説明

液晶配向剤、液晶配向膜および液晶表示素子

【課題】本発明は所望の電圧保持率の発現とその長期安定性とが達成される液晶表示素子を提供するために有用な液晶配向剤を開発することを目的とする。
【解決手段】ポリアミック酸とその誘導体とからなる群から選ばれる少なくとも1つのポリマーを含有する組成物であって、このポリマーが式(N)で表されるジアミンの少なくとも1つまたはこの式(N)で表されるジアミンの少なくとも1つと式(N)で表されないジアミンであるその他のジアミンの少なくとも1つとの混合物をテトラカルボン酸二無水物と反応させて得られるポリアミック酸またはその誘導体である液晶配向剤。Aは独立して炭素数1〜10のアルキル、炭素数1〜10のアルコキシ、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、フッ素、塩素または臭素であり、mは0〜3の整数であり、そしてAは独立して−O−、−NH−、−N(CH)−または−S−である。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主としてナフタレンを主鎖に含むジアミンをテトラカルボン酸二無水物と反応させて得られるポリアミック酸を含有する液晶配向剤に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示素子は、ノートパソコンやデスクトップパソコンのモニターをはじめ、ビデオカメラのビューファインダー、投写型のディスプレイ等の様々な液晶表示装置に使われており、最近ではテレビにも用いられている。さらに液晶表示素子は、光プリンターヘッド、光フーリエ変換素子、ライトバルブ等のオプトエレクトロニクス関連素子にも利用されている。
【0003】
液晶表示素子には種々の素子が知られているが、液晶表示素子の技術の発展は、液晶表示素子の駆動方式や液晶表示素子の構造の改良のみならず、液晶表示素子に使用される構成部材の改良によって達成されている。液晶表示素子は、通常は、液晶層中の液晶組成物を特定の方向に配向させるための液晶配向膜を有する。液晶配向膜は、液晶表示素子の表示品位に係わる重要な要素の一つであり、液晶表示素子の高品質化に伴って液晶配向膜の役割が年々重要になってきている。
【0004】
液晶配向膜は、液晶配向剤より調製される。現在、主として用いられている液晶配向剤は、ポリアミック酸または可溶性のポリイミドを有機溶剤に溶解させた溶液である。液晶配向膜は、このような溶液を基板に塗布した後、加熱等の手段により成膜することにより形成される。
【0005】
液晶表示素子の表示品位を向上させるために液晶配向膜に要求される重要な特性として、電圧保持率が挙げられる。電圧保持率が低いと、フレーム期間中に液晶にかかる電圧が低下し、結果として輝度が低下して正常な諧調表示に支障をきたすことがある。また、例え初期の電圧保持率が高くても、高温加速試験後の電圧保持率(長期信頼性)が低下してしまう場合は好ましくない。
【0006】
前記の問題を解決する試みとして、例えば液晶配向膜を形成させるための、物性の異なる2つ以上のポリアミック酸を組み合わせて含むポリアミック酸組成物が知られている(例えば特許文献1および2参照)。また、ナフタレンを有する芳香族ジアミンとテトラカルボン酸二無水物とを反応させて得られるポリアミック酸の合成法が知られている(例えば特許文献3参照)。しかしながら、近頃の液晶配向膜にはさらなる改良が求められていて、これを形成させる液晶配向剤には、得られる液晶配向膜について所望の電気特性を得るためにさらに検討する余地が残されている。
【0007】
【特許文献1】特開平11−193345号公報
【特許文献2】特開平11−193347号公報
【特許文献3】US5886131号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、所望の電圧保持率の発現とその長期安定性とが達成される液晶表示素子、この液晶表示素子において所望の電圧保持率の発現とその長期安定性とを達成させる液晶配向膜、およびそれを形成することができる液晶配向剤を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、ナフタレンを有する芳香族ジアミンを原料とするポリアミック酸またはその誘導体を含有する組成物を液晶配向剤とするとき、これを用いて形成された液晶配向膜を有する液晶表示素子において、所望の電圧保持率が発現され、さらにその良好な長期信頼性が付与されることを見出し、本発明を完成させた。
【0010】
本発明の液晶配向剤は次の[1]項に示される。
[1] ポリアミック酸とその誘導体とからなる群から選ばれる少なくとも1つのポリマーを含有する組成物であって、このポリマーが式(N)で表されるジアミンの少なくとも1つまたはこの式(N)で表されるジアミンの少なくとも1つと式(N)で表されないジアミンであるその他のジアミンの少なくとも1つとの混合物をテトラカルボン酸二無水物と反応させて得られるポリアミック酸またはその誘導体である液晶配向剤。


(ここに、Aは独立して炭素数1〜10のアルキル、炭素数1〜10のアルコキシ、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、フッ素、塩素または臭素であり;mは独立して0〜3の整数であり;Aは独立して−O−、−NH−、−N(CH)−、または−S−であり;そして、2つのアミノ基のベンゼン環への結合位置はAおよびAの結合位置を除く任意の位置である。)
【発明の効果】
【0011】
本発明により、電圧保持率が高く、その経時的な変動に対する長期信頼性の良好な、種々の駆動方式に適用できる液晶表示素子を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
まず最初に、本発明で用いる用語について説明する。
「液晶配向剤」は液晶配向膜を形成させるために用いる組成物を意味する。式(N)で表されるジアミンをジアミン(N)と称することがある。他の式で表されるジアミンについても同様である。式(1)で表されるテトラカルボン酸二無水物をカルボン酸(1)と称することがある。他の式で表されるテトラカルボン酸二無水物についても同様である。その他のジアミンはジアミン(N)以外のジアミンを意味する。化学構造式を説明する際に用いる用語「任意の」は、位置だけでなく個数についても任意であることを意味する。そして、例えば、「任意のAはB、CまたはDで置き換えられてもよい」という表現は、任意のAがBで置き換えられる場合、任意のAがCで置き換えられる場合および任意のAがDで置き換えられる場合に加えて、複数のAがB〜Dの少なくとも2つで置き換えられる場合をも含むことを意味する。但し、任意の−CH−が−O−で置き換えられてもよい場合には、連続する複数の−CH−が−O−で置き換えられることは含まれない。環を構成する原子と明確に結合していない置換基は、その結合位置を化学的に許容される範囲内で自由に決定できる置換基である。文字、例えばAを六角形で囲った記号は環Aを意味する。
【0013】
本発明は、前記の[1]項と次に示す[2]〜[20]項とで構成される。
[2] 式(N)における2つのアミノ基の結合位置が共にAに対してパラ位である、[1]項に記載の液晶配向剤。
【0014】
[3] ジアミンが式(N−1)〜式(N−5)、式(N−7)、式(N−8)、式(N−13)、式(N−15)および式(N−16)で表される化合物群から選ばれる少なくとも1つのジアミンまたはこの(これらの)ジアミンとその他のジアミンとの混合物である、[1]項に記載の液晶配向剤。


(これらの式において、Meはメチルを意味する。)
【0015】
[4] ジアミンが、式(N−1)および式(N−3)で表されるジアミンの少なくとも1つまたはこの(これらの)ジアミンとその他のジアミンとの混合物である、[3]項に記載の液晶配向剤。
【0016】
[5] ジアミンが式(N)で表されるジアミンの少なくとも1つとその他のジアミンとの混合物であり、その他のジアミンが式(VIII)および式(X)〜式(XIII)で表されるジアミン群から選ばれる側鎖基を有するジアミンの少なくとも1つである、[1]項に記載の液晶配向剤。


(ここに、Aは単結合、−O−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CONH−、−CHO−、−CFO−、または炭素数1〜6のアルキレンであって、このアルキレンにおける任意の−CH−は−O−、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよく;Rはステロイド骨格を有する基、炭素数3〜30のアルキル、炭素数1〜30のアルキルもしくは炭素数1〜30のアルコキシを置換基として有するフェニル、または式(IX)で表される基であって、この炭素数3〜30のアルキルにおける任意の−CH−は−O−、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよい。)


(ここに、AおよびAは独立して単結合、−O−、−COO−、−OCO−、−CONH−、炭素数1〜4のアルキレン、炭素数1〜3のオキシアルキレン、または炭素数1〜3のアルキレンオキシであり;環Bおよび環Cは独立して1,4−フェニレンまたは1,4−シクロヘキシレンであり;RおよびRは独立してフッ素またはメチルであって、fおよびgは独立して0、1または2であり;c、dおよびeは独立して0〜3の整数であって、これらの合計は1以上であり;Rは炭素数1〜30のアルキル、炭素数1〜30のアルコキシ、または炭素数2〜30のアルコキシアルキルであり、これらのアルキル、アルコキシおよびアルコキシアルキルにおいて、任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく、そして任意の−CH−はジフルオロメチレンで置き換えられてもよい。)




(式(X)および式(XI)において、Rは独立して水素またはメチルであり、Rは水素または炭素数1〜20のアルキルもしくはアルケニルであり、RおよびRはそれぞれ独立して炭素数1〜20のアルキルまたはフェニルであり、Aは独立して単結合、−CO−または−CH−である。)




(式(XII)および式(XIII)において、Rは炭素数1〜30のアルキルであって、このアルキルの任意の−CH−は、−O−、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよく;R10は炭素数6〜22のアルキルであり;R11は炭素数1〜22のアルキルであり;Aは独立して−O−または炭素数1〜6のアルキレンであり;Aは単結合または炭素数1〜3のアルキレンであり;環Tは1,4−フェニレンまたは1,4−シクロヘキシレンであり;hは0または1である。)
【0017】
[6] ジアミンが式(N−1)〜式(N−5)、式(N−7)、式(N−8)、式(N−13)、式(N−15)および式(N−16)で表される化合物群から選ばれる少なくとも1つのジアミンとその他のジアミンとの混合物であり、その他のジアミンが式(VIII−2)、式(VIII−4)〜式(VIII−6)、式(XII−2)、式(XII−4)および式(XII−6)で表されるジアミンから選ばれる側鎖基を有するジアミンの少なくとも1つである、[3]項に記載の液晶配向剤。










(これらの式において、R23、R29およびR30はそれぞれ炭素数1〜30のアルキルまたは炭素数1〜30のアルコキシである。)
【0018】
[7] ジアミンが側鎖基を持たないジアミンをさらに含有する混合物であって、この側鎖基を持たないジアミンが式(I)〜式(VII)および式(XV)で表される化合物の群から選ばれる少なくとも1つである、[1]〜[6]のいずれか1項に記載の液晶配向剤。


(これらの式において、Xは炭素数2〜12の直鎖アルキレンであり;Yは独立して単結合、−O−、−CO−、−NH−、−N(CH)−、−CONH−、−NHCO−、−C(CH−、−C(CF−、−O−(CH−O−、−S−、−S−S−、−SO−、−S−(CH−S−または炭素数1〜12の直鎖アルキレンであって、tは1〜12の整数であり;ZおよびZは水素であるが、Yが−NH−、−N(CH)−、−CH−、−C(CH−または−C(CF−であるときには互いに結合して単結合を形成してもよく;環Dはフェニレンまたは1,4−ジアザシクロヘキシレンであり;R33およびR34はそれぞれ独立して炭素数1〜3のアルキルまたはフェニルであり;Aは独立して炭素数1〜6のアルキレン、フェニレンまたはアルキル置換されたフェニレンであり;mは1〜10の整数であり;シクロヘキサン環またはベンゼン環の任意の水素は、フッ素、メチル、−OH、−COOH、−SOH、−PO、ベンジルまたはヒドロキシベンジルで置き換えられてもよい。)
【0019】
[8] 側鎖基を持たないジアミンが式(IV−1)、式(IV−2)、式(IV−15)〜式(IV−17)、式(V−1)〜式(V−12)、式(V−33)、式(V−35)〜式(V−37)、式(VI−7)、式(VII−2)および式(XV−1)で表されるジアミンの少なくとも1つである、[7]項に記載の液晶配向剤。


















【0020】
[9] ポリマーが、式(N)で表されるジアミンの少なくとも1つと式(VIII)および式(X)〜式(XIII)で表されるジアミン群から選ばれる側鎖基を有するジアミンの少なくとも1つとの混合物または式(N)で表されるジアミンの少なくとも1つと式(VIII)および式(X)〜式(XIII)で表されるジアミン群から選ばれる側鎖基を有するジアミンの少なくとも1つと式(I)〜式(VII)および式(XV)で表されるジアミン群から選ばれる側鎖基を持たないジアミンの少なくとも1つとからなる混合物をテトラカルボン酸二無水物と反応させて得られるポリアミック酸またはその誘導体と、前記の側鎖基を持たないジアミンの少なくとも1つまたはこの側鎖基を持たないジアミンの少なくとも1つと式(N)で表されるジアミンの少なくとも1つとの混合物をテトラカルボン酸二無水物と反応させて得られるポリアミック酸またはその誘導体との混合物である、[1]項に記載の液晶配向剤。


(ここに、Aは単結合、−O−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CONH−、−CHO−、−CFO−、または炭素数1〜6のアルキレンであって、このアルキレンにおける任意の−CH−は−O−、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよく;Rはステロイド骨格を有する基、炭素数3〜30のアルキル、炭素数1〜30のアルキルもしくは炭素数1〜30のアルコキシを置換基として有するフェニル、または式(IX)で表される基であって、この炭素数3〜30のアルキルにおける任意の−CH−は−O−、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよい。)


(ここに、AおよびAは独立して単結合、−O−、−COO−、−OCO−、−CONH−、炭素数1〜4のアルキレン、炭素数1〜3のオキシアルキレン、または炭素数1〜3のアルキレンオキシであり;環Bおよび環Cは独立して1,4−フェニレンまたは1,4−シクロヘキシレンであり;RおよびRは独立してフッ素またはメチルであって、fおよびgは独立して0、1または2であり;c、dおよびeは独立して0〜3の整数であって、これらの合計は1以上であり;Rは炭素数1〜30のアルキル、炭素数1〜30のアルコキシ、または炭素数2〜30のアルコキシアルキルであり、これらのアルキル、アルコキシおよびアルコキシアルキルにおいて、任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく、そして任意の−CH−はジフルオロメチレンで置き換えられてもよい。)




(式(X)および式(XI)において、Rは独立して水素またはメチルであり、Rは水素または炭素数1〜20のアルキルもしくはアルケニルであり、RおよびRはそれぞれ独立して炭素数1〜20のアルキルまたはフェニルであり、Aは独立して単結合、−CO−または−CH−である。)




(式(XII)および式(XIII)において、Rは炭素数1〜30のアルキルであって、このアルキルの任意の−CH−は、−O−、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよく;R10は炭素数6〜22のアルキルであり;R11は炭素数1〜22のアルキルであり;Aは独立して−O−または炭素数1〜6のアルキレンであり;Aは単結合または炭素数1〜3のアルキレンであり;環Tは1,4−フェニレンまたは1,4−シクロヘキシレンであり;hは0または1である。)

(これらの式において、Xは炭素数2〜12の直鎖アルキレンであり;Yは独立して単結合、−O−、−CO−、−NH−、−N(CH)−、−CONH−、−NHCO−、−C(CH−、−C(CF−、−O−(CH−O−、−S−、−S−S−、−SO−、−S−(CH−S−または炭素数1〜12の直鎖アルキレンであって、tは1〜12の整数であり;ZおよびZは水素であるが、Yが−NH−、−N(CH)−、−CH−、−C(CH−または−C(CF−であるときには互いに結合して単結合を形成してもよく;環Dはフェニレンまたは1,4−ジアザシクロヘキシレンであり;R33およびR34はそれぞれ独立して炭素数1〜3のアルキルまたはフェニルであり;Aは独立して炭素数1〜6のアルキレン、フェニレンまたはアルキル置換されたフェニレンであり;mは1〜10の整数であり;シクロヘキサン環またはベンゼン環の任意の水素は、フッ素、メチル、−OH、−COOH、−SOH、−PO、ベンジルまたはヒドロキシベンジルで置き換えられてもよい。)
【0021】
[10] ポリマーが、式(N)で表されるジアミンの少なくとも1つと式(I)〜式(VII)および式(XV)で表されるジアミン群から選ばれる側鎖基を持たないジアミンの少なくとも1つとの混合物をテトラカルボン酸二無水物と反応させて得られるポリアミック酸またはその誘導体と、式(VIII)および式(X)〜式(XIII)で表されるジアミン群から選ばれる側鎖基を有するジアミンの少なくとも1つまたはこの側鎖基を有するジアミンの少なくとも1つと前記の側鎖基を持たないジアミンの少なくとも1つとの混合物をテトラカルボン酸二無水物と反応させて得られるポリアミック酸またはその誘導体との混合物である、[1]項に記載の液晶配向剤。


(ここに、Aは単結合、−O−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CONH−、−CHO−、−CFO−、または炭素数1〜6のアルキレンであって、このアルキレンにおける任意の−CH−は−O−、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよく;Rはステロイド骨格を有する基、炭素数3〜30のアルキル、炭素数1〜30のアルキルもしくは炭素数1〜30のアルコキシを置換基として有するフェニル、または式(IX)で表される基であって、この炭素数3〜30のアルキルにおける任意の−CH−は−O−、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよい。)


(ここに、AおよびAは独立して単結合、−O−、−COO−、−OCO−、−CONH−、炭素数1〜4のアルキレン、炭素数1〜3のオキシアルキレン、または炭素数1〜3のアルキレンオキシであり;環Bおよび環Cは独立して1,4−フェニレンまたは1,4−シクロヘキシレンであり;RおよびRは独立してフッ素またはメチルであって、fおよびgは独立して0、1または2であり;c、dおよびeは独立して0〜3の整数であって、これらの合計は1以上であり;Rは炭素数1〜30のアルキル、炭素数1〜30のアルコキシ、または炭素数2〜30のアルコキシアルキルであり、これらのアルキル、アルコキシおよびアルコキシアルキルにおいて、任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく、そして任意の−CH−はジフルオロメチレンで置き換えられてもよい。)




(式(X)および式(XI)において、Rは独立して水素またはメチルであり、Rは水素または炭素数1〜20のアルキルもしくはアルケニルであり、RおよびRはそれぞれ独立して炭素数1〜20のアルキルまたはフェニルであり、Aは独立して単結合、−CO−または−CH−である。)




(式(XII)および式(XIII)において、Rは炭素数1〜30のアルキルであって、このアルキルの任意の−CH−は、−O−、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよく;R10は炭素数6〜22のアルキルであり;R11は炭素数1〜22のアルキルであり;Aは独立して−O−または炭素数1〜6のアルキレンであり;Aは単結合または炭素数1〜3のアルキレンであり;環Tは1,4−フェニレンまたは1,4−シクロヘキシレンであり;hは0または1である。)

(これらの式において、Xは炭素数2〜12の直鎖アルキレンであり;Yは独立して単結合、−O−、−CO−、−NH−、−N(CH)−、−CONH−、−NHCO−、−C(CH−、−C(CF−、−O−(CH−O−、−S−、−S−S−、−SO−、−S−(CH−S−または炭素数1〜12の直鎖アルキレンであって、tは1〜12の整数であり;ZおよびZは水素であるが、Yが−NH−、−N(CH)−、−CH−、−C(CH−または−C(CF−であるときには互いに結合して単結合を形成してもよく;環Dはフェニレンまたは1,4−ジアザシクロヘキシレンであり;R33およびR34はそれぞれ独立して炭素数1〜3のアルキルまたはフェニルであり;Aは独立して炭素数1〜6のアルキレン、フェニレンまたはアルキル置換されたフェニレンであり;mは1〜10の整数であり;シクロヘキサン環またはベンゼン環の任意の水素は、フッ素、メチル、−OH、−COOH、−SOH、−PO、ベンジルまたはヒドロキシベンジルで置き換えられてもよい。)
【0022】
[11] 式(N)で表されるジアミンが式(N−1)〜式(N−5)、式(N−7)、式(N−8)、式(N−13)、式(N−15)または式(N−16)で表されるジアミンであり、側鎖基を有するジアミンが式(VIII−2)、式(VIII−4)〜式(VIII−6)、式(XII−2)、式(XII−4)または式(XII−6)で表されるジアミンであり、そして側鎖基を持たないジアミンが式(IV−1)、式(IV−2)、式(IV−15)〜式(IV−17)、式(V−1)〜式(V−12)、式(V−33)、式(V−35)〜式(V−37)、式(VI−7)、式(VII−2)または式(XV−1)で表されるジアミンである、[9]項または[10]項に記載の液晶配向剤。


(これらの式において、Meはメチルを意味する。)










(これらの式において、R23、R29およびR30はそれぞれ炭素数1〜30のアルキルまたは炭素数1〜30のアルコキシである。)


















【0023】
[12] テトラカルボン酸二無水物が芳香族テトラカルボン酸二無水物または芳香族テトラカルボン酸二無水物と芳香族以外のテトラカルボン酸二無水物との混合物である、[1]〜[11]のいずれか1項に記載の液晶配向剤。
【0024】
[13] 芳香族テトラカルボン酸二無水物が式(1)、式(2)、式(5)〜式(7)、式(11)および式(14)で表される化合物群から選ばれる少なくとも1つである、[12]項に記載の液晶配向剤。






【0025】
[14] 芳香族テトラカルボン酸二無水物が式(1)で表される化合物である、[13]項に記載の液晶配向剤。
【0026】
[15] 芳香族以外のテトラカルボン酸二無水物が脂環式テトラカルボン酸二無水物および/または脂肪族テトラカルボン酸二無水物である、[12]項に記載の液晶配向剤。
【0027】
[16] 芳香族テトラカルボン酸二無水物が式(1)、式(2)、式(5)〜式(7)、式(11)および式(14)で表される化合物群から選ばれる少なくとも1つであり、そして芳香族以外のテトラカルボン酸二無水物が式(19)、式(23)、式(25)、式(35)〜式(39)、式(44)および式(49)で表される化合物群から選ばれる少なくとも1つである、[12]項に記載の液晶配向剤。















【0028】
[17] 芳香族テトラカルボン酸二無水物が式(1)で表される化合物であり、芳香族以外のテトラカルボン酸二無水物が式(19)で表される化合物である、[16]項に記載の液晶配向剤。
【0029】
[18] アルケニル置換ナジイミド化合物、ラジカル重合性不飽和二重結合を有する化合物、オキサジン化合物、オキサゾリン化合物、およびエポキシ化合物から選ばれる少なくとも1つの化合物をさらに含有する、[1]〜[17]のいずれか1項に記載の液晶配向剤。
【0030】
[19] [1]〜[18]のいずれか1項に記載の液晶配向剤の塗膜が加熱されて形成される液晶配向膜。
【0031】
[20] 一対の基板と、液晶分子を含有し、前記一対の基板の間に形成される液晶層と、液晶層に電圧を印加する電極と、前記液晶分子を所定の方向に配向させる液晶配向膜とを有する液晶表示素子において、前記液晶配向膜が[19]項に記載の液晶配向膜であることを特徴とする液晶表示素子。
【0032】
本発明の液晶配向剤は、テトラカルボン酸二無水物とジアミンとの反応生成物であるポリアミック酸またはその誘導体を含有する。このポリアミック酸の誘導体の例は、可溶性ポリイミド、ポリアミック酸エステル、ポリアミック酸アミド等である。より具体的には、1)ポリアミック酸が完全に脱水閉環したポリイミド、2)部分的に脱水閉環反応した部分ポリイミド、3)ポリアミック酸のカルボキシルがエステルに変換されたポリアミック酸エステル、4)テトラカルボン酸二無水物と有機ジカルボン酸の混合物を反応させて得られるポリアミック酸−ポリアミド共重合体、さらに5)このポリアミック酸−ポリアミド共重合体の一部もしくは全部を脱水閉環させたポリアミドイミドが挙げられる。そして、ポリアミック酸の誘導体の好ましい例はポリイミドである。本発明の液晶配向剤は、ポリアミック酸とこのようなポリアミック酸の誘導体とからなる群から選ばれる少なくとも1つのポリマーを含有する組成物である。
【0033】
本発明では式(N)で表されるジアミンの少なくとも1つを用いる。


【0034】
式(N)において、Aは独立して炭素数1〜10のアルキル、炭素数1〜10のアルコキシ、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、フッ素、塩素または臭素である。Aの好ましい例は炭素数1〜3のアルキル、炭素数1〜3のアルコキシ、ヒドロキシおよびトリフルオロメチルである。Aのより好ましい例はメチル、メトキシ、ヒドロキシおよびトリフルオロメチルである。mは独立して0〜3の整数であり、好ましくは共に0または1である。Aは独立して−O−、−NH−、−N(CH)−、または−S−である。2つのAは同じ結合基であることが好ましい。2つのアミノ基のベンゼン環への結合位置は、AおよびAの結合位置を除く任意の位置であり、共にAに対してパラ位に結合していることが好ましい。
【0035】
ジアミン(N)の好ましい例を次に示す。


(これらの式におけるMeはメチルを意味する。)
【0036】
前記のジアミンのうち、ジアミン(N−1)〜ジアミン(N−5)、ジアミン(N−7)、ジアミン(N−8)、ジアミン(N−13)、ジアミン(N−15)、およびジアミン(N−16)が好ましく、ジアミン(N−1)およびジアミン(N−3)がより好ましい。
【0037】
本発明の液晶配向剤におけるポリマーを製造するときには、ジアミン(N)のみを用いてもよいし、このジアミンとその他のジアミン、即ち式(N)で表されないジアミンとを混合して用いてもよい。ジアミン(N)の使用割合は、液晶表示素子において所望のイオン密度を発現させ、またその長期安定性を実現させる観点から、前記ポリマーを製造するときに用いるジアミンの総量に対して、5〜100モル%であることが好ましく、5〜50モル%であることがより好ましい。
【0038】
ところで、その他のジアミンはその構造の違いによって2種類に分けることができる。即ち、2つのアミノ基を結ぶ骨格を主鎖として見たときに、主鎖から分岐する基、即ち側鎖基を有するジアミンと側鎖基を持たないジアミンである。側鎖基を有するジアミンをテトラカルボン酸二無水物と反応させることによって、ポリマーの主鎖に対して多数の側鎖基を有するポリアミック酸またはポリイミドが得られる。このようなポリマー主鎖に対して側鎖基を有するポリアミック酸またはポリイミドを使用するとき、このポリマーを含有する液晶配向剤から形成される液晶配向膜は、液晶表示素子におけるプレチルト角を大きくすることができる。即ち、この側鎖基はプレチルト角を大きくする効果を有する基である。このような効果を有する側鎖基は炭素数3以上の基である必要があり、具体的な例として炭素数3以上のアルキル、炭素数3以上のアルコキシ、炭素数3以上のアルコキシアルキル、およびステロイド骨格を有する基を挙げることができる。1つ以上の環を有する基であって、その末端の環が置換基として炭素数1以上のアルキル、炭素数1以上のアルコキシおよび炭素数2以上のアルコキシアルキルのいずれか1つを有する基も側鎖基としての効果を有する。本発明における側鎖基はこれらの基から選ばれる。以下の説明では、このような側鎖基を有するジアミンを側鎖型ジアミンと称することがある。そして、炭素数3以上の側鎖基を持たないジアミンを非側鎖型ジアミンと称することがある。
【0039】
そして、側鎖型ジアミンと非側鎖型ジアミンを適宜使い分けることにより、上記の種々の表示素子のそれぞれに必要なプレチルト角に対応することができる。即ち、TN方式やVA方式に代表される縦電界方式では比較的大きなプレチルト角が必要となるため、側鎖型ジアミンが主に用いられる。このとき、さらにプレチルト角をコントロールするためには非側鎖型ジアミンを併用すればよい。非側鎖型ジアミンと側鎖型ジアミンの配合比率は、目的とするプレチルト角の大きさに応じて決めればよい。もちろん、側鎖基を適当に選ぶことにより、側鎖型ジアミンのみを用いて対応することも可能である。横電界方式ではプレチルト角が小さく、高い液晶配向性が必要となるため、非側鎖型ジアミンの少なくとも1つを用いればよい。このように、本発明の液晶配向剤は、任意の種類の液晶表示素子に適用することができる。
【0040】
側鎖基の具体例は次の通りである。
まず最初に、アルキル、アルキルオキシ、アルキルオキシアルキル、アルキルカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、アルキルオキシカルボニル、アルキルアミノカルボニル、アルケニル、アルケニルオキシ、アルケニルカルボニル、アルケニルカルボニルオキシ、アルケニルオキシカルボニル、アルケニルアミノカルボニル、アルキニル、アルキニルオキシ、アルキニルカルボニル、アルキニルカルボニルオキシ、アルキニルオキシカルボニル、アルキニルアミノカルボニル等を挙げることができる。そして、これらの基におけるアルキル、アルケニルおよびアルキニルは、いずれも炭素数3以上の基である。但し、アルキルオキシアルキルにおいては、全体として炭素数3以上であればよい。なお、これらの基は直鎖状であっても分岐鎖状であってもよい。
【0041】
次に、末端の環が置換基として炭素数1以上のアルキル、炭素数1以上のアルコキシまたは炭素数2以上のアルコキシアルキルを有することを条件に、フェニル、フェニルアルキル、フェニルアルキルオキシ、フェニルオキシ、フェニルカルボニル、フェニルカルボニルオキシ、フェニルオキシカルボニル、フェニルアミノカルボニル、フェニルシクロヘキシルオキシ、炭素数3以上のシクロアルキル、シクロヘキシルアルキル、シクロヘキシルオキシ、シクロヘキシルオキシカルボニル、シクロヘキシルフェニル、シクロヘキシルフェニルアルキル、シクロヘキシルフェニルオキシ、ビス(シクロヘキシル)オキシ、ビス(シクロヘキシル)アルキル、ビス(シクロヘキシル)フェニル、ビス(シクロヘキシル)フェニルアルキル、ビス(シクロヘキシル)オキシカルボニル、ビス(シクロヘキシル)フェニルオキシカルボニル、およびシクロヘキシルビス(フェニル)オキシカルボニル等の環構造の基を挙げることができる。
【0042】
さらに、2個以上のベンゼン環を有する基、2個以上のシクロヘキサン環を有する基、またはベンゼン環およびシクロヘキサン環で構成される2環以上の基であって、結合基が独立して単結合、−O−、−COO−、−OCO−、−CONH−もしくは炭素数1〜3のアルキレンであり、末端の環が置換基として炭素数1以上のアルキル、炭素数1以上のフッ素置換アルキル、炭素数1以上のアルコキシ、または炭素数2以上のアルコキシアルキルを有する環集合基を挙げることができる。もちろん、ステロイド骨格を有する基も側鎖基として有効である。
【0043】
側鎖型ジアミンの好ましい例は、式(VIII)および式(X)〜式(XIII)で表されるジアミンである。


【0044】
式(VIII)において、Aは単結合、−O−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CONH−、−CHO−、−CFO−、または炭素数1〜6のアルキレンであって、このアルキレンにおける任意の−CH−は−O−、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよい。Aの好ましい例は単結合、−O−、−COO−、−OCO−、−CHO−、および炭素数1〜3のアルキレンであり、特に好ましい例は単結合、−O−、−COO−、−OCO−、−CHO−、−CH−および−CHCH−である。Rはステロイド骨格を有する基、炭素数3〜30のアルキル、炭素数1〜30のアルキルもしくは炭素数1〜30のアルコキシを置換基として有するフェニル、または式(IX)で表される基であって、この炭素数3〜30のアルキルにおける任意の−CH−は−O−、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよい。Rの好ましい例は炭素数3〜30のアルキル、炭素数1〜30のアルキルもしくは炭素数1〜30のアルコキシを置換基として有するフェニル、および式(IX)で表される基である。2つのアミノ基のベンゼン環との結合位置は、Aの結合位置を1位とするとき、3位と5位または2位と5位であることが好ましい。
【0045】


【0046】
式(IX)において、AおよびAは独立して単結合、−O−、−COO−、−OCO−、−CONH−、炭素数1〜4のアルキレン、炭素数1〜3のオキシアルキレン、または炭素数1〜3のアルキレンオキシであり、好ましくは単結合または炭素数1〜4のアルキレンである。環Bおよび環Cは独立して1,4−フェニレンまたは1,4−シクロヘキシレンである。RおよびRは独立してフッ素またはメチルである。fおよびgは独立して0、1または2であり、好ましくは0である。c、dおよびeは独立して0〜3の整数であって、これらの合計は1以上である。Rは炭素数1〜30のアルキル、炭素数1〜30のアルコキシ、または炭素数2〜30のアルコキシアルキルであり、これらのアルキル、アルコキシおよびアルコキシアルキルにおいて、任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく、そして任意の−CH−はジフルオロメチレンで置き換えられてもよい。Rの好ましい例は炭素数1〜30のアルキルおよび炭素数1〜30のアルコキシである。
【0047】




【0048】
式(X)および式(XI)において、Rは独立して水素またはメチルである。Rは水素、炭素数1〜20のアルキルまたは炭素数2〜20のアルケニルである。RおよびRはそれぞれ独立して炭素数1〜20のアルキルまたはフェニルである。Aは独立して単結合、−CO−または−CH−である。式(X)において、2つの「NH−Ph−A−O−」の一方はステロイド骨格の3位に結合し、もう一方は6位に結合していることが好ましい。また、2つのアミノ基のベンゼン環との結合位置は、いずれもAの結合位置に対して、メタ位またはパラ位であることが好ましい。式(XI)において、2つの「NH−(R−)Ph−A−O−」のベンゼン環との結合位置は、いずれもステロイド骨格が結合している炭素に対してメタ位またはパラ位であることが好ましい。また、2つのアミノ基のベンゼン環との結合位置は、いずれもAの結合位置に対して、メタ位またはパラ位であることが好ましい。
【0049】




【0050】
式(XII)および式(XIII)において、Rは炭素数1〜30のアルキルであって、このアルキルの任意の−CH−は、−O−、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよい。R10は炭素数6〜22のアルキルであり、R11は炭素数1〜22のアルキルである。Aは独立して−O−または炭素数1〜6のアルキレンである。Aは単結合または炭素数1〜3のアルキレンである。環Tは1,4−フェニレンまたは1,4−シクロヘキシレンである。hは0または1である。式(XII)において、2つのアミノ基のベンゼン環との結合位置は、いずれもAの結合位置に対してメタ位またはパラ位であることが好ましい。式(XIII)において、2つのアミノ基のベンゼン環との結合位置は、いずれもAの結合位置に対してメタ位またはパラ位であることが好ましい。
【0051】
ジアミン(VIII)の具体例を次に示す。












【0052】
式(VIII−1)〜式(VIII−11)において、R23は炭素数1〜30のアルキルまたは炭素数1〜30のアルコキシであり、好ましくは炭素数5〜25のアルキルまたは炭素数5〜25のアルコキシである。R24は炭素数1〜30のアルキルまたは炭素数1〜30のアルコキシであり、好ましくは炭素数3〜25のアルキルまたは炭素数3〜25のアルコキシである。
【0053】




【0054】
式(VIII−12)〜式(VIII−17)において、R25は炭素数4〜30のアルキルであり、好ましくは炭素数6〜25のアルキルである。R26は炭素数6〜30のアルキルであり、好ましくは炭素数8〜25のアルキルである。
【0055】












【0056】










【0057】
式(VIII−18)〜式(VIII−37)において、R27は炭素数1〜30のアルキル、または炭素数1〜30のアルコキシであり、好ましくは炭素数3〜25のアルキルまたは炭素数3〜25のアルコキシである。R28は水素、フッ素、炭素数1〜30のアルキル、炭素数1〜30のアルコキシ、−CN、−OCHF、−OCHFまたは−OCFであり、好ましくは炭素数3〜25のアルキルまたは炭素数3〜25のアルコキシである。
【0058】






【0059】
上記のジアミン(VIII−1)〜ジアミン(VIII−43)のうち、ジアミン(VIII−1)〜ジアミン(VIII−11)が好ましく、ジアミン(VIII−2)およびジアミン(VIII−4)〜ジアミン(VIII−6)がより好ましい。
【0060】
ジアミン(X)の具体例を次に示す。




【0061】
ジアミン(XI)の具体例を次に示す。






【0062】






【0063】




【0064】
ジアミン(XII)の具体例を次に示す。








【0065】






【0066】
式(XII−1)〜式(XII−3)において、R29は炭素数1〜30のアルキルまたは炭素数1〜30のアルコキシであり、好ましくは炭素数3〜30のアルキルまたは炭素数3〜30のアルコキシである。式(XII−4)〜式(XII−8)において、R30は炭素数1〜30のアルキルまたは炭素数1〜30のアルコキシであり、好ましくは炭素数3〜30のアルキルまたは炭素数3〜30のアルコキシである。
【0067】
ジアミン(XIII)の具体例を次に示す。




【0068】
式(XIII−1)〜式(XIII−3)において、R31は炭素数6〜22のアルキルであり、好ましくは炭素数6〜20のアルキルである。R32は炭素数1〜22のアルキルであり、好ましくは炭素数1〜10のアルキルである。
【0069】
上記の側鎖型ジアミンの具体例のうち、ジアミン(VIII−2)、ジアミン(VIII−4)〜ジアミン(VIII−6)、ジアミン(XII−2)、ジアミン(XII−4)およびジアミン(XII−6)が好ましい。
【0070】
上記のような側鎖型ジアミンは、液晶表示素子において大きなプレチルト角を発現させることを目的とする場合には、本発明の液晶配向剤に用いるポリマーを製造するに際して、ジアミン総量における割合を1〜90モル%とすることが好ましく、5〜70モル%とすることがより好ましい。
【0071】
前記のような側鎖基を持たないジアミン、即ち非側鎖型ジアミンの好ましい例として、式(I)〜式(VII)および式(XV)で表される化合物が挙げられる。


【0072】
これらの式において、Xは炭素数2〜12の直鎖アルキレンである。Yは独立して単結合、−O−、−CO−、−NH−、−N(CH)−、−CONH−、−NHCO−、−C(CH−、−C(CF−、−O−(CH−O−、−S−、−S−S−、−SO−、−S−(CH−S−または炭素数1〜12の直鎖アルキレンであって、tは1〜12の整数である。ZおよびZは水素であるが、Yが−NH−、−N(CH)−、−CH−、−C(CH−または−C(CF−であるときには互いに結合して単結合を形成してもよい。環Dはフェニレンまたは1,4−ジアザシクロヘキシレンである。R33およびR34はそれぞれ独立して炭素数1〜3のアルキルまたはフェニルである。Aは独立して炭素数1〜6のアルキレン、フェニレンまたはアルキル置換されたフェニレンである。mは1〜10の整数である。シクロヘキサン環またはベンゼン環の任意の水素は、フッ素、メチル、−OH、−COOH、−SOH、−PO、ベンジルまたはヒドロキシベンジルで置き換えられてもよい。
【0073】
ジアミン(I)の例を次に示す。


【0074】
ジアミン(II)の具体例を次に示す。


【0075】
ジアミン(III)の具体例を次に示す。


【0076】
ジアミン(IV)の具体例を次に示す。









【0077】
ジアミン(V)の具体例を次に示す。










【0078】














【0079】










【0080】
ジアミン(VI)の具体例を次に示す。








【0081】
ジアミン(VII)の具体例を次に示す。
















【0082】
ジアミン(XV)の具体例を次に示す。


【0083】
上記の非側鎖型ジアミンのうち、ジアミン(IV−1)〜ジアミン(IV−5)、ジアミン(IV−15)〜ジアミン(IV−17)、ジアミン(V−1)〜ジアミン(V−12)、ジアミン(V−26)、ジアミン(V−27)、ジアミン(V−31)、ジアミン(V−33)、ジアミン(V−35)〜ジアミン(V−37)、ジアミン(VI−1)、ジアミン(VI−2)、ジアミン(VI−6)、ジアミン(VII−1)〜ジアミン(VII−5)およびジアミン(XV−1)が好ましく、ジアミン(IV−1)、ジアミン(IV−2)、ジアミン(IV−15)〜ジアミン(IV−17)、ジアミン(V−1)〜ジアミン(V−12)、ジアミン(V−33)、ジアミン(V−35)〜ジアミン(V−37)、ジアミン(VI−7)、ジアミン(VII−2)およびジアミン(XV−1)がより好ましい。
【0084】
このような非側鎖型ジアミンは、液晶表示素子においてイオン密度等の所望の電気特性を発現させる観点から、本発明の液晶配向剤におけるポリアミック酸の原料としてのジアミン総量においてモル比で1〜98%含まれることが好ましく、10〜95%含まれることがより好ましい。
【0085】
本発明で用いるジアミンには、前記のジアミン(I)〜ジアミン(VIII)、ジアミン(X)〜ジアミン(XIII)およびジアミン(XV)以外のジアミンを用いることができる。このようなジアミンとしては、例えば、フルオレン環を有するフルオレン系ジアミンおよびジアミン(VIII)〜ジアミン(XII)以外の側鎖型ジアミンが挙げられる。
【0086】
ジアミン(VIII)〜ジアミン(XII)以外の側鎖型ジアミンの例はジアミン(1')〜ジアミン(8')である。






これらの式において、R35およびR36はそれぞれ独立して炭素数3〜30のアルキル基である。これらのジアミンは、本発明の液晶配向剤におけるポリアミック酸を製造する際に、本発明の効果が損なわれない程度の範囲で用いることができる。
【0087】
ポリアミック酸を製造する際には、ジアミンにモノアミンを添加してもよい。モノアミンを添加することによって、ポリアミック酸を生成する際の重合反応のターミネーションを起こすことができ、それ以上の重合反応の進行を抑えることができる。即ち、得られる重合体(ポリアミック酸またはその誘導体)の分子量を容易に制御することができ、例えば本発明の効果が損われることなく液晶配向剤の塗布特性を改善することができる。モノアミンの添加割合は、目的とするポリアミック酸の分子量を考慮して適宜調整すればよい。本発明の効果が損なわれなければ、二種以上のモノアミンを添加してもよい。モノアミンの例はアニリン、4−ヒドロキシアニリン、シクロヘキシルアミン、n−ブチルアミン、n−ペンチルアミン、n−ヘキシルアミン、n−ヘプチルアミン、n−オクチルアミン、n−ノニルアミン、n−デシルアミン、n−ウンデシルアミン、n−ドデシルアミン、n−トリデシルアミン、n−テトラデシルアミン、n−ペンタデシルアミン、n−ヘキサデシルアミン、n−ヘプタデシルアミン、n−オクタデシルアミン、およびn−エイコシルアミンである。
【0088】
実施例を除く以下の説明においては、特に断らない限り、ポリアミック酸およびその誘導体の総称として「ポリアミック酸」を用いる。
本発明では、ジアミンをテトラカルボン酸二無水物と反応させてポリアミック酸を得るに際して、前記のようにジアミン(N)とその他のジアミンとの混合物を用いることができる。このとき、その他のジアミンの好ましい例の1つは、ジアミン(VIII)およびジアミン(X)〜ジアミン(XIII)の群から選ばれる側鎖型ジアミンの少なくとも1つである。その他のジアミンのもう1つの好ましい例は、ジアミン(VIII)およびジアミン(X)〜ジアミン(XIII)の群から選ばれる側鎖型ジアミンの少なくとも1つとジアミン(I)〜ジアミン(VII)およびジアミン(XV)の群から選ばれる非側鎖型ジアミンの少なくとも1つとの混合物である。前記の[5]〜[8]項はジアミン(N)、側鎖型ジアミンおよび非側鎖型ジアミンの組み合わせの好ましい例である。
【0089】
本発明では、上記のように混合ジアミンをテトラカルボン酸と反応させて得られたポリアミック酸をポリマー成分としてもよいし、原料の異なるポリアミック酸の混合物をポリマー成分としてもよい。ポリアミック酸の混合物の好ましい例の1つはジアミン(N)の少なくとも1つとジアミン(VIII)およびジアミン(X)〜ジアミン(XIII)の群から選ばれる側鎖型ジアミンの少なくとも1つとの混合物またはこのジアミン混合物にジアミン(I)〜ジアミン(VII)およびジアミン(XV)の群から選ばれる非側鎖型ジアミンの少なくとも1つを更に加えた混合物をテトラカルボン酸二無水物と反応させて得られるポリアミック酸と、前記の非側鎖型ジアミンの少なくとも1つまたはこの非側鎖型ジアミンの少なくとも1つとジアミン(N)の少なくとも1つとの混合物をテトラカルボン酸二無水物と反応させて得られるポリアミック酸との混合物である。
【0090】
ポリアミック酸の混合物の好ましい例のもう1つは、ジアミン(N)の少なくとも1つとジアミン(I)〜ジアミン(VII)およびジアミン(XV)の群から選ばれる非側鎖型ジアミンの少なくとも1つとの混合物をテトラカルボン酸二無水物と反応させて得られるポリアミック酸と、ジアミン(VIII)およびジアミン(X)〜ジアミン(XIII)の群から選ばれる側鎖型ジアミンの少なくとも1つまたはこの側鎖型ジアミンの少なくとも1つと前記の非側鎖型ジアミンの少なくとも1つとの混合物をテトラカルボン酸二無水物と反応させて得られるポリアミック酸との混合物である。前記の[9]〜[11]項にはポリマー成分がポリアミック酸の混合物である好ましい例が記載されている。
【0091】
本発明で用いられるテトラカルボン酸二無水物は、一種の化合物であってもよいし、二種以上の化合物であってもよい。テトラカルボン酸二無水物としては、芳香族テトラカルボン酸二無水物、脂環式テトラカルボン酸二無水物、および脂肪族テトラカルボン酸二無水物が挙げられる。
【0092】
芳香族テトラカルボン酸二無水物の例を次に示す。








【0093】






【0094】
上記の芳香族テトラカルボン酸二無水物のうち、カルボン酸(1)、カルボン酸(2)、カルボン酸(5)〜カルボン酸(7)、カルボン酸(11)およびカルボン酸(14)が好ましく、カルボン酸(1)が特に好ましい。
【0095】
脂環式テトラカルボン酸二無水物の例を次に示す。










【0096】








【0097】










【0098】
上記の脂環式テトラカルボン酸二無水物のうち、カルボン酸(19)、カルボン酸(25)、カルボン酸(35)〜カルボン酸(37)、カルボン酸(39)、カルボン酸(44)およびカルボン酸(49)が好ましく、カルボン酸(19)がより好ましい。
【0099】
脂肪族テトラカルボン酸二無水物の例を次に示す。下記の例のうちカルボン酸(23)が好ましい。






【0100】
本発明では、上記のカルボン酸(1)〜カルボン酸(67)以外のテトラカルボン酸二無水物も用いることができる。その例として側鎖基を有するテトラカルボン酸二無水物が挙げられる。側鎖基を有するテトラカルボン酸二無水物を用いることによって、液晶表示素子におけるプレチルト角を大きくすることができる。側鎖基を有するテトラカルボン酸二無水物としては、例えばステロイド骨格を有するカルボン酸(68)およびカルボン酸(69)が挙げられる。
【0101】




【0102】
ポリアミック酸を製造する際には、テトラカルボン酸二無水物にジカルボン酸無水物を添加して用いてもよい。そうすることによって、ポリアミック酸を生成する際の重合反応のターミネーションを起こすことができ、それ以上の重合反応の進行を抑えることができる。即ち、得られる重合体(ポリアミック酸)の分子量を容易に制御することができ、例えば本発明の効果が損われることなく液晶配向剤の塗布特性を改善することができる。ジカルボン酸無水物の添加割合は、目的とするポリアミック酸の分子量を考慮して適宜調整すればよい。また、添加するジカルボン酸無水物の種類も、本発明の効果が損なわれなければ2種以上でもよい。ジカルボン酸無水物の例は、無水マレイン酸、無水フタル酸、無水イタコン酸、n−デシルサクシニック酸無水物、n−ドデシルサクシニック酸無水物、n−テトラデシルサクシニック酸無水物、n−ヘキサデシルサクシニック酸無水物およびシクロヘキサン酸無水物である。
【0103】
本発明では、ポリアミック酸を製造する際に、モノイソシアネート化合物をさらに添加してもよい。モノイソシアネート化合物を添加することによって、得られるポリアミック酸の末端が修飾され、分子量が調節される。この末端修飾型のポリアミック酸を用いることにより、例えば本発明の効果が損われることなく液晶配向剤の塗布特性を改善することができる。モノイソシアネート化合物の添加量は、ジアミンおよびテトラカルボン酸二無水物の総量に対して1〜10モル%であることが、前記の観点から好ましい。モノイソシアネート化合物としては、例えばフェニルイソシアネートおよびナフチルイソシアネートが挙げられる。
【0104】
本発明で使用するポリアミック酸は、ポリイミドの膜の形成に用いられる公知のポリアミック酸と同様に製造することができる。テトラカルボン酸二無水物の総仕込み量は、ジアミンの総モル数とほぼ等モル(モル比0.9〜1.1程度)とすることが好ましい。
【0105】
ポリアミック酸の分子量は、ポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)で、10,000〜500,000であることが好ましく、20,000〜200,000であることがより好ましい。ポリアミック酸の分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法による測定値から求めることができる。
【0106】
ポリアミック酸は、多量の貧溶剤で沈殿させて得られる固形分をIR、NMRで分析することによりその存在を確認することができる。ポリアミック酸をKOHやNaOH等の強アルカリの水溶液によって分解し、その分解物の有機溶剤による抽出物をGC、HPLCもしくはGC−MSで分析することにより、使用されている原料を確認することができる。
【0107】
本発明の液晶配向剤は、前記ポリアミック酸以外の他の成分をさらに含有していてもよい。例えば、本発明の液晶配向剤は、液晶表示素子の電気特性を長期に安定させる観点から、アルケニル置換ナジイミド化合物をさらに含有していてもよい。このアルケニル置換ナジイミド化合物の好ましい例を次に示す。
【0108】






【0109】
本発明の液晶配向剤は、例えば液晶表示素子の電気特性を長期に安定させる観点から、ラジカル重合性不飽和二重結合を有する化合物をさらに含有していてもよい。ラジカル重合性不飽和二重結合を有する化合物としては、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸アミド等の(メタ)アクリル酸誘導体、およびビスマレイミドが挙げられ、ラジカル重合性不飽和二重結合を2つ以上有する(メタ)アクリル酸誘導体がより好ましい。
【0110】
また例えば、本発明の液晶配向剤は、液晶表示素子における電気特性の長期安定性の観点から、オキサジン化合物をさらに含有していてもよい。オキサジン化合物としては、例えば式(a)〜式(f)に示す化合物が挙げられる。






【0111】
式(a)〜式(f)において、RおよびRは炭素数1〜30の有機基であり;R〜Rは水素または炭素数1〜6の炭化水素基であり;Xは単結合、−O−、−S−、−S−S−、−SO−、−CO−、−CONH−、−NHCO−、−C(CH−、−C(CF−、−(CH−、−O−(CH−O−、−S−(CH−S−であって、mは1〜6の整数であり;Yは独立して単結合、−O−、−S−、−CO−、−C(CH−、−C(CF−または炭素数1〜3のアルキレンである。
【0112】
本発明の液晶配向剤は、例えば液晶表示素子における電気特性の長期安定性の観点から、分子内にエポキシ環を1つまたは2つ以上有するエポキシ化合物をさらに含有してもよい。このエポキシ化合物はエポキシ環を有するモノマー、オリゴマーまたは重合体であってもよい。
【0113】
本発明の液晶配向剤は各種添加剤をさらに含有していてもよい。各種添加剤としては、例えばポリアミック酸およびその誘導体以外のポリマー、および低分子化合物が挙げられ、それぞれの目的に応じて選択して使用することができる。このポリマーとしては、有機溶剤に可溶性のポリマーが挙げられる。このようなポリマーを本発明の液晶配向剤に添加することは、形成される液晶配向膜の電気特性や配向性を制御する観点から好ましい。該ポリマーとしては、例えばポリアミド、ポリウレタン、ポリウレア、ポリエステル、ポリエポキサイド、ポリエステルポリオール、シリコーン変性ポリウレタン、およびシリコーン変性ポリエステルが挙げられる。
【0114】
前記低分子化合物としては、例えば1)塗布性の向上を望むときにはかかる目的に沿った界面活性剤、2)帯電防止の向上を必要とするときは帯電防止剤、3)基板との密着性や耐ラビング性の向上を望むときにはシランカップリング剤やチタン系のカップリング剤、また、4)低温でイミド化を進行させる場合はイミド化触媒が挙げられる。
【0115】
シランカップリング剤としては、例えばビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルトリメトキシシラン、パラアミノフェニルトリメトキシシラン、パラアミノフェニルトリエトキシシラン、メタアミノフェニルトリメトキシシラン、メタアミノフェニルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、N−(1,3−ジメチルブチリデン)−3−(トリエトキシシリル)−1−プロピルアミン、およびN,N’−ビス[3−(トリメトキシシリル)プロピル]エチレンジアミンが挙げられる。
【0116】
イミド化触媒としては、例えばトリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン等の脂肪族アミン類;N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、メチル置換アニリン、ヒドロキシ置換アニリン等の芳香族アミン類;ピリジン、メチル置換ピリジン、ヒドロキシ置換ピリジン、キノリン、メチル置換キノリン、ヒドロキシ置換キノリン、イソキノリン、メチル置換イソキノリン、ヒドロキシ置換イソキノリン、イミダゾール、メチル置換イミダゾール、ヒドロキシ置換イミダゾール等の環式アミン類が挙げられる。前記イミド化触媒は、N,N−ジメチルアニリン、o−ヒドロキシアニリン、,m−ヒドロキシアニリン、,p−ヒドロキシアニリン、o−ヒドロキシピリジン,m−ヒドロキシピリジン,p−ヒドロキシピリジン、およびイソキノリンから選ばれる一種または二種以上であることが好ましい。
【0117】
本発明の液晶配向剤は、液晶配向剤の塗布性や前記ポリアミック酸の濃度の調整の観点から、溶剤をさらに含有していてもよい。この溶剤は、ポリマー成分を溶解する能力を持った溶剤であれば格別制限なく適用可能である。前記溶剤は、ポリアミック酸、可溶性ポリイミド等のポリマー成分の製造工程や用途面で通常使用されている溶剤を広く含み、使用目的に応じて、適宜選択できる。前記溶剤は一種でも二種以上の混合溶剤であってもよい。このような溶剤としては、前記ポリアミック酸の親溶剤や、塗布性改善を目的とした他の溶剤が挙げられる。
【0118】
ポリアミック酸に対し親溶剤である非プロトン性極性有機溶剤としては、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルイミダゾリジノン、N−メチルカプロラクタム、N−メチルプロピオンアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、ジエチルアセトアミド、γ−ブチロラクトン等のラクトンが挙げられる。
【0119】
塗布性改善等を目的とした他の溶剤の例としては、乳酸アルキル、3−メチル−3−メトキシブタノール、テトラリン、イソホロン、エチレングリコールモノブチルエーテル等のエチレングリコールモノアルキルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル等のジエチレングリコールモノアルキルエーテル、エチレングリコールモノアルキルまたはフェニルアセテート、トリエチレングリコールモノアルキルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル等のプロピレングリコールモノアルキルエーテル、マロン酸ジエチル等のマロン酸ジアルキル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル等のジプロピレングリコールモノアルキルエーテル、これらアセテート類等のエステル化合物が挙げられる。
【0120】
これらのうち特に好ましい溶剤は、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルイミダゾリジノン、γ−ブチロラクトン、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、およびジプロピレングリコールモノメチルエーテルである。
【0121】
本発明において液晶配向剤中の前記ポリアミック酸を含むポリマー成分の濃度は、特に限定されないが、0.1〜40重量%が好ましい。該液晶配向剤を基板に塗布するときには、膜厚調整のため含有されているポリマー成分を予め溶剤により希釈する操作が必要とされることがある。このとき液晶配向剤に対して溶剤を容易に混合するのに適した粘度に液晶配向剤の粘度を調整する観点から、前記ポリマー成分の濃度は40重量%以下であることが好ましい。
【0122】
また液晶配向剤中における前記ポリマー成分の濃度は、液晶配向剤の塗布方法に応じて調整される場合もある。液晶配向剤の塗布方法がスピンナー法や印刷法のときには、膜厚を良好に保つために、前記ポリマー成分の濃度を通常10重量%以下とすることが多い。その他の塗布方法、例えばディッピング法やインクジェット法では更に濃度を低くすることもあり得る。一方、前記ポリマー成分の濃度が0.1重量%以上であると、得られる液晶配向膜の膜厚が最適となり易い。したがって前記ポリマー成分の濃度は、通常のスピンナー法や印刷法等では0.1重量%以上、好ましくは0.5〜10重量%である。しかしながら、液晶配向剤の塗布方法によっては、更に低い濃度で使用してもよい。
【0123】
なお、液晶配向膜の作製に用いる場合において、本発明の液晶配向剤の粘度は、この液晶配向剤の膜を形成する手段や方法に応じて決めることができる。例えば、印刷機を用いて液晶配向剤の膜を形成する場合は、十分な膜厚を得る観点から5mPa・s以上であることが好ましく、また印刷ムラを抑制する観点から100mPa・s以下であることが好ましく、より好ましくは10〜80mPa・sである。スピンコートによって液晶配向剤を塗布して液晶配向剤の膜を形成する場合は、同様の観点から、5〜200mPa・sであることが好ましく、より好ましくは10〜100mPa・sである。液晶配向剤の粘度は、溶剤による希釈や攪拌を伴う養生によって小さくすることができる。
【0124】
本発明の液晶配向膜は、前述した本発明の液晶配向剤の塗膜が加熱されて形成される膜である。本発明の液晶配向膜は、液晶配向剤から液晶配向膜を作製する通常の方法によって得ることができ、例えば本発明の液晶配向膜は、本発明の液晶配向剤の塗膜を形成する工程と、これを加熱して焼成する工程とによって得ることができる。本発明の液晶配向膜については、必要に応じて、前記焼成工程で得られる膜をラビング処理してもよい。
【0125】
前記塗膜は、通常の液晶配向膜の作製と同様に、液晶表示素子における基板に本発明の液晶配向剤を塗布することによって形成することができる。前記基板には、ITO(Indium TinOxide)電極等の電極やカラーフィルタ等が設けられていてもよいガラス製の基板が挙げられる。
【0126】
液晶配向剤を基板に塗布する方法としてはスピンナー法、印刷法、ディッピング法、滴下法、インクジェット法等が一般に知られている。これらの方法は本発明においても同様に適用可能である。
【0127】
前記塗膜の焼成は、前記ポリアミック酸が脱水・閉環反応を呈するのに必要な条件で行うことができる。前記塗膜の焼成は、オーブンまたは赤外炉の中で加熱処理する方法、ホットプレート上で加熱処理する方法等が一般に知られている。これらの方法も本発明において同様に適用可能である。一般に150〜300℃程度の温度で1分間〜3時間行うことが好ましい。
【0128】
前記ラビング処理は、通常の液晶配向膜の配向処理のためのラビング処理と同様に行うことができ、本発明の液晶配向膜において十分なリタデーションが得られる条件であればよい。特に好ましい条件は、毛足押し込み量0.2〜0.8mm、ステージ移動速度5〜250mm/sec、ローラー回転速度500〜2,000rpmである。液晶配向膜の配向処理方法としては、ラビング法の他に、光配向法や転写法等が一般に知られている。本発明の効果が得られる範囲において、これらの他の配向処理方法を前記ラビング処理において併用してもよい。
【0129】
本発明の液晶配向膜は、前述した工程以外の他の工程をさらに含む方法によって好適に得られる。このような他の工程としては、前記塗膜を乾燥させる工程や、ラビング処理前後の膜を洗浄液で洗浄する工程等が挙げられる。
【0130】
乾燥工程は、前記焼成工程と同様に、オーブンまたは赤外炉の中で加熱処理する方法、ホットプレート上で加熱処理する方法等が一般に知られている。これらの方法も前記乾燥工程に同様に適用可能である。乾燥工程は溶剤の蒸発が可能な範囲内の温度で実施することが好ましく、前記焼成工程における温度に対して比較的低い温度で実施することがより好ましい。
【0131】
配向処理の前後における液晶配向膜の洗浄液による洗浄方法としては、ブラッシング、ジェットスプレー、蒸気洗浄または超音波洗浄等が挙げられる。これらの方法は単独で行ってもよいし、併用してもよい。洗浄液としては純水または、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール等の各種アルコール類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、塩化メチレン等のハロゲン系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類を用いることができるが、これらに限定されるものではない。もちろん、これらの洗浄液は十分に精製された不純物の少ないものが用いられる。このような洗浄方法は、本発明の液晶配向膜の形成における前記洗浄工程にも適用することができる。
【0132】
本発明の液晶配向膜の膜厚は、特に限定されないが、10〜300nmであることが好ましく、30〜150nmであることがより好ましい。本発明の液晶配向膜の膜厚は、段差計やエリプソメータ等の公知の膜厚測定装置によって測定することができる。
【0133】
本発明の液晶表示素子は、一対の基板と液晶分子を含有し、この一対の基板の間に形成される液晶層と、液晶層に電圧を印加する電極と、液晶分子を所定の方向に配向させる本発明の液晶配向膜とを有する。
【0134】
基板には本発明の液晶配向膜で前述したガラス製の基板を用いることができ、電極には本発明の液晶配向膜で前述したようにガラス製の基板に形成されるITO電極を用いることができる。液晶層は液晶配向膜面を内側にした基板間に密封される液晶組成物によって形成される。
【0135】
使用する液晶組成物には、特に制限はなく、誘電率異方性が正または負の各種の液晶組成物を用いることができる。誘電率異方性が正の好ましい液晶組成物には、特許第3086228号公報、特許第2635435号公報、特表平5−501735号公報、特開平8−157826号公報、特開平8−231960号公報、特開平9−241644号公報(EP885272A1明細書)、特開平9−302346号公報(EP806466A1明細書)、特開平8−199168号公報(EP722998A1明細書)、特開平9−235552号公報、特開平9−255956号公報、特開平9−241643号公報(EP885271A1明細書)、特開平10−204016号公報(EP844229A1明細書)、特開平10−204436号公報、特開平10−231482号公報、特開2000−087040公報、特開2001−48822公報等に開示されている液晶組成物が挙げられる。
【0136】
誘電率異方性が負の好ましい液晶組成物には、特開昭57−114532号公報、特開平2−4725号公報、特開平4−224885号公報、特開平8−40953号公報、特開平8−104869号公報、特開平10−168076号公報、特開平10−168453号公報、特開平10−236989号公報、特開平10−236990号公報、特開平10−236992号公報、特開平10−236993号公報、特開平10−236994号公報、特開平10−237000号公報、特開平10−237004号公報、特開平10−237024号公報、特開平10−237035号公報、特開平10−237075号公報、特開平10−237076号公報、特開平10−237448号公報(EP967261A1明細書)、特開平10−287874号公報、特開平10−287875号公報、特開平10−291945号公報、特開平11−029581号公報、特開平11−080049号公報、特開2000−256307公報、特開2001−019965公報、特開2001−072626公報、特開2001−192657公報等に開示されている液晶組成物が挙げられる。
【0137】
前記誘電率異方性が正または負の液晶組成物に一種以上の光学活性化合物を添加して使用することも何ら差し支えない。
【0138】
本発明の液晶表示素子は、種々の電界方式用の液晶表示素子を形成することができる。このような電界方式用の液晶表示素子には、前記基板の表面に対して水平方向に前記電極が前記液晶層に電圧を印加する横電界方式用の液晶表示素子や、前記基板の表面に対して垂直方向に前記電極が前記液晶層に電圧を印加する縦電界方式用の液晶表示素子が挙げられる。
【0139】
横電界方式用の液晶表示素子は、比較的大きなプレチルト角を発現しなくてもよい。従って、横電界方式用の液晶表示素子には、非側鎖型ジアミンを用いて得られる非側鎖型ポリアミック酸を含有する液晶配向剤から形成される液晶配向膜が好適に用いられる。
【0140】
縦電界方式用の液晶表示素子は、比較的大きなプレチルト角の発現を要する。従って、縦電界方式用の液晶表示素子には、側鎖型ジアミンまたはこれを含むジアミン混合物を用いて得られる側鎖型ポリアミック酸を含有する液晶配向剤から形成される液晶配向膜が好適に用いられる。
【0141】
このように、本発明の液晶配向剤を原料として作製される液晶配向膜は、その原料であるポリマーを適宜選択することにより、種々の表示駆動方式の液晶表示素子に適用させることができる。
【0142】
本発明の液晶表示素子は、前述した構成要素以外の要素をさらに有していてもよい。このような他の構成要素として、本発明の液晶表示素子には、偏光板(偏光フィルム)、波長板、光散乱フィルム、駆動回路等の、液晶表示素子に通常使用される構成要素が実装されてもよい。
【実施例】
【0143】
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。実施例において用いる化合物は次の通りである。
<テトラカルボン酸二無水物>
カルボン酸(1):ピロメリット酸二無水物
カルボン酸(19):1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物
【0144】
<ジアミン>
ジアミン(VI−7):1,4−ビス(4−アミノフェニル)−1,4−ジアザシクロヘキサン
ジアミン(V−1):4,4’−ジアミノジフェニルメタン
ジアミン(V−7):1,2−ビス(4−アミノフェニル)エタン
ジアミン(XII−4−1):1,1−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル−4−(トランス−4−n−ペンチルシクロヘキシル)シクロヘキサン
ジアミン(XII−2−1):1,1−ビス[4−(4−アミノフェニルメチル)フェニル]−4−n−ヘプチルシクロヘキサン
ジアミン(N−1):1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ナフタレン
ジアミン(V−36):N,N’−ビス(4−アミノフェニル)−N,N’−ジメチルエチレンジアミン
【0145】
<溶剤>
NMP:N−メチル−2−ピロリドン
BC:ブチルセロソルブ(エチレングリコールモノブチルエーテル)
【0146】
<1.ポリアミック酸の合成>
[合成例1]
温度計、攪拌機、原料投入仕込み口および窒素ガス導入口を備えた100mLの四つ口フラスコにジアミン(VI−7)を2.242g、ジアミン(N−1)を1.072g、ジアミン(XII−2−1)を0.569g、および脱水NMP80.0gを入れ、乾燥窒素気流下攪拌溶解した。次いでカルボン酸(1)を0.683gとカルボン酸(19)を1.434gを入れ、室温環境下で30時間反応させた。反応中に反応温度が上昇する場合は、反応温度を約70℃以下に抑えて反応させた。得られた溶液に、BC14.0gを加えて、濃度が6重量%のポリアミック酸溶液を得た。このポリアミック酸をPA1とする。PA1の重量平均分子量は40,100であった。
【0147】
ポリアミック酸の重量平均分子量は、得られたポリアミック酸をリン酸−DMF混合溶液(リン酸/DMF=0.6/100:重量比)でポリアミック酸濃度が約1重量%になるように希釈し、2695セパレーションモジュール・2414示差屈折計(Waters製)を用いて、上記混合溶液を展開剤としてGPC法により測定し、ポリスチレン換算することにより求めた。なお、カラムはHSPgel RT MB−M(Waters製)を使用し、カラム温度40℃、流速0.35mL/minの条件で測定した。
【0148】
[合成例2〜7]
表1に示したようにテトラカルボン酸二無水物およびジアミンを変更した以外は、合成例1に準拠してポリアミック酸溶液(PA2)〜(PA7)を調製した。合成例1を含めて、結果を表1にまとめた。
【0149】
<表1>

【0150】
<2.液晶表示素子の作製>
[実施例1]
合成例1で合成した濃度6重量%のポリアミック酸溶液(PA1)を、NMP/BC=1/1(重量比)の混合溶剤を加えて全体を4重量%に希釈して液晶配向剤とした。得られた液晶配向剤を用いて、下記の通り液晶表示素子を作製した。
【0151】
<液晶表示素子の作製方法>
液晶配向剤を、二枚のITO電極付きガラス基板にスピンナーにて塗布し、膜厚70nmの膜を形成した。塗膜後80℃にて約5分間加熱乾燥した後、210℃にて20分間加熱処理を行い、液晶配向膜を形成した。次いで、液晶配向膜が形成された基板の表面をラビング装置にてラビング処理して配向処理を行った。その後、液晶配向膜を超純水中で5分間超音波洗浄してからオーブン中120℃で30分間乾燥した。
【0152】
一方のガラス基板に7μmのギャップ材を散布し、液晶配向膜を形成した面を内側にしてラビング方向が逆平行になるように対向配置させた後、エポキシ硬化剤でシールし、ギャップ7μmのアンチパラレルセルを作製した。該セルに、下記に示す液晶組成物を注入し、注入口を光硬化剤で封止した。次いで、110℃で30分間加熱処理を行い、液晶表示素子を作製した。
【0153】
<液晶組成物>


【0154】
[実施例2]
合成例2で合成した濃度6重量%のポリアミック酸溶液(PA2)を、NMP/BC=1/1(重量比)の混合溶剤を加えて全体を4重量%に希釈して液晶配向剤とした。得られた液晶配向剤を用いて、実施例1と同様に液晶表示素子を作製した。
【0155】
[実施例3]
合成例3で合成した濃度6重量%のポリアミック酸溶液(PA3)を、NMP/BC=1/1(重量比)の混合溶剤を加えて全体を4重量%に希釈して液晶配向剤とした。得られた液晶配向剤を用いて、実施例1と同様に液晶表示素子を作製した。
【0156】
[比較例1]
合成例4で合成した濃度6重量%のポリアミック酸溶液(PA4)を、NMP/BC=1/1(重量比)の混合溶剤を加えて全体を4重量%に希釈して液晶配向剤とした。得られた液晶配向剤を用いて、実施例1と同様に液晶表示素子を作製した。
【0157】
[比較例2]
合成例5で合成した濃度6重量%のポリアミック酸溶液(PA5)を、NMP/BC=1/1(重量比)の混合溶剤を加えて全体を4重量%に希釈して液晶配向剤とした。得られた液晶配向剤を用いて、実施例1と同様に液晶表示素子を作製した。
【0158】
[比較例3]
合成例6で合成した濃度6重量%のポリアミック酸溶液(PA6)を、NMP/BC=1/1(重量比)の混合溶剤を加えて全体を4重量%に希釈して液晶配向剤とした。得られた液晶配向剤を用いて、実施例1と同様に液晶表示素子を作製した。
【0159】
[比較例4]
合成例7で合成した濃度6重量%のポリアミック酸溶液(PA7)を、NMP/BC=1/1(重量比)の混合溶剤を加えて全体を4重量%に希釈して液晶配向剤とした。得られた液晶配向剤を用いて、実施例1と同様に液晶表示素子を作製した。
【0160】
<3.電気特性の評価>
実施例1〜3、比較例1〜4で作製した液晶表示素子について、電圧保持率の測定と長期信頼性の測定を以下のようにして行った。
【0161】
1)電圧保持率の測定
東陽テクニカ製液晶物性評価装置6254型を用いて電圧保持率の測定を行った。測定条件は、ゲート幅:60μs、周波数:3Hz、波高:±1Vであり、測定温度は60℃とした。この値が高いほど電気特性は良好であると言える。結果を表2に示す。
【0162】
2)電圧保持率の保持特性の測定
作製した液晶表示素子について、経時的に電圧保持率[%]を求め、その保持特性を評価した。保持特性の試験方法には、温度100℃の雰囲気中に液晶表示素子を放置し、途中経時的に取り出し電圧保持率[%]を測定する方法を採用した。電圧保持率の減少が小さいほど(例えば、下記の式による減少率が10%未満)電圧保持率の保持特性が良好であると言え、また電気特性の長期信頼性が良好であると言える。
減少率(%)=(初期(0時間)の電圧保持率−500時間後の電圧保持率)/初期の電圧保持率×100
300時間後および500時間後のデータを表2に示す。
【0163】
<表2>

【0164】
表2に示されたように、ジアミン(N)を含む原料ジアミンを用いてポリアミック酸を製造するとき、このポリマーを含有する液晶配向剤を用いて液晶配向膜とした液晶表示素子では、電圧保持率の経時的減少を抑制する効果が顕著に改善された。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリアミック酸とその誘導体とからなる群から選ばれる少なくとも1つのポリマーを含有する組成物であって、このポリマーが式(N)で表されるジアミンの少なくとも1つまたはこの式(N)で表されるジアミンの少なくとも1つと式(N)で表されないジアミンであるその他のジアミンの少なくとも1つとの混合物をテトラカルボン酸二無水物と反応させて得られるポリアミック酸またはその誘導体である液晶配向剤。


(ここに、Aは独立して炭素数1〜10のアルキル、炭素数1〜10のアルコキシ、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、フッ素、塩素または臭素であり;mは独立して0〜3の整数であり;Aは独立して−O−、−NH−、−N(CH)−、または−S−であり;そして、2つのアミノ基のベンゼン環への結合位置はAおよびAの結合位置を除く任意の位置である。)
【請求項2】
式(N)における2つのアミノ基の結合位置が共にAに対してパラ位である、請求項1に記載の液晶配向剤。
【請求項3】
ジアミンが式(N−1)〜式(N−5)、式(N−7)、式(N−8)、式(N−13)、式(N−15)および式(N−16)で表される化合物群から選ばれる少なくとも1つのジアミンまたはこの(これらの)ジアミンとその他のジアミンとの混合物である、請求項1に記載の液晶配向剤。


(これらの式において、Meはメチルを意味する。)
【請求項4】
ジアミンが式(N−1)および式(N−3)で表されるジアミンの少なくとも1つまたはこの(これらの)ジアミンとその他のジアミンとの混合物である、請求項3に記載の液晶配向剤。
【請求項5】
ジアミンが式(N)で表されるジアミンの少なくとも1つとその他のジアミンとの混合物であり、その他のジアミンが式(VIII)および式(X)〜式(XIII)で表されるジアミン群から選ばれる側鎖基を有するジアミンの少なくとも1つである、請求項1に記載の液晶配向剤。


(ここに、Aは単結合、−O−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CONH−、−CHO−、−CFO−、または炭素数1〜6のアルキレンであって、このアルキレンにおける任意の−CH−は−O−、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよく;Rはステロイド骨格を有する基、炭素数3〜30のアルキル、炭素数1〜30のアルキルもしくは炭素数1〜30のアルコキシを置換基として有するフェニル、または式(IX)で表される基であって、この炭素数3〜30のアルキルにおける任意の−CH−は−O−、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよい。)


(ここに、AおよびAは独立して単結合、−O−、−COO−、−OCO−、−CONH−、炭素数1〜4のアルキレン、炭素数1〜3のオキシアルキレン、または炭素数1〜3のアルキレンオキシであり;環Bおよび環Cは独立して1,4−フェニレンまたは1,4−シクロヘキシレンであり;RおよびRは独立してフッ素またはメチルであって、fおよびgは独立して0、1または2であり;c、dおよびeは独立して0〜3の整数であって、これらの合計は1以上であり;Rは炭素数1〜30のアルキル、炭素数1〜30のアルコキシ、または炭素数2〜30のアルコキシアルキルであり、これらのアルキル、アルコキシおよびアルコキシアルキルにおいて、任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく、そして任意の−CH−はジフルオロメチレンで置き換えられてもよい。)




(式(X)および式(XI)において、Rは独立して水素またはメチルであり、Rは水素、炭素数1〜20のアルキルまたは炭素数2〜20のアルケニルであり、RおよびRはそれぞれ独立して炭素数1〜20のアルキルまたはフェニルであり、Aは独立して単結合、−CO−または−CH−である。)




(式(XII)および式(XIII)において、Rは炭素数1〜30のアルキルであって、このアルキルの任意の−CH−は、−O−、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよく;R10は炭素数6〜22のアルキルであり;R11は炭素数1〜22のアルキルであり;Aは独立して−O−または炭素数1〜6のアルキレンであり;Aは単結合または炭素数1〜3のアルキレンであり;環Tは1,4−フェニレンまたは1,4−シクロヘキシレンであり;hは0または1である。)
【請求項6】
ジアミンが式(N−1)〜式(N−5)、式(N−7)、式(N−8)、式(N−13)、式(N−15)および式(N−16)で表される化合物群から選ばれる少なくとも1つのジアミンとその他のジアミンとの混合物であり、その他のジアミンが式(VIII−2)、式(VIII−4)〜式(VIII−6)、式(XII−2)、式(XII−4)および式(XII−6)で表されるジアミンから選ばれる側鎖基を有するジアミンの少なくとも1つである、請求項3に記載の液晶配向剤。










(これらの式において、R23、R29およびR30はそれぞれ炭素数1〜30のアルキルまたは炭素数1〜30のアルコキシである。)
【請求項7】
ジアミンが側鎖基を持たないジアミンをさらに含有する混合物であって、この側鎖基を持たないジアミンが式(I)〜式(VII)および式(XV)で表される化合物の群から選ばれる少なくとも1つである、請求項1〜6のいずれか1項に記載の液晶配向剤。


(これらの式において、Xは炭素数2〜12の直鎖アルキレンであり;Yは独立して単結合、−O−、−CO−、−NH−、−N(CH)−、−CONH−、−NHCO−、−C(CH−、−C(CF−、−O−(CH−O−、−S−、−S−S−、−SO−、−S−(CH−S−または炭素数1〜12の直鎖アルキレンであって、tは1〜12の整数であり;ZおよびZは水素であるが、Yが−NH−、−N(CH)−、−CH−、−C(CH−または−C(CF−であるときには互いに結合して単結合を形成してもよく;環Dはフェニレンまたは1,4−ジアザシクロヘキシレンであり;R33およびR34はそれぞれ独立して炭素数1〜3のアルキルまたはフェニルであり;Aは独立して炭素数1〜6のアルキレン、フェニレンまたはアルキル置換されたフェニレンであり;mは1〜10の整数であり;シクロヘキサン環またはベンゼン環の任意の水素は、フッ素、メチル、−OH、−COOH、−SOH、−PO、ベンジルまたはヒドロキシベンジルで置き換えられてもよい。)
【請求項8】
側鎖基を持たないジアミンが式(IV−1)、式(IV−2)、式(IV−15)〜式(IV−17)、式(V−1)〜式(V−12)、式(V−33)、式(V−35)〜式(V−37)、式(VI−7)、式(VII−2)および式(XV−1)で表されるジアミンの少なくとも1つである、請求項7に記載の液晶配向剤。


















【請求項9】
ポリマーが、式(N)で表されるジアミンの少なくとも1つと式(VIII)および式(X)〜式(XIII)で表されるジアミン群から選ばれる側鎖基を有するジアミンの少なくとも1つとの混合物または式(N)で表されるジアミンの少なくとも1つと式(VIII)および式(X)〜式(XIII)で表されるジアミン群から選ばれる側鎖基を有するジアミンの少なくとも1つと式(I)〜式(VII)および式(XV)で表されるジアミン群から選ばれる側鎖基を持たないジアミンの少なくとも1つとからなる混合物をテトラカルボン酸二無水物と反応させて得られるポリアミック酸またはその誘導体と、前記の側鎖基を持たないジアミンの少なくとも1つまたはこの側鎖基を持たないジアミンの少なくとも1つと式(N)で表されるジアミンの少なくとも1つとの混合物をテトラカルボン酸二無水物と反応させて得られるポリアミック酸またはその誘導体との混合物である、請求項1に記載の液晶配向剤。


(ここに、Aは単結合、−O−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CONH−、−CHO−、−CFO−、または炭素数1〜6のアルキレンであって、このアルキレンにおける任意の−CH−は−O−、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよく;Rはステロイド骨格を有する基、炭素数3〜30のアルキル、炭素数1〜30のアルキルもしくは炭素数1〜30のアルコキシを置換基として有するフェニル、または式(IX)で表される基であって、この炭素数3〜30のアルキルにおける任意の−CH−は−O−、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよい。)


(ここに、AおよびAは独立して単結合、−O−、−COO−、−OCO−、−CONH−、炭素数1〜4のアルキレン、炭素数1〜3のオキシアルキレン、または炭素数1〜3のアルキレンオキシであり;環Bおよび環Cは独立して1,4−フェニレンまたは1,4−シクロヘキシレンであり;RおよびRは独立してフッ素またはメチルであって、fおよびgは独立して0、1または2であり;c、dおよびeは独立して0〜3の整数であって、これらの合計は1以上であり;Rは炭素数1〜30のアルキル、炭素数1〜30のアルコキシ、または炭素数2〜30のアルコキシアルキルであり、これらのアルキル、アルコキシおよびアルコキシアルキルにおいて、任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく、そして任意の−CH−はジフルオロメチレンで置き換えられてもよい。)




(式(X)および式(XI)において、Rは独立して水素またはメチルであり、Rは水素または炭素数1〜20のアルキルもしくはアルケニルであり、RおよびRはそれぞれ独立して炭素数1〜20のアルキルまたはフェニルであり、Aは独立して単結合、−CO−または−CH−である。)




(式(XII)および式(XIII)において、Rは炭素数1〜30のアルキルであって、このアルキルの任意の−CH−は、−O−、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよく;R10は炭素数6〜22のアルキルであり;R11は炭素数1〜22のアルキルであり;Aは独立して−O−または炭素数1〜6のアルキレンであり;Aは単結合または炭素数1〜3のアルキレンであり;環Tは1,4−フェニレンまたは1,4−シクロヘキシレンであり;hは0または1である。)


(式(I)〜式(VII)および式(XV)において、Xは炭素数2〜12の直鎖アルキレンであり;Yは独立して単結合、−O−、−CO−、−NH−、−N(CH)−、−CONH−、−NHCO−、−C(CH−、−C(CF−、−O−(CH−O−、−S−、−S−S−、−SO−、−S−(CH−S−または炭素数1〜12の直鎖アルキレンであって、tは1〜12の整数であり;ZおよびZは水素であるが、Yが−NH−、−N(CH)−、−CH−、−C(CH−または−C(CF−であるときには互いに結合して単結合を形成してもよく;環Dはフェニレンまたは1,4−ジアザシクロヘキシレンであり;R33およびR34はそれぞれ独立して炭素数1〜3のアルキルまたはフェニルであり;Aは独立して炭素数1〜6のアルキレン、フェニレンまたはアルキル置換されたフェニレンであり;mは1〜10の整数であり;シクロヘキサン環またはベンゼン環の任意の水素は、フッ素、メチル、−OH、−COOH、−SOH、−PO、ベンジルまたはヒドロキシベンジルで置き換えられてもよい。)
【請求項10】
ポリマーが、式(N)で表されるジアミンの少なくとも1つと式(I)〜式(VII)および式(XV)で表されるジアミン群から選ばれる側鎖基を持たないジアミンの少なくとも1つとの混合物をテトラカルボン酸二無水物と反応させて得られるポリアミック酸またはその誘導体と、式(VIII)および式(X)〜式(XIII)で表されるジアミン群から選ばれる側鎖基を有するジアミンの少なくとも1つまたはこの側鎖基を有するジアミンの少なくとも1つと前記の側鎖基を持たないジアミンの少なくとも1つとの混合物をテトラカルボン酸二無水物と反応させて得られるポリアミック酸またはその誘導体との混合物である、請求項1に記載の液晶配向剤。


(ここに、Aは単結合、−O−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CONH−、−CHO−、−CFO−、または炭素数1〜6のアルキレンであって、このアルキレンにおける任意の−CH−は−O−、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよく;Rはステロイド骨格を有する基、炭素数3〜30のアルキル、炭素数1〜30のアルキルもしくは炭素数1〜30のアルコキシを置換基として有するフェニル、または式(IX)で表される基であって、この炭素数3〜30のアルキルにおける任意の−CH−は−O−、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよい。)


(ここに、AおよびAは独立して単結合、−O−、−COO−、−OCO−、−CONH−、炭素数1〜4のアルキレン、炭素数1〜3のオキシアルキレン、または炭素数1〜3のアルキレンオキシであり;環Bおよび環Cは独立して1,4−フェニレンまたは1,4−シクロヘキシレンであり;RおよびRは独立してフッ素またはメチルであって、fおよびgは独立して0、1または2であり;c、dおよびeは独立して0〜3の整数であって、これらの合計は1以上であり;Rは炭素数1〜30のアルキル、炭素数1〜30のアルコキシ、または炭素数2〜30のアルコキシアルキルであり、これらのアルキル、アルコキシおよびアルコキシアルキルにおいて、任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく、そして任意の−CH−はジフルオロメチレンで置き換えられてもよい。)




(式(X)および式(XI)において、Rは独立して水素またはメチルであり、Rは水素または炭素数1〜20のアルキルもしくはアルケニルであり、RおよびRはそれぞれ独立して炭素数1〜20のアルキルまたはフェニルであり、Aは独立して単結合、−CO−または−CH−である。)




(式(XII)および式(XIII)において、Rは炭素数1〜30のアルキルであって、このアルキルの任意の−CH−は、−O−、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよく;R10は炭素数6〜22のアルキルであり;R11は炭素数1〜22のアルキルであり;Aは独立して−O−または炭素数1〜6のアルキレンであり;Aは単結合または炭素数1〜3のアルキレンであり;環Tは1,4−フェニレンまたは1,4−シクロヘキシレンであり;hは0または1である。)


(式(I)〜式(VII)および式(XV)において、Xは炭素数2〜12の直鎖アルキレンであり;Yは独立して単結合、−O−、−CO−、−NH−、−N(CH)−、−CONH−、−NHCO−、−C(CH−、−C(CF−、−O−(CH−O−、−S−、−S−S−、−SO−、−S−(CH−S−または炭素数1〜12の直鎖アルキレンであって、tは1〜12の整数であり;ZおよびZは水素であるが、Yが−NH−、−N(CH)−、−CH−、−C(CH−または−C(CF−であるときには互いに結合して単結合を形成してもよく;環Dはフェニレンまたは1,4−ジアザシクロヘキシレンであり;R33およびR34はそれぞれ独立して炭素数1〜3のアルキルまたはフェニルであり;Aは独立して炭素数1〜6のアルキレン、フェニレンまたはアルキル置換されたフェニレンであり;mは1〜10の整数であり;シクロヘキサン環またはベンゼン環の任意の水素は、フッ素、メチル、−OH、−COOH、−SOH、−PO、ベンジルまたはヒドロキシベンジルで置き換えられてもよい。)
【請求項11】
式(N)で表されるジアミンが式(N−1)〜式(N−5)、式(N−7)、式(N−8)、式(N−13)、式(N−15)または式(N−16)で表されるジアミンであり、側鎖基を有するジアミンが式(VIII−2)、式(VIII−4)〜式(VIII−6)、式(XII−2)、式(XII−4)または式(XII−6)で表されるジアミンであり、そして側鎖基を持たないジアミンが式(IV−1)、式(IV−2)、式(IV−15)〜式(IV−17)、式(V−1)〜式(V−12)、式(V−33)、式(V−35)〜式(V−37)、式(VI−7)、式(VII−2)または式(XV−1)で表されるジアミンである、請求項9または10に記載の液晶配向剤。


(これらの式において、Meはメチルを意味する。)










(これらの式において、R23、R29およびR30はそれぞれ炭素数1〜30のアルキルまたは炭素数1〜30のアルコキシである。)


















【請求項12】
テトラカルボン酸二無水物が芳香族テトラカルボン酸二無水物または芳香族テトラカルボン酸二無水物と芳香族以外のテトラカルボン酸二無水物との混合物である、請求項1〜11のいずれか1項に記載の液晶配向剤。
【請求項13】
芳香族テトラカルボン酸二無水物が式(1)、式(2)、式(5)〜式(7)、式(11)および式(14)で表される化合物群から選ばれる少なくとも1つである、請求項12に記載の液晶配向剤。






【請求項14】
芳香族テトラカルボン酸二無水物が式(1)で表される化合物である、請求項13に記載の液晶配向剤。
【請求項15】
芳香族以外のテトラカルボン酸二無水物が脂環式テトラカルボン酸二無水物および/または脂肪族テトラカルボン酸二無水物である、請求項12に記載の液晶配向剤。
【請求項16】
芳香族テトラカルボン酸二無水物が式(1)、式(2)、式(5)〜式(7)、式(11)および式(14)で表される化合物群から選ばれる少なくとも1つであり、そして芳香族以外のテトラカルボン酸二無水物が式(19)、式(23)、式(25)、式(35)〜式(39)、式(44)および式(49)で表される化合物群から選ばれる少なくとも1つである、請求項12に記載の液晶配向剤。












【請求項17】
芳香族テトラカルボン酸二無水物が式(1)で表される化合物であり、芳香族以外のテトラカルボン酸二無水物が式(19)で表される化合物である、請求項16に記載の液晶配向剤。
【請求項18】
アルケニル置換ナジイミド化合物、ラジカル重合性不飽和二重結合を有する化合物、オキサジン化合物、オキサゾリン化合物、およびエポキシ化合物から選ばれる少なくとも1つの化合物をさらに含有する、請求項1〜17のいずれか1項に記載の液晶配向剤。
【請求項19】
請求項1〜18のいずれか1項に記載の液晶配向剤の塗膜が加熱されて形成される液晶配向膜。
【請求項20】
一対の基板と、液晶分子を含有し、前記一対の基板の間に形成される液晶層と、液晶層に電圧を印加する電極と、前記液晶分子を所定の方向に配向させる液晶配向膜とを有する液晶表示素子において、前記液晶配向膜が請求項19に記載の液晶配向膜であることを特徴とする液晶表示素子。

【公開番号】特開2010−106091(P2010−106091A)
【公開日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−277664(P2008−277664)
【出願日】平成20年10月29日(2008.10.29)
【出願人】(000002071)チッソ株式会社 (658)
【出願人】(596032100)チッソ石油化学株式会社 (309)
【Fターム(参考)】