説明

液晶表示装置

【課題】構成を複雑化しないで、互いに隣接する第1,第2意匠を互いに異なる色で、混色を目立ち難くして表示可能な液晶表示装置を提供する。
【解決手段】液晶表示装置1は、互いに隣接する透光状態の第1,第2意匠21,22を表示する液晶パネル2と、液晶パネル2の背後に配置され、第1,第2意匠21,22を、それぞれ、透過照明する第1,第2光源51,52と、液晶パネル2の背後であって第1,第2光源51,52の間に配置され、第1,第2光源51,52の光が、それぞれ、第2,第1意匠22,21へ漏光することを抑える仕切り壁7と、を備え、第1,第2光源51,52の光を、これらを混色させた光が、第1光源51の光に対するよりも、第2光源52の光に対する方が目立ち難くなるように設定し、仕切り壁7を、第1意匠21よりも第2意匠22に近接させて配置している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、互いに隣接する第1,第2意匠を互いに異なる色で表示する液晶表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
互いに隣接する透光状態の第1,第2意匠とが形成された表示板と、第1意匠を透過照明する第1光源と、第2意匠を透過照明する第1光源と異なる色の光を発する第2光源とを備え、互いに隣接する第1,第2意匠を、互いに異なる色で表示する表示装置が開示されている(特許文献1を参照)。
【0003】
この表示装置では、仕切り壁を、第1,第2光源の間に設けるとともに、2枚の第1偏光板を第1光源と第1意匠の間に平行に配置し、2枚の第2偏光板を第2光源と第2意匠の間に平行に配置している。仕切り壁は、第1光源が発した光が第2意匠へ漏光することを抑えるとともに、第2光源が発した光が第1意匠へ漏光することを抑えるものである。
【0004】
第1,第2偏光板は、互いに偏光方向が異なる偏光板であり、このため、1枚目の第1偏光板を透過した第1光源が発した光は、仕切り壁を越えて第2偏光板側へ漏光しても、第1偏光板と偏光方向が異なる第2偏光板を透過できない。このため、1枚目の第1偏光板を透過した第1光源が発した光は、仕切り壁を越えて第2偏光板側へ漏光しても、第2意匠を透過照明できない。
【0005】
反対に、1枚目の第2偏光板を透過した第2光源が発した光は、仕切り壁を越えて第1偏光板側へ漏光しても、第2偏光板と偏光方向が異なる第1偏光板を透過できない。このため、1枚目の第2偏光板を透過した第2光源が発した光は、仕切り壁を越えて第1偏光板側へ漏光しても、第1意匠を透過照明できない。
【0006】
したがって、仕切り壁で抑えることができない漏光を、互いに偏光方向が異なるそれぞれ2枚の第1,第2偏光板によって、抑えることができる。このため、互いに隣接する第1,第2意匠を、互いに異なる色で、漏光による混色を目立ち難くして表示することが可能となっている。
【特許文献1】特開2008−83265号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
互いに隣接する第1,第2意匠を互いに異なる色で表示する液晶表示装置においても、互いに隣接する第1,第2意匠を、互いに異なる色で、互いに混色することを抑えつつ表示することが求められている。液晶表示装置は、互いに隣接する透光状態の第1,第2意匠とを表示する液晶パネルと、第1,第2光源と、仕切り壁と、を備える。
【0008】
第1光源は、第1意匠を透過照明する光源であり、第2光源は、第1光源と異なる色の光を発する第2意匠を透過照明する光源である。仕切り壁は、第1光源が発した光が第2意匠へ漏光することを抑えるとともに、第2光源が発した光が第1意匠へ漏光することを抑えるものである。
【0009】
しかしながら、液晶表示装置では、仕切り壁で抑えることができない漏光を、互いに偏光方向が異なるそれぞれ2枚の第1,第2偏光板によって抑える従来技術を適用することが困難である。これは、液晶パネルにおいて、液晶パネルの前後に互いに偏光方向が異なる偏光板が必要なため、それぞれ2枚の第1,第2偏光板を設けると、液晶パネルの前後に配置される偏光板を、第1,第2偏光板の偏光方向にそれぞれ対応させて、分離させる必要が生じるからである。さらには、第1,第2偏光板にそれぞれ対応させて、第1,第2意匠において液晶分子の配向方向を互いに変える必要も生じるからである。
【0010】
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、構成を複雑化しないで、互いに隣接する第1,第2意匠を互いに異なる色で、混色を目立ち難くして表示可能な液晶表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は上記目的を達成するため、以下の技術的手段を採用する。
【0012】
請求項1の発明によれば、互いに隣接する透光状態の第1意匠と透光状態の第2意匠とを表示する液晶パネルと、液晶パネルの背後であって第1意匠の背後側に配置され、第1意匠を透過照明する第1光源と、液晶パネルの背後であって第2意匠の背後側に配置され、第2意匠を透過照明するとともに、第1光源と異なる色の光を発する第2光源と、液晶パネルの背後であって、第1光源と第2光源の間に配置され、第1光源が発した光が第2意匠へ漏光することを抑えるとともに、第2光源が発した光が第1意匠へ漏光することを抑える仕切り壁と、を備え、第1光源の発する光と第2光源の発する光とを、第1光源の発した光と第2光源の発した光とを混色させた光が、第1光源の発した光に対するよりも、第2光源の発した光に対する方が目立ち難くなるように設定し、仕切り壁を、第1意匠と第2意匠の間において、第1意匠よりも第2意匠に近接させて配置していることを特徴とする。
【0013】
この構成によれば、第2光源は、第1光源と異なる色の光を発するとともに、第1光源の光と第2光源の光とを、第1光源の光と第2光源の光とを混色させた光が、第1光源の光に対するよりも、第2光源の光に対する方が目立ち難くなるように設定している。このため、この混色光によって透過照明された部位は、第1光源の光によって透過照明された第1意匠に対するよりも、第2光源の光によって透過照明された第2意匠に対する方が目立ち難くなっている。これにより、第2光源の光が第1意匠へ漏光して、第1光源の光と第2光源の光との混色光によって第1意匠が透過照明されるよりも、第1光源の光が第2意匠へ漏光して、この混色光によって第2意匠が透過照明されるほうが目立ち難くなっている。
【0014】
また、この構成によれば、仕切り壁を、第1意匠と第2意匠の間において、第1意匠よりも第2意匠に近接させて配置している。このため、仕切り壁を第1意匠と第2意匠の中央に配置する場合と比較して、第1光源の光が第2意匠へ漏光することを犠牲にして、第2光源の光が第1意匠へ漏光することを抑えることができる。
【0015】
以上により、第1光源の光が第2意匠へ漏光することによる目立ち難い漏光を犠牲にして、第2光源の光が第1意匠へ漏光することによる目立ち易い漏光を発生し難くしている。これにより、互いに隣接する第1,第2意匠を、それぞれ、互いに異なる色で、漏光による混色を目立ち難くして表示できる。
【0016】
すなわち、第1光源の光と第2光源の光とを、第1光源の光と第2光源の光とを混色させた光が、第1光源の光に対するよりも、第2光源の光に対する方が目立ち難くなるように設定することと、仕切り壁を第1意匠よりも第2意匠に近接させて配置するという、構成を複雑化することなく、互いに隣接する第1,第2意匠を互いに異なる色で、混色を目立ち難くして表示できる。
【0017】
請求項2の発明によれば、第1光源の発する光を白色光に設定し、第2光源の発する光を有色光に設定していることを特徴とする。
【0018】
このため、第1光源の白色光と第2光源の有色光の混色光が、薄い有色光であるため、この混色光は、第1光源の無色の白色光に対するよりも、第2光源の有色光に対する方が目立ち難くなっている。これにより、上述の効果を得ることができる。
【0019】
請求項3の発明によれば、第1光源が発した白色光を、第2光源が発した有色光と同系色の光に着色する着色層を、液晶パネルの裏面側であって第2意匠の裏面側に、形成していることを特徴とする。
【0020】
この構成によれば、第2意匠へ漏光する第1光源の白色光が、液晶パネルの裏面側であって第2意匠の裏面側に形成された着色層によって、第2光源の有色光と同系色の光に着色される。このため、第1光源の白色光と第2光源の有色光の混色光が、有色光に対して薄くなることを抑えることができる。これにより、第1意匠側の目立ち易い漏光を発生し難くするために発生し易くしている第2意匠側の目立ち難い漏光を、つまり、第1光源の白色光が第2意匠へ漏光することによる目立ち難い漏光を、より目立ち難くできる。
【0021】
したがって、構成を複雑化することなく、互いに隣接する第1,第2意匠を互いに異なる色で、混色をより目立ち難くして表示できる。
【0022】
請求項4の発明によれば、仕切り壁と液晶パネルとの間に配置され、第1光源の発した光を拡散させて第1意匠へ均一に導くとともに、第2光源の発した光を拡散させて第2意匠へ均一に導く光拡散板を備え、仕切り壁の一端を、光拡散板に当接させていることを特徴とする。
【0023】
この構成によれば、光拡散板によって第1,第2意匠を均一に透過照明できるため、これらの表示を均一にできる。また、この構成によれば、仕切り壁の一端を、光拡散板に当接させているため、仕切り壁と光拡散板の間からの漏光を無くすことができて、仕切り壁による漏光の抑制効果を高めることができる。したがって、光拡散板によって表示を均一にしている液晶表示装置において、構成を複雑化することなく、互いに隣接する第1,第2意匠を互いに異なる色で、混色をより目立ち難くして表示できる。
【0024】
請求項5の発明によれば、仕切り壁が光拡散板に当接している部位において液晶パネルと光拡散板の間に、変形に対して反発弾性の小さい変形吸収部材を介在させていることを特徴とする。
【0025】
各部品の公差や、各部品の組み付け公差等により、仕切り壁から光拡散板を介して液晶パネルに応力が加わる場合があり、これにより、液晶パネルの表示に歪などの不具合が生じる場合がある。このような場合においても、変形に対して反発弾性の小さい変形吸収部材を、仕切り壁が光拡散板に当接している部位において液晶パネルと光拡散板の間に介在させるようにしているため、仕切り壁から光拡散板を介して液晶パネルに加わる応力を抑えることができる。このため、上述の効果を得つつ、このような不具合の発生を抑えることができる。
【0026】
請求項6の発明によれば、変形吸収部材を、黒色の遮光性部材としていることを特徴とする。
【0027】
このため、変形吸収部材により漏光を抑えることができるため、光拡散板で拡散されて光拡散板を透過した第1,第2光源の光が、光拡散板と液晶パネルとの間の空間を通して漏光することを、抑えることができる。したがって、構成を複雑化することなく、互いに隣接する第1,第2意匠を互いに異なる色で、混色をより目立ち難くして表示できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、本発明による液晶表示装置を、自動車に搭載される場合を例に図面に基づいて説明する。
【0029】
(第1実施形態)
図1に示す液晶表示装置1は、液晶パネル2に表示された目盛20と、文字25とから、当該自動車のエンジン回転数を表示するように構成されている。目盛20の内、目盛線23および目盛線23と対応する第1目盛21(文字25の内、数字「0」から数字「8」に対応する)は、図1と図2において黒色の背景26を背景として、白色で表示される。目盛20の内、目盛線24および目盛線24と対応する第2目盛22(文字25の内、数字「9」と数字「10」に対応する)は、図1と図2において黒色の背景26を背景として、赤色で表示される。
【0030】
例えば、エンジン回転数が3000回転/分の場合、図1に示す文字25において数字が「3」より左側の第1目盛21が、白色で表示され、文字25において数字が「3」より右側の第1目盛21が、背景26の黒色と同じ表示状態とされる。エンジン回転数が4000回転/分になると、文字25において数字が「4」より左側の第1目盛21が、白色で表示され、文字25において数字が「4」より右側の第1目盛21が、背景26の黒色と同じ表示状態とされる。このように、エンジン回転数以下の領域の第1目盛21が、白色で表示され、エンジン回転数より高回転領域の第1目盛21が、背景26の黒色と同じ表示状態とされる。このようにして、エンジン回転数を読み取り可能にしている。
【0031】
一方、エンジン回転数にかかわらず、目盛線23は、常時白色で表示され、第2目盛22と目盛線24は、常時赤色で表示され、文字25は、常時白色で表示されるように構成されている。
【0032】
図2において、目盛21,22の各幅L1、目盛21,22の間隔L2は、1mmに設定されている。なお、目盛線23,24の間隔も間隔L2の1mmに設定され、第1目盛21同士の間隔、および、第2目盛22同士の間隔も、1mmに設定されている。
【0033】
液晶表示装置1は、図3に示すように、液晶パネル2に加えて、液晶パネル2を挟み込む一対の偏光板31,32と、発光ダイオード51,52と、光拡散板6と、仕切り壁7と、制御装置9(図5)とを備えている。
【0034】
液晶パネル2は、複数のドットセグメントをXYマトリックス状に形成したパネルであり、偏光板31,32と組み合わせることによって、各ドットセグメントは、電圧無印加時に遮光性となり、電圧印加時には透光性となるように構成されている。このように構成された液晶パネル2は、遮光状態の背景26を背景として、透光状態の目盛20と文字25を表示するように構成されている。目盛20の内、第1目盛21と第2目盛22は、互いに隣接し、目盛線23,24も、互いに隣接している。
【0035】
なお、液晶パネル2を、複数のドットセグメントをXYマトリックス状に形成しないで、目盛20と文字25の各形状のセグメントを形成したパネルとすることも可能である。
【0036】
以下、本発明の特徴である、第1目盛21を透過照明する発光ダイオード51の発する光の色、第2目盛22を透過照明する発光ダイオード52の発する光の色、仕切り壁7の配置を中心にして説明する。
【0037】
発光ダイオード51は、白色光を発する光源であり、液晶パネル2の背後であって第1目盛21の背後側に配置され、透光状態の第1目盛21を透過照明する。発光ダイオード51は、第1目盛21の円弧に沿って複数個配置されている。発光ダイオード52は、発光ダイオード52と異なる色の赤色光を発する光源であり、液晶パネル2の背後であって第2目盛22の背後側に配置され、透光状態の第2目盛22を透過照明する。発光ダイオード52は、第2目盛22の円弧に沿って複数個配置されている。
【0038】
ここで、発光ダイオード51の白色光と発光ダイオード52の赤色光を混色させた光は、薄い赤色光となるが、混色させた薄い赤色光は、発光ダイオード51の無色の白色光に対するよりも、発光ダイオード52の赤色光に対して目立ち難くなっている。このようにするため、発光ダイオード51の発する光を白色光に設定し、発光ダイオード52の発する光を赤色光に設定している。
【0039】
なお、目盛線23,24および文字25の背後側にも、これらを透過照明する図示しない発光ダイオオードが配置されている。発光ダイオード51,52、目盛線23,24用の発光ダイオード、および、文字25用の発光ダイオードは、プリント基板53に実装され、液晶パネル2は、図示しない配線によってプリント基板53に接続される。さらに、プリント基板53には、液晶パネル2を制御し、発光ダイオード51,52、および、目盛線23,24用や文字25用の各発光ダイオードの点燈・消燈を制御する制御装置9(図5)が実装されている。
【0040】
光拡散板6は、例えば樹脂から、曇りガラス状に形成され、発光ダイオード51,52、および、目盛線23,24用や文字25用の発光ダイオードと、液晶パネル2との間に配置されている。光拡散板6は、発光ダイオード51の発した白色光を拡散させて透光状態の第1目盛21へ均一に導くとともに、発光ダイオード52の発した赤色光を拡散させて第2目盛22へ均一に導くものである。また、光拡散板6は、目盛線23,24用や文字25用の各発光ダイオードの発した光を拡散させて透光状態の目盛線23,24や文字25へ均一に導くものでもある。この光拡散板6により、目盛20や文字25の表示を均一にできる。
【0041】
図4は、図2に示す目盛21,22と、図3に示す仕切り壁7との配置関係を説明するための説明図であり、図3に対して、図2を想像線(2点差線)で合わせて示した説明用の図面である。仕切り壁7は、例えば樹脂から、遮光性を有するように形成され、光拡散板6の背後であって、発光ダイオード51,52の間に配置されている。仕切り壁7は、発光ダイオード51が発した白色光が透光状態の第2目盛22へ漏光することを抑えるとともに、発光ダイオード52が発した赤色光が透光状態の第1目盛21へ漏光することを抑えるものである。
【0042】
仕切り壁7は、第1目盛21と第2目盛22の間において、第1目盛21よりも第2目盛22に近接させて配置される。具体的に、図4に示すように、仕切り壁7の右端が、第2目盛22の左端と略一致する位置に配置され、仕切り壁7の左端が第1目盛21の右端より右側に配置される。また、仕切り壁7の一端は、光拡散板6に当接している。
【0043】
第1目盛21は、請求項に記載の第1意匠に相当し、第2目盛22は、請求項に記載の第2意匠に相当し、発光ダイオード51は、請求項に記載の第1光源に相当し、発光ダイオード52は、請求項に記載の第2光源に相当する。
【0044】
図5において、制御装置9は、マイクロコンピュータ等から構成され、常時バッテリ12から電力が供給されるとともに、イグニッションスイッチ11が、そのオン/オフを検出可能に接続されている。また、制御装置9には、エンジン回転数を検出する回転センサ10が、その検出信号を入力可能に接続され、この検出信号に応じて制御装置9により制御される液晶パネル2、および、発光ダイオード51,52等が接続されている。
【0045】
上記構成において本実施形態の作動を以下で説明する。
【0046】
図5において、イグニッションスイッチ11がオンされると、制御装置9は、それを検出して作動を開始し、回転センサ10からの検出信号に応じて、液晶パネル2を表示させ、発光ダイオード51,52等を点燈させる。
【0047】
具体的に、図1において、回転センサ10から得られたエンジン回転数以下の領域の第1目盛21を透光状態にし、このエンジン回転数より高回転領域の第1目盛21を不透光状態にするように、液晶パネル2は制御される。なお、エンジン回転数とは無関係に、目盛線23,24、第2目盛22、および、文字25を、常時、透光状態にするように、液晶パネル2は制御される。なお、発光ダイオード51,52、および、目盛線23,24用や文字25用の各発光ダイオードは、エンジン回転数とは無関係に、点燈されている。
【0048】
制御装置9による以上の制御によって、エンジン回転数以下の領域の第1目盛21が、白色で表示され、エンジン回転数より高回転領域の第1目盛21が、背景26の黒色で表示される。このようにして、エンジン回転数を読み取り可能にしている。また、エンジン回転数とは無関係に、目盛線23は、常時白色で表示され、第2目盛22と目盛線24は、常時赤色で表示され、文字25は、常時白色で表示されている。
【0049】
以下、目盛21の全領域が透光状態になっている状態において、発光ダイオード51,52による目盛21,22の透過照明について説明する。
【0050】
図4において、発光ダイオード51が発した白色光は、光路P11にしたがって、光拡散板6で均一にされ、偏向板32を通して液晶パネル2の第1目盛21を透過照明し、偏向板31.を通して、白色の第1目盛21が表示される。発光ダイオード52が発した赤色光は、光路P21にしたがって、光拡散板6で均一にされ、偏向板32を通して液晶パネル2の第2目盛22を透過照明し、偏向板31を通して、赤色の第2目盛22が表示される。
【0051】
上述したように、仕切り壁7が、発光ダイオード51の白色光が第2目盛22へ漏光することを抑えるとともに、発光ダイオード52の赤色光が第1目盛21へ漏光することを抑えている。しかしながら、目盛21,22の間隔L2が1mmで狭いため、発光ダイオード51の白色光が、光路P12にしたがって第2目盛22へ漏光し、発光ダイオード52の赤色光が、光路P22にしたがって第1目盛21へ漏光する。
【0052】
光路P12の漏光により、第1目盛21と隣接する第2目盛22は、光路P12の漏光による白色光と光路P21の赤色光とが混色した薄い赤色の混色光によって透過照明される。一方、光路P22の漏光により、第2目盛22と隣接する第1目盛21は、光路P22の漏光による赤色光と光路P11の白色光とが混色した薄い赤色の混色光によって透過照明される。上述したように、薄い赤色光は、無色の白色光に対するよりも、赤色光に対して目立ち難くなっている。
【0053】
このため、薄い赤色の混色光によって透過照明された目盛21,22は、発光ダイオード51の白色光によって透過照明された第1目盛21に対するよりも、発光ダイオード52の赤色光によって透過照明された第2目盛22に対する方が目立ち難くなっている。即ち、発光ダイオード51の白色光によって透過照明された第1目盛21に対する薄い赤色の混色光によって透過照明された第1目盛21よりも、発光ダイオード52の赤色光によって透過照明された第2目盛22に対する薄い赤色の混色光によって透過照明された第2目盛22の方が、目立ち難い。
【0054】
したがって、発光ダイオード52の赤色光が第1目盛21へ漏光して、発光ダイオード51の白色光と発光ダイオード52の赤色光との薄赤色の混色光によって第1目盛21が透過照明されるよりも、発光ダイオード51の白色光が第2目盛22へ漏光して、この薄赤色の混色光によって第2目盛22が透過照明されるほうが目立ち難くなっている。
【0055】
上述したように、仕切り壁7は、第1目盛21と第2目盛22の間において、第1目盛21よりも第2目盛22に近接させて配置され、図4に示すように、仕切り壁7の右端が、第2目盛22の左端と略一致する位置に、配置されている。このため、仕切り壁7を第1目盛21と第2目盛22の中央に配置する場合と比較して、発光ダイオード51の白色光が第2目盛22へ漏光することを犠牲にして、発光ダイオード52の赤色光が第1目盛21へ漏光することを抑えることができる。
【0056】
以上により、発光ダイオード51の白色光が第2目盛22へ漏光することによる目立ち難い漏光を犠牲にして、発光ダイオード52の赤色光が第1目盛21へ漏光することによる目立ち易い漏光を発生し難くしている。これにより、互いに隣接する目盛21,22を、それぞれ、互いに異なる白色と赤色で、漏光による混色を目立ち難くして表示できる。
【0057】
すなわち、発光ダイオード51の光を白色光とし、発光ダイオード52の光を赤色光とし、および、仕切り壁7を目盛21,22の間において第1目盛21よりも第2目盛22に近接させて配置させるという、構成を複雑化することなく、互いに隣接する目盛21,22を、それぞれ、互いに異なる白色と赤色で、漏光による混色を目立ち難くして表示できる。
【0058】
さらに、仕切り壁7の一端を、光拡散板6に当接させているため、仕切り壁7と光拡散板6の間からの漏光を無くすことができるため、仕切り壁7による漏光の抑制効果をより高めることができる。したがって、構成を複雑化することなく、互いに隣接する目盛21,22を、それぞれ、互いに異なる白色と赤色で、漏光による混色をより目立ち難くして表示できる。
【0059】
(第2実施形態)
上述の第1実施形態による液晶表示装置1に対して、図6に示すように、第2実施形態による液晶表示装置1Aでは、着色層4とウレタン部材8が追加されている。
【0060】
着色層4は、発光ダイオード51が発した白色光を、発光ダイオード52が発した赤色光と同系色の光に着色するものである。着色層4は、液晶パネル2の裏面側であって第2目盛22の裏面側に、つまり、図6に示すように、偏光板32の裏面側であって第2目盛22の裏面側に、第2目盛22の左端と略一致する位置まで延出させて形成されている。
【0061】
ウレタン部材8は、変形に対して反発弾性の小さい変形吸収部材であり、且つ、黒色の遮光性部材であり、例えば、反発弾性の小さい軟質発泡ウレタンから形成されている。ウレタン部材8は、仕切り壁7が光拡散板6に当接している部位において偏光板32と光拡散板6の間に、介在させるようにして配置される。ウレタン部材8は、ウレタン部材8の右端が第2目盛22の左端と略一致する位置に配置され、ウレタン部材8の左端が第1目盛21の右端より右側に配置されている。
【0062】
着色層4が白色光を赤色光と同系色の光に着色するため、光路P12にしたがって第2目盛22へ漏光する発光ダイオード51の白色光が、発光ダイオード52の赤色光と同系色の光に着色層4で着色される。このため、発光ダイオード51の白色光と発光ダイオード52の赤色光の混色光が、赤色光に対して薄くなることを抑えることができる。このため、第1目盛21側の目立ち易い漏光を発生し難くするために、発生し易くしている第2目盛22側の目立ち難い漏光を、つまり、光路P12にしたがって発光ダイオード51の白色光が第2目盛22へ漏光することによる目立ち難い漏光を、より目立ち難くできる。したがって、互いに隣接する目盛21,22を、それぞれ、互いに異なる白色と赤色で、漏光による混色をより目立ち難くして表示できる。
【0063】
ウレタン部材8は、黒色の遮光性部材であるため、光拡散板6で拡散されて光拡散板6を透過した発光ダイオード51,52の光が、光拡散板6と偏光板32との間の空間を通して漏光することを、抑えることができる。したがって、互いに隣接する目盛21,22を、それぞれ、互いに異なる白色と赤色で、漏光による混色をより目立ち難くして表示できる。
【0064】
各部品の公差や、各部品の組み付け公差等により、仕切り壁7から光拡散板6や偏光板32を介して液晶パネル2に応力が加わる場合があり、これにより、液晶パネル2の表示に歪などの不具合が生じる場合がある。これに対して、本実施形態では、ウレタン部材8を、仕切り壁7が光拡散板6に当接している部位において偏光板32と光拡散板6の間に介在させるようにしている。
【0065】
このため、仕切り壁7から光拡散板6を介して液晶パネル2に加わる応力を、ウレタン部材8の変形により吸収し、且つ、ウレタン部材8が、変形に対して反発弾性が小さいため、ウレタン部材8の変形によってウレタン部材8から液晶パネル2に応力が加わることを抑えることができる。このため、このような不具合の発生を抑えることができる。
【0066】
(変形例)
上述の実施形態では、発光ダイオード51の発する光を白色光に設定し、発光ダイオード52の発する光を赤色光に設定したが、これに限らない。例えば、発光ダイオード51の発する光を白色光に設定し、発光ダイオード52の発する光を緑色光に設定することも可能である。この場合でも、発光ダイオード51の白色光と発光ダイオード52の緑色光を混色させた光は、薄い緑色光となるが、混色させた薄い緑色光は、発光ダイオード51の無色の白色光に対するよりも、発光ダイオード52の緑色光に対して目立ち難くなっている。このため、上述と同様の効果を得ることができる。
【0067】
また、発光ダイオード51の発する光を白色光に設定し、発光ダイオード52の発する光を青色光に設定することも可能である。この場合でも、発光ダイオード51の白色光と発光ダイオード52の青色光を混色させた光は、薄い青色光となるが、混色させた薄い青色光は、発光ダイオード51の無色の白色光に対するよりも、発光ダイオード52の青色光に対して目立ち難くなっている。このため、上述と同様の効果を得ることができる。
【0068】
また、発光ダイオード51の発する光を白色光に設定し、発光ダイオード52の発する光を赤色や緑色や青色以外の有色光に設定することも可能である。この場合でも、上述と同様の効果を得ることができる。
この場合図2の形体では、着色層4を発光ダイオード52の発する光と同系色に設定すれば、さらに混色を目立ち難くすることができる。
【0069】
また、発光ダイオード51の発する光と発光ダイオード52の発する光とを、発光ダイオード51の発した光と発光ダイオード52の発した光とを混色させた光が、発光ダイオード51の発した光に対するよりも、発光ダイオード52の発した光に対する方が目立ち難くなるように設定する限り、上述の例に限らない。この場合でも、上述と同様の効果を得ることができる。発光ダイオード51側が白色で無い場合は、発光ダイオード51側の偏光板32にも着色層4と同様に、発光ダイオード51と同系色を設定すれば、さらに混色を目立ち難くすることができる。
【0070】
なお、図示には無いが、住友スリーエム社製のBEFなどのライトコントロールシートを光拡散板の上に設置することにより、液晶表示全体の照明輝度向上や輝度むら低減を図る場合でも、そのシートの特性より混色がさらに悪化するところを、本考案の手法により目立ち難くさせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】本発明の第1実施形態による液晶表示装置の正面図である。
【図2】図1中のII部の拡大図である。
【図3】図1中のIII−III線断面拡大図である。
【図4】図2に示す目盛と図3に示す仕切り壁の配置関係の説明図である。
【図5】本発明の第1実施形態による液晶表示装置の回路構成図である。
【図6】本発明の第2実施形態による液晶表示装置において、目盛と仕切り壁の配置関係の説明図である。
【符号の説明】
【0072】
1,1A 液晶表示装置、2 液晶パネル、20 目盛、21 第1目盛(第1意匠)
22 第2目盛(第2意匠)、23,24 目盛線、25 文字、26 背景
31,32 偏光板、4 着色層、51 発光ダイオード(第1光源)
52 発光ダイオード(第2光源)、53 プリント基板、6 光拡散板
7 仕切り壁、8 ウレタン部材(変形吸収部材)、9 制御装置、10 回転センサ
11 イグニッションスイッチ、12 バッテリ、P11〜P22 光路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに隣接する透光状態の第1意匠と透光状態の第2意匠とを表示する液晶パネルと、
前記液晶パネルの背後であって前記第1意匠の背後側に配置され、前記第1意匠を透過照明する第1光源と、
前記液晶パネルの背後であって前記第2意匠の背後側に配置され、前記第2意匠を透過照明するとともに、前記第1光源と異なる色の光を発する第2光源と、
前記液晶パネルの背後であって、前記第1光源と前記第2光源の間に配置され、前記第1光源が発した光が前記第2意匠へ漏光することを抑えるとともに、前記第2光源が発した光が前記第1意匠へ漏光することを抑える仕切り壁と、を備え、
前記第1光源の発する光と前記第2光源の発する光とを、前記第1光源の発した光と前記第2光源の発した光とを混色させた光が、前記第1光源の発した光に対するよりも、前記第2光源の発した光に対する方が目立ち難くなるように設定し、
前記仕切り壁を、前記第1意匠と前記第2意匠の間において、前記第1意匠よりも前記第2意匠に近接させて配置していることを特徴とする液晶表示装置。
【請求項2】
前記第1光源の発する光を白色光に設定し、前記第2光源の発する光を有色光に設定していることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項3】
前記第1光源が発した白色光を、前記第2光源が発した有色光と同系色の光に着色する着色層を、前記液晶パネルの裏面側であって前記第2意匠の裏面側に、形成していることを特徴とする請求項2に記載の液晶表示装置。
【請求項4】
前記仕切り壁と前記液晶パネルとの間に配置され、前記第1光源の発した光を拡散させて前記第1意匠へ均一に導くとともに、前記第2光源の発した光を拡散させて前記第2意匠へ均一に導く光拡散板を備え、
前記仕切り壁の一端を、前記光拡散板に当接させていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の液晶表示装置。
【請求項5】
前記仕切り壁が前記光拡散板に当接している部位において前記液晶パネルと前記光拡散板の間に、変形に対して反発弾性の小さい変形吸収部材を介在させていることを特徴とする請求項4に記載の液晶表示装置。
【請求項6】
前記変形吸収部材を、黒色の遮光性部材としていることを特徴とする請求項5に記載の液晶表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−85460(P2010−85460A)
【公開日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−251413(P2008−251413)
【出願日】平成20年9月29日(2008.9.29)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】