説明

液晶表示装置

【課題】液晶表示装置において、サブピクセルに駆動信号を送る配線数を削減し、透過率を向上させる。
【解決手段】サブピクセルが行及び列方向に複数配列され、赤、緑、青、白の2行2列の4つのサブピクセルR、G、B、Wの混色によって1ピクセルを構成する液晶パネル2と、サブピクセルの駆動信号を生成する信号制御部を備える。信号制御部は、行及び列方向において1行及び1列ずつ重なり合って隣接する2行2列の4つのサブピクセル毎に、1ピクセルQ(1、1)、Q(1、2)・・Q(n、m)を構成し、それらのピクセルが画像情報の1ピクセルずつを再現するように駆動信号を生成する。行及び列方向のサブピクセル数が、各々行及び列方向において表示すべきピクセル数に1つ足した個数で足りることになり、配線数を大幅に低減することができる。また、透過率を下げる要因になる配線の本数を低減できることから液晶パネルの透過率の向上が容易になる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置は、行及び列方向に多数のサブピクセルが配置された液晶パネルと、各サブピクセルへの駆動信号を生成する信号制御部とを備え、各サブピクセルが駆動信号に応じて、赤、緑、青などに発光することによってピクセル毎に色が再現されて画像がカラー表示されるようになっている。
【0003】
液晶パネル101は、従来、図6に示すように、ストライプ状の赤(R)、緑(G)、青(B)のサブピクセルが行及び列方向に順に配置されて構成されている。各サブピクセルは、ソースドライバ102とゲートドライバ103から延びてマトリクス状になった配線104、105により駆動信号を入力されて駆動され、赤(R)、緑(G)、青(B)の3つのサブピクセルの混色により、各ピクセルP(1、1)、P(1、2)・・・P(3、3)毎に色が再現される。
【0004】
また、図7に示すように、赤(R)、緑(G)、青(B)、及び白(W)のサブピクセルが行及び列方向に配置され、2行2列の4つずつのサブピクセル赤(R)、緑(G)、青(B)、白(W)によって各ピクセルの再現を行うようにした液晶パネル201がある(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。この液晶パネル201では、隣接する4つのサブピクセルの組毎に、ピクセルP(1、1)、P(1、2)・・・P(3、3)が順に再現されるようになっている。各サブピクセルへの駆動信号は、図6のものと同様に、ソースドライバ202とゲートドライバ203から延びてマトリクス状になった配線204、205により入力される。
【0005】
この液晶パネル201では、明度の高い白(W)のサブピクセルを備えることから、液晶パネル全体の透過率(バックライトからの光の透過率)を高くすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−64771号公報
【特許文献2】特許第4579874号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記のように、図7に示す白のサブピクセルを備える液晶パネル201の方が、図6に示す赤、緑、青のサブピクセルで色再現する液晶パネル101よりも、透過率の高さの点で優れているが、サブピクセルの数が増加することに伴い駆動信号を送るための配線数が増加する可能性があり、少なくともゲートドライバ側の配線数が倍増するという問題がある。
【0008】
配線は光の透過を妨げるので、本数が増える分だけ、液晶パネル全体の透過率を減少させ、白のサブピクセルを備えることにより得られる透過率の向上幅を減殺する。また、少なくともゲートドライバ側の配線数が倍増することにより、ゲートドライバ内に設けるドライバデバイスの数が増加してコストアップになる。
【0009】
そこで、本発明は、上記課題を解決するものであり、2行2列の4つのサブピクセルの混色により1ピクセルを構成する液晶パネルを備える液晶表示装置において、サブピクセルに駆動信号を送る配線の本数を大幅に削減でき、液晶パネルの透過率を向上させることができると共に、配線に付随する必要なドライバデバイスの個数が減ることによって容易にコストダウンを図ることができる液晶表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、請求項1の発明は、赤、緑、青、及びそれらより明度の高い第4の色のサブピクセルが、行及び列方向に複数配列され、隣接する2行2列の4つのサブピクセルの混色によって1ピクセルを構成する液晶パネルと、前記液晶パネルに、入力画像信号に応じた画像が表示されるように、サブピクセルの駆動信号を生成する信号制御部と、を備える液晶表示装置において、前記信号制御部は、前記行方向において1行ずつ重なり合い、又は前記列方向において1列ずつ重なり合って隣接する2行2列の4つのサブピクセル毎に1ピクセルを構成するようにサブピクセルの駆動信号を生成することを特徴とする。
【0011】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記信号制御部は、前記行方向において1行ずつ重なり合い、かつ、前記列方向において1列ずつ重なり合って隣接する2行2列の4つのサブピクセル毎に1ピクセルを構成するようにサブピクセルの駆動信号を生成することを特徴とする。
【0012】
請求項3の発明は、請求項2の発明において、前記液晶パネルの行及び列方向に配列されるサブピクセル数が、各々行及び列方向において表示すべきピクセル数に1つ足した個数であることを特徴とする。
【0013】
請求項4の発明は、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の発明において、前記信号制御部は、前記入力画像信号を、1ピクセル毎に赤、緑、青、及び第4の色の周波数成分に分解し、各周波数成分の量に応じて前記2行2列の4つのサブピクセルの駆動信号を生成することを特徴とする。
【0014】
請求項5の発明は、請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の発明において、前記第4の色が白であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
請求項1の発明によれば、信号制御部が、行方向において1行ずつ重なり合い、又は列方向において1列ずつ重なり合って隣接する2行2列の4つのサブピクセル毎に1ピクセルを構成するようにサブピクセルの駆動信号を生成するので、駆動信号を送るための配線の本数が少なくて済み、液晶パネルの透過率を向上させることができると共に、必要なドライバデバイスの個数が減ることによって容易にコストダウンを図ることができる。
【0016】
請求項2の発明によれば、信号制御部が、行方向において1行ずつ重なり合い、かつ、列方向において1列ずつ重なり合って隣接する2行2列の4つのサブピクセル毎に1ピクセルを構成するようにサブピクセルの駆動信号を生成するので、駆動信号を送るための配線の本数が少なくて済み、液晶パネルの透過率を向上させることができると共に、必要なドライバデバイスの個数が減ることによって容易にコストダウンを図ることができる。
【0017】
請求項3の発明によれば、行方向及び列方向に配列されるサブピクセル数が、各々行方向及び列方向において表示すべきピクセル数に1つ足した個数であるので、駆動信号を送るための配線の本数が少なくて済み、液晶パネルの透過率を向上させることができると共に、必要なドライバデバイスの個数が減ることによって容易にコストダウンを図ることができる。
【0018】
請求項4の発明によれば、入力される画像信号を1ピクセル毎に周波数成分に分解し、各周波数成分の量に応じて4つのサブピクセルの駆動信号を生成するので、画像信号に基づいて各サブピクセルの駆動信号を生成する工程が簡単になる。
【0019】
請求項5の発明によれば、4つのサブピクセルの中の第4の色が白であるので、液晶パネル全体の透過率が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の一実施形態に係る液晶表示装置のブロック図。
【図2】同液晶表示装置において画像情報をピクセル毎に周波数分解する工程を示す図。
【図3】同液晶表示装置における液晶パネルのサブピクセルの配置と再現するピクセルの対応を示す図。
【図4】同液晶表示装置においてライン反転型駆動を採用する液晶パネルの配線を示す図。
【図5】同液晶表示装置においてフレーム反転型駆動を採用する液晶パネルの配線を示す図。
【図6】従来の液晶表示装置における液晶パネルのサブピクセルの配置とピクセルの関係を示す図。
【図7】従来の液晶表示装置における液晶パネルのサブピクセルの配置とピクセルの関係を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の一実施形態に係る液晶表示装置について、図1乃至図5を参照して説明する。本実施形態の液晶表示装置1は、テレビジョン受像機のディスプレイとして構成され、図1に示されるように、赤(R)、緑(G)、青(B)、白(W)のサブピクセルが、行及び列方向に多数配列された液晶パネル2と、液晶パネル2に入力画像信号3に応じた画像が表示されるように、サブピクセルの駆動信号を生成する信号制御部4と、を備える。画像信号3は、チューナなどの信号源から入力されるR信号、G信号、及びB信号からなる。
【0022】
液晶パネル2のサブピクセルは、2行2列の隣接する4つが、赤(R)、緑(G)、青(B)、白(W)色とされて、これらの発光が混合されて1ピクセルの色を再現する。また、各サブピクセルは、ソースドライバ5から列方向に延びる配線6と、ゲートドライバ7から行方向に延びる配線8とに、それぞれ接続されている。そして、行方向に沿ったサブピクセルが、1行ずつ、ゲートドライバ7からの駆動信号(タイミング信号)に応じたタイミングで、ソースドライバ5からの駆動信号(データ信号)を印加され、各サブピクセルがデータ信号に応じた輝度で発光するようになっている。サブピクセルの発光は、各サブピクセルの液晶層がデータ信号に応じた透過率になることによってバックライト(不図示)の光が前方へ出射することによる。
【0023】
信号制御部4は、入力画像信号3に応じた画像が液晶パネル2に表示されるように、入力画像信号3に基づいて各サブピクセルへ出力する駆動信号(データ信号)9を生成する信号処理部11と、生成された駆動信号(データ信号)9にタイミング信号を加えて、ソースドライバ5及びゲートドライバ7へ出力するデータ・コントロール信号12及びコントロール信号13を生成するコントローラ14と、を備える。
【0024】
駆動信号(データ信号)9を含むデータ・コントロール信号12は、ソースドライバ5に入力された後、ソースドライバ5内のシフトレジスタ、ラインメモリ、D/Aコンバータなどのドライバデバイスにより所定形式の信号に変換されて配線6へ出力される。ゲートドライバ7内にはコントロール信号13を配線8を介して出力するための所定形式に変換するドライバデバイスが備えられている。
【0025】
信号処理部11は、マイクロコンピュータから構成され、入力画像信号3をフレーム毎に一時記憶するフレームメモリ15と、フレームメモリ15に記憶した画像情報を、ピクセル毎に周波数成分の量に応じて重み付けした周波数別輝度情報に加工する周波数分解部16と、周波数別輝度情報に基づいて液晶パネル2の各サブピクセルへ印加する駆動信号(データ信号)9を生成するデータ信号生成部17と、を備える。
【0026】
以下、信号処理部11が駆動信号(データ信号)9を生成する手順について、図2、3を参照して説明する。例えば、今、フレームメモリ15に記憶した1フレームの画像情報21が図2に示すものであるとすると、周波数分解部16は、画像情報21を1ピクセル毎に読み出して、各ピクセルP(x、y)の色(V)を、白(W)、青(B)、緑(G)、赤(R)の周波数成分に分解し、そのピクセルP(x、y)の輝度を周波数成分毎の量に応じて重み付けして周波数別輝度情報を生成する。
【0027】
具体的には、画像情報21を構成するピクセルP(1、1)・・P(x、y)・・P(n、m)の輝度が、K(1、1)・・・K(x、y)・・・K(n、m)であるときに、ピクセルP(x、y)の色(V)が、図2に示すように分解される。白、青、緑、赤の周波数毎の分量(白:青:緑:赤)が、例えば、40:30:15:15となった場合、周波数別輝度情報は、順に、(40/100)K(x、y)、(30/100)K(x、y)、(15/100)K(x、y)、(15/100)K(x、y)になる。このようにして、生成される白、青、緑、赤の周波数別輝度情報を、それぞれ、Kw(x、y)、Kb(x、y)、Kg(x、y)、Kr(x、y)と表す。例えば、Kw(1、1)は、ピクセルP(1、1)に関して生成した白色輝度情報である。周波数分解部16は、上記手順を繰返して画像情報21の全ピクセルP(1、1)・・P(x、y)・・P(n、m)について、周波数別輝度情報を生成する。
【0028】
次に、データ信号生成部17が、上記のようにして生成した周波数別輝度情報に基づいてサブピクセルの駆動信号9を生成する手順について、図3を参照して説明する。説明の都合上、データ信号生成部17は、ピクセルP(x、y)の行及び列に沿った順(P(1、1)、P(1、2)・・P(1、m)、P(2、1)、P(2、2)・・P(n、m))に処理していくとするが、処理の順番はピクセルの配列順でなくてもよい。
【0029】
データ信号生成部17は、まず、ピクセルP(1、1)に関する周波数別輝度情報Kw(1、1)、Kb(1、1)、Kg(1、1)、Kr(1、1)を、液晶パネル2の1行1列目のサブピクセル(R)、1行2列目のサブピクセル(W)、2行1列目のサブピクセル(G)、及び2行2列目のサブピクセル(B)の4つのサブピクセルで構成されるピクセルQ(1、1)に適用する。具体的には、1行1列目の赤色サブピクセル(R)に対して赤色輝度情報Kr(1、1)に応じた駆動データを生成し、1行2列目の白色サブピクセル(W)に対して白色輝度情報Kw(1、1)に応じた駆動データを生成し、2行1列目の緑色サブピクセル(G)に対して緑色輝度情報Kg(1、1)に応じた駆動データを生成し、2行2列目の青色サブピクセル(B)に対して青色輝度情報Kb(1、1)に応じた駆動データを生成する。
【0030】
ここで、ピクセルQ(1、1)に関して生成した駆動データを、赤、白、緑、青の順に、Dr(1、1)、Dw(1、1)、Dg(1、1)、Db(1、1)と表す。データ信号生成部17は、これらの駆動データDr(1、1)、Dw(1、1)、Dg(1、1)、Db(1、1)を記憶する。周波数別輝度情報Kr(1、1)、Kw(1、1)、Kg(1、1)、Kb(1、1)が、例えば、前述のように、15/100:40/100:15/100:30/100の重み付けである場合には、駆動データDr(1、1)、Dw(1、1)、Dg(1、1)、Db(1、1)の値も15/100:40/100:15/100:30/100の重みに配分されたもの(電圧データ)になる。
【0031】
データ信号生成部17は、次に、画像情報21のピクセルP(1、2)に関する周波数別輝度情報Kw(1、2)、Kb(1、2)、Kg(1、2)、Kr(1、2)を、ピクセルQ(1、1)に、1列分重なり合って右に隣接するピクセルQ(1、2)に適用する。
【0032】
具体的には、1行2列目のサブピクセル(W)に対して輝度情報Kw(1、2)を適用して輝度情報Kw(1、2)に応じた駆動データを生成し、1行3列目のサブピクセル(R)に対して輝度情報Kr(1、2)を適用して輝度情報Kr(1、2)に応じた駆動データを生成し、2行2列目のサブピクセル(B)に対して輝度情報Kb(1、2)を適用して輝度情報Kb(1、2)に応じた駆動データを生成し、2行3列目のサブピクセル(G)に対して輝度情報Kg(1、2)を適用して輝度情報Kg(1、2)に応じた駆動データを生成する。そして、データ信号生成部17は、生成した駆動データDw(1、2)、Dr(1、2)、Db(1、2)、Dg(1、2)を記憶する。
【0033】
データ信号生成部17は、同様の手順を繰返して、画像情報21の1行目の終端のピクセルP(1、m)までの各ピクセルについて、それぞれ駆動データを生成する。
【0034】
次に、データ信号生成部17は、画像情報21の2行目のピクセルP(2、1)、P(2、2)・・P(2、m)についても同様に、周波数別輝度情報を、1列ずつ重なり合って隣接するピクセルQ(2、1)、Q(2、2)・・Q(2、m)に適用し、順に駆動データを生成する。ここで、2行目以降のピクセルQ(2、1)、Q(2、2)・・Q(2、m)は、図3に示すように、直上の行(直近の上の行)に1行ずつ重なり合う。例えば、ピクセルQ(2、1)は、2行1列目のサブピクセル(G)、2行2列目のサブピクセル(B)、3行1列目のサブピクセル(R)、3行2列目のサブピクセル(W)の4つのサブピクセルから構成される。
【0035】
このように、画像情報21の各ピクセルP(x、y)を構成させる液晶パネル2側のピクセルQ(x、y)は、1行及び1列ずつ重なり合ったものに設定する。これにより、液晶パネル2を構成するサブピクセルの行数及び列数は、画像情報21のピクセルの行数n及び列数mに、それぞれ1足した数(n+1)及び(m+1)で足りることになり、図7に示した液晶表示装置に比べて配線6、8の本数が大幅に低減される。
【0036】
データ信号生成部17は、以上のようにして、生成及び記憶したピクセルQ(x、y)毎の4つのサブピクセルについての駆動データDr(1、1)、Dw(1、1)、Dg(1、1)、Db(1、1)・・Dr(n、m)、Dw(n、m)、Dg(n、m)、Db(n、m)を、サブピクセル毎に加算して最終的な各サブピクセルへの駆動信号(データ信号)9とする。
【0037】
例えば、1行1列目の赤色のサブピクセル(R)は、このサブピクセル(R)を構成要素とするピクセルが、ピクセルQ(1、1)だけであるので、ピクセルQ(1、1)に関して生成した駆動データDr(1、1)をそのまま1行1列目のサブピクセル(R)の駆動信号(データ信号)9とする。
【0038】
1行2列目の白色のサブピクセル(W)は、ピクセルQ(1、1)及びピクセルQ(1、2)に共通して構成要素となっているので、2つのピクセルに関して生成した駆動データDw(1、1)と駆動データDw(1、2)を加算して1行2列目のサブピクセル(W)の駆動信号(データ信号)9とする。具体的には、1行2列目のサブピクセルの駆動信号(データ信号)は、(Dw(1、1)+Dw(1、2))となる。同様の手順を繰返して、1行目の各サブピクセルについて、それぞれ駆動信号(データ信号)9を決定する。
【0039】
2行目以降のサブピクセルについては、左右端を除いて列方向にも重なり合うので4つのピクセルに関して生成した4つのデータを加算して駆動信号(データ信号)9とする。例えば、2行2列目の青色のサブピクセル(B)は、ピクセルQ(1、1)、ピクセルQ(1、2)、ピクセルQ(2、1)、及びピクセルQ(2、2)に共通の構成要素となるので、各ピクセルに関して生成したデータを加算して駆動信号(データ信号)9とする。具体的には、2行2列目の青色のサブピクセル(B)の駆動信号9は、(Db(1、1)+Db(1、2)+Db(2、1)+Db(2、2))となる。
【0040】
信号処理部11は、以上のようにして生成した各サブピクセルの駆動信号9をコントローラ14へ順に出力する。出力された駆動信号9は、ソースドライバ5を介して液晶パネル2の各サブピクセルへと所定のタイミングで印加されて元の画像が再現される。
【0041】
液晶パネル2を構成するサブピクセルが白色を含むので、透過率が高い上に、前述の通りサブピクセルの個数自体が少なくて済むことから配線6、8の本数が大幅に低減でき、それによっても透過率の向上を図ることができる。また、配線6、8の本数が低減できることから、ソースドライバ5、及びゲートドライバ7に搭載するD/Aコンバータなどのドライバデバイスの個数も少なくて済み容易にコストダウンを図ることができる。
【0042】
なお、信号処理部11が、画像情報を1フレーム分ではなく、例えば1/2フレーム分ずつ処理するようにすれば、フレームメモリ15は、1フレームを記憶するよりも小さな容量のもの(例えば、ラインメモリ)に替えることができる。また、透過率は下がるが、白色のサブピクセル(W)に替えて黄色のサブピクセルを採用することもできる。黄色のサブピクセルを採用したときには、周波数分解部16は、各ピクセルを黄、青、緑、赤に分解する。
【0043】
図4に液晶パネル2の実際の配線を示す。各サブピクセルを構成するTFT22のゲート端子22gがゲートドライバ7から延びる配線8に接続され、ソース端子22sがソースドライバ5から延びる配線6に接続されている。サブピクセルの行及び列に沿った個数は、前述の通り(n+1)及び(m+1)であるので、配線の本数も、それぞれ(n+1)本、及び(m+1)本になる。これに対して、図7に示した液晶表示装置201では、行及び列方向の配線が2n本、及び2m本必要である。
【0044】
図4は、TFT22の駆動方式としてライン反転型を採用した場合の配線を示したが、フレーム反転型を採用する場合は、図5に示すように、ソースドライバ5側の配線6が1本増加して(m+2)本になる。この場合でも、配線の本数は、大幅に低減されている。
【0045】
以上のように、本発明の液晶表示装置1では、信号制御部4が、液晶パネル2の行及び列方向において、1行及び1列ずつ重なり合って隣接する2行2列の4つのサブピクセル毎に1ピクセルを構成するようにしてサブピクセルの駆動信号を生成するので、表示すべきピクセル数に対して必要なサブピクセル数が低減され、駆動信号を送るための配線の本数が少なくて済む。また、透過率を下げる要因になる配線の本数が少なくなるので、透過率の向上を容易に図ることができる。さらに、ドライバデバイスの個数も減らすことができる。
【符号の説明】
【0046】
1 液晶表示装置
2 液晶パネル
4 信号制御部
9 駆動信号(データ信号)
16 周波数分解部
17 データ信号生成部
P(x、y) ピクセル
Q(x、y) ピクセル
R、G、B、W サブピクセル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
赤、緑、青、及びそれらより明度の高い第4の色のサブピクセルが、行及び列方向に複数配列され、隣接する2行2列の4つのサブピクセルの混色によって1ピクセルを構成する液晶パネルと、
前記液晶パネルに、入力画像信号に応じた画像が表示されるように、サブピクセルの駆動信号を生成する信号制御部と、を備える液晶表示装置において、
前記信号制御部は、
前記行方向において1行ずつ重なり合い、又は前記列方向において1列ずつ重なり合って隣接する2行2列の4つのサブピクセル毎に1ピクセルを構成するようにサブピクセルの駆動信号を生成することを特徴とする液晶表示装置。
【請求項2】
前記信号制御部は、
前記行方向において1行ずつ重なり合い、かつ、前記列方向において1列ずつ重なり合って隣接する2行2列の4つのサブピクセル毎に1ピクセルを構成するようにサブピクセルの駆動信号を生成することを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項3】
前記液晶パネルの行及び列方向に配列されるサブピクセル数が、各々行及び列方向において表示すべきピクセル数に1つ足した個数であることを特徴とする請求項2に記載の液晶表示装置。
【請求項4】
前記信号制御部は、前記入力画像信号を、1ピクセル毎に赤、緑、青、及び第4の色の周波数成分に分解し、各周波数成分の量に応じて前記2行2列の4つのサブピクセルの駆動信号を生成することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
【請求項5】
前記第4の色が白であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の液晶表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−203117(P2012−203117A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−66262(P2011−66262)
【出願日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】