説明

液晶ラベルおよび液晶ラベル連続体ならびにそれらの製造方法

【課題】しなやかで、被貼着体の面に沿って貼着し易く、比較的低コストで製造することができ、偽造防止用ラベルとして用いることが可能な、液晶ラベルおよび液晶ラベル連続体ならびにそれらの製造方法を提供する。
【解決手段】液晶ラベル10は、透明または半透明性を有する基材12と、基材12の裏面側に形成されたコレステリック相からなる液晶組成物を含有する液晶層14と、前記基材12の裏面側の表面に形成された接着剤層18とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、液晶ラベルおよび液晶ラベル連続体ならびにそれらの製造方法に関し、特にたとえば、偽造を防止することができるラベルとして用いて好適な液晶ラベル、液晶ラベル連続体およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ラベルの記録層は、感熱記録、感熱発色、印刷等で形成されているために、比較的容易にラベルの偽物を作り易く、偽物と本物との違いは、見た目には分かりにくい構造を備えている。また、紫外線や赤外線等を照射すると発光する材料を用いたラベルは、紫外線や赤外線を照射することによってはじめて、ラベルが偽物と分かるものであって、目視のみでは、真正性の判別が難しかった。
そこで、特開2002−205471号公報に開示された、真正性識別性ラベルのような、真正性の識別できるラベルが提案されている。
【0003】
【特許文献1】特開2002−205471号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この従来の真正性識別性ラベルは、従来ラベルの表示材料としては殆ど用いられていないコレステリック液晶顔料を含有する表示材料を用いるために、これら材料に対する知識がないと、その材料の機能を発揮させ得ないために、偽造防止用ラベルとしては、その偽造が困難なゆえに、適するものとなる。
しかしながら、発明の目的を実現するのが難しい構成であるがゆえに、ラベルのコストも高くなり、たとえば、単価の低い部品の偽造防止用ラベルとして用いるには適さないし、また柔軟性に乏しい。すなわち、液晶層等の層の上に、その層が未だ粘着性を失わないうちに、直径が10〜100μm、好ましくは50μm以下の微小球状体透明ビーズ、好ましくはガラス製の(硬い)ビーズを均一に、好ましくは2層以上重ならないように、1層に形成しなければならないという制御の困難な操作を伴うので、製造の再現性に問題があり、歩留まりが低くならざるを得ず、製造コストが高騰し、柔軟性も不十分である。
したがって、微小ビーズを整列させる操作や、液晶層に粘着性をもたせた状態で他の層を積層するような操作を採用しないものの方が、同じ性能のラベルを再現性高く、歩留まりよく、比較的低コストで製造することができ、かつ、見る方向を変えてラベルを観察するだけで、汎用のラベルとの違いを直ちに識別できる、偽造防止用ラベルを製造し易い。
【0005】
それゆえに、この発明の主たる目的は、しなやかで、被貼着体の面に沿って貼着し易く、比較的低コストで製造することができ、偽造防止用ラベルとして用いることが可能な、液晶ラベル、液晶ラベル連続体およびその製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明にかかる請求項1に記載の液晶ラベルは、透明または半透明性を有する基材と、前記基材の裏面側に形成されたコレステリック相からなる液晶組成物を含有する液晶層と、前記基材の裏面側の表面に形成された接着剤層とを含み、前記接着剤層を介して被貼着体に貼着される液晶ラベルであって、前記基材および前記液晶層間の接着強度は、他の層間の接着強度より弱く、かつ、前記液晶層および前記接着剤層の各層の凝集破壊強度より弱く構成され、前記被貼着体に貼着された液晶ラベルを剥離した場合に、前記基材および前記液晶層間で剥離するようにした、液晶ラベルである。
【0007】
この発明にかかる請求項2に記載の液晶ラベル連続体は、透明または半透明性を有し、その表面は剥離性を備えた基材と、前記基材の裏面側に形成されたコレステリック相からなる液晶組成物を含有する液晶層と、前記基材の裏面側の表面に形成された接着剤層とを含み、前記接着剤層を介して被貼着体に貼着される液晶ラベルが複数連続して前記基材の表面を外側とし前記接着剤層を内側として巻回される液晶ラベル連続体であって、前記基材および前記液晶層間の接着強度は、他の層間の接着強度より弱く、かつ、前記液晶層および前記接着剤層の各層の凝集破壊強度より弱く構成され、前記被貼着体に貼着された液晶ラベルを剥離した場合に、前記基材および前記液晶層間で剥離するようにした、液晶ラベル連続体である。
【0008】
この発明にかかる請求項3に記載の液晶ラベル連続体は、透明または半透明性を有する基材と、前記基材の裏面側に形成されたコレステリック相からなる液晶組成物を含有する液晶層と、前記基材の裏面側の表面に形成された接着剤層とを含み、前記接着剤層を介して被貼着体に貼着される液晶ラベルが複数連続して前記接着剤層の前記液晶層側とは反対側の面においてセパレータに仮着される液晶ラベル連続体であって、前記基材および前記液晶層間の接着強度は、他の層間の接着強度より弱く、かつ、前記液晶層および前記接着剤層の各層の凝集破壊強度より弱く構成され、前記被貼着体に貼着された液晶ラベルを剥離した場合に、前記基材および前記液晶層間で剥離するようにした、液晶ラベル連続体である。
【0009】
この発明にかかる請求項4に記載の液晶ラベルまたは液晶ラベル連続体の製造方法は、請求項1、2または3に記載された液晶ラベルまたは液晶ラベル連続体の製造方法であって、透明または半透明性を有する前記基材の裏面側に、液晶層形成用塗液を部分的に塗工し、塗工物をコレステリック相を形成し得る温度まで加熱してコレステリック相を形成し、そして紫外線照射によってUV架橋してコレステリック相を固定することにより、コレステリック相からなる液晶組成物を含有する液晶層を形成するステップを含む、液晶ラベルまたは液晶ラベル連続体の製造方法である。
【0010】
この発明にかかる請求項5に記載の液晶ラベルまたは液晶ラベル連続体の製造方法は、請求項3に記載された液晶ラベル連続体の製造方法であって、透明または半透明性を有する前記基材の裏面側に、液晶層形成用塗液を部分的に塗工し、塗工物をコレステリック相を形成し得る温度まで加熱してコレステリック相を形成し、そして紫外線照射によってUV架橋してコレステリック相を固定することにより、コレステリック相からなる液晶組成物を含有する液晶層を形成するステップと、前記液晶層を有する前記基材の裏面側と別途セパレータに設けられた接着剤層とを対向させて前記液晶層を有する前記基材と前記セパレータとを積層することにより、接着剤層が前記セパレータに仮着した状態で前記液晶層を有する前記基材の裏面側に形成されるように、接着剤層を形成するステップとを含む、液晶ラベル連続体の製造方法である。
【発明の効果】
【0011】
この発明によれば、しなやかで、被貼着体の面に沿って貼着し易く、比較的低コストで製造することができ、偽造防止用ラベルとして用いることが可能な、液晶ラベル、液晶ラベル連続体およびその製造方法を提供することができる。
【0012】
この発明の上述の目的、その他の目的、特徴および利点は、図面を参照して行う以下の発明の実施の形態の詳細な説明から一層明らかとなろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
図1は、この発明の一実施の形態である液晶ラベルの断面図解図である。
この液晶ラベル10は、透明または半透明性を有するポリエステルフィルム等のような合成樹脂製シートまたはフィルムからなる基材12と、基材12の裏面側に形成されたコレステリック液晶が固定されてなる液晶層14と、前記液晶層14の基材12とは反対側の面に形成され、前記液晶層14の光輝性を際立たされるために形成された背景層16と、前記背景層16の液晶層14側とは反対側の面に形成された粘着剤などを塗布してなる接着剤層18とからなる。
【0014】
基材12は、透明性のPETなどのプラスチックフィルム,シートなどを用いることが適するが、特に液晶層14を形成する側の基材12の面(すなわち、基材12の表面)は、透明性を増し、また、この液晶ラベル10を被貼着体より剥がそうとしたとき、液晶層14との間において層間剥離し易いようにするために、平滑性に優れていることが望ましい。さらに、基材12と液晶層14の間において層間剥離し易くするために、液晶層を形成する表面側は表面処理がなされていないことが望ましい。ときには、液晶層14を構成する液晶分子の配向を助長するため、液晶層14を形成する基材12表面に、基材12の長手方向に微細な線状痕を形成してもよい。
【0015】
液晶層14を構成する液晶組成物としては、コレステリック液晶が選択され、コレステリック液晶は、螺旋構造のコレステリック相あるいはキラルネマチック相(図2参照)を示す化合物を塗工してなる。
コレステリック相あるいはキラルネマチック相を示す化合物としては、コレステリルノナノエート、コレステリルミリステート等のほか、表1に示すようなものがある。
【0016】
【表1】

【0017】
(表1の注)表1の相転移温度の欄において、Cは結晶性固体、Sはスメクチック相、ScはキラルスメクチックC相、Chはコレステリック相、Nはキラルネマチック相、Iは等方性液体を表す。
【0018】
また、表2に示す単独でネマチック相を示す化合物に、表3に示すキラル化合物を加えてもキラルネマチック相を形成する(以下、コレステリック相、キラルネマチック相の区別をせずに、コレステリック相と総称する)。
【0019】
【表2】

【0020】
(表2の注)表2の相転移温度の柵において、Cは結晶性固体、Nはネマチック相、Iは等方性液体を表す。
【0021】
【表3】

【0022】
(表3の注)ネマチック相を示す液晶にキラル分子を添加すると、キラルネマチック相(N)が得られる。この場合、その混合液晶のピッチの逆数1/pは、キラル分子のモル濃度xが小さい領域では、xBに比例する。それゆえ、1/pxのことを、キラルのねじり力という。
【0023】
この発明にかかる液晶層14は、コレステリック相が固定されたものであり、その固定の方法としては、たとえば、液晶分子の両末端にアクリル基を有さしめ、これを基材12に塗工し、この塗工物をコレステリック相を形成し得る温度まで加熱し、コレステリック相を形成し、紫外線照射をすることにより、UV架橋してコレステリック相を固定する。
そのため、温度等、環境が変化しても、コレステリック相は安定して存在する。
あるいは、液晶分子と一般的に用いられるバインダーの混合物を塗工し、コレステリック相を形成し得る温度に加熱し、コレステリック相を形成し、乾燥し、バインダーでコレステリック相を固定してもよい。
【0024】
液晶層形成用塗液は、溶剤系でも非溶剤系でもよい。
溶剤系では、溶剤としてMEK,MIBK等のケトン類、トルエン、酢酸エチル等が好ましい。また、固形分濃度は、特に制限はないが、25〜67%が好ましい。25%を下回ると、画線を鮮明に形成できなくなるおそれがあり、乾燥に要する時間が長くなる。67%を超えると塗液を加熱しないと固体が析出するおそれがある。特に好ましい濃度範囲は、50〜65%である。塗液からの溶剤の蒸発等による固体の析出のおそれをなくすために、塗液を加熱しながら塗工することも行われる。
非溶剤系では、塗工組成物をコレステリック相を形成する最低温度以上、好ましくはコレステリック相を形成する温度領域の温度に加熱しながら塗工を行う。
溶剤系でも、非溶剤系でも、塗工物に形成されているコレステリック相の固定を行うため、コレステリック相を形成する温度範囲に液晶層形成用塗工物を保ったまま、架橋等を行う。これによって、コレステリック相は、温度環境等が変わっても、たとえば常温においても安定的に維持される。
【0025】
コレステリック相からなる液晶層14は、光輝性を示し、見る方向によって連続的に色調が変化する。たとえば、上から垂直に見たときにはグリーンに見え、水平に近い方向に見たときにはブルーに見えるといった如くである。
このコレステリック相を示す液晶層14は、広いスペクトル領域で入射する光の一部の波長領域のみが反射し、これ以外の領域の波長は、すべて透過するという特徴を有する。
【0026】
この液晶層14は、基材12の裏面に全面にわたって形成されるのではなく、文字、絵等からなる画線が、液晶層14を形成する液晶層形成用塗液を塗工して凸文字や抜き文字が形成されることによって、画線を構成するように形成されている。
なお、螺旋のピッチP(図2図示)が大きくなると、長波長側の色が現われ、螺旋のピッチPが小さくなると、短波長側の色が現われる。このピッチを変えるには、キラル化合物を添加した系においては、キラル化合物の添加量を変更すればよい。
【0027】
背景層16は、墨インキや赤、青等の着色インキ等を印刷・塗工することによって形成される。背景層16は、液晶層14の光輝性を際立たせるために形成されたもので、液晶層14を覆うように基材12の裏面全面にわたって形成されている。特に、背景層16としては、墨インキ等で形成された黒色が、液晶層14の光輝性を際立たせるために優れている。
また、背景層16の色彩によって、液晶層14の目視での色調が変化するので、背景層16を形成するインキの組成や色が重要である。たとえば、背景層16の色が黒のときは、液晶層14を目視すると、グリーンからブルーの光輝性を示すのに対し、背景層16が赤のときは、液晶層14を目視すると、オレンジから紫の光輝性を示し、また、背景層16が白に近い着色のときには、液晶層14は、乳白色またはパール調を示す。
したがって、背景層16を形成する色を2以上に区分けして形成すると、液晶層14を目視したとき、背景層16の色彩の変化に対応した彩り鮮やかな液晶ラベルとなる。
【0028】
接着剤層18は、アクリル系、ゴム系等の一般的な粘着剤が塗布されて形成されている。
【0029】
接着剤層18の表面には、紙等の表面にシリコーン等の剥離剤が塗工されてなるセパレータ20が仮着されている。
被貼着体に貼り付けられた液晶ラベル10を被貼着体から剥がそうとしたとき、液晶ラベル10が破壊して偽物のラベルに貼り替えられないようにするために、たとえば、次のような構成としてもよい。
基材12と液晶層14の接着強度を、他の層間の接着強度、すなわち図1の場合は液晶層14と背景層16間および背景層16と接着剤層18間の接着強度、および各層の凝集破壊強度より弱く構成する。その方法としては、たとえば、液晶層形成用塗液にバインダーを全く用いずまたはバインダーの量を抑制して、基材12と液晶層14との接着強度を調整する方法がある。
また、背景層16および/または液晶層14の凝集破壊強度を、他の層の凝集破壊強度および各層間の接着強度より弱く構成してもよい。
このようにすれば、基材12と液晶層14との間で層間剥離をしたり、背景層16および/または液晶層14において、凝集破壊し、液晶ラベル10を被貼着体から剥がそうとしたとき、液晶ラベル10が破壊して、他の偽物の品物にラベルを貼り替え、偽物を真正品と見せかけることができなくなる。
【実施例1】
【0030】
基材として、特に表面処理が施されていない、幅160mm、厚さ50μmのPETフィルム(株式会社東洋紡製E−5000)を準備し、別途、基材の裏面に塗工されて液晶層を構成する塗液を準備する。
液晶層形成用塗液としては、次の混合塗液を用いる。
両末端にアクリル基を有するネマチック液晶(BASF社のPaliocolor LC242)・・・55.3重量%
キラル化合物(BASF社のPaliocolor LC756)・・・2.9重量%
紫外線重合開始剤(チバスペシャリティ−ケミカルズ社のIrgacure 369)・・・1.8重量%
溶媒としてのメチルエチルケトン(MEK)・・・40.0重量%
この液晶形成用塗液をもって、グラビア版により、乾燥後の厚さが3μmとなるように、絵柄を含めて、凸文字、抜き文字の画線を形成するように塗工して、乾燥ゾーン(110〜120℃)を15秒間通過させて乾燥させ、コレステリック相を形成する。その後直ちに、紫外線照射をして、紫外線UV硬化を行い、コレステリック相を固定する。ネマチック液晶を形成する温度は、59℃以上120〜124℃以下である。
これによって、基材上に、安定的なコレステリック相からなる液晶層を形成する(液晶層を形成するステップ)。
次に、背景層を形成するための墨インキ塗液(東洋インキ製造株式会社製PANN ECO)を準備し、この墨インキ塗液を基材の裏面に、液晶層を覆うように、グラビア版により乾燥後の平均厚さ3μmとなるよう塗工する。その後、乾燥ゾーン(70〜80℃)を3秒間通過させて、墨インキ塗液を乾燥する。
而して、液晶層を覆う背景層が基材の裏面に形成される(背景層を形成するステップ)。
【0031】
次に、紙の表面にシリコーン等の剥離剤が塗工されたセパレータの表面に、粘着剤が塗工されたものを別途準備し、前記基材の裏面に形成された背景層側の裏面とセパレータの表面に形成された接着剤層の表面とを対向させ、両者を積層ローラ間を通過させることにより積層する(接着剤層を形成するステップ)。
【0032】
さらに、前記基材、液晶層および背景層からなる積層体と接着剤層およびセパレータの積層体とを積層した積層体を適宜な大きさのラベル(20×70mm)に成形するために、基材の表面側よりセパレータの接着剤層側表面に至るようにダイカットを施す。このように、所定のラベル形状を成形した後、ラベル以外の不要なカス部分をセパレータ表面より取り除くカス上げを行う。
なお、このラベルは、図3に示すように、セパレータの幅方向に一定の間隔(6mm間隔)をおいて、6列形成され、各列のラベルは、セパレータの長手方向に一定の間隔(3mm間隔)をおいて配列して設けられている。そこで、幅方向において6列に並列されたラベル間において、等間隔にセパレータをスリットし、セパレータを6本に分断して、それぞれのセパレータの表面にラベルが所定の間隔をおいて、連続して配列されたラベル連続体を作成した。
なお、このラベルの形状やラベル間の間隔は、適宜変更してもよい。
【0033】
この実施例の液晶ラベルは、基材側から見ると、見る方向によって、緑ないし青紫に変化する鮮やかな光輝性を示した。
また、この実施例においては、液晶層を構成する液晶層形成用塗液に、バインダーを全く用いずに液晶層を形成しているので、基材と液晶層の界面の接着強度が、他の層間の接着強度や各層の凝集破壊強度より弱くなっているために、被貼着体(ポリプロピレンからなる)に貼り付けし、被貼着体に貼り付けられた液晶ラベルを破壊することなく剥がそうと試みたが、基材と液晶層との間で剥離し、ラベルを被貼着体から破壊することなく剥がすことはできなかった。
なお、この実施例においては、液晶層形成用塗液にバインダーを用いなかったが、バインダーの量を少量加えても、その量を抑制することによって、前記したように、基材と液晶層の界面の接着強度を他の層間の界面の接着強度や各層の凝集破壊強度より弱く設計することができる。
また、この実施例において、液晶層が基材の裏面全面に形成されてもよい。このように液晶層を基材の裏面全面に形成すれば、全面がほぼ一様な光輝性を示す画線のない液晶ラベルが得られる。
【0034】
図4は、この発明の液晶ラベルの別の実施の形態である断面図解図である。
この液晶ラベル110は、透明または半透明性を有する基材112と、前記基材112の裏面側に形成された液晶層114と、前記液晶層114の基材112とは反対側の面に形成された背景層116と、前記背景層116の液晶層114側とは反対側の裏面に形成された接着剤層118と、前記基材112の裏面において部分的に形成された隠蔽層122とからなる。
【0035】
接着剤層118の表面には、紙等の表面にシリコーン等の剥離剤が塗工されてなるセパレータ120が仮着されている。
【0036】
この実施の形態の液晶ラベル110は、前記実施の形態の液晶ラベル10と、ほぼ同様の構成を有するが、隠蔽層122が設けられてあり、この隠蔽層122は、背景層116を形成するインキと同様のインキによって形成されている。隠蔽層122は、隠蔽性を備え、基材112から見ても、液晶層114を透視し得ることができないようなものであれば、半透明でもよい。
【0037】
コレステリック相からなる液晶層114を形成するためには、コレステリック相を形成する温度範囲に加熱する必要があり、液晶層114を形成する際の温度がそれより高い温度でも低い温度でもコレステリック相を形成しない。塗工後の液晶層形成用塗膜を一旦コレステリック相を形成する温度領域よりも高い温度、すなわち液体化温度に加熱した後コレステリック相を形成する温度領域に温度を下げた場合、光輝性が低下するおそれがあり、また、画線の鮮明性も劣化するおそれがあるので、塗工後の乾燥は、液体化温度まで加熱しないことが好ましい。かつ、コレステリック相を形成する温度領域にあっては、できる限り高い温度にすると光輝性等において有利である。これは、コレステリック相の配向(形成)がすみやかに確実に行われることによると想像される。
コレステリック相を形成した後は、コレステリック相をそのまま安定的に維持するため、コレステリック相形成温度領域の温度において架橋を行う等により、コレステリック相を固定する必要がある。
【0038】
したがって、このような制限のない墨インキや、赤色、青色等の隠蔽性のあるインキで画線を形成する隠蔽層122を形成し、隠蔽層122と背景層116との間に液晶層114を全面に形成する構成とする方が、前記実施の形態の液晶ラベル10より、工程は1工程増加するが画線をより鮮明に形成し易い。
【0039】
また、液晶層を全面に形成してあるこの実施の形態においては、たとえばスムージングバーのようなもので基材112上に塗工された液晶層形成塗工物の表面を掻いて、塗工物にシェアをかける等により、より確実に配向したコレステリック相の形成を促進するコレステリック相形成促進化処理を行うこともできるという特徴も有する。
【0040】
また、基材112は、その厚さや材質について特に制限はないが、あまり薄くなると、液晶層形成用塗液や背景層形成用塗液等が塗工しにくくなり、基材112にシワ等が入り、変形し易くなるので、25μm程度以上の厚さが、より好ましく、また、逆にあまり厚くなると、ゴワゴワとし、小さな部品等のように曲面等を備えたものの表面に貼着する場合、貼着しにくくなるので、150μm程度以下が、より好ましい。
【0041】
また、背景層116および隠蔽層122は、それぞれ隠蔽効果が出る厚み以上であればよく、たとえば、1μm以上が好ましく、さらには、2〜5μm程度が、より好ましい。
【0042】
液晶層114は、光輝性が目視できる厚さ以上であればよく、2〜5μm程度が、より好ましく、1μmを下回ると、その濃度が薄くなるおそれがあるので、あまり好ましくはない。
【0043】
望ましくは、この液晶ラベル110を被貼着体から剥がそうとしたとき、基材112が液晶層114等から剥離したり、液晶層114等が凝集破壊する等、液晶ラベル110が破壊するように構成するとよい。
すなわち、被貼着体に貼られているラベルを剥がして、他の偽物の被貼着体に貼り付けすることを防止するように、液晶ラベル110を剥がそうとすると、液晶ラベル110が破壊するような構成とする。そのために、たとえば、次のような構成としてもよい。
基材112と液晶層114の接着強度を、他の層間の接着強度および各層の凝集破壊強度より弱く構成する。その方法としては、たとえば、液晶層形成用塗液にバインダーを全く用いずまたはバインダーの量を抑制して、基材112と液晶層114との接着強度を調整する方法がある。
【0044】
また、背景層116および/または液晶層114の凝集破壊強度を、他の層の凝集破壊強度および各層間の接着強度より弱く構成してもよい。
このようにすれば、基材112と液晶層114との間で層間剥離をしたり、背景層116および/または液晶層114において、凝集破壊し、液晶ラベル110を被貼着体から剥がそうとしたとき、液晶ラベル110が破壊して、他の偽物の物品にラベルを貼り替えることができなくなる。
【0045】
このように、この液晶ラベル110は、液晶層114の裏面に、背景層116が形成されることにより、通常の印刷技術や複写技術では真正に近いラベルを作製し得ず、また、高度の印刷技術を有していたとしても、液晶、特にコレステリック相からなる液晶に関する知識がないと、コレステリック相が高度に配向した安定した液晶層が得られないので、ラベルを偽造することが極めて難しくなり、かつ、ラベルを貼り替えようとすると、ラベルが破壊するために、ラベルを偽物に貼り替え、偽物の被貼着体を本物に見せかけることも難しくなる。
【実施例2】
【0046】
基材として、特に表面処理が施されていない、幅160mm、厚さ50μmのPETフィルム(株式会社東洋紡製E−5000)を準備し、次に隠蔽層を形成するための墨インキ塗液(東洋インキ製造株式会社製PANN ECO)を準備する。
そして、基材上に、墨インキ塗液を、グラビア版により、乾燥後の厚さ2.5μmとなるように塗工し、凸文字と抜き文字を設けて、隠蔽層を形成する(隠蔽層を形成するステップ)。
別途、基材の裏面に塗工されて液晶層を構成する塗液を準備する。
液晶層形成用塗液としては、次の混合塗液を用いる。
両末端にアクリル基を有するネマチック液晶(BASF社のPaliocolor LC242)・・・55.3重量%
キラル化合物(BASF社のPaliocolor LC756)・・・2.9重量%
紫外線重合開始剤(チバスペシャリティ−ケミカルズ社のIrgacure 369)・・・1.8重量%
溶媒としてのメチルエチルケトン(MEK)・・・40.0重量%
次いで、隠蔽層を覆うように、基材裏面の全面にわたって、グラビア版により液晶層形成用塗液を塗工して、塗工後の平均厚さ3μmとなる液晶層を形成する。これ以外、すなわち、背景層を形成するステップおよび接着剤層を形成するステップは、前記実施例1と同様にして液晶ラベルを作成した。
その結果得られた液晶ラベルは、実施例1と同様な効果を奏した。
【0047】
図5は、この発明のさらに別の実施の形態である液晶ラベルの断面図解図である。
図5に示す液晶ラベル210は、上述の液晶ラベル10、110と同様に、透明または半透明性を有する基材212と、基材212の裏面側に形成された液晶層214と、液晶層214の基材212とは反対側の面に形成された背景層216と、背景層216の液晶層214側とは反対側の裏面に形成された接着剤層218とからなり、接着剤層218の表面にはセパレータ220が仮着されている。
そのため、この液晶ラベル210は、上述の液晶ラベル10、110が奏する効果と同様の効果を奏する。
【0048】
また、この液晶ラベル210では、液晶層214は、基材212の裏面側において、たとえばリング状の部分を除いた部分に形成される。
さらに、この液晶ラベル210では、背景層216は、基材212の裏面側に液晶層214を覆うようにして形成される。この背景層216は、主部分216aと画線部分216bおよび216cとからなる。
背景層216の画線部分216bは、液晶層214において基材212とは反対側の面に直線状に形成される。また、背景層216の画線部分216cは、液晶層214において基材212とは反対側の面と基材212の裏面とにわたって直線状に形成される。さらに、背景層216の主部分216aは、基材212の裏面側において、液晶層214と画線部分216bおよび216cとを覆うようにして形成される。
また、背景層216は、主部分216aの赤外線の吸収率に対して画線部分216bおよび216cの赤外線の吸収率が大きくなるように形成される。
さらに、この背景層216は、主部分216aと画線部分216bおよび216cとの可視域での色差Eabが小さく、可視光下で主部分216aと画線部分216bおよび216cとが区別しにくく、画線部分216bおよび216cが可視光下で識別されないように構成される。
【0049】
この背景層216の主部分216aの材料としては、たとえばノンカーボンインキが使用される。ノンカーボンインキとしては、たとえばUV硬化型の次のインキが使用される。
T&K TOKA社のUV KST SL FL 耐性墨
また、この背景層216の画線部分216bおよび216cの材料としては、たとえばカーボンブラック入りインキが使用される。カーボンブラックインキとしては、たとえばUV硬化型の次のインキが使用される。
T&K TOKA社のNo.5 BF 墨 OS
【0050】
なお、上述のように背景層216の画線部分216bおよび216cを可視光下で識別されないように構成するためには、背景層216の主部分216aと画線部分216bおよび216cとの可視域での色差Eabを6以下にすることが好ましく、その色差Eabを3以下にすることがさらに好ましい。
【0051】
図5に示す液晶ラベル210では、それを可視光下で見たときの平面図解図を図6に示すように、基材212を透して、光輝性を有する液晶層214が見えるとともに、液晶層214の存在しない部分において背景層216が黒いリング状に見える。
また、図5に示す液晶ラベル210では、暗闇の中でその表面に赤外線を照射してその液晶ラベル210の表面側からの反射光をCCDカメラ(ソニー社のビデオカメラDCR−PC120をナイトショットモードで使用)で捉えた映像を図7に示すように、背景層216の画線部分216bおよび216cが暗く見え、その他の部分が明るく見える。
したがって、この液晶ラベル210では、上述の液晶ラベル10、110と比べて、ラベル真正性の判別の確度をさらに向上することができる。
【0052】
なお、この液晶ラベル210では、背景層216の画線部分216bおよび216cが3本の直線状に形成されているが、背景層の画線部分の数は1、2または4以上に任意に変更されてもよく、また、背景層の画線部分の形状は文字状、図形状、記号状などに任意に変更されてもよい。
【0053】
また、この液晶ラベル210では、背景層216の主部分216aの赤外線の吸収率に対して画線部分216bおよび216cの赤外線の吸収率が大きくなるように形成されているが、背景層216の画線部分216bおよび216cの赤外線の吸収率に対して主部分216aの赤外線の吸収率が大きくなるように形成されてもよい。この場合、上述のCCDカメラの映像において、背景層216の主部分216aが暗くなり、背景層216の画線部分216bおよび216cが明るくなる。
【0054】
なお、この液晶ラベル210において、背景層216の主部分216aは、画線部分216bおよび216cにおいて基材212とは反対側の面上には形成されなくてもよい。このように画線部分216bおよび216c上に背景層216の主部分216aが形成されなくても、同様の効果を奏する。
【0055】
また、この液晶ラベル210において、背景層216の画線部分216bおよび216cを形成せずに、背景層216の主面部216a全体がカーボンブラックインキまたはノンカーボンインキで形成されてもよい。このように背景層216の主面部216a全体をカーボンブラックインキで形成すれば、上述のCCDカメラでの映像の全体が暗くなり、背景層216の主面部216a全体をノンカーボンインキで形成すれば、上述のCCDカメラでの映像の全体が明るくなる。
【0056】
また、液晶ラベル210において、背景層216の一部分がノンカーボンインキで形成され、残りの部分がカーボンインキで形成されてもよい。たとえば、液晶ラベル210の背景層216の右半分がノンカーボンインキで形成され、左半分がカーボンインキで形成されると、上述のCCDカメラでの映像は右半分が明るくなり、左半分が暗くなる。
【0057】
さらに、この液晶ラベル210において、背景層216の主部分216aと画線部分216bおよび216cとの可視域での色差Eabが6を超えるようにしてもよい。このようにすると、背景層216の画線部分216bおよび216cが可視光下で識別され易くなってしまうが、赤外線を照射してその反射光をCCDカメラなどで受光すると、背景層216の主部分216aと画線部分216bおよび216cとの赤外線の吸収率の違いが明瞭に分かるので、上述の液晶ラベル10、110と比べて、ラベル真正性の判別の確度を向上することができる。
【0058】
なお、この液晶ラベル210も、上述の液晶ラベル10、110と同様に、真正品である被貼着体に貼り付けられた後に、その被貼着体から剥離された場合に、層間で剥離しまたは一部の層が破壊して偽物に張り替えられないようにするために、次のように構成されてもよい。
すなわち、上述の各液晶ラベルにおいて、基材および液晶層間の接着強度は、液晶層および背景層間の接着強度より弱く、背景層および接着剤層間の接着強度より弱く、かつ、液晶層、背景層および接着剤層の各層の凝集破壊強度より弱く構成されることが好ましい。このように構成すれば、液晶ラベルを剥離した場合に、基材および液晶層間で剥離して、全体がうまく剥離せずに、再貼着を防止することができる。
あるいは、上述の各液晶ラベルにおいて、液晶層、背景層および接着剤層のうちの液晶層および/または背景層の凝集破壊強度は、液晶層、背景層および接着剤層のうちの他の層の凝集破壊強度より弱く、基材および液晶層間の接着強度より弱く、液晶層および背景層間の接着強度より弱く、かつ、背景層および接着剤層間の接着強度より弱く構成されることが好ましい。このように構成すれば、液晶ラベルを剥離した場合に、液晶層および/または背景層が破壊して、全体がうまく剥離せずに、再貼着を防止することができる。
あるいは、上述の各液晶ラベルにおいて、各層間の接着強度、たとえば、基材および液晶層間の接着強度、液晶層および背景層間の接着強度、背景層および接着剤層間の接着強度、および接着剤層を除く各層の凝集破壊強度、たとえば、液晶層の凝集破壊強度、背景層の凝集破壊強度のうちの少なくとも1つの強度が、接着剤層の凝集破壊強度より弱く構成されることが好ましい。このように構成すれば、液晶ラベルを剥離した場合に、層間で剥離し、および/または、液晶層および/または背景層が破壊して、全体がうまく剥離せずに、再貼着を防止することができる。この場合、各層間の接着強度、たとえば、基材および液晶層間の接着強度、液晶層および背景層間の接着強度、背景層および接着剤層間の接着強度、および接着剤層を除く各層の凝集破壊強度、たとえば、液晶層の凝集破壊強度、背景層の凝集破壊強度のうちの2以上の強度が、同等に形成されてもよい。
【0059】
なお、上述の各液晶ラベルにおける凸文字、抜き文字は、グラビア印刷、フレキソ印刷、凸版印刷、スクリーン印刷等を用いて形成することができるが、その中でも、グラビア印刷、フレキソ印刷が、画線をクリアに形成し易い等のため好ましく、より好ましくは、グラビア印刷によって形成することである。
【0060】
また、図5に示す液晶ラベル210における背景層216の画線部分216bおよび216cについても、グラビア印刷、フレキソ印刷、凸版印刷、スクリーン印刷等を用いて形成することができるが、その中でも、グラビア印刷、フレキソ印刷が、画線をクリアに形成し易い等のため好ましく、より好ましくは、グラビア印刷によって形成することである。
また、全面塗工(ベタ)は、前記したいずれの印刷方法によって形成してもよく、さらに、ナイフコーター、バーコータ等の方法によって塗工することもできる。
【0061】
なお、前記実施の形態の説明において、セパレータ上に複数のラベルを形成したラベル連続体について説明したが、セパレータを粘着剤からなる接着剤層表面に仮着せず、基材の液晶層側とは反対側の表面に、シリコーン等の剥離性に優れた材料を塗布して剥離層を形成し、接着剤層を内側とし、基材の剥離層を形成した表面を外側として巻回し、使用時に巻き戻して使用することができるラベル連続体としてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0062】
この発明によれば、しなやかで、被貼着体の面に沿って貼着し易く、比較的低コストで製造することができ、偽造防止用ラベルとして用いることが可能な、液晶ラベルおよび液晶ラベル連続体ならびにそれらの製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】この発明の一実施の形態である液晶ラベルの断面図解図である。
【図2】コレステリック相の分子配列を示す図解図である。
【図3】ラベル連続体の製造方法を示す平面図解図である。
【図4】この発明の別の実施の形態である液晶ラベルの断面図解図である。
【図5】この発明のさらに別の実施の形態である液晶ラベルの断面図解図である。
【図6】図4に示す液晶ラベルを可視光下で見たときの平面図解図である。
【図7】暗闇の中で図4に示す液晶ラベルの表面に赤外線を照射してその液晶ラベルの表面側からの反射光をCCDカメラで捉えた映像を示す図解図である。
【符号の説明】
【0064】
10 液晶ラベル
110 液晶ラベル
210 液晶ラベル
12 基材
112 基材
212 基材
14 液晶層
114 液晶層
214 液晶層
16 背景層
116 背景層
216 背景層
18 接着剤層
118 接着剤層
218 接着剤層
20 セパレータ
120 セパレータ
220 セパレータ
122 隠蔽層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
透明または半透明性を有する基材と、
前記基材の裏面側に形成されたコレステリック相からなる液晶組成物を含有する液晶層と、
前記基材の裏面側の表面に形成された接着剤層とを含み、
前記接着剤層を介して被貼着体に貼着される液晶ラベルであって、
前記基材および前記液晶層間の接着強度は、他の層間の接着強度より弱く、かつ、前記液晶層および前記接着剤層の各層の凝集破壊強度より弱く構成され、前記被貼着体に貼着された液晶ラベルを剥離した場合に、前記基材および前記液晶層間で剥離するようにした、液晶ラベル。
【請求項2】
透明または半透明性を有し、その表面は剥離性を備えた基材と、
前記基材の裏面側に形成されたコレステリック相からなる液晶組成物を含有する液晶層と、
前記基材の裏面側の表面に形成された接着剤層とを含み、
前記接着剤層を介して被貼着体に貼着される液晶ラベルが複数連続して前記基材の表面を外側とし前記接着剤層を内側として巻回される液晶ラベル連続体であって、
前記基材および前記液晶層間の接着強度は、他の層間の接着強度より弱く、かつ、前記液晶層および前記接着剤層の各層の凝集破壊強度より弱く構成され、前記被貼着体に貼着された液晶ラベルを剥離した場合に、前記基材および前記液晶層間で剥離するようにした、液晶ラベル連続体。
【請求項3】
透明または半透明性を有する基材と、
前記基材の裏面側に形成されたコレステリック相からなる液晶組成物を含有する液晶層と、
前記基材の裏面側の表面に形成された接着剤層とを含み、
前記接着剤層を介して被貼着体に貼着される液晶ラベルが複数連続して前記接着剤層の前記液晶層側とは反対側の面においてセパレータに仮着される液晶ラベル連続体であって、
前記基材および前記液晶層間の接着強度は、他の層間の接着強度より弱く、かつ、前記液晶層および前記接着剤層の各層の凝集破壊強度より弱く構成され、前記被貼着体に貼着された液晶ラベルを剥離した場合に、前記基材および前記液晶層間で剥離するようにした、液晶ラベル連続体。
【請求項4】
請求項1、2または3に記載された液晶ラベルまたは液晶ラベル連続体の製造方法であって、
透明または半透明性を有する前記基材の裏面側に、液晶層形成用塗液を部分的に塗工し、塗工物をコレステリック相を形成し得る温度まで加熱してコレステリック相を形成し、そして紫外線照射によってUV架橋してコレステリック相を固定することにより、コレステリック相からなる液晶組成物を含有する液晶層を形成するステップを含む、液晶ラベルまたは液晶ラベル連続体の製造方法。
【請求項5】
請求項3に記載された液晶ラベル連続体の製造方法であって、
透明または半透明性を有する前記基材の裏面側に、液晶層形成用塗液を部分的に塗工し、塗工物をコレステリック相を形成し得る温度まで加熱してコレステリック相を形成し、そして紫外線照射によってUV架橋してコレステリック相を固定することにより、コレステリック相からなる液晶組成物を含有する液晶層を形成するステップと、
前記液晶層を有する前記基材の裏面側と別途セパレータに設けられた接着剤層とを対向させて前記液晶層を有する前記基材と前記セパレータとを積層することにより、接着剤層が前記セパレータに仮着した状態で前記液晶層を有する前記基材の裏面側に形成されるように、接着剤層を形成するステップとを含む、液晶ラベル連続体の製造方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2007−334363(P2007−334363A)
【公開日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−204135(P2007−204135)
【出願日】平成19年8月6日(2007.8.6)
【分割の表示】特願2004−541242(P2004−541242)の分割
【原出願日】平成15年9月29日(2003.9.29)
【出願人】(000205306)大阪シーリング印刷株式会社 (90)
【Fターム(参考)】