説明

液面検知装置の取付構造

【課題】 安価で、かつ、容易に液面検知装置を取付けることのできる液面検知装置の取付構造を提供する。
【解決手段】 サーミスタ16を弾性的に保持する弾性保持部材18を備えた液面検知装置取付部17を設けるとともに、導電性材料により構成されサーミスタ16の外周面に弾性力により接触されるアースプレート22を設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は液面検知装置の取付構造に係り、特に、燃料タンク内に配置されるサーミスタなどの液面検知装置を取付けるための液面検知装置の取付構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、二輪車用の燃料供給装置として、蓋部材に燃料ポンプを保持するポンプホルダを装着するとともに、この燃料ポンプの吸引口側にフィルタを配置してなる燃料供給装置が知られている。この燃料供給装置は、二輪車の燃料タンクの下方底部に形成された開口から、燃料ポンプおよびフィルタが燃料タンク内に位置するように挿入され、蓋部材により燃料タンクの開口を閉塞することにより、設置されるものである。
【0003】
そして、燃料タンク内に貯溜される燃料は、フィルタによりその異物が除去された後、燃料ポンプにより吸引されて昇圧され、この昇圧された燃料が燃料配管等を介してエンジンの燃料噴射弁に供給されるようになっている。
【0004】
このとき、燃料タンク内に残留する燃料の液面を検知するためのサーミスタなどの液面検知装置が設けられるようになっている。この液面検知装置の取付構造として、従来から、サーミスタ支持片にホルダを取付けるとともに、このホルダにサーミスタを溶接などにより固着し、サーミスタのハウジングに直接アース線をはんだ付けなどにより接続するようにした技術が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
また、その他の液面検知装置の取付構造として、樹脂による弾性変形が可能なホルダにその弾性力によりサーミスタを保持させるとともに、導電性のスプリングを介してサーミスタのアースをとるようにした技術が開示されている(例えば、特許文献2参照。)。
【特許文献1】特開2004−308602号
【特許文献2】特開2007−126981号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前記特許文献1に記載の液面検知装置の取付構造においては、アース線をサーミスタのハウジングに直接はんだ付けするものであるため、その際に生じる熱により、ハウジングの内部配線の断線を招き、検知不能などの不具合が生じるおそれがあるという問題を有している。これを防止するため、はんだ付けの温度や時間を厳密に管理する必要があり、工程管理が極めて困難になってしまうという問題を有している。
【0007】
また、前記特許文献2に記載の液面検知装置の取付構造においては、ホルダの弾性力のみによりサーミスタを固定する構造なので、ホルダを樹脂により形成した場合に、樹脂の膨潤などによりサーミスタの保持力が弱まってしまうおそれがあるという問題を有している。また、スプリングを用いてアースをとるようにしているので、サーミスタの取付方向が限定されてしまうという問題を有しており、しかも、ホルダを導電性材料で形成してホルダを介してアースをとる場合には、ホルダの材料が限定されてしまい、設計の自由度が低くなってしまうとともに、導電性樹脂を用いると、材料コストが高くなってしまうという問題を有している。
【0008】
本発明は前記した点に鑑みてなされたものであり、安価で、かつ、容易に液面検知装置を取付けることのできる液面検知装置の取付構造を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記目的を達成するため請求項1に記載の発明に係る液面検知装置の取付構造は、燃料タンクの内部に配置される液面検知装置を取り付けるための液面検知装置の取付構造において、前記液面検知装置を弾性的に保持する弾性保持部材を備えた液面検知装置取付部を設けるとともに、導電性材料により構成され前記液面検知装置の外周面に弾性力により接触されるアースプレートを設けたことを特徴とする。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1において、前記アースプレートは、前記液面検知装置の外周面に接触された状態で、前記弾性保持部材の内面により挟持されるように配置されていることを特徴とする。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項1において、前記アースプレートは、前記液面検知装置が前記弾性保持部材に保持された状態で、前記弾性保持部材の外周側に装着され、前記アースプレートには、前記液面検知装置の外周面に接触する弾性突起が一体に形成されていることを特徴とする。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれか一項において、前記弾性保持部材には、前記アースプレートの上下方向の脱落を防止する脱落防止部が設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に係る発明によれば、液面検知装置を弾性保持部材の弾性力に抗してはめ込むことにより、液面検知装置を保持し、液面検知装置の外周にアースプレートを係合させることにより、アースをとるようにしているので、液面検知装置のハウジングに直接はんだ付けや溶接などを行うことなく、アースをとることができ、はんだ付けなどの厳密な管理が不要となり、安価に製造することができる。しかも、液面検知装置を弾性保持部材にはめ込むだけで容易に液面検知装置の取付けを行うことができ、また、液面検知装置の取付け方向にも影響されることなく、確実に液面検知装置を保持することができる。
【0014】
請求項2に係る発明によれば、弾性保持部材の弾性力に抗してはめ込むことにより、液面検知装置を保持し、さらに弾性保持部材の内面により液面検知装置との間でアースプレートを挟持するようにしているので、液面検知装置のハウジングに直接はんだ付けや溶接などを行うことなく、アースをとることができ、はんだ付けなどの厳密な管理が不要となり、安価に製造することができる。しかも、液面検知装置と弾性保持部材との間で、アースプレートを挟持するようにしているので、アースプレートを強固に保持することができ、アースプレートと液面検知装置との接触状態を確実に維持することができる。さらに、アースプレートによりアースをとるようにしているので、液面検知装置取付部は、導電性材料を用いる必要がなく、材料コストを低減させることができ、安価に製造することができる。
【0015】
請求項3に係る発明によれば、液面検知装置を弾性保持部材により保持するとともに、弾性保持部材の外周側にアースプレートを装着し、この状態で、弾性突起の先端部分が液面検知装置の外周面に接触し、液面検知装置のアースをとるようにしているので、液面検知装置のハウジングに直接はんだ付けや溶接などを行うことなく、アースをとることができ、はんだ付けなどの厳密な管理が不要となり、安価に製造することができる。しかも、弾性保持部材を樹脂材料により形成した場合、樹脂が燃料により膨潤して弾性保持部材による保持力が弱まるおそれがあるが、弾性保持部材の外周側にアースプレートを装着するようにしているので、アースプレートにより弾性保持部材の保持力を長期にわたって維持することができる。さらに、アースプレートによりアースをとるようにしているので、液面検知装置取付部は、導電性材料を用いる必要がなく、材料コストを低減させることができ、安価に製造することができる。
【0016】
請求項4に係る発明によれば、弾性保持部材にアースプレートの上下方向の脱落を防止する脱落防止部を設けるようにしているので、脱落防止部にアースプレートを当接させることにより、アースプレートの脱落を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1および図2は本発明に係る液面検知装置の取付構造が適用される燃料供給装置の第1実施形態を示したものである。
【0018】
本実施形態における燃料供給装置1は、二輪車の燃料タンク(図示せず)の下面に取付けられる蓋部材2を備えている。この蓋部材2は、底面が閉塞された円筒状を有しており、蓋部材2の外周面には、半径方向に突出する鍔部3が形成されている。蓋部材2の内部底面には、後述する燃料ポンプ4を下方から支持するポンプ支持部材5が突設されている。蓋部材2の一側には、軸方向に延在し上端部が蓋部材2の上端に開口するとともに、下端部が蓋部材2の下方側面に開口する燃料吐出路6が形成されており、この燃料吐出路6の下方開口部には、蓋部材2の下方側面から外方にほぼ水平方向に延出される燃料吐出管7が接続されている。
【0019】
また、蓋部材2の上方には、ポンプホルダ8が装着されるように構成されており、ポンプホルダ8は、上下方向に立設され燃料ポンプ4の外径とほぼ同様の内径を有する円筒状に形成されている。このポンプホルダ8は、その中心軸が蓋部材2の中心軸に対してずれるように偏心した位置に配置されており、ポンプホルダ8の内側には、燃料ポンプ4がその吸引口9が下方に、吐出口10が上方にそれぞれ位置するように収容されている。
【0020】
また、ポンプホルダ8の一側には、蓋部材2の内径に沿って弧状に形成されたフィルタ収容部11がポンプホルダ8と一体に形成されている。本実施形態においては、フィルタ収容部11のポンプホルダ8側は、図4に示すように、燃料ポンプ4の側壁により閉塞されることでフィルタ収容部11の収容空間を形成するように構成されている。
【0021】
また、フィルタ収容部11の外側下端縁には、切欠き部12が形成されており、この切欠き部12により、ポンプホルダ8が蓋部材2と接合した状態で、燃料タンクからの燃料が流入する燃料供給口13が形成されるように構成されている。そして、ポンプホルダ8の下方およびフィルタ収容部11の内側と、蓋部材2の内側とで形成される空間がチャンバ14として機能するように構成されており、燃料供給装置1を燃料タンクに装着した状態で、供給用スリットから燃料タンク内の燃料がチャンバ14の内部に充填されるようになっている。そして、燃料ポンプ4はその吸引口9がフィルタ15に接続されており、フィルタ収容部11の内部には、フィルタ収容部11の上部から蓋部材2の下部に至るようにフィルタ15が収容されている。このフィルタ15には、燃料ポンプ4に接続するための接続部23および、燃料ポンプ4の吸引口9に接続される燃料送給パイプ24がそれぞれ一体に取付けられている。
【0022】
また、図3および図5に示すように、ポンプホルダ8の外側面であってフィルタ収容部11が配置されていない部分には、液面検知装置としてのサーミスタ16を取り付けるための液面検知装置取付部17が設けられている。この液面検知装置取付部17は、サーミスタ16の外周面を弾性的に保持する弧状に形成された弾性保持部材18を備えており、この弾性保持部材18は、上下に複数(本実施形態においては、2つ)所定間隔をもって配置されている。本実施形態においては、弾性保持部材18は、脱落防止部として機能するように構成されている。
また、液面検知装置取付部17は、弾性保持部材18の下方に位置し、サーミスタ16の下面を支持する支持部材20を備えており、この支持部材20には、サーミスタ16のリード線19が挿入される端子用溝21が形成されている。
【0023】
また、液面検知装置取付部17は、アースプレート22を備えており、アースプレート22は、例えば、金属などの導電性弾性材料からなりサーミスタ16の外周面に沿って湾曲する形状に形成されている。さらに、アースプレート22の中央部には、アース線23が接続されるアース端子24が下方に突出して形成されている。そして、サーミスタ16をその下面が支持部材20の上面に載置されるように設置するとともに、弾性保持部材18の弾性力に抗してはめ込むことにより、サーミスタ16を保持するように構成されており、サーミスタ16の外周の各弾性保持部材18の間に、アースプレート22を係合させることにより、アースをとるように構成されている。このとき、各弾性保持部材18の間にアースプレート22を配置するようにしており、各弾性保持部材18が脱落防止部として機能するようにしているので、アースプレート22の脱落を防止することが可能となる。
【0024】
ポンプホルダ8の上端部には、燃料ポンプ4の吐出口10から送られる燃料の燃料配管28が水平方向に延在するように設けられており、この燃料配管28の一端部は、ポンプホルダ8の側面に沿って下方に延在し、その下端部が蓋部材2の燃料吐出路6に連通するように構成されている。本実施形態においては、前述のポンプホルダ8、フィルタ収容部11および燃料配管28は、それぞれ樹脂により一体に成型されている。
【0025】
また、燃料配管28の他端部には、燃料ポンプ4から送られる燃料の圧力を調整するための圧力調整弁29が設置されている。また、フィルタ収容部11の上面には、リターン用開口30が形成されており、圧力調整弁29によりオーバーフローした燃料をフィルタ収容部11のリターン用開口30に向けて吐出するリターン配管31が設けられている。このリターン配管31の先端部は、リターン用開口30から離隔して設置されるとともに、リターン用開口30に指向されるように設置されている。
【0026】
そして、燃料ポンプ4の吸引口9にフィルタ15の燃料送給パイプ24を接続するとともに、接続部23を介して燃料ポンプ4にフィルタ15を組み付けた後、ポンプホルダ8に燃料ポンプ4を収容するとともに、フィルタ収容部11にフィルタ15を収容した状態で、蓋部材2の上端に組み付け、ねじ26により締め付け固定されるものである。この状態で、燃料ポンプ4の下面は、間にフィルタ15の接続部34を挟んだ状態で、インシュレータ32を介してポンプ支持部材5により保持されるものである。さらに、燃料配管28の下端部が蓋部材2の燃料吐出路6に連通されるとともに、ポンプホルダ8の下方およびフィルタ収容部11の内側と、蓋部材2の内側とでチャンバ14が形成されるものである。
【0027】
このように構成された燃料供給装置1は、ポンプホルダ8が燃料タンクの内部に挿入されるようにして燃料タンクの底部に取付けられ、燃料吐出管7は、図示しない配管を介してエンジンの燃料噴射装置に接続される。
【0028】
次に本実施形態の作用について説明する。
【0029】
まず、燃料タンク内に貯溜される燃料は、燃料供給口13からチャンバ14内に流入する。そして、エンジンが停止している状態では、燃料ポンプ4は駆動しておらず、燃料ポンプ4から燃料配管28への燃料供給は行なわれない。
【0030】
そして、エンジンが動作すると、燃料ポンプ4が駆動され、チャンバ14の内部に貯留された燃料は、フィルタ15で濾過された後、燃料送給パイプ24を介して燃料ポンプ4の吸引口9から吸引され、昇圧された燃料が吐出口10から燃料配管28に吐出される。ここで、圧力調整弁29により圧力調整が行われ、燃料配管28、燃料吐出路6および燃料吐出管7をそれぞれ介してエンジンの燃料噴射弁に供給される。
【0031】
一方、圧力調整弁29により圧力調整が行われた際にオーバーフローしたリターン燃料は、リターン配管31を介してフィルタ収容部11のリターン用開口30に向けて吐出される。そして、リターン配管31の先端部は、リターン用開口30から離隔して設置されているので、リターン燃料の一部はリターン用開口30からフィルタ収容部11の内部に戻され、リターン燃料の一部は、リターン配管31の先端部とリターン用開口30との隙間から燃料タンクの内部に排出される。これにより、リターン燃料に含まれるベーパーの一部が燃料タンクの内部に排出されることになり、フィルタ収容部11の内部すなわちチャンバ14の内部に戻されるベーパー量を低減させることができる。また、チャンバ14の内部で発生したベーパーは、フィルタ収容部11の内部上方に集まってくるが、フィルタ収容部11の上面にリターン用開口30を形成するようにしているので、フィルタ収容部11に集まるベーパーをリターン用開口30から燃料タンクの内部に効率よく排出することが可能となる。
【0032】
ここで、燃料供給装置1を備える燃料タンクが二輪車に搭載された際に、燃料タンク内の残溜燃料が少なく、例えば、登坂走行時やウィリー走行時などのように燃料タンク内の燃料液面が大きく傾斜するような場合に、燃料ポンプ4に供給される燃料が減少してしまうおそれがあるが、本実施形態においては、ポンプホルダ8の下方およびフィルタ収容部11の内側と、蓋部材2との間にチャンバ14が形成されており、このチャンバ14の内部に一定量の燃料を貯留することができるので、燃料切れなどの発生を確実に防止することができる。
【0033】
以上述べたように、本実施形態においては、サーミスタ16をその下面が支持部材20の上面に載置されるように設置するとともに、弾性保持部材18の弾性力に抗してはめ込むことにより、サーミスタ16を保持し、サーミスタ16の外周の各弾性保持部材18の間に、アースプレート22を係合させることにより、アースをとるようにしているので、サーミスタ16のハウジングに直接はんだ付けや溶接などを行うことなく、アースをとることができ、はんだ付けなどの厳密な管理が不要となり、安価に製造することができる。しかも、サーミスタ16を弾性保持部材18にはめ込むだけで容易にサーミスタ16の取付けを行うことができ、また、サーミスタ16の取付け方向にも影響されることなく、確実にサーミスタ16を保持することができる。
【0034】
また、図6は本発明の第2実施形態を示したもので、本実施形態においては、アースプレート22をサーミスタ16の外周面に接触させた状態で、弾性保持部材18の内面により挟持されるように配置したものである。
【0035】
その他の構成は前記第1の実施形態と同様であるため同一部分には同一符号を付してその説明を省略する。
【0036】
本実施形態においても前記第1実施形態と同様に、サーミスタ16をその下面が支持部材20の上面に載置されるように設置するとともに、アースプレート22をサーミスタ16の外周面に接触させた状態で、弾性保持部材18の弾性力に抗してはめ込むことにより、サーミスタ16をアースプレート22とともに保持するようにしているので、サーミスタ16のハウジングに直接はんだ付けや溶接などを行うことなく、アースをとることができ、はんだ付けなどの厳密な管理が不要となり、安価に製造することができる。しかも、本実施形態においては、サーミスタ16と弾性保持部材18との間で、アースプレート22を挟持するようにしているので、アースプレート22を強固に保持することができ、アースプレート22とサーミスタ16との接触状態を確実に維持することができる。さらに、アースプレート22によりアースをとるようにしているので、液面検知装置取付部17は、導電性材料を用いる必要がなく、材料コストを低減させることができ、安価に製造することができる。
【0037】
また、図7および図8は本発明の第3実施形態を示したもので、本実施形態においては、アースプレート22には、サーミスタ16の外周面に接触する弾性突起25が一体に形成されており、サーミスタ16が弾性保持部材18に保持された状態で、弾性保持部材18の外周側にアースプレート22を装着するようにしたものである。また、本実施形態においては、上方に位置する弾性保持部材18の先端部であってアースプレート22の装着位置の下側には、半径方向に突出する脱落防止部27が形成されており、アースプレート22の下側片を脱落防止部27に当接させることにより、アースプレート22の脱落を防止するように構成されている。
【0038】
その他の構成は前記第1および第2の実施形態と同様であるため同一部分には同一符号を付してその説明を省略する。
【0039】
本実施形態においては、サーミスタ16をその下面が支持部材20の上面に載置されるように設置するとともに、サーミスタ16を弾性保持部材18の弾性力に抗してはめ込むことにより、サーミスタ16を保持し、弾性保持部材18の外周側にアースプレート22を装着するようになっており、この状態で、弾性突起25の先端部分がサーミスタ16の外周面に接触し、サーミスタ16のアースをとるようになっている。このとき、弾性保持部材18を樹脂材料により形成した場合、樹脂が燃料により膨潤して弾性保持部材18による保持力が弱まるおそれがあるが、本実施形態においては、弾性保持部材18の外周側にアースプレート22を装着するようにしているので、アースプレート22により弾性保持部材18の保持力を長期にわたって維持することができる。
【0040】
したがって、本実施形態においても前記第1実施形態および第2実施形態と同様に、サーミスタ16のハウジングに直接はんだ付けや溶接などを行うことなく、アースをとることができ、はんだ付けなどの厳密な管理が不要となり、安価に製造することができる。
しかも、アースプレート22によりアースをとるようにしているので、液面検知装置取付部17は、導電性材料を用いる必要がなく、材料コストを低減させることができ、安価に製造することができる。また、弾性保持部材18に脱落防止部27を形成し、アースプレート22の下側片を脱落防止部27に当接させるようにしているので、アースプレート22を弾性保持部材18の外周側に装着した場合でも、アースプレート22の脱落を防止することができる。
【0041】
なお、本発明は前記各実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々の変形が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明に係る液面検知装置の取付構造が適用される燃料供給装置の第1実施形態を示す斜視図である。
【図2】本発明に係る液面検知装置の取付構造が適用される燃料供給装置の実施形態を示す縦断面図である。
【図3】本発明に係る液面検知装置の取付構造が適用される燃料供給装置の実施形態を示すポンプホルダおよびフィルタ収容部部分の平面図である。
【図4】本発明に係る液面検知装置の取付構造が適用される燃料供給装置の実施形態を示すポンプホルダおよびフィルタ収容部部分の横断面図である。
【図5】本発明に係る液面検知装置の取付構造における液面検知装置取付部の詳細を示す斜視図である。
【図6】本発明に係る液面検知装置の取付構造の第2実施形態を示す液面検知装置取付部の斜視図である。
【図7】本発明に係る液面検知装置の取付構造の第3実施形態を示す液面検知装置取付部の斜視図である。
【図8】本発明に係る液面検知装置の取付構造の第3実施形態を示す液面検知装置取付部の平面図である。
【符号の説明】
【0043】
1 燃料供給装置
2 蓋部材
4 燃料ポンプ
5 ポンプ支持部材
6 燃料吐出路
7 燃料吐出管
8 ポンプホルダ
9 吸引口
10 吐出口
11 フィルタ収容部
13 燃料供給口
14 チャンバ
15 フィルタ
16 サーミスタ
17 液面検知装置取付部
18 弾性保持部材
19 リード線
20 支持部材
21 端子用溝
22 アースプレート
24 アース端子
25 弾性突起
27 脱落防止部
28 燃料配管
29 圧力調整弁
30 リターン用開口
31 リターン配管
33 フランジ係合部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料タンクの内部に配置される液面検知装置を取り付けるための液面検知装置の取付構造において、
前記液面検知装置を弾性的に保持する弾性保持部材を備えた液面検知装置取付部を設けるとともに、導電性材料により構成され前記液面検知装置の外周面に弾性力により接触されるアースプレートを設けたことを特徴とする液面検知装置の取付構造。
【請求項2】
前記アースプレートは、前記液面検知装置の外周面に接触された状態で、前記弾性保持部材の内面により挟持されるように配置されていることを特徴とする請求項1に記載の液面検知装置の取付構造。
【請求項3】
前記アースプレートは、前記液面検知装置が前記弾性保持部材に保持された状態で、前記弾性保持部材の外周側に装着され、前記アースプレートには、前記液面検知装置の外周面に接触する弾性突起が一体に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の液面検知装置の取付構造。
【請求項4】
前記弾性保持部材には、前記アースプレートの上下方向の脱落を防止する脱落防止部が設けられていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の液面検知装置の取付構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−85123(P2010−85123A)
【公開日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−251701(P2008−251701)
【出願日】平成20年9月29日(2008.9.29)
【出願人】(000141901)株式会社ケーヒン (1,140)
【Fターム(参考)】