説明

液晶表示装置及び携帯端末装置

【課題】最適な輝度均一性を確保しつつ、装置の小型化を実現することのできる液晶表示装置及び携帯端末装置を提供すること。
【解決手段】液晶表示装置は、TFT液晶パネル2には、バックライトの照射のみを検出し、外光に対しては遮蔽して影響を受けない光センサ8が複数設置される。制御部103のバックライト輝度分布算出手段103aが、光センサ8により検出されたバックライトの輝度に基づいて、バックライト5の輝度の分布を算出し、バックライト輝度調整手段103bが算出されたバックライト輝度分布が予め設定した輝度均一性を満たすようにバックライト5の輝度を調整する。制御部103は、バックライト制御部・昇圧回路部107に対して、バックライトの輝度に対応する電流値などの値を設定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バックライトを備える液晶表示装置及び携帯端末装置に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯端末などの画像表示デバイスとしては、一般的に液晶表示装置が広く用いられている。この種の液晶表示装置は、近年、表示画像の表現力をより豊かにするために、液晶パネルの表示サイズ及び画素数が増大し、画素サイズも微細化されてきている。
【0003】
液晶表示装置の液晶パネルには、表示サイズ及び画素数の増大及び画素サイズの微細化に伴って、透過率が低下するため、その背面に配置される光源であるバックライトの輝度をより明るくする必要がある。
【0004】
また、バックライト輝度の増加及び表示サイズの増大にともないバックライトの輝度均一性を保つことが難しくなってきている。
【0005】
LED(Light Emitting Diode)を光源とするバックライトを備えた液晶表示装置では、発光素子であるLEDの光度バラツキにより表示面での輝度ムラが生じる。これを避けるためには、LEDを選別し、輝度を揃える必要があり、これもまた部品コストが上がる要因となっている。
【0006】
さらに、LED及び導光板の組込みバラツキ、位置ズレにより表示面での輝度ムラが発生する。これを避けるためには、組み立て精度を上げ、より多くの時間を費やすか、より高価な設備を導入する必要があった。
【0007】
特許文献1には、各発光素子毎に輝度を所定の目標値に設定し、各発光素子について、その点灯時の輝度の前記目標値からのずれ量を検出し、検出されたずれ量に基づいて輝度を目標値に一致させる輝度補正回路を備える面照明光源が記載されている。特許文献1に記載の装置は、各発光素子と各受光素子とが同一のパッケージに1対1で近接配置されているため、同各発光素子の輝度が個々に補正されるので、同各発光素子及び各受光素子にばらつきがあっても、輝度の目標値を適切に設定することにより、各発光素子の輝度を均一にできるとしている。
【特許文献1】特開2007−141799号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながらこのような従来の液晶表示装置にあっては、光センサ素子を装備するためのスペースが必要であり、コストの増加につながる。また、各発光素子と各受光素子とが同一のパッケージに1対1で近接配置し、輝度を目標値に一致させる輝度補正回路により各発光素子の輝度を均一にしている。しかし各発光素子を所定の目標値に設定できたとしても、バックライト発光面全体として均一に発光し、LCD面に均等に到達しているかは分からない。
【0009】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、最適な輝度均一性を確保しつつ、装置の小型化を実現することのできる液晶表示装置及び携帯端末装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の液晶表示装置は、バックライトと、前記バックライト上に配置された液晶パネルと、前記液晶パネルのガラス基板の面内に配置された前記バックライトの輝度検出用の複数の光センサと、前記複数の光センサにより検出された前記バックライトの輝度に基づいて、前記バックライトの輝度の分布を算出するバックライト輝度分布算出手段と、算出されたバックライト輝度分布が予め設定した輝度均一性を満たすように前記バックライトの輝度を調整するバックライト輝度調整手段と、を備える構成を採る。
【0011】
本発明の携帯端末装置は、上記液晶表示装置を備える構成を採る。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、最適な輝度均一性を確保しつつ、装置の小型化及び低コスト化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0014】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る液晶表示装置のTFT液晶モジュールを示す図である。図2は、そのTFT液晶モジュールの断面図である。本実施の形態は、液晶パネル及び液晶表示装置としてTFT液晶モジュールに適用した例である。
【0015】
図1及び図2に示すように、TFT液晶モジュール1は、TFT液晶パネル2と駆動回路3とから構成される。
【0016】
TFT液晶パネル2の表示エリアは、RGBカラーフィルタ配列で構成され、各画素間及び周辺はブラックマトリックス21で覆われている。TFT液晶パネル2は、パネル外側に配置された2枚の偏光板22と、対向する2枚のガラス基板、すなわち、第1のガラス基板(カラーフィルタ側ガラス基板)23と第2のガラス基板(TFTアレイ側ガラス基板)24とを有する。
【0017】
駆動回路3は、上述2枚のガラス基板の第2のガラス基板24上に実装されたTFT液晶を駆動するための液晶ドライバ31と、同じく第2のガラス基板24上に接続されたフレキ基板32と、そのフレキ基板上に実装された液晶ドライバ31の周辺部品であるガラス上接続端子33と、制御側とのインターフェイス接続を行う制御系接続端子34とから構成される。
【0018】
なお、図1及び図2のTFT液晶モジュールの概観は、一般的なTFT液晶モジュールと同じである。
【0019】
図3は、本実施の形態1に係る液晶表示装置のTFT液晶の断面を示す図である。TFT液晶パネル2は、パネル外側に配置された2枚の偏光板22、対向する2枚のガラス基板23,24、カラーフィルタ25、TFT(Thin Film Transistor:薄膜トランジスタ)26、保護膜27、透明電極(共通電極)28a、透明電極(表示電極)28b、配向膜29、ブラックマトリックス(ブラックマスク)21、液晶層30、及び金属配線層35を備える。
【0020】
偏光板22は、特定の偏光成分を透過又は吸収するものである。ガラス基板23,24は透明な基板であり、一般的に平坦性に優れる無アルカリガラスより構成される。
【0021】
カラーフィルタ25は、赤緑青(RGB)の三原色を持つ染料や顔料の入った樹脂膜より構成され、3原色の混合により種々の色を作り出す(カラー表示)。
【0022】
TFT26は、液晶駆動用のスイッチング素子を構成し、透明電極及びメタル配線などにより構成される。TFT26は、パネルにマトリックス状に配置されたゲート線とデータ線の各交点に配置され、ゲート線のパルス電圧(走査信号)と、データ線からの信号電圧の印加により、TFT26がスイッチング素子として機能し、画素にかかる電圧を制御する。
【0023】
保護膜27は、カラーフィルタ25を保護する樹脂膜である。透明電極28a,28bは、一般的にはITO(Indium Tin Oxide)の透明導電性薄膜より構成される電極である。
【0024】
ガラス基板23側の透明電極28aは、共通(コモン)電極であり、パネルの全面において一様に形成されている。一方、ガラス基板24側の透明電極28bは、表示電極であり、個々の画素(特にRGB別のサブ画素:図6参照)別に形成されている。
【0025】
配向膜29は、液晶を配向させるための有機薄膜でポリイミド薄膜等より構成される。
【0026】
ブラックマトリックス(ブラックマスク)21は、カラーフィルタの周辺及び画素間に配置される遮光膜である。
【0027】
液晶層30は、第1のガラス基板(カラーフィルタ側ガラス基板)23と第2のガラス基板(TFTアレイ側ガラス基板)24との間に封止されている。例えば、液晶パネルにおいては、画像が実際に表示される表示領域以外の非表示領域においては、通常、バックライトの光漏れを防ぐためにマスキングが施されている。このマスキングは、パネルの周辺部に配置されたブラックマトリックスにより達成される。
【0028】
本実施の形態は、TFT液晶パネル2の部分に、バックライト輝度検出用の光センサ(バックライト輝度検出センサ)8を設けることを特徴の一つとする。
【0029】
光センサ8は、TFT液晶パネル2内において、特にそのガラス基板の面内で、かつ光(バックライト光)が通過する部分に配置されている。
【0030】
光センサ8の出力は、それぞれ配線により引き出されている。この配線は、接続端子に引き出され、フレキ基板32を通りフレキ上の制御系接続端子34(図1参照)に出力されている。光センサ8の出力は、制御系接続端子34(図1参照)を介して制御部103に出力される。
【0031】
制御部103は、マイクロプロセッサ等により構成され、光センサ8により検出されたバックライト5の輝度に基づき、バックライト5の電流を調整する。制御部103は、バックライト制御部・昇圧回路部107(図10参照)に対して、バックライトの輝度に対応する電流値などの値を設定する。
【0032】
具体的には、制御部103は、光センサ8により検出されたバックライトの輝度に基づいて、バックライト5の輝度の分布を算出するバックライト輝度分布算出手段103aと、算出されたバックライト輝度分布が予め設定した輝度均一性を満たすようにバックライト5の輝度を調整するバックライト輝度調整手段103bとを備える。バックライトの電流制御の詳細については図12により後述する。
【0033】
なお、制御部103は、後述する携帯端末装置100(図9参照)全体の制御を行う制御部103の資源を使用しているが、液晶表示装置用の制御部であってもよい。
【0034】
図4は、本実施の形態に係る導光板型バックライトを用いた液晶表示装置を示す図である。
【0035】
図4に示すように、液晶表示装置4は、上記TFT液晶パネル2と、その裏面から光をTFT液晶パネル2に向いて照射するバックライト5とを有する。
【0036】
TFT液晶パネル2がバックライト5からの白色光に照射された状態で、所望のフルカラー映像表示を得ることができる。
【0037】
なお、図4の液晶表示装置4の概観は、一般的な液晶表示装置と同じである。
【0038】
図5は、上記TFT液晶モジュール1において、光センサ8の配置位置及び配線の配置位置を示す図である。図5に示すように、A部は光センサ8の一部分を示す配置位置であり、B部は配線の配置位置である。
【0039】
図6は、光センサ8の配置位置であるA部の拡大図である。
【0040】
光センサ8は、第2のガラス基板24の上面(外光入射側)に配置されている(図3参照)。光センサ8の第1のガラス基板23の面内における位置は、ブラックマトリックス21が配置された部分の直下(ブラックマトリックスから見てバックライト側)であり、かつ金属配線層35から外れた場所に相当する。光センサ8は、外光に対してブラックマトリックス21により覆われているため、バックライトの光のみ検出することができる。
【0041】
なお、光センサ8の位置は、図3及び図6に示されたものには限定されない。ガラス基板の面内において、光センサ8が外光の影響を受けず、バックライトの光を検出できる位置に配置されればよい。すなわち、光センサ8を、外光を遮蔽する第2の遮蔽物の上に配置すればよい。
【0042】
例えば、光センサ8を、第1のガラス基板23側におけるブラックマトリックス21の直下に配置することができる。また、図3において、光センサ8の上に金属配線層35を形成することにより、光センサ8を外光から遮蔽してもよい。
【0043】
なお、図6において、1画素(ピクセル)40は3つのサブ画素40R(赤),40G(緑),40B(青)を含む。サブ画素は、第2のガラス基板24上において、サブ画素毎に区画された透明電極(表示電極)28bと、赤、緑、青いずれかの色素を持つカラーフィルタ25のセグメントによって定義され、スイッチング素子であるTFT26によって、各サブ画素毎にオン・オフ駆動される。本実施の形態では、サブ画素40Bのブラックマトリックス21の直下にセンサ8が配置されている。
【0044】
図7は、配線の配置位置であるB部の拡大図である。
【0045】
図7に示すように、配線は接続端子に引き出され、フレキ基板32を通りフレキ上の制御系接続端子34(図1参照)に出力されている。この配線を介して、光センサ8の検出信号S1〜Snが出力される。ここで出力された光センサ8の出力信号は、図示しない外部に設けられたAD(Analog-Digital)変換部でデジタル信号に変換され、制御部103に出力される。
【0046】
図8は、配線の配置位置の変更例を示す図である。
【0047】
この例では、液晶ドライバ31にAD変換回路を搭載し、配線を介して出力された光センサ8の出力信号が液晶ドライバ31によりデジタル化され、デジタル化された検出信号SD1〜SDnが出力される。
【0048】
図9は、本実施の形態に係る液晶表示装置を備える携帯端末装置の構成を示すブロック図である。本実施の形態は、携帯端末装置として携帯電話機/PHS(Personal Handy-Phone System)を適用した例である。また、携帯電話機のほか、PDA(Personal Digital Assistants:携帯情報端末)、携帯ゲーム機などの携帯機器に適用できる。
【0049】
図9に示すように、携帯端末装置100は、電源部101、バッテリ102、制御部103、無線部104、表示制御部105、TFT液晶パネル2(図1参照)、バックライト制御部・昇圧回路部107、バックライト5、時計制御部109、音声処理部110、スピーカ111、マイク112、キー入力部113、記憶装置114、及びAD変換部115を備えて構成される。
【0050】
上記TFT液晶パネル2、表示制御部105、制御部103、バックライト制御部・昇圧回路部107、及びバックライト5は、全体として液晶表示装置を構成する。
【0051】
電源部101は、携帯端末装置100の電源のオン・オフを制御する。電源部101は、バッテリ102の残存容量を検出する電池電圧検出部1aを含む。バッテリ102は通常2、3本の電池バー(セル)より構成されている。
【0052】
制御部103は、携帯端末装置100全体の制御を行うとともに、バックライト制御部・昇圧回路部107に対して、バックライトの輝度に対応する電流値などの値を設定する。制御部103は、制御プログラムやデータ等を基に各種演算処理を実行するCPU、データを一時的に記憶するとともに作業用記憶領域として使用するRAM、制御プログラムや固定データ等を記憶するROMを備え、ROMは定電流回路設定パターンテーブル(図13参照)を固定データとして記憶する。
【0053】
無線部104は、無線回路,整合回路等により構成され、アンテナを介して電波の送受信を行う。
【0054】
表示制御部105は、制御部103からの指令を受け、TFT液晶パネル2の駆動制御を行う。図1の液晶ドライバ(液晶駆動用LSI)31を含む駆動回路3の少なくとも一部を含む。TFT液晶パネル2は、複数の光センサ8を有し、所定の画像を表示すると同時に外光及びバックライト光を検出する。
【0055】
バックライト制御部・昇圧回路部107は、バックライト5の輝度、点灯領域等を制御する昇圧回路より構成される。詳細については、図10により後述する。
【0056】
バックライト5は、導光板、光源としてのLEDを含み、通常、液晶表示装置6の背後に配置されている。光源にはLEDではなく、通常のバルブを使用することもできる。また、必要に応じて、反射板、プリズムシート、拡散板等が組み込まれる。
【0057】
時計制御部109は、携帯端末100に組み込まれた時計の駆動、タイマーの制御等を行う。
【0058】
音声処理部110は、受信波や所定の機能に基づく指令を制御部103から受け、スピーカ111から出力するための音声情報に変換し、また、マイク112を介して拾われた外部の音声情報を、制御部103に出力するための所定の信号に変換する。
【0059】
キー入力部113は、十字キー、テンキー等、携帯端末100の皆体に形成された種々のキーより構成される。
【0060】
記憶装置114は、不揮発性メモリ、小型HDD(Hard Disc Drive)等により構成され、各種データを記憶する。
【0061】
AD変換部115は、TFT液晶パネル2の光センサ8のアナログの検出信号をデジタル信号に変換する部分である。図8の例では、AD変換部115は、液晶ドライバ内、すなわち表示制御部105内に組み込まれており、AD変換部115を別途設ける必要はなくなるため、点線で示したような経路に沿って検出信号は送られる。
【0062】
図10は、バックライト制御部・昇圧回路部107の構成例を示す図である。
【0063】
図10に示すように、バックライト制御部・昇圧回路部107は、定電流制御部120、定電流回路部121〜124、及びバックライト昇圧回路部125から構成される。
【0064】
バックライト5の光源は、4つのLED(Light Emitting Diode)から構成される。LEDの駆動方法としては、並列4灯で各LEDに流す電流を制御することができる。
【0065】
制御部103(図3参照)は、バックライト制御部・昇圧回路部107に対して制御信号を出力する。制御信号は、バックライト制御部・昇圧回路部107の定電流制御部120及びバックライト昇圧回路部125に入力され、定電流制御部120及びバックライト昇圧回路部125は、制御信号によりLEDに流す電流を設定する。
【0066】
図11は、光センサ8を内蔵したTFT液晶パネルに導光板型バックライトを組み合わせた一例を示す図である。
【0067】
図11に示すように、TFT液晶パネル2は、マトリクス配置された複数の光センサと、TFT液晶パネル2の端部に設置された4つのLEDとを備える。図11では、バックライト輝度検出用の光センサ8が示されており、TFT液晶パネル2内において、特にそのガラス基板の面内で、かつバックライト光が通過する部分に配置されている。
【0068】
以下、上述のように構成された液晶表示装置のバックライトの電流制御の動作について説明する。
【0069】
本実施の形態では、制御部103(図3参照)が、光センサ8の検出信号に基づいてバックライト5の電流を調整する。
【0070】
図12は、導光板型バックライトを用いた液晶表示装置の動作を示すフローチャートであり、制御部103により実行される。図中、Sはフローの各ステップを示す。図13は、制御部103により読み出される定電流回路設定パターンテーブルを示す図である。
【0071】
まず、ステップS1で、制御部103は、定電流回路部にパターン1を設定する。図13に示すように、パターン1は、定電流回路部121〜124(図10参照)に初期設定値を設定するパターンである。制御部103は、バックライト制御部・昇圧回路部107の定電流回路部121〜124(図10参照)に対して初期設定値を設定する。
【0072】
ステップS2では、制御部103は、複数の光センサ81−nによりバックライト輝度を検出する。本実施の形態は、TFT液晶パネル2(図3参照)の部分に、バックライト輝度検出用の光センサ8(図3参照)を設けている。光センサ8は、TFT液晶パネル2内において、特にそのガラス基板の面内で、かつ光(バックライト光)が通過する部分に配置されている。光センサ8の出力は、制御系接続端子34(図1参照)を介して制御部103に出力される。制御部103は、光センサ8からなる複数の光センサ81−nからの検出信号によりバックライト輝度を検出する。
【0073】
ステップS3では、制御部103は、複数の光センサ81−nにより検出したn個の輝度データをRAMに一時的に記憶する。
【0074】
ステップS4では、制御部103は、複数の光センサ81−nにより検出したn個の輝度データを基に、TFT液晶パネル2の表示面における輝度の分布を算出する。具体的には、記憶した輝度データからmin輝度/max輝度により輝度均一性La(%)を算出する。
【0075】
ステップS5では、制御部103は、算出した輝度均一性La(%)をRAMに一時的に記憶する。
【0076】
ステップS6では、制御部103は、算出した輝度均一性La(%)が目標輝度均一性Lref(%)以上か否かを判別する。
【0077】
算出した輝度均一性La(%)が目標輝度均一性Lref(%)以上の場合は、ステップS7でLref(%)≦La(%)となったパターンを記憶してステップS9に進み、
算出した輝度均一性La(%)が目標輝度均一性Lref(%)より小さい場合は、ステップS8でLref(%)>La(%)となったパターンを記憶してステップS9に進む。
【0078】
なお、上記ステップS6〜ステップS8の処理は省略が可能である。
【0079】
ステップS9では、制御部103は、設定パターンは最大値(45)であるか否かを判別する。この設定パターンは、図13の定電流回路設定パターンテーブルに格納された最大値(45)の設定パターンである。
【0080】
設定パターンが最大値(45)でなければ、ステップS10で制御部103は、設定パターンをインクリメントし(設定パターン+1)、ステップS11で定電流回路部1〜4(図10参照)に変更したパターンを設定して上記ステップS2に戻る。上記ステップS2〜ステップS11の処理が、設定パターンが最大値(45)になるまで繰り返される。
【0081】
設定パターンが最大値(45)に達すると、ステップS12で制御部103は、他のパターンを実行するか否かを判別する。他のパターンとは、電流減又は電流増の値を変更した設定の目標輝度均一性Lref(%)をいう。
【0082】
他のパターンを実行する場合は、ステップS13で制御部103は、定電流回路部1〜4(図10参照)に変更したパターンを設定して上記ステップS1に戻り、変更したパターンについて上述した処理を繰り返す。
【0083】
上記ステップS12で他のパターンを実行しない場合は、ステップS14で制御部103は、目標輝度均一性Lref(%)以上の輝度均一性La(%)があるか否かを判別する。
【0084】
目標輝度均一性Lref(%)以上の輝度均一性La(%)がない場合は、ステップS15で制御部103は、目標輝度均一性Lref(%)より小さい輝度均一性La(%)の中で最も高い数値の輝度均一性La(%)が規格値に収まるか否かを判別する。
【0085】
前記最も高い数値の輝度均一性La(%)が規格値に収まらない場合は、制御部103は、何らかの不具合があると判断してバックライトユニット確認処理(図示略)に移行する。
【0086】
上記ステップS14で目標輝度均一性Lref(%)以上の輝度均一性La(%)がある場合、あるいは上記ステップS15で最も高い数値の輝度均一性La(%)が規格値に収まる場合は、ステップS16に進む。
【0087】
ステップS16では、制御部103は、最も高い数値(輝度均一性La(%))の設定パターンを最終パターンとして定電流回路部121〜124(図10参照)に設定して本フローを終了する。
【0088】
以上詳細に説明したように、本実施の形態の液晶表示装置は、TFT液晶パネル2には、バックライトの照射のみを検出し、外光に対しては遮蔽して影響を受けない光センサ8が複数設置される。制御部103のバックライト輝度分布算出手段103aが、光センサ8により検出されたバックライトの輝度に基づいて、バックライト5の輝度の分布を算出し、バックライト輝度調整手段103bが算出されたバックライト輝度分布が予め設定した輝度均一性を満たすようにバックライト5の輝度を調整する。制御部103は、バックライト制御部・昇圧回路部107に対して、バックライトの輝度に対応する電流値などの値を設定する。これにより、最適な輝度均一性を確保することができ、装置の小型化を実現することができる。
【0089】
本実施の形態では、複数の光センサ8を用いて、バックライト5の輝度を調整する具体的方法を開示している。すなわち、バックライト輝度分布算出手段103aが、光センサ8により検出されたバックライトの輝度に基づいて、バックライト5の輝度の分布を算出する。バックライト輝度調整手段103bは、算出されたバックライト輝度分布が予め設定した輝度均一性(min/max(%))以上にあるかを判断し、算出されたバックライト輝度分布が予め設定した値よりも低い場合、制御部103は、バックライト制御部・昇圧回路部107に対し、制御信号を出力する。バックライト制御部・昇圧回路部107は、各LEDの電流を可変して、予め設定した輝度均一性以上になるように制御する。したがって、LEDの光度バラツキ,組込みバラツキ,位置ズレなどにより表示面での輝度ムラが発生する場合があっても、バックライトの輝度を均一に保つことができる。コスト低減、及び生産性向上につながる。
【0090】
また、本実施の形態では、複数あるLEDの電流可変(増減)を全ての組み合わせで実行し、輝度均一性の比較を行い、最も高い値での電流設定を最終確定値とする方法を採る。実際に光源電流を可変して、最も高い値での電流設定を最終確定値とするので、輝度均一性の良い状態を確実に実現することができる。
【0091】
(実施の形態2)
図14は、本発明の実施の形態2に係る液晶表示装置の直下型バックライトを用いた液晶表示装置を示す図である。
【0092】
図14に示すように、液晶表示装置4は、上記TFT液晶パネル2と、その裏面から光をTFT液晶パネル2に向いて照射するバックライト5とを有する。バックライト5は、複数のLEDと、拡散板6aと、拡散シート6bとから構成される。
【0093】
LEDからの光は、拡散板6aにより拡散され、さらに拡散シート6bで拡散されてバックライト5から照射される。
【0094】
TFT液晶パネル2がバックライト5からの白色光に照射された状態で、所望のフルカラー映像表示を得ることができる。なお、図14の液晶表示装置4の概観は、一般的な液晶表示装置と同じである。
【0095】
図15は、本実施の形態に係る直下型バックライトを用いた液晶表示装置のバックライト制御部・昇圧回路部107の構成例を示す図である。図10と同一構成部分には同一符号を付している。
【0096】
図15に示すように、バックライト制御部・昇圧回路部107は、定電流制御部120、定電流回路部121〜124、及びバックライト昇圧回路部125から構成される。
【0097】
バックライト5の光源は、(LED×4)×nから構成される。定電流回路部121には、直列に4つのLED11〜LED14が接続され、同様な構成の定電流回路部122〜124のLED11〜LEDn4との間で並列接続される。
【0098】
制御部103(図3参照)は、バックライト制御部・昇圧回路部107に対して制御信号を出力する。制御信号は、バックライト制御部・昇圧回路部107の定電流制御部120及びバックライト昇圧回路部125に入力され、定電流制御部120及びバックライト昇圧回路部125は、制御信号によりLED11〜LEDn4に流す電流を設定する。
【0099】
図16は、光センサ81−nを内蔵したTFT液晶パネルに直下型バックライトを組み合わせた一例を示す図である。
【0100】
図16に示すように、TFT液晶パネル2は、マトリクス配置された光センサ81−nと、TFT液晶パネル2の端部にマトリクス配置されたLED11〜LEDn4とを備える。図16では、バックライト輝度検出用の光センサ81−nのうち、光センサ8、光センサ8、光センサ8が示されており、TFT液晶パネル2内において、特にそのガラス基板の面内で、かつバックライト光が通過する部分に配置されている。
【0101】
以下、上述のように構成された液晶パネル及び液晶表示装置のバックライトの電流制御の動作について説明する。
【0102】
図17は、直下型バックライトを用いた液晶表示装置の動作を示すフローチャートであり、制御部103により実行される。
【0103】
まず、ステップS21で、制御部103は、光センサ81−nにより輝度を検出し、ステップS22で光センサ81−nの検出輝度を記憶する。
【0104】
次いで、ステップS23で制御部103は、光センサNOに1を設定し、ステップS24で定電流回路NOに1を設定する。
【0105】
ステップS25では、制御部103は、設定したNOの光センサ8の輝度が予め定められた輝度範囲Ldか否かを判別する。
【0106】
設定したNOの光センサ8の輝度が予め定められた輝度範囲Ldでない場合は、ステップS26で制御部103は、設定したNOの光センサ8の輝度が予め定められた輝度範囲Ldより大きいか否かを判別する。
【0107】
設定したNOの光センサ8の輝度が予め定められた輝度範囲Ldより大きい場合は、ステップS27で制御部103は、設定されているNOの定電流回路電流を減少させて上記ステップS25に戻る。
【0108】
設定したNOの光センサ8の輝度が予め定められた輝度範囲Ld以下の場合は、ステップS28で制御部103は、設定されているNOの定電流回路電流を増加させて上記ステップS25に戻る。
【0109】
上記ステップS25で設定したNOの光センサ8の輝度が予め定められた輝度範囲Ldである場合は、ステップS29で設定されている光センサNOはn(最大NO)か否かを判別する。
【0110】
光センサNOがnでない場合は、ステップS30で制御部103は、設定されている光センサNOをインクリメントし(光センサNO+1)、ステップS31で設定されているNOの定電流回路NOをインクリメントして(定電流回路NO+1)上記ステップS25に戻る。これにより、全ての光センサ81−nに対する定電流回路部の組み合わせが実行される。
【0111】
上記ステップS29で設定されている光センサNOはn(最大NO)になった場合は、本フローを終了する。
【0112】
このように、本実施の形態によれば、バックライト5の光源としてマトリクス配置したLED11〜LEDn4を備え、各LED11〜LEDn4に対して実施の形態1と同様の輝度均一性の制御を実行している。これにより、実施の形態1と比較してより一層、輝度均一性を向上させることができる。
【0113】
以上の説明は本発明の好適な実施の形態の例証であり、本発明の範囲はこれに限定されることはない。
【0114】
また、上記各実施の形態では、液晶パネル、液晶表示装置及び携帯端末装置という名称を用いたが、これは説明の便宜上であり、映像表示装置、ディスプレイ表示装置等であってもよい。
【0115】
さらに、上記液晶パネル、液晶表示装置及び携帯端末装置を構成する各部、例えば光源の種類・機能、その数及び接続方法などはどのようなものでもよい。
【産業上の利用可能性】
【0116】
本発明に係る液晶表示装置及び携帯端末装置は、バックライトの輝度を最適に設定しつつ、装置の小型化、低コスト化を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0117】
【図1】本発明の実施の形態1に係る液晶表示装置のTFT液晶モジュールを示す図
【図2】上記実施の形態1に係る液晶表示装置のTFT液晶モジュールの断面図
【図3】上記実施の形態1に係る液晶表示装置のTFT液晶の断面を示す図
【図4】本発明の実施の形態1に係る液晶表示装置の導光板型バックライトを用いた液晶表示装置を示す図
【図5】上記実施の形態1に係る液晶表示装置のTFT液晶モジュールにおいて、光センサの配置位置及び配線の配置位置を示す図
【図6】上記実施の形態1に係る液晶表示装置の光センサの配置位置であるA部の拡大図
【図7】上記実施の形態1に係る液晶表示装置の配線の配置位置であるB部の拡大図
【図8】上記実施の形態1に係る液晶表示装置の配線の配置位置の変更例を示す図
【図9】上記実施の形態1に係る液晶表示装置を備える携帯端末装置の構成を示すブロック図
【図10】上記実施の形態1に係る液晶表示装置のバックライト制御部・昇圧回路部の構成例を示す図
【図11】上記実施の形態1に係る液晶表示装置の光センサを内蔵したTFT液晶パネルに導光板型バックライトを組み合わせた一例を示す図
【図12】上記実施の形態1に係る液晶表示装置の導光板型バックライトを用いた液晶表示装置の動作を示すフロー図
【図13】上記実施の形態1に係る液晶表示装置の制御部により読み出される定電流回路設定パターンテーブルを示す図
【図14】本発明の実施の形態2に係る液晶表示装置の直下型バックライトを用いた液晶表示装置を示す図
【図15】上記実施の形態2に係る液晶表示装置の直下型バックライトを用いた液晶表示装置のバックライト制御部・昇圧回路部の構成例を示す図
【図16】上記実施の形態2に係る液晶表示装置の光センサを内蔵したTFT液晶パネルに直下型バックライトを組み合わせた一例を示す図
【図17】上記実施の形態2に係る液晶表示装置の直下型バックライトを用いた液晶表示装置の動作を示すフロー図
【符号の説明】
【0118】
1 TFT液晶モジュール
2 TFT液晶パネル
3 駆動回路
4 液晶表示装置
5 バックライト
8,81−n 光センサ
21 ブラックマトリックス(ブラックマスク)
22 偏光板
23,24 ガラス基板
25 カラーフィルタ
26 TFT(薄膜トランジスタ)
27 保護膜
28a 透明電極(共通電極)
28b 透明電極(表示電極)
29 配向膜
30 液晶層
31 液晶ドライバ
32 フレキ基板
33 ガラス上接続端子
34 制御系接続端子
35 金属配線層
100 携帯端末装置
103 制御部
103a バックライト輝度分布算出手段
103b バックライト輝度調整手段
107 バックライト制御部・昇圧回路部
120 定電流制御部
121〜124 定電流回路部
125 バックライト昇圧回路部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
バックライトと、
前記バックライト上に配置された液晶パネルと、
前記液晶パネルのガラス基板の面内に配置された前記バックライトの輝度検出用の複数の光センサと、
前記複数の光センサにより検出された前記バックライトの輝度に基づいて、前記バックライトの輝度の分布を算出するバックライト輝度分布算出手段と、
算出されたバックライト輝度分布が予め設定した輝度均一性を満たすように前記バックライトの輝度を調整するバックライト輝度調整手段と、
を備える液晶表示装置。
【請求項2】
前記バックライト輝度調整手段は、前記バックライトに発生する輝度ムラの発生パターンと、前記発生パターンに対応する制御量を記憶しており、
算出されたバックライト輝度分布が予め設定した輝度均一性を満たすように、前記制御量を適応的に用いて前記バックライトの輝度を調整する請求項1記載の液晶表示装置。
【請求項3】
前記バックライト輝度調整手段は、
前記バックライトの複数の光源の発光の組み合わせを全て実行して前記輝度均一性の比較を行い、前記輝度均一性が最も高い前記光源の発光の組み合わせを用いて前記バックライトの輝度を調整する請求項1記載の液晶表示装置。
【請求項4】
前記バックライトの光源は、複数のLEDからなり、
前記バックライト輝度調整手段は、前記複数のLEDの電流を可変して前記バックライトの輝度を調整する請求項1記載の液晶表示装置。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の液晶表示装置を備える携帯端末装置。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate


【公開番号】特開2010−204161(P2010−204161A)
【公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−46543(P2009−46543)
【出願日】平成21年2月27日(2009.2.27)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】