説明

液晶パネルの欠陥検査装置

【課題】液晶パネルにあるドット落ちを自動的且つ確実に見つけることができる液晶パネルの欠陥検査装置を提供する。
【解決手段】押圧手段2を検査しようとする駆動中の液晶パネル10の表面にある予定箇所に移動してから、該予定箇所の周辺にあるドット落ちを発現させ得る所定圧力で押圧し、前記所定圧力で押圧している箇所周辺の映像を撮って電子信号として出力することができるように構成されたイメージキャプチャー4を備えている。該電子信号の分析や処理で、ドット落ちの場所や度合い、数量を自動的に検出することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶パネルの欠陥検査装置に関し、特に、液晶パネルにあるドット落ちを見つけることができる液晶パネルの欠陥検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶ディスプレイのパネルは、非常に清浄に保たれている環境の下で、高度な品質管理のもとに製造されるが、確率によって一定割合の機能不良が生じることは避けられない。このような不良には、配線が断線したりショートして表示画面のライン状の不良になったりするものや、表示ムラになるものなど、多くの種類がある。これらの不良のうち、画素単位が制御を受けずに常時に点灯状態にある輝点や、常時に非点灯状態にある黒点など、画素単位で生じる不良は、総じてドット落ちと呼ばれている。
【0003】
液晶ディスプレイパネルに生じる各種のドット落ちの中に、常時異常状態にある見つけやすいものと、一時的に発生する配線のショートにより生じる一時的なものがある。この一時的に発生するドット落ちを見つけ出すには、液晶パネルを駆動させてからその表面を軽く押圧することにより、その押圧した箇所周辺配線のショートを意図的に発生させ、ドット落ちを発現させることができる。
【0004】
従って、完成した液晶パネルを検査する時、このような常時のドット落ちや、一時的なドット落ちを見つけ出すため、従来では、指で駆動した後の液晶パネルの表面を軽く押圧してから、肉眼で押圧した箇所周辺にドット落ちが出現するか否かを確認する人工的な検査方法を使用している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、このような人工的な検査方法を使用するには、人件費がかかり、そして人力による検査のクォリティはコントロールし難い。更に、検査作業は生産ラインの近くで行わなければならず、検査人員の安全問題も考慮に入れなければならない。
【0006】
従って、本発明は液晶パネルにあるドット落ちを自動的に検出することができる欠陥検査装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成すべく、本発明は押圧手段を検査しようとする駆動中の液晶パネルの表面にある予定箇所に移動してから、該予定箇所の周辺にあるドット落ちを発現させ得る所定圧力で押圧することができるように構成されていることを特徴とする液晶パネルの欠陥検査装置を提供する。
【0008】
また、本発明は前記押圧手段の前記所定圧力で押圧している箇所周辺の映像を撮って電子信号として出力することができるように構成されたイメージキャプチャーを更に備えていることを特徴とする液晶パネルの欠陥検査装置をも提供する。
【発明の効果】
【0009】
上記構成によれば、本発明はドット落ちを発現させる所定圧力で駆動中の液晶パネルの表面を押圧することができる押圧手段を備えているので、人力を用いることなく、液晶パネルのいずこにあるかもしれないドット落ちを自動且つ確実に発現させることができる。
【0010】
また、本発明は押圧手段により押圧される箇所周辺の映像を撮って電子信号として出力することができるイメージキャプチャーを更に備えているので、肉眼によらず、該電子信号の分析や処理で、ドット落ちの場所や度合い、数量を自動的に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の好ましい実施形態の構成を示す斜視図である。
【図2】本発明における押圧用移動手段の構成を示す一部斜視図である。
【図3】本発明におけるイメージキャプチャーの構成例を示す一部側面図である。
【図4】本発明におけるイメージキャプチャーの構成例を示す一部側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下は図面を参照しながら、本発明の好ましい実施形態について説明する。
【0013】
まず、上記のように、本発明は押圧手段2を駆動中の液晶パネルの表面にある予定箇所に移動してから、該予定箇所の周辺にあるドット落ちを発現させる所定圧力で押圧することができるように構成されていることを特徴とする液晶パネルの欠陥検査装置であり、図1に示すように、本発明の好ましい実施形態では、その上面に長方形に形成されていて凹陥するように形成された液晶パネル載置面10を有する載置台を有し、該液晶パネル載置面10に載置される駆動中の液晶パネルに対して検査を行うように構成されている。
【0014】
ここで、液晶パネルの表面を破壊することなく、且つ効果的に潜在するドット落ちを発現させることができる理想的な所定圧力は、500〜1500g/cmの範囲内に限定することが好ましい。
【0015】
また、液晶パネル載置面10に載置される液晶パネルの駆動方法については、例えば本発明の欠陥検査装置を、プローブユニットを備えている発光検査システム(lighting inspection system)に乗せて電気的に接続させることによって液晶パネルを駆動することができる。また、押圧検査は、液晶パネルの画面全体に白、赤、緑、青、黒などの各種の色を表示させるように駆動する状態において行い、各種類のドット落ちを検査する。
【0016】
図1及び図2に示すように、押圧手段2を移動する押圧用移動手段3は、液晶パネル載置面10の長辺と平行するX方向に沿って、液晶パネル載置面10の隣りに延在している第1のレール311と、該第1のレール311の上に往復に駆動されることができるように配置構成されている第1の移動ブロック312とからなる第1の移動機構31と、第1の移動ブロック312に取付けられる上、液晶パネル載置面10の短辺と平行するY方向に沿って延伸している第2のレール321と、該第2のレール321に沿って往復に駆動されることができるように配置構成されている第2の移動ブロック322とからなる第2の移動機構32とを有している。
【0017】
この構成により、第1の移動機構31は押圧手段2をX方向に沿って往復動させることができ、そして第2の移動機構32は押圧手段2をY方向に沿って往復動させることができるようになり、該第1の移動機構31と第2の移動機構32を同時に作動させると、押圧手段2を液晶パネル載置面10の上方にある所定の平面上に自在に動かすことができる。
【0018】
押圧手段2は、液晶パネル載置面10に載置されている液晶パネルの前記予定箇所に接触して押圧する押圧部21と、第2の移動ブロック322に取付けられ、且つ、該第2の移動ブロック322に対して、液晶パネル載置面10と直交するZ方向に沿って往復に駆動されることができるように配置構成されている作動部22と、作動部からY方向に沿って液晶パネル載置面10の上方まで延伸し、且つ先端に押圧部21が取付けられている延伸バー23とを備えている。即ち、作動部22は押圧部21を前記予定箇所に押圧したりまたはそこから離間したりするように作動させることが出来、そして作動部22と押圧部21の間には、延伸バー23が介在している。
【0019】
ここで、作動部22は、第2の移動ブロック322に取付けられていてZ方向に沿って延伸する押圧レール221と、押圧レール221に沿って往復に駆動されることができるように配置構成されている押圧移動ブロック222とからなり、延伸バー23は押圧移動ブロック222に取付けられている。
【0020】
ちなみに、この実施形態において押圧部21の液晶パネルの表面に押圧する部分は、球面形に形成されているが、検査する液晶パネルに応じて、針先形に形成することもできる。
【0021】
また、本実施形態では、押圧手段2の前記所定圧力で押圧している箇所周辺の映像を撮って電子信号として出力することができるように構成されたイメージキャプチャー4と、イメージキャプチャー4が押圧手段2の前記所定圧力で押圧している箇所周辺の映像を撮れるように、押圧用移動手段3の作動に応じて、イメージキャプチャー4を移動するイメージキャプチャー移動手段5とを更に備えている。
【0022】
イメージキャプチャー4としては、CCDエリアイメージセンサーや、CMOSイメージセンサーアレイなどを用いることができる。
【0023】
イメージキャプチャー移動手段5は、液晶パネル載置面10の長手方向上の両側にそれぞれ設けられている前、後二つの設置台530、530と、該二つの設置台530、530にそれぞれ配置されてY方向に沿って延在している一対の第3のレール531、531と、該二つの設置台530、530に跨って、且つ、該一対の第3のレール531、531に案内されてY方向に往復に駆動されることができるように配置構成されている第3の移動ブロック532とからなる第3の移動機構53と、第3の移動ブロック532に取付けられてZ方向に沿って延伸している第4のレール541と、該第4のレール541に沿って往復に駆動されることができるように配置構成されている第4の移動ブロック542とからなる第4の移動機構54と、第4の移動ブロック542に取付けられてX方向に沿って延伸している第5のレール551と、該第5のレール551に沿って往復に駆動されることができるように配置構成されている第5の移動ブロック552とからなる第5の移動機構55との計3つの移動機構を備えており、イメージキャプチャー4は、第5の移動ブロック552に取付けられている。
【0024】
この構成により、イメージキャプチャー移動手段5は、イメージキャプチャー4をX、Y、Z方向に移動することにより、押圧用移動手段3の作動に応じて、第3、第4、第5のレール531、541、551により画成される範囲内に三次元的に自在に動かすことができる。
【0025】
更に、押圧手段2が押圧する予定箇所は、要求される歩留まりのレベルに応じて、液晶パネルの表面にあるいくつかの局部的箇所、または潜在するドット落ちを確実に検出すべく、液晶パネルの表面を全面的に押圧するように液晶パネルの表面全体に、予めに設定することができる。
【0026】
また、図1及び図2に示すように、本実施形態では、押圧手段2と該押圧手段2を動かす押圧用移動手段3との組み合わせは、二つずつ設けられるように、押圧手段2と該押圧手段2を動かす押圧用移動手段3の数については特に限定しておらず、そして図1、3、4に示すように、イメージキャプチャー4や各レールの数量についても特に限定せずに、検査する液晶パネルの大きさや、使用するイメージキャプチャーの解像度などに応じて、自由に変更することができる。
【0027】
また、液晶パネル載置面10の形状も長方形に限定されることなく、検査しようとする液晶パネルの筐体形状に応じて変更することができる。液晶パネル載置面10を長方形以外の形状に変える場合、上記長辺、短辺にそれぞれ対応するX、Y方向に適切な変更を加えることができる。例えば、画素の配列方向と一致するように設定することができる。
【産業上の利用可能性】
【0028】
上記構成によれば、本発明はドット落ちを発現させる所定圧力で駆動中の液晶パネルの表面を押圧することができる押圧手段を備えているので、人力を用いることなく、液晶パネルのいずこにあるかもしれないドット落ちを自動且つ確実に発現させることができ、そして自動化設備として大量の液晶パネル製品に連続的な検査を施すことも可能である。
【0029】
また、本発明は押圧手段により押圧される箇所周辺の映像を撮って電子信号として出力することができるイメージキャプチャーを更に備えているので、肉眼によらず、該電子信号の分析や処理で、ドット落ちの場所や度合い、数量を自動的に検出することができる。
【符号の説明】
【0030】
10 液晶パネル載置面
2 押圧手段
21 押圧部
22 作動部
221 押圧レール
222 押圧移動ブロック
23 延伸バー
3 押圧用移動手段
31 第1の移動機構
311 第1のレール
312 第1の移動ブロック
32 第2の移動機構
321 第2のレール
322 第2の移動ブロック
4 イメージキャプチャー
5 イメージキャプチャー移動手段
53 第3の移動機構
530 設置台
531 第3のレール
532 第3の移動ブロック
54 第4の移動機構
541 第4のレール
542 第4の移動ブロック
55 第5の移動機構
551 第5のレール
552 第5の移動ブロック

【特許請求の範囲】
【請求項1】
押圧手段を検査しようとする駆動中の液晶パネルの表面にある予定箇所に移動してから、該予定箇所の周辺にあるドット落ちを発現させ得る所定圧力で押圧することができるように構成されていることを特徴とする液晶パネルの欠陥検査装置。
【請求項2】
前記所定圧力は500〜1500g/cmの範囲内にあることを特徴とする請求項1に記載の液晶パネルの欠陥検査装置。
【請求項3】
前記押圧手段の前記所定圧力で押圧している箇所周辺の映像を撮って電子信号として出力することができるように構成されたイメージキャプチャーを更に備えていることを特徴とする請求項1に記載の液晶パネルの欠陥検査装置。
【請求項4】
前記押圧手段には、前記液晶パネルの予定箇所に接触して押圧する押圧部と、前記押圧部を前記予定箇所に押圧したりまたはそこから離間したりするように作動させる作動部と、を有していることを特徴とする請求項3に記載の液晶パネルの欠陥検査装置。
【請求項5】
前記押圧部が前記液晶パネルの表面を押圧する部分は、球面形に形成されていることを特徴とする請求項4に記載の液晶パネルの欠陥検査装置。
【請求項6】
前記液晶パネルを載置する液晶パネル載置面と、前記押圧手段を前記液晶パネル載置面の上方に動かす押圧用移動手段とを更に備えており、
前記押圧用移動手段には、
前記押圧手段を所定のX方向に沿って往復動させることができるように構成されている第1の移動機構と、
該第1の移動機構に取付けられており、且つ、前記押圧手段を前記X方向と直交するY方向に沿って往復動させることができるように構成されている第2の移動機構とを有していることを特徴とする請求項4に記載の液晶パネルの欠陥検査装置。
【請求項7】
前記イメージキャプチャーは、イメージキャプチャー移動手段により、前記押圧手段の前記所定圧力で押圧している箇所に移動されるようになっており、
前記イメージキャプチャー移動手段には、前記イメージキャプチャーを前記Y方向に沿って往復動させることができるように構成されている第3の移動機構と、該第3の移動機構に取付けられており、且つ、前記イメージキャプチャーを前記X方向とY方向との両方とも直交するZ方向に沿って往復動することができるように構成されている第4の移動機構と、該第4の移動機構に取付けられており、且つ、前記イメージキャプチャーを前記X方向に沿って往復動させることができるように構成されている第5の移動機構とを有していることを特徴とする請求項6に記載の液晶パネルの欠陥検査装置。
【請求項8】
前記第1の移動機構は、前記X方向に沿って前記液晶パネル載置面の隣りに延在している第1のレールと、該第1のレール上に往復に駆動されることができるように配置構成されている第1の移動ブロックとを有し、前記第2の移動機構は、前記第1の移動ブロックに取付けられる上、前記Y方向に沿って延伸している第2のレールと、該第2のレール上に往復に駆動されることができるように配置構成されている第2の移動ブロックとを有しており、
前記押圧手段における作動部は、前記第2の移動ブロックに取付けられており、且つ、前記作動部と前記押圧部の間には、前記作動部から前記Y方向に沿って延伸する延伸バーが介在していることを特徴とする請求項6または7に記載の液晶パネルの欠陥検査装置。
【請求項9】
前記イメージキャプチャー移動手段には、前記液晶パネル載置面の前記X方向上の両側にそれぞれ設けられている前、後二つの設置台を更に有し、
前記第3の移動機構は、前記前、後二つの設置台にそれぞれ配置されて前記Y方向に沿って延在している一対の第3のレールと、前記前、後二つの設置台に跨っており、且つ、該一対の第3のレールに案内されて前記Y方向に往復に駆動されることができるように配置構成されている第3の移動ブロックとを有し、
前記第4の移動機構は、前記第3の移動ブロックに取付けられて前記Z方向に沿って延伸している第4のレールと、該第4のレール上に往復に駆動されることができるように配置構成されている第4の移動ブロックとを有し、
前記第5の移動機構は、前記第4の移動ブロックに取付けられて前記X方向に沿って延伸している第5のレールと、該第5のレール上に往復に駆動されることができるように配置構成されている第5の移動ブロックとを有しており、
また、前記イメージキャプチャーは、前記第5の移動ブロックに取付けられていることを特徴とする請求項7に記載の液晶パネルの欠陥検査装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−14696(P2010−14696A)
【公開日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−16737(P2009−16737)
【出願日】平成21年1月28日(2009.1.28)
【出願人】(508211096)由田新技股▲分▼有限公司 (12)
【Fターム(参考)】