説明

液晶パネル基板の除電装置

【課題】交流コロナ放電によりイオンを発生するイオナイザにより液晶パネル基板の除電を行うにあたり、除電効率を向上することにより除電工程における処理能率を向上する。
【解決手段】金属細線からなる放電電極と、この放電電極を覆う導電ケースからなり、該導電ケースの被除電物である液晶パネル基板に面する側が開放しているイオナイザにより液晶パネル基板に対し交流コロナ放電を行い、帯電した液晶パネル基板の除電が可能となるようにした液晶パネルの除電装置において、前記イオナイザを液晶パネル基板の搬送方向と直交するように配置し、直流電流成分を除去した交流高電圧を前記イオナイザの放電電極に印加する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶パネル基板の製造工程において、この液晶パネル基板の表面に帯電した電荷を除去する除電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶パネル基板の様々な製造工程において、この液晶パネル基板の加工処理に伴う帯電が大きな問題となっている。例えば、液晶パネル基板の表面に配向膜を形成するためのラビング処理工程は、絶縁膜を毛ブラシで擦って溝を形成するようにしているため、摩擦による非常に大きな帯電が生じる。そして、このようにして帯電した電荷は、液晶パネル基板の回路を破壊したり、配向異常が生じたり、様々な不具合を招くとされている。
【0003】
このような問題の対策として、回路設計の工夫などがなされているが、完全なものとはならず、帯電した電荷自体を除去する必要がある。そのための除電方法として、フォトイオナイザを用い、このフォトイオナイザが発生する軟X線によって空気をイオン化して正負のイオンを発生させ、そのイオンにより液晶パネル基板の表面に帯電している電荷を除去しようとするものがある(特許文献1参照)。
【0004】
また、針電極によるイオナイザが提案されており、このイオナイザにおける場合は、複数の針電極間で交流コロナ放電を行い、正負のイオンを発生させて液晶パネル基板の表面に帯電した電荷を除去するようにしている(特許文献2参照)。
【0005】
さらに、液晶パネル基板とイオナイザとの間にグリッド電極を配設し、液晶パネル基板の帯電量が大きい場合は、液晶パネル基板とグリッド電極との間の電界が強くなり、多くのイオンが液晶パネル基板に到達し、逆に液晶パネル基板の帯電量が小さい場合は、電界が弱くなり、多くのイオンはグリッド電極からアースへ流れ、グリッド電極を通過するイオンの量を減少するようにし、液晶パネル基板の帯電量に応じてイオンの量を調整するようにしたものがある(特許文献3参照)。
【特許文献1】特開平7−294928号公報
【特許文献2】特開平6−208898号公報
【特許文献3】特許第3522586号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
液晶パネル基板の除電処理において、短時間で高い効率の除電を行うには、多量のイオンを発生させる必要がある。そこで、上記特許文献1に開示された技術では、フォトイオナイザの軟X線のエネルギーにより正負のイオンを得る方式であることから、イオンを多く発生させるためには軟X線のエネルギーを大きくする必要がある。ところが、この軟X線のエネルギーを大きくすると人体への影響も大きくなり、外部との遮蔽あるいは取り扱い管理などに大きなコストが発生してしまうことになる。
【0007】
また、上記特許文献2に開示された針電極によるイオナイザによる場合は、供給電力を大きくすることによってイオンの発生量を増大することができることから、コスト的負担はそれほど大きなものではないが、除電が場所的に不均一になる欠点がある。即ち、このイオナイザの場合、針電極が一列に適当な間隔で配置され、対向する針電極間で交流コロナ放電が生じる仕組みになっている。
【0008】
この交流コロナ放電によるイオンは針電極に近いほど多量であり、針電極から離れるほど少なくなる。このことから、針電極間のピッチよりも針電極から液晶パネル基板までの距離をかなり大きくしないと横方向のイオンの均一性が得られないことになる。しかしながら、針電極から液晶パネル基板までの距離が大きいと、液晶パネル基板付近のイオンが少なくなるとともに、液晶パネル基板に帯電している電荷によるイオンを引き寄せる力が弱くなってしまうという問題がある。
【0009】
かかる問題を解決するため、供給電力を大きくすることも考えられるが、供給電力の大きさに伴ってイオン分布も変化するため、結局針電極から液晶パネル基板までの距離もさらに大きくしないとイオンの不均一が発生してしまうことになる。これを補う方法として、イオンを液晶パネル基板の方向へ流れるような風を送る装置を付設するようにしたものもあるが、イオンの移動時間が遅いため十分な除電効果が得られないのが実状である。
【0010】
さらに、上記特許文献3に開示された技術ではイオン分布を平均化するため、除電に必要なイオンだけを液晶パネル基板に到達させるようにしている。これは、グリッド電極が除電に不要なイオンを液晶パネル基板に到達しないように制御することにより、液晶パネル基板の帯電量に応じてイオン量を調整するようにしたものである。ところが、このグリッド電極の前記作用を効果あるものとするため、スキャン速度を定められた速度以上にすることができず、除電処理の能率を向上することができない問題があった。
【0011】
また、図5に示すように交流コロナ放電の特性は、放電電極に直流電流成分のない交流高電圧を印加しても、マイナスイオンが優勢となり、マイナスの直流電流成分がバイアスされた放電電流が流れる。これは、同図に示すプラスおよびマイナスの印加電圧に対する放電電流特性から判断できる。放電開始以後どの電圧値においても同等の電圧でマイナス放電の方の電流が大きいため、直流電流成分を含まない交流高電圧はプラスもマイナスも相似形に電圧変化するにも拘わらず、前述の交流コロナ放電独特の特性から、流れる電流はマイナスの直流電流成分が含まれた状況となる問題があった。
【0012】
ところで、フラットディスプレイの需要は年々増大する傾向にあり、液晶パネル基板の製造におけるタクトタイムも短くなってきており、そのため、さらに短時間で高い効率の除電が可能となる除電装置が求められている。しかしながら、イオナイザにおける除電能力は、液晶パネル基板に帯電している電荷がイオンを引き寄せる力、即ち、帯電電圧に影響され、これが除電に時間がかかる要因であることが判明し、解決を要する課題となっていた。また、ディスプレイの大型化に伴い液晶パネル基板も大型化し、これを除電するためのイオナイザの放電電極が金属細線である場合、中央部分が弛んで直線性が維持できなかったり、振動の影響を受け易くイオン分布が不均一となる問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0013】
そこで本発明は、以下に述べる各手段により上記課題を解決するようにした。即ち、請求項1記載の発明では、金属細線からなる放電電極と、この放電電極を覆う導電ケースからなり、該導電ケースの被除電物である液晶パネル基板に面する側が開放しているイオナイザにより液晶パネル基板に対し交流コロナ放電を行い、帯電した液晶パネル基板の除電が可能となるようにした液晶パネル基板の除電装置において、前記イオナイザを液晶パネル基板の搬送方向と直交するように配置し、交流高電圧を前記イオナイザの放電電極に印加する。
【0014】
請求項2記載の発明では、上記請求項1記載の液晶パネル基板の除電装置において、交流高電圧がコンデンサを介して印加されるようにすることによって交流コロナ放電の直流成分を除去する。
【0015】
請求項3記載の発明では、上記請求項1記載の液晶パネル基板の除電装置において、交流コロナ放電の直流成分に対応する逆極性の直流成分を交流高電圧にバイアスすることにより交流コロナ電流の直流電流成分を除去する。
【0016】
請求項4記載の発明では、金属細線からなる放電電極と、この放電電極を覆う導電ケースとからなるイオナイザにより液晶パネル基板に対し交流コロナ放電を行い、帯電した液晶パネル基板の除電が可能となるようにした液晶パネル基板の除電装置において、複数の前記イオナイザを液晶パネル基板の横幅方向であって搬送方向に直交するように配置し、直流電流成分を除去した交流高電圧を前記イオナイザの各放電電極に印加する。
【発明の効果】
【0017】
本発明の請求項1記載の液晶パネル基板の除電装置によれば、直流電流成分を除去した交流高電圧をイオナイザの放電電極に印加するようにしたので、プラスおよびマイナスイオンが同等となり、さらに液晶パネル基板に面する側が開放しているため除電に寄与するイオンが大量となり高い除電効果が得られ、除電工程における処理能率を向上することができる。また、イオナイザの放電電極が金属細線であり、この放電電極を導電ケースで覆って放電させているため、放電面積が大きく発生するイオンが多量であるとともに、金属細線に沿う方向の放電が均一となる。
【0018】
本発明の請求項2記載の液晶パネル基板の除電装置によれば、コンデンサのみで直流電流成分の除去が可能となることから、低コストで初期の目的を達成することができる。
【0019】
本発明の請求項3記載の液晶パネル基板の除電装置によれば、交流高電圧に加える直流電圧によるバイアス量によって直流電流成分を除去することが可能であり、帯電の状態に応じて有効な除電を達成することができる。
【0020】
本発明の請求項4記載の発明によれば、複数のイオナイザにより除電装置を構成するようにしたことから、放電電極が長尺化することがないので、弛んだり振動の影響を受けたりすることがなく、交流コロナ放電によるイオン分布を均一にすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態を図にもとづいて詳細に説明する。
【0022】
図1は、本発明の基本的構成の一例を示す図であり、同図においてイオナイザ1は金属細線からなる放電電極2およびこの放電電極2を覆う導電ケース3により構成されている。搬送キャリアCの上に液晶パネル基板Wが載置され、この液晶パネル基板Wの上方に、液晶パネル基板Wの搬送方向Dと直交するようにイオナイザ1が配置されている。前記放電電極2にはコンデンサ5を介して交流高圧電源4の交流高電圧が印加され、このコンデンサ5により直流電流成分が除去された放電が行われる。そして、導電ケース3の開口下を搬送キャリアCに載置された液晶パネル基板Wがイオナイザ1とは直交するように搬送され、イオナイザ1によるスキャンが行われる。
【0023】
図2は、本発明の別構成の一例を示すもので、イオナイザ1の放電電極2には、直流電源6からバイアスされた交流高電圧が印加され、直流電流成分が除去された放電が行われることのみが、図1に示した構成と異なっている。そして、導電ケース3の開口下を搬送キャリアCに載置された液晶パネル基板Wが搬送され、イオナイザ1によるスキャンが行われる。
【0024】
図3は、本発明のイオナイザ1の性能を検証するための実験結果を示すもので、実験装置Aは液晶パネル基板とイオナイザとの間にグリッド電極を配設せず、放電電極に交流高電圧を直接印加する構成であり、実験装置Bは液晶パネル基板とイオナイザとの間にグリッド電極を配設し、放電電極に交流高電圧を直接印加する構成である。また、実験装置Cは本発明の図1の構成によるもので、液晶パネル基板Wとイオナイザ1との間にグリッド電極を配設せず、コンデンサ5を介して交流高圧電源4の交流高電圧を印加するようにしたものである。また、実験装置Dは図2の構成によるもので、液晶パネル基板Wとイオナイザ1との間にグリッド電極を配置せず、直流電源6によりバイアスされた交流高電圧を印加するようにしたものである。
【0025】
なお、実験における全ての装置に交流高圧電源4から印加する交流高電圧は同じで、実効値5KV、500Hzの正弦波である。また、各プレート電流は、イオナイザ1の下の液晶パネル基板Wに相当する位置に導電プレートを置いて、これに流れる交流電流と直流電流成分を計測したものであり、交流総合放電電流は、放電電極2から導電ケース3およびプレートに流れる電流を足した総合交流電流を計測したものである。これらの電流を計測することによって、各実験装置の基本的な特性を知ることができる。
【0026】
また、「帯電(V)」の項は除電されている膜厚50μmのポリエステルフィルムを張り付け、それぞれの装置で帯電させた時の帯電電位を計測したものである。これは各装置で発生した放電電流がどのような帯電を引き起こすかを計測するものである。
【0027】
実験1および実験2の項も同様に膜厚50μmのポリエステルフィルムをプレートに張り付け、更にそれぞれ前もって−1000Vに帯電しておき、プレートを実験1では遅いスキャン速度である50mm/secでスキャンし、実験2では速いスキャン速度である100mm/secのスピードでスキャンし、実験装置A〜Dで除電した後の帯電電位を計測したものである。液晶パネル基板はガラス基板の上に半導体層や配向膜、電極等が構成されたものであり、メーカーによって材質が異なるため、帯電体としてどのような容量を持つかは一義的に決められないが、それらを想定して膜厚50μmのポリエステルフィルムで代用とした。この計測によって、各実験装置の実質的な除電能力を測定することができる。
【0028】
実験装置Aによる結果では、プレート直流電流が−2.0μA流れており、交流電流のプラス成分よりもマイナス成分が多いことを示している。その結果、ポリエステルフィルムには−60V〜−70Vの帯電電位を生じ、実験1および実験2では−250v〜−300Vの帯電電位となって、放電電極に交流高電圧を直接印加した場合にはマイナス電荷を引き起こすことが示されている。
【0029】
実験装置Bによる結果では、プレート直流電流が0.0μAであり、交流電流のプラス成分とマイナス成分のバランスがとれていることを示している。しかし、交流総合放電電流は190μAあり、他の実験装置の結果と比較して大きいにも関わらず、プレートに流れる交流電流は5.0μAであり、他の実験装置の結果と比較して半分以下の電流しか流れていない。これはグリッドに放電電流が流れ、交流総合放電電流は多くなるが、グリッド遮蔽となってプレート側に流れる電流は制限されるからである。その結果、実験1の遅いスキャン速度での除電後の帯電電位は−20V〜−40Vとなって除電効果はあるものの、実験2の速いスキャン速度では−190V〜−200Vとなって、除電が追いつかないことを示している。
【0030】
実験装置Cによる結果では、プレート直流電流が0.0μAであり、交流電流のプラス成分とマイナス成分のバランスがとれているにも関わらず、交流総合放電電流は160μA、プレート電流は19.0μAであって実験装置Aとほぼ変わらない電流値となっている。その結果、帯電電位は、実験1の遅いスキャン速度では+20V〜+30V、実験2の速いスキャン速度でも−30V〜−40Vとなった。つまり、除伝装置Cでは、960V〜970Vの除電であるので実験装置Cは96〜97%の除電能力を示している。実験1の遅いスキャン速度でプラス側にシフトしている原因は、恐らく使用するコンデンサの特性によるものと考えられるが、それによる影響は小さく、コンデンサの種類、性能を限定する必要はない。
【0031】
実験装置Dによる結果でもプレート直流電流が0.0μAであり、交流電流のプラス成分とマイナス成分のバランスがとれており、交流総合放電電流およびプレート交流電流共にほぼ実験装置Cと同等の値を示している。その結果、帯電電位は、実験1の遅いスキャン速度では−30V〜−40V、実験2の速いスキャン速度でも−50V〜−70Vとなった。つまり、実験装置Dでは930〜950Vの除電であるので、実験装置Dは93〜95%の除電能力を示している。
【0032】
以上の実験結果から明らかなように、液晶パネル基板Wに面する側が開放されたイオナイザにおいて、実験装置Aのように単なる交流高電圧による放電を行った場合は、マイナスの高い帯電となってしまい、実験装置Bのようにグリッドによって制限を加えると電力が大きくなる割に除電効果が低くなることを示している。そして、実験装置Cや実験装置Dのように、液晶パネル基板Wに面する側が開放されたイオナイザで、コンデンサや直流電圧バイアスによって交流放電電流の直流電流成分を除去することにより除電能力と効率が良いことが示され、本発明の機能が有効に作用していることを示す結果となった。
【0033】
なお、実験では1本の金属細線による放電電極により行ったが、さらに高速スキャンが求められる場合などには一つの導電ケースの中に複数本の放電電極を適正な間隔で配設することも可能であり、また、複数本のイオナイザを並列に配置する方法も可能である。
【0034】
また、大型の液晶パネル基板(例えば、幅2500mm以上)を対象として除電を行う場合に、1本の長尺のイオナイザで構成することは、金属細線の張力の限界もあり、弛みや振動などの影響を受け、安定性を保つことは甚だ困難である。そこで本発明では、図4に示すように複数のイオナイザ1A〜1Eを採用し、かかる問題を解決するようにした。
【0035】
即ち、図1に示したイオナイザ1における場合と同様に機能する放電電極2A〜2Eを備えた5基のイオナイザ1A〜1Eを、液晶パネル基板Wの搬送方向Dと直交するようにして横幅方向に配列し、互いに隣接する部分に非放電部分が生じないように配置している。前記放電電極2Aにはコンデンサ5Aを介して交流高電圧4Aが印加され、放電電極2Bにはコンデンサ5Bを介して、放電電極2Cにはコンデンサ5Cを介して交流高電圧4Bが印加される。また、放電電極2Dにはコンデンサ5Dを介して、放電電極5Eにはコンデンサ5Eを介して交流高電圧4Cが印加される。
【0036】
このように、分割してイオナイザを短くすることにより放電電極細線の弛みを抑え、振動に対する耐性を向上することができ、イオナイザの製作においても安定した組み付けが可能となる。これにより、大型の液晶パネル基板を対象とする場合においても、本発明の構成によってコロナ放電のイオン分布が均一となり、安定した除電を行うことができる。なお、本発明の他の実施例として、図2に示した直流電源6を3個用いて、それぞれの直流電源を図5の交流高電圧4A〜4Cとそれぞれ直列接続した構成としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の除電装置の構成の概要を示す図である。
【図2】本発明の除電装置の他の構成の例を示す図である。
【図3】本発明の除電装置の検証実験の結果を示す図である。
【図4】本発明の除電装置のさらに他の構成の例を示す図である。
【図5】交流コロナ放電の特性を説明する図である。
【符号の説明】
【0038】
1・・・・・・・イオナイザ
1A〜1E・・・イオナイザ
2・・・・・・・放電電極
2A〜2E・・・放電電極
3・・・・・・・導電ケース
4・・・・・・・交流高電圧
4A〜4C・・・交流高電圧
5・・・・・・・コンデンサ
5C〜5E・・・コンデンサ
6・・・・・・・直流電源
C・・・・・・・搬送キャリア
D・・・・・・・液晶パネル基板の搬送方向
W・・・・・・・液晶パネル基板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属細線からなる放電電極と、この放電電極を覆う導電ケースからなり、該導電ケースの被除電物である液晶パネル基板に面する側が開放しているイオナイザにより液晶パネル基板に対し交流コロナ放電を行い、帯電した液晶パネル基板の除電が可能となるようにした液晶パネルの除電装置において、
前記イオナイザを液晶パネル基板の搬送方向と直交するように配置し、直流電流成分を除去した交流高電圧を前記イオナイザの放電電極に印加するようにしたことを特徴とする液晶パネル基板の除電装置。
【請求項2】
前記交流高電圧がコンデンサを介して印加されるようにすることによって交流コロナ電流の直流電流成分を除去するようにしたことを特徴とする請求項1記載の液晶パネル基板の除電装置。
【請求項3】
交流コロナ電流の直流成分に対応する逆極性の直流電流成分を交流高電圧にバイアスすることにより交流コロナ電流の直流電流成分を除去するようにしたことを特徴とする請求項1記載の液晶パネル基板の除電装置。
【請求項4】
金属細線からなる放電電極と、この放電電極を覆う導電ケースとからなるイオナイザにより液晶パネル基板に対し交流コロナ放電を行い、帯電した液晶パネル基板の除電が可能となるようにした液晶パネル基板の除電装置において、
複数の前記イオナイザを液晶パネル基板の横幅方向であって搬送方向に直交するように配置し、交流高電圧を前記イオナイザの各放電電極に印加するようにしたことを特徴とする液晶パネル基板の除電装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−300990(P2009−300990A)
【公開日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−193751(P2008−193751)
【出願日】平成20年7月28日(2008.7.28)
【出願人】(399041561)常陽工学株式会社 (36)
【Fターム(参考)】