液晶表示パネルの製造装置
【課題】液晶表示パネルに発生した不良を低コストで修正する。
【解決手段】液晶表示パネル50aの一方の表面に接触して、液晶表示パネル50aに対して加熱及び加圧を行う加熱加圧ユニット60と、加熱加圧ユニット60で加熱及び加圧が行われている液晶表示パネル50aの他方の表面に接触して、液晶表示パネル50aに対して加振を行う加振ユニット100aとを備えている。
【解決手段】液晶表示パネル50aの一方の表面に接触して、液晶表示パネル50aに対して加熱及び加圧を行う加熱加圧ユニット60と、加熱加圧ユニット60で加熱及び加圧が行われている液晶表示パネル50aの他方の表面に接触して、液晶表示パネル50aに対して加振を行う加振ユニット100aとを備えている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶表示パネルの製造装置に関し、特に、液晶表示パネルに発生した不良を修正するための製造装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
液晶表示パネルは、例えば、互いに対向するように設けられたTFT(Thin Film Transistor)基板及びCF(Color Filter)基板と、TFT基板及びCF基板の間に設けられた液晶層と、TFT基板及びCF基板を互いに接着すると共に、TFT基板及びCF基板の間に液晶層を封入するためのシール材とを備えている。ここで、液晶表示パネルの表面及び裏面には、一定方向のみに振動する光を透過させる偏光板がそれぞれ貼り付けられている。
【0003】
例えば、特許文献1には、偏光板を貼り付けた液晶表示パネルの板面に気体を噴射して加圧することにより、基板と偏光板との間に発生する気泡を除去する液晶表示装置の製造方法が開示されている。
【0004】
また、特許文献2には、偏光板を貼り付けた液晶表示パネルを加熱して、偏光板の表面でローラーを転動させることにより、液晶表示パネルと偏光板との間を加圧して脱泡する液晶表示装置の製造方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−11442号公報
【特許文献2】特開2009−20253号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
近年、大型の液晶表示パネルの製造では、基板間に液晶層を封入する方法として、ODF(One Drop Fill)法が主流になっている。ここで、ODF法は、例えば、CF基板の表面に閉パターンの枠状のシール材を描画し、その描画されたシール材の内側の基板表面に液晶材料を滴下した後に、その液晶材料が滴下されたCF基板とTFT基板とを貼り合わせることにより、液晶材料、すなわち、液晶層を封入する方法である。
【0007】
ところで、ODF法で製造された液晶表示パネルでは、例えば、液晶材料の広がり不足などに起因して、シール材の内側の閉じた領域に気泡が発生するおそれがある。そのため、シール材の内側に気泡が発生した液晶表示パネルに対しては、オートクレーブ装置を用いて当該液晶表示パネルを加熱及び加圧することにより、液晶材料をシール材の内側全域に浸透させて、気泡による不良を修正することになる。しかしながら、オートクレーブ装置は、液晶表示パネルを収容する圧力容器を備えているので、液晶表示パネルが大型化すると、圧力容器を大型化する必要があり、オートクレーブ装置が高価になってしまう。
【0008】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、液晶表示パネルを低コストで修正することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明は、液晶表示パネルの一方の表面に接触する加熱加圧ユニットと、液晶表示パネルの他方の表面に接触する加振ユニットとを備えるようにしたものである。
【0010】
具体的に本発明に係る液晶表示パネルの製造装置は、液晶表示パネルの一方の表面に接触して、該液晶表示パネルに対して加熱及び加圧を行う加熱加圧ユニットと、上記加熱加圧ユニットで加熱及び加圧が行われている液晶表示パネルの他方の表面に接触して、該液晶表示パネルに対して加振を行う加振ユニットとを備えている。
【0011】
上記の構成によれば、液晶表示パネルの一方の表面に接触して、液晶表示パネルを加熱及び加圧する加熱加圧ユニットを備えているので、液晶表示パネルに熱及び圧力が直接伝わることになる。そのため、圧力容器を用いなくても、液晶表示パネルが高温及び高圧に容易に保持されると共に、液晶表示パネルに発生した不良を修正するための修正時間が短縮される。さらに、加熱加圧ユニットで加熱及び加圧されている液晶表示パネルの他方の表面に接触して、液晶表示パネルを加振する加振ユニットを備えているので、例えば、シール材の内側に気泡が発生した液晶表示パネルに対しては、シール材の内側全域への液晶材料の浸透が促進されることにより、パネル内の気泡による不良が修正され、また、基板間に挟持されるビーズ状のスペーサーに凝集が発生した液晶表示パネルに対しては、スペーサーの拡散が促進されることにより、スペーサーの凝集による不良が修正され、また、偏光板との間に気泡が発生した液晶表示パネルに対しては、気泡の外部への排出が促進されることにより、パネル外の気泡による不良が修正される。したがって、液晶表示パネルが高温及び高圧に容易に保持されて、不良が効率的に修正されるので、液晶表示パネルに発生した不良が低コストで修正される。
【0012】
上記加振ユニットは、上記加熱加圧ユニット側に配置する複数の開口部が形成された接触板と、該接触板の各開口部を介して上記液晶表示パネルの他方の表面に接触して、該液晶表示パネルに対して加振を行う高周波振動子とを備えていてもよい。
【0013】
上記の構成によれば、加振ユニットが、複数の開口部が形成された接触板と、接触板の各開口部を介して液晶表示パネルの他方の表面に接触して、液晶表示パネルを加振する高周波振動子とを備えているので、液晶表示パネルに発生した不良の箇所に対応する接触板の開口部を介して液晶表示パネルの他方の表面に高周波振動子を接触させることにより、液晶表示パネルの不良が発生した箇所が局所的に加振される。
【0014】
上記高周波振動子は、上記液晶表示パネルの他方の表面に接触した状態で移動可能に構成されていてもよい。
【0015】
上記の構成によれば、高周波振動子が液晶表示パネルの他方の表面に接触した状態で移動可能に構成されているので、液晶表示パネルの加振される部分を移動させることにより、液晶表示パネルが広い範囲で加振され、液晶表示パネルに発生した不良が効率的に修正される。
【0016】
上記高周波振動子の上記液晶表示パネルの他方の表面に接触する部分は、曲面状に形成されていてもよい。
【0017】
上記の構成によれば、高周波振動子の液晶表示パネルの他方の表面に接触する部分が曲面状に形成されているので、液晶表示パネルの他方の表面と各高周波振動子との接触抵抗が小さくなり、液晶表示パネルの他方の表面における高周波振動子の接触による損傷が抑制される。
【0018】
上記加振ユニットは、各々、上記液晶表示パネルの他方の表面に接触して、該液晶表示パネルに対して加振を行う複数の高周波振動子を備えていてもよい。
【0019】
上記の構成によれば、加振ユニットが、各々、液晶表示パネルの他方の表面に接触して、液晶表示パネルに対して加振を行う複数の高周波振動子を備えているので、液晶表示パネルの他方の表面に各高周波振動子を接触させることにより、液晶表示パネルの不良が発生した箇所を含むパネル全体が加振される。
【0020】
上記各高周波振動子の上記液晶表示パネルの他方の表面に接触する部分は、平面状に形成されていてもよい。
【0021】
上記の構成によれば、各高周波振動子の液晶表示パネルの他方の表面に接触する部分が平面状に形成されているので、液晶表示パネルの他方の表面と各高周波振動子との接触面積が大きくなり、液晶表示パネルが広範囲に加振される。
【0022】
上記加熱加圧ユニットは、上記加振ユニットに対して接近又は離間するように構成されていてもよい。
【0023】
上記の構成によれば、加熱加圧ユニットが加振ユニットに対して接近又は離間するように構成されているので、加熱加圧ユニットを加振ユニットに対して接近させることにより、例えば、加振ユニット上に載置され、加熱加圧ユニット及び加振ユニットの間に配置された液晶表示パネルが加熱及び加圧される。
【0024】
上記加振ユニットは、上記液晶表示パネルを載置するように構成されていてもよい。
【0025】
上記の構成によれば、加振ユニットが液晶表示パネルを載置するように構成されているので、液晶表示パネルの下面に加振ユニットが接触すると共に、液晶表示パネルの上面に加熱加圧ユニットが接触するように構成された液晶表示パネルの製造装置が具体的に構成される。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、液晶表示パネルの一方の表面に接触する加熱加圧ユニットと、液晶表示パネルの他方の表面に接触する加振ユニットとを備えているので、液晶表示パネルに発生した不良を低コストで修正することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】実施形態1に係るパネル修正装置の側面図である。
【図2】実施形態1に係るパネル修正装置を構成する加振ユニットの側面図である。
【図3】実施形態1に係る加振ユニットの正面図である。
【図4】実施形態1に係る加振ユニットを構成するステージの平面図である。
【図5】実施形態1に係る加振ユニットを構成する第3プレート及び第4プレートの係合構造を示す平面図である。
【図6】実施形態1に係るパネル修正装置で修正される液晶表示パネルの断面図である。
【図7】実施形態1に係る液晶表示パネルを構成するTFT基板の平面図である。
【図8】図7中のVIII−VIII線に沿ったTFT基板の断面図である。
【図9】実施形態1に係るパネル修正装置を用いて不良を修正したときの液晶表示パネルの断面図である。
【図10】実施形態2に係るパネル修正装置を構成する加振ユニットの側面図である。
【図11】実施形態2に係るパネル修正装置を用いて不良を修正したときの液晶表示パネルの断面図である。
【図12】実施形態2に係るパネル修正装置を用いて不良を修正したときの液晶表示パネルの他の断面図である。
【図13】実施形態3に係るパネル修正装置で修正される液晶表示パネルの断面図である。
【図14】実施形態3に係るパネル修正装置を用いて不良を修正したときの液晶表示パネルの断面図である。
【図15】実施形態4に係るパネル修正装置で修正される液晶表示パネルの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は、以下の各実施形態に限定されるものではない。
【0029】
《発明の実施形態1》
図1〜図9は、本発明に係る液晶表示パネルの製造装置の実施形態1を示している。具体的に、図1は、本実施形態のパネル修正装置150の側面図である。また、図2は、パネル修正装置150を構成する加振ユニット100aの側面図であり、図3は、加振ユニット100aの正面図である。また、図4は、加振ユニット100aを構成するステージ71の平面図である。また、図5は、加振ユニット100aを構成する第3プレート89及び第4プレート90の係合構造を示す平面図である。なお、図1〜図3では、液晶表示パネル50aを搬出入する側を正面と称している。
【0030】
パネル修正装置150は、図1に示すように、液晶表示パネル50aの上面に接触することにより液晶表示パネル50aに対して加熱及び加圧を行う加熱加圧ユニット60と、液晶表示パネル50aの下面に接触することにより液晶表示パネル50aに対して加振を行う加振ユニット100aとを備えた液晶表示パネルの製造装置である。
【0031】
加熱加圧ユニット60は、図1に示すように、電熱体62が内蔵された加熱加圧プレート61と、加熱加圧プレート61の上方にそれぞれ設けられた複数のシリンダー本体63と、各シリンダー本体63に突出入し、先端が加熱加圧プレート61に固定されたシリンダーロッド64と、液晶表示パネル50aの上面に加える圧力を調節するための圧力調整器(不図示)と、加熱加圧プレート61の温度を調整するための温度調整器(不図示)とを備え、シリンダー本体63を作動させることにより、加熱加圧プレート61が昇降するように構成されている。
【0032】
加振ユニット100aは、図2〜図4に示すように、複数の開口部71aがマトリクス状に形成されたステージ(接触板)71と、ステージ71の各開口部71aを介して、液晶表示パネル50aの下面に接触することにより液晶表示パネル50aに対して加振を行う高周波振動子72aと、ステージ71が蓋になるように箱状に設けられた筐体73とを備えている。ここで、ステージ71には、複数の開口部71aが設けられているが、図2及び図3では、開口部71aを1つだけ図示している。なお、本実施形態では、複数の開口部71aがマトリクス状に配列された構成を例示したが、複数の開口部71aは、千鳥状やハニカム状など他の形状に配列されていてもよい。
【0033】
加振ユニット100aでは、図3に示すように、筐体73の内底に互いに平行に延びるように一対の第1レール75が設けられ、各第1レール75上に第1スライダー76が摺動可能にそれぞれ設けられている。
【0034】
また、加振ユニット100aでは、図2及び図3に示すように、各第1スライダー76の上面に第1プレート77が固定され、第1プレート77の下面に一対の第1移動ナット78が固定されている。
【0035】
さらに、加振ユニット100aでは、図2及び図3に示すように、一対の第1移動ナット78にねじ切りされた第1シャフト79が係合され、第1シャフト79の一方端に第1ハンドル80が固定されている。
【0036】
これにより、加振ユニット100aでは、第1ハンドル80を回転させることにより、第1プレート77が図2中の横方向に平行移動するようになっている。
【0037】
そして、加振ユニット100aでは、図2に示すように、第1プレート77の上面に互いに平行に延びるように一対の第2レール81が設けられ、各第2レール81上に第2スライダー82が摺動可能にそれぞれ設けられている。
【0038】
また、加振ユニット100aでは、図2及び図3に示すように、各第2スライダー82の上面に第2プレート83が固定され、第2プレート83の下面に一対の第2移動ナット84が固定されている。
【0039】
さらに、加振ユニット100aでは、図2及び図3に示すように、一対の第2移動ナット84にねじ切りされた第2シャフト85が係合され、第2シャフト85の一方端に第2ハンドル86が固定されている。
【0040】
これにより、加振ユニット100aでは、第2ハンドル86を回転させることにより、第2プレート83が図3中の横方向に平行移動するようになっている。
【0041】
そして、加振ユニット100aでは、図2及び図3に示すように、第2プレート83上の中央部にジグシリンダ88が固定され、第2プレート83上の各角部にガイド用のボールブッシュ87が固定されている。
【0042】
また、加振ユニット100aでは、図2及び図3に示すように、各ボールブッシュ87の上面に第3プレート89が固定されている。
【0043】
これにより、加振ユニット100aでは、ジグシリンダ88を作動させることにより、第3プレート89(及びそれに間接的に設けられた高周波振動子72a)が昇降するようになっている。
【0044】
そして、加振ユニット100aでは、図5に示すように、第3プレート89に第4プレート90が段付きネジ93を軸として回転自在に支持されている。ここで、第3プレート89には、第4プレート90の回転の周方向に沿って、各々、ねじ切りされた複数の貫通孔89aが形成され、第4プレート90には、その回転の周方向に沿って、円弧状の開口部90aが形成されている。そのため、加振ユニット100aでは、図5示すように、第3プレート89の何れか1つの貫通孔89aに第4プレート90の開口部90aを介してクランプ91のねじ部分をねじ止めすることにより、第3プレート89に第4プレート90が所定の角度で固定されるようになっている。
【0045】
そして、加振ユニット100aでは、図2及び図3に示すように、第4プレート90上にサーボーモーター92が固定され、サーボーモーター92のねじ切りされたシャフトに移動ユニット(不図示)が螺合するように取り付けられ、その移動ユニットの上面に形成された凹部内に高周波振動子72aが載置されている。ここで、サーボーモーター92は、移動ユニットが0.1mm/秒〜20mm/秒で平行に移動するように構成されている。
【0046】
高周波振動子72aの液晶表示パネル50aの下面に接触する部分は、図2及び図3に示すように、略半球状の曲面状に形成されている。ここで、液晶表示パネル50aの下面に接触する高周波振動子72aの頂部の上から見た直径は、例えば、30mm程度である。なお、ステージ71に形成された各開口部71aの大きさは、例えば、100mm×100mm程度である。また、高周波振動子72aの頂部は、例えば、樹脂やゴムにより滑らかに形成されている。また、高周波振動子72aの頂部は、例えば、表面研磨されたステンレスなどにより形成されていてよい。また、高周波振動子72aの頂部の表面又は液晶表示パネルの下面には、例えば、油などの潤滑剤が塗布されていてもよい。
【0047】
上記構成の加振ユニット100aは、第1ハンドル80及び第2ハンドル86を回転させることにより、高周波振動子72aがステージ71の所定の開口部71aの下側に移動し、ジグシリンダ88を作動させることにより、高周波振動子72aの頂部が液晶表示パネル50aの下面に接触し、サーボーモーター92を作動させることにより、高周波振動子72aが振動しながら移動し、クランプ91のねじ止め位置を変えることにより、高周波振動子72aの移動方向が変わるように構成されている。
【0048】
次に、パネル修正装置150で不良を修正する本実施形態の液晶表示パネル50aについて説明する。ここで、図6は、パネル修正装置150で修正される液晶表示パネル50aの断面図である。また、図7は、液晶表示パネル50aを構成するTFT基板20の平面図であり、図8は、図7中のVIII−VIII線に沿ったTFT基板20の断面図である。
【0049】
液晶表示パネル50aは、図6に示すように、互いに対向するように設けられたTFT基板20及びCF基板30と、TFT基板20及びCF基板30の間に設けられた液晶層40と、TFT基板20及びCF基板30を互いに接着すると共に、TFT基板20及びCF基板30の間に液晶層40をODF法で封入するために枠状に設けられたシール材35とを備えている。ここで、液晶表示パネル50aでは、図6に示すように、シール材35の内側の液晶層40に気泡45が発生している。
【0050】
TFT基板20は、図7及び図8に示すように、ガラス基板などの絶縁基板10上に互いに平行に延びるように設けられた複数のゲート線11aと、各ゲート線11aの間にそれぞれ設けられ、互いに平行に延びる複数の容量線11bと、各ゲート線11aと直交する方向に互いに平行に延びるように設けられた複数のソース線13と、各ゲート線11a及び各ソース線13の交差部分毎、すなわち、画像の最小単位である各副画素にそれぞれ設けられた複数のTFT5と、各TFT5を覆うように設けられた層間絶縁膜14と、層間絶縁膜14上にマトリクス状に設けられた複数の画素電極15とを備えている。ここで、TFT基板20上の比較的厚く形成された層間絶縁膜14は、図6に示すように、液晶材料(40)の浸透の妨げになり易いと考えられる。
【0051】
次に、本実施形態のパネル修正装置150を用いて、液晶表示パネル50aで発生した気泡45による不良を修正する方法について説明する。ここで、図9は、パネル修正装置150を用いて気泡45による不良を修正したとき液晶表示パネル50aの断面図である。
【0052】
まず、加振ユニット100a(のステージ71)上に液晶表示パネル50aを載置した後に、加熱加圧ユニット60を下降させて、液晶表示パネル50aに対して加熱(例えば、50℃〜140℃程度)及び加圧(例えば、0.2MPa〜0.7MPa程度)を行う。このとき、第1ハンドル80及び第2ハンドル86を適宜回転させることにより、液晶表示パネル50aの気泡45が発生した位置に対応するステージ71の所定の開口部71aの下側に高周波振動子72aを移動させる。
【0053】
続いて、ジグシリンダ88を作動させることにより、高周波振動子72aの頂部を液晶表示パネル50aの下面に接触させた後に、高周波振動子72aを作動させることにより、液晶表示パネル50aに対して局所的に加振(例えば、100Hz〜350Hz)を行い、シール材35の内側全域に液晶材料(40)を浸透させる。さらに、このとき、サーボーモーター92を作動させることにより、高周波振動子72aを振動させながら移動させて、広範囲に加振を行ってもよい。
【0054】
以上のようにして、液晶表示パネル50aで発生した気泡45による不良を修正することができる。
【0055】
以上説明したように、本実施形態のパネル修正装置150によれば、液晶表示パネル50aの上面に接触して、液晶表示パネル50aを加熱及び加圧する加熱加圧ユニット60を備えているので、液晶表示パネル50aに熱及び圧力が直接伝わることになる。そのため、圧力容器を用いなくても、液晶表示パネル50aが高温及び高圧に容易に保持することができると共に、液晶表示パネル50aに発生した不良を修正するための修正時間を短縮することができる。さらに、加熱加圧ユニット60で加熱及び加圧されている液晶表示パネル50aの下面に接触して、液晶表示パネル50aを加振する加振ユニット100aを備えているので、シール材35の内側に気泡45が発生した液晶表示パネル50aに対し、シール材35の内側全域への液晶材料40の浸透が促進されることにより、パネル内の気泡45による不良を修正することができる。したがって、液晶表示パネル50aを高温及び高圧に容易に保持して、気泡45による不良を効率的に修正することができるので、液晶表示パネル50aに発生した不良を低コストで修正することができる。
【0056】
また、本実施形態のパネル修正装置150によれば、加振ユニット100aが、複数の開口部71aが形成されたステージ71と、ステージ71の各開口部71aを介して液晶表示パネル50aの下面に接触して、液晶表示パネル50aを加振する高周波振動子72aとを備えているので、液晶表示パネル50aに発生した気泡45による不良の箇所に対応するステージ71の開口部71aを介して液晶表示パネル50aの下面に高周波振動子72aを接触させることにより、液晶表示パネル50aの気泡45による不良が発生した箇所を局所的に加振することができる。
【0057】
また、本実施形態のパネル修正装置150によれば、高周波振動子72aが液晶表示パネル50aの下面に接触した状態で移動可能に構成されているので、液晶表示パネル50aの加振される部分を移動させることにより、液晶表示パネル50aを広い範囲で加振することができ、液晶表示パネル50aに発生した気泡45による不良を効率的に修正することができる。
【0058】
また、本実施形態のパネル修正装置150によれば、高周波振動子72aの液晶表示パネル50aの下面に接触する部分が曲面状に形成されているので、液晶表示パネル50aの下面と各高周波振動子72aとの接触抵抗を小さくすることができ、液晶表示パネル50aの下面における高周波振動子72aの接触による損傷を抑制することができる。
【0059】
なお、本実施形態では、1つの高周波振動子72aが設けられたパネル修正装置150を例示したが、高周波振動子72aが複数設けられていてもよい。
【0060】
《発明の実施形態2》
図10は、本実施形態のパネル修正装置を構成する加振ユニット100bの側面図である。また、図11及び図12は、本実施形態のパネル修正装置を用いて気泡45による不良を修正したときの液晶表示パネル50aの断面図である。なお、以下の各実施形態において、図1〜図9と同じ部分については同じ符号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0061】
上記実施形態1では、1つの高周波振動子が設けられたパネル修正装置を例示したが、本実施形態では、複数の高周波振動子がマトリクス状に設けられたパネル修正装置を例示する。
【0062】
本実施形態のパネル修正装置は、液晶表示パネル50aの上面に接触することにより液晶表示パネル50aに対して加熱及び加圧を行う加熱加圧ユニット(60、図1参照)と、液晶表示パネル50aの下面に接触することにより液晶表示パネル50aに対して加振を行う加振ユニット100bとを備えている。
【0063】
加振ユニット100bは、図10に示すように、その上面にマトリクス状に露出するように設けられ、各々、液晶表示パネル50aの下面に接触して、液晶表示パネル50aに対して加振を行う複数の高周波振動子72bと、各高周波振動子72bの動作を制御するための制御部99と備えている。なお、本実施形態では、複数の高周波振動子72bがマトリクス状に配列された構成を例示したが、複数の高周波振動子72bは、千鳥状などの他の形状に配列されていてもよい。
【0064】
高周波振動子72bの液晶表示パネル50aの下面に接触する部分は、図10に示すように、平面状に形成されている。ここで、液晶表示パネル50aの下面に接触する高周波振動子72aの頂部の上から見た大きさは、例えば、30mm×30mm程度である。また、高周波振動子72bの頂部は、例えば、樹脂やゴムにより滑らかに形成されている。また、高周波振動子72bの頂部は、例えば、表面研磨されたステンレスなどにより形成されていてよい。また、高周波振動子72bの頂部の表面又は液晶表示パネル50aの下面には、例えば、油などの潤滑剤が塗布されていてもよい。
【0065】
制御部99は、各高周波振動子72bの周波数を個別に設定できるように構成され、図11に示すように、各高周波振動子72bの周波数を一定にしたり、図12に示すように、各高周波振動子72bの周波数を位置毎に異なるように周波数のモードが変更可能になっている。
【0066】
以上説明したように、本実施形態のパネル修正装置によれば、上記実施形態1と同様に、液晶表示パネル50aの上面に接触する加熱加圧ユニット60と、液晶表示パネル50aの下面に接触する加振ユニット100bとを備えているので、液晶表示パネル50aに発生した気泡45による不良を低コストで修正することができる。
【0067】
また、本実施形態のパネル修正装置によれば、加振ユニット100bが、各々、液晶表示パネル50aの下面に接触して、液晶表示パネル50aに対して加振を行う複数の高周波振動子72bを備えているので、液晶表示パネル50aの下面に各高周波振動子72bを接触させることにより、液晶表示パネル50aの気泡45による不良が発生した箇所を含むパネル全体を加振することができる。
【0068】
また、本実施形態のパネル修正装置によれば、各高周波振動子72bの液晶表示パネル50aの下面に接触する部分が平面状に形成されているので、液晶表示パネル50aの下面と各高周波振動子72bとの接触面積を大きくすることができ、液晶表示パネル50bを広範囲に加振することができる。
【0069】
《発明の実施形態3》
図13は、本実施形態のパネル修正装置で修正される液晶表示パネル50bの断面図である。また、図14は、本実施形態のパネル修正装置を用いてスペーサー36の凝集による不良を修正したときの液晶表示パネル50bの断面図である。
【0070】
上記各実施形態では、液晶表示パネルで発生した不良として、気泡による不良を例示したが、本実施形態では、スペーサーの凝集による不良を例示する。
【0071】
液晶表示パネル50bでは、TFT基板20及びCF基板30の間に液晶層40の厚さを保持するためのビーズ状のスペーサー36が挟持され、図13に示すように、局所的に凝集している。
【0072】
液晶表示パネル50bに対しても、図14に示すように、パネル修正装置150を用いて、加熱、加圧及び加振を行うことにより、スペーサー36の凝集による不良を修正することができる。なお、図14では、上記実施形態1の加振ユニット100aを構成する高周波振動子72aを用いているが、上記実施形態2の加振ユニット100bを構成する高周波振動子72bを用いてもよい。
【0073】
本実施形態のパネル修正装置によれば、上記各実施形態と同様に、液晶表示パネル50bの上面に接触する加熱加圧ユニット60と、液晶表示パネル50bの下面に接触する加振ユニット100aとを備えているので、スペーサー36の拡散が促進され、液晶表示パネル50bに発生したスペーサー36の凝集による不良を低コストで修正することができる。
【0074】
《発明の実施形態4》
図15は、本実施形態のパネル修正装置で修正される液晶表示パネル50cの断面図である。
【0075】
上記実施形態3では、液晶表示パネルで発生した不良として、スペーサーの凝集による不良を例示したが、本実施形態では、液晶表示パネルと偏光板との間の気泡の凝集による不良を例示する。
【0076】
液晶表示パネル50cの上面及び下面には、偏光板51及び52がそれぞれ貼り付けられ、図15に示すように、TFT基板20及び偏光板52の間に気泡55が挟み込まれている。
【0077】
液晶表示パネル50cに対しても、上記実施形態1又は2のパネル修正装置を用いて、加熱、加圧及び加振を行うことにより、気泡55による不良を修正することができる。
【0078】
本実施形態のパネル修正装置によれば、上記各実施形態と同様に、液晶表示パネル50cの上面に接触する加熱加圧ユニット60と、液晶表示パネル50cの下面に接触する加振ユニット100a又は100bとを備えているので、気泡55の外部への排出が促進され、液晶表示パネル50cに発生した気泡55による不良を低コストで修正することができる。
【0079】
なお、上記各実施形態では、ODF法で製造された液晶表示パネルに対する修正を例示したが、本発明は、真空注入法で製造された液晶表示パネルに対する修正にも適用することができる。
【0080】
また、上記各実施形態では、液晶表示パネルの上面から加熱及び加圧を行い、液晶表示パネルの下面から加振を行うパネル修正装置を例示したが、本発明は、液晶表示パネルの上面から加振を行い、液晶表示パネルの下面から加熱及び加圧を行うパネル修正装置にも適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0081】
以上説明したように、本発明は、圧力容器を用いることなく、液晶表示パネルに発生した不良を低コストで修正することができるので、大型の液晶表示パネルについて有用である。
【符号の説明】
【0082】
50a〜50c 液晶表示パネル
60 加熱加圧ユニット
71 ステージ(接触板)
71a 開口部
72a,72b 高周波振動子
100a,100b 加振ユニット
150 パネル修正装置(液晶表示パネルの製造装置)
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶表示パネルの製造装置に関し、特に、液晶表示パネルに発生した不良を修正するための製造装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
液晶表示パネルは、例えば、互いに対向するように設けられたTFT(Thin Film Transistor)基板及びCF(Color Filter)基板と、TFT基板及びCF基板の間に設けられた液晶層と、TFT基板及びCF基板を互いに接着すると共に、TFT基板及びCF基板の間に液晶層を封入するためのシール材とを備えている。ここで、液晶表示パネルの表面及び裏面には、一定方向のみに振動する光を透過させる偏光板がそれぞれ貼り付けられている。
【0003】
例えば、特許文献1には、偏光板を貼り付けた液晶表示パネルの板面に気体を噴射して加圧することにより、基板と偏光板との間に発生する気泡を除去する液晶表示装置の製造方法が開示されている。
【0004】
また、特許文献2には、偏光板を貼り付けた液晶表示パネルを加熱して、偏光板の表面でローラーを転動させることにより、液晶表示パネルと偏光板との間を加圧して脱泡する液晶表示装置の製造方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−11442号公報
【特許文献2】特開2009−20253号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
近年、大型の液晶表示パネルの製造では、基板間に液晶層を封入する方法として、ODF(One Drop Fill)法が主流になっている。ここで、ODF法は、例えば、CF基板の表面に閉パターンの枠状のシール材を描画し、その描画されたシール材の内側の基板表面に液晶材料を滴下した後に、その液晶材料が滴下されたCF基板とTFT基板とを貼り合わせることにより、液晶材料、すなわち、液晶層を封入する方法である。
【0007】
ところで、ODF法で製造された液晶表示パネルでは、例えば、液晶材料の広がり不足などに起因して、シール材の内側の閉じた領域に気泡が発生するおそれがある。そのため、シール材の内側に気泡が発生した液晶表示パネルに対しては、オートクレーブ装置を用いて当該液晶表示パネルを加熱及び加圧することにより、液晶材料をシール材の内側全域に浸透させて、気泡による不良を修正することになる。しかしながら、オートクレーブ装置は、液晶表示パネルを収容する圧力容器を備えているので、液晶表示パネルが大型化すると、圧力容器を大型化する必要があり、オートクレーブ装置が高価になってしまう。
【0008】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、液晶表示パネルを低コストで修正することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明は、液晶表示パネルの一方の表面に接触する加熱加圧ユニットと、液晶表示パネルの他方の表面に接触する加振ユニットとを備えるようにしたものである。
【0010】
具体的に本発明に係る液晶表示パネルの製造装置は、液晶表示パネルの一方の表面に接触して、該液晶表示パネルに対して加熱及び加圧を行う加熱加圧ユニットと、上記加熱加圧ユニットで加熱及び加圧が行われている液晶表示パネルの他方の表面に接触して、該液晶表示パネルに対して加振を行う加振ユニットとを備えている。
【0011】
上記の構成によれば、液晶表示パネルの一方の表面に接触して、液晶表示パネルを加熱及び加圧する加熱加圧ユニットを備えているので、液晶表示パネルに熱及び圧力が直接伝わることになる。そのため、圧力容器を用いなくても、液晶表示パネルが高温及び高圧に容易に保持されると共に、液晶表示パネルに発生した不良を修正するための修正時間が短縮される。さらに、加熱加圧ユニットで加熱及び加圧されている液晶表示パネルの他方の表面に接触して、液晶表示パネルを加振する加振ユニットを備えているので、例えば、シール材の内側に気泡が発生した液晶表示パネルに対しては、シール材の内側全域への液晶材料の浸透が促進されることにより、パネル内の気泡による不良が修正され、また、基板間に挟持されるビーズ状のスペーサーに凝集が発生した液晶表示パネルに対しては、スペーサーの拡散が促進されることにより、スペーサーの凝集による不良が修正され、また、偏光板との間に気泡が発生した液晶表示パネルに対しては、気泡の外部への排出が促進されることにより、パネル外の気泡による不良が修正される。したがって、液晶表示パネルが高温及び高圧に容易に保持されて、不良が効率的に修正されるので、液晶表示パネルに発生した不良が低コストで修正される。
【0012】
上記加振ユニットは、上記加熱加圧ユニット側に配置する複数の開口部が形成された接触板と、該接触板の各開口部を介して上記液晶表示パネルの他方の表面に接触して、該液晶表示パネルに対して加振を行う高周波振動子とを備えていてもよい。
【0013】
上記の構成によれば、加振ユニットが、複数の開口部が形成された接触板と、接触板の各開口部を介して液晶表示パネルの他方の表面に接触して、液晶表示パネルを加振する高周波振動子とを備えているので、液晶表示パネルに発生した不良の箇所に対応する接触板の開口部を介して液晶表示パネルの他方の表面に高周波振動子を接触させることにより、液晶表示パネルの不良が発生した箇所が局所的に加振される。
【0014】
上記高周波振動子は、上記液晶表示パネルの他方の表面に接触した状態で移動可能に構成されていてもよい。
【0015】
上記の構成によれば、高周波振動子が液晶表示パネルの他方の表面に接触した状態で移動可能に構成されているので、液晶表示パネルの加振される部分を移動させることにより、液晶表示パネルが広い範囲で加振され、液晶表示パネルに発生した不良が効率的に修正される。
【0016】
上記高周波振動子の上記液晶表示パネルの他方の表面に接触する部分は、曲面状に形成されていてもよい。
【0017】
上記の構成によれば、高周波振動子の液晶表示パネルの他方の表面に接触する部分が曲面状に形成されているので、液晶表示パネルの他方の表面と各高周波振動子との接触抵抗が小さくなり、液晶表示パネルの他方の表面における高周波振動子の接触による損傷が抑制される。
【0018】
上記加振ユニットは、各々、上記液晶表示パネルの他方の表面に接触して、該液晶表示パネルに対して加振を行う複数の高周波振動子を備えていてもよい。
【0019】
上記の構成によれば、加振ユニットが、各々、液晶表示パネルの他方の表面に接触して、液晶表示パネルに対して加振を行う複数の高周波振動子を備えているので、液晶表示パネルの他方の表面に各高周波振動子を接触させることにより、液晶表示パネルの不良が発生した箇所を含むパネル全体が加振される。
【0020】
上記各高周波振動子の上記液晶表示パネルの他方の表面に接触する部分は、平面状に形成されていてもよい。
【0021】
上記の構成によれば、各高周波振動子の液晶表示パネルの他方の表面に接触する部分が平面状に形成されているので、液晶表示パネルの他方の表面と各高周波振動子との接触面積が大きくなり、液晶表示パネルが広範囲に加振される。
【0022】
上記加熱加圧ユニットは、上記加振ユニットに対して接近又は離間するように構成されていてもよい。
【0023】
上記の構成によれば、加熱加圧ユニットが加振ユニットに対して接近又は離間するように構成されているので、加熱加圧ユニットを加振ユニットに対して接近させることにより、例えば、加振ユニット上に載置され、加熱加圧ユニット及び加振ユニットの間に配置された液晶表示パネルが加熱及び加圧される。
【0024】
上記加振ユニットは、上記液晶表示パネルを載置するように構成されていてもよい。
【0025】
上記の構成によれば、加振ユニットが液晶表示パネルを載置するように構成されているので、液晶表示パネルの下面に加振ユニットが接触すると共に、液晶表示パネルの上面に加熱加圧ユニットが接触するように構成された液晶表示パネルの製造装置が具体的に構成される。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、液晶表示パネルの一方の表面に接触する加熱加圧ユニットと、液晶表示パネルの他方の表面に接触する加振ユニットとを備えているので、液晶表示パネルに発生した不良を低コストで修正することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】実施形態1に係るパネル修正装置の側面図である。
【図2】実施形態1に係るパネル修正装置を構成する加振ユニットの側面図である。
【図3】実施形態1に係る加振ユニットの正面図である。
【図4】実施形態1に係る加振ユニットを構成するステージの平面図である。
【図5】実施形態1に係る加振ユニットを構成する第3プレート及び第4プレートの係合構造を示す平面図である。
【図6】実施形態1に係るパネル修正装置で修正される液晶表示パネルの断面図である。
【図7】実施形態1に係る液晶表示パネルを構成するTFT基板の平面図である。
【図8】図7中のVIII−VIII線に沿ったTFT基板の断面図である。
【図9】実施形態1に係るパネル修正装置を用いて不良を修正したときの液晶表示パネルの断面図である。
【図10】実施形態2に係るパネル修正装置を構成する加振ユニットの側面図である。
【図11】実施形態2に係るパネル修正装置を用いて不良を修正したときの液晶表示パネルの断面図である。
【図12】実施形態2に係るパネル修正装置を用いて不良を修正したときの液晶表示パネルの他の断面図である。
【図13】実施形態3に係るパネル修正装置で修正される液晶表示パネルの断面図である。
【図14】実施形態3に係るパネル修正装置を用いて不良を修正したときの液晶表示パネルの断面図である。
【図15】実施形態4に係るパネル修正装置で修正される液晶表示パネルの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は、以下の各実施形態に限定されるものではない。
【0029】
《発明の実施形態1》
図1〜図9は、本発明に係る液晶表示パネルの製造装置の実施形態1を示している。具体的に、図1は、本実施形態のパネル修正装置150の側面図である。また、図2は、パネル修正装置150を構成する加振ユニット100aの側面図であり、図3は、加振ユニット100aの正面図である。また、図4は、加振ユニット100aを構成するステージ71の平面図である。また、図5は、加振ユニット100aを構成する第3プレート89及び第4プレート90の係合構造を示す平面図である。なお、図1〜図3では、液晶表示パネル50aを搬出入する側を正面と称している。
【0030】
パネル修正装置150は、図1に示すように、液晶表示パネル50aの上面に接触することにより液晶表示パネル50aに対して加熱及び加圧を行う加熱加圧ユニット60と、液晶表示パネル50aの下面に接触することにより液晶表示パネル50aに対して加振を行う加振ユニット100aとを備えた液晶表示パネルの製造装置である。
【0031】
加熱加圧ユニット60は、図1に示すように、電熱体62が内蔵された加熱加圧プレート61と、加熱加圧プレート61の上方にそれぞれ設けられた複数のシリンダー本体63と、各シリンダー本体63に突出入し、先端が加熱加圧プレート61に固定されたシリンダーロッド64と、液晶表示パネル50aの上面に加える圧力を調節するための圧力調整器(不図示)と、加熱加圧プレート61の温度を調整するための温度調整器(不図示)とを備え、シリンダー本体63を作動させることにより、加熱加圧プレート61が昇降するように構成されている。
【0032】
加振ユニット100aは、図2〜図4に示すように、複数の開口部71aがマトリクス状に形成されたステージ(接触板)71と、ステージ71の各開口部71aを介して、液晶表示パネル50aの下面に接触することにより液晶表示パネル50aに対して加振を行う高周波振動子72aと、ステージ71が蓋になるように箱状に設けられた筐体73とを備えている。ここで、ステージ71には、複数の開口部71aが設けられているが、図2及び図3では、開口部71aを1つだけ図示している。なお、本実施形態では、複数の開口部71aがマトリクス状に配列された構成を例示したが、複数の開口部71aは、千鳥状やハニカム状など他の形状に配列されていてもよい。
【0033】
加振ユニット100aでは、図3に示すように、筐体73の内底に互いに平行に延びるように一対の第1レール75が設けられ、各第1レール75上に第1スライダー76が摺動可能にそれぞれ設けられている。
【0034】
また、加振ユニット100aでは、図2及び図3に示すように、各第1スライダー76の上面に第1プレート77が固定され、第1プレート77の下面に一対の第1移動ナット78が固定されている。
【0035】
さらに、加振ユニット100aでは、図2及び図3に示すように、一対の第1移動ナット78にねじ切りされた第1シャフト79が係合され、第1シャフト79の一方端に第1ハンドル80が固定されている。
【0036】
これにより、加振ユニット100aでは、第1ハンドル80を回転させることにより、第1プレート77が図2中の横方向に平行移動するようになっている。
【0037】
そして、加振ユニット100aでは、図2に示すように、第1プレート77の上面に互いに平行に延びるように一対の第2レール81が設けられ、各第2レール81上に第2スライダー82が摺動可能にそれぞれ設けられている。
【0038】
また、加振ユニット100aでは、図2及び図3に示すように、各第2スライダー82の上面に第2プレート83が固定され、第2プレート83の下面に一対の第2移動ナット84が固定されている。
【0039】
さらに、加振ユニット100aでは、図2及び図3に示すように、一対の第2移動ナット84にねじ切りされた第2シャフト85が係合され、第2シャフト85の一方端に第2ハンドル86が固定されている。
【0040】
これにより、加振ユニット100aでは、第2ハンドル86を回転させることにより、第2プレート83が図3中の横方向に平行移動するようになっている。
【0041】
そして、加振ユニット100aでは、図2及び図3に示すように、第2プレート83上の中央部にジグシリンダ88が固定され、第2プレート83上の各角部にガイド用のボールブッシュ87が固定されている。
【0042】
また、加振ユニット100aでは、図2及び図3に示すように、各ボールブッシュ87の上面に第3プレート89が固定されている。
【0043】
これにより、加振ユニット100aでは、ジグシリンダ88を作動させることにより、第3プレート89(及びそれに間接的に設けられた高周波振動子72a)が昇降するようになっている。
【0044】
そして、加振ユニット100aでは、図5に示すように、第3プレート89に第4プレート90が段付きネジ93を軸として回転自在に支持されている。ここで、第3プレート89には、第4プレート90の回転の周方向に沿って、各々、ねじ切りされた複数の貫通孔89aが形成され、第4プレート90には、その回転の周方向に沿って、円弧状の開口部90aが形成されている。そのため、加振ユニット100aでは、図5示すように、第3プレート89の何れか1つの貫通孔89aに第4プレート90の開口部90aを介してクランプ91のねじ部分をねじ止めすることにより、第3プレート89に第4プレート90が所定の角度で固定されるようになっている。
【0045】
そして、加振ユニット100aでは、図2及び図3に示すように、第4プレート90上にサーボーモーター92が固定され、サーボーモーター92のねじ切りされたシャフトに移動ユニット(不図示)が螺合するように取り付けられ、その移動ユニットの上面に形成された凹部内に高周波振動子72aが載置されている。ここで、サーボーモーター92は、移動ユニットが0.1mm/秒〜20mm/秒で平行に移動するように構成されている。
【0046】
高周波振動子72aの液晶表示パネル50aの下面に接触する部分は、図2及び図3に示すように、略半球状の曲面状に形成されている。ここで、液晶表示パネル50aの下面に接触する高周波振動子72aの頂部の上から見た直径は、例えば、30mm程度である。なお、ステージ71に形成された各開口部71aの大きさは、例えば、100mm×100mm程度である。また、高周波振動子72aの頂部は、例えば、樹脂やゴムにより滑らかに形成されている。また、高周波振動子72aの頂部は、例えば、表面研磨されたステンレスなどにより形成されていてよい。また、高周波振動子72aの頂部の表面又は液晶表示パネルの下面には、例えば、油などの潤滑剤が塗布されていてもよい。
【0047】
上記構成の加振ユニット100aは、第1ハンドル80及び第2ハンドル86を回転させることにより、高周波振動子72aがステージ71の所定の開口部71aの下側に移動し、ジグシリンダ88を作動させることにより、高周波振動子72aの頂部が液晶表示パネル50aの下面に接触し、サーボーモーター92を作動させることにより、高周波振動子72aが振動しながら移動し、クランプ91のねじ止め位置を変えることにより、高周波振動子72aの移動方向が変わるように構成されている。
【0048】
次に、パネル修正装置150で不良を修正する本実施形態の液晶表示パネル50aについて説明する。ここで、図6は、パネル修正装置150で修正される液晶表示パネル50aの断面図である。また、図7は、液晶表示パネル50aを構成するTFT基板20の平面図であり、図8は、図7中のVIII−VIII線に沿ったTFT基板20の断面図である。
【0049】
液晶表示パネル50aは、図6に示すように、互いに対向するように設けられたTFT基板20及びCF基板30と、TFT基板20及びCF基板30の間に設けられた液晶層40と、TFT基板20及びCF基板30を互いに接着すると共に、TFT基板20及びCF基板30の間に液晶層40をODF法で封入するために枠状に設けられたシール材35とを備えている。ここで、液晶表示パネル50aでは、図6に示すように、シール材35の内側の液晶層40に気泡45が発生している。
【0050】
TFT基板20は、図7及び図8に示すように、ガラス基板などの絶縁基板10上に互いに平行に延びるように設けられた複数のゲート線11aと、各ゲート線11aの間にそれぞれ設けられ、互いに平行に延びる複数の容量線11bと、各ゲート線11aと直交する方向に互いに平行に延びるように設けられた複数のソース線13と、各ゲート線11a及び各ソース線13の交差部分毎、すなわち、画像の最小単位である各副画素にそれぞれ設けられた複数のTFT5と、各TFT5を覆うように設けられた層間絶縁膜14と、層間絶縁膜14上にマトリクス状に設けられた複数の画素電極15とを備えている。ここで、TFT基板20上の比較的厚く形成された層間絶縁膜14は、図6に示すように、液晶材料(40)の浸透の妨げになり易いと考えられる。
【0051】
次に、本実施形態のパネル修正装置150を用いて、液晶表示パネル50aで発生した気泡45による不良を修正する方法について説明する。ここで、図9は、パネル修正装置150を用いて気泡45による不良を修正したとき液晶表示パネル50aの断面図である。
【0052】
まず、加振ユニット100a(のステージ71)上に液晶表示パネル50aを載置した後に、加熱加圧ユニット60を下降させて、液晶表示パネル50aに対して加熱(例えば、50℃〜140℃程度)及び加圧(例えば、0.2MPa〜0.7MPa程度)を行う。このとき、第1ハンドル80及び第2ハンドル86を適宜回転させることにより、液晶表示パネル50aの気泡45が発生した位置に対応するステージ71の所定の開口部71aの下側に高周波振動子72aを移動させる。
【0053】
続いて、ジグシリンダ88を作動させることにより、高周波振動子72aの頂部を液晶表示パネル50aの下面に接触させた後に、高周波振動子72aを作動させることにより、液晶表示パネル50aに対して局所的に加振(例えば、100Hz〜350Hz)を行い、シール材35の内側全域に液晶材料(40)を浸透させる。さらに、このとき、サーボーモーター92を作動させることにより、高周波振動子72aを振動させながら移動させて、広範囲に加振を行ってもよい。
【0054】
以上のようにして、液晶表示パネル50aで発生した気泡45による不良を修正することができる。
【0055】
以上説明したように、本実施形態のパネル修正装置150によれば、液晶表示パネル50aの上面に接触して、液晶表示パネル50aを加熱及び加圧する加熱加圧ユニット60を備えているので、液晶表示パネル50aに熱及び圧力が直接伝わることになる。そのため、圧力容器を用いなくても、液晶表示パネル50aが高温及び高圧に容易に保持することができると共に、液晶表示パネル50aに発生した不良を修正するための修正時間を短縮することができる。さらに、加熱加圧ユニット60で加熱及び加圧されている液晶表示パネル50aの下面に接触して、液晶表示パネル50aを加振する加振ユニット100aを備えているので、シール材35の内側に気泡45が発生した液晶表示パネル50aに対し、シール材35の内側全域への液晶材料40の浸透が促進されることにより、パネル内の気泡45による不良を修正することができる。したがって、液晶表示パネル50aを高温及び高圧に容易に保持して、気泡45による不良を効率的に修正することができるので、液晶表示パネル50aに発生した不良を低コストで修正することができる。
【0056】
また、本実施形態のパネル修正装置150によれば、加振ユニット100aが、複数の開口部71aが形成されたステージ71と、ステージ71の各開口部71aを介して液晶表示パネル50aの下面に接触して、液晶表示パネル50aを加振する高周波振動子72aとを備えているので、液晶表示パネル50aに発生した気泡45による不良の箇所に対応するステージ71の開口部71aを介して液晶表示パネル50aの下面に高周波振動子72aを接触させることにより、液晶表示パネル50aの気泡45による不良が発生した箇所を局所的に加振することができる。
【0057】
また、本実施形態のパネル修正装置150によれば、高周波振動子72aが液晶表示パネル50aの下面に接触した状態で移動可能に構成されているので、液晶表示パネル50aの加振される部分を移動させることにより、液晶表示パネル50aを広い範囲で加振することができ、液晶表示パネル50aに発生した気泡45による不良を効率的に修正することができる。
【0058】
また、本実施形態のパネル修正装置150によれば、高周波振動子72aの液晶表示パネル50aの下面に接触する部分が曲面状に形成されているので、液晶表示パネル50aの下面と各高周波振動子72aとの接触抵抗を小さくすることができ、液晶表示パネル50aの下面における高周波振動子72aの接触による損傷を抑制することができる。
【0059】
なお、本実施形態では、1つの高周波振動子72aが設けられたパネル修正装置150を例示したが、高周波振動子72aが複数設けられていてもよい。
【0060】
《発明の実施形態2》
図10は、本実施形態のパネル修正装置を構成する加振ユニット100bの側面図である。また、図11及び図12は、本実施形態のパネル修正装置を用いて気泡45による不良を修正したときの液晶表示パネル50aの断面図である。なお、以下の各実施形態において、図1〜図9と同じ部分については同じ符号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0061】
上記実施形態1では、1つの高周波振動子が設けられたパネル修正装置を例示したが、本実施形態では、複数の高周波振動子がマトリクス状に設けられたパネル修正装置を例示する。
【0062】
本実施形態のパネル修正装置は、液晶表示パネル50aの上面に接触することにより液晶表示パネル50aに対して加熱及び加圧を行う加熱加圧ユニット(60、図1参照)と、液晶表示パネル50aの下面に接触することにより液晶表示パネル50aに対して加振を行う加振ユニット100bとを備えている。
【0063】
加振ユニット100bは、図10に示すように、その上面にマトリクス状に露出するように設けられ、各々、液晶表示パネル50aの下面に接触して、液晶表示パネル50aに対して加振を行う複数の高周波振動子72bと、各高周波振動子72bの動作を制御するための制御部99と備えている。なお、本実施形態では、複数の高周波振動子72bがマトリクス状に配列された構成を例示したが、複数の高周波振動子72bは、千鳥状などの他の形状に配列されていてもよい。
【0064】
高周波振動子72bの液晶表示パネル50aの下面に接触する部分は、図10に示すように、平面状に形成されている。ここで、液晶表示パネル50aの下面に接触する高周波振動子72aの頂部の上から見た大きさは、例えば、30mm×30mm程度である。また、高周波振動子72bの頂部は、例えば、樹脂やゴムにより滑らかに形成されている。また、高周波振動子72bの頂部は、例えば、表面研磨されたステンレスなどにより形成されていてよい。また、高周波振動子72bの頂部の表面又は液晶表示パネル50aの下面には、例えば、油などの潤滑剤が塗布されていてもよい。
【0065】
制御部99は、各高周波振動子72bの周波数を個別に設定できるように構成され、図11に示すように、各高周波振動子72bの周波数を一定にしたり、図12に示すように、各高周波振動子72bの周波数を位置毎に異なるように周波数のモードが変更可能になっている。
【0066】
以上説明したように、本実施形態のパネル修正装置によれば、上記実施形態1と同様に、液晶表示パネル50aの上面に接触する加熱加圧ユニット60と、液晶表示パネル50aの下面に接触する加振ユニット100bとを備えているので、液晶表示パネル50aに発生した気泡45による不良を低コストで修正することができる。
【0067】
また、本実施形態のパネル修正装置によれば、加振ユニット100bが、各々、液晶表示パネル50aの下面に接触して、液晶表示パネル50aに対して加振を行う複数の高周波振動子72bを備えているので、液晶表示パネル50aの下面に各高周波振動子72bを接触させることにより、液晶表示パネル50aの気泡45による不良が発生した箇所を含むパネル全体を加振することができる。
【0068】
また、本実施形態のパネル修正装置によれば、各高周波振動子72bの液晶表示パネル50aの下面に接触する部分が平面状に形成されているので、液晶表示パネル50aの下面と各高周波振動子72bとの接触面積を大きくすることができ、液晶表示パネル50bを広範囲に加振することができる。
【0069】
《発明の実施形態3》
図13は、本実施形態のパネル修正装置で修正される液晶表示パネル50bの断面図である。また、図14は、本実施形態のパネル修正装置を用いてスペーサー36の凝集による不良を修正したときの液晶表示パネル50bの断面図である。
【0070】
上記各実施形態では、液晶表示パネルで発生した不良として、気泡による不良を例示したが、本実施形態では、スペーサーの凝集による不良を例示する。
【0071】
液晶表示パネル50bでは、TFT基板20及びCF基板30の間に液晶層40の厚さを保持するためのビーズ状のスペーサー36が挟持され、図13に示すように、局所的に凝集している。
【0072】
液晶表示パネル50bに対しても、図14に示すように、パネル修正装置150を用いて、加熱、加圧及び加振を行うことにより、スペーサー36の凝集による不良を修正することができる。なお、図14では、上記実施形態1の加振ユニット100aを構成する高周波振動子72aを用いているが、上記実施形態2の加振ユニット100bを構成する高周波振動子72bを用いてもよい。
【0073】
本実施形態のパネル修正装置によれば、上記各実施形態と同様に、液晶表示パネル50bの上面に接触する加熱加圧ユニット60と、液晶表示パネル50bの下面に接触する加振ユニット100aとを備えているので、スペーサー36の拡散が促進され、液晶表示パネル50bに発生したスペーサー36の凝集による不良を低コストで修正することができる。
【0074】
《発明の実施形態4》
図15は、本実施形態のパネル修正装置で修正される液晶表示パネル50cの断面図である。
【0075】
上記実施形態3では、液晶表示パネルで発生した不良として、スペーサーの凝集による不良を例示したが、本実施形態では、液晶表示パネルと偏光板との間の気泡の凝集による不良を例示する。
【0076】
液晶表示パネル50cの上面及び下面には、偏光板51及び52がそれぞれ貼り付けられ、図15に示すように、TFT基板20及び偏光板52の間に気泡55が挟み込まれている。
【0077】
液晶表示パネル50cに対しても、上記実施形態1又は2のパネル修正装置を用いて、加熱、加圧及び加振を行うことにより、気泡55による不良を修正することができる。
【0078】
本実施形態のパネル修正装置によれば、上記各実施形態と同様に、液晶表示パネル50cの上面に接触する加熱加圧ユニット60と、液晶表示パネル50cの下面に接触する加振ユニット100a又は100bとを備えているので、気泡55の外部への排出が促進され、液晶表示パネル50cに発生した気泡55による不良を低コストで修正することができる。
【0079】
なお、上記各実施形態では、ODF法で製造された液晶表示パネルに対する修正を例示したが、本発明は、真空注入法で製造された液晶表示パネルに対する修正にも適用することができる。
【0080】
また、上記各実施形態では、液晶表示パネルの上面から加熱及び加圧を行い、液晶表示パネルの下面から加振を行うパネル修正装置を例示したが、本発明は、液晶表示パネルの上面から加振を行い、液晶表示パネルの下面から加熱及び加圧を行うパネル修正装置にも適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0081】
以上説明したように、本発明は、圧力容器を用いることなく、液晶表示パネルに発生した不良を低コストで修正することができるので、大型の液晶表示パネルについて有用である。
【符号の説明】
【0082】
50a〜50c 液晶表示パネル
60 加熱加圧ユニット
71 ステージ(接触板)
71a 開口部
72a,72b 高周波振動子
100a,100b 加振ユニット
150 パネル修正装置(液晶表示パネルの製造装置)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液晶表示パネルの一方の表面に接触して、該液晶表示パネルに対して加熱及び加圧を行う加熱加圧ユニットと、
上記加熱加圧ユニットで加熱及び加圧が行われている液晶表示パネルの他方の表面に接触して、該液晶表示パネルに対して加振を行う加振ユニットとを備えている、液晶表示パネルの製造装置。
【請求項2】
上記加振ユニットは、上記加熱加圧ユニット側に配置する複数の開口部が形成された接触板と、該接触板の各開口部を介して上記液晶表示パネルの他方の表面に接触して、該液晶表示パネルに対して加振を行う高周波振動子とを備えている、請求項1に記載の液晶表示パネルの製造装置。
【請求項3】
上記高周波振動子は、上記液晶表示パネルの他方の表面に接触した状態で移動可能に構成されている、請求項2に記載の液晶表示パネルの製造装置。
【請求項4】
上記高周波振動子の上記液晶表示パネルの他方の表面に接触する部分は、曲面状に形成されている、請求項3に記載の液晶表示パネルの製造装置。
【請求項5】
上記加振ユニットは、各々、上記液晶表示パネルの他方の表面に接触して、該液晶表示パネルに対して加振を行う複数の高周波振動子を備えている、請求項1に記載の液晶表示パネルの製造装置。
【請求項6】
上記各高周波振動子の上記液晶表示パネルの他方の表面に接触する部分は、平面状に形成されている、請求項5に記載の液晶表示パネルの製造装置。
【請求項7】
上記加熱加圧ユニットは、上記加振ユニットに対して接近又は離間するように構成されている、請求項1乃至6の何れか1つに記載の液晶表示パネルの製造装置。
【請求項8】
上記加振ユニットは、上記液晶表示パネルを載置するように構成されている、請求項1乃至7の何れか1つに記載の液晶表示パネルの製造装置。
【請求項1】
液晶表示パネルの一方の表面に接触して、該液晶表示パネルに対して加熱及び加圧を行う加熱加圧ユニットと、
上記加熱加圧ユニットで加熱及び加圧が行われている液晶表示パネルの他方の表面に接触して、該液晶表示パネルに対して加振を行う加振ユニットとを備えている、液晶表示パネルの製造装置。
【請求項2】
上記加振ユニットは、上記加熱加圧ユニット側に配置する複数の開口部が形成された接触板と、該接触板の各開口部を介して上記液晶表示パネルの他方の表面に接触して、該液晶表示パネルに対して加振を行う高周波振動子とを備えている、請求項1に記載の液晶表示パネルの製造装置。
【請求項3】
上記高周波振動子は、上記液晶表示パネルの他方の表面に接触した状態で移動可能に構成されている、請求項2に記載の液晶表示パネルの製造装置。
【請求項4】
上記高周波振動子の上記液晶表示パネルの他方の表面に接触する部分は、曲面状に形成されている、請求項3に記載の液晶表示パネルの製造装置。
【請求項5】
上記加振ユニットは、各々、上記液晶表示パネルの他方の表面に接触して、該液晶表示パネルに対して加振を行う複数の高周波振動子を備えている、請求項1に記載の液晶表示パネルの製造装置。
【請求項6】
上記各高周波振動子の上記液晶表示パネルの他方の表面に接触する部分は、平面状に形成されている、請求項5に記載の液晶表示パネルの製造装置。
【請求項7】
上記加熱加圧ユニットは、上記加振ユニットに対して接近又は離間するように構成されている、請求項1乃至6の何れか1つに記載の液晶表示パネルの製造装置。
【請求項8】
上記加振ユニットは、上記液晶表示パネルを載置するように構成されている、請求項1乃至7の何れか1つに記載の液晶表示パネルの製造装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2013−109162(P2013−109162A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−254279(P2011−254279)
【出願日】平成23年11月21日(2011.11.21)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月21日(2011.11.21)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
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