説明

液晶表示装置

【課題】視野角を充分に広くし、しかも表示装置相互間の視野角のばらつきを容易に補正する。
【解決手段】画素毎に、第一画素電極5aと第二画素電極5bとを形成し、第一画素電極5aとの間に第一補償容量Cs1を形成する第一容量電極17と、第二画素電極5bとの間に第二及び第三補償容量Cs2,Cs3を形成する第二及び第三容量電極18,19と、第一画素電極5aの外側に配置された第一の横電界生成電極22と、第二画素電極5bの外側に配置された第二の横電界生成電極23と、第一画素電極5aが設けられた領域を第一と第二の領域に区分するように形成された第一誘電体層と、第二画素電極5bが設けられた領域を第三と第四の領域に区分するように形成された第二誘電体層とを設け、第一容量電極17と第二容量電極18とに第一の電圧を印加し、第三容量電極19に第二の電圧を印加する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、広い視野角をもった液晶表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置は、表示の視野角を広くすることが望まれている。そのために、画素を二つの領域に区分し、その一方の領域の視野角特性と他方の領域の視野角特性とを異ならせることにより、前記二つの領域の視野角特性が相乗した広い視野角を得ることが考えられている。
【0003】
この種の広視野角液晶表示装置としては、従来、例えば特許文献1に記載されているように、第一の薄膜トランジスタに接続された第一画素電極と第二の薄膜トランジスタに接続された第二画素電極とを画素毎に形成し、前記第一の薄膜トランジスタの充電能力と、前記第二の薄膜トランジスタの充電能力とを異ならせることにより、前記一方の領域の液晶と他方の領域の液晶とに、異なる値の電圧を印加するようにしたものがある。
【0004】
また、他の広視野角液晶表示装置としては、特許文献2に記載されているように、液晶層を挟んで対向する第一基板と第二基板の何れか一方に、各画素にそれぞれ対応させて、例えば断面形状が三角形状の凸部を設け、前記凸部を覆って配向膜を形成することにより、各画素毎に、液晶分子が配向膜のラビング方向に向かってプレチルトした第一の領域と、液晶分子が前記配向膜のラビング方向とは逆向きにプレチルトした第二の領域とを形成したものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平7−152013号公報
【特許文献2】特開平7−333612号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、前記特許文献1及び特許文献2に記載された液晶表示装置は、何れも視野角が充分に広いとは言えない。
【0007】
しかも、液晶表示装置は、各種の工程を経て製造されるため、同機種の液晶表示装置であっても、製造工程で生じた絶縁膜厚や液晶層厚等の誤差により、表示装置相互間に視野角のばらつきを生じることがあるが、前記特許文献1及び特許文献2に記載された液晶表示装置は、前記視野角のばらつきの補正が難しい。
【0008】
この発明は、視野角を充分に広くし、しかも表示装置相互間の視野角のばらつきを容易に補正することができる液晶表示装置を提供することを目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に記載の発明は、第一の薄膜トランジスタに接続された第一画素電極と第二の薄膜トランジスタに接続された第二画素電極とが画素毎に形成され、
前記第一の薄膜トランジスタと前記第二の薄膜トランジスタとが、互いに同じデータ信号線及び走査信号線に接続され、
前記第一画素電極と共通電極との間及び前記第二画素電極と前記共通電極との間に液晶層が形成された液晶表示装置であって、
前記第一画素電極との間に第一誘電層が介在されて第一補償容量を形成する第一容量電極と、
前記第二画素電極との間に第二誘電層が介在されて第二補償容量を形成する第二容量電極と、
前記第二画素電極との間に第三誘電層が介在されて第三補償容量を形成する第三容量電極と、
前記画素のうちの前記第一画素電極が設けられた第一画素部と前記第二画素電極が設けられた第二画素部の少なくとも何れか一方に設けられ、その画素部を区分した二つの領域のうちの一方の領域の液晶分子を所定の第一のチルト方向にチルトさせ、他方の領域の液晶分子を前記第一の方向とは異なる第二のチルト方向にチルトさせるチルト方向規定手段と、
前記第一容量電極と前記第二容量電極とに前記共通電極への印加電圧と同じ第一の電圧を印加し、前記第三容量電極に前記第一の電圧とは異なる第二の電圧を印加する手段と、
を備えたことを特徴とする。
【0010】
請求項2に記載の発明は、前記請求項1に記載の液晶表示装置において、前記第一画素部と前記第二画素部の何れか一方のみに、前記チルト方向規定手段が設けられていることを特徴とする。
【0011】
請求項3に記載の発明は、前記請求項2に記載の液晶表示装置において、前記第一画素部と前記第二画素部は互いに異なる面積を有しており、前記各画素部のうち、面積が大きい画素部に前記チルト方向規定手段が設けられていることを特徴とする。
【0012】
請求項4に記載の発明は、前記請求項1から3の何れかに記載の液晶表示装置において、前記チルト方向規定手段は、前記画素電極と前記共通電極との間に生じた電界による液晶分子のチルト方向を前記第一のチルト方向と第二のチルト方向とに規定することを特徴とする。
【0013】
請求項5に記載の発明は、前記請求項4に記載の液晶表示装置において、前記チルト方向規定手段は、前記画素電極と前記共通電極との間に生じた電界の向きを、前記一方の領域において前記第一のチルト方向に歪ませ、前記他方の領域において前記第二のチルト方向に歪ませる手段からなることを特徴とする。
【0014】
請求項6に記載の発明は、前記請求項5に記載の液晶表示装置において、前記チルト方向規定手段は、前記画素電極の前記一方の領域側の辺及び前記他方の領域側の辺の外側に配置され、前記画素電極との間に横電界を生じさせる横電界生成手段と、前記画素部を前記第一画素電極の前記一方の辺側の第一領域と前記他方の辺側の第二領域とに区分するように配置され、前記第一画素電極と前記共通電極との間に生じた電界の強度を部分的に低下させる電界減衰手段と、
請求項7に記載の発明は、第一の薄膜トランジスタに接続された第一画素電極と第二の薄膜トランジスタに接続された第二画素電極とが画素毎に形成され、
前記第一の薄膜トランジスタと前記第二の薄膜トランジスタとが、互いに同じデータ信号線及び走査信号線に接続され、
前記第一画素電極と共通電極との間及び前記第二画素電極と前記共通電極との間に液晶層が形成された液晶表示装置であって、
前記第一画素電極との間に第一誘電層が介在されて第一補償容量を形成する第一容量電極と、
前記第二画素電極との間に第二誘電層が介在されて第二補償容量を形成する第二容量電極と、
前記第二画素電極との間に第三誘電層が介在されて第三補償容量を形成する第三容量電極と、
前記第一画素電極の少なくとも一方の側とその反対側の二つの辺の外側に前記第一画素電極と絶縁して配置され、前記第一画素電極との間に横電界を生じさせる第一の横電界生成電極と、
前記第二画素電極の少なくとも互いに反対側の二つの辺の外側に前記第二画素電極と絶縁して配置され、前記第二画素電極との間に横電界を生じさせる第二の横電界生成電極と、
前記共通電極上または前記共通電極に、前記画素のうちの前記第一画素電極が設けられた第一画素部を、前記第一画素電極の前記一方の辺側の第一領域と前記他方の辺側の第二領域とに区分するように形成され、前記第一画素電極と前記共通電極との間に生じた電界の強度を部分的に低下させる第一の電界減衰手段と、
前記共通電極上または前記共通電極に、前記画素のうちの前記第二画素電極が設けられた第二画素部を、前記第二画素電極の前記一方の辺側の第三領域と前記他方の辺側の第四領域とに区分するように形成され、前記第二画素電極と前記共通電極との間に生じた電界の強度を部分的に低下させる第二の電界減衰手段と、
前記第一容量電極と前記第二容量電極とに前記共通電極への印加電圧と同じ第一の電圧を印加し、前記第三容量電極に前記第一の電圧とは異なる第二の電圧を印加する手段と、
を備えたことを特徴とする液晶表示装置。
【0015】
請求項8に記載の発明は、前記請求項7に記載の液晶表示装置において、前記第一の横電界生成電極は、前記第一画素電極の前記二つの辺のうちの一方の辺側と他方の辺側とで互いに逆向きの横電界を生じさせるように形成され、前記第二の横電界生成電極は、前記第二画素電極の前記二つの辺のうちの一方の辺側と他方の辺側とで互いに逆向きの横電界を生じさせるように形成されていることを特徴とする。
【0016】
請求項9に記載の発明は、前記請求項7または8に記載の液晶表示装置において、前記第一の横電界生成電極及び前記第二の横電界生成電極に、前記第一容量電極と前記第二容量電極とに印加される前記第一の電圧と同じ電圧が印加されることを特徴とする。
【0017】
請求項10に記載の発明は、前記請求項7から9の何れかに記載の液晶表示装置において、前記第一画素電極と前記第二画素電極との間を延伸するように前記走査信号線が配置されていることを特徴とする。
【0018】
請求項11に記載の発明は、前記請求項10に記載の液晶表示装置において、前記第一画素電極と前記第二画素電極はそれぞれ、前記走査信号線の延伸方向と平行な二つの横辺と、前記走査信号線の延伸方向に対して交差する二つの縦辺とを有する四角形状に形成されていることを特徴とする。
【0019】
請求項12に記載の発明は、前記請求項11に記載の液晶表示装置において、前記第一容量電極は、前記第一画素電極の全ての辺に重なるように形成されていることを特徴とする。
【0020】
請求項13に記載の発明は、前記請求項12に記載の液晶表示装置において、前記第二容量電極は、前記第二画素電極の前記二つの横辺の何れか一方と前記二つの縦辺の両方とに重なるように形成され、前記第三容量電極は、前記第二容量電極との間に所定の間隔をあけて、前記第二画素電極の前記二つの横辺の他方に重なるように形成されていることを特徴とする。
【0021】
請求項14に記載の発明は、前記請求項13に記載の液晶表示装置において、前記第一の横電界生成電極は、前記第一画素電極の各辺のうち、前記二つの縦辺の外側に配置され、前記第二の横電界生成電極は、前記第二画素電極の各辺のうち、前記二つの縦辺の外側に配置されていることを特徴とする。
【0022】
請求項15に記載の発明は、前記請求項14に記載の液晶表示装置において、前記第一の横電界生成電極は、前記第一容量電極と一体に形成され、前記第二の横電界生成電極は、前記第二容量電極と一体に形成されていることを特徴とする。
【0023】
請求項16に記載の発明は、前記請求項7から15の何れかに記載の液晶表示装置において、前記第一の電界減衰手段は、前記第一画素部を、前記第一領域と前記第二領域とに二等分するように配置され、前記第二の電界減衰手段は、前記第二画素部を、前記第三領域と前記第四領域とに二等分するように配置されていることを特徴とする。
【0024】
請求項17に記載の発明は、前記請求項16に記載の液晶表示装置において、前記第一の電界減衰手段及び第二の電界減衰手段は、前記第一画素電極及び前記第二画素電極の前記縦辺と平行な直線形状に形成されていることを特徴とする。
【0025】
請求項18に記載の発明は、前記請求項7から17の何れかに記載の液晶表示装置において、前記第一の電界減衰手段と前記第二の電界減衰手段はそれぞれ、前記共通電極の前記液晶層と対向する面上に形成された誘電体層からなっていることを特徴とする。
【0026】
請求項19に記載の発明は、前記請求項7から17の何れかに記載の液晶表示装置において、前記第一の電界減衰手段と前記第二の電界減衰手段はそれぞれ、前記共通電極に設けられたスリットからなっていることを特徴とする。
【0027】
請求項20に記載の発明は、前記請求項7から18の何れかに記載の液晶表示装置において、前記第一画素電極及び前記第二画素電極を覆って第一配向膜が設けられ、前記共通電極及び前記電界減衰手段を覆って第二配向膜が設けられており、前記第一配向膜と前記第二配向膜はそれぞれ、前記第一及び第二の電界減衰手段の延伸方向に対して交差する方向にラビングされていることを特徴とする。
【0028】
請求項21に記載の発明は、前記請求項20に記載の液晶表示装置において、前記第一配向膜は、前記第一及び第二の電界減衰手段の延伸方向に対して一方の方向に45°の角度で交差する方向にラビングされ、前記第二配向膜は、前記第一及び第二の電界減衰手段の延伸方向に対して前記一方の方向とは反対方向に45°の角度で交差する方向にラビングされており、前記液晶層は、正の誘電異方性を有する液晶からなり、その液晶分子が、前記第一画素電極及び第二画素電極と前記共通電極との間において90°のツイスト角でツイスト配向していることを特徴とする。
【0029】
請求項22に記載の発明は、前記請求項20に記載の液晶表示装置において、前記第一配向膜は、前記第一及び第二の電界減衰手段の延伸方向に対して一方の方向に90°の角度で交差する方向にラビングされ、前記第二配向膜は、前記第一及び第二の電界減衰手段の延伸方向に対して前記一方の方向とは反対方向に90°の角度で交差する方向にラビングされており、前記液晶層は、正の誘電異方性を有する液晶からなり、その液晶分子が、分子長軸を前記第一配向膜及び前記第二配向膜のラビング方向に揃えてホモジニアス配向していることを特徴とする。
【0030】
請求項23に記載の発明は、前記請求項1から22の何れかに記載の液晶表示装置において、前記第一の電圧は、電圧レベルが所定の周期で反転する矩形波交流電圧であり、前記第二の電圧は、一定レベルの直流電圧であることを特徴とする。
【0031】
請求項24に記載の発明は、前記請求項1から22の何れかに記載の液晶表示装置において、前記第一の電圧は、電圧レベルが所定の周期で反転する矩形波交流電圧であり、前記第二の電圧は、電圧レベルが前記第一の電圧と同じ周期で反転し、且つ、振幅が前記第一の電圧の振幅よりも小さい矩形波交流電圧であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0032】
この発明によれば、視野角を充分に広くし、しかも表示装置相互間の視野角のばらつきを容易に補正することができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】この発明の第一実施例を示す液晶表示装置の構成図。
【図2】第一実施例における液晶表示素子の平面図。
【図3】前記液晶表示素子の側面図。
【図4】前記液晶表示素子の第一基板の一部分の被覆絶縁膜及び第一配向膜を省略した平面図。
【図5】図4の一つの画素部分の拡大図。
【図6】図4のVI−VI矢視線に沿う拡大断面図。
【図7】図4のVII−VII矢視線に沿う拡大断面図。
【図8】図4のVIII−VIII矢視線に沿う拡大断面図。
【図9】図4のIX−IX矢視線に沿う拡大断面図。
【図10】図8のX部の拡大図。
【図11】前記液晶表示素子の液晶分子の初期配向状態及び第一及び第二偏光板の吸収軸の向きを示す平面図。
【図12】第一実施例における第一、第二、第三容量電極及び第一、第二の横電界生成電極と第一、第二の電界減衰手段の配置図。
【図13】前記液晶表示素子の一つの画素の回路図。
【図14】前記液晶表示素子を駆動する走査信号とデータ信号と第一及び第二の電圧の波形図。
【図15】前記第一の電圧と第二の電圧の電圧差を示す図。
【図16】前記画素の第一画素部における第一画素電極と共通電極との間に印加される電圧を示す図。
【図17】前記画素の第二画素部における第二画素電極と共通電極との間に印加される電圧を示す図。
【図18】前記第一画素部と第二画素部の液晶層での電圧−透過率特性図。
【図19】第一実施例の液晶表示装置における無電界時の液晶分子の配向状態を模式的に示す断面図。
【図20】第一実施例の液晶表示装置における駆動電界の歪みと液晶分子の配向状態を模式的に示す断面図。
【図21】第一実施例の液晶表示装置における一つの画素の液晶分子のノーマルチルト領域とリバースチルト領域を示す平面図。
【図22】第一比較例の液晶表示装置の視角−輝度特性図。
【図23】第二比較例の液晶表示装置の視角−輝度特性図。
【図24】第三比較例の液晶表示装置の視角−輝度特性図。
【図25】第一実施例の液晶表示装置の視角−輝度特性図。
【図26】第一及び第二の電界減衰手段の変形例を示す断面図。
【図27】第一及び第二の電界減衰手段の他の変形例を示す断面図。
【図28】第一及び第二の電界減衰手段の他の変形例を示す断面図。
【図29】図14の走査信号とデータ信号と第一及び第二電圧のうちの第二電圧を矩形波交流電圧とした例を示す図。
【図30】図14の走査信号とデータ信号と第一及び第二電圧のうちの第二電圧を他の矩形波交流電圧とした例を示す図。
【図31】第一実施例における第二容量電極及び第二の横電界生成電極と第三容量電極の他の配置例を示す図。
【図32】第一実施例における第一容量電極と第二容量電極及び第二の横電界生成電極の変形例を示す図。
【図33】この発明の第二実施例を示す液晶表示素子の第一基板の一部分の第一被覆絶縁膜と第二被覆絶縁膜及び第一配向膜を省略した平面図。
【図34】図33の一つの画素部分の拡大図。
【図35】図33のXXXV−XXXV矢視線に沿う拡大断面図。
【図36】図33のXXXVI−XXXVI矢視線に沿う拡大断面図。
【図37】第二実施例における第一、第二、第三容量電極及び第一、第二の横電界生成電極と第一、第二の電界減衰手段の配置図。
【図38】この発明の第三実施例を示す液晶表示素子の第一基板の図35に対応する部分の断面図。
【図39】第三実施例における第一、第二、第三容量電極及び第一、第二の横電界生成電極と第一、第二の電界減衰手段の配置図。
【図40】この発明の第四実施例を示す液晶表示素子の第一基板の図35に対応する部分の断面図。
【図41】第四実施例における第一、第二、第三容量電極及び第一、第二の横電界生成電極と第一、第二の電界減衰手段の配置図。
【図42】この発明の第五実施例を示す第一、第二、第三容量電極及び第一、第二の横電界生成電極と第一、第二の電界減衰手段の配置図。
【図43】この発明の第六実施例を示す液晶表示素子の第一基板の図35に対応する部分の断面図。
【図44】第六実施例における第一、第二、第三容量電極及び第一、第二の横電界生成電極と第一、第二の電界減衰手段の配置図。
【図45】この発明の第七実施例の液晶表示装置における無電界時の液晶分子の配向状態を模式的に示す断面図。
【図46】第七実施例の液晶表示装置における駆動電界の歪みと液晶分子の配向状態を模式的に示す断面図。
【図47】この発明の第八実施例を示す液晶表示素子の第一基板の一つの画素部分の被覆絶縁膜及び第一配向膜を省略した平面図。
【発明を実施するための形態】
【0034】
[第一実施例]
この発明の第一実施例の液晶表示装置は、図1のように、液晶表示素子1と前記液晶表示素子1を駆動する駆動手段40とにより構成されている。
【0035】
前記液晶表示素子1は、薄膜トランジスタ(以下、TFTと記す)をスイッチング素子としたアクティブマトリックス型液晶表示素子であり、複数の画素33が、図2のように、行方向(図において左右方向)及び列方向(図において上下方向)に配列させて形成されている。
【0036】
この液晶表示素子1は、図2〜図9のように、対向配置された透明な第一基板3と第二基板4を備えている。そして、前記第一基板(例えば表示面側とは反対側の基板)3の第二基板4と対向する面に、複数の透明な画素電極5が行方向及び列方向に配列させて設けられ、前記第二基板4の第一基板3と対向する面に、前記各画素電極5と対向する一枚膜状の透明な共通電極6が設けられている。
【0037】
さらに、前記第一基板3には、各画素電極5の行毎に行方向に延伸させて配線された複数の走査信号線7と、各画素電極5の列毎に列方向に延伸させて配線された複数のデータ信号線8とが設けられている。
【0038】
前記各画素電極5はそれぞれ、電気的に分離して形成された第一画素電極5aと第二画素電極5bとからなっている。この第一画素電極5aと第二画素電極5bはそれぞれ、前記走査信号線7の延伸方向と平行な二つの横辺と、前記走査信号線7の延伸方向に対して交差する二つの縦辺とを有する四角形状に形成されている。
【0039】
この実施例において、第一画素電極5aと第二画素電極5bは、同じ横幅(行方向の幅)を有しており、第一画素電極5aは、縦幅(列方向の幅)が前記横幅の約2倍である縦長矩形形状に形成され、第二画素電極5bは、縦幅と横幅が同程度の正方形形状に形成されている。
【0040】
そして、前記走査信号線7は、第一画素電極5aと第二画素電極5bとの間を延伸するように配置されている。また、前記データ信号線8は、各列の画素電極5の一側の領域に、列方向に延伸するように配置されている。
【0041】
また、前記第一基板3には、前記各画素電極5にそれぞれ対応させて、前記第一画素電極5aに接続された第一のTFT9aと、前記第二画素電極5bに接続された第二のTFT9aとが配置されている。この第一TFT9aと第二TFT9bは、前記第一画素電極5aと第二画素電極5bとの間の領域に、前記行方向に並べて配置されている。
【0042】
前記第一TFT9aと第二TFT9bはそれぞれ、図4、図5、図6及び図7のように、第一基板3上に形成されたゲート電極10と、前記第一基板3上の全域に前記ゲート電極10を覆って形成された透明なゲート絶縁膜11と、前記ゲート絶縁膜11上に前記ゲート電極10と対向させて形成された真正アモルファスシリコンからなる半導体薄膜12と、前記半導体薄膜12の上面の中央部に設けられたチャネル保護膜13と、前記半導体薄膜12のチャネル領域を挟んで、その一方の側と他方の側との上にそれぞれn型アモルファスシリコンからなるコンタクト層14を介して形成されたソース電極15及びドレイン電極16とからなっている。
【0043】
なお、前記第一TFT9aと第二TFT9bは、互いに逆向きの形状に形成されている。すなわち、第一TFT9aは、第一画素電極5aと対向する側にドレイン電極16が設けられ、その反対側にソース電極15が設けられた形状に形成されている。また、第二TFT9bは、第二画素電極5bと対向する側にドレイン電極16が設けられ、その反対側にソース電極15が設けられた形状に形成されている。
【0044】
そして、前記第一TFT9aのゲート電極10と第二TFT9bのゲート電極10は、互いに同じ走査信号線7に接続されている。また、前記第一TFT9aのソース電極15と第二TFT9bのソース電極15は、互いに同じデータ信号線8に接続されている。
【0045】
なお、前記各走査信号線7は、前記第一基板3上に、第一及び第二TFT9a,9bのゲート電極10,10と同じ金属膜により、前記各ゲート電極10,10と一体に形成されている。
【0046】
一方、前記各データ信号線8は、前記ゲート絶縁膜11の上に、第一及び第二TFT9a,9bのソース,ドレイン電極15,16と同じ金属膜により、前記各ソース電極15,15と一体に形成されている。
【0047】
なお、前記データ信号線8には、各行の画素電極5の第一画素電極5aと第二画素電極5bとの間の領域に向かって延びる複数の分岐線8aが一体に形成されている。この分岐線8aは、互いに逆向きの形状に形成された前記第一TFT9aと第二TFT9bのうちの前記データ信号線8に近い側に配置された第一TFT9aのソース電極15側を通り、さらに前記データ信号線8から遠い側に配置された第二TFT9bのソース電極15側に達するように屈曲させた形状に形成されている。そして、前記データ信号線8は、前記分岐線8aを介して、前記第一TFT9aのソース電極15及び第二TFT9bのソース電極15に一体的に接続されている。
【0048】
この実施例において、前記第一TFT9a及び第二TFT9bと各走査信号線7と第一、第二及び第三容量電極17,18,19と各データ信号線8は、次のような工程で形成される。
【0049】
[工程1]
まず、第一基板3上に、各走査信号線7及びゲート電極10と前記各容量電極17,18,19を、金属膜の成膜及びそのパターニングにより形成する。
【0050】
[工程2]
次に、前記ゲート絶縁膜11と半導体薄膜12とチャネル保護膜13とを順次成膜し、前記チャネル保護膜13を半導体薄膜12の中央部を覆う形状にパターニングする。
【0051】
[工程3]
次に、前記コンタクト層14と、ソース,ドレイン電極及びデータ信号線用の金属膜とを順次成膜し、前記金属膜とコンタクト層14及び半導体薄膜12を一括して前記ソース電極15及びドレイン電極と各データ信号線8の形状にパターニングする。
【0052】
そのため、前記各データ信号線8は、前記各TFT9a,9bを構成する積層膜のうちの半導体薄膜12とコンタクト層14とからなる下地層の上に形成されている。
【0053】
さらに、前記ゲート絶縁膜11の上には、前記各TFT9a,9b及び前記各データ信号線8を覆って透明な被覆絶縁膜20が設けられており、この被覆絶縁膜20の上に前記第一画素電極5aと第二画素電極5bが形成されている。そして、前記第一画素電極5aは、前記第一TFT9aのドレイン電極16に接続され、第二画素電極5bは、前記第二TFT9bのドレイン電極16に接続されている。
【0054】
なお、前記第一画素電極5aと第二画素電極5bは、前記被覆絶縁膜20の第一TFT9a及び第二TFT9bのドレイン電極16,16上の部分に第一及び第二のコンタクト孔21a,21bを穿設した後に、前記被覆絶縁膜20上にITO膜を成膜し、そのITO膜を第一及び第二画素電極5a,5bの形状にパターニングすることにより形成される。
【0055】
従って、第一画素電極5aは、前記第一のコンタクト孔21aにおいて第一TFT9aのドレイン電極16に接続され、前記第二画素電極5bは、前記第二のコンタクト孔21bにおいて第二TFT9bのドレイン電極16に接続されている。
【0056】
すなわち、前記液晶表示素子1は、第一TFT9aに接続された第一画素電極5aと第二TFT9bに接続された第二画素電極5bとが画素33毎に形成され、前記第一TFT9aと第二TFT9bとが、互いに同じデータ信号線8及び走査信号線7に接続されたものである。
【0057】
そのため、各画素33はそれぞれ、前記第一画素電極5aと第二画素電極5bとの間の部分を境にして、第一画素電極5aが設けられた第一画素部33aと、第二画素電極5bが設けられた第二画素部33bとに区分されている。以下、第一画素部33aをメイン画素部、第二画素電極5bが設けられた第二画素部33bをサブ画素部という。この実施例において、前記メイン画素部33aとサブ画素部33bとの面積比(第一画素電極5aと第二画素電極5bとの面積比)は、メイン画素部:サブ画素部=7:3に設定されている。
【0058】
前記第一TFT9aと第二TFT9bは、同じ走査信号線7からの所定電位の走査信号により同時にオンし、同じデータ信号線8から供給されたデータ信号を前記第一画素電極5aと前記第二画素電極5bに各々印加する。
【0059】
さらに、前記第一基板3には、各画素33毎に、第一画素電極5aとの間に第一誘電層が介在されて第一補償容量Cs1を形成する第一容量電極17と、第二画素電極5bとの間に第二誘電層が介在されて第二補償容量Cs2を形成する第二容量電極18と、前記第二画素電極5bとの間に第三誘電層が介在されて第三補償容量Cs3を形成する第三容量電極19とが設けられている。
【0060】
前記第一容量電極17と第二容量電極18及び第三容量電極19は、図4、図5及び図12のような形状に形成されている。すなわち、第一容量電極17は、第一画素電極5aの全ての辺に重なるような矩形枠形状に形成されている。
【0061】
そして、各第一容量電極17は、行毎に、隣り合う第一容量電極17,17の前記走査信号線7に隣接する辺とは反対側の辺の端部同士を連続させて形成することにより共通接続されている。
【0062】
一方、前記第二容量電極18と第三容量電極19とのうち、第二容量電極18は、第二画素電極5bの二つの横辺の何れか一方と二つの縦辺の両方とに重なるように配置され、第三容量電極19は、前記第二画素電極5bの二つの横辺の他方と重なるように配置されている。
【0063】
この実施例において、第二容量電極18は、第二画素電極5bの二つの横辺のうちの走査信号線7に隣接する辺と二つの縦辺の両方とに重なるように、これらの各辺に沿って連続した三方枠形状に形成されている。そして、各第二容量電極18は、行毎に、隣り合う第二容量電極18,18の前記走査信号線7に隣接する辺の端部同士を連続させて形成することにより共通接続されている。
【0064】
また、第三容量電極19は、第二画素電極5bの二つの横辺のうち、前記走査信号線7に隣接する辺とは反対側の一辺と重なるように、前記反対側の辺に沿った直線形状に形成されている。そして、各第三容量電極19は、行毎に、隣り合う第三容量電極19,19の端部同士を連続させて形成することにより共通接続されている。
【0065】
さらに、各走査信号線7と、各画素33毎に設けられた第一、第二及び第三容量電極17,18,19は、前記第一基板3上に、前記各TFT9a,9bのゲート電極10と同じ金属膜により形成されており、前記ゲート絶縁膜11により覆われている。なお、各走査信号線7は、第一TFT9a及び第二TFT9bのゲート電極10,10と一体に形成されている。また、第一容量電極17と第二容量電極18はそれぞれ、前記走査信号線7との間に間隔を設けて形成されている。
【0066】
そして、第一容量電極17は、第一画素電極5aの全ての辺と、前記ゲート絶縁膜11と被覆絶縁膜20との二層膜からなる第一誘電層を介して対向し、前記第一画素電極5aとの間に第一補償容量Cs1を形成している。
【0067】
また、第二容量電極18は、第二画素電極5bの前記三辺(走査信号線7に隣接する横辺及び二つの縦辺)と、前記ゲート絶縁膜11と被覆絶縁膜20との二層膜からなる第二誘電層を介して対向し、前記第二画素電極5bとの間に第二補償容量Cs2を形成している。
【0068】
さらに、第三容量電極19は、前記第二画素電極5bの前記一辺(走査信号線7に隣接する辺とは反対側の横辺)と、前記ゲート絶縁膜11と被覆絶縁膜20との二層膜からなる第三誘電層を介して対向し、前記第二画素電極5bとの間に前記第三補償容量Cs3を形成している。
【0069】
すなわち、前記第一補償容量Cs1の第一誘電層と、前記第二各補償容量Cs2の第二誘電層と、前記第三補償容量Cs3の第三誘電層は、同一の層(ゲート絶縁膜11と被覆絶縁膜20との二層膜)として形成されている。
【0070】
前記第一補償容量Cs1を形成する第一容量電極17と、前記第二補償容量Cs2を形成する第二容量電極18には、前記共通電極6への印加電圧と同じ第一の電圧が印加され、前記第三補償容量Cs3を形成する第三容量電極19には、前記第一の電圧とは異なる第二の電圧が印加される。
【0071】
なお、前記ドライバ搭載部3aには、前記第一の電圧を供給するための第一電圧入力端子36aと、前記第二の電圧を供給するための第二電圧入力端子36bとが形成されている。また、図では省略しているが、第一基板3の画面エリア1aの外側には、前記第一電圧入力端子36aに接続された一本の第一電圧供給線と、前記第二電圧入力端子36bに接続された一本の第二電圧供給線とがデータ信号線8と平行に配線されている。
【0072】
そして、行毎に共通接続された全ての行の第一容量電極17と、行毎に共通接続された全ての行の第二容量電極18は、前記一本の第一電圧供給線に接続されている。すなわち、各行の第一容量電極17と、各行の第二容量電極18には、前記第一電圧入力端子36aに供給された第一電圧が印加される。
【0073】
また、行毎に共通接続された全ての行の第三容量電極19は、前記一本の第二電圧供給線に接続されている。すなわち、各行の第三容量電極19には、前記第二電圧入力端子36bに供給された第一電圧が印加される。
【0074】
さらに、前記液晶表示素子1は、各画素33のメイン画素部33aに設けられ、該メイン画素部33aを区分した第一と第二の二つの領域34a,34bのうちの第一領域34aの液晶分子を所定の第一のチルト方向にチルトさせ、第二領域34bの液晶分子を前記第一の方向とは異なる第二のチルト方向にチルトさせる第一のチルト方向規定手段と、各画素33のサブ画素部33bに設けられ、該サブ画素部33bを区分した第三と第四の二つの領域34c,34dのうちの第三領域34cの液晶分子を前記第一のチルト方向にチルトさせ、第四領域34bの液晶分子を前記第二のチルト方向にチルトさせる第二のチルト方向規定手段とを備えている。
【0075】
前記第一及び第二のチルト方向規定手段は、第一画素電極5a及び第二画素電極5bと共通電極6との間に生じた電界による液晶分子のチルト方向を前記第一のチルト方向と第二のチルト方向とに規定するように構成されている。
【0076】
この実施例において、第一のチルト方向規定手段は、第一画素電極5aと共通電極6との間に生じた電界の向きを、前記第一領域34aにおいて前記第一のチルト方向に歪ませ、前記第二領域34bにおいて前記第二のチルト方向に歪ませる手段からなっている。
【0077】
また、第二のチルト方向規定手段は、第二画素電極5bと共通電極6との間に生じた電界の向きを、前記第三領域34cにおいて前記第一のチルト方向に歪ませ、前記第四領域34dにおいて前記第二のチルト方向に歪ませる手段からなっている。
【0078】
さらに、前記第一のチルト方向規定手段は、第一画素電極5aの第一領域34a側の辺及び第二領域43b側の辺の外側に配置され、前記第一画素電極5aとの間に横電界を生じさせる第一の横電界生成手段と、前記第一画素電極5aと共通電極6との間に生じた電界の強度を部分的に低下させる第一の電界減衰手段26aとからなっている。
【0079】
また、前記第二のチルト方向規定手段は、第二画素電極5bの第三領域34c側の辺及び第四領域43d側の辺の外側に配置され、前記第二画素電極5bとの間に横電界を生じさせる第二の横電界生成手段と、前記第二画素電極5bと共通電極6との間に生じた電界の強度を部分的に低下させる第二の電界減衰手段26bとからなっている。
【0080】
前記第一の横電界生成手段は、第一基板3に、第一画素電極5aの一方の側とその反対側の二つの辺の外側に前記第一画素電極5aと絶縁して配置された第一の横電界生成電極22からなっている。この第一の横電界生成電極22は、第一画素電極5aへの印加電圧とは異なる所定の電圧を印加され、第一画素電極5aの前記二つの辺との間に、前記一方の側と前記反対側とで互いに逆向きの横電界を生じさせる。
【0081】
前記第二の横電界生成手段は、第一基板3に、前記第二画素電極5bの一方の側とその反対側の二つの辺の外側に前記第二画素電極5bと絶縁して配置された第二の横電界生成電極23からなっている。この第二の横電界生成電極23は、前記所定の電圧(第一の横電界生成電極22への印加電圧と同じ電圧)を印加され、第二画素電極5bの前記二つの辺との間に、前記一方の側と前記反対側とで互いに逆向きの横電界を生じさせる。
【0082】
この実施例において、第一の横電界生成電極22は、第一画素電極5aの各辺のうち、二つの縦辺の外側に配置され、第二の横電界生成電極23は、第二画素電極5bの各辺のうち、二つの縦辺の外側に配置されている。
【0083】
そして、この実施例では、前記第一の横電界生成電極22と第二の横電界生成電極23とに、前記第一容量電極17と第二容量電極18とに印加される第一の電圧と同じ電圧を印加するようにしている。
【0084】
そのために、第一の横電界生成電極22は、前記第一容量電極17のうちの第一画素電極5aの二つの縦辺に重なる部分と一体に形成され、第二の横電界生成電極23は、前記第二容量電極18のうちの第二画素電極5bの二つの縦辺に重なる部分と一体に形成されている。
【0085】
すなわち、前記第一容量電極17は、第一画素電極5aの全ての辺に重なるような矩形枠形状に形成されると共に、第一画素電極5aの二つの縦辺に重なる縦枠部をそれぞれ、その全長にわたって、前記第一画素電極5aに重なる側とは反対側の縁部を第一画素電極5aの外方に張り出させた幅広形状に形成された第一の金属膜からなっている。そして、第一の横電界生成電極22は、前記第一の金属膜の二つの縦枠部のうちの第一画素電極5aの外方に張り出す部分により形成されている。
【0086】
また、前記第二容量電極18は、第二画素電極5bの走査信号線7に隣接する横辺と二つの縦辺の両方とに重なるような三方枠形状に形成されると共に、第二画素電極5bの二つの縦辺に重なる縦枠部をそれぞれ、その全長にわたって、前記第二画素電極5bに重なる側とは反対側の縁部を第二画素電極5bの外方に張り出させた幅広形状に形成された第二の金属膜からなっている。そして、第二の横電界生成電極23は、前記第二の金属膜の二つの縦枠部の第二画素電極5bの外方に張り出す部分により形成されている。
【0087】
従って、前記第一の横電界生成電極22と第二の横電界生成電極23には、前記第一電圧入力端子36aに供給された第一電圧が、前記第一容量電極17及び第二容量電極18を介して印加される。
【0088】
一方、前記第二基板4には、図6〜図9のように、赤色フィルタ24R、緑色フィルタ24G及び青色フィルタ24Bの三色のカラーフィルタが、各画素33の列毎に交互に並べて形成されている。さらに、前記第二基板4には、各行及び各列の隣り合う画素33,30の間の領域及び各画素33のメイン画素部33aとサブ画素部33bとの間の領域に対応させて遮光膜25が形成されている。
【0089】
この実施例において、前記遮光膜25は、例えば黒色系の顔料を添加した感光性樹脂により形成されており、前記三色のカラーフィルタ24R,24G,24Bは、第二基板4上の遮光膜25の無い領域に形成されている。
【0090】
そして、前記共通電極6は、前記カラーフィルタ24R,24G,24B及び遮光膜25上に、各画素33の配列領域の全域にわたって形成されている。この共通電極6は、前記枠状のシール材30による基板接合部に設けられたクロス接続部(図示せず)を介して、前記ドライバ搭載部3aに形成された第一電圧入力端子36aに、前記第一及び第二容量電極17,18と第一及び第二の横電界生成電極22,23と共に接続されている。
【0091】
また、前記第一の電界減衰手段26aと第二の電界減衰手段26bは、第二基板2に設けられている。そして、第一の電界減衰手段26aは、前記メイン画素部33aを第一領域34aと第二領域34bとに区分するように配置され、前記第二の電界減衰手段26bは、前記メイン画素部33aを第一領域34aと第二領域34bとに区分するように配置されている。
【0092】
前記第一の電界減衰手段26aと第二の電界減衰手段26bはそれぞれ、共通電極6上に形成された誘電体層からなっている。以下、前記第一の電界減衰手段26aを第一誘電体層、第二の電界減衰手段26bを第二誘電体層という。
【0093】
前記第一誘電体層26aは、前記メイン画素部33aを、第一画素電極5aの二つの縦辺のうちの一方の縦辺側の第一領域34aと他方の縦辺側の第二領域34bとに区分するように形成されている。この第一誘電体層26aは、第一画素電極5aと共通電極6との間に生じた電界の強度を、前記第一誘電体層26aに対応する領域において部分的に低下させる。
【0094】
また、前記第二誘電体層26bは、前記サブ画素部33bを、第二画素電極5bの二つの縦辺のうちの一方の縦辺側の第三領域34cと他方の縦辺側の第四領域34dとに区分するように形成されている。この第二誘電体層26bは、第二画素電極5bと共通電極6との間に生じた電界の強度を、前記第二誘電体層26bに対応する領域において部分的に低下させる。
【0095】
この実施例において、前記第一誘電体層26aは、第一画素電極5aの二つの縦辺間の中間部に対応する位置に、前記メイン画素部33aを一方の縦辺側の第一領域34aと、他方の縦辺側の第二領域とに二等分するように配置されている。また、前記第二誘電体層26bは、第二画素電極5bの二つの縦辺間の中間部に対応する位置に、前記サブ画素部33bを一方の縦辺側の第三領域34cと他方の縦辺側の第四領域34dとに二等分するように配置されている。
【0096】
さらに、前記第一誘電体層26aは、第一画素電極5aの縦辺と平行に、且つ前記第一画素電極5aの縦幅の全長に対応する長さに延伸された直線形状に形成され、第二誘電体層26bは、第二画素電極5bの縦辺と平行に、且つ前記第二画素電極5bの縦幅の全長に対応する長さに延伸された直線形状に形成されている。
【0097】
前記第一誘電体層26aと第二誘電体層26bはそれぞれ、1〜2μmの膜厚及び10〜15μmの幅の帯状膜であり、その中央部の膜面が平坦面に形成され、両側部の膜面がそれぞれ膜上面から両側面にかけて円弧状の曲面に形成された断面形状を有している。
【0098】
この誘電体層26a,26bは、前記共通電極6の上に光硬化性樹脂を膜厚に塗布し、その塗布膜を露光及び現像処理によって帯形状にパターニングした後に、加熱処理により、前記樹脂膜の上面と両側面との間の角部を曲面化する方法で形成することができる。
【0099】
また、前記第一基板3には、前記各画素電極5を覆って第一配向膜28が設けられ、第二基板4には、前記共通電極6と第一及び第二誘電体層26a,26bを覆って第二配向膜29が設けられている。
【0100】
この第一配向膜28及び第二配向膜29は、液晶分子を第一基板3及び第二基板4の板面に対して0〜1°程度の極く小さいプレチルト角で配向させる水平配向性をもったポリイミド膜等からなっている。そして、第一配向膜28と第二配向膜29はそれぞれ、前記第一誘電体層26a及び第二誘電体層26bの延伸方向に対して交差する方向にラビングされている。
【0101】
また、前記第一基板3と第二基板4は、図2及び図3のように、所定の間隙を設けて対向配置され、画面エリア1aを囲む枠状のシール材30を介して貼り合わされている。そして、前記第一画素電極5aと共通電極6との間及び第二画素電極5bと前記共通電極6との間に液晶層2が形成されている。前記液晶層2は、前記第一基板3と第二基板4との間の間隙の前記シール材30で囲まれた領域に、誘電異方性が性のネマティック液晶を封入して形成されている。
【0102】
さらに、前記第一基板3の外面には、第一偏光板31が、その吸収軸を所定の方向に向けて配置され、前記第二基板4の外面には、第二偏光板32が、その吸収軸を所定の方向に向けて配置されている。
【0103】
この実施例の液晶表示素子1は、例えばTN型液晶表示素子であり、図5及び図11のように、第一配向膜28は、第一誘電体層26a及び第二誘電体層26bの延伸方向に対して一方の方向(図において右回り方向)に45°の角度で交差する方向にラビングされ、第二配向膜29は、前記第一誘電体層26a及び第二誘電体層26bの延伸方向に対して前記一方の方向とは反対方向(図において左回り方向)に45°の角度で交差する方向にラビングされている。
【0104】
そして、前記液晶層2の液晶分子2aは、図11のように、第一基板3の近傍において第一配向膜28のラビング方向28rに分子長軸を向けて配列し、第二基板4の近傍において第二配向膜29のラビング方向29rに分子長軸を向けて配列すると共に、前記各配向膜28,39のラビング方向28r,29rの上流側(ラビングの開始端側)から下流側(ラビングの終了端側)に向かって配向膜面から離れる方向に0〜1°程度の角度でプレチルトした状態で、第一基板3と第二基板4との間、つまり第一画素電極5a及び第二画素電極5bと共通電極6との間において90°のツイスト角でツイスト配向している。
【0105】
なお、第一誘電体層26a及び第二誘電体層26bの延伸方向に対する第一配向膜28及び第二配向膜29のラビング方向28r,29rの角度は、厳密に45°でなくてもよく、また、液晶分子24のツイスト角も、厳密に90°でなくてもよい。すなわち、前記誘電体層26a,26bの延伸方向に対する前記配向膜28,29のラビング方向28r,29rの角度は、±5°程度の誤差が許容され、前記液晶分子24のツイスト角は、±10°程度の誤差が許容される。
【0106】
また、前記第一偏光板31と第二偏光板32は、前記第一画素電極5a及び第二画素電極5bと共通電極6との間に電圧を印加しない無電界時の表示が最も明るい明表示であるノーマリーホワイトモードの液晶表示素子を構成するように配置されている。すなわち、図11のように、第一偏光板31は、その吸収軸31aを前記第一配向膜28のラビング方向28rと平行な方向に向けて配置され、第二偏光板32は、その吸収軸32aを前記第一偏光板31の吸収軸31aと直交する方向に向けて配置されている。
【0107】
さらに、前記第一基板3には、図2及び図3のように、例えば前記列方向(画面エリア1aの上下方向)の一端側に、前記第二基板4の外方に張出すドライバ搭載部3aが形成されており、このドライバ搭載部3aに、複数の入力端子と複数の走査信号出力端子及び複数のデータ信号出力端子(いずれも図示せず)が形成されたLSIからなるドライバ素子35が搭載されている。
【0108】
そして、各走査信号線7は、画面エリア1aの外側を迂回させて前記ドライバ素子35の各走査信号出力端子にそれぞれ接続され、各データ信号線8は、前記ドライバ素子35の各データ信号出力端子にそれぞれ接続されている。
【0109】
また、図では省略しているが、液晶表示素子1の背後(表示面側とは反対側)には、前記液晶表示素子1の画面エリア1aの全域に向けて均一な照度の光を照射する面光源が配置されている。
【0110】
前記液晶表示素子1は、共通電極6に所定の波形の電圧を印加し、第一及び第二容量電極17,18と第一及び第二の横電界生成電極22,23とに前記共通電極6への印加電圧と同じ第一の電圧を印加し、第三容量電極19に前記第一の電圧とは異なる第二の電圧を印加すると共に、各画素33の行(以下、画素行という)を一行ずつ順次選択し、各画素行毎にその行の各画素33の第一画素電極5a及び第二画素電極5bに、各データ信号線8から供給されたデータ信号を第一TFT9a及び第二TFT9bを介して印加することにより駆動される。
【0111】
次に、前記液晶表示素子1を駆動する駆動手段40について説明する。この駆動手段40は、外部から入力される画像データを一時的に記憶する画像メモリ41と、前記液晶表示素子1の各走査信号線7に走査信号を印加する走査信号線駆動回路42と、前記液晶表示素子1の各データ信号線8にデータ信号を印加するデータ信号線駆動回路43とを備えている。なお、前記走査信号線駆動回路41とデータ信号線駆動回路42は、前記液晶表示素子1のドライバ搭載部3aに搭載されたドライバ素子35に形成されている。
【0112】
さらに、前記駆動手段40は、第一電圧発生回路44と、第二電圧発生回路45と、前記走査信号線駆動回路42及びデータ信号線駆動回路43と前記第一電圧発生回路44及び第二電圧発生回路45を制御する制御部46を備えている。
【0113】
前記走査信号線駆動回路42は、制御部46からの同期用クロック信号等の制御信号に基づいて、前記各走査信号線7にそれぞれ、前記第一TFT9a及び第二TFT9bをオン,オフさせる走査信号を印加する。
【0114】
図12において、t1,t2,t3,t4,…tnは、一画面を表示する1フレーム(第一行から最終行までの各画素行を順次選択して全ての画素行の各画素33に一画面分のデータ信号を印加する期間)を前記各画素の行数で分割した各画素行の選択期間であり、t1は第一行の選択期間、t2は第二行の選択期間、t3は第三行の選択期間、t4は第四行の選択期間、t5は第五行の選択期間、tnは最終行(n行)の選択期間である。
【0115】
また、図12において、G1,G2,G3,G4,…Gnは各走査信号線7にそれぞれ印加される走査信号であり、G1は第一行の走査信号線7に印加される走査信号、G2は第二行の走査信号線7に印加される走査信号、G3は第三行の走査信号線7に印加される走査信号、G4は第四行の走査信号線7に印加される走査信号、G5は第五行の走査信号線7に印加される走査信号、Gnは最終行(n行)の走査信号線7に印加される走査信号である。
【0116】
これらの走査信号は、該走査信号を印加する走査信号線7が対応する画素行の選択期間t1,t2,t3,t4,…tnの開始時よりも所定時間遅れた書込み開始時に、第一TFT9a及び第二TFT9bをオンさせる所定値のオン電位になり、前記選択期間t1,t2,t3,t4,…tnの終了時よりも所定時間早い書込み終了時に、前記第一TFT9a及び第二TFT9bをオフさせるオフ電位になる波形の信号であり、他の期間は前記オフ電圧に保たれる。
【0117】
前記データ信号線駆動回路43は、制御部46からの制御信号に基づいて、前記画像メモリ41に一時的に記憶された画像データを一行の画素分ずつ前記制御部46を介して取り込み、前記各画素行の選択期間毎に、前記一行の画素分の各画像データそれぞれの階調値に対応したデータ信号を前記各データ信号線8に印加する。
【0118】
また、前記第一電圧発生回路44は、制御部46からの制御信号に基づいて、第一の電圧V1を発生する。この第一電圧V1は、前記液晶表示素子1のドライバ搭載部3aに形成された第一電圧入力端子36aを介して、共通電極6と、各行の第一容量電極17及び第二容量電極18とに印加される(図12参照)。
【0119】
すなわち、前記各行の第一容量電極17及び第二容量電極18に印加される電圧Vcomは、前記共通電極6への印加電圧と同じ電圧である。以下、前記共通電極6への印加電圧Vcomをコモン信号という。
【0120】
前記第一電圧発生回路44から共通電極6と各行の第一容量電極17及び第二容量電極18に印加される第一電圧V1は、電圧レベルが所定の周期で反転する矩形波交流電圧である。
【0121】
この実施例において、前記第一電圧V1は、図14に示したように、各画素行の選択期間t1,t2,t3,t4,…tn毎に電圧レベルが反転し、さらに前記電圧レベルが1フレーム毎に反転する矩形波交流電圧である。
【0122】
また、図14に示したデータ信号Dは、各画素行のうちの一つの画素行の選択期間に、前記走査信号線駆動回路42から各データ信号線8に印加される信号であり、各画素行の選択期間t1,t2,t3,t4,…tn毎に各データ信号線8に印加される各データ信号Dはそれぞれ、前記選択期間t1,t2,t3,t4,…tn毎に、共通電極6に印加される前記第一電圧V1との差が前記各画像データそれぞれの階調値に対応する値になるように電位が変化する矩形波信号である。
【0123】
一方、前記第二電圧発生回路45は、制御部46からの制御信号に基づいて、前記第一電圧V1とは異なる第二の電圧V2を発生する。この第二電圧V2は、図14に示したように、一定レベルの直流電圧であり、前記液晶表示素子1のドライバ搭載部3aに形成された第二電圧入力端子36bを介して、各行の第三容量電極19に印加される(図12参照)。
【0124】
この実施例において、前記第二電圧V2は、図14のように、前記第一電圧V1のハイレベル値V1とローレベル値V1との間の値の電圧、例えば前記各レベル値V1,V1の中間値、または前記中間値付近の値の電圧である。
【0125】
この液晶表示装置において、前記液晶表示素子1の各画素33はそれぞれ、図13のような回路で表すことができる。すなわち、画素33のメイン画素部33aは、第一画素電極5aと共通電極6及びその間の液晶層2とからなる第一画素容量CLC1と、前記第一画素電極5aと第一容量電極17及びその間の第一誘電層(ゲート絶縁膜11と被覆絶縁膜20との二層膜)とからなる第一補償容量Cs1とが第一画素電極5aにおいて接続され、前記第一画素電極5aに第一TFT9aが接続された回路からなっている。
【0126】
また、前記画素33のサブ画素部33bは、第二画素電極5bと共通電極6及びその間の液晶層2とからなる第二画素容量CLC2と、前記第二画素電極5bと第二容量電極18及びその間の第二誘電層(ゲート絶縁膜11と被覆絶縁膜20との二層膜)とからなる第二補償容量Cs2と、前記第二画素電極5bと第三容量電極19及びその間の第三誘電層(ゲート絶縁膜11と被覆絶縁膜20との二層膜)とからなる第三補償容量Cs3とが第二画素電極5bにおいて接続され、前記第二画素電極5bに第二TFT9bが接続された回路からなっている。
【0127】
そして、前記共通電極6には、各画素行の選択期間毎に電圧レベルがハイレベル値V1とローレベル値V1とに反転するコモン信号Vcomが印加され、前記第一容量電極17と前記第二容量電極18にはそれぞれ、前記コモン信号Vcomと同じ第一電圧V1が印加され、前記第三容量電極19には、前記第一電圧V1とは異なる第二電圧V2が印加される。
【0128】
また、選択された画素行の各画素33の第一画素電極5aと第二画素電極5bには、第一TFT9a及び第二TFT9bのオンにより、データ信号線8から供給されたデータ信号Dがそれぞれ印加される。
【0129】
前記第一画素電極5aと共通電極6との間と、前記第二画素電極5bと共通電極6との間に印加される電圧(以下、書込み電圧という)はそれぞれ、前記第一電圧V1と前記データ信号Dとの電圧差に対応した値の電圧であり、その書込み電圧が前記第一画素容量CLC1と前記第二画素容量CLC2とにチャージされる。
【0130】
また、前記第一容量電極17と前記第二容量電極18への印加電圧はそれぞれ前記共通電極6へ印加されるコモン信号Vcomと同じ第一電圧V1であるため、前記第一補償容量Cs1と第二補償容量Cs2にはそれぞれ前記書込み電圧と同じ電圧がチャージされる。
【0131】
一方、前記第三容量電極19への印加電圧は前記第一電圧V1とは異なる第二電圧V2であるため、前記第三補償容量Cs3には、前記書込み電圧とは異なる電圧(書込み電圧に対して第一電圧V1と第二電圧V2との差に対応した電圧差をもった電圧)がチャージされる。
【0132】
なお、第一画素電極5aと走査信号線7及びデータ信号線8との間には、第一TFT9aのゲート−ソース間容量及びドレイン−ソース間容量等の寄生容量(以下、第一寄生容量という)が存在する。また、第二画素電極5bと走査信号線7及び走査信号線7との間には、第二TFT9bのゲート−ソース間容量及びドレイン−ソース間容量等の寄生容量(以下、第二寄生容量という)が存在する。
【0133】
そのため、第一TFT9a及び第二TFT9bがオフし、書込みが終了すると、第一画素容量CLC1及び第二補償容量Cs2にチャージされた電圧が、前記第一寄生容量への電圧の引込みによってある程度降下し、第二画素容量CLC2と第二補償容量Cs2及び第三補償容量Cs3にチャージされた電圧が、前記第二寄生容量への電圧の引込みによってある程度降下する。
【0134】
そして、前記メイン画素部33aの液晶は、前記第一画素容量CLC1のチャージ電圧(第一画素電極5aと共通電極6との間の電圧)により駆動される。また、前記サブ画素部33bの液晶は、前記第二画素容量CLC2のチャージ電圧(第二画素電極5bと共通電極6との間の電圧)により駆動される。
【0135】
図16は、第一行の各画素33のうちの一つの画素33のメイン画素部33aにおける第一画素電極5aと共通電極6との間に印加される電圧を示し、図17は、前記一つの画素33のサブ画素部33bにおける第二画素電極5bと共通電極6との間に印加される電圧を示している。図16において、V1は第一画素電極5aの電位である。また、図17において、V2は第二画素電極5bの電位である。なお、図16及び図17では、前記第一画素電極5a及び第二画素電極5bの電位V1,V2とコモン信号Vcomとを区別しやすいように、これらの立上がり及び立下がりを傾斜させている。
【0136】
図16のように、第一画素電極5aと共通電極6との間の電圧は、前記第一行の選択期間t1のうちのTFT9a,9bのオン期間に、データ信号線8から第一TFT9aを介して第一画素電極5aに印加されたデータ信号Dと、共通電極6に印加されたコモン信号Vcomとの電位差に対応した書込み電圧Vaになる。
【0137】
そして、前記第一TFT9aがオフすると、第一画素電極5aと共通電極6との間の電圧が、前記書込み電圧Vaに対して前記第一寄生容量による引込み電圧ΔV1分だけ降下した電圧Va1になる。以下、この電圧Va1を第一保持電圧という。
【0138】
また、前記共通電極6に印加されるコモン信号Vcomの電圧レベルは、各画素行の選択期間t1,t2,t3,t4,…tn毎に反転するが、前記コモン信号Vcomと第一容量電極17に印加される第一電圧V1は同じ電圧であるため、前記コモン信号Vcomの電圧レベルが反転しても、第一画素容量CLC1及び第一補償容量Cs1のチャージ電圧は変化しない。そのため、前記第一画素電極5aと共通電極6との間の電圧は、第二行以下の各画素行の選択期間線t2,t3,t4,…tnにおいても前記第一保持電圧Va1に保たれる。
【0139】
従って、前記第一画素電極5aと共通電極6との間の第一保持電圧Va1は、前記コモン信号Vcomの電圧レベル反転にかかわらず、第一行の選択期間t1の書込み終了後から1フレームの終了時までの期間中、実質的に同じ電圧に維持され、その電圧が、前記メイン画素部33aの液晶に1フレームの実効電圧として印加される。
【0140】
また、第二画素電極5bと共通電極6との間の電圧は、図17のように、前記第一行の選択期間t1のうちのTFT9a,9bのオン期間に、前記データ信号線8から第二TFT9bを介して第二画素電極5bに印加されたデータ信号Dと、共通電極6に印加されたコモン信号Vcomとの電位差に対応した書込み電圧Vaになる。この書込み電圧Vaは、前記第一画素電極5aと共通電極6との間に印加された書込み電圧Vaと同じ値の電圧である。
【0141】
そして、前記第二TFT9bがオフすると、前記第二画素電極5bと共通電極6との間の電圧が、前記書込み電圧Vaに対して前記第二寄生容量による引込み電圧ΔV2分だけ降下した電圧Va2になる。以下、この電圧Va2を第二保持電圧という。なお、前記第二寄生容量による引込み電圧ΔV2は、前記第一寄生容量による引込み電圧ΔV1と同じであり、従って、前記第二保持電圧Va2は、前記第一保持電圧Va1と同じ値の電圧である。
【0142】
一方、前記第二容量電極18への印加電圧である第一電圧V1は、共通電極6に印加されるコモン信号Vcomと同じ電圧(各画素行の選択期間t1,t2,t3,…tn毎に電圧レベルが反転する電圧)であるが、第三容量電極19への印加電圧である第二電圧V2は、前記第一電圧V1とは異なる一定レベルの直流電圧である。
【0143】
そのため、前記コモン信号Vcomの電圧レベルが前記第一行の選択期間t1の電圧レベルに対して反転すると、共通電極6と第三容量電極19との間の電圧値の低下に伴って、第一画素容量CLC1と第二補償容量Cs2及び第三補償容量Cs3のそれぞれのチャージ電圧が、これらのCLC1,Cs2,Cs3の容量値に対応した比率で降圧する。
【0144】
また、前記コモン信号Vcomの電圧レベルが前記第一行の選択期間t1の電圧レベルと同じになると、前記第一画素容量CLC1及び前記第二補償容量Cs2のチャージ電圧と前記第三補償容量Cs3のチャージ電圧がそれぞれ前記第一画素行の選択期間t1における書込み終了後の電圧(第二TFT9bがオフした後の電圧)になる。
【0145】
そのため、第二画素電極5bと共通電極6との間の電圧は、第二行以下の各画素行のうちの偶数番の画素行の選択期間(コモン信号Vcomの電圧レベルが第一行の選択期間t1の電圧レベルに対して反転する選択期間)t2,t4,…に、前記第二保持電圧V2に対して降圧した電圧Va3になり、奇数番の画素行の選択期間(コモン信号Vcomの電圧レベルが第一行の選択期間t1の電圧レベルと同じになる選択期間)t3,t5,…に、前記第二保持電圧V2と実質的に同じ電圧に戻る。
【0146】
従って、前記サブ画素部33bの液晶には、各画素行の選択期間t1,t2,t3,…tn毎に交互に印加される前記電圧Va2,Va3を平均した値の電圧が、1フレームの実効電圧として印加される。
【0147】
なお、前記第二保持電圧Va2と、この第二保持電圧Va2に対して降圧した電圧Va3は、次の(1)式及び(2)式により求めることができる。
【0148】
Va2=(Cic+C)×(Vpix−VcomL)+C×(Vpix−C)
+Cds×(Vpix−VsigH)+Cgs×(Vpix−Vgl) …(1)
Va3=(Cic+C)×(Vpix−VcomH)+C×(Vpix−C)
+Cds×(Vpix−VsigL)+Cgs×(Vpix−Vgl) …(2)
lc;第二画素容量CLC2の容量値
;第二補償容量Cs2の容量値
;第三補償容量Cs3の容量値
gs;第二TFT9bのゲート−ソース間容量
ds;第二TFT9bのドレイン−ソース間容量
sigH;第一画素行の選択期間におけるデータ信号の電位
sigL;第二画素行の選択期間におけるデータ信号の電位
gl;走査信号のオフ電圧
pix;第二画素電極5bの電位
comL;コモン信号Vcomのローレベル電圧値
comH;コモン信号Vcomのハイレベル電圧値
また、前記サブ画素部33bの液晶に印加される1フレームの実効電圧は、次の(3)式により求めることができる。
【0149】
実効電圧={(Va2+Va3)/2}1/2 …(3)
このように、各画素33のサブ画素部33bの1フレームの実効電圧は、同じ画素33のメイン画素部33aの1フレームの実効電圧に対して降圧した電圧であり、従って、同じ階調値のデータ信号に対して、前記サブ画素部33bの液晶分子が、前記メイン画素部33aの液晶分子の立上がり角よりも小さい角度で立上がる。
【0150】
そのため、各画素33のサブ画素部33bの液晶層2での電圧−透過率特性は、前記メイン画素部33aの液晶層2での電圧−透過率特性とは異なる特性である。図18は前記液晶表示素子1におけるメイン画素部33aとサブ画素部33bの電圧−透過率特性を示している。図18のように、前記サブ画素部33bの電圧−透過率特性は、前記メイン画素部33aの電圧−透過率特性に対して高電圧側にシフトした特性である。
【0151】
従って、液晶層2の層厚(第一基板3と第二基板4との間の間隙)等を、メイン画素部33aの電圧−透過率特性が所定の視野角が得られる特性になるように設計し、さらに、前記第二電圧V2の値を、サブ画素部33bの電圧−透過率特性が前記メイン画素部33aの電圧−透過率特性に対して所定量だけシフトした特性、つまりメイン画素部33aの視野角とは異なる視野角が得られる特性になるように前記第二電圧V2の値を設定することにより、メイン画素部33aの視野角特性とサブ画素部33bの視野角特性とが相乗した広い視野角を得ることができる。
【0152】
また、メイン画素部33aの視野角特性とサブ画素部33bの視野角特性とが相乗した視野角は、前記メイン画素部33aとサブ画素部33bとの面積比に対応するため、この面積比を選択することにより、所定の広さの視野角を得ることができる。
【0153】
さらに、前記液晶表示装置は、各画素33毎に、第一画素電極5aの二つの縦辺の外側に配置された第一の横電界生成電極22と、前記第二画素電極5bの二つの縦辺の外側に配置された第二の横電界生成電極23とを設けると共に、前記共通電極6の液晶層と対向する面上に、前記第一画素電極5aが設けられたメイン画素部33aを第一領域34aと第二領域34bとに区分するように配置された第一誘電体層26aと、前記第二画素電極5bが設けられたサブ画素部33bを第三領域34cと第四領域34dとに区分するように配置された第二誘電体層26bとを設けている。
【0154】
そのため、前記第一画素電極5a及び第二画素電極5bと共通電極6との間に電圧を印加したときの液晶分子2aのチルト方向を、前記メイン画素部33aにおいて前記第一領域34aと第二領域34bとで互いに異ならせ、前記サブ画素部33bにおいて前記第三領域34cと第四領域34dとで互いに異ならせることができる。
【0155】
すなわち、第一画素電極5a及び第二画素電極5bと共通電極6との間に電圧を印加しない無電界時は、メイン画素部33a及びサブ画素部33bの液晶分子24が、第一基板3及び第二基板4の板面に対して0〜1°の角度でプレチルトした初期のツイスト配向状態に配向する。図19は、メイン画素部33aにおける無電界時の液晶分子2aの配向状態を模式的に示している。
【0156】
一方、前記共通電極6にコモン信号Vcomを印加し、第一画素電極5a及び第二画素電極5bに第一TFT9a及び第二TFT9bを介してデータ信号Dを印加すると、第一画素電極5aと共通電極6との間及び第二画素電極5bと共通電極6との間に、これらの電極5a,6間及び5b,6間の電圧値に対応した強さの電界(以下、駆動電界という)が生じると共に、前記第一の横電界生成電極22及び第二の横電界生成電極23に、前記コモン信号Vcomと同じ第一電圧V1が印加される。図20は、メイン画素部33aにおける駆動電界の歪みと液晶分子2aの配向状態を模式的に示している。
【0157】
前記駆動電界の印加時は、前記第一の横電界生成電極22及び第二の横電界生成電極23への前記第一電圧V1の印加により、図20のように、第一画素電極5aと第一の横電界生成電極22との間と、第二画素電極5bと第二の横電界生成電極23との間にそれぞれ横電界e1,e2が生じる。前記第一画素電極5aと第一の横電界生成電極22との間に生じる横電界e1,e2は、第一画素電極5aの一方の縦辺側と他方の縦辺側とで互いに逆向きの電界である。また、前記第二画素電極5bと第二の横電界生成電極23との間に生じる横電界e1,e2も、第二画素電極5bの一方の縦辺側と他方の縦辺側とで互いに逆向きの電界である。
【0158】
従って、第一画素電極5aと共通電極6との間に生じた駆動電界の向きが、前記横電界e1,e2に誘引されて、第一画素電極5aの一方の縦辺側と他方の縦辺側とで互いに逆方向に傾くように歪む。また、第二画素電極5bと共通電極6との間に生じた駆動電界の向きが、前記横電界e1,e2に誘引されて、第二画素電極5bの一方の縦辺側と他方の縦辺側とで互いに逆方向に傾くように歪む。
【0159】
また、前記駆動電界は、第一画素電極5a及び第二画素電極5bに印加されたデータ信号の階調値に対応した強さの電界であるが、前記共通電極6上に、前記メイン画素部33aを第一領域34aと第二領域34bとに区分するように第一誘電体層26aが設けられ、前記サブ画素部33bを第三領域34cと第四領域34dとに区分するように第二誘電体層26bが設けられているため、前記駆動電界の強度が、第一誘電体層26aに対応する領域及び第二誘電体層26bに対応する領域において、これらの誘電体層26a,26bでの電圧降下により部分的に低下する。
【0160】
そのため、メイン画素部33aにおいては、前記駆動電界の向きが、第一誘電体層26aに対応する部分を境にして、第一画素電極5aの一方の縦辺側に向かって斜めに傾いた方向と、前記第一画素電極5aの他方の縦辺側に向かって斜めに傾いた方向とに歪む。同様に、サブ画素部33bにおいては、前記駆動電界の向きが、第二誘電体層26bに対応する部分を境にして、第二画素電極5bの一方の縦辺側に向かって斜めに傾いた方向と、前記第二画素電極5bの他方の縦辺側に向かって斜めに傾いた方向とに歪む。
【0161】
そして、第一画素電極5aの右側に生じた横電界e1による駆動電界の傾き方向と、第一誘電体層26aでの電圧降下による前記第一誘電体層26aの中心よりも右側の領域における駆動電界の傾き方向は同じ向きであるため、前記メイン画素部33aのうち、右側の第一領域34aの駆動電界E1が、前記第一領域34aの全域において、第一画素電極5aから共通電極6に向かって右側に傾いた方向に歪む。図20において、破線E1aは、第一領域34aにおける駆動電界E1の等電位線を示している。
【0162】
また、第一画素電極5aの左側に生じた横電界e2による駆動電界の傾き方向と、第一誘電体層26aでの電圧降下による前記第一誘電体層26aの中心よりも左側の領域における駆動電界の傾き方向は同じ向きであるため、前記メイン画素部33aのうち、左側の第二領域34bの駆動電界E2が、前記第二領域34bの全域において、第一画素電極5aから共通電極6に向かって左側に傾いた方向に歪む。図20において、破線E2aは、第二領域34bにおける駆動電界E2の等電位線を示している。
【0163】
従って、第一領域34aの液晶分子2aは、前記第一領域34aにおける駆動電界E1の歪み方向に向いた分子端側が基板3,4に対して立上がる方向(図20において、第一基板3に対して右上がり方向、第二基板2に対して左下がり方向)にチルトする。この第一領域34aにおける液晶分子2aのチルト方向は、図19の初期配向状態におけるプレチルトの傾き方向と同じ向きで、基板3,4に対するチルト角が大きくなった方向である。以下、この第一領域34aにおける駆動電界による液晶分子2aのチルトをノーマルチルトという。
【0164】
また、第二領域34bの液晶分子2aは、前記第二領域34bにおける駆動電界E2の歪み方向に向いた分子端側が基板3,4に対して立上がる方向(図20において、第一基板3に対して左上がり方向、第二基板2に対して右下がり方向)にチルトする。この第二領域34bにおける液晶分子2aのチルト方向は、図19の初期配向状態におけるプレチルトの傾き方向とは逆向きで基板3,4に対するチルト角が大きくなった方向である。以下、この第二領域34bにおける駆動電界による液晶分子2aのチルトをリバースチルトという。
【0165】
これは、サブ画素部33bにおいても同じであり、サブ画素部33bでは、右側の第三領域34cの液晶分子2aがノーマルチルトし、左側の第四領域34dの液晶分子2aがノーマルチルトする。
【0166】
図21において、右上がりの平行斜線を施した領域は、液晶分子2aがノーマルチルトする領域、左上がりの平行斜線を施した領域は、液晶分子2aがノーマルチルトする領域、この実施例では、メイン画素部33aの第一領域34aと、サブ画素部33bの第三領域34cにおいて液晶分子2aがノーマルチルトし、メイン画素部33aの第二領域34bと、サブ画素部33bの第四領域34dにおいて液晶分子2aがリバースチルトする。
【0167】
このように、前記液晶表示素子1は、各画素33の液晶分子2aが、第一画素電極5a及び第二画素電極5bと共通電極6との間への駆動電界の印加により、メイン画素部33aの第一領域34aと第二領域34bとで互いに反対方向にチルトし、サブ画素部33bの第三領域34cと第四領域34dとで互いに反対方向にチルトする。
【0168】
そのため、前記メイン画素部33aの第一領域34aと第二領域34bは互いに異なる視野角特性を示し、またサブ画素部33bの第三領域34cと第四領域34dも互いに異なる視野角特性を示す。
【0169】
そして、上述したように、前記サブ画素部33bの液晶層2での電圧−透過率特性は、前記メイン画素部33aの液晶層2での電圧−透過率特性に対して高電圧側にシフトした特性であるため、前記メイン画素部33aの第一領域34aの視野角特性とサブ画素部33bの第三領域34cの視野角特性は互いに異なる特性であり、また、メイン画素部33aの第二領域34bの視野角特性とサブ画素部33bの第四領域34cの視野角特性も互いに異なる特性である。
【0170】
従って、上記液晶表示装置によれば、前記第一、第二、第三及び第四の各領域34a,44b,44c,44dの互いに異なる視野角特性が相乗した、充分に広い視野角を得ることができる。
【0171】
また、上記実施例では、前記第一誘電体層26aを、メイン画素部33aを第一領域34aと第二領域34bとに二等分するように配置し、前記第二誘電体層26bを、サブ画素部33bを第三領域34cと第四領域34dとに二等分するように配置している。
【0172】
そのため、液晶分子2aがノーマルチルトする領域と、液晶分子2aがリバースチルトする領域との面積比、つまりメイン画素部33aの第一領域34aと第二領域34bとの面積比と、サブ画素部33bの第三領域34cと第四領域34dとの面積比は、それぞれ1:1である。従って、ノーマルチルト領域の視野角特性とリバースチルト領域の視野角特性とが均等なバランスで相乗した視野角特性を得ることができる。
【0173】
図22は第一比較例の液晶表示装置の視角−輝度特性を示し、図23は第二比較例の液晶表示装置の視角−輝度特性を示し、図24は第三比較例の液晶表示装置の視角−輝度特性を示し、図25は上記実施例の液晶表示装置の視角−輝度特性を示している。
【0174】
なお、前記各比較例及び実施例の液晶表示素子は、何れも、6時方向から見たときにコントラストが最も高くなるように設計されたTN型液晶表示装置であり、視角−輝度特性は、各画素電極に、L(最も暗い階調値)〜L21(最も明るい階調値)の22階調のうちのL,L,L,L,L10,L12,L16,L18,L19,L20,L21の各階調値のデータ信号を印加したときの特性である。また、図22〜図25において、視角は、9時方向の視角を0°としたときの前記0°方向に対して反時計回り(左回り)の角度であり、輝度は、各視角における液晶表示素子の法線に対して所定角度傾いた方向の輝度である。
【0175】
前記第一比較例の液晶表示装置は、各画素毎に、一つの画素電極と一つのTFTを設け、前記画素電極の各辺との間に補償容量を形成する矩形枠状の容量電極を配置したものであり、上記実施例のような横電界生成電極及び電界減衰手段(誘電体層)は備えていない。
【0176】
この第一比較例の液晶表示装置の視角−輝度特性は、図22のような特性であり、90°(6時)付近の視角において、L10よりも高階調側の表示に階調潰れや階調反転を生じ、また、270°(12時)付近の視角において、L12よりも低階調側の表示に階調潰れや階調反転を生じる。
【0177】
前記第二比較例の液晶表示装置は、各画素毎に、第一画素電極及び第二TFTと第二画素電極及び第二TFTを設け、前記第一画素電極の各辺との間に第一補償容量を形成する矩形枠形状の第一容量電極と、前記第二画素電極の三辺との間に第二補償容量を形成する三方枠形状の第二容量電極と、前記第二画素電極の他の一辺との間に第三補償容量を形成する直線形状の第三容量電極とを配置すると共に、上記実施例と同様に、前記第一容量電極と第二補償容量とに前記第一電圧V1を印加し、第三補償容量に前記第二電圧V2を印加するようにしたものであり、上記実施例のような横電界生成電極及び電界減衰手段(誘電体層)は備えていない。なお、第一画素電極が設けられたメイン画素部と第二画素電極が設けられたサブ画素部との面積比は、メイン画素部:サブ画素部=7:3に設定されている。
【0178】
この第二比較例の液晶表示装置の視角−輝度特性は、図23のように、前記第一比較例に比べて、270°(12時)付近の視角における低階調側での階調潰れや階調反転が改善された特性であり、従って前記270°付近の視野角が広くなる。
【0179】
前記第三比較例の液晶表示装置は、各画素毎に、一つの画素電極と一つのTFTを設け、前記画素電極との間に補償容量を形成する矩形枠状の容量電極を配置すると共に、前記画素電極の二つの縦辺の外側に横電界生成電極を配置し、共通電極の液晶層と対向する面上に、画素電極と共通電極との間に生じた電界の強度を低下させる誘電体層を、前記画素電極の一方の辺側の領域と他方の辺側の領域とに区分するように配置したものである。
【0180】
この第三比較例の液晶表示装置の視角−輝度特性は、図24のように、前記第一比較例に比べて改善された特性であるが、90°付近及び270°(12時)付近の視角において、L〜L12の各階調の表示に階調潰れや階調反転が見られる。
【0181】
上記各比較例の液晶表示装置に対して、上記実施例の液晶表示装置は、図25のような視角−輝度特性をもっている。なお、この視角−輝度特性は、前記メイン画素部33aとサブ画素部33bとの面積比が、メイン画素部:サブ画素部=7:3に設定された液晶表示装置の特性である。
【0182】
図55のように、上記実施例の液晶表示装置の視角−輝度特性は、0°〜360°の各視角において、階調潰れや階調反転が殆んど無い表示が得られる特性であり、従って、充分に広い視野角を得ることができる。
【0183】
さらに、上記実施例の液晶表示装置は、前記第三容量電極19に印加する電圧を制御するだけで視野角を微調整することができる。そのため、製造工程で生じた絶縁膜厚や基板間隙等の誤差により、表示装置相互間に視野角のばらつきが生じても、前記視野角のばらつきを容易に補正することができる。
【0184】
すなわち、上記実施例の液晶表示装置は、前記第一容量電極17と第二容量電極18とに共通電極6への印加電圧と同じ第一電圧V1を印加し、前記第三容量電極19に前記第一の電圧V1とは異なる第二電圧V2を印加するようにしているため、前記第三容量電極19に印加する第二電圧V2を制御することにより、前記サブ画素部33bの電圧−透過率特性を変化させることができる。
【0185】
前記サブ画素部33bの電圧−透過率特性は、図18に示したように、前記メイン画素部33aの電圧−透過率特性に対して高電圧側にシフトした特性であり、そのシフト量は、前記第二容量電極18に印加された第一電圧V1と、前記第三容量電極19に印加された第二電圧V2との差に対応する。
【0186】
この実施例において、前記メイン画素部33aの電圧−透過率特性に対するサブ画素部33bの電圧−透過率特性のシフト量は、前記第一電圧V1に対する第二電圧V2の差を小さくするのに伴って小さくなり、前記第一電圧V1に対する第二電圧V2の差を大きくするのに伴って大きくなる。
【0187】
そして、前記サブ画素部33bの電圧−透過率特性をシフトさせると、それに伴って前記第1領域34aと第二領域43bのそれぞれの視野角特性が調整されるため、前記第一、第二、第三及び第四の各領域34a,44b,44c,44dの視野角特性が相乗した視野角を所定の値に設定することができる。
【0188】
このように、上記液晶表示装置は、前記サブ画素部33bの電圧−透過率特性を変化させることができるため、前記サブ画素部33bの視野角特性を任意に調整することができる。従って、前記メイン画素部33aの視野角特性とサブ画素部33bの視野角特性とを相乗させた視野角を所定の値になるように微調整し、表示装置相互間の視野角のばらつきを補正することができる。この視野角のばらつきの補正は、前記第三容量電極19に印加する第二電圧V2を制御するだけで容易に行うことができる。
【0189】
しかも、上記液晶表示装置は、前記第二容量電極18を、第二画素電極5bの二つの横辺の何れか一方(上記実施例では走査信号線7に隣接する辺)と二つの縦辺の両方とに重なるように形成し、前記第三容量電極19を、前記第二容量電極18との間に所定の間隔をあけて、前記第二画素電極5bの二つの横辺の他方(上記実施例では走査信号線7に隣接する辺とは反対側の辺)と重なるように形成しているため、前記第二補償容量Cs2の容量値を、前記第三補償容量Cs3の容量値に対して大きくすることができる。
【0190】
そのため、第三容量電極19への印加電圧値に若干の変動があっても、第二画素電極5bに対応するサブ画素部33bの液晶層2での電圧−透過率特性がみだりに変動することがない。従って、より微細に電圧−透過率特性を調整することが可能になる。また、前記第三容量電極19へのノイズ電圧の印加による前記サブ画素部33bの液晶層2での電圧−透過率特性の変動も抑制することができる。
【0191】
さらに、上記実施例の液晶表示装置は、前記第一画素電極5a及び第二画素電極5bと共通電極6との間への電界の印加により、メイン画素部33aの液晶分子2aが、前記第一誘電体層26aに対応する部分を境にして、前記第一領域34aと第二領域34bとで互いに異なる方向にチルトし、サブ画素部33bの液晶分子2aが、前記第二誘電体層26bに対応する部分を境にして、前記第三領域34cと第四領域34dとで互いに異なる方向にチルトする。
【0192】
そのため、液晶分子2aがノーマルチルトする領域(メイン画素部33aの第一領域34a及びサブ画素部33bの第三領域34c)と、液晶分子2aがリバースチルトする領域(メイン画素部33aの第二領域34b及びサブ画素部33bの第四領域34d)との面積比を常に一定にし、定常的に安定した広視野角表示を行うことができる。
【0193】
また、上記実施例では、前記第一容量電極17を、第一画素電極5aの全ての辺に重なるように矩形枠形状に形成しているため、前記第一補償容量Cs1の容量値を充分大きくすることができる。
【0194】
さらに、上記実施例では、前記第一画素電極5aと第二画素電極5bとの間を延伸するように走査信号線7を配置しているため、他の領域に走査信号線7の配置スペースを確保する場合に比べて、画素33の開口率を高くすることができる。
【0195】
しかも、上記実施例では、第一画素電極5aと第二画素電極5bとの間の領域に第一TFT9aと第二TFT9bとを配置しているため、これらのTFT9a,9bを画素33外の領域に配置する場合に比べて、隣り合う画素33,30間の間隔を小さくすることができる。
【0196】
また、上記実施例では、走査信号線7と第一、第二及び第三容量電極17,18,19を第一基板3上に形成すると共に、第一容量電極17と第二容量電極18をそれぞれ走査信号線7との間に間隔を設けて形成している。そのため、前記走査信号線7と各容量電極17,18,19とを一括して同時に、しかも第一容量電極17と走査信号線7及び第二容量電極18と走査信号線7とを短絡させること無く形成することができる。
【0197】
さらに上記実施例では、前記走査信号線7と各容量電極17,18,19を第一及び第二TFT9a,9bのゲート絶縁膜11により覆い、前記ゲート絶縁膜11の上にデータ信号線8を形成し、第一画素電極5aと第二画素電極5bを、前記ゲート絶縁膜11の上に各TFT9a,9b及びデータ信号線8を覆って設けられた被覆絶縁膜20の上に形成している。そのため、第一画素電極5aと第一容量電極17との間の第一誘電層と、第二画素電極5bと第二容量電極18との間の第二誘電層と、第二画素電極5bと第三容量電極19との間の第三誘電層とをそれぞれ、前記ゲート絶縁膜11と被覆絶縁膜20との積層膜により形成することができる。
【0198】
そして、このように第一誘電層、第二誘電層及び第三誘電層を、同一の層として形成しりことにより、前記各補償容量Cs1,Cs2,Cs3を一括して同時に形成することができる。
【0199】
また、上記実施例では、前記共通電極6に印加するコモン信号Vcomと前記第一容量電極17に印加する第一電圧V1(Vcom=V1)を、電圧レベルが所定の周期で反転する矩形波交流電圧、例えば1フレーム中の各画素行の選択期間t1,t2,t3,t4,…tn毎に電圧レベルが反転する矩形波交流電圧としている。そのため、前記各画素33のメイン画素部33aの液晶に、前記第一行の選択期間t1の書込み終了後から1フレームの終了時までの期間中、前記第一保持電圧Va1対応した一定値の実効電圧を印加することができる。
【0200】
さらに、上記実施例では、前記第二容量電極18に、前記共通電極6及び第一容量電極17への印加電圧と同じ第一電圧(矩形波交流電圧)V1を印加し、前記第三容量電極19に、一定レベル、例えば前記第一電圧V1のハイレベル値V1とローレベル値V1との間の値の直流電圧からなる第二電圧V2を印加している。そのため、第二画素電極5bと共通電極6との間の電圧を、図17のように、第二保持電圧Va2とそれよりも降圧した電圧Va3とに交互に変化させ、各画素33のサブ画素部33bの液晶に、第一行の選択期間t1の書込み終了後から1フレームの終了時までの期間中、前記二つの電圧Va2,Va3を平均した値の実効電圧を印加することができる。
【0201】
また、上記実施例では、前記第一の横電界生成電極22及び第二の横電界生成電極23に、前記第一容量電極17と第二容量電極18とに印加される第一電圧V1と同じ電圧を印加するようにしているため、第一の横電界生成電極22及び第二の横電界生成電極23に前記第一電圧V1とは異なる電圧を印加する場合に比べて、駆動手段40を簡略化することができる。
【0202】
さらに、上記実施例では、前記第一の横電界生成電極22を、前記第一容量電極17と一体に形成し、前記第二の横電界生成電極23を、前記第二容量電極18と一体に形成しているため、前記各横電界生成電極22,23を、前記各容量電極17,18と同時に形成することができると共に、前記各容量電極17,18と各横電界生成電極22,23への第一電圧V1の印加を一括して行うことができる。
【0203】
なお、上記実施例では、前記第一誘電体層26aと第二誘電体層26bを、上面と両側面との間の角部を曲面にした断面形状に形成しているが、これらの誘電体膜26a,26bは、図26に示した変形例のように、上面と両側面との間の角部をそのまま残した断面形状に形成してもよい。
【0204】
さらに、前記各誘電体膜26a,26bは、図27に示した他の変形例のように、半楕円状または半円状の断面形状に形成しても、図28に示した他の変形例のように、幅方向の中心部に頂部をもった二等辺三角形状の断面形状に形成してもよい。
【0205】
また、前記第三容量電極19に印加する第二電圧V2は、前記第一電圧V1のハイレベル値V1とローレベル値V1との間の値の電圧に限らず、任意の値の直流電圧でもよく、その場合も、サブ画素部33bの液晶に、前記各選択期間t1,t2,t3,t4,…tn毎に交互に変化する二つの電圧値を平均した、前記メイン画素部33aの実効電圧とは異なる値の実効電圧を印加することができる。
【0206】
さらに、前記第三容量電極19に印加する第二電圧V2は、一定レベルの直流電圧に限らず、電圧レベルが前記第一電圧V1と同じ周期で反転し、且つ、振幅が前記第一電圧V1の振幅よりも小さい矩形波交流電圧でもよい。
【0207】
図29は、前記第二電圧V2を矩形波交流電圧とした例を示している。この第二電圧V2は、第一電圧V1と同位相で、且つ振幅が前記第一電圧V1の振幅よりも小さい矩形波交流電圧である。
【0208】
また、図30は、前記第二電圧V2を矩形波交流電圧とした他の例を示している。この第二電圧V2は、第一電圧V1とは逆位相で、且つ振幅が前記第一電圧V1の振幅よりも小さい矩形波交流電圧である。
【0209】
前記図29または図30の何れの波形の第二電圧V2を前記第三容量電極19に印加しても、前記第二画素電極5bと共通電極6との間の電圧を、前記第二保持電圧Va2とそれよりも降圧した電圧とに交互に変化させることができる。従って、前記各画素33のサブ画素部33bの液晶に、前記第一行の選択期間t1の書込み終了後から1フレームの終了時までの期間中、前記メイン画素部33aの実効電圧とは異なる値の実効電圧を印加することができる。
【0210】
また、上記実施例では、前記第二容量電極18と第三容量電極19を図3及び図4のような形状に形成しているが、図31に示した変形例のように、前記第二容量電極17を、前記第二画素電極5bの二つの横辺のうちの走査信号線7に隣接する辺とは反対側の辺と二つの縦辺とに重なるような三方枠形状に形成し、第三容量電極19を、前記第二画素電極5bの走査信号線7に隣接する一辺に重なるような直線形状に形成してもよい。この場合も、前記第二の横電界生成電極23を、前記第二容量電極18のうちの第二画素電極5bの二つの縦辺に重なる縦枠部と一体に形成することができる。なお、前記第1誘電体層26aと第二誘電体層26bは、上記実施例と同じ位置に配置されている。また、前記第一配向膜28と第二配向膜29のラビング方向28r,29rは、上記実施例と同じである。
【0211】
さらに、上記実施例では、第一、第二及び第三容量電極17,18,19を図4、図5及び図12のような形状に形成しているが、前記第一容量電極17は、図32のように、各行の隣り合う第一容量電極17,17同士が、第一画素電極5aの縦辺に重なる縦枠部において、その全長にわたって一体に繋がった形状に形成してもよい。この場合は、前記隣り合う第一容量電極17,17同士が一体に繋がった部分により第一の横電界生成電極22を形成することができる。
【0212】
また、前記第二容量電極18は、図32のように、各行の隣り合う第二容量電極18,18同士が、第二画素電極5bの縦辺と重なる縦枠部において、その全長にわたって一体に繋がった形状に形成してもよい。この場合は、前記隣り合う第二容量電極18,18同士が一体に繋がった部分により第二の横電界生成電極23を形成することができる。
【0213】
なお、図32においても、第三容量電極19は、上記実施例と同じ直線形状に形成されている。また、前記第1誘電体層26aと第二誘電体層26bは、上記実施例と同じ位置に配置されている。さらに、前記第一配向膜28と第二配向膜29のラビング方向28r,29rは、上記実施例と同じである。
【0214】
[第二実施例]
次に、この発明の第二実施例を図33〜図37を参照して説明する。なお、この第二実施例において、上記第一実施例に対応するものには同符号を付し、同一のものについてはその説明を省略する。
【0215】
この第二実施例において、前記第一TFT9aと第二TFT9bは、上記第一実施例と同じ積層膜により構成されている。また、各走査信号線7は、前記第一基板3上に形成され、前記第一TFT9a及び第二TFT9bのゲート絶縁膜11により覆われている。そして、各データ信号線8は、前記ゲート絶縁膜11の上に形成されている。なお、この第二実施例においても、前記各データ信号線8は、前記各TFT9a,9bを構成する積層膜のうちの半導体薄膜12とコンタクト層14とからなる下地層の上に形成されている。
【0216】
そして、第一、第二及び第三容量電極17,18,19は、前記ゲート絶縁膜11の上に前記TFT9a,9b及び各データ信号線8を覆って設けられた透明な第一被覆絶縁膜20aの上に、図29に示した電極形状と同じ形状に形成されている。
【0217】
また、第一画素電極5aと第二画素電極5bは、前記第一被覆絶縁膜20a上に、前記各容量電極17,18,19を覆って設けられた第二被覆絶縁膜20bの上に、前記第一被覆絶縁膜20a及び前記第二被覆絶縁膜20bに設けられた第一及び第二のコンタクト孔21a,21bにおいて前記第一TFT9aのドレイン電極16と前記第二TFT9bのドレイン電極16に各々接続して形成されている。
【0218】
すなわち、この第二実施例において、前記第一画素電極5aと前記第一容量電極17との間の第一誘電層と、前記第二画素電極5bと前記第二容量電極18との間の第二誘電層と、前記第二画素電極5bと前記第三容量電極19との間の第三誘電層はそれぞれ、前記第二被覆絶縁膜20bからなっている。
【0219】
なお、この第二実施例では、前記第一画素電極5a及び第二画素電極5bが、前記コンタクト孔21a,21b内に入り込んだ部分(第一及び第二TFT9a,9bのドレイン電極16との接続部)において前記各容量電極17,18,19と短絡しないように、前記各容量電極17,18,19のコンタクト孔付近の部分を前記コンタクト孔21a,21bから充分に離間させた形状に形成している。
【0220】
また、第一の横電界生成電極22は、前記第一容量電極17のうちの第一画素電極5aの二つの縦辺に重なる縦枠部の外側に一体に形成され、第二の横電界生成電極23は、前記第二容量電極18のうちの第二画素電極5bの二つの縦辺に重なる縦枠部の外側に一体に形成されている。さらに、共通電極6上に第一及び第二の電界減衰手段として設けられた第一及び第二の誘電体層22,23は、上記第一実施例と同じ位置に形成されている。
【0221】
この第二実施例においても、第一容量電極17と第二容量電極18とに共通電極6への印加電圧と同じ第一電圧V1を印加し、第三容量電極19に前記第一電圧V1とは異なる第二電圧V2を印加することにより、前記サブ画素部33bの電圧−透過率特性を、前記メイン画素部33aの電圧−透過率特性に対してシフトさせることができる。
【0222】
さらに、第一及び第二の横電界生成電極22,23は、前記第二電圧V2を印加され、第一画素電極5aとの間及び第二画素電極5bとの間に横電界を生じさせる。また、第一画素電極5a及び第二画素電極5bと共通電極6との間に生じた駆動電界のうち、第一誘電体層26aに対応する領域及び第二誘電体層26bに対応する領域の電界の強度が、前記第一及び第二誘電体層26bでの電圧降下により低下する。
【0223】
そのため、メイン画素部33aの駆動電界の向きを、第一領域34aと第二領域34bとで互いに逆方向に歪ませ、前記第一領域34aの液晶分子と第二領域34bの液晶分子を互いに逆向きにチルトさせると共に、サブ画素部33bの駆動電界の向きを、第三領域34cと第四領域34dとで互いに逆方向に歪ませ、前記第三領域34cの液晶分子と第四領域34dの液晶分子を互いに逆向きにチルトさせることができる。
【0224】
従って、前記第一、第二、第三及び第四の各領域34a,44b,44c,44dの視野角特性を互いに異ならせ、これらの視野角特性が相乗した充分に広い視野角を得ることができる。また、この第二実施例においても、前記第三容量電極19に印加する第二電圧V2を制御することにより、前記サブ画素部33bの電圧−透過率特性を変化させることができるため、表示装置相互間の視野角のばらつきを容易に補正することができる。
【0225】
そして、この第二実施例では、前記第一、第二及び第三容量電極17,18,19を、ゲート絶縁膜11の上に各TFT9a,9b及び各データ信号線8を覆って設けられた第一被覆絶縁膜20aの上に形成しているため、これらの容量電極17,18,19を一括して同時に形成することができる。
【0226】
また、この第二実施例では、各容量電極17,18,19を第二被覆絶縁膜20bにより覆い、この第二被覆絶縁膜20bの上に第一画素電極5aと第二画素電極5bを形成している。
【0227】
すなわち、前記第一補償容量Cs1の第一誘電層と、前記第二各補償容量Cs2の第二誘電層と、前記第三補償容量Cs3の第三誘電層は、前記第二被覆絶縁膜20bからなる同一の層として形成されている。そのため、前記各補償容量Cs1,Cs2,Cs3を一括して同時に形成することができる。
【0228】
さらに、この第二実施例によれば、データ信号線8が、第一被覆絶縁膜20aの上に形成された各容量電極17,18,19により覆われているため、第一画素電極5a及び第二画素電極5bと前記データ信号線8との間隔を小さくすることができる。従って、上記第一実施例よりも第一画素電極5a及び第二画素電極5bの横幅を広くし、各画素33のメイン画素部33a及びサブ画素部33bの面積を大きくすることができる。
【0229】
しかも、前記各容量電極17,18,19のデータ信号線8を覆う部分が、第一画素電極5a及び第二画素電極5bとデータ信号線8との間を電気的にシールドする効果をもつため、第一画素電極5aと共通電極6との間に印加された電圧に対する第一画素電極5aとデータ信号線8との間の寄生容量による影響と、第二画素電極5bと共通電極6との間に印加された電圧に対する第二画素電極5bとデータ信号線8との間の寄生容量による影響とを、それぞれ小さくすることができる。
【0230】
なお、上記第二実施例では、第一容量電極17と第二容量電極18をそれぞれ走査信号線7との間に間隔を設けて形成しているが、走査信号線7は第一基板3上に形成され、第一、第二及び第三容量電極17,18,19は第一被覆絶縁膜20aの上に形成されているため、第一容量電極17または第二容量電極18を走査信号線7と重なるような形状に形成しても、その容量電極と走査信号線7とが短絡することは無い。
【0231】
[第三実施例]
図38及び図39に示した第三実施例は、前記第二実施例の液晶表示装置において、第二容量電極18の各辺のうちの走査信号線7の延伸方向に沿った辺を、前記走査信号線7及び各TFT9a,9bと重なる幅に形成したものである。この第三実施例においても、第一の横電界生成電極22は、前記第一容量電極17のうちの第一画素電極5aの二つの縦辺に重なる縦枠部の外側に一体に形成され、第二の横電界生成電極23は、前記第二容量電極18のうちの第二画素電極5bの二つの縦辺に重なる縦枠部の外側に一体に形成されている。また、共通電極6上に第一及び第二の電界減衰手段として設けられた第一及び第二の誘電体層22,23は、上記第一実施例と同じ位置に形成されている。
【0232】
なお、この第三実施例では、第二容量電極18の走査信号線7及び各TFT9a,9bと重なる部分が第二画素電極5bの外方に張り出しているため、この張り出し部と第二画素電極5bとの間に、第二の横電界生成電極23と第二画素電極5bとの間に生じる横電界(以下、第一方向の横電界という)の向きに対して交差する方向の横電界(以下、第二方向の横電界という)が生じる。そのため、前記第二方向の横電界の影響により、サブ画素部33bの第三領域34c及び第四領域34dにおける駆動電界の歪み方向が、上記第一及び第二実施例に比べて或る程度乱れる。
【0233】
しかし、前記第二方向の横電界の影響による駆動電界の歪みは、前記第一方向の横電界と第二誘電体層26bによる電界強度の低下との相乗作用による駆動電界の歪みに比べて小さいため、第二画素電極5bと共通電極6との間に生じた駆動電界が、サブ画素部33bの第三領域34cの殆んど全域及び第四領域34dの殆んど全域において上記第一及び第二実施例と同様な方向に歪む。
【0234】
従って、この第三実施例においても、前記第一、第二、第三及び第四の各領域34a,44b,44c,44dの視野角特性を互いに異ならせ、これらの視野角特性が相乗した充分に広い視野角を得ることができる。また、前記第三容量電極19に印加する第二電圧V2を制御することにより、表示装置相互間の視野角のばらつきを容易に補正することができる。
【0235】
そして、この第三実施例によれば、前記第二容量電極18の走査信号線7を覆う部分が、第二画素電極5bと走査信号線7との間を電気的にシールドする効果をもつため、第二画素電極5bと共通電極6との間に印加された駆動電圧に対する第二画素電極5bとデータ信号線8との間の寄生容量による影響を小さくすることができる。
【0236】
[第四実施例]
図40及び図41に示した第四実施例は、前記第二実施例の液晶表示装置において、第二画素電極5bの走査信号線7に隣接する横辺と二つの縦辺とに重なるように形成された第二容量電極18を、該第二容量電極18が対応する画素33と同じ画素に対応する第一容量電極17と一体に形成したものである。この第四実施例においても、第一の横電界生成電極22は、前記第一容量電極17のうちの第一画素電極5aの二つの縦辺に重なる縦枠部の外側に一体に形成され、第二の横電界生成電極23は、前記第二容量電極18のうちの第二画素電極5bの二つの縦辺に重なる縦枠部の外側に一体に形成されている。また、共通電極6上に第一及び第二の電界減衰手段として設けられた第一及び第二の誘電体層22,23は、上記第一実施例と同じ位置に形成されている。
【0237】
この第四実施例では、前記第一容量電極17と第二容量電極18とを一体に繋ぐ部分と第一画素電極5a及び第二画素電極5bとの間に第二方向の横電界(第三実施例における第二方向の横電界と同じ向きの横電界)が生じるが、上記第三実施例と同様に、前記第二方向の横電界の影響による駆動電界の歪みは小さい。そのため、第一画素電極5aと共通電極6との間に生じた駆動電界が、メイン画素部33aの第一領域34aの殆んど全域及び第二領域34bの殆んど全域において上記第一及び第二実施例と同様な方向に歪み、また、第二画素電極5bと共通電極6との間に生じた駆動電界が、サブ画素部33bの第三領域34cの殆んど全域及び第四領域34dの殆んど全域において上記第一及び第二実施例と同様な方向に歪む。
【0238】
従って、この第四実施例においても、前記第一、第二、第三及び第四の各領域34a,44b,44c,44dの視野角特性を互いに異ならせ、これらの視野角特性が相乗した充分に広い視野角を得ることができる。また、前記第三容量電極19に印加する第二電圧V2を制御することにより、表示装置相互間の視野角のばらつきを容易に補正することができる。
【0239】
そして、この第四実施例によれば、第一画素電極5aと共通電極6との間及び第二画素電極5bと共通電極6との間に印加された駆動電圧に対する第二画素電極5bと走査信号線7との間の寄生容量による影響を小さくすることができる。また、第一容量電極17と第二容量電極18への第一電圧V1の印加を一括して行うことができる。
【0240】
[第五実施例]
図42に示した第五実施例は、前記第二実施例の液晶表示装置において、第二容量電極18を、第二画素電極5bの走査信号線7に隣接する辺とは反対側の横辺と二つの縦辺とに重なるように形成すると共に、この第二容量電極18を、データ信号線8の延伸方向に隣接する他の画素(隣り合う行の画素)33の第一容量電極17と一体に形成したものである。この第五実施例においても、第一の横電界生成電極22は、前記第一容量電極17のうちの第一画素電極5aの二つの縦辺に重なる部分の外側に一体に形成され、第二の横電界生成電極23は、前記第二容量電極18のうちの第二画素電極5bの二つの縦辺に重なる部分の外側に一体に形成されている。また、共通電極6上に第一及び第二の電界減衰手段として設けられた第一及び第二の誘電体層22,23は、上記第一実施例と同じ位置に形成されている。
【0241】
この第五実施例では、データ信号線8の延伸方向に隣接する二つの画素33,33のうち、一方の画素33の第二容量電極18と他方の画素33の第一容量電極17とを一体に繋ぐ部分が、前記一方の画素33の第二画素電極5b及び他方の画素33の第一画素電極5aの外方に張り出しているため、この張り出し部と一方の画素の第二画素電極5bとの間、及び前記張り出し部と他方の画素33の第一画素電極5aとの間に第二方向の横電界(第三実施例における第二方向の横電界と同じ向きの横電界)が生じる。
【0242】
しかし、上記第三実施例と同様に、前記第二方向の横電界の影響による駆動電界の歪みは小さいため、前記隣接する二つの画素33,33の何れにおいても、第一画素電極5aと共通電極6との間に生じた駆動電界が、メイン画素部33aの第一領域34aの殆んど全域及び第二領域34bの殆んど全域において上記第一及び第二実施例と同様な方向に歪み、また、第二画素電極5bと共通電極6との間に生じた駆動電界が、サブ画素部33bの第三領域34cの殆んど全域及び第四領域34dの殆んど全域において上記第一及び第二実施例と同様な方向に歪む。
【0243】
従って、この第六実施例においても、前記第一、第二、第三及び第四の各領域34a,44b,44c,44dの視野角特性を互いに異ならせ、これらの視野角特性が相乗した充分に広い視野角を得ることができる。また、前記第三容量電極19に印加する第二電圧V2を制御することにより、表示装置相互間の視野角のばらつきを容易に補正することができる。
【0244】
そして、この第五実施例によれば、隣り合う二つの画素行のうちの一方の行の第一容量電極17と他方の行の第二容量電極18への第一電圧V1の印加を一括して行うことができる。
【0245】
[第六実施例]
図43及び図44に示した第六実施例は、前記第二実施例の液晶表示装置において、第一、第二及び第三容量電極17,18,19を、前記第一容量電極17の二つの縦辺と一体に形成された第一の横電界生成電極22及び前記第二容量電極18の二つの縦辺と一体に形成された第二の横電界生成電極23を含んで、金属膜100と、第一画素電極5a及び第二画素電極5b側の縁部を前記金属膜100よりも張り出させて形成されたITO膜等の透明導電膜101との積層膜により形成したものである。なお、この第六実施例においても、第一の横電界生成電極22は、前記第一容量電極17のうちの第一画素電極5aの二つの縦辺に重なる部分の外側に一体に形成され、第二の横電界生成電極23は、前記第二容量電極18のうちの第二画素電極5bの二つの縦辺に重なる部分の外側に一体に形成されている。また、共通電極6上に第一及び第二の電界減衰手段として設けられた第一及び第二の誘電体層22,23は、上記第一実施例と同じ位置に形成されている。
【0246】
この第六実施例によれば、上記第一及び第二実施例と同様な効果が得られると共に、前記積層膜のうちの透明導電膜101を、第一画素電極5a及び第二画素電極5bと所定の幅で重ならせることにより充分な容量値の各補償容量Cs1,Cs2,Cs3を形成することができるため、前記金属膜100の第一画素電極5a及び第二画素電極5bとの重なり幅を小さくし各画素33の開口率を高くすることができる。
【0247】
なお、図43及び図44には、前記第二実施例の液晶表示装置における各容量電極17,18,19を前記積層膜により形成した例を示したが、上記第一実施例及び第三実施例から第五実施例の液晶表示装置における各容量電極17,18,19を前記積層膜により形成してもよい。
【0248】
また、上記第六実施例では、第一、第二及び第三容量電極17,18,19の全てを前記積層膜により形成しているが、第一、第二及び第三容量電極17,18,19のうちの一つまたは二つの容量電極を前記積層膜により形成し、他の容量電極は金属膜で形成してもよい。
【0249】
その場合、第一、第二及び第三容量電極17,18,19のうちの少なくとも第二画素電極5bとの重なり面積が最も小さい第三容量電極19を前記積層膜により形成するのが望ましく、このようにすることにより、前記第三補償容量Cs3の容量値を充分に確保することができる。
【0250】
[第七実施例]
図45及び図46に示した第七実施例は、第一画素電極5aと共通電極6との間に生じた駆動電界の強度及び第二画素電極5bと共通電極6との間に生じた駆動電界の強度を部分的に低下させる第一及び第二の電界減衰手段を、前記共通電極6にスリット27を設けることにより形成したものであり、他の構成は上記第一〜第六の実施例の何れかと同じである。
【0251】
なお、この第七実施例においても、第一の横電界生成電極22は、前記第一容量電極17のうちの第一画素電極5aの二つの縦辺に重なる部分の外側に一体に形成され、第二の横電界生成電極23は、前記第二容量電極18のうちの第二画素電極5bの二つの縦辺に重なる部分の外側に一体に形成されている。また、共通電極6に第一及び第二の電界減衰手段として設けられた前記スリット27は、各画素33のメイン画素部33aとサブ画素部33bとに、上記第一実施例における第一誘電体層26a及び第二誘電体層26aの位置と同じ位置に設けられている。
【0252】
この第七実施例においても、第一画素電極5a及び第二画素電極5bと共通電極6との間に電圧を印加しない無電界時は、メイン画素部33a及びサブ画素部33bの液晶分子24が、第一基板3及び第二基板4の板面に対して0〜1°の角度でプレチルトした初期のツイスト配向状態に配向する。図45は、メイン画素部33aにおける無電界時の液晶分子2aの配向状態を模式的に示している。
【0253】
一方、第一画素電極5aと共通電極6との間及び第二画素電極5bと共通電極6との間に駆動電界を印加したときは、上記第一実施例と同様に、前記第一の横電界生成電極22及び第二の横電界生成電極23にもコモン信号Vcomと同じ第一電圧V1が印加される。図46は、メイン画素部33aにおける駆動電界の歪みと液晶分子2aの配向状態を模式的に示している。
【0254】
前記駆動電界の印加時は、前記第一の横電界生成電極22及び第二の横電界生成電極23への前記第一電圧V1の印加により、図46のように、第一画素電極5aと第一の横電界生成電極22との間と、第二画素電極5bと第二の横電界生成電極23との間にそれぞれ横電界e1,e2が生じる。
【0255】
また、この第七実施例では、共通電極6に、メイン画素部33aを第一領域34aと第二領域34bとに区分し、サブ画素部33bを第三領域34cと第四領域34dとに区分するようにスリット27を設けているため、第一画素電極5a及び第二画素電極5bと共通電極6との間に、前記スリット27が設けられた部分の電界強度が低い強度分布の駆動電界が印加される。
【0256】
そのため、前記駆動電界の向きが、メイン画素部33aにおいて、前記スリット27に対応する部分を境にして、第一画素電極5aの一方の縦辺側に向かって斜めに傾いた方向と、第一画素電極5aの他方の縦辺側に向かって斜めに傾いた方向とに歪む。同様に、サブ画素部33bにおいては、前記駆動電界の向きが、前記スリット27に対応する部分を境にして、第二画素電極5bの一方の縦辺側に向かって斜めに傾いた方向と、第二画素電極5bの他方の縦辺側に向かって斜めに傾いた方向とに歪む。
【0257】
従って、この第七実施例においても、前記メイン画素部33aのうち、右側の第一領域34aの駆動電界E1が、前記第一領域34aの全域において、第一画素電極5aから共通電極6に向かって右側に傾いた方向に歪み、左側の第二領域34bの駆動電界E2が、前記第二領域34bの全域において、第一画素電極5aから共通電極6に向かって左側に傾いた方向に歪む。図46において、破線E1aは、第一領域34aにおける駆動電界E1の等電位線を示し、破線E2aは、第二領域34bにおける駆動電界E2の等電位線を示している。
【0258】
そして、液晶分子2aは、前記駆動電界E1,E2の歪み方向に向いた分子端側が基板3,4に対して立上がる方向にチルトする。すなわち、メイン画素部33aの右側の第一領域34aでは液晶分子2aがノーマルチルトし、左側の第二領域34bでは液晶分子2aがリバースチルトする。
【0259】
これは、サブ画素部33bにおいても同じであり、サブ画素部33bでは、駆動電界の印加により、右側の第三領域34cの液晶分子2aがノーマルチルトし、左側の第四領域34dの液晶分子2aがノーマルチルトする。
【0260】
そのため、前記メイン画素部33aの第一領域34aと第二領域34bは互いに異なる視野角特性を示し、また、前記メイン画素部33aの液晶層2での電圧−透過率特性に対して高電圧側にシフトした電圧−透過率特性を有するサブ画素部33bの第三領域34cと第四領域34dも互いに異なる視野角特性を示す。従って、前記第一、第二、第三及び第四の各領域34a,44b,44c,44dの互いに異なる視野角特性が相乗した、充分に広い視野角を得ることができる。
【0261】
また、この第七実施例においても、前記第三容量電極19に印加する第二電圧V2を制御することにより、前記サブ画素部33bの電圧−透過率特性を変化させることができるため、表示装置相互間の視野角のばらつきを容易に補正することができる。
【0262】
[第八実施例]
図47に示した第八実施例は、非ツイストのホモジニアス配向型液晶表示装置であり、第一配向膜28と第二配向膜29のラビング方向28r,29r及び液晶分子2aの初期配向状態と、前記第一偏光板31と第二偏光板32の吸収軸31a,32aの向き以外は、前記第一実施例と同じ構成である。すなわち、この第八実施例においても、第一の横電界生成電極22は、前記第一容量電極17のうちの第一画素電極5aの二つの縦辺に重なる部分の外側に一体に形成され、第二の横電界生成電極23は、前記第二容量電極18のうちの第二画素電極5bの二つの縦辺に重なる部分の外側に一体に形成されている。また、共通電極6上に第一及び第二の電界減衰手段として設けられた第一及び第二の誘電体層22,23は、上記第一実施例と同じ位置に形成されている。なお、この第八実施例では、第一及び第二の電界減衰手段として、前記第1実施例における誘電体層26a,26bを備えているが、前記第一及び第二の電界減衰手段は、上記第七実施例のように、共通電極6にスリット27を設けて形成してもよい。
【0263】
この第八実施例において、前記第一配向膜28は、前記第一及び第二の誘電体層26a,26b(またはスリット27)の延伸方向に対して一方の方向に90°の角度で交差する方向28rにラビングされ、第二配向膜29は、前記誘電体層26a,26b(またはスリット27)の延伸方向に対して前記一方の方向とは反対方向に90°の角度で交差する方向29rにラビングされている。なお、前記誘電体層26a,26b(またはスリット27)の延伸方向に対する前記配向膜28,29のラビング方向28r,29rの角度は、±5°程度の誤差が許容される。
【0264】
また、液晶層2は、正の誘電異方性を有するネマティック液晶からなっており、その液晶分子2aは、分子長軸を前記第一配向膜28及び第二配向膜29のラビング方向28r,29rに揃えてホモジニアス配向している。そして、第一偏光板31は、その吸収軸31aを前記第一配向膜28及び第二配向膜29のラビング方向28r,29rに対して45°の角度で交差させて配置され、第二偏光板32は、その吸収軸32aを前記第一偏光板31の吸収軸31aに対して直交させて配置されている。
【0265】
この第八実施例の液晶表示装置においても、各画素33毎に、第一画素電極5aが設けられたメイン画素部33aの第一領域34aと第二領域34bとが互いに異なる視野角特性を示し、また、前記メイン画素部33aの液晶層2での電圧−透過率特性に対して高電圧側にシフトした電圧−透過率特性を有するサブ画素部33bの第三領域34cと第四領域34dとが互いに異なる視野角特性を示す。従って、前記第一、第二、第三及び第四の各領域34a,44b,44c,44dの互いに異なる視野角特性が相乗した、充分に広い視野角を得ることができる。
【0266】
また、この第八実施例においても、前記第三容量電極19に印加する第二電圧V2を制御することにより、前記サブ画素部33bの電圧−透過率特性を変化させることができるため、表示装置相互間の視野角のばらつきを容易に補正することができる。
【0267】
[他の実施例]
なお、上記各実施例では、第一、第二及び第三容量電極17,18,19の全てを第一基板3上または第一被覆絶縁膜20a上に形成しているが、各容量電極17,18,19のうちの一つまたは二つの容量電極を、上記第一実施例と同様に第一基板3上に形成し、他の容量電極を、上記第一実施例から第六実施例と同様に第一被覆絶縁膜20a上に形成してもよい。
【0268】
その場合は、各補償容量Cs1,Cs2,Cs3のうちの第一基板3上に設けられた容量電極により形成された一つまたは二つの補償容量の誘電層を、ゲート絶縁膜11とその上の被覆絶縁膜20との積層膜により形成し、第一被覆絶縁膜20a上に設けられた補償容量の誘電層を、第一被覆絶縁膜20aの上の第二被覆絶縁膜20bにより形成することができる。
【0269】
また、上記各実施例では、第一の横電界生成電極22を第一容量電極17と一体に形成し、第二の横電界生成電極23を第二容量電極17と一体に形成しているが、これらの横電界生成電極22,23を前記第一容量電極17及び第二容量電極17とは別の導電膜により形成してもよい。その場合、前記横電界生成電極22,23に印加する電圧は、前記第一容量電極17及び第二容量電極17に印加する第一電圧V1とは異なる電圧でもよい。
【0270】
さらに、上記各実施例では、誘電体層26a,26bまたはスリット27からなる第一及び第二電界減衰手段を、メイン画素部33a及びサブ画素部33bを二等分するように配置しているが、前記第一の電界減衰手段を、前記二等分する位置から第一画素電極5aの何れか一方の縦辺方向にずらして配置し、メイン画素部33aの第一領域34aと第二領域34bとの面積比を、第一領域>第二領域、或いは、第一領域<第二領域の関係になるようにしてもよい。同様に、前記第二の電界減衰手段を、前記二等分する位置から第二画素電極5bの何れか一方の縦辺方向にずらして配置し、サブ画素部33bの第三領域34cと第四領域34dとの面積比を、第三領域>第四領域、或いは、第三領域<第四領域の関係になるようにしてもよい。
【0271】
また、上記各実施例では、第一の横電界生成電極22を第一画素電極5aの二つの縦辺の外側に配置し、第二の横電界生成電極23を第二画素電極5bの二つの縦辺の外側に配置しているが、前記第一の横電界生成電極22を第一画素電極5aの二つの横辺の外側に配置し、第二の横電界生成電極23を第二画素電極5bの二つの横辺の外側に配置してもよい。
【0272】
その場合は、前記第一及び第二の電界減衰手段(誘電体層26a,26bまたはスリット27)を、メイン画素部33aを第一画素電極5aの一方の横辺側の第一領域と他方の横辺側の第二領域とに区分し、サブ画素部33bを第二画素電極5bの一方の横辺側の第三領域と他方の横辺側の第四領域とに区分するように形成すことにより、駆動電界の印加による液晶分子2aのチルト方向を、前記第一領域と第二領域とで異ならせ、前記第三領域と第四領域とで異ならせることができる。
【0273】
さらに、この場合は、第一配向膜28と第二配向膜29をそれぞれ、前記第一及び第二の電界減衰手段の延伸方向に対して交差する方向にラビングすればよく、このようにすることにより、前記第一、第二、第三及び第四の各領域34a,44b,44c,44dの視野角特性を互いに互いに異ならせ、これらの視野角特性が相乗した、充分に広い視野角を得ることができる。
【0274】
上記のように第一の横電界生成電極22を第一画素電極5aの二つの横辺の外側に配置し、第二の横電界生成電極23を第二画素電極5bの二つの横辺の外側に配置する場合、前記第一の横電界生成電極22は、矩形枠形状に形成された第一容量電極17のうちの第一画素電極5aの二つの横辺に重なる部分と一体に形成してもよい。
【0275】
また、前記第二の横電界生成電極23は、そのうちの第二画素電極5bの一方の横辺の外側に配置する電極部(以下、第一電極部という)を、三方枠形状に形成された第二容量電極18のうちの第二画素電極5bの一方の横辺に重なる部分と一体に形成し、第二画素電極5bの他方の横辺の外側に配置する電極部(以下、第二電極部という)を、直線形状の第三容量電極19と一体に形成してもよい。
【0276】
この場合は、前記第二の横電界生成電極23の第一電極部に前記第一電圧V1が印加され、第二電極部に前記第二電圧V2が印加される。そのため、前記第一電極部と第二画素電極5bとの間に生じる横電界と、前記第二電極部と第二画素電極5bとの間に生じる横電界は、異なる強さの電界であるが、これらの横電界がそれぞれ第二画素電極5bと共通電極6との間に生じた駆動電界の向きを歪ませるように作用するため、上記実施例と同様な効果を得ることができる。
【0277】
また、前記第一の横電界生成電極22と第二の横電界生成電極23は、第一画素電極5aの全ての辺の外側と、第二画素電極5bの全ての辺の外側とに配置してもよい。その場合は、第二の横電界生成電極23を、三方枠形状の第一電極部と、直線形状の第二電極部とに分離し、そのうちの第一電極部を前記第二容量電極18と一体に形成し、第二電極部を前記第三容量電極19と一体に形成してもよい。
【0278】
さらに、第二容量電極18と第三容量電極19は、その一方の容量電極を、第二画素電極5bの一方の横辺と一方の縦辺とに重なる 」形状に形成し、他方の容量電極を、前記一方の容量電極との間に所定の間隔をあけて、第二画素電極5bの他方の横辺と他方の縦辺とに重なる「 形状に形成してもよい。その場合は、第二の横電界生成電極23を、 」形状の第一電極部と、「 形状の第二電極部とに分離し、その一方の電極部を前記第二容量電極18と一体に形成し、他方の電極部を前記第三容量電極19と一体に形成してもよい。
【0279】
また、上記のように第一の横電界生成電極22と第二の横電界生成電極23を、第一画素電極5aの全ての辺の外側と、第二画素電極5bの全ての辺の外側とに配置する場合は、前記第一及び第二の電界減衰手段を、第一画素電極5a及び第二画素電極5bの縦辺及び横辺に対して斜めに傾いた方向に延伸させて形成し、第一配向膜28と第二配向膜29をそれぞれ、前記第一及び第二の電界減衰手段の延伸方向に対して交差する方向にラビングしてもよい。
【0280】
さらに、上記各実施例では、第一画素電極5a及び第二画素電極5bと共通電極6との間に生じた駆動電界の向きを、メイン画素部33aの第一領域34a及びサブ画素部33bの第三領域34cにおいて第一のチルト方向に歪ませ、前記メイン画素部33aの第二領域34b及びサブ画素部33bの第四領域34dにおいて第二のチルト方向に歪ませるために、第一及び第二の横電界生成手段(横電界生成電極22,23)と、第一画素電極5aと共通電極6との間に生じた駆動電界の強度を部分的に低下させる第一及び第二の電界減衰手段(誘電体層26a,26bまたはスリット27)とからなるチルト方向規定手段を備えているが、前記駆動電界の向きを上記のように歪ませるチルト方向規定手段は、他の手段でもよい。
【0281】
また、上記各実施例では、前記駆動電界による液晶分子のチルト方向を前記第一のチルト方向と第二のチルト方向とに規定するようにしているが、チルト方向規定手段は、初期配向状態における液晶分子のプレチルト方向を、メイン画素部33aの第一領域34a及びサブ画素部33bの第三領域34cと、前記メイン画素部33aの第二領域34b及びサブ画素部33bの第四領域34dとで互いに異ならせるものでもよい。
【0282】
その場合、チルト方向規定手段としては、第一基板3と第二基板4の何れか一方に、各画素30にそれぞれ対応させて、例えば断面形状が三角形状の凸部を設け、前記凸部を覆って配向膜を形成することが考えられる。
【0283】
また、上記各実施例では、メイン画素部33aとサブ画素部33bの両方にチルト方向規定手段を設けているが、前記メイン画素部33aとサブ画素部33bの何れか一方のみにチルト方向規定手段を設けてもよい。
【0284】
その場合、メイン画素部33aの面積とサブ画素部33bの面積とを互いに異ならせるときは、前記各画素部33a,33bのうち、面積が大きい画素部に前記チルト方向規定手段を設けるのが好ましい。
【0285】
すなわち、メイン画素部33aの面積とサブ画素部33bの面積とが異なるときは、面積の小さい画素部の視野角特性よりも、面積の大きい画素部の視野角特性が液晶表示装置の視野角に大きく関与する。
【0286】
従って、メイン画素部33aとサブ画素部33bの何れか一方のみにチルト方向規定手段を設ける場合は、前記チルト方向規定手段を面積が大きい画素部に設け、この画素部にの液晶分子のチルト方向が異なる二つの領域を形成するのが好ましく、このようにすることにより、充分に広い視野角を得ることができる。
【0287】
なお、上記各実施例では、メイン画素部33aの面積をサブ画素部33bの面積よりも大きくしているが、それと反対に、サブ画素部の面積をメイン画素部の面積よりも大きくしてもよい。その場合、メイン画素部33aとサブ画素部33bの何れか一方のみにチルト方向規定手段を設けるときは、面積の大きいサブ画素部にチルト方向規定手段を設ければよい。
【0288】
また、前記メイン画素部33aとサブ画素部33bは、同じ面積になるように形成してもよく、その場合、メイン画素部33aとサブ画素部33bの何れか一方のみにチルト方向規定手段を設けてもよい。
【0289】
さらに、上記各実施例における液晶表示素子1は、各画素33を行方向と列方向とにそれぞれ直線的に配列したものであるが、各画素33の配列は、同じ色のカラーフィルタが設けられた画素を、行毎に、行方向に1.5ピッチずらして配置したデルタ配列でもよい。
【0290】
また、この発明は、NT型または非ツイストのホモジニアス配向型液晶表示装置に限らず、他の液晶表示装置、例えば負の誘電異方性を有する液晶を用い、その液晶分子を基板面に対して垂直な方向に分子長軸を向けて配向させた垂直配向型液晶表示装置等にも適用することができる。
【符号の説明】
【0291】
1…液晶表示素子、2…液晶層、3,4…基板、5a…第一画素電極、5b…第二画素電極、6…共通電極、7…走査信号線、8…データ信号線、9a…第一TFT、9b…第二TFT、17…第一容量電極、18…第二容量電極、19…第三容量電極、Cs1…第一補償容量、Cs2…第二補償容量、Cs3…第三補償容量、22…第一の横電界生成電極、23…第二の横電界生成電極、26a,26b…誘電体層(電界減衰手段)、27…スリット(電界減衰手段)、28,29…配向膜、28r,29r…ラビング方向、33…画素、33a…メイン画素部(第一画素部)、33b…サブ画素部(第二画素部)、34a…第一領域、34b…第二領域、34c…第三領域、34d…第四領域、40…駆動手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一の薄膜トランジスタに接続された第一画素電極と第二の薄膜トランジスタに接続された第二画素電極とが画素毎に形成され、
前記第一の薄膜トランジスタと前記第二の薄膜トランジスタとが、互いに同じデータ信号線及び走査信号線に接続され、
前記第一画素電極と共通電極との間及び前記第二画素電極と前記共通電極との間に液晶層が形成された液晶表示装置であって、
前記第一画素電極との間に第一誘電層が介在されて第一補償容量を形成する第一容量電極と、
前記第二画素電極との間に第二誘電層が介在されて第二補償容量を形成する第二容量電極と、
前記第二画素電極との間に第三誘電層が介在されて第三補償容量を形成する第三容量電極と、
前記画素のうちの前記第一画素電極が設けられた第一画素部と前記第二画素電極が設けられた第二画素部の少なくとも何れか一方に設けられ、その画素部を区分した二つの領域のうちの一方の領域の液晶分子を所定の第一のチルト方向にチルトさせ、他方の領域の液晶分子を前記第一の方向とは異なる第二のチルト方向にチルトさせるチルト方向規定手段と、
前記第一容量電極と前記第二容量電極とに前記共通電極への印加電圧と同じ第一の電圧を印加し、前記第三容量電極に前記第一の電圧とは異なる第二の電圧を印加する手段と、
を備えたことを特徴とする液晶表示装置。
【請求項2】
前記第一画素部と前記第二画素部の何れか一方のみに、前記チルト方向規定手段が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項3】
前記第一画素部と前記第二画素部は互いに異なる面積を有しており、前記各画素部のうち、面積が大きい画素部に前記チルト方向規定手段が設けられていることを特徴とする請求項2に記載の液晶表示装置。
【請求項4】
前記チルト方向規定手段は、前記画素電極と前記共通電極との間に生じた電界による液晶分子のチルト方向を前記第一のチルト方向と第二のチルト方向とに規定することを特徴とする請求項1から3の何れかに記載の液晶表示装置。
【請求項5】
前記チルト方向規定手段は、前記画素電極と前記共通電極との間に生じた電界の向きを、前記一方の領域において前記第一のチルト方向に歪ませ、前記他方の領域において前記第二のチルト方向に歪ませる手段からなることを特徴とする請求項4に記載の液晶表示装置。
【請求項6】
前記チルト方向規定手段は、前記画素電極の前記一方の領域側の辺及び前記他方の領域側の辺の外側に配置され、前記画素電極との間に横電界を生じさせる横電界生成手段と、前記画素部を前記第一画素電極の前記一方の辺側の第一領域と前記他方の辺側の第二領域とに区分するように配置され、前記第一画素電極と前記共通電極との間に生じた電界の強度を部分的に低下させる電界減衰手段とからなることを特徴とする請求項5に記載の液晶表示装置。
【請求項7】
第一の薄膜トランジスタに接続された第一画素電極と第二の薄膜トランジスタに接続された第二画素電極とが画素毎に形成され、
前記第一の薄膜トランジスタと前記第二の薄膜トランジスタとが、互いに同じデータ信号線及び走査信号線に接続され、
前記第一画素電極と共通電極との間及び前記第二画素電極と前記共通電極との間に液晶層が形成された液晶表示装置であって、
前記第一画素電極との間に第一誘電層が介在されて第一補償容量を形成する第一容量電極と、
前記第二画素電極との間に第二誘電層が介在されて第二補償容量を形成する第二容量電極と、
前記第二画素電極との間に第三誘電層が介在されて第三補償容量を形成する第三容量電極と、
前記第一画素電極の少なくとも一方の側とその反対側の二つの辺の外側に前記第一画素電極と絶縁して配置され、前記第一画素電極との間に横電界を生じさせる第一の横電界生成電極と、
前記第二画素電極の少なくとも互いに反対側の二つの辺の外側に前記第二画素電極と絶縁して配置され、前記第二画素電極との間に横電界を生じさせる第二の横電界生成電極と、
前記共通電極上または前記共通電極に、前記画素のうちの前記第一画素電極が設けられた第一画素部を、前記第一画素電極の前記一方の辺側の第一領域と前記他方の辺側の第二領域とに区分するように形成され、前記第一画素電極と前記共通電極との間に生じた電界の強度を低下させる第一の電界減衰手段と、
前記共通電極上または前記共通電極に、前記画素のうちの前記第二画素電極が設けられた第二画素部を、前記第二画素電極の前記一方の辺側の第三領域と前記他方の辺側の第四領域とに区分するように形成され、前記第二画素電極と前記共通電極との間に生じた電界の強度を低下させる第二の電界減衰手段と、
前記第一容量電極と前記第二容量電極とに前記共通電極への印加電圧と同じ第一の電圧を印加し、前記第三容量電極に前記第一の電圧とは異なる第二の電圧を印加する手段と、
を備えたことを特徴とする液晶表示装置。
【請求項8】
前記第一の横電界生成電極は、前記第一画素電極の前記二つの辺のうちの一方の辺側と他方の辺側とで互いに逆向きの横電界を生じさせるように形成され、前記第二の横電界生成電極は、前記第二画素電極の前記二つの辺のうちの一方の辺側と他方の辺側とで互いに逆向きの横電界を生じさせるように形成されていることを特徴とする請求項7に記載の液晶表示装置。
【請求項9】
前記第一の横電界生成電極及び前記第二の横電界生成電極に、前記第一容量電極と前記第二容量電極とに印加される前記第一の電圧と同じ電圧が印加されることを特徴とする請求項7または8に記載の液晶表示装置。
【請求項10】
前記第一画素電極と前記第二画素電極との間を延伸するように前記走査信号線が配置されていることを特徴とする請求項7から9の何れかに記載の液晶表示装置。
【請求項11】
前記第一画素電極と前記第二画素電極はそれぞれ、前記走査信号線の延伸方向と平行な二つの横辺と、前記走査信号線の延伸方向に対して交差する二つの縦辺とを有する四角形状に形成されていることを特徴とする請求項10に記載の液晶表示装置。
【請求項12】
前記第一容量電極は、前記第一画素電極の全ての辺に重なるように形成されていることを特徴とする請求項11に記載の液晶表示装置。
【請求項13】
前記第二容量電極は、前記第二画素電極の前記二つの横辺の何れか一方と前記二つの縦辺の両方とに重なるように形成され、前記第三容量電極は、前記第二容量電極との間に所定の間隔をあけて、前記第二画素電極の前記二つの横辺の他方に重なるように形成されていることを特徴とする請求項12に記載の液晶表示装置。
【請求項14】
前記第一の横電界生成電極は、前記第一画素電極の各辺のうち、前記二つの縦辺の外側に配置され、前記第二の横電界生成電極は、前記第二画素電極の各辺のうち、前記二つの縦辺の外側に配置されていることを特徴とする請求項13に記載の液晶表示装置。
【請求項15】
前記第一の横電界生成電極は、前記第一容量電極と一体に形成され、前記第二の横電界生成電極は、前記第二容量電極と一体に形成されていることを特徴とする請求項14に記載の液晶表示装置。
【請求項16】
前記第一の電界減衰手段は、前記第一画素部を、前記第一領域と前記第二領域とに二等分するように配置され、前記第二の電界減衰手段は、前記第二画素部を、前記第三領域と前記第四領域とに二等分するように配置されていることを特徴とする請求項7から15の何れかに記載の液晶表示装置。
【請求項17】
前記第一の電界減衰手段及び第二の電界減衰手段は、前記第一画素電極及び前記第二画素電極の前記縦辺と平行な直線形状に形成されていることを特徴とする請求項16に記載の液晶表示装置。
【請求項18】
前記第一の電界減衰手段と前記第二の電界減衰手段はそれぞれ、前記共通電極の前記液晶層と対向する面上に形成された誘電体層からなっていることを特徴とする請求項7から17の何れかに記載の液晶表示装置。
【請求項19】
前記第一の電界減衰手段と前記第二の電界減衰手段はそれぞれ、前記共通電極に設けられたスリットからなっていることを特徴とする請求項7から17の何れかに記載の液晶表示装置。
【請求項20】
前記第一画素電極及び前記第二画素電極を覆って第一配向膜が設けられ、前記共通電極及び前記電界減衰手段を覆って第二配向膜が設けられており、前記第一配向膜と前記第二配向膜はそれぞれ、前記第一及び第二の電界減衰手段の延伸方向に対して交差する方向にラビングされていることを特徴とする請求項7から18の何れかに記載の液晶表示装置。
【請求項21】
前記第一配向膜は、前記第一及び第二の電界減衰手段の延伸方向に対して一方の方向に45°の角度で交差する方向にラビングされ、前記第二配向膜は、前記第一及び第二の電界減衰手段の延伸方向に対して前記一方の方向とは反対方向に45°の角度で交差する方向にラビングされており、前記液晶層は、正の誘電異方性を有する液晶からなり、その液晶分子が、前記第一画素電極及び第二画素電極と前記共通電極との間において90°のツイスト角でツイスト配向していることを特徴とする請求項20に記載の液晶表示装置。
【請求項22】
前記第一配向膜は、前記第一及び第二の電界減衰手段の延伸方向に対して一方の方向に90°の角度で交差する方向にラビングされ、前記第二配向膜は、前記第一及び第二の電界減衰手段の延伸方向に対して前記一方の方向とは反対方向に90°の角度で交差する方向にラビングされており、前記液晶層は、正の誘電異方性を有する液晶からなり、その液晶分子が、分子長軸を前記第一配向膜及び前記第二配向膜のラビング方向に揃えてホモジニアス配向していることを特徴とする請求項20に記載の液晶表示装置。
【請求項23】
前記第一の電圧は、電圧レベルが所定の周期で反転する矩形波交流電圧であり、前記第二の電圧は、一定レベルの直流電圧であることを特徴とする請求項1から22の何れかに記載の液晶表示装置。
【請求項24】
前記第一の電圧は、電圧レベルが所定の周期で反転する矩形波交流電圧であり、前記第二の電圧は、電圧レベルが前記第一の電圧と同じ周期で反転し、且つ、振幅が前記第一の電圧の振幅よりも小さい矩形波交流電圧であることを特徴とする請求項1から22の何れかに記載の液晶表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【公開番号】特開2011−164478(P2011−164478A)
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−29202(P2010−29202)
【出願日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】