスプレイとの間の差を検討することは有用である。モノクロディスプレイは、腕時計、携帯電話などの携帯装置において一般に用いられる。モノクロディスプレイ上に表示される情報のタイプは、英数字が多く、グラフィック情報に関してはほとんどない。そのような情報は、高い空間解像度またはグレースケール解像度を必要とせず、一定の色特性を必要とすることから、たとえば、日光、蛍光照明および白熱照明の中を移動することによって直面するとき、周辺光の特性における大きな変動は、モノクロディスプレイによって生成される画像の品質にほとんど影響しない。したがって、モノクロディスプレイを動作させる一般的なデフォルトのモードは、周辺照射下で電池の耐用期間を長くすることであり、バックライトは周辺光が不十分である場合に補助装置として用いられるに過ぎない。モノクロディスプレイにおける半透過体は一般に、60%〜90%の範囲の反射率を備えている。さらに、モノクロシステムにおけるバックライトの使用は、画像の色の反転を生じることが時々ある。周辺照明下の光で明るい背景に暗く見えるものは、バックライト照明下では暗い背景に明るく状態となる。モノクロディスプレイの場合には、そのような反転はユーザにとって不便である可能性があるが、依然として視認可能な画像を維持する。
【0023】
カラーディスプレイは、モノクロディスプレイの場合よりはるかに厳密である必要条件を有する。第一に、周辺照明状態に関係なく、表示された画像におけるカラーバランスを維持することが重要である。ユーザは、白熱灯によって照射される部屋から蛍光灯によって照射される部屋に移動するときに、特定の画像の色が著しく変化するディスプレイを好むことはありそうにないと思われる。カラーディスプレイが一般に用いられるようになった1つの用途は、ラップトップコンピュータである。ラップトップコンピュータにおけるディスプレイは一般に、画像を形成するために、バックライト照射のみを用いる透過型ディスプレイである。これは、一定のカラーバランスおよびグレースケールを保証する。たとえば直射日光などの強い周辺光の状態下で、画像とディスプレイスクリーンから反射される周辺光との間のコントラストの欠如のために、完全透過型ディスプレイ上の画像は、色が褪せるようになる。したがって、一部の照明状態下では、完全透過型ディスプレイは使い物にならなくなる。
【0024】
カラーディスプレイに半透過体を加えることは、バックライトを加えた入射する周辺光を用いて形成する画像を提供する。したがって、カラーディスプレイは、さまざまな照明状態で動作可能である。カラーディスプレイを動作するデフォルトモードは一般にバックライトモードであることから、半透過体106は、モノクロディスプレイより著しく高い割合のバックライトを透過する。たとえば、半透過体による透過率は、約10%〜99%の範囲であり、好ましい範囲は約70%〜約90%である。半透過体106における吸収がないと仮定すると、これは、約10%〜約30%の範囲の半透過体反射率を生じる。
【0025】
さらに、カラーディスプレイにおける色反転は、写真用フィルムによって生成されるカラーネガのように見える画像を生じることになる。そのような画像は一般に、ユーザには気に入られないため、カラーディスプレイと共に利用可能な半透過体のタイプは非反転型半透過体である。部分反射体/部分透過体などの非反転型半透過体の使用により、バックライト画像に周辺画像を加えることができ、周辺照明およびバックライト照明の組合せ下でディスプレイを用いることができる。
【0026】
非反転型半透過体206のある特定の実施形態による概略断面図が、図2Aに示されている。半透過体層210は、第1の微小構造層212および第2の微小構造層214を具備している。2つの微小構造層212および214の間には、部分誘電反射体216があり、微小構造層212および214の形状に適合している。微小構造層212および214は一般に、任意に光透過性ポリマー材料から形成される。
【0027】
金属の部分反射体はモノクロディスプレイにおける半透過体用に広範囲な使い道を見つけているが、金属の半透過体はカラーディスプレイと共に用いるのにあまり適していない。モノクロディスプレイにおいて、半透過体の反射率は比較的高く、たとえば60%〜90%の範囲にある。その結果、金属の半透過体は、金属の比較的厚い層から作製される。
【0028】
カラーディスプレイにおいて、部分反射体の反射率はさらに低く、10%〜30%の範囲であってもよい。この範囲の反射率を有する金属の部分反射体には多くの欠点がある。金属層の反射率はその厚さに左右される。そのような低い反射率はきわめて薄い金属フィルムを必要とし、一様に蒸着することが困難である。また、低い反射率を有する金属の部分反射体の色は、さらに高い反射率を有する金属の部分反射体とは異なる。たとえば、低い反射率の薄い銀のコーティングは、さらに高い反射率のコーティングより高い割合の青色光を透過することから、反射された画像を全体的に黄色く見える。さらに、薄い金属層は損失が多く、光の数%が吸収のために失われる。
【0029】
真珠光沢の反射体および顔料反射体はまた、カラーLCディスプレイと共に用いるのにあまり適していない。反射率および拡散率のレベルは一般に連係しているため、ディスプレイユニットの設計変数は著しく拘束されている。さらに、散乱光の偏光は維持されないため、偏光依存LCディスプレイにさらなる損失を持ち込む。
【0030】
部分誘電反射体216を形成するための好ましい手法は、層状の誘電構造を形成することである。層状の誘電構造は、異なる屈折率の複数の誘電層を具備する。層状誘電反射体216の一例は、さらに低い屈折率の構造面にわたって配置される単一層の比較的高い屈折率の材料である。この場合には、比較的低い屈折率を有する材料の上層は、比較的高い屈折率層のさらに低い屈折率の構造面とは別の側にあってもよい。上層の例としては、空気層または層214などの平坦化層が挙げられる。
【0031】
別の手法において、誘電反射体を形成するために、高い屈折率材料および低い屈折率材料を交互に配置する複数のペアを形成してもよい。特定の波長λに関して最適化された反射の場合には、異なる層は、4分の1波長(λ/4)の奇数倍である光学厚さを有する。波長範囲にわたって最適化された反射の場合には、層の厚さは変化してもよい。選択された波長範囲にわたって所望の反射率を有する部分反射体を形成するように、層の数、厚さおよび屈折率を選択してもよい。さらに、部分反射体における特定の入射角に適合するように、部分反射体の反射率を調整してもよい。
【0032】
高い屈折率および低い屈折率の層に、任意の適切な材料を用いてもよい。たとえば、異なる層にポリマーを用いてもよい。さらに、フッ素化ポリマーは一般に、低い屈折率を有し、1つまたは複数の低い屈折率層に用いるのに特に好都合である場合がある。分散されたナノセラミックスを有するポリマーは、高い屈折率を有し、1つまたは複数の高い屈折率層に用いるのに特に好都合である場合がある。また、非ポリマー誘電材料を用いてもよい。1つまたは複数の高い屈折率層に有用なある種の金属に基づく材料としては、二酸化チタン、酸化スズ、酸化インジウムスズおよび硫化亜鉛が挙げられる。比較的低い屈折率層に有用であると考えられるいくつかのある種の非ポリマー材料としては、フッ化マグネシウム、二酸化ケイ素などが挙げられる。
【0033】
単一層の誘電反射体を有する半透過体の実施形態において、基板の屈折率は約1.3〜1.8の範囲にあり、誘電反射体の屈折率は約1.8〜2.3の範囲にある。平坦化層がない場合には、反射体が空気中にあるのであれば、誘電反射体の上の材料の屈折率は約1である。平坦化層がある場合には、誘電反射体の上の材料の屈折率は約1.3〜1.8の範囲にあると考えられる。
【0034】
「プレートの積み重ね(pile of plate)」と呼ばれる別の手法において、層状の誘電反射体は、誘電材料の複数の層を具備してもよく、その厚さは光学厚さが特定の4分の1波長の奇数の整数倍であるように選択される必要はない。そのような場合には、そのような層間の反射は、4分の1波長積層の場合のように、可干渉性である必要はない。
【0035】
誘電反射体層を用いる利点の1つは、金属の反射体と違い、色品質は反射率の値に直接連係していないことである。その代わりに、反射率の値は、層間の屈折率差および層の数に関連している。また、誘電反射体は、吸収損失を持ち込まない。さらに、たとえば1つまたは複数の反射層または隣接する層において、半透過体に拡散粒子を導入してもよい。ホスト材料から屈折率の小さな差を有する材料から拡散粒子を形成してもよいため、散乱角のサイズを小さくしてもよく、偏光解消量も低減される。したがって、真珠光沢の反射体とは異なり、誘電半透過体の反射率のレベルは拡散量に連係しないため、設計の自由度をさらに大きくする余地がある。
【0036】
半透過体206を形成するための1つの手法は、微小構造面を形成するための適切な技術を用いて微小構造層212および214の1つを最初に形成することである。たとえば、基板218上に微小構造層212を成形するためのパターン形成ツールを用いることによって、下方微小構造層212を形成してもよい。別の手法において、下方微小構造層212は、基板218上に熱型押し加工をしてもよい。下方微小構造層212は、基板218と同一の材料から構成されてもよく、また基板218とは異なる材料から構成されてもよい。一旦、微小構造面が形成されると、部分反射体216が、微小構造面上に蒸着される。基板218は、ポリエステルフィルム、ポリカーボネート(PC)フィルム、トリアセテートセルロース(TAC)フィルムなどの比較的軟性の材料から形成されてもよく、または厚いPC層、アクリル層、ガラス層などの比較的剛性の基板から形成されてもよい。基板218は、ディスプレイにおける他の構成要素とは分離していてもよく、または別のディスプレイ構成要素を具備していてもよい。たとえば、基板218は、たとえばガラス層または吸収偏光子などのディスプレイユニットの下面であってもよい。別の実施例において、基板218は、反射偏光子などのバックライト光学素子ユニット138からなる層、たとえば、多層反射偏光子またはコレステリック偏光子であってもよい。反射偏光子は、バックライト光学素子ユニット138の一部をなしていてもよい。
【0037】
残る微小構造層214は、ナイフコーティングまたはカレンダロール加工などの平坦化処理を用いて形成されてもよい。平坦化処理は、放射線硬化アクリレートまたは溶媒キャストポリマーなどの材料を用いてもよい。上方微小構造層214は、部分反射体216の長い耐用年数に共に耐えうる材料によって形成されてもよい。
【0038】
任意の層220は、半透過体206をたとえばディスプレイユニットの下方吸収偏光子などの別の素子に固着するために用いられてもよいさらなる接着層である。別の実施形態において、層220を省略し、層214が接着材料から形成されてもよいため、平坦化層214はまた、半透過体206をディスプレイユニット102の下面に固着することができる接着層でもある。
【0039】
ピッチPは、微小構造化部分反射体216の角度をなす反射体224の長さであり、半透過体とディスプレイユニット102との間に形成されるモアレ効果を削減するように選択されてもよい。ピッチは、2つ以上の角度をなす反射体224がディスプレイユニットの各画素に関連するように選択されてもよい。
【0040】
角度をなす反射体224の底角は、θと記されている。部分反射体216は、入射光226から反射光228の方向の選択的な角度制御を行うために構成されてもよい。このように、ディスプレイユニット102を通過する入射周辺光は、好ましい方向に沿ってグレアを避けるように指向されてもよい。グレアは、ディスプレイの他方の面から入射する周辺光の鏡面反射から生じやすい。たとえばバックライトからの透過光230は、半透過体206を通過し、層212および214の屈折率が同一である場合には、屈折することなく半透過体206を通過しうる。底角θは2°〜20°の範囲であれば一般的であり、6°〜10°の範囲であればさらに好ましい。
【0041】
半透過体240の別の実施形態が、図2Bに概略的に示されており、接着層250によってディスプレイユニット102の下層252に固着された基板248を示している。誘電反射体246が基板248上に蒸着され、平坦化層242は、光源からディスプレイユニットへと通過する光の場合には、実質的に平坦な下面243を形成する。
【0042】
半透過体260の別の実施形態において、ホログラフィック面262が、基板264上に形成される。ホログラフィック面262は、誘電反射体266で被覆される。誘電反射体266は、ホログラフィック面の面構造を呈し、ホログラフィック反射体として機能する。誘電反射体266は、下にあるホログラフィック面の形状のために、光を鏡面方向以外の方向に優先的に反射するような構造をなしていてもよい。たとえば、誘電反射体266は、半透過体260に垂直な方向272に+30°の方向ではなく、−30°の方向に入射する周辺光270を反射するような構造をなしていてもよい。半透過体260は平坦化層268を備えていてもよく、平坦化層268は接着層であってもよく、拡散粒子を含んでいてもよい。
【0043】
光がディスプレイの平面に対して伝搬する方向を規定ことが有用である。これは、図3を参照して行われる。ディスプレイ300は、x−y平面にある。ディスプレイ300に垂直な線302は中心線と呼ばれ、z軸に平行である。+y方向の成分を有する方向は下と呼ばれ、−y方向の成分を有する方向は上と呼ばれる。+x方向の成分を有する方向は左と呼ばれ、−x方向の成分を有する方向は右と呼ばれる。
【0044】
ある種の状況下では、反射された画像光をグレアから分離することが有用であり、その場合には底角θは0に等しくない。これは、周辺グレアピークの側に指向される画像光を生じる結果となる。グレアと反射された画像光との間の角度間隔が約30°である場合には、底角θは約10°である(光は2nθに略等しい角度で反射される。尚、nは光が反射体によって反射される前および後に光が伝搬する材料の屈折率である。)。
【0045】
反射された画像光とグレアとの間の角度間隔は、図4に示されたグラフに関してさらに説明される。軸の交差点にある各グラフの中心は、z軸に平行な中心線を表す。各グラフの軸に沿って移動することは、0°から90°に角度が増大することを表す。照射は、30°の角度で入射し、グラフの一番上から指向されると仮定されるため、鏡面反射を表すグレアピーク402は中心から下向き方向に30°である。
【0046】
微小構造化半透過体からの光の計算された反射が、点404a〜404hとして示されている。(a)において、角度をなす反射体の底角は6°であると仮定され、各連続グラフ(b)〜(h)に関して2°ずつ増大する。したがって、(h)は20°の底角を表し、(c)は10°の底角を表す。
【0047】
接着層220または別の層は、拡散を提供してもよい。たとえば、接着層220は、接着母材に拡散粒子を備えていてもよい。しかし、これは一般に回転対称の拡散であり、上下方向と同様に、左右方向においても同一の拡散角を生じる。ある状況において、回転対称の拡散を備えるよりも、好ましい目視方向に沿って画像光を広げることが好ましい場合がある。このように、高いバックライト透過率を維持すると同時に、高い反射輝度を達成してもよい。
【0048】
図3を再び参照すると、たとえば手持ち式携帯電話などの多くの携帯型手持ち式装置において、周辺光は一般に、上方から入射し、上と中心の平面において、ビーム310として具体化される。周辺光は、角度φgでディスプレイ300に入射する。結果として生じるグレアは、小さな拡散度のためにある程度の角度拡散を有しうるが、一般にビーム312(角度φgで)を中心に配置される。しかし、中心線の周囲または付近の目視範囲でユーザに画像光を提供することが一般に好ましい。その結果、所望の目視範囲および他の目視方向に関してはさらに低い輝度となる最大反射の画像光を提供するように、ディスプレイ半透過体を設計することが好都合であると考えられる。
【0049】
すべての方向に対称に光を散乱する拡散体に左右されることなく、選択的な角度の反射制御を行うための1つの具体的な手法は、半透過体の平面に対して異なる角度で角度をなす反射体を有する半透過体を用いることである。そのような半透過体506の一実施形態が、図5に概略的に示されている。簡単のため、半透過体の1つの微小構造層508のみが示されている。部分反射体が微小構造層508の形に適合するように配置されることと、部分反射体にわたって平坦化層を形成してもよいことを十分に理解されたい。示された実施形態において、半透過体506は、それぞれに異なる底角θ1、θ2およびθ3を有する3つの角度をなす反射体510、512および514の集合509を具備する。そのような構造を用いて、プリズムの底角の適切な範囲の選択によって、反射体を形成するプリズムの軸に垂直な平面における反射された画像光の拡散を制御してもよい。反射体のパターンは、ディスプレイユニット502のディスプレイ画素(ピクセル)の寸法d以下であるユニットセルの繰り返しを有するように形成されてもよい。反射体509の集合は、たとえば2、4またはそれ以上の何か他の数の反射体であってもよい。
【0050】
反射体509の集合は、任意の所望の順序の反射体を含みうる。たとえば、反射体は、(図示されているように)底角が増大する順序、底角が減少する順序またはランダムな順序で配置されてもよい。さらに、反射体509の集合を形成する反射体は、すべて同一のピッチを有してもよく、たとえば図5Bに示されているように異なるピッチを有してもよい。
【0051】
異なる底角を有する反射体の集合を含む光学結果の一例が、図6に提供されている。図6は、図4のグラフと類似のグラフを示しているが、ユニットセルは複数の角度をなす反射体から形成され、その底角は1°ずつ6°〜20°の範囲をなしていた。視角応答は、主に中心と上の範囲において広がっている。一部の拡散は、一部の横方向の光の広がりに適合すると仮定された。その代わりに、中心と下の目視方向に満たされることが好ましい場合には、10°未満の範囲の底角を有する角度をなす反射体を用いてもよい。
【0052】
反射光の角度範囲の角度制御を行うための別の手法が、図7Aに概略的に示されている。図7Aは、微小構造層702を示している。部分反射体層704が、微小構造層702と同一の形を有するように微小構造層702の上に蒸着される。部分反射体の上に平坦化層(図示せず)を加えてもよい。
【0053】
この実施形態において、反射体706は、非直線のファセット708を有する。ファセット708は、曲率半径を有してもよく、非球面であってもよく、または図7Bに示されているように一連の個別の直線セグメントであってもよい。複数の反射体706は、ディスプレイユニットのピクセルに関連してもよい。1つのピクセルに関連する反射体706は、同一の非直線の形状であってもよく、異なる非直線の形状であってもよい。
【0054】
6°〜20°のファセット角度の範囲に及ぶ湾曲したファセットを有する半透過体の計算された性能を示すグラフが、図7Cに示されている。中心と上の方向に沿って満たされていることは明白であり、わずかな横方向の広がりに適合するためだけに加えられた拡散を有する。異なる範囲の視角を満たすことは、異なる非直線外形のファセットを用いて達成されてもよい。
【0055】
ある種の拡散は、左右方向にある程度の視認性を提供するために好都合であることがよくある。横方向の広がりの量は、中心と上における広がりの量に比べて比較的小さくてもよい。ある種の構成の下で、反射体のファセットは、ある程度の横方向の広がりを形成するように調整されてもよい。そのような横方向の広がりは、たとえばバルク拡散体から、回転対称の拡散と共に形成されてもよく、回転対称の拡散を生じることなく形成されてもよい。
【0056】
反射体802の一例は、図8Aに概略的に示されている。図8Aは、略曲面806を有する反射体ファセット804を示している。反射体812の別の例が、図8Bに概略的に示されている。図8Bは、ランダムまたは擬似ランダムの曲面816を有する反射体ファセット814を示している。そのような面の調整は、反射体ファセットの傾斜に垂直である方向に反射光の横方向の広がりを提供する。
【0057】
反射体ファセットの調整は、種型またはエンボス加工工具を作製する際に、切削工具の深さを調整することによって行われてもよい。調整は、ファセットごとに位置合せされてもよく、または位置ずれがあってもよく、またはファセットごとにランダムまたは擬似ランダムであってもよい。たとえば、バルク拡散体層を用いるなどの他の手法を用いて、横方向の拡散を導入してもよいことを十分に理解されたい。
【0058】
半透過体に用いられるためのファセット角の選択を決定する際に、一定の部分集合の角度の目視範囲が他の角度より好ましい場合がある。たとえば、中心と下の方向に沿って、ユーザは、ディスプレイ輝度が中心付近で最も高く、さらに末端の下の位置がサンプリングされるとそれに応じて低くなることを望む場合がある。結果として生じる構造は、上記で示された構造と異なっていてもよい。中心の目視方向付近で周辺反射率を形成する底角またはファセットの曲率の周波数は、末端の下の目視方向に寄与する周辺反射率を提供する底角/曲率の周波数より高い周波数を有するように選択される。これは、図9を参照して説明される。図9は、平たい反射体ファセットの集まりの底角の周波数を変更することに基づく複数の拘束条件の予測性能を示している。
【0059】
グラフにおいて、異なる底角の周波数の複数の集合が示されている。曲線902は、10°の反射体ファセットのみを有する微小構造面を示している。この場合には、グルーブの周波数は1.0、すなわち10°ファセットの場合には100%である。1.0の結果として生じる正規化された軸方向の光束が、データ点910によって示されている。他のパターンは、この基準性能に対して比較される。曲線904は、60%の10°ファセット、30%の9°ファセットおよび10%の8°ファセットを有する微小構造面を示す。曲線906は、10°〜7°の範囲の底角を有するファセットの異なる周波数を示す。10°未満の角度でファセットを形成することにより、下の目視方向に沿って光の広がりを生じる。しかし、10°未満の底角を有するファセット周波数がより高い底角のファセットの周波数に対して減少する場合には、軸方向の輝度が増大してもよい。
【0060】
曲線904および906から、それぞれの軸方向の輝度値がデータ点920および930から与えられる。より大きな割合の10°ファセットを維持することによって、軸方向の輝度性能の大部分が維持されると同時に、中心と下の方向に沿って視角を広げる。比較のため、曲線908は、6°〜20°の範囲の底角のファセットが等しい周波数を有する場合に一様な事例を示す。対応する軸方向の性能は、点940によって示される。この配置では、結果として生じる軸方向の輝度は約30%であり、記載された他の場合より著しく低い。
【0061】
別の実施例(図示せず)において、7°〜10°の範囲のファセットの周波数は同一であり、角度ごとに25%である。ここでは、結果として生じる正規化された軸方向の輝度は、0.728であると計算される。等しい程度の反射体ファセット角度が、曲線906に関して仮定された構成において見られるようなこの構成によってサンプリングされるが、結果として生じる軸方向の輝度は曲線906に関連する構成の場合より高い。
【0062】
異なる周波数の底角のファセットを混合することによって、加えられる対称な拡散に関係なく、微小構造化半透過体の反射された角度出力が、用いられる具体的な目視装置の特定の必要条件に適合するように、好ましい目視方向に沿って調整または最適化されてもよい。
【0063】
ここまで述べてきた微小構造化半透過体は「グルーブが上にある」配向で動作することを十分に理解されたい。言い換えれば、周辺光は最初に微小構造化構成のファセット側に当たり、平面が対向する側にある。記載された実施形態のいずれかまたはすべては、「グルーブが下にある」配向に向けられてもよく、周辺光は、微小構造面に入射する前に、最初に半透過体の平面を通過してもよい。入射する周辺光のできる限り多くの部分を維持するために、ディスプレイユニットの下方偏光子と半透過体との間の任意の層は、偏光を維持することが好ましい。「グルーブが下にある」配置の候補となる基板は、ポリカーボネートなどの等方性フィルムまたは吸収偏光子もしくは反射偏光子であってもよい。反射偏光子の組込みにより、向上したバックライト動作のために偏光のリサイクルというさらなる利点を提供することができる。
【実施例】
【0064】
図2に示された半透過体206のような半透過体は、ポリエステル基板218上に形成された第1の微小構造層212の上に1層の酸化インジウムスズ(ITO)反射層216を用いて作製した。微小構造層212は、74重量%の脂肪族ウレタン、25重量%のヘキサンジオールジアクリレートおよび1重量%のダロキュア(Darocur)1173、すなわち2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オンからなる組成を有する。微小構造層212の屈折率は、1.49であった。反射層216は、約550nmで4分の1波長の厚さを有し、屈折率が1.9であった。平坦化層214は、屈折率1.47のブチルアクリレート接着剤の層から形成された。ある種の拡散を形成するために、スチレンビードが、平坦化層214内部に蒸着された。構造層212の底角θは、6°であった。
【0065】
サンプルAと呼ばれる実施例に、他の2つのディスプレイと比較試験がなされた。サンプルBは市販の透過型カラーLCディスプレイであり、サンプルCは市販の反射型カラーLCディスプレイ、東芝(Toshiba)携帯電話に用いられるA3013Tであり、LCユニット自体の中に位置決めされた部分金属反射体を備えている。異なるサンプルについて、表Iにまとめてある。
【0066】
【表1】
【0067】
スポットライト測定
スポットライト測定が行われた。この測定において、ディスプレイは垂直に対して30°の角度で面に入射する平行光線化された光ビームによって照射され、ゴニオメータ取付台上の検出器が反射角の関数としてディスプレイから反射された光を測定するために、一定の角度にわたって揺動した。
【0068】
表Iに概略を記した3つのサンプルに関するゴニオメータのスポットライト測定結果が、図10に提供されている。すべてのサンプルは、照射光の鏡面反射に対応して、グラフの右から切れている+30°の周囲に大きな反射ピークの中心があることを示した。この反射ピークの幅は、照射光の発散および反射時の光の拡散量などの因子によって左右された。結果は、標準的な白い拡散反射体、ニューハンプシャー州ノースサットンのラブスフィア(Labsphere(North Sutton,New Hampshire))によって製造されたモデル番号SRS−99−020からの反射に対して正規化される。
【0069】
内部のミラー標準である曲線10‐Cの場合には、垂直から10°〜14°付近にわずかな平坦域があり、きわめて広い視角が見られた。6°の構造化外部半透過体は、類似の反射輝度ピークを形成するが視角がさらに狭い。構造化半透過体のビーム誘導制御がない状態で、OEM制御の平たい半透過体の曲線10‐Bは、視角範囲(公称0°〜15°)にわたって望ましくない平たい応答を示した。
【0070】
バックライト照射
サンプルA、BおよびCのバックライト性能が、同一のバックライトアセンブリを用いてテストされた。バックライトアセンブリは、3つのLEDを用いた縁を照射する光導波路、拡散体シートおよび2つの輝度向上フィルムを用いた。ディスプレイの法線に沿って位置決めされた輝度計が、ディスプレイを透過する光の軸方向の輝度を記録した。裸のバックライトに対する試験下でディスプレイの輝度比の計算によって、ディスプレイシステムの有効透過率が与えられた。結果は、表IIに示されている。
【0071】
【表2】
【0072】
6°の構造化半透過体に関するサンプルAは、サンプルBの透過型ディスプレイに比べて、元のバックライト出力の86%を維持した。これは、内部の半透過体、すなわちサンプルCを備えた半透過型ディスプレイときわめて好ましい比較がなされた。サンプルAは、サンプルCのバックライト輝度の約2.4倍を示した。
【0073】
透過損失の一因となる各サンプルにおける異なる構成要素は、バックライト透過率において測定された差を説明するために考慮すべきである。損失の主な構成要素としては、吸収偏光子、口径比(パターン形成されたミラーまたは黒い母材の周囲の透過領域)、カラーフィルタおよびLC偏光応答が挙げられる。サンプルA、BおよびCにおける前置吸収偏光子および後置吸収偏光子は類似の透過率を示し、サンプルCも反射防止処理された前置偏光子を用いると仮定する。しかし、このAR処理は、数%の透過率の差を生じるに過ぎない。
【0074】
色ずれ(反射光)
スポットライト試験中に反射された光の色は、角度の関数として測定された。色は、測定された各角度に関して決定され、各角度で反射された光の色が図11の色度図に(x、y)座標として作図されている。11‐Dとして示される白い拡散反射標準からの反射に関する(ほとんど重なった)点の集合と共に、各サンプルに関して曲線11−A、11−B、11−Cが示されている。検出の角度が変化するとき、反射標準から反射された光の色におけるずれはごくわずかである。
【0075】
曲線11−A、11−Bおよび11−Cのそれぞれに関して、24°で行われ、30°でグレアピークに近づく測定に対応する点が、記されている。測定は、図10を作成するために行われ多測定に対応して、−6°〜24°の範囲にわたって1°間隔で行われた。サンプルAの場合には、点の広がりは比較的小さく、24°に最も近い2つの点から離れており、範囲にわたる周辺画像にほとんど色ずれがないことを表している。曲線11−Bおよび11−Cの場合には、実質的に大きな広がりがあり、これらのディスプレイの場合の周辺画像はサンプルAの場合より大きな色ずれを角度の関数として示すことを表している。曲線11−Aにおける点の広がりは、単一のITO層の厚さの最適化および/または誘電部分反射体においてさらなる層を追加することによって、さらに小さくなりうる。
【0076】
色ずれ(透過光)
異なるサンプルディスプレイによって透過された光の色が測定された、これらの測定では、ディスプレイモジュールがない状態で動作するバックライトの色が最初に測定されたため、異なるディスプレイのサンプルが比較される色標準を確立した。色度計は、ディスプレイの法線に沿って位置決めされ、異なるサンプルディスプレイによって透過された光の色が記録された。軸方向の色差が1931 CIE色度空間を用いて計算された。結果は、図12に示されている。
【0077】
裸のバックライト基準(それぞれ、点12−Aおよび12−B)からx色座標およびy色座標の両方における小さな変化によって明白であるように、外見上は、サンプルAおよびBは、きわめてわずかの変化を示す。サンプルCは、内部のミラーディスプレイであり、最大の色ずれ(点12−C)を示した。
【0078】
これまでに説明した実施例では、反射光は、グレアから非対称に角度をなして離隔されている。言い換えれば、半透過体によって反射された画像光は、グレアピークの一方の側に優先的に向けられる。この手法は、ディスプレイに対する目視者および周辺光源の位置が実質的に一定である状況に特に有用であるが、これに限定されるわけではない。
【0079】
別の手法において、反射された画像光は、グレアピークを実質的に包囲するように向けられてもよい。言い換えれば、半透過体によって反射された画像光は、グレアピークを中心にして異なる方向に伝搬する。この手法の下で、目視者は、ディスプレイに対する法線を中心にしてさらに広い範囲の方位角から反射された画像を見ることができる。この手法は、ディスプレイに対する目視者および周辺光源の位置が未知である場合、すなわち変数である場合に有用あるが、これに限定されるわけではない。
【0080】
この手法を用いるディスプレイ1300のある特定の実施形態が、図13Aに概略的に示されている。ディスプレイ1300は、半透過体1306の上に配置された液晶ディスプレイなどのディスプレイユニット1302を有する。半透過体1306は、構造面1312を有する基板1310を具備する。誘電部分反射体層1316は、面1312上に配置され、構造面1312の形状を実質的に採用する。誘電部分反射体層1316は、上述した誘電手法のいずれかを用いて形成されてもよい。上層1318が、部分反射体層1316の上に配置されてもよい。上層1318は、平坦化層であってもよい。
【0081】
光線1320および1322は、周辺光源からの光を表す。光線1324は、ディスプレイの法線1330に対して角度θ1でディスプレイユニット1302によって反射される。光線1324は、ディスプレイ1300によって生じる画像の視感度を妨げる望ましくないグレアを表す。他方、光線1326および1328は、構造化部分反射体層1316によって反射され、ディスプレイユニット1302を通過した光を表す。したがって、光線1326および1328は、画像情報を含む。光線1326は、部分反射体1316の「上り勾配」部分から反射するため、角度θ2でディスプレイに法線1330にさらに近い方向に向けられる。光線1328は、部分反射体1316の「下り勾配」位置から反射するため、角度θ3で法線1330からさらに遠ざかる方向に向けられる。
【0082】
基板1310および構造面1312が、図13Bにさらに詳細に似示されている。光線1326および1328が部分反射体1316によって反射されうる角度範囲は、構造面1312の形状に左右される。示された実施形態において、構造面1312は、その面が平面1334に対して最大角αをなす複数のスカロップ1332を具備する。角度αがさらに大きい場合には、半透過体1306によって反射される光は、さらに大きい角度範囲にわたって広がる。スカロップ1332が周知の曲線によって規定される場合には、たとえば、スカロップ1332がアーチ形である場合には、スカロップのピッチPおよび深さdから角度αを決定してもよい。構造面1312は他のタイプの外形を備えていてもよいことを十分に理解されたい。たとえば、構造面が凹面ではなく凸面であってもよく、スカロップとは異なる曲線、たとえば、正弦曲線などの連続曲線を用いてもよい。さらに、構造面は、規則的なパターンまたは不規則なパターンとして形成されてもよい。不規則なパターンは、たとえば、ピッチ、特徴部の高さまたはその両方が不規則である場合を含みうる。
【0083】
各反射ユニットが角度範囲にわたって変化する面を具備する場合には、構造面1312は複数の反射ユニットを含むと考えてもよい。たとえば、各スカロップ1332は、−α〜+αの角度の範囲にわたる面の一部を有し、反射ユニットであると見なしてもよい。反射ユニットのサイズは、ディスプレイユニット1302のピクセルのサイズ未満であってもよく、そのような場合には、ディスプレイユニット1302の各ピクセルは半透過体1306の2つ以上のそれぞれの反射ユニットに関連していてもよい。
【0084】
半透過体と共に用いてもよい構造面の実施例が、図14Aに概略的に提示されている。面1400は、図示されているようにx軸およびy軸を有するものとして特徴付けられている。x方向に沿った断面が、図14Bに概略的に示されている。構造面1412は、隣接するバンプの構成を備えたスカロップ形状である。バンプの間隔またはピッチは、液晶ディスプレイユニットのピクセル化構造などのディスプレイにある他の周期的な構造との相互作用から生じるモアレ効果を避けるように選択されてもよい。たとえば、バンプのピッチは、他の構造の周期によって除算されるとき、無理数を形成するように選択されてもよい。別の実施例において、バンプ自体のピッチは、面にわたって変化してもよい。面1412上で隣接するバンプの高さは異なっていてもよい。面1412はまた、y方向に沿ってスカロップ形状であった。
【0085】
しかし、x方向およびy方向における断面の形状は同一である必要はなく、スカロップ形状である必要もないことを十分に理解されたい。たとえば、1つ以上の方向における断面が、図14Cに概略的に示されているような正弦曲線であってもよく、または別の形状を含んでもよい。さらに、各方向における面1412のピッチはまた、モアレ効果またはディスプレイの別の周期的な構造との相互作用から生じる別の効果を避けるように選択されてもよい。
【0086】
構造面1412はまた、半透過体に対する法線を中心にした小さな回転を伴う他の周期的な構造に対して位置決めされてもよいため、半透過体のx軸およびy軸は周期的な構造の軸と一直線をなさない。
【0087】
平面拡散部分反射体を用いることに関して、図14Aに示されたような構造化半透過体を用いる利点は、特定の視角の円錐角にわたって反射される画像光の広がりを提供すると同時に、バックライトから画像光の角度分布を著しく変化させることを避けることができることである。平面拡散部分反射体は、反射された周辺光およびバックライトの両方を広げる。高い軸方向のゲインが所望である場合には、バックライトの平行を維持することは重要である。
【0088】
図14Aに示されているような半透過体に関する計算された視角円錐応答が、図15に提示されている。このモデルは、x方向のピッチが29.2μmであり、半径245μmであると仮定され、3.41°の最大傾斜角、0.43μmの深さまたはサグを生じた。y方向において、面1412は、ピッチ87.6μmおよび半径502.5μmのスカロップ形状であり、5°の最大傾斜角および1.91μmのサグを生じた。
【0089】
モデルは、図16を参照して説明される。略平行光線化された光線1610は、(y−z平面において、+y側から)180°の方位角方向に沿って−30°の極角Φで半透過体サンプル1600の構造面に向けられる。入射光の鏡面反射から生じるグレアピークは、0°の方位角方向に沿って+30°の極角Φで見つかり、光線1612となった。構造化半透過体からの主な反射光分布が、図15にグレアピーク(+30°の極角および0°の方位角で灰色の領域の中心にあるより暗い点)を包囲する灰色の四角形として示されている。反射光分布は、垂直方向および水平方向の両方に沿って、角度範囲が略対称である。
【0090】
構造面の最大傾斜を調整することによって、図15に示される反射光分布の角度範囲における変化を生じる。さらに大きい傾斜を形成することは、反射される視角円錐の角度範囲を増大するのに対し、さらに小さい傾斜は円錐サイズを小さくする。実施例の半透過体1400において、個別の傾斜外形が2つの直交方向、すなわちx方向およびy方向において形成される。そのような設計によって、出力される反射光分布の角度範囲もまた、これらの2つの方向に沿って制御される。したがって、対称または非対称の反射光分布を形成するために、直交する傾斜外形を選択することができる。しかし、傾斜は2つの直交方向に沿ってのみ規定される必要はないことを十分に理解されたい。たとえば、構造面は、複数のランダムに位置する丸いバンプを有してもよく、各丸いバンプは方位角において対称に光を反射し、反射に関して好ましい方向は存在しない。
【0091】
視角円錐の微調整またはディスプレイの表面的な外観を改善するために、わずかに拡散する層が、構造面と液晶ディスプレイとの間に設けられてもよい。半透過体は、感圧接着剤または他の適切な接着剤を用いて、液晶ディスプレイ装置に接合されてもよく、またはバックライト照明システムの比較的な自由な構成要素または他の構成要素の素子として液晶ディスプレイに関連付けられてもよい。
【0092】
実施例
構造面を成形するための成形型が、銅ドラムをダイヤモンド切削することによって作製された。ドラムは回転され、ドラム面の周囲にねじ切りが施された。成形型に関する設計変数は、3°の最大予測傾斜を与えるために、ねじ山のピッチが39.8μmであり、公称深さが0.53μmであった。ねじ山は、半径375μmの刃先を有するダイヤモンド工具によって切削された。87.6μmのピッチを形成するために、1.16μmの所定の正弦曲線の変動を有する切削工具の深さを駆使することによって、ねじ切りの深さを変化させた。正弦曲線の切削の最大予測傾斜は、3°であった。
【0093】
以下の方法を用いて、基板上に構造面を形成するために工具が用いられた。樹脂が、ポリエステル層と成形工具の一部との間に分配された。樹脂は、74重量%の脂肪族ウレタン、25重量%のヘキサンジオールジアクリレートおよび1重量%のダロキュア(Darocur)1173、すなわち2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オンであった。樹脂は、ポリエステル層を通過するように紫外光を向けることによって紫外硬化された。ポリエステル層/硬化された樹脂シートが、成形型から除去された。硬化された樹脂シートは、図14Cに示されるような下向きのねじ山の方向に正弦曲線の断面と、図14Bに示されるような交差するねじ山の方向に凸レンズの断面と、を有する構造面を備えていた。基板の裏側は黒くなっているため、構造化前面からの反射のみが検出されることになる。
【0094】
構造面から反射された光の分布が、以下の態様でテストされた。試験面1600を示す図16を考える。略平行光線化された光1610が面1600に向けられ、反射光がy−z平面において検出器を移動することによって検出される。鏡面反射光1612は、入射光1610の極角に等しい極角Φgで検出される。最初に、反射は、黒いポリメチルメタクリレート(PMMA)の平たいシートから測定された。PMMAは、鏡面反射を生じるだけに過ぎない。検出光の分布が、図17において曲線1702として示されている。したがって、入射光の円錐角は、半値全幅(FWHM)で約5.5°であった。
【0095】
コーティングされていない構造面が、試験面1600として置き換えられた。矢印1614として示された基準点マークが、y軸(12時の位置と呼ばれる)に平行な方向を指した。反射光分布は、曲線1704として示され、約13°(FWHM)であり、入射光より著しく広いピークを有する。
【0096】
次に、サンプルは、法線1602を中心にして90°の角度分回転されたため、基準点マーク1614はx軸(3時の位置と呼ぶ)に平行な方向を指した。サンプルが3時の位置にあったときの反射光の分布は、曲線1706として示される。3時の位置における反射光分布の幅は、約11°(FWHM)であった。
【0097】
サンプルはさらに90°回転されたため、基準点マーク1614は−y方向(6時の位置と呼ぶ)を指した。サンプルが6時の位置にあったときの反射光の分布は、曲線1708として示される。6時の位置における反射光分布の幅は、約13°(FWHM)であった。
【0098】
最後に、サンプルはさらに90°回転されたため、基準点マーク1614は−x方向(9時の位置と呼ぶ)を指した。サンプルが9時の位置にあったときの反射光の分布は、曲線1710として示される。9時の位置における反射光分布の幅は、約9.5°(FWHM)であった。
【0099】
12時の位置および6時の位置における構造面に対応する曲線1704および1708は、略正確に重なり、この方向における構造が面法線を中心にして正に対称であったことを示している。これらの2つの曲線は、工具のねじ切りに沿った方向に面構造上に形成されたグルーブに対応する。
【0100】
曲線1706および1710は、工具のねじ切りを横断する方向にある面構造に対応する。3時の位置および9時の位置の構造面に対応する曲線1706および1710は近いが、曲線1704および1708のように重ならない。このことは、この特定の実施例に関して、ねじ切りを横断する構造面の形状は、ねじ切りに沿っている場合より対称性が低いことを示唆している。
【0101】
上述したように、本発明は、半透過型液晶ディスプレイに適用可能であり、画像を重ねる周辺光の鏡面反射を低減するために特に有用であると考えられる。本発明は、上述の特定の実施例に限定されるものと考えるべきではなく、添付の特許請求の範囲に完全に記載されているように、本発明のすべての態様を網羅するものと考えるべきである。種々の修正、等価な処理のほか、本発明が適用可能であると思われる種々の構造は、本願明細書を検討すれば、本発明が関係する当業者には容易に明白となるであろう。特許請求の範囲は、そのような修正および装置を網羅するものとする。
【図面の簡単な説明】
【0102】
【図1】本発明の原理による半透過型ディスプレイの実施形態を概略的に示している。
【図2A】本発明の原理による半透過体の異なる実施形態による断面を概略的に示している。
【図2B】本発明の原理による半透過体の異なる実施形態による断面を概略的に示している。
【図2C】本発明の原理による半透過体の異なる実施形態による断面を概略的に示している。
【図3】ディスプレイに対する光路を説明する際に用いられるディスプレイおよび座標を概略的に示している。
【図4】6°〜20°の底角の種々の値に関する図2Aに示されているように異なる半透過体の計算された光学応答を示すグラフを示している。
【図5A】本発明の原理による半透過体の別の実施形態の一部を概略的に示している。
【図5B】本発明の原理による半透過体の別の実施形態の一部を概略的に示している。
【図6】本発明の原理による6°〜20°の角度の範囲に配置される反射体を有する半透過体の計算された光学応答を示すグラフを示している。
【図7A】本発明の原理による非直線の反射ファセットを有する半透過体の実施形態を概略的に示している。
【図7B】本発明の原理による非直線の反射ファセットを有する半透過体の実施形態を概略的に示している。
【図7C】本発明の原理による6°〜20°の角度の範囲にわたって湾曲する湾曲反射体を有する半透過体の計算された光学応答を示すグラフを示している。
【図8A】本発明の原理による横方向の光の拡散を提供する反射体の実施形態を概略的に示している。
【図8B】本発明の原理による横方向の光の拡散を提供する反射体の実施形態を概略的に示している。
【図9】本発明の原理による異なる角度で反射体の異なる組合せを有する半透過体の光学的効果を示すグラフを示している。
【図10】3つの異なるタイプの半透過体を有する反射型ディスプレイに関するスポットライト試験の実験結果を示すグラフを示している。
【図11】4つの異なるタイプの半透過体を有する反射型ディスプレイに関する異なる角度で反射された周辺光の色特性を示すグラフを示している。
【図12】3つの異なるタイプの半透過体を有する反射型ディスプレイに関するバックライト動作における色ずれを示すグラフを示している。
【図13A】本発明の原理による構造化半透過体の別の実施形態を概略的に示している。
【図13B】図13Aに示される構造化半透過体の基板を概略的に示している。
【図14A】本発明の原理による構造化半透過体の別の実施形態を概略的に示している。
【図14B】図14Aに示される構造化半透過体の基板の断面を概略的に示している。
【図14C】図14Aに示される構造化半透過体の基板の断面を概略的に示している。
【図15】本発明の原理によって作製された構造化半透過体から反射される光の計算された分布を示すこのスコープのグラフを示している。
【図16】構造化半透過体の反射特性を決定するために実験を説明する際に用いられるディスプレイおよび座標を概略的に示している。
【図17】構造化半透過体から反射される光の分布を示す実験結果を示している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
目視側および裏側を有し、画素を規定するカラー透過型ディスプレイユニット、および
前記カラーディスプレイユニットの前記裏側に配置され、前記カラーディスプレイユニットを通過した周辺光を入射角とは異なる反射角で反射する構造化誘電反射体を具備し、前記反射角および入射角がディスプレイ法線に対して測定される構造化半透過体
を具備する、半透過型ディスプレイ装置。
【請求項2】
前記誘電反射体が70%〜90%の範囲の透過率を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記透過型ディスプレイユニットが液晶ディスプレイユニットである、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
バックライトを生成するバックライトユニットをさらに具備し、前記構造化半透過体が前記カラーディスプレイユニットと前記バックライトユニットとの間に配置され、前記バックライトが、前記構造化半透過体を通過して前記カラーディスプレイユニットに至る、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記バックライトユニットが、光源と、前記光源と前記構造化半透過体との間に配置される少なくとも1つの光操作フィルムと、を具備する、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記バックライトからの光が、入力方向において前記構造化半透過体を通過し、前記入力方向に実質的に平行な方向において前記構造化半透過体から出る、請求項4に記載の装置。
【請求項7】
前記構造化反射体が反射ファセットの複数の集合を規定し、前記反射ファセットが前記ディスプレイ装置の光軸に非垂直であり、反射ファセットの異なる集合がそれぞれの異なる画素に関連し、反射ファセットの前記集合が少なくとも2つの反射ファセットを具備する、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
反射ファセットの前記複数の集合のうちの前記反射ファセットが、実質的に直線的であり、反射ファセットの前記集合の第1の反射ファセットが前記光軸に対して第1の角度で配置され、反射ファセットの前記集合の第2の反射ファセットが前記光軸に対して第2の角度で配置され、前記第1の角度の大きさが前記第2の角度の大きさと異なる、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
反射ファセットの少なくとも1つの前記集合の中の異なる反射ファセットが、異なる長さを有する、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
少なくとも1つの前記集合の中の異なる反射ファセットの底角が、反射ファセットの前記集合に関して所望の平均反射角を形成するように選択される、請求項8に記載の装置。
【請求項11】
反射ファセットの少なくとも1つの前記集合の中の異なる反射ファセットが、2°〜20°の範囲の底角を有する、請求項8に記載の装置。
【請求項12】
前記底角が6°〜10°の範囲である、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
少なくとも1つの前記反射ファセットが非直線のファセットである、請求項7に記載の装置。
【請求項14】
少なくとも1つの前記反射ファセットが湾曲している、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
少なくとも1つの前記反射ファセットが、少なくとも2つの直線セグメントを有する、請求項13に記載の装置。
【請求項16】
前記構造化反射体が、前記ディスプレイユニットに対する法線に垂直である反射部分および前記ディスプレイユニットに対する法線に垂直でない反射部分を規定する、請求項1に記載の装置。
【請求項17】
前記構造化反射体が、前記ディスプレイユニットに対する法線に垂直である位置を中心にして一定の範囲の角度で、反射部分の集合を有する反射面を具備する、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記装置が周辺光によって照射され、前記ディスプレイユニットが前記周辺光から生じるグレア光を反射する場合に、前記構造化半透過体が主に前記グレア光の一方の側に画像光を反射する、請求項1に記載の装置。
【請求項19】
前記装置が周辺光によって照射され、前記ディスプレイユニットが前記周辺光から生じるグレア光を反射する場合に、前記構造化半透過体が前記グレア光を実質的に包囲する画像光を反射する、請求項1に記載の装置。
【請求項20】
前記構造化誘電反射体がホログラフィック面上に配置される、請求項1に記載の装置。
【請求項21】
前記構造化半透過体が、前記誘電反射体上に配置され、前記透過型ディスプレイユニットに面する平坦化層をさらに具備する、請求項1に記載の装置。
【請求項22】
前記平坦化層が拡散粒子を具備する、請求項21に記載の装置。
【請求項23】
前記平坦化層が、前記構造化半透過体を前記透過型ディスプレイユニットに接着する接着層である、請求項21に記載の装置。
【請求項24】
前記接着層内に設けられる光拡散粒子をさらに具備する、請求項23に記載の装置。
【請求項25】
前記構造化半透過体と前記透過型ディスプレイユニットとの間に配置される拡散体をさらに具備する、請求項1に記載の装置。
【請求項26】
前記構造化半透過体が一般にx−y平面にあり、前記構造化反射体が前記x−y平面に対して傾斜した傾斜面を具備するため、z軸に平行な方向において前記x−y平面に垂直入射する光は、y−z平面にある成分を有する方向に前記傾斜面によって反射される、請求項1に記載の装置。
【請求項27】
少なくとも1つの前記傾斜面が、前記x方向における指向成分を有するように、前記入射光の一部を横方向に反射するように形成される、請求項26に記載の装置。
【請求項28】
少なくとも1つの前記傾斜面が、前記x方向における指向成分を有するように、前記入射光の一部を横方向に反射するように湾曲される、請求項27に記載の装置。
【請求項29】
少なくとも1つの前記傾斜面が、前記x方向における指向成分を有するように、前記入射光の一部を横方向に反射するようにランダムに変化する面を有する、請求項27に記載の装置。
【請求項30】
前記構造化反射体が傾斜面の集合を含み、傾斜面の集合が前記透過型ディスプレイユニットのそれぞれの画素に対応する、請求項1に記載の装置。
【請求項31】
傾斜面の集合の中の異なる傾斜面が、異なるピッチを有する、請求項30に記載の装置。
【請求項32】
前記構造化誘電反射体が、比較的低い屈折率を有する材料を含む基板と、前記基板の構造面上に配置される部分反射体層と、を具備する、請求項1に記載の装置。
【請求項33】
前記部分反射体層が、前記基板の屈折率より高い屈折率を有する材料の単一層を具備する、請求項32に記載の装置。
【請求項34】
前記部分反射体層が、交互に配置される比較的低い屈折率および比較的高い屈折率からなる複数の誘電層を具備する、請求項32に記載の装置。
【請求項35】
前記部分反射体層上に平坦化層をさらに具備する、請求項32に記載の装置。
【請求項36】
前記基板が約1.3〜約1.8の範囲の屈折率を有し、前記誘電反射体が約1.8〜2.3の範囲の屈折率を有する少なくとも1つの層を具備する、請求項32に記載の装置。
【請求項37】
前記基板とは別の方向に面する前記誘電反射体の前記面が、1〜約1.8の範囲の屈折率を有する媒体と相互に作用する、請求項36に記載の装置。
【請求項38】
前記平坦化層の屈折率が、前記基板の屈折率と実質的に同一である、請求項32に記載の装置。
【請求項39】
前記構造化誘電反射体が、交互に配置される低い屈折率および高い屈折率からなる複数の誘電層を具備する、請求項1に記載の装置。
【請求項40】
前記構造化誘電反射体は、その光学厚さが選択された波長の4分の1の奇数整数倍ではない複数の誘電層を具備する、請求項1に記載の装置。
【請求項41】
前記少なくとも1つの光操作フィルムが、第1の方向に向けられたうねを有する第1のプリズム状のうねのある輝度向上フィルムと、前記第1の方向に垂直な第2の方向に向けられたうねを有する第2のプリズム状のうねのある輝度向上フィルムと、を具備する、請求項1に記載の装置。
【請求項42】
前記ディスプレイユニット上に表示される画像を制御するために、前記ディスプレイユニットに連結される制御ユニットをさらに具備する、請求項1に記載の装置。
【請求項43】
目視側および裏側を有するカラー透過型ディスプレイユニットおよび
前記カラーディスプレイユニットの前記裏側に配置され、構造面と、前記構造面上に配置される誘電部分反射体と、を有する構造化基板を具備する構造化半透過体を具備し、
前記ディスプレイユニットに入射する周辺光が、グレア方向のグレア光を生じ、前記構造化半透過体が前記グレア方向を実質的に包囲する方向の範囲にわたって画像光を反射する半透過型ディスプレイ装置。
【請求項44】
前記誘電部分反射体が、70%〜90%の範囲の透過率を有する、請求項43に記載の装置。
【請求項45】
前記透過型ディスプレイユニットが、液晶ディスプレイユニットである、請求項43に記載の装置。
【請求項46】
バックライトを生成するバックライトユニットをさらに具備し、前記構造化半透過体が前記カラーディスプレイユニットと前記バックライトユニットとの間に配置され、前記バックライトが、前記構造化半透過体を通過して前記カラーディスプレイユニットに至る、請求項43に記載の装置。
【請求項47】
前記バックライトユニットが、光源と、前記光源と前記構造化半透過体との間に配置される少なくとも1つの光操作フィルムと、を具備する、請求項46に記載の装置。
【請求項48】
前記少なくとも1つの光操作フィルムが、第1の方向に向けられたうねを有する第1のプリズム状のうねのある輝度向上フィルムと、前記第1の方向に垂直な第2の方向に向けられたうねを有する第2のプリズム状のうねのある輝度向上フィルムと、を具備する、請求項47に記載の装置。
【請求項49】
前記バックライトからの光が、入力方向において前記構造化半透過体を通過し、前記入力方向に実質的に平行な方向において前記構造化半透過体から出る、請求項46に記載の装置。
【請求項50】
前記誘電部分反射体が、前記ディスプレイユニットに対する法線に垂直である反射部分および前記ディスプレイユニットに対する法線に垂直でない反射部分を規定する、請求項43に記載の装置。
【請求項51】
前記誘電反射体が、前記ディスプレイユニットに対する法線に垂直である位置を中心にして一定の範囲の角度で、反射部分の集合を有する反射面を具備する、請求項50に記載の装置。
【請求項52】
前記構造化半透過体が、前記誘電反射体上に配置され、前記透過型ディスプレイユニットに面する平坦化層をさらに具備する、請求項43に記載の装置。
【請求項53】
前記平坦化層が拡散粒子を具備する、請求項52に記載の装置。
【請求項54】
前記平坦化層が、前記構造化半透過体を前記透過型ディスプレイユニットに接着する接着層である、請求項52に記載の装置。
【請求項55】
前記構造化半透過体と前記透過型ディスプレイユニットとの間に配置される拡散体をさらに具備する、請求項1に記載の装置。
【請求項56】
前記構造化反射体が複数の反射ユニットを具備し、各反射ユニットが前記構造化反射体を通過する軸に対して正および負の角度で反射部分の集合を具備し、前記ディスプレイユニットが画素を規定し、前記ディスプレイユニットの各画素が2つ以上の反射ユニットの集合の上に配置される、請求項43に記載の装置。
【請求項57】
前記基板が比較的低い屈折率を有し、前記誘電部分反射体が前記基板の前記構造面上に配置された比較的高い屈折率の材料からなる単一層を具備する、請求項43に記載の装置。
【請求項58】
前記部分反射体層が、交互に配置される比較的低い屈折率および比較的高い屈折率からなる複数の誘電層を具備する、請求項43に記載の装置。
【請求項59】
前記誘電層が、選択された波長の4分の1の奇数整数倍ではないその光学厚さを有する、請求項58に記載の装置。
【請求項60】
前記誘電部分反射体層上に平坦化層をさらに具備する、請求項43に記載の装置。
【請求項61】
前記平坦化層の屈折率が前記基板の屈折率と実質的に同一である、請求項60に記載の装置。
【請求項62】
前記基板が約1.3〜約1.8の範囲の屈折率を有し、前記誘電部分反射体が約1.8〜2.3の範囲の屈折率を有する少なくとも1つの層を具備する、請求項43に記載の装置。
【請求項63】
前記基板の前記構造面とは別の方向に面する前記誘電部分反射体の前記面が、1〜約1.8の範囲の屈折率を有する媒体と相互に作用する、請求項62に記載の装置。
【請求項64】
前記ディスプレイユニット上に表示される画像を制御するために、前記ディスプレイユニットに連結される制御ユニットをさらに具備する、請求項43に記載の装置。
【請求項1】
目視側および裏側を有し、画素を規定するカラー透過型ディスプレイユニット、および
前記カラーディスプレイユニットの前記裏側に配置され、前記カラーディスプレイユニットを通過した周辺光を入射角とは異なる反射角で反射する構造化誘電反射体を具備し、前記反射角および入射角がディスプレイ法線に対して測定される構造化半透過体
を具備する、半透過型ディスプレイ装置。
【請求項2】
前記誘電反射体が70%〜90%の範囲の透過率を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記透過型ディスプレイユニットが液晶ディスプレイユニットである、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
バックライトを生成するバックライトユニットをさらに具備し、前記構造化半透過体が前記カラーディスプレイユニットと前記バックライトユニットとの間に配置され、前記バックライトが、前記構造化半透過体を通過して前記カラーディスプレイユニットに至る、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記バックライトユニットが、光源と、前記光源と前記構造化半透過体との間に配置される少なくとも1つの光操作フィルムと、を具備する、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記バックライトからの光が、入力方向において前記構造化半透過体を通過し、前記入力方向に実質的に平行な方向において前記構造化半透過体から出る、請求項4に記載の装置。
【請求項7】
前記構造化反射体が反射ファセットの複数の集合を規定し、前記反射ファセットが前記ディスプレイ装置の光軸に非垂直であり、反射ファセットの異なる集合がそれぞれの異なる画素に関連し、反射ファセットの前記集合が少なくとも2つの反射ファセットを具備する、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
反射ファセットの前記複数の集合のうちの前記反射ファセットが、実質的に直線的であり、反射ファセットの前記集合の第1の反射ファセットが前記光軸に対して第1の角度で配置され、反射ファセットの前記集合の第2の反射ファセットが前記光軸に対して第2の角度で配置され、前記第1の角度の大きさが前記第2の角度の大きさと異なる、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
反射ファセットの少なくとも1つの前記集合の中の異なる反射ファセットが、異なる長さを有する、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
少なくとも1つの前記集合の中の異なる反射ファセットの底角が、反射ファセットの前記集合に関して所望の平均反射角を形成するように選択される、請求項8に記載の装置。
【請求項11】
反射ファセットの少なくとも1つの前記集合の中の異なる反射ファセットが、2°〜20°の範囲の底角を有する、請求項8に記載の装置。
【請求項12】
前記底角が6°〜10°の範囲である、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
少なくとも1つの前記反射ファセットが非直線のファセットである、請求項7に記載の装置。
【請求項14】
少なくとも1つの前記反射ファセットが湾曲している、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
少なくとも1つの前記反射ファセットが、少なくとも2つの直線セグメントを有する、請求項13に記載の装置。
【請求項16】
前記構造化反射体が、前記ディスプレイユニットに対する法線に垂直である反射部分および前記ディスプレイユニットに対する法線に垂直でない反射部分を規定する、請求項1に記載の装置。
【請求項17】
前記構造化反射体が、前記ディスプレイユニットに対する法線に垂直である位置を中心にして一定の範囲の角度で、反射部分の集合を有する反射面を具備する、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記装置が周辺光によって照射され、前記ディスプレイユニットが前記周辺光から生じるグレア光を反射する場合に、前記構造化半透過体が主に前記グレア光の一方の側に画像光を反射する、請求項1に記載の装置。
【請求項19】
前記装置が周辺光によって照射され、前記ディスプレイユニットが前記周辺光から生じるグレア光を反射する場合に、前記構造化半透過体が前記グレア光を実質的に包囲する画像光を反射する、請求項1に記載の装置。
【請求項20】
前記構造化誘電反射体がホログラフィック面上に配置される、請求項1に記載の装置。
【請求項21】
前記構造化半透過体が、前記誘電反射体上に配置され、前記透過型ディスプレイユニットに面する平坦化層をさらに具備する、請求項1に記載の装置。
【請求項22】
前記平坦化層が拡散粒子を具備する、請求項21に記載の装置。
【請求項23】
前記平坦化層が、前記構造化半透過体を前記透過型ディスプレイユニットに接着する接着層である、請求項21に記載の装置。
【請求項24】
前記接着層内に設けられる光拡散粒子をさらに具備する、請求項23に記載の装置。
【請求項25】
前記構造化半透過体と前記透過型ディスプレイユニットとの間に配置される拡散体をさらに具備する、請求項1に記載の装置。
【請求項26】
前記構造化半透過体が一般にx−y平面にあり、前記構造化反射体が前記x−y平面に対して傾斜した傾斜面を具備するため、z軸に平行な方向において前記x−y平面に垂直入射する光は、y−z平面にある成分を有する方向に前記傾斜面によって反射される、請求項1に記載の装置。
【請求項27】
少なくとも1つの前記傾斜面が、前記x方向における指向成分を有するように、前記入射光の一部を横方向に反射するように形成される、請求項26に記載の装置。
【請求項28】
少なくとも1つの前記傾斜面が、前記x方向における指向成分を有するように、前記入射光の一部を横方向に反射するように湾曲される、請求項27に記載の装置。
【請求項29】
少なくとも1つの前記傾斜面が、前記x方向における指向成分を有するように、前記入射光の一部を横方向に反射するようにランダムに変化する面を有する、請求項27に記載の装置。
【請求項30】
前記構造化反射体が傾斜面の集合を含み、傾斜面の集合が前記透過型ディスプレイユニットのそれぞれの画素に対応する、請求項1に記載の装置。
【請求項31】
傾斜面の集合の中の異なる傾斜面が、異なるピッチを有する、請求項30に記載の装置。
【請求項32】
前記構造化誘電反射体が、比較的低い屈折率を有する材料を含む基板と、前記基板の構造面上に配置される部分反射体層と、を具備する、請求項1に記載の装置。
【請求項33】
前記部分反射体層が、前記基板の屈折率より高い屈折率を有する材料の単一層を具備する、請求項32に記載の装置。
【請求項34】
前記部分反射体層が、交互に配置される比較的低い屈折率および比較的高い屈折率からなる複数の誘電層を具備する、請求項32に記載の装置。
【請求項35】
前記部分反射体層上に平坦化層をさらに具備する、請求項32に記載の装置。
【請求項36】
前記基板が約1.3〜約1.8の範囲の屈折率を有し、前記誘電反射体が約1.8〜2.3の範囲の屈折率を有する少なくとも1つの層を具備する、請求項32に記載の装置。
【請求項37】
前記基板とは別の方向に面する前記誘電反射体の前記面が、1〜約1.8の範囲の屈折率を有する媒体と相互に作用する、請求項36に記載の装置。
【請求項38】
前記平坦化層の屈折率が、前記基板の屈折率と実質的に同一である、請求項32に記載の装置。
【請求項39】
前記構造化誘電反射体が、交互に配置される低い屈折率および高い屈折率からなる複数の誘電層を具備する、請求項1に記載の装置。
【請求項40】
前記構造化誘電反射体は、その光学厚さが選択された波長の4分の1の奇数整数倍ではない複数の誘電層を具備する、請求項1に記載の装置。
【請求項41】
前記少なくとも1つの光操作フィルムが、第1の方向に向けられたうねを有する第1のプリズム状のうねのある輝度向上フィルムと、前記第1の方向に垂直な第2の方向に向けられたうねを有する第2のプリズム状のうねのある輝度向上フィルムと、を具備する、請求項1に記載の装置。
【請求項42】
前記ディスプレイユニット上に表示される画像を制御するために、前記ディスプレイユニットに連結される制御ユニットをさらに具備する、請求項1に記載の装置。
【請求項43】
目視側および裏側を有するカラー透過型ディスプレイユニットおよび
前記カラーディスプレイユニットの前記裏側に配置され、構造面と、前記構造面上に配置される誘電部分反射体と、を有する構造化基板を具備する構造化半透過体を具備し、
前記ディスプレイユニットに入射する周辺光が、グレア方向のグレア光を生じ、前記構造化半透過体が前記グレア方向を実質的に包囲する方向の範囲にわたって画像光を反射する半透過型ディスプレイ装置。
【請求項44】
前記誘電部分反射体が、70%〜90%の範囲の透過率を有する、請求項43に記載の装置。
【請求項45】
前記透過型ディスプレイユニットが、液晶ディスプレイユニットである、請求項43に記載の装置。
【請求項46】
バックライトを生成するバックライトユニットをさらに具備し、前記構造化半透過体が前記カラーディスプレイユニットと前記バックライトユニットとの間に配置され、前記バックライトが、前記構造化半透過体を通過して前記カラーディスプレイユニットに至る、請求項43に記載の装置。
【請求項47】
前記バックライトユニットが、光源と、前記光源と前記構造化半透過体との間に配置される少なくとも1つの光操作フィルムと、を具備する、請求項46に記載の装置。
【請求項48】
前記少なくとも1つの光操作フィルムが、第1の方向に向けられたうねを有する第1のプリズム状のうねのある輝度向上フィルムと、前記第1の方向に垂直な第2の方向に向けられたうねを有する第2のプリズム状のうねのある輝度向上フィルムと、を具備する、請求項47に記載の装置。
【請求項49】
前記バックライトからの光が、入力方向において前記構造化半透過体を通過し、前記入力方向に実質的に平行な方向において前記構造化半透過体から出る、請求項46に記載の装置。
【請求項50】
前記誘電部分反射体が、前記ディスプレイユニットに対する法線に垂直である反射部分および前記ディスプレイユニットに対する法線に垂直でない反射部分を規定する、請求項43に記載の装置。
【請求項51】
前記誘電反射体が、前記ディスプレイユニットに対する法線に垂直である位置を中心にして一定の範囲の角度で、反射部分の集合を有する反射面を具備する、請求項50に記載の装置。
【請求項52】
前記構造化半透過体が、前記誘電反射体上に配置され、前記透過型ディスプレイユニットに面する平坦化層をさらに具備する、請求項43に記載の装置。
【請求項53】
前記平坦化層が拡散粒子を具備する、請求項52に記載の装置。
【請求項54】
前記平坦化層が、前記構造化半透過体を前記透過型ディスプレイユニットに接着する接着層である、請求項52に記載の装置。
【請求項55】
前記構造化半透過体と前記透過型ディスプレイユニットとの間に配置される拡散体をさらに具備する、請求項1に記載の装置。
【請求項56】
前記構造化反射体が複数の反射ユニットを具備し、各反射ユニットが前記構造化反射体を通過する軸に対して正および負の角度で反射部分の集合を具備し、前記ディスプレイユニットが画素を規定し、前記ディスプレイユニットの各画素が2つ以上の反射ユニットの集合の上に配置される、請求項43に記載の装置。
【請求項57】
前記基板が比較的低い屈折率を有し、前記誘電部分反射体が前記基板の前記構造面上に配置された比較的高い屈折率の材料からなる単一層を具備する、請求項43に記載の装置。
【請求項58】
前記部分反射体層が、交互に配置される比較的低い屈折率および比較的高い屈折率からなる複数の誘電層を具備する、請求項43に記載の装置。
【請求項59】
前記誘電層が、選択された波長の4分の1の奇数整数倍ではないその光学厚さを有する、請求項58に記載の装置。
【請求項60】
前記誘電部分反射体層上に平坦化層をさらに具備する、請求項43に記載の装置。
【請求項61】
前記平坦化層の屈折率が前記基板の屈折率と実質的に同一である、請求項60に記載の装置。
【請求項62】
前記基板が約1.3〜約1.8の範囲の屈折率を有し、前記誘電部分反射体が約1.8〜2.3の範囲の屈折率を有する少なくとも1つの層を具備する、請求項43に記載の装置。
【請求項63】
前記基板の前記構造面とは別の方向に面する前記誘電部分反射体の前記面が、1〜約1.8の範囲の屈折率を有する媒体と相互に作用する、請求項62に記載の装置。
【請求項64】
前記ディスプレイユニット上に表示される画像を制御するために、前記ディスプレイユニットに連結される制御ユニットをさらに具備する、請求項43に記載の装置。
【図1】
【図3】
【図4】
【図6】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図15】
【図16】
【図17】
【図3】
【図4】
【図6】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図15】
【図16】
【図17】
【公表番号】特表2007−525692(P2007−525692A)
【公表日】平成19年9月6日(2007.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−513346(P2006−513346)
【出願日】平成16年4月27日(2004.4.27)
【国際出願番号】PCT/US2004/012866
【国際公開番号】WO2004/099869
【国際公開日】平成16年11月18日(2004.11.18)
【出願人】(599056437)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (1,802)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成19年9月6日(2007.9.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年4月27日(2004.4.27)
【国際出願番号】PCT/US2004/012866
【国際公開番号】WO2004/099869
【国際公開日】平成16年11月18日(2004.11.18)
【出願人】(599056437)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (1,802)
【Fターム(参考)】
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