説明

液晶表示装置

【課題】液晶表示装置においてバックライトユニットからの光が下地部を伝播し光センサのノイズとなる恐れがあった。
【解決手段】光センサ30周縁部に切り欠き部24を形成する。これによりアレイ基板11の下地部21内を長距離伝播し光センサ30にノイズとして入射する側面ノイズ光100aの軽減を図り、もって外光測定機能を向上させることを目的とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は液晶表示装置に関し、特に屈折率の異なる薄膜界面での反射によるノイズ光を抑え、外光測定性能を向上する光センサを有することを特徴とする液晶表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年光センサ内蔵型液晶表示装置において外光測定性能を向上させるため、バックライト光等ノイズ光の影響を抑える技術が検討されている。一例として遮光部をバックライトと光センサの間に設け、下面ノイズ光を遮光する技術が実用化されている(特許文献1)。
【特許文献1】特開2007−179000号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし遮光部材をバックライトと光センサの間に設けた場合であっても、光センサへのノイズ光を完全に除去することはできない。バックライトからの光が表示領域内で多重散乱し、または外光が基板に側面から入射することで、光センサの側面方向からノイズ光が入射し得るからである。
【0004】
側面方向からの入射光は多層薄膜を構成する材質によって異なるが、10ルックス以上が確認されている。夜間での使用、例えば飲食店や寝室など暗い場所での使用を対象とする光センサは数ルックス単位の微弱な照度検出が求められるため、側面からの10ルックスを上回る光はノイズとなり、照度検出への影響も大きくなる。
【0005】
また側面方向からの光は以下で述べる理由により長距離伝播し照度検出に影響を与え易い特徴を有する。
【0006】
以下従来の光センサ内蔵型液晶表示装置構造を示す図10A及び図10Bを用いてアレイ基板内での側面方向からの入射について詳細を説明する。
【0007】
図10Aは従来構造での光センサ及び同一多層薄膜に形成される薄膜トランジスタ(以下TFTという)の周辺を表す一例を模した平面図である。図10Aの左側部分が光センサ周辺を、図10Aの右側部分がTFTの周辺を表し、図10Aの左側部分及び右側部分は同一平面上を示している。図10Bは、図10AのN−N線、O−O線に沿い切断した断面図である。
【0008】
当該光センサ30、TFT22周辺を含め、ガラス基板11a全体に亘り多層薄膜が被着されている。観察者側から見た基板背面、側面からのノイズ光100aはガラス基板11a上のTFT22等金属部又は薄膜上の凹凸で反射、屈折し、多層薄膜に入射する。多層薄膜は異なる構成要素からなる。そのため、散乱光は多層薄膜の中を反射伝播し易くなっている。
【0009】
特に屈折率の異なる薄膜界面での反射は長距離を伝播していく可能性が高い。例えば薄膜21a〜21eの屈折率のうち、薄膜21dと薄膜21aの屈折率が大きく、薄膜21cと薄膜21dの屈折率が小さい場合、表示領域20からの散乱光または外光からの散乱光は長距離経路を辿り、光センサ30で感知され側面ノイズ光100aとなり得る。
【0010】
本発明は上述した問題点に鑑みなされたものであって、その目的は切り欠き部または切り欠き部に遮光部材を充填した遮光部によってアレイ基板側面方向からの光を低減し、光センサ精度を向上させることが可能な液晶表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、本発明の態様に係る液晶表示装置は、ガラス基板上に屈折率の異なる複数の材料から形成される多層構造を有するアレイ基板と、前記アレイ基板と液晶層を介して対向に配置された対向基板と、前記アレイ基板上にマトリクス状に配置された画素電極からなる表示領域に光を照射するバックライトユニットと、前記アレイ基板上に形成され、出力用の配線部を有する光センサと、前記光センサと前記表示領域の間に位置した前記多層構造内に形成された切り欠き部とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば切り欠き部または切り欠き部に充填した遮光部材により、光センサへのノイズを低減し、光センサ精度の向上を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0014】
(実施の形態1)
図1は本実施の形態にかかる光センサ内蔵型液晶表示装置を示す斜視図である。
【0015】
液晶表示装置10は表示領域20を有するアレイ基板11と、このアレイ基板11に所定の隙間を保持して対向配置された対向基板12と、表示領域20を駆動する駆動LSI50と、外部LSIと接続するための接続フレキシブル基板60及び外光を受光する光センサ30を備え、アレイ基板11下面には光源となるLEDまたは冷陰極管等からなるバックライトユニット40が配置される。バックライトユニット40は表示領域20に光を照射するものである。
【0016】
図2は図1のA−A線に沿い切断した拡大断面図である。
【0017】
アレイ基板11と対向基板12とは表示領域20の周縁である額縁領域においてシール材14を用いて接合され、アレイ基板11と対向基板12とシール材14とで囲まれた領域に液晶層25が形成されている。シール材14は液晶層25を封止している。またアレイ基板11、対向基板12の液晶層25側と対向に位置する面には偏光板13a、13bが夫々配設されている。
【0018】
アレイ基板11は透明な絶縁基板としてのガラス基板11aと、このガラス基板11a上に形成された多層薄膜からなる下地部21と、詳細を後述する光センサ30と、光センサ30に入射する下面ノイズ光100bを遮光するための下面遮光部33と、光センサ30に入射する側面ノイズ光100aを低減する切り欠き部24と、下地部21上に形成された複数のスペーサ23と、下地部21に成膜された図示しない配向膜とを備えている。
【0019】
下地部21はガラス基板11aと接する側から順に積層されたSiNx膜アンダーコート層21a、SiOx膜アンダーコート層21b、SiOxからなるゲート絶縁膜21c、SiNxからなる層間膜21d、平坦化樹脂膜21eを備えており、上記下面遮光部33はSiNx 膜アンダーコート層21aまたはSiOx膜アンダーコート層21bに形成される。各膜21a〜21dは異なる材質から形成されるため、異なる屈折率を有する。具体的にはSiNxの屈折率は1.88、SiOxの屈折率は1.42、平坦化樹脂膜21eの屈折率は1.5〜1.7前後である。
【0020】
光センサ30はシール材14よりも表示領域20に近い位置であり、かつ下面遮光部33の上方で、下地部21内に形成される。光センサ30上面には外部LSIと接続する配線部等からの反射を防止するための樹脂遮光部31が形成されるが、光センサ30が外光を取り入れる必要があるため、光センサ30の真上には樹脂遮光部31は形成されない。
【0021】
尚ガラス基板11a上には複数の信号線36及び複数のゲート線37が設けられ、信号線36とゲート線37の交差部近傍にスイッチング素子として、例えばTFT22が設けられている。
【0022】
表示領域20は、アレイ基板11上にマトリクス状に配置された複数の画素領域を有している。各画素領域は、TFT22及びTFT22に電気的に接続された画素電極38等で形成されている。ゲート線37の一部はTFT22を形成している。また、この実施の形態において、信号線36及びゲート線37は画素領域を区画している。
【0023】
なお本願構成には直接関係を有さない構成要素であり図示していないが、通常の液晶表示装置同様カラーフィルタ層や対向ITO等も有している。
【0024】
図3は本実施の形態にかかる光センサ内蔵型液晶表示装置の図2の破線部R1にて示す光センサを説明する拡大断面図である。
【0025】
光センサ30は、横型のPINフォトダイオードで形成される。光センサ30は、出力用の配線部34と、半導体層35とを有している。半導体層35は、低濃度n型のカソード領域35a、高濃度p型アノード領域35b、及び前記アノード領域35bと比較し低濃度の不純物がドープされている真性ベース領域(Intrisic)35c(以下I領域35cという)を有している。配線部34は、カソード領域35a及びアノード領域35bにそれぞれ電気的に接続されている。
【0026】
光センサ30はI領域35cにおける半導体リーク電流の特性を利用し、外光の計測を行なう。具体的には半導体リーク電流が増加し電圧が低下する時間をコンパレータにより比較し、閾値電圧を下回りLOWとなった場合にラッチ回路を用い、駆動LSI内のソースドライバに信号を送り制御する。そのため適正な外光計測を行なうためにはノイズ光のI領域35cへの入射を防ぐことが必要となる。
【0027】
尚、半導体層35は非晶質シリコンか、ポリシリコンかを問わず使用することができるが、TFTと同一の製造工程で形成する場合にはTFTの半導体層と同一材料となる。
【0028】
図4A及び図4Bは実施の形態1にかかる光センサ内蔵型液晶表示装置のノイズ光低減構造及び同一多層薄膜に形成されるTFT構造を説明する図である。
【0029】
図4A左側部分は図2の破線部R1で示す光センサ30形成位置とその周辺を説明する拡大平面図であり、図4A右側部分は、図2の破線部R2で示す複数あるTFTの一つであり、表示領域中のTFT形成位置とその周辺を説明する拡大平面図である。
【0030】
図4B左側部分は図4A左側部分のB−B線に沿い切断した光センサを説明する拡大断面図であり、図4B右側部分は図4A右側部分のC−C線に沿い切断したTFTを説明する拡大断面図である。
【0031】
切り欠き部24は、光センサ30と表示領域20の間に位置しているとともに表示領域20の外側に位置した下地部21の多層構造内に形成されている。当該切り欠き部24は光センサ30へ入射する下面ノイズ光100bを防ぐ下面遮光部33の周縁に形成される。
【0032】
当該切り欠き部24により側面ノイズ光100aの伝播する下地部21の多層構造に新たに2つの界面が形成される。このため側面ノイズ光100aとなる散乱光が入射した場合にも切り欠き部24の両側面の界面によって屈折率が変わり、側面ノイズ光100aの一部を低減することが可能となる。
【0033】
尚、バックライトユニット40から照射される光の一部は、側面ノイズ光100aとなる。光センサ30が表示領域20に近接する場合、側面ノイズ光100aの光センサ30への悪影響はより強くなる。そのため切り欠き部24は表示領域20、光センサ30間を隔てるように設けることで、より高い側面ノイズ光100a低減効果を得ることができる。
【0034】
また切り欠き部24の深さは下地部21各層のいずれの層に達してもよい。各層ごとに側面ノイズ光100aを低減させる効果を得ることができるからである。ここでは、切り欠き部24は、SiNx膜アンダーコート層21aから層間膜21dにかけて形成されている。ここで、屈折率の高いSiNx膜アンダーコート層21aと層間膜(SiNx)21dに挟まれたSiOx膜アンダーコート層21b−ゲート絶縁膜(SiOx)21c間は長距離伝播する散乱光の導波路となるため、SiNx膜アンダーコート層21aに切り欠き部24が達する場合は特に側面ノイズ光100aに対する低減効果が高まる。
【0035】
加えて切り欠き部24がガラス基板11aに達してもよい。この場合、ガラス基板11aの上面に凹凸ができるため、下地部21底面の光の拡散効果を高めることができる。
【0036】
尚、下面遮光部33上に切り欠き部24を形成することも可能である。この場合、下面ノイズ光100bが切り欠き部24と下面遮光部33の隙間g1から入射することを防ぐことが可能となり、ノイズ光100の影響をより抑えることができる。
【0037】
さらに当該切り欠き部24は以下の変形例1及び変形例2に示す光センサ30の周縁を囲うコの字型または四辺を囲う形に形成することも可能である。
【0038】
(変形例1)
図5A及び図5Bは実施の形態1の変形例1にかかる光センサ内蔵型液晶表示装置のコの字型切り欠き部によるノイズ光低減構造及び同一多層薄膜に形成されるTFT構造を説明する図である。
【0039】
図5A左側部分は、図2の破線部R1で示す光センサ形成位置とその周辺を説明する拡大平面図であり、図5A右側部分は、図2の破線部R2で示す複数あるTFTの一つであり、表示領域中のTFT形成位置とその周辺を説明する拡大平面図である。
【0040】
図5B左側部分は図5A左側部分のD−D線に沿い切断した光センサを説明する拡大断面図であり、図5B右側部分は図5A右側部分のE−E線に沿い切断したTFTを説明する拡大断面図である。
【0041】
図5Aに示すようにコの字型で切り欠き部24を形成する場合、切り欠き部24は開放部を有して形成される。開放部が表示領域20と反対方向に位置していることで高い側面ノイズ光100a低減効果を得られるが、バックライトユニットまたは光センサ30の配置位置により影響が変わるため切り欠き部24は所望の位置を選択する。
【0042】
(変形例2)
図6A及び図6Bは実施の形態1の変形例2にかかる光センサ内蔵型液晶表示装置の四辺を囲う切り欠き部による側面ノイズ光低減構造及び同一多層薄膜に形成されるTFT構造を説明する図である。
【0043】
図6A左側部分は、図2の破線部R1で示す光センサ形成位置とその周辺を説明する拡大平面図であり、図6A右側部分は、図2の破線部R2で示す複数あるTFTの一つであり、表示領域中のTFT形成位置とその周辺を説明する拡大平面図である。
【0044】
図6B左側部分は図6A左側部分のF−F線に沿い切断した光センサを説明する拡大断面図であり、図6B右側部分は図6A右側部分のG−G線に沿い切断したTFTを説明する拡大断面図である。
【0045】
図6A及び図6Bに示すように、光センサ30の周縁の形状は矩形状である。切り欠き部24は光センサ30の四辺を囲う形に形成することも可能である。光センサ30の周囲を漏れなく囲うことができるため、側面ノイズ光100aに対する低減効果は図4A及び図4Bに示す実施の形態1または図5A及び図5Bに示す変形例1の切り欠き部24と比べ最も高くなる。
【0046】
尚、切り欠き部24を四辺に形成する場合、四辺のうちの一辺の切り欠き部24上に光センサ用の配線部34が形成される。配線部34は、光センサ30に電気的に接続されている。配線部34は金属膜で形成されるため、当該配線部34が形成された切り欠き部24aは後述する切り欠き部24を遮光部材で充填した場合と同様の遮光効果を奏する。
【0047】
上記図4A、図4B、図5A及び図5Bに示した変形例1及び変形例2の切り欠き部24の形成は、表示領域20内に形成されるTFT22のコンタクトホール形成工程でのエッチング処理と同時に行なうことで製造工程数を増やすことなく行なうことが可能である。
【0048】
(実施の形態2)
実施の形態2は切り欠き部に遮光部材を充填することで遮光部を形成し、側面ノイズ光を遮蔽するものである。
図7A及び図7Bは、実施の形態2にかかる光センサ内蔵型液晶表示装置の側面ノイズ光遮蔽構造及び同一薄膜に形成されるTFT構造を説明する図である。
【0049】
図7A左側部分は、図2の破線部R1で示す光センサ形成位置とその周辺を説明する拡大平面図であり、図7A右側部分は、図2の破線部R2で示す複数あるTFTの一つであり、表示領域中のTFT形成位置とその周辺を説明する拡大平面図である。
【0050】
図7B左側部分は図7A左側部分のH−H線に沿い切断した光センサを説明する拡大断面図であり、図7B右側部分は図7A右側部分のI−I線に沿い切断したTFTを説明する拡大断面図である。
【0051】
切り欠き部24に遮光部材を充填し遮光部32aを形成する。ここで遮光部材には、例えばモリブデンタングステン(MoW)、タンタル(Ta)、アルミニウム(Al)等の金属部材を用いる。尚、遮光部32aを形成する際、TFT22用の配線部として、表示領域20を形成するTFT22のゲート線37と同一の材料を用いることで、製造工程数を増やすことなくパターニングが可能である。
【0052】
また切り欠き部24は層間膜21dを貫通しない範囲でSiNx膜アンダーコート層21aまでの所望の深さで形成することが可能である。遮光部32aと光センサ用配線34のショートを防ぐため、層間膜21dを介する必要があるからである。
【0053】
当該遮光部32aが設けられるSiOx膜アンダーコート層21b−ゲート絶縁膜21c(SiOx)間は、上述した長距離伝播散乱光の導波路となりうる。そのため当該SiOx膜アンダーコート層21b−ゲート絶縁膜21c間を遮光することは側面ノイズ光100aの遮蔽に大きく寄与する。
【0054】
(実施の形態3)
実施の形態3は光センサ用配線形成位置を避け切り欠き部を形成し、遮光部材を充填することで遮光部を形成する。
【0055】
図8A及び図8Bは、実施の形態3にかかる光センサ内蔵型液晶表示装置の側面ノイズ光遮蔽構造及び同一多層薄膜に形成されるTFT構造を説明する図である。
【0056】
図8A左側部分は、図2の破線部R1で示す光センサ形成位置とその周辺を説明する拡大平面図であり、図8A右側部分は、図2の破線部R2で示す複数あるTFTの一つであり、表示領域中のTFT形成位置とその周辺を説明する拡大平面図である。
【0057】
図8B左側部分は図8A左側部分のJ−J線に沿い切断した光センサ30を説明する拡大断面図であり、図8B右側部分は図8A右側部分のK−K線に沿い切断したTFT22を説明する拡大断面図である。
【0058】
切り欠き部24は、光センサ30の配線部34に重なった領域のみ開放されている。遮光部材として金属を充填した遮光部32bが光センサ用の配線部34と接触しショートすることを避けるため、光センサ30を囲むよう遮光部32bを四辺に形成する場合は、遮光部32b及び配線部34間に一定の隙間g2を設けることが必要である。
【0059】
実施の形態3は、遮光部32bの形成がSiNx膜アンダーコート層21a−層間膜21d間で可能であり、前述した実施の形態2と比較し、層間膜21d内を伝播する側面ノイズ光100aを一層遮蔽できる点、優位性がある。
【0060】
また実施の形態2は実施の形態3と比較した場合、SiOx膜アンダーコート層21b−ゲート絶縁膜21c間の四辺を囲い遮蔽できる点優位性がある。
【0061】
尚、切り欠き部24形成及び遮光部材の充填は、実施の形態1または2同様、TFT22及びTFT22用の配線部(信号線36)の形成と同時に同一の材料で行なうことで、製造工程数を増やすことなく実施が可能である。
【0062】
(実施の形態4)
実施の形態4は実施の形態2及び3を組み合わせ2層の連結型遮光部を形成し、四辺の側面ノイズ光を遮蔽するものである。
【0063】
図9A及び図9Bは、実施の形態4にかかる光センサ内蔵型液晶表示装置の側面ノイズ光遮蔽構造及び同一多層薄膜に形成されるTFT構造を説明する図である。
【0064】
図9A左側部分は、図2の破線部R1で示す光センサ形成位置とその周辺を説明する拡大平面図であり、時9A右側部分は、図2の破線部R2で示す複数あるTFTの一つであり、表示領域中のTFT形成位置とその周辺を説明する拡大平面図である。
【0065】
図9B左側部分は図9A左側部分のL−L線に沿い切断した光センサを説明する拡大断面図であり、図9B右側部分は図9A右側部分のM−M線に沿い切断したTFTを説明する拡大断面図である。
【0066】
連結型遮光部32dは遮光部32a及び遮光部32cからなる。遮光部32aは実施の形態2で説明した図7A及び図7Bに示す遮光部32aと同一のものである。遮光部32cは光センサ用の配線部34形成位置を避け形成された切り欠き部24を遮光部材にて充填した遮光部であり、遮光部32a上に形成されたものである。すなわち、遮光部32cは、層間膜21dから平坦化樹脂膜21eにかけては配線部34に重なった領域のみ開放されている。遮光部32a上に形成する点、実施の形態3の図8A及び図8Bに示す遮光部32bと相違する。
【0067】
実施の形態2と同様にSiOx膜アンダーコート層21b−ゲート絶縁膜21c(SiOx)間を遮光する遮光部32aを形成し、その後当該遮光部32a上に遮光部32cを形成する。
【0068】
遮光部32aは、TFT22用の配線部(ゲート線37)と同時に同一の材料で形成されている。当該遮光部32aをエッチングストッパとして、TFT22形成時のコンタクトホールと同時にエッチング処理を行ない、また信号線36形成時と同一の材料で遮光部32cを形成することで、製造工程数の増加を抑えた連結型遮光部32dの形成が可能となる。
【0069】
上記遮光部32dは側面ノイズ光100aである長距離伝播散乱光の導波路を四辺で囲み遮光し、併せて層間膜21dからの散乱光の入射を防ぐことができる。
【0070】
本実施の形態は実施の形態1に示す切り欠き部24と比較すると、遮光部材の充填による側面ノイズ光100a遮光効果を有する点、有効である。また実施の形態2及び3と比較すると、図7A及び図7Bに示す遮光部32a及び図8A及び図8Bに示す遮光部32bと比べ、図9A及び図9Bに示す遮光部32dは遮光範囲が拡大する点、有効であるといえる。
【0071】
よって実施の形態1乃至4の実施形態により光センサ30への側面ノイズ光100aの入射を防ぐことができる。
【0072】
なお、この発明は上記実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化可能である。また、上記実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【0073】
また、本実施形態ではPINフォトダイオードを用いた光センサ30の適用について述べたが、TFTを用いた光センサ30の場合にもダイオードと同様の効果を奏する。この場合、p濃度の低い部分への側面ノイズ光100aの入射を防ぐ。
【0074】
さらに、本実施の形態ではSiNx膜アンダーコート層21a、SiOx膜アンダーコート層21b、ゲート絶縁膜21c、層間膜21dとしたが、他の膜種であっても同様の手段で同様の効果を奏する。
【0075】
また、切り欠き部24充填部材として金属膜を例に説明したがアレイ基板11側に樹脂遮光層(ブラックマトリクス材料)を作成する場合であれば、ブラックマトリクス材料を切り欠き部24充填部材として適用し、同様の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】内蔵型光センサを有する液晶表示装置の実施構造を本実施の形態に適用した液晶表示装置を説明する斜視図。
【図2】内蔵型光センサを有する液晶表示装置の実施構造を本実施の形態に適用した液晶表示装置を説明する拡大断面図。
【図3】本発明にかかる内蔵型光センサを説明する拡大断面図。
【図4A】本発明の実施の形態1にかかる光センサ内蔵型液晶表示装置のノイズ光低減構造及び切り欠き部の形成位置を説明する拡大平面図。
【図4B】図4Aに示した液晶表示装置のノイズ光低減構造及び切り欠き部の形成位置を説明する拡大断面図。
【図5A】本発明の実施の形態1にかかる光センサ内蔵型液晶表示装置のノイズ光低減構造及びコの字型切り欠き部の形成位置を説明する拡大平面図。
【図5B】図5Aに示した液晶表示装置のノイズ光低減構造及びコの字型切り欠き部の形成位置を説明する拡大断面図。
【図6A】本発明の実施の形態1にかかる光センサ内蔵型液晶表示装置のノイズ光低減構造及び光センサの四辺を囲う切り欠き部の形成位置を説明する拡大平面図。
【図6B】図6Aに示した液晶表示装置のノイズ光低減構造及び光センサの四辺を囲う切り欠き部の形成位置を説明する拡大断面図。
【図7A】本発明の実施の形態2にかかる光センサ内蔵型液晶表示装置のノイズ光遮蔽構造及び遮光部の形成位置を説明する拡大平面図。
【図7B】図7Aに示した液晶表示装置のノイズ光遮蔽構造及び遮光部の形成位置を説明する拡大断面図。
【図8A】本発明の実施の形態3にかかる光センサ内蔵型液晶表示装置のノイズ光遮蔽構造及び遮光部の形成位置を説明する拡大平面図。
【図8B】図8Aに示した液晶表示装置のノイズ光遮蔽構造及び遮光部の形成位置を説明する拡大断面図。
【図9A】本発明の実施の形態4にかかる光センサ内蔵型液晶表示装置のノイズ光遮蔽構造及び遮光部の形成位置を説明する拡大平面図。
【図9B】図9Aに示した液晶表示装置のノイズ光遮蔽構造及び遮光部の形成位置を説明する拡大断面図。
【図10A】従来構造における光センサとその周辺を説明する拡大平面図。
【図10B】図10Aに示した光センサとその周辺を説明する拡大断面図。
【符号の説明】
【0077】
11…アレイ基板、11a…ガラス基板、12…対向基板、14…シール材、20…表示領域、21…下地部、21a,21b…アンダーコート層、21c…ゲート絶縁膜、21d…層間膜、21e…平坦化樹脂膜、22…薄膜トランジスタ(TFT)、24…切り欠き部、25…液晶層、30…光センサ、32a,32b,32c,32d…遮光部、33…下面遮光部、34…配線部、36…信号線、37…ゲート線、38…画素電極、40…バックライトユニット、100a,100b…ノイズ光。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガラス基板上に屈折率の異なる複数の材料から形成される多層構造を有するアレイ基板と、
前記アレイ基板と液晶層を介して対向に配置された対向基板と、
前記アレイ基板上にマトリクス状に配置された画素電極からなる表示領域に光を照射するバックライトユニットと、
前記アレイ基板上に形成され、出力用の配線部を有する光センサと、
前記光センサと前記表示領域の間に位置した前記多層構造内に形成された切り欠き部と
を備えることを特徴とする液晶表示装置。
【請求項2】
前記光センサは前記液晶層を封止するシール材よりも前記表示領域に近い位置に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項3】
前記切り欠き部は前記表示領域の外側に形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の液晶表示装置。
【請求項4】
前記切り欠き部は前記光センサに開放部を有して形成され、前記開放部が前記表示領域と反対方向に位置していることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の液晶表示装置。
【請求項5】
前記切り欠き部は前記光センサ周縁の四辺を囲うように形成されたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の液晶表示装置。
【請求項6】
前記多層構造は、アンダーコート層、ゲート絶縁膜、層間膜及び平坦化樹脂膜からなり、
前記切り欠き部は前記アンダーコート層から層間膜にかけて形成されたことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の液晶表示装置。
【請求項7】
前記切り欠き部に遮光部材が充填されて形成される遮光部をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の液晶表示装置。
【請求項8】
前記切り欠き部は、前記光センサの周縁に形成され、前記光センサの配線部に重なった領域のみ開放されていることを特徴とする請求項7に記載の液晶表示装置。
【請求項9】
前記切り欠き部は前記光センサの周縁に形成され、
前記遮光部は、前記アンダーコート層から前記層間膜にかけては前記光センサ周縁の四辺を囲うよう形成され、前記層間膜から前記平坦化樹脂膜にかけては前記光センサの前記配線部に重なった領域のみ開放されていることを特徴とする請求項7に記載の液晶表示装置。
【請求項10】
前記遮光部は、前記光センサの配線部、または前記画素電極と電気的に接続される薄膜トランジスタ用の配線部と同一材料で形成されることを特徴とする請求項7乃至9のいずれかに記載の液晶表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9A】
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【図9B】
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【図10A】
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【図10B】
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【公開番号】特開2009−145595(P2009−145595A)
【公開日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−322440(P2007−322440)
【出願日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【出願人】(302020207)東芝松下ディスプレイテクノロジー株式会社 (2,170)
【Fターム(参考)】