説明

液晶表示駆動集積回路

【課題】液晶表示パネルのコモン電極が接続された液晶表示駆動集積回路の出力端子に、クロックを入力させることなく、コモン電極を選択または非選択状態とする電圧を出力する。
【解決手段】コモン電極を駆動する液晶表示駆動集積回路において、所定周期の信号が入力される入力端子と、制御信号が入力される制御端子と、コモン電極が接続される出力端子と、入力端子からの所定周期の信号に基づいて出力端子から所定電圧を出力する電極駆動回路と、を備え、電極駆動回路は、制御端子に一方の論理レベルの制御信号が入力されると、所定電圧を出力端子から出力することを特徴とすること。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶表示駆動集積回路に関する。
【背景技術】
【0002】
ドットマトリックス方式の液晶表示パネルを駆動する液晶表示駆動集積回路では、一般的に時分割駆動方式が採用されている。時分割駆動方式では、液晶表示パネルにおける縦方向の複数のセグメント電極と横方向の複数のコモン電極のうち、各コモン電極が順次選択され駆動されている(例えば特許文献1及び2)。図4に、コモン電極を駆動するコモン電極駆動回路400のブロック図の一例を示す。コモン電極駆動回路400はシフトレジスタ500、駆動回路501、出力端子502〜504から構成される。シフトレジスタ500に、外部のコントローラ等から液晶表示パネルを表示すべくスタート信号が入力されると、所定周波数のクロックがLレベル(ローレベル)となるタイミングでシフトレジスタ500のLSB(Least Significant Bit)がLレベルからHレベル(ハイレベル)へ変化する。駆動回路501は、シフトレジスタ500においてHレベルとなるビットに対応する出力端子のみ選択して駆動する回路である。シフトレジスタ500のLSBがHレベルになると、駆動回路501は出力端子502に接続されたコモン電極を選択し駆動する。一方、シフトレジスタ500におけるLSB以外のビットは全てLレベルである為、出力端子503,504に接続されたコモン電極は非選択状態となる。また、シフトレジスタ500はクロックのパルスに応じて1ビットずつスタート信号をシフトする為、シフトレジスタ500においてHレベルが出力されるビットは順次LSBからMSB(Most Significant Bit)へと移動する。従って、出力端子502〜504に夫々接続されたコモン電極はクロックに基づいて順次選択され、駆動される。なお、駆動回路501は出力端子から所定の電圧が出力することにより、コモン電極を選択または非選択状態としている(例えば特許文献3)。
【特許文献1】特開2005−195986号公報
【特許文献2】特開2007−33749号公報
【特許文献3】特開2007−57881号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、液晶表示駆動集積回路を液晶表示パネルに実装する前に、コモン電極が接続される液晶表示駆動集積回路の出力端子から、コモン電極を選択または非選択状態とする電圧が正常に出力されることを確認される必要がある。しかしながら、図4に示す様な一般的な液晶表示駆動集積回路においては、例えば出力端子から順次電圧を出力する必要がないテスト時であっても、駆動回路501は、クロックに基づいて出力端子502〜504から電圧を順次出力する必要があった。
【0004】
本発明は上記課題を鑑みてなされたものであり、クロックを入力させることなく、コモン電極が接続された出力端子から、コモン電極を選択または非選択状態とする電圧を出力可能な液晶表示駆動集積回路を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
コモン電極を駆動する液晶表示駆動集積回路において、所定周期の信号が入力される入力端子と、制御信号が入力される制御端子と、前記コモン電極が接続される出力端子と、前記入力端子からの前記所定周期の信号に基づいて前記出力端子から所定電圧を出力する電極駆動回路と、を備え、前記電極駆動回路は、前記制御端子に一方の論理レベルの前記制御信号が入力されると、前記所定電圧を前記出力端子から出力する。
【発明の効果】
【0006】
クロックを入力させることなく、コモン電極が接続された出力端子から、コモン電極を選択または非選択状態とする電圧が出力可能な液晶表示駆動集積回路を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本明細書および添付図面の記載の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
【0008】
図1は、本発明の実施形態である液晶表示駆動集積回路の構成を示す図である。液晶表示駆動集積回路は、シフトレジスタ10、制御論理回路11(論理回路)、電圧出力回路12、EIO端子20、LP端子21(入力端子)、DISPCLR端子22、DISP端子23、FR端子24、テスト端子25(制御端子)、出力端子26,27を含んで構成される。なお、シフトレジスタ10、制御論理回路11、電圧出力回路12が本発明の電極駆動回路である。
【0009】
シフトレジスタ10は外部コントローラからEIO端子20に入力されるスタート信号をLP端子21に入力されるLP(Latch Pulse)信号(所定周期の信号)に基づいて順次シフトする回路であり、Dフリップフロップ15(第1ラッチ回路)及びDフリップフロップ16(第2ラッチ回路)を含んで構成される。
【0010】
制御論理回路11は外部コントローラよりDISPCLR端子22、DISP端子23、FR端子24の夫々に入力される制御信号1〜3及びテスト端子25に入力されるテスト信号(制御信号)に基づいて、シフトレジスタ10と電圧出力回路12の出力を制御する回路であり、インバータ30〜38、NAND回路40〜42、NOR回路43を含んで構成される。
【0011】
電圧出力回路12は制御論理回路11からの出力を受けて出力端子26,27に接続されたコモン電極を選択または非選択状態とする電圧を出力する回路であり、レベルシフト回路50〜52、NAND回路60〜63、NOR回路70〜73、PMOSトランジスタ80〜83、NMOSトランジスタ90〜93を含んで構成される。なお、レベルシフト回路50,52、NAND回路60,61、NOR回路70,71、PMOSトランジスタ80,81、NMOSトランジスタ90,91は出力端子26から電圧を出力する回路である。また、レベルシフト回路51,52、NAND回路62,63、NOR回路72,73、PMOSトランジスタ82,83、NMOSトランジスタ92,93は出力端子27から電圧を出力する回路である。
【0012】
EIO端子20には、外部コントローラから液晶パネルの表示をスタートさせるべく、パルス信号であるスタート信号が入力される。
LP端子21には、外部コントローラからスタート信号をシフトレジスタ10でシフトすべく、所定周期のLP信号が入力される。
DISPCLR端子22には、外部コントローラからシフトレジスタ10の出力をリセットすべく、デジタル信号である制御信号1が入力される。
DISP端子23には、外部コントローラから液晶パネルの表示のオン、オフを設定すべく、デジタル信号である制御信号2が入力される。
FR端子24には、外部コントローラからコモン電極を駆動する電圧を反転させるべく、デジタル信号である制御信号3が入力される。
テスト端子25には、外部コントローラから、コモン電極が接続される出力端子26,27から出力される電圧を制御すべく、デジタル信号であるテスト信号が入力される。
【0013】
前述の様に、コントローラから液晶表示駆動集積回路に入力される信号はスタート信号、LP信号、制御信号1〜3、テスト信号があり、上記夫々の信号はHレベル、Lレベルのいずれかの状態となる。本明細書において例えばスタート信号、LP信号が共にHレベルの場合、(スタート信号,LP信号)=(H,H)と記載する。
【0014】
液晶表示パネルをコントローラからの信号に基づいて表示すべく、コモン電極を時分割駆動する場合における液晶表示駆動集積回路の動作について説明する。なお図2は、時分割駆動する場合における本実施形態のスタート信号、LP信号、Dフリップフロップ15,16のそれぞれのQN出力であるQN1,QN2、出力端子26,27から夫々出力される電圧のタイミングチャートであり適宜参照する。
【0015】
まず、時分割駆動する場合においては液晶パネルの表示はオンで、シフトレジスタの出力をリセットする必要及びテスト信号を入力する必要は無い為、(制御信号1,制御信号2,テスト信号)=(H,H,L)となる。また、制御信号3は時分割駆動する場合には1フレームおきに論理レベルが反転する為、まず一方の論理レベルであるLレベルとして説明する。
【0016】
時刻T1においてスタート信号がコントローラより入力された場合のシフトレジスタ10の動作を説明する。スタート信号はDフリップフロップ15のD入力に入力されることから、LP信号の立下り時の時刻T2にDフリップフロップ15のQ出力はHレベルを出力し、QN1はLレベルとなる。時刻T2におけるLP信号の立下りから、次のLP信号の立下り時である時刻T3までの期間においてDフリップフロップ15のQ出力はHレベルを、QN1はLレベルを夫々保持する。Dフリップフロップ15のQ出力はDフリップフロップ16のD入力に入力される為、スタート信号はLP信号に基づいてDフリップフロップ15からDフリップフロップ16へシフトされる。従って、時刻T3から次のLP信号の立下り時である時刻T4までの期間において、QN2はLレベルとなる。
【0017】
またスタート信号に応じて変化するQN1が制御論理回路11に入力された時の制御論理回路11の動作を説明する。なお、制御論理回路11において、インバータ31は、制御信号1が入力されることにより、同じ論理状態のデジタル信号LO1をDフリップフロップ15,16の夫々のリセットRとNAND回路42へ出力する。インバータ37は、NAND回路42からの出力を反転したデジタル信号LO2をNAND回路40,41へ出力する。インバータ38は、NOR回路43からの出力を反転したデジタル信号LO3を電圧出力回路12へ出力する。NAND回路40,41は、QN1及びLO2、QN2及びLO2の入力を受けて、LO4とLO5を夫々電圧出力回路12へ出力する。制御論理回路11に入力されるデジタル信号を考えると、(制御信号1,制御信号2,制御信号3,テスト信号,QN1,QN2)=(H,H,L,L,L,H)となる。この時(LO1,LO2,LO3)=(H,H,L)となる。従って、QN1とLO2とから決定されるLO4と、QN2とLO2とから決定されるLO5は(LO4,LO5)=(H,L)となる。
【0018】
またQN1に応じて変化するLO4がレベルシフト回路50に入力された時の電圧出力回路12の動作を説明する。電圧出力回路12においては、夫々の出力端子から電圧を出力する回路の構成は同じである為、出力端子26から電圧を出力する回路についてのみ説明する。レベルシフト回路50はNAND回路40からのLO4をレベルシフトしたデジタル信号LS1と、デジタル信号LS1を反転させたデジタル信号LS2とを出力する回路である。レベルシフト回路52はインバータ38からのLO3をレベルシフトしたデジタル信号LS3と、デジタル信号LS3を反転させたデジタル信号LS4とを出力する回路である。また、NAND回路60はLS1,LS4が入力されることによりN1を出力する。NAND回路61は、LS2,LS3が入力されることによりN2を出力する。NOR回路70は、LS1,LS3が入力されることによりN3を出力する。NOR回路71は、LS2,LS4が入力されることによりN4を出力する。
【0019】
PMOSトランジスタ80,81及びNMOSトランジスタ90,91は夫々のソース電極に電圧V0,V1,V2,V3が印加されており、夫々のゲート電極に入力されるN1〜N4のレベルによりPMOSトランジスタ80,81及びNMOSトランジスタ90,91のオンとオフが切り替わる。ここで、電圧V0,V2はコモン電極を選択する電圧であり、電圧V1,V3はコモン電極を非選択状態とする電圧である。
【0020】
電圧出力回路12における出力端子26から電圧を出力する回路は、制御論理回路11から(LO3,LO4)=(L,H)が入力されると(LS1,LS2,LS3,LS4)=(H,L,L,H)となる。この時(N1,N2,N3、N4)=(L,H,L,L)となる為、PMOSトランジスタ80のみオンする。従って、出力端子26からはコモン電極を選択する電圧V0が出力される。また時刻T3から時刻T4までの間は、(QN1,QN2)=(H,L)である為、電圧出力回路12には(LO3,LO4)=(L,L)が入力される。従って、(LS1,LS2,LS3,LS4)=(L,H,L,H)となる。この時(N1,N2,N3、N4)=(H,H,H,L)となる為、NMOSトランジスタ91のみオンする。従って、出力端子26からはコモン電極を非選択状態とする電圧V3が出力される。つまり、出力端子26に接続されたコモン電極は、スタート信号及びLP信号に応じて選択または非選択状態とされる。
【0021】
ところで、前述の説明はFR端子24に入力される制御信号3をLレベルとしたが、制御信号3をHレベルとすると、時刻T2から時刻T3までの期間では(LO3,LO4)=(H,H)となる。この時(N1,N2,N3、N4)=(H,H,L,H)となる為、NMOSトランジスタ90のみオンする。従って、出力端子26からはコモン電極を選択する電圧V2が出力される。また、制御信号3がHレベルで、時刻T3から時刻T4までの期間では(LO3,LO4)=(H,L)となる。この時(N1,N2,N3、N4)=(H,L,L,L)となる為、PMOSトランジスタ81のみオンする。従って、出力端子26からはコモン電極を非選択状態とする電圧V1が出力される。
【0022】
なお、シフトレジスタ10はQN1をLP信号に基づいてQN2にシフトする為、制御信号3がLレベルの時、時刻T3から時刻T4までの期間において出力端子27からは電圧V0が出力され、時刻T4以降は電圧V3が出力される。さらに制御信号3がHレベルの時、時刻T3から時刻T4までの期間において出力端子27からは電圧V2が出力され、時刻T4以降は電圧V1が出力される。時分割駆動する場合において、QN1及びQN2出力、制御信号1〜3、テスト信号の夫々の論理レベルに対応するLO3,LO4、出力端子26,27から出力される電圧を纏めると図3の様になる。図3は出力端子から出力される電圧の真理値表である。以上、液晶表示パネルをコントローラからの信号に基づいて液晶パネルを表示すべく、コモン電極を時分割駆動する場合における液晶表示駆動集積回路の動作について説明した。
【0023】
次に、コモン電極が接続される出力端子26,27にコモン電極を選択する電圧V0,V2及び非選択状態とする電圧V1,V3が正常に出力されること確認する場合(以下テストモードとする)の動作について述べる。テストモードにおいて各電圧V0〜V3が出力される条件を検討するにあたり、図3を参照して説明する。なお、時分割駆動する場合と同様に、DISP端子23に入力される液晶表示パネルをオンとする制御信号2は、Hレベルとし、Dフリップフロップ15,16は制御信号1によりリセットされているものとする。
【0024】
出力端子26,27からコモン電極を非選択状態とする電圧V1が出力される為には、(LO3,LO4)=(H,L)とする必要があり、この条件は(QN1(QN2),制御信号1,制御信号2,制御信号3,テスト信号)=(H,H,H,H,L)(状態A)から得られる。この状態Aを得る為に、液晶表示駆動集積回路におけるシフトレジスタ10には、例えば共にLレベルのスタート信号及びLP信号を入力すれば良い。
【0025】
出力端子26,27からコモン電極を非選択状態とする電圧V3が出力される為には、(LO3,LO4)=(L,L)とする必要があり、この条件は((QN1(QN2),制御信号1,制御信号2,制御信号3,テスト信号)=(H,H,H,L,L)(状態B)から得られる。この状態Bを得る為に、液晶表示駆動集積回路におけるシフトレジスタ10には、例えば共にLレベルのスタート信号及びLP信号を入力すれば良い。
【0026】
出力端子26,27からコモン電極を選択状態とする電圧V2が出力される為には、(LO3,LO4)=(H,H)する必要があり、この条件は(QN1(QN2),制御信号1,制御信号2,制御信号3,テスト信号)=(L,H,H,H,L)(状態C)から得られる。但し状態CにおけるQN1及びQN2を共にLレベルとする為には、例えばHレベルのスタート信号と所定周期のLP信号とを入力する必要がある。所定周期のLP信号を入力せず(LO3,LO4)=(H,H)とするには、(QN1(QN2),制御信号1,制御信号2,制御信号3,テスト信号)=(H,L,H,H,L)(状態D)とすれば良い。この状態Dを得る為に、液晶表示駆動集積回路におけるシフトレジスタ10には、例えば共にLレベルのスタート信号及びLP信号を入力すれば良い。
【0027】
出力端子26,27からコモン電極を選択状態にする電圧V0が出力される為には、(LO3,LO4)=(L,H)とすれば良く、この条件は(QN1(QN2),制御信号1,制御信号2,制御信号3,テスト信号)=(L,H,H,L,L)(状態E)から得られる。但し状態Eにおいて、QN1及びQN2を共にLレベルとする為には、例えばHレベルのスタート信号と所定周期のLP信号とを入力する必要がある。従って所定周期のLP信号を入力せず、(LO3,LO4)=(L,H)とする場合を検討する。まずLO4をHレベルとするにはNAND回路42に入力される制御信号1,2、テスト信号のうちいずれかひとつがLレベルであれば良い。制御信号1は前述の様に液晶パネルをオンする為の信号であり、テストモードにおいてもHレベルである。また、制御信号1をLレベルとした場合であっても、制御信号1はNOR回路43に入力される為、LO3がLレベルにならず(LO3,LO4)=(L,H)とできない。同様に制御信号2もNOR回路43に入力される為、制御信号2をLレベルとできない。従って、(QN1,QN2)=(H,H)の状態でLO4をHレベルとするにはテスト信号をHレベルにする必要がある。つまり、(QN1(QN2),制御信号1,制御信号2,制御信号3,テスト信号)=(H,H,H,L,H)(状態F)とすれば良い。この状態Fを得る為に、液晶表示駆動集積回路におけるシフトレジスタ10には、例えば共にLレベルのスタート信号及びLP信号を入力すれば良い。
【0028】
以上に説明した構成からなる本実施形態の液晶表示駆動集積回路は、テストモードにおいて、スタート信号、LP信号、制御信号1〜3、テスト信号をHレベルもしくはLレベルの何れかを選択することにより(QN1(QN2),制御信号1,制御信号2,制御信号3,テスト信号)の論理レベルを状態A,B,D,Fとしている。従って、所定周期のLP信号を入力することなく、出力端子26,27には状態A,B,D,Fに基づいた電圧V1,V3,V2,V0が夫々得られる。
【0029】
また、スタート信号をLP信号に基づいて出力するDフリップフロップ15と、Dフリップフロップ15からの出力QN1がLレベルとなるか、テスト端子に入力されるテスト信号がHレベルとなるとNAND回路40の出力LO4をHレベルとする論理回路11と、(LO3,LO4)=(L,H)の場合に出力端子26から電圧V0が出力される電圧出力回路とを用いることにより、液晶表示駆動集積回路を構成することができる。
【0030】
本実施形態における時分割駆動の場合では、出力端子27からは、出力端子26に比べて所定周期のLP信号の1パルス分だけ遅れて、電圧V0またはV2が出力される。一方テストモードでは所定周期のLP信号を用いることなく、出力端子26,27に電圧V0〜V3を出力すること可能である為、出力端子から電圧V0〜V3が出力されていることを確認する時間を短くすることができる。なお。本実施形態では出力端子26,27の二つとしたが、一般に近年の液晶パネルにおいては、高画質化する為コモン電極数が増加しており、それに伴い液晶表示駆動集積回路の出力数も増加している。本実施形態を3つ以上の出力端子にも適応することで、特に出力端子数の多い場合であっても、出力端子からの電圧をテストする時間が短縮できる。
【0031】
また、液晶パネルにおけるコモン電極を選択する電圧は一般的に数十V(ボルト)であり、出力端子から電圧を出力する電圧出力回路12には、高耐圧のMOSトランジスタ等のデバイスを用いる必要がある。本実施形態ではテスト信号をレイアウト面積の大きい高耐圧デバイスを用いた電圧出力回路12に入力せず、制御論理回路11に入力している為、液晶表示駆動集積回路のチップ面積を小さくできる。
【0032】
また、前述の様に出力端子が複数ある場合においても、テスト信号を電圧出力回路12に入力せず、制御論理回路11に入力することで液晶表示駆動集積回路のチップ面積を小さくできる。
【0033】
なお、上記実施例は本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物も含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の実施形態である液晶表示駆動集積回路の構成を示す図である。
【図2】時分割駆動する場合におけるスタート信号、LP信号、QN1,QN2、LO3,LO4、出力端子26,27から出力される電圧のタイミングチャートである。
【図3】出力端子26,27から出力される電圧の真理値表である。
【図4】コモン電極を駆動するコモン電極駆動回路のブロック図の一例を表す図である。
【符号の説明】
【0035】
10 シフトレジスタ
11 制御論理回路
12 電圧出力回路
15,16 Dフリップフロップ
20 EIO端子
21 LP端子
22 DISPCLR端子
23 DISP端子
24 FR端子
25 テスト端子
26,27 出力端子
30〜38 インバータ
40〜42,60〜63 NAND回路
50〜52 レベルシフト回路
43,70〜73 NOR回路
80〜83 PMOSトランジスタ
90〜93 NMOSトランジスタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コモン電極を駆動する液晶表示駆動集積回路において、
所定周期の信号が入力される入力端子と、
制御信号が入力される制御端子と、
前記コモン電極が接続される出力端子と、
前記入力端子からの前記所定周期の信号に基づいて前記出力端子から所定電圧を出力する電極駆動回路と、
を備え、
前記電極駆動回路は、前記制御端子に一方の論理レベルの前記制御信号が入力されると、前記所定電圧を前記出力端子から出力することを特徴とする液晶表示駆動集積回路。
【請求項2】
前記電極駆動回路は、
入力信号に応じた出力信号を、前記入力端子からの前記所定周期の信号に基づいて出力するラッチ回路と、
前記ラッチ回路から一方の論理レベルの前記出力信号が出力されるか、前記制御端子に前記一方の論理レベルの前記制御信号が入力されると、一方のレベルの論理信号を出力する論理回路と、
前記論理回路から前記一方のレベルの前記論理信号が出力されると、前記出力端子から前記所定電圧を出力する電圧出力回路と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の液晶駆動集積回路。
【請求項3】
前記出力端子は、
第1出力端子と第2出力端子を含み、
前記電極駆動回路は、
第1入力信号に応じた第1出力信号を、前記入力端子からの前記所定周期の信号に基づいて出力する第1ラッチ回路と、
前記第1出力信号に応じた第2出力信号を、前記入力端子からの前記所定周期の信号に基づいて出力する第2ラッチ回路と、
前記第1ラッチ回路から一方の論理レベルの前記第1出力信号が出力されるか、前記制御端子に前記一方の論理レベルの前記制御信号が入力されると、一方のレベルの第1論理信号を出力し、前記第2ラッチ回路から一方の論理レベルの前記第2出力信号が出力されるか、前記制御端子に前記一方の論理レベルの前記制御信号が入力されると、一方のレベルの第2論理信号を出力する論理回路と、
前記論理回路から前記一方のレベルの前記第1論理信号が出力されると前記第1出力端子から前記所定電圧を出力し、前記論理回路から前記一方のレベルの前記第2論理信号が出力されると前記第2出力端子から前記所定電圧を出力する電圧出力回路と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の液晶駆動集積回路。
【請求項4】
前記電圧出力回路は、
前記出力端子から前記所定電圧が出力されるよう、前記論理回路からの前記一方のレベルの前記論理信号を第1レベルの論理信号へ変換し、前記出力端子から前記所定電圧が出力されないよう、前記論理回路からの他方のレベルの前記論理信号を第2レベルの論理信号へ変換するレベルシフト回路を含むこと、
を特徴とする請求項2に記載の液晶表示駆動集積回路。
【請求項5】
前記電圧出力回路は、
前記第1出力端子から前記所定電圧が出力されるよう、前記論理回路からの前記一方のレベルの前記第1論理信号を第1レベルの論理信号へ変換し、前記第1出力端子から前記所定電圧が出力されないよう、前記論理回路からの他方のレベルの前記第1論理信号を第2レベルの論理信号へ変換する第1レベルシフト回路と、
前記第2出力端子から所定電圧が出力されるよう、前記論理回路からの前記一方のレベルの前記第2論理信号を前記第1レベルの論理信号へ変換し、前記第2出力端子から前記所定電圧が出力されないよう、前記論理回路からの他方のレベルの前記第2論理信号を前記第2レベルの論理信号へ変換する第2レベルシフト回路と、
を含むことを特徴とする請求項3に記載の液晶表示駆動集積回路。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−281854(P2008−281854A)
【公開日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−127031(P2007−127031)
【出願日】平成19年5月11日(2007.5.11)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(506227884)三洋半導体株式会社 (1,155)
【Fターム(参考)】