混合容器
【課題】蓋体の着脱操作が簡便であるとともに、内容物を零れ難くする。
【解決手段】複数種の内容物が収容される容器体2と、該容器体2の口部3に着脱自在に装着された蓋体4と、を備え、容器体2および蓋体4のいずれか一方には、ヒンジ部20回りに回動可能な係合片21が周方向に間隔をあけて複数設けられるとともに、他方には、係合片21が着脱自在に係合される被係合部22が設けられている混合容器1を提供する。
【解決手段】複数種の内容物が収容される容器体2と、該容器体2の口部3に着脱自在に装着された蓋体4と、を備え、容器体2および蓋体4のいずれか一方には、ヒンジ部20回りに回動可能な係合片21が周方向に間隔をあけて複数設けられるとともに、他方には、係合片21が着脱自在に係合される被係合部22が設けられている混合容器1を提供する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、混合容器に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の混合容器として、例えば下記特許文献1に示されるような、複数種の内容物が収容される有底筒状の容器体と、該容器体の口部に着脱自在に装着された蓋体と、を備える構成が知られている。この混合容器では、複数種の内容物を混合する際、まず、蓋体を容器体から離脱させ口部を開放した後、この口部から複数種の内容物を容器体内に収容し、その後、蓋体を容器体に装着させて口部を閉塞して内容物を混合する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−208743号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、このような混合容器においては、蓋体の着脱操作の更なる簡便化や、内容物の零れの確実な抑制について改善の余地があった。
【0005】
本発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、蓋体の着脱操作が簡便であるとともに、内容物を零れ難くすることができる混合容器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために、本発明は以下の手段を提案している。
本発明に係る混合容器は、複数種の内容物が収容される容器体と、該容器体の口部に着脱自在に装着された蓋体と、を備える混合容器であって、前記容器体および前記蓋体のいずれか一方には、ヒンジ部回りに回動可能な係合片が周方向に間隔をあけて複数設けられるとともに、他方には、前記係合片が着脱自在に係合される被係合部が設けられていることを特徴とする。
【0007】
この発明では、複数種の内容物を混合する際、まず、各係合片をヒンジ部回りに回動させて係合片と被係合部との係合を解除し、蓋体を容器体から離脱させ口部を開放した後、この口部から複数種の内容物を容器体内に収容する。その後、蓋体により口部を閉塞するとともに各係合片をヒンジ部回りに回動させて被係合部に係合させ、蓋体を容器体に装着させた後、内容物を混合する。
【0008】
以上のように、各係合片をヒンジ部回りに回動させることで蓋体を容器体に着脱させることができるので、着脱操作を短時間で簡便に行うことができる。
またこのように、各係合片をヒンジ部回りに回動させることで蓋体を容器体に着脱させることができるので、容器体を強固に把持せずに蓋体を容器体に着脱させることが可能になり、容器体内に収容された内容物が着脱操作時に混合容器から零れるのを抑制することができる。すなわち、蓋体の着脱操作時に容器体を強固に把持すると、混合容器の内圧が上昇して内容物が混合容器から零れるおそれがある。
【0009】
また、係合片を被係合部に係合させることで蓋体が容器体に装着されることから、蓋体が容器体に傾いた状態で装着されるのを抑制することが可能になり、蓋体と容器体の口部との間のシール性を安定して確保し易くすることができる。したがって、複数種の内容物を混合する混合操作時に、容器体内に収容された内容物が混合容器から零れるのを確実に抑制することができる。
【0010】
また、前記容器体の胴部の径方向の外側には、該容器体に一体に形成された保護部材が配設されていても良い。
【0011】
この場合、胴部の径方向の外側に前記保護部材が形成されているので、当該胴部に変形が生じ難い。つまり、内容物が収容された容器体を把持する際に、保護部材を介して容器体を把持することにより、容器体の胴部が内側に向けて変形して内圧が上昇するのを抑制することが可能になる。これにより、内容物が混合容器から零れるのを抑制することができる。
【0012】
また、前記蓋体には、該蓋体を貫通する圧逃げ孔が形成されるとともに、該圧逃げ孔を外部から覆うシート体が固着され、前記蓋体と前記シート体との間には、前記圧逃げ孔と外部とを連通する圧逃げ路が形成されていても良い。
【0013】
この場合、蓋体に前記圧逃げ孔が形成されるとともに、蓋体とシート体との間に前記圧逃げ路が形成されているので、仮に混合容器の内圧が上昇しようとしても、この内圧を、圧逃げ孔および圧逃げ路を通して外部に逃がすことが可能になり、内圧上昇を抑制することができる。このような内圧上昇は、例えば内容物の混合によって発生するガスに起因する場合がある。つまり、例えば染毛剤のような、互いに混合することでガスが発生する複数種の内容物を混合する混合容器にも、本発明を好適に採用することが可能となる。
また、混合容器の内圧が、圧逃げ孔から直接、外部に逃げるのではなく、圧逃げ路を通して外部に逃げるので、仮に内容物が圧逃げ孔を通過しても圧逃げ路の流動抵抗を受けることとなり、この内容物が零れ出るのを抑制できる。
【0014】
また、内圧が上昇したときに前記蓋体が前記容器体に対して押し上げられることで、前記口部と前記蓋体との間に当該混合容器の内部と外部とを連通する連通路が形成されても良い。
【0015】
この場合、内圧が上昇したときに蓋体が容器体に対して押し上げられることで前記連通路が形成されるので、仮に混合容器の内圧が上昇したとしても、この内圧を、連通路を通して外部に逃がすことが可能になり、内圧上昇を抑制することができる。このような内圧上昇は、例えば内容物の混合によって発生するガスに起因する場合がある。つまり、例えば染毛剤のような、互いに混合することでガスが発生する複数種の内容物を混合する混合容器にも、本発明を好適に採用することが可能となる。
【0016】
また、前記係合片は、容器軸方向に延在するとともに前記ヒンジ部に連結された本体板と、該本体板から径方向の内側に向けて突設されるとともに、該本体板との間に係止隙間をあけて位置する係止部を有する突出体と、を備え、前記被係合部は、前記係止隙間に配置されて前記係止部に係止される被係止部を備え、前記本体板において前記被係止部を介して前記係止部と径方向で対向する対向部分は閉塞されていても良い。
【0017】
この場合、被係合部の被係止部が、係合片の係止部に係止されているので、不意に本体板がヒンジ部回りに径方向の外側に回動しようとしても、係止部と被係止部とが接触することでその回動が規制される。
また、本体板の前記対向部分が閉塞されているので、被係止部が前記対向部分によって径方向の外側から覆われて露出することが無く、混合容器のデザイン性を向上させることができる。
【0018】
また、前記本体板のうち、前記突出体との連結部分よりも容器軸方向に沿った前記ヒンジ部の反対側に位置する把持部分は、前記反対側に向かうに従い漸次、径方向の外側に向かって延在していても良い。
【0019】
この場合、本体板の前記把持部分が、前記反対側に向かうに従い漸次、径方向の外側に向かって延在しているので、前記把持部分と、容器体および蓋体のうち被係合部が設けられた前記他方と、の間の間隔が、前記反対側に向かうに従い漸次大きくなる。したがって、本体板の前記把持部分を前記反対側から指等で把持し易くなり、本体板をヒンジ部回りに容易に回動させることができる。これにより、蓋体の着脱操作をより簡便に行うことができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明に係る混合容器によれば、蓋体の着脱操作が簡便であるとともに、内容物を零れ難くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の第1実施形態に係る混合容器の半断面図である。
【図2】図1に示す混合容器の上面図である。
【図3】図2に示すA−A断面矢視図である。
【図4】本発明の第2実施形態に係る混合容器の半断面図である。
【図5】図4に示す混合容器の上面図である。
【図6】図5に示す領域Bの拡大図である。
【図7】本発明の第3実施形態に係る混合容器の半断面図である。
【図8】図7に示す混合容器の上面図である。
【図9】図8に示すC−C断面矢視図である。
【図10】図9に示す混合容器の要部の拡大断面図である。
【図11】図7に示す混合容器の作用を説明する図である。
【図12】図7に示す混合容器の作用を説明する図である。
【図13】本発明の第4実施形態に係る混合容器の拡大半断面図である。
【図14】図13に示す混合容器の上面図である。
【図15】本発明の第4実施形態の変形例に係る混合容器の拡大半断面図である。
【図16】本発明の第5実施形態に係る混合容器の拡大半断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
(第1実施形態)
以下、図面を参照し、本発明の第1実施形態に係る混合容器を説明する。
図1に示すように、混合容器1は、複数種の内容物が収容される容器体2と、該容器体2の口部3に着脱自在に装着された蓋体4と、を備えている。
なお本実施形態では、容器体2は有底筒状に形成されるとともに蓋体4は有頂筒状に形成され、容器体2および蓋体4は、それぞれの中心軸線が共通軸上に位置された状態で配設されている。以下、この共通軸を容器軸Oといい、容器軸O方向に沿った蓋体4側を上側といい、容器体2側を下側といい、容器軸Oに直交する方向を径方向といい、容器軸O回りに周回する方向を周方向という。
【0023】
容器体2は、前記口部3と、口部3の下端に連結され上方から下方に向けて漸次縮径する胴部5と、胴部5の下端部を閉塞する底部6と、を備えている。
胴部5の径方向の外側には、容器体2に一体に形成された保護部材8が配設されている。本実施形態では、保護部材8は、容器軸Oと同軸に配置され口部3の下端から下方に向けて延在する筒状に形成されている。また、保護部材8と胴部5との間には、保護部材8と胴部5とを連結する縦リブ9が、周方向に間隔をあけて複数配設されている。なお、縦リブ9は設けなくても良い。
【0024】
蓋体4の周壁部10は、容器体2の口部3に着脱自在に外嵌された下筒部12と、下筒部12よりも小径の上筒部11と、これらの下筒部12と上筒部11とを連結し、かつ口部3の上端開口縁上に配置された段部13と、を備えている。上筒部11の下端には、前記口部3内に液密に嵌合するシール筒部14が下方に向けて延設されている。
また図2に示すように、蓋体4の天壁部15には、該天壁部15を貫通する圧逃げ孔16が形成されるとともに、該圧逃げ孔16を混合容器1の外部から覆うシート体17が固着されている。圧逃げ孔16およびシート体17はいずれも、上面視形状が円形状とされるとともに、容器軸Oと同軸に配置されている。
【0025】
また図3に示すように、天壁部15とシート体17との間には、圧逃げ孔16と外部とを連通する圧逃げ路18が形成されている。本実施形態では、圧逃げ路18は、天壁部15の上面に形成された圧逃げ凹溝19の内面と、シート体17の下面と、によって画成されるとともに、図2に示すように、上面視渦巻状の迂回部18aを備えている。
【0026】
圧逃げ凹溝19は、上面視において、圧逃げ孔16から径方向の一方側に向けて延びる第1直線部19aと、圧逃げ孔16に対して径方向の一方側とは反対の他方側に配置されるとともに径方向に沿って延びる第2直線部19bと、第1直線部19aの径方向の一方側の端部から第2直線部19bの径方向の一方側の端部まで渦巻状に延在する渦巻き部19cと、を備えている。
【0027】
この圧逃げ凹溝19の渦巻き部19cの内面と、シート体17の下面と、によって圧逃げ路18の迂回部18aが画成されている。また圧逃げ凹溝19のうち、第2直線部19bの径方向の他方側の端部は、シート体17によって外部から覆われずに露出し、かつ該端部以外の部分は、シート体17によって外部から覆われている。
【0028】
そして図1に示すように、本実施形態では、蓋体4に、ヒンジ部20回りに回動可能な係合片21が周方向に間隔をあけて複数(図示の例では2つ)設けられるとともに、容器体2に、係合片21が着脱自在に係合された被係合部22が設けられている。
複数の係合片21は、周方向に同等の間隔をあけて配置されている。係合片21は、蓋体4の前記下筒部12の径方向の外側に位置するとともに容器軸O方向に延びる本体板23と、該本体板23から径方向の内側に向けて突設された突起部24と、を備えている。
【0029】
図2に示すように、本体板23は周方向に沿って延在している。また本体板23の上端は、前記ヒンジ部20を介して蓋体4の前記下筒部12に連結されている。ヒンジ部20は、周方向に間隔をあけて複数(図示の例では2つ)配置されたヒンジ片20aで構成されている。
また図1に示すように、突起部24における径方向の内側の端部には、上方に向けて突出する係合凸部24aが形成されている。
【0030】
被係合部22は、容器体2の口部3の下端から径方向の外側に向けて全周にわたって突設された環状部25と、環状部25の先端部から下方に向けて全周にわたって突設された突条部26と、を備えている。
環状部25には、上方から蓋体4の前記下筒部12の下端縁が当接もしくは近接し、かつ径方向の外側から本体板23が当接もしくは近接している。
突条部26には、径方向の外側から本体板23が当接もしくは近接し、かつ下方から突起部24が当接もしくは近接している。そして、この突条部26の径方向の内側に突起部24の係合凸部24aが位置することにより、突条部26に突起部24が係合している。
【0031】
次に、以上のように構成された混合容器1を用いて複数種の内容物を混合する方法について説明する。
はじめに、各係合片21をヒンジ部20回りに上側に向けて回動させて係合片21の突起部24と被係合部22の突条部26との係合を解除し(図1の2点鎖線参照)、蓋体4を容器体2から離脱させ口部3を開放した後、この口部3から複数種の内容物を容器体2内に収容する。その後、蓋体4により口部3を閉塞するとともに各係合片21をヒンジ部20回りに下側に向けて回動させ、係合片21の突起部24の係合凸部24aを、被係合部22の突条部26に径方向の外側から内側に乗り越えさせて、突起部24を突条部26に係合させ、蓋体4を容器体2に装着させる。
【0032】
なお前述した蓋体4の着脱操作および容器体2への内容物の収容操作は、例えば容器体2を把持せずに図示しない載置台上に載置して行っても良い。また、容器体2を把持する場合には、保護部材8を介して把持することが好ましい。
そして、複数種の内容物が容器体2に収容された混合容器1を例えば振るなどすることで、容器体2内の複数種の内容物を混合する。このとき、容器体2を把持する場合には、保護部材8を介して把持することが好ましい。
【0033】
以上説明したように、本実施形態に係る混合容器1によれば、各係合片21をヒンジ部20回りに回動させることで蓋体4を容器体2に着脱させることができるので、着脱操作を短時間で簡便に行うことができる。
またこのように、各係合片21をヒンジ部20回りに回動させることで蓋体4を容器体2に着脱させることができるので、容器体2を強固に把持せずに蓋体4を容器体2に着脱させることが可能になり、容器体2内に収容された内容物が着脱操作時に混合容器1から零れるのを抑制することができる。すなわち、蓋体4の着脱操作時に容器体2の胴部5を強固に把持すると、当該胴部5が変形し、混合容器1の内圧が上昇して内容物が混合容器1から零れるおそれがある。
【0034】
また、係合片21の突起部24を被係合部22の突条部26に係合させることで蓋体4が容器体2に装着されることから、蓋体4が容器体2に傾いた状態で装着されるのを抑制することが可能になり、蓋体4と容器体2の口部3との間のシール性を安定して確保し易くすることができる。したがって、複数種の内容物を混合する混合操作時に、容器体2内に収容された内容物が混合容器1から零れるのを確実に抑制することができる。
【0035】
また、胴部5の径方向の外側に前記保護部材8が形成されているので、当該胴部5に変形が生じ難い。つまり、内容物が収容された容器体2を把持する際に、保護部材8を介して容器体2を把持することにより、容器体2の胴部5が内側に向けて変形して内圧が上昇するのを抑制することが可能になる。これにより、内容物が混合容器1から零れるのを抑制することができる。
【0036】
また、蓋体4に前記圧逃げ孔16が形成されるとともに、蓋体4とシート体17との間に前記圧逃げ路18が形成されているので、仮に混合容器1の内圧が上昇しようとしても、この内圧を、圧逃げ孔16および圧逃げ路18を通して外部に逃がすことが可能になり、内圧上昇を抑制することができる。このような内圧上昇は、例えば内容物の混合によって発生するガスに起因する場合がある。つまり、例えば染毛剤のような、互いに混合することでガスが発生する複数種の内容物を混合する混合容器にも、本実施形態の混合容器1を好適に採用することが可能となる。
また、混合容器1の内圧が、圧逃げ孔16から直接、外部に逃げるのではなく、圧逃げ路18を通して外部に逃げるので、仮に内容物が圧逃げ孔16を通過しても圧逃げ路18の流動抵抗を受けることとなり、この内容物が零れ出るのを抑制できる。
【0037】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態に係る混合容器を説明する。
なお、この第2実施形態においては、第1実施形態における構成要素と同一の部分については同一の符号を付し、その説明を省略し、異なる点についてのみ説明する。
【0038】
図4に示すように、本実施形態の混合容器30では、保護部材32は、胴部5の上端部から径方向の外側に向けて全周にわたって突設されたフランジ状に形成されるとともに、容器軸O方向に間隔をあけて複数(図示の例では3つ)配設されている。各保護部材32の外径は、互いに同等となっている。
また口部3の下端には、保護部材32と外径が同等とされた環状体33が、径方向の外側に向けて全周にわたって突設されている。この環状体33には、上方から蓋体4の前記下筒部12が当接もしくは近接している。
【0039】
図5および図6に示すように、シート体17の下面には、天壁部15の上面に対する非シール部34が設けられており、圧逃げ路35は、シート体17の下面のうちの前記非シール部34と、天壁部15の上面と、によって画成されている。
【0040】
図6に示すように、非シール部34は、上面視において、圧逃げ孔16から径方向の一方側に向けて延びる第1直線部34aと、圧逃げ孔16に対して径方向の一方側とは反対の他方側に配置されるとともにシート体17の外周縁から径方向に沿って延びる第2直線部34bと、第1直線部34aの径方向の一方側の端部から第2直線部34bの径方向の一方側の端部まで渦巻状に延在する渦巻き部34cと、を備えている。
【0041】
この非シール部34の渦巻き部34cと、天壁部15の上面と、によって圧逃げ路35の迂回部35aが画成されている。
なお、シート体17の下面において、圧逃げ孔16に対向する部分と前記非シール部34とを除いた部分は、天壁部15の上面に固着されたシール部36となっている。
【0042】
ここで、このシート体17は、蓋体4が成形された後に蓋体4に貼着しても、インモールド成形によって蓋体4に固着しても良い。また、シート体17の下面全体を、インモールド成形によって蓋体4に擬似接着し、混合容器30の内圧の上昇によって前記擬似接着が部分的に剥離されることで、圧逃げ路が形成される構成としてもよい。
【0043】
図4に示すように、係合片37の本体板38は、保護部材32および環状体33の径方向の外側の端縁に当接もしくは近接している。また本体板38の上端は、蓋体4の前記下筒部12の下端にヒンジ部20を介して連結されるとともに、本体板38の下端は、複数の保護部材32のうち、最も下方に位置するものよりも下方に位置している。
【0044】
係合片37の突起部39は、本体板38から径方向の内側に向けて、かつ周方向に間隔をあけて複数突設されている。
被係合部40は、複数の保護部材32のうち、下方に位置する2つの保護部材32によって構成されている。これら2つの保護部材32の間には、前記係合片37の突起部39が嵌合されている。
【0045】
以上説明した本実施形態に係る混合容器30によれば、前記第1実施形態と同様の作用効果を奏功することができる。
【0046】
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態に係る混合容器を説明する。
なお、この第3実施形態においては、第1実施形態における構成要素と同一の部分については同一の符号を付し、その説明を省略し、異なる点についてのみ説明する。
【0047】
図7および図8に示すように、本実施形態の混合容器50では、前記係合片21が周方向に同等の間隔をあけて、90度おきに4つ配置されている。
また図9および図10に示すように、容器体2の口部3の上端部の内周面には、上方に向けて開口する第1周溝51が全周にわたって形成されている。図10に示すように、第1周溝51の下端は、シール筒部14の下端部よりも上方に位置しており、シール筒部14の下端部は、口部3の内周面に全周にわたって密接している。
【0048】
また図示の例では、口部3の上端開口縁は、蓋体4の前記段部13の下面に当接している。この上端開口縁には、径方向の外側に向けて開口する第2周溝52が全周にわたって形成されている。
図9に示すように、口部3の外周面と蓋体4の前記下筒部12の内周面との間には、周方向の全周にわたって延びる第1隙間53が形成されている。また、被係合部22の環状部25の上面と蓋体4の前記下筒部12の下端開口縁との間には、周方向の全周にわたって延びる第2隙間54が形成されており、この第2隙間54は、前記第1隙間53と混合容器50の外部とを連通している。
【0049】
次に、前述した混合容器50の作用について説明する。
この混合容器50では、前述のように、シール筒部14の下端部が、容器体2の口部3の内周面に全周にわたって密接しているので、蓋体4と口部3との間のシール性を確保することができる。また図7に示すように、係合片21が被係合部22に係合することで蓋体4が容器体2に装着されていることから、前述のシール性を安定して確保することができる。
【0050】
ここで、図11および図12に示すように、この混合容器50の内圧が上昇すると、蓋体4が容器体2に対して相対的に押し上げられて上昇移動する。このとき図8に示すように、蓋体4の周方向部分のうち、係合片21が設けられた係合部分4Aでは、係合片21が被係合部22に係合することで上昇移動が強固に規制されており、上昇移動がおこらないか、上昇量が小さい。一方、蓋体4の周方向部分のうち、前記係合部分4Aの間に位置する非係合部分4Bでは、前記係合部分4Aに比べて上昇量が大きい。
【0051】
すると図12に示すように、前記非係合部分4Bでは、口部3の上端開口縁と蓋体4の前記段部13の下面とが離間し、両者間に第3隙間55が形成されるとともに、シール筒部14の下端部が口部3の前記第1周溝51の下端よりも上方に移動し、シール筒部14の下端部が口部3の内周面から離間する。
【0052】
これにより、図11に示すように、混合容器50の内部から外部に向けて第1周溝51、第3隙間55、第1隙間53および第2隙間54からなる連通路56が口部3と蓋体4との間に形成され、この連通路56を通して混合容器50の内部と外部とが連通される。
なおこのとき、前述のように蓋体4の前記係合部分4Aの上昇移動が規制されていることから、蓋体4の容器体2からの離脱は抑えられる。
【0053】
以上説明したように、本実施形態に係る混合容器50によれば、内圧が上昇したときに蓋体4が容器体2に対して押し上げられることで、前記連通路56が形成されるので、仮に混合容器50の内圧が上昇したとしても、この内圧を、連通路56を通して外部に逃がすことが可能になり、内圧上昇を抑制することができる。
【0054】
なお本実施形態では、容器体2の口部3の上端部の内周面に第1周溝51が形成されているものとしたが、これに限られるものではない。例えば、第1周溝51に代えて、上方に向けて開口するとともに容器軸O方向に延びる縦溝が形成されていても良い。この場合、縦溝は、周方向に間隔をあけて複数配置されていることが好ましい。また縦溝は、蓋体4の前記非係合部分4Bに対応する位置に形成されていることが好ましい。
また、前記第2周溝52はなくても良い。
【0055】
さらに本実施形態では、係合片21が、周方向に同等の間隔をあけて4つ配置されているものとしたが、これに限られるものではなく、係合片21の数は、蓋体4と容器体2の口部3との間のシール性の確保し易さや、混合容器50の内圧の上昇しうる大きさや、混合容器50の内圧の上昇に伴う連通路56の形成のタイミング等を考慮し、適切な数に設定しても良い。例えば、混合容器50の内圧が上昇したときに、この内圧を早急に開放する必要がある場合には、蓋体4における前記非係合部分4Bの範囲を大きくするために、係合片21(係合部分4A)を180度おきに2つ配置することが好ましい。
【0056】
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態に係る混合容器を説明する。
なお、この第4実施形態においては、第3実施形態における構成要素と同一の部分については同一の符号を付し、その説明を省略し、異なる点についてのみ説明する。
【0057】
図13に示すように、本実施形態の混合容器60では、保護部材61は、容器体2の口部3の下端から下方に向けて延設されるとともに胴部5の外周面に連結されたリブ状に形成されるとともに、周方向に間隔をあけて複数配設されている。保護部材61の径方向の外側を向く外面は、容器軸O方向に沿って延在している。
また、蓋体4の周壁部10には段差が無く、この周壁部10が口部3に外嵌されるとともに、蓋体4の天壁部15の外周縁部が口部3の上端開口縁上に配設されている。シール筒部14は、天壁部15から下方に向けて延設されている。
【0058】
係合片62は、前記本体板23と、本体板23から径方向の内側に向けて突設されるとともに、本体板23との間に係止隙間63をあけて位置する係止部64を有する突出体65と、を備えており、前記係止隙間63には、被係合部22の突条部(被係止部)26が配置されている。
【0059】
図14に示すように、本体板23の上端縁は、蓋体4の周壁部10から径方向の外側に向けて突設された突出板66に、ヒンジ部20を介して連結されている。図示の例では、ヒンジ部20は、容器軸Oに直交する直交面に沿う方向のうち、径方向に直交する方向に沿って延び、本体板23の上端縁と、突出板66の径方向の外側の端縁と、を互いに全長にわたって連結している。
【0060】
図13に示すように、突出体65は、前記係止部64と、本体板23から径方向の内側に向けて突設された連結部67と、を備えている。図示の例では、連結部67は、前記直交面に平行に延在しており、被係合部22の突条部26に下方から近接もしくは当接している。また係止部64は、連結部67の径方向の内側の端部から上方に向けて突設されており、図示の例では、容器軸Oに平行に延在するとともに、被係合部22の環状部25に下方から近接もしくは当接している。
【0061】
係止隙間63は、本体板23、係止部64および連結部67によって画成されてなり、上方に向けて開口している。係止隙間63の径方向に沿った大きさは、容器軸O方向の全長にわたって同等となっている。そして前述のように、この係止隙間63に被係合部22の突条部26が配置されることで、突条部26が係止部64に係止されている。
【0062】
また本体板23のうち、突出体65との連結部分23aよりも下側(容器軸方向に沿ったヒンジ部の反対側)に位置する把持部分23bは、下側に向かうに従い漸次、径方向の外側に向かって延在している。図示の例では、前記把持部分23bは湾曲しており、前記把持部分23bの縦断面視形状は、径方向の内側に向かって窪む凹曲板状となっている。また図14に示すように、前記把持部分23bの板幅は、下方に向かうに従い漸次、狭くなっている。
【0063】
また、前記把持部分23bの径方向の外側を向く表面には、滑り止め手段68が設けられている。図示の例では、滑り止め手段68は、前記把持部分23bの表面に容器軸O方向に間隔をあけて複数配設された横リブ68aにより構成されている。
そして図13に示すように、本実施形態では、本体板23において突条部26を介して係止部64と径方向で対向する対向部分23cは閉塞されており、前記対向部分23cには、貫通孔が形成されていない。
【0064】
次に、以上のように構成された混合容器60の作用について説明する。
まず、この混合容器60では、蓋体4が容器体2に装着された状態で、被係合部22の突条部26が、係合片62の係止部64に係止されているので、不意に本体板23がヒンジ部20回りに径方向の外側に回動しようとしても、係止部64と突条部26とが接触することでその回動が規制される。
【0065】
次に、前記混合容器60における蓋体4の着脱操作について説明する。
蓋体4を離脱させる際には、例えば指等で係合片62の本体板23の前記把持部分23bを把持し、各係合片62をヒンジ部20回りに上側に向けて回動させることで、係合片62の係止部64を突条部26の径方向の内側から外側に移動させ、係合片62と被係合部22との係合を解除した後、容器体2の口部3に対する蓋体4の周壁部10の外嵌を解除する。
【0066】
また、蓋体4を装着させる際には、蓋体4の周壁部10を容器体2の口部3に外嵌させた後、例えば指等で係合片62の本体板23の前記把持部分23bを把持し、各係合片62をヒンジ部20回りに下側に向けて回動させ、係合片62の係止部64を被係合部22の突条部26の径方向の外側から内側に移動させ、前記係止隙間63に突条部26を配置する。
【0067】
次に、前記混合容器60における蓋体4および係合片62の製造方法の一例について説明する。
蓋体4および係合片62は、図示しない金型を用いた射出成形により一体的に成形される。この金型の開閉方向は、容器軸O方向と一致している。
【0068】
ここで図13に2点鎖線で示すように、全ての係合片62は、前記金型内においてヒンジ部20から上側に向けて延在した姿勢とされて成形される。図示の例では、全ての係合片62は、前記金型内において、係止部64が容器軸O方向に延び、かつ係止隙間63が容器軸O方向に向けて開口した状態となっている。つまり、係止部64が延在する方向、および係止隙間63が開口する方向が、前記金型の開閉方向と一致している。これにより、前記金型を型開きする際に、本体板23や突出体65などが、前記金型に引っ掛かることがなく、本体板23に貫通孔を形成しなくても蓋体4および係合片62を高精度に一体的に成形することができる。
【0069】
以上説明したように、本実施形態に係る混合容器60によれば、本体板23の前記対向部分23cが閉塞されているので、被係合部22の突条部26が前記対向部分23cによって径方向の外側から覆われて露出することが無く、混合容器60のデザイン性を向上させることができる。
【0070】
また、本体板23の前記把持部分23bが、下側に向かうに従い漸次、径方向の外側に向かって延在しているので、容器体2と、本体板23の前記把持部分23bと、の間の間隔が、下側に向かうに従い漸次大きくなる。したがって、本体板23の前記把持部分23bを下側から指等で把持し易くなり、本体板23をヒンジ部20回りに容易に回動させることができる。これにより、蓋体4の着脱操作をより簡便に行うことができる。
【0071】
なお、突出体65の連結部67は、本実施形態の混合容器60に採用した構成に限られず、例えば、図15に示すような混合容器60Aに採用した構成であっても良い。
図15に示す混合容器60Aでは、突出体65の連結部67の下面が、径方向の内側に向かうに従い漸次、上方に向かって延びる傾斜面となっている。
【0072】
また本実施形態では、滑り止め手段68が横リブ68aで構成されているものとしたが、これに限られるものではない。また滑り止め手段68は無くても良い。
さらに本実施形態では、本体板23の前記把持部分23bが、下側に向かうに従い漸次、径方向の外側に向かって湾曲しているものとしたが、これに限られるものではない。例えば、前記把持部分23bは、下側に向かうに従い漸次、径方向の外側に向かって直線状に延在していても良い。さらに、前記把持部分23bは、下側に向かうに従い漸次、径方向の外側に向かって延在していなくても良く、例えば、容器軸O方向に沿って延在していても良い。
【0073】
また本実施形態では、係止隙間63に配置される被係合部22の被係止部として、突条部26を採用したが、これに限られるものではない。例えば、環状部25に容器軸O方向に延びる貫通孔を形成し、環状部25において該貫通孔よりも径方向の外側に位置する部分を係止部として係止隙間63に配置する構成としても良い。
【0074】
(第5実施形態)
次に、本発明の第5実施形態に係る混合容器70を説明する。
なお、この第5実施形態においては、第4実施形態における構成要素と同一の部分については同一の符号を付し、その説明を省略し、異なる点についてのみ説明する。
【0075】
図16に示すように、本実施形態の混合容器70では、突出体65は、径方向の内側に向かうに従い漸次、上方に向けて延在するように本体板23に配設されており、前記係止部64は、突出体65の径方向の内側の端部となっている。係止隙間63の径方向に沿った大きさは、下方から上方に向かうに従い漸次、大きくなっている。
【0076】
ここで、前記混合容器60の蓋体4および係合片62を、前記金型を用いた射出成形により一体的に成形するときには、例えば前述のように、全ての係合片62が、前記金型内においてヒンジ部20から上側に向けて延在した姿勢で成形する。本実施形態では、図16に2点鎖線で示すように、全ての係合片62は、前記金型内において、突出体65が容器軸O方向に沿って延在した状態となっている。また全ての係合片62は、前記金型内において、本体板23が上方に向かうに従い漸次、径方向の外側に向かって延在している。これにより、前記金型を型開きする際に、本体板23や突出体65などが、前記金型に引っ掛かることがなく、本体板23に貫通孔を形成しなくても蓋体4および係合片62を高精度に一体的に成形することができる。
【0077】
以上説明したように、本実施形態に係る混合容器70によれば、前記第4実施形態の混合容器60と同様の作用効果を奏功することができる。
【0078】
なお、本発明の技術的範囲は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、保護部材8、32、61、圧逃げ孔16および圧逃げ路18、35は無くても良い。
【0079】
また、前記第1、第2実施形態では、圧逃げ路18、35は、上面視渦巻状の迂回部18a、35aを備えるものとしたが、これに限定されるものではない。例えば圧逃げ路が、上面視直線状であっても良く、その他、種々の形状であっても良い。また圧逃げ路18、35を設けず、圧逃げ孔16のみ設けてもよい。
さらに、係合片21、37、62は、2つや4つに限られず、3つ設けられていたり、5つ以上設けられていたりしても良い。なお、複数の係合片21、37、62は、周方向に同等の間隔をあけて配置されることが好ましい。
【0080】
また、前記各実施形態では、蓋体4に係合片21、37、62が設けられ、容器体2に被係合部22、40が設けられているものとしたが、これに代えて、容器体2に係合片が設けられ、蓋体4に被係合部が設けられていても良い。すなわち、容器体および蓋体のいずれか一方に、ヒンジ部回りに回動可能な係合片が周方向に間隔をあけて複数設けられるとともに、他方に、係合片が着脱自在に係合された被係合部が設けられていれば良い。
【0081】
さらにまた、内圧を外部に逃がす構造として、第1〜第5実施形態の各構造(圧逃げ孔16、シート体17、圧逃げ路18、35、連通路56)を、他の実施形態における内圧を外部に逃がす構造に代えて適用しても良い。また、これらの内圧を外部に逃がす構造が複数組み合わされた混合容器を採用しても良い。
【0082】
その他、本発明の趣旨に逸脱しない範囲で、前記実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、前記した変形例を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0083】
1、30、50、60、60A、70 混合容器
2 容器体
3 口部
4 蓋体
5 胴部
8、32、61 保護部材
16 圧逃げ孔
17 シート体
18、35 圧逃げ路
20 ヒンジ部
21、37、62 係合片
22、40 被係合部
23 本体板
26 突条部(被係止部)
56 連通路
63 係止隙間
64 係止部
65 突出体
O 容器軸
【技術分野】
【0001】
本発明は、混合容器に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の混合容器として、例えば下記特許文献1に示されるような、複数種の内容物が収容される有底筒状の容器体と、該容器体の口部に着脱自在に装着された蓋体と、を備える構成が知られている。この混合容器では、複数種の内容物を混合する際、まず、蓋体を容器体から離脱させ口部を開放した後、この口部から複数種の内容物を容器体内に収容し、その後、蓋体を容器体に装着させて口部を閉塞して内容物を混合する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−208743号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、このような混合容器においては、蓋体の着脱操作の更なる簡便化や、内容物の零れの確実な抑制について改善の余地があった。
【0005】
本発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、蓋体の着脱操作が簡便であるとともに、内容物を零れ難くすることができる混合容器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために、本発明は以下の手段を提案している。
本発明に係る混合容器は、複数種の内容物が収容される容器体と、該容器体の口部に着脱自在に装着された蓋体と、を備える混合容器であって、前記容器体および前記蓋体のいずれか一方には、ヒンジ部回りに回動可能な係合片が周方向に間隔をあけて複数設けられるとともに、他方には、前記係合片が着脱自在に係合される被係合部が設けられていることを特徴とする。
【0007】
この発明では、複数種の内容物を混合する際、まず、各係合片をヒンジ部回りに回動させて係合片と被係合部との係合を解除し、蓋体を容器体から離脱させ口部を開放した後、この口部から複数種の内容物を容器体内に収容する。その後、蓋体により口部を閉塞するとともに各係合片をヒンジ部回りに回動させて被係合部に係合させ、蓋体を容器体に装着させた後、内容物を混合する。
【0008】
以上のように、各係合片をヒンジ部回りに回動させることで蓋体を容器体に着脱させることができるので、着脱操作を短時間で簡便に行うことができる。
またこのように、各係合片をヒンジ部回りに回動させることで蓋体を容器体に着脱させることができるので、容器体を強固に把持せずに蓋体を容器体に着脱させることが可能になり、容器体内に収容された内容物が着脱操作時に混合容器から零れるのを抑制することができる。すなわち、蓋体の着脱操作時に容器体を強固に把持すると、混合容器の内圧が上昇して内容物が混合容器から零れるおそれがある。
【0009】
また、係合片を被係合部に係合させることで蓋体が容器体に装着されることから、蓋体が容器体に傾いた状態で装着されるのを抑制することが可能になり、蓋体と容器体の口部との間のシール性を安定して確保し易くすることができる。したがって、複数種の内容物を混合する混合操作時に、容器体内に収容された内容物が混合容器から零れるのを確実に抑制することができる。
【0010】
また、前記容器体の胴部の径方向の外側には、該容器体に一体に形成された保護部材が配設されていても良い。
【0011】
この場合、胴部の径方向の外側に前記保護部材が形成されているので、当該胴部に変形が生じ難い。つまり、内容物が収容された容器体を把持する際に、保護部材を介して容器体を把持することにより、容器体の胴部が内側に向けて変形して内圧が上昇するのを抑制することが可能になる。これにより、内容物が混合容器から零れるのを抑制することができる。
【0012】
また、前記蓋体には、該蓋体を貫通する圧逃げ孔が形成されるとともに、該圧逃げ孔を外部から覆うシート体が固着され、前記蓋体と前記シート体との間には、前記圧逃げ孔と外部とを連通する圧逃げ路が形成されていても良い。
【0013】
この場合、蓋体に前記圧逃げ孔が形成されるとともに、蓋体とシート体との間に前記圧逃げ路が形成されているので、仮に混合容器の内圧が上昇しようとしても、この内圧を、圧逃げ孔および圧逃げ路を通して外部に逃がすことが可能になり、内圧上昇を抑制することができる。このような内圧上昇は、例えば内容物の混合によって発生するガスに起因する場合がある。つまり、例えば染毛剤のような、互いに混合することでガスが発生する複数種の内容物を混合する混合容器にも、本発明を好適に採用することが可能となる。
また、混合容器の内圧が、圧逃げ孔から直接、外部に逃げるのではなく、圧逃げ路を通して外部に逃げるので、仮に内容物が圧逃げ孔を通過しても圧逃げ路の流動抵抗を受けることとなり、この内容物が零れ出るのを抑制できる。
【0014】
また、内圧が上昇したときに前記蓋体が前記容器体に対して押し上げられることで、前記口部と前記蓋体との間に当該混合容器の内部と外部とを連通する連通路が形成されても良い。
【0015】
この場合、内圧が上昇したときに蓋体が容器体に対して押し上げられることで前記連通路が形成されるので、仮に混合容器の内圧が上昇したとしても、この内圧を、連通路を通して外部に逃がすことが可能になり、内圧上昇を抑制することができる。このような内圧上昇は、例えば内容物の混合によって発生するガスに起因する場合がある。つまり、例えば染毛剤のような、互いに混合することでガスが発生する複数種の内容物を混合する混合容器にも、本発明を好適に採用することが可能となる。
【0016】
また、前記係合片は、容器軸方向に延在するとともに前記ヒンジ部に連結された本体板と、該本体板から径方向の内側に向けて突設されるとともに、該本体板との間に係止隙間をあけて位置する係止部を有する突出体と、を備え、前記被係合部は、前記係止隙間に配置されて前記係止部に係止される被係止部を備え、前記本体板において前記被係止部を介して前記係止部と径方向で対向する対向部分は閉塞されていても良い。
【0017】
この場合、被係合部の被係止部が、係合片の係止部に係止されているので、不意に本体板がヒンジ部回りに径方向の外側に回動しようとしても、係止部と被係止部とが接触することでその回動が規制される。
また、本体板の前記対向部分が閉塞されているので、被係止部が前記対向部分によって径方向の外側から覆われて露出することが無く、混合容器のデザイン性を向上させることができる。
【0018】
また、前記本体板のうち、前記突出体との連結部分よりも容器軸方向に沿った前記ヒンジ部の反対側に位置する把持部分は、前記反対側に向かうに従い漸次、径方向の外側に向かって延在していても良い。
【0019】
この場合、本体板の前記把持部分が、前記反対側に向かうに従い漸次、径方向の外側に向かって延在しているので、前記把持部分と、容器体および蓋体のうち被係合部が設けられた前記他方と、の間の間隔が、前記反対側に向かうに従い漸次大きくなる。したがって、本体板の前記把持部分を前記反対側から指等で把持し易くなり、本体板をヒンジ部回りに容易に回動させることができる。これにより、蓋体の着脱操作をより簡便に行うことができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明に係る混合容器によれば、蓋体の着脱操作が簡便であるとともに、内容物を零れ難くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の第1実施形態に係る混合容器の半断面図である。
【図2】図1に示す混合容器の上面図である。
【図3】図2に示すA−A断面矢視図である。
【図4】本発明の第2実施形態に係る混合容器の半断面図である。
【図5】図4に示す混合容器の上面図である。
【図6】図5に示す領域Bの拡大図である。
【図7】本発明の第3実施形態に係る混合容器の半断面図である。
【図8】図7に示す混合容器の上面図である。
【図9】図8に示すC−C断面矢視図である。
【図10】図9に示す混合容器の要部の拡大断面図である。
【図11】図7に示す混合容器の作用を説明する図である。
【図12】図7に示す混合容器の作用を説明する図である。
【図13】本発明の第4実施形態に係る混合容器の拡大半断面図である。
【図14】図13に示す混合容器の上面図である。
【図15】本発明の第4実施形態の変形例に係る混合容器の拡大半断面図である。
【図16】本発明の第5実施形態に係る混合容器の拡大半断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
(第1実施形態)
以下、図面を参照し、本発明の第1実施形態に係る混合容器を説明する。
図1に示すように、混合容器1は、複数種の内容物が収容される容器体2と、該容器体2の口部3に着脱自在に装着された蓋体4と、を備えている。
なお本実施形態では、容器体2は有底筒状に形成されるとともに蓋体4は有頂筒状に形成され、容器体2および蓋体4は、それぞれの中心軸線が共通軸上に位置された状態で配設されている。以下、この共通軸を容器軸Oといい、容器軸O方向に沿った蓋体4側を上側といい、容器体2側を下側といい、容器軸Oに直交する方向を径方向といい、容器軸O回りに周回する方向を周方向という。
【0023】
容器体2は、前記口部3と、口部3の下端に連結され上方から下方に向けて漸次縮径する胴部5と、胴部5の下端部を閉塞する底部6と、を備えている。
胴部5の径方向の外側には、容器体2に一体に形成された保護部材8が配設されている。本実施形態では、保護部材8は、容器軸Oと同軸に配置され口部3の下端から下方に向けて延在する筒状に形成されている。また、保護部材8と胴部5との間には、保護部材8と胴部5とを連結する縦リブ9が、周方向に間隔をあけて複数配設されている。なお、縦リブ9は設けなくても良い。
【0024】
蓋体4の周壁部10は、容器体2の口部3に着脱自在に外嵌された下筒部12と、下筒部12よりも小径の上筒部11と、これらの下筒部12と上筒部11とを連結し、かつ口部3の上端開口縁上に配置された段部13と、を備えている。上筒部11の下端には、前記口部3内に液密に嵌合するシール筒部14が下方に向けて延設されている。
また図2に示すように、蓋体4の天壁部15には、該天壁部15を貫通する圧逃げ孔16が形成されるとともに、該圧逃げ孔16を混合容器1の外部から覆うシート体17が固着されている。圧逃げ孔16およびシート体17はいずれも、上面視形状が円形状とされるとともに、容器軸Oと同軸に配置されている。
【0025】
また図3に示すように、天壁部15とシート体17との間には、圧逃げ孔16と外部とを連通する圧逃げ路18が形成されている。本実施形態では、圧逃げ路18は、天壁部15の上面に形成された圧逃げ凹溝19の内面と、シート体17の下面と、によって画成されるとともに、図2に示すように、上面視渦巻状の迂回部18aを備えている。
【0026】
圧逃げ凹溝19は、上面視において、圧逃げ孔16から径方向の一方側に向けて延びる第1直線部19aと、圧逃げ孔16に対して径方向の一方側とは反対の他方側に配置されるとともに径方向に沿って延びる第2直線部19bと、第1直線部19aの径方向の一方側の端部から第2直線部19bの径方向の一方側の端部まで渦巻状に延在する渦巻き部19cと、を備えている。
【0027】
この圧逃げ凹溝19の渦巻き部19cの内面と、シート体17の下面と、によって圧逃げ路18の迂回部18aが画成されている。また圧逃げ凹溝19のうち、第2直線部19bの径方向の他方側の端部は、シート体17によって外部から覆われずに露出し、かつ該端部以外の部分は、シート体17によって外部から覆われている。
【0028】
そして図1に示すように、本実施形態では、蓋体4に、ヒンジ部20回りに回動可能な係合片21が周方向に間隔をあけて複数(図示の例では2つ)設けられるとともに、容器体2に、係合片21が着脱自在に係合された被係合部22が設けられている。
複数の係合片21は、周方向に同等の間隔をあけて配置されている。係合片21は、蓋体4の前記下筒部12の径方向の外側に位置するとともに容器軸O方向に延びる本体板23と、該本体板23から径方向の内側に向けて突設された突起部24と、を備えている。
【0029】
図2に示すように、本体板23は周方向に沿って延在している。また本体板23の上端は、前記ヒンジ部20を介して蓋体4の前記下筒部12に連結されている。ヒンジ部20は、周方向に間隔をあけて複数(図示の例では2つ)配置されたヒンジ片20aで構成されている。
また図1に示すように、突起部24における径方向の内側の端部には、上方に向けて突出する係合凸部24aが形成されている。
【0030】
被係合部22は、容器体2の口部3の下端から径方向の外側に向けて全周にわたって突設された環状部25と、環状部25の先端部から下方に向けて全周にわたって突設された突条部26と、を備えている。
環状部25には、上方から蓋体4の前記下筒部12の下端縁が当接もしくは近接し、かつ径方向の外側から本体板23が当接もしくは近接している。
突条部26には、径方向の外側から本体板23が当接もしくは近接し、かつ下方から突起部24が当接もしくは近接している。そして、この突条部26の径方向の内側に突起部24の係合凸部24aが位置することにより、突条部26に突起部24が係合している。
【0031】
次に、以上のように構成された混合容器1を用いて複数種の内容物を混合する方法について説明する。
はじめに、各係合片21をヒンジ部20回りに上側に向けて回動させて係合片21の突起部24と被係合部22の突条部26との係合を解除し(図1の2点鎖線参照)、蓋体4を容器体2から離脱させ口部3を開放した後、この口部3から複数種の内容物を容器体2内に収容する。その後、蓋体4により口部3を閉塞するとともに各係合片21をヒンジ部20回りに下側に向けて回動させ、係合片21の突起部24の係合凸部24aを、被係合部22の突条部26に径方向の外側から内側に乗り越えさせて、突起部24を突条部26に係合させ、蓋体4を容器体2に装着させる。
【0032】
なお前述した蓋体4の着脱操作および容器体2への内容物の収容操作は、例えば容器体2を把持せずに図示しない載置台上に載置して行っても良い。また、容器体2を把持する場合には、保護部材8を介して把持することが好ましい。
そして、複数種の内容物が容器体2に収容された混合容器1を例えば振るなどすることで、容器体2内の複数種の内容物を混合する。このとき、容器体2を把持する場合には、保護部材8を介して把持することが好ましい。
【0033】
以上説明したように、本実施形態に係る混合容器1によれば、各係合片21をヒンジ部20回りに回動させることで蓋体4を容器体2に着脱させることができるので、着脱操作を短時間で簡便に行うことができる。
またこのように、各係合片21をヒンジ部20回りに回動させることで蓋体4を容器体2に着脱させることができるので、容器体2を強固に把持せずに蓋体4を容器体2に着脱させることが可能になり、容器体2内に収容された内容物が着脱操作時に混合容器1から零れるのを抑制することができる。すなわち、蓋体4の着脱操作時に容器体2の胴部5を強固に把持すると、当該胴部5が変形し、混合容器1の内圧が上昇して内容物が混合容器1から零れるおそれがある。
【0034】
また、係合片21の突起部24を被係合部22の突条部26に係合させることで蓋体4が容器体2に装着されることから、蓋体4が容器体2に傾いた状態で装着されるのを抑制することが可能になり、蓋体4と容器体2の口部3との間のシール性を安定して確保し易くすることができる。したがって、複数種の内容物を混合する混合操作時に、容器体2内に収容された内容物が混合容器1から零れるのを確実に抑制することができる。
【0035】
また、胴部5の径方向の外側に前記保護部材8が形成されているので、当該胴部5に変形が生じ難い。つまり、内容物が収容された容器体2を把持する際に、保護部材8を介して容器体2を把持することにより、容器体2の胴部5が内側に向けて変形して内圧が上昇するのを抑制することが可能になる。これにより、内容物が混合容器1から零れるのを抑制することができる。
【0036】
また、蓋体4に前記圧逃げ孔16が形成されるとともに、蓋体4とシート体17との間に前記圧逃げ路18が形成されているので、仮に混合容器1の内圧が上昇しようとしても、この内圧を、圧逃げ孔16および圧逃げ路18を通して外部に逃がすことが可能になり、内圧上昇を抑制することができる。このような内圧上昇は、例えば内容物の混合によって発生するガスに起因する場合がある。つまり、例えば染毛剤のような、互いに混合することでガスが発生する複数種の内容物を混合する混合容器にも、本実施形態の混合容器1を好適に採用することが可能となる。
また、混合容器1の内圧が、圧逃げ孔16から直接、外部に逃げるのではなく、圧逃げ路18を通して外部に逃げるので、仮に内容物が圧逃げ孔16を通過しても圧逃げ路18の流動抵抗を受けることとなり、この内容物が零れ出るのを抑制できる。
【0037】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態に係る混合容器を説明する。
なお、この第2実施形態においては、第1実施形態における構成要素と同一の部分については同一の符号を付し、その説明を省略し、異なる点についてのみ説明する。
【0038】
図4に示すように、本実施形態の混合容器30では、保護部材32は、胴部5の上端部から径方向の外側に向けて全周にわたって突設されたフランジ状に形成されるとともに、容器軸O方向に間隔をあけて複数(図示の例では3つ)配設されている。各保護部材32の外径は、互いに同等となっている。
また口部3の下端には、保護部材32と外径が同等とされた環状体33が、径方向の外側に向けて全周にわたって突設されている。この環状体33には、上方から蓋体4の前記下筒部12が当接もしくは近接している。
【0039】
図5および図6に示すように、シート体17の下面には、天壁部15の上面に対する非シール部34が設けられており、圧逃げ路35は、シート体17の下面のうちの前記非シール部34と、天壁部15の上面と、によって画成されている。
【0040】
図6に示すように、非シール部34は、上面視において、圧逃げ孔16から径方向の一方側に向けて延びる第1直線部34aと、圧逃げ孔16に対して径方向の一方側とは反対の他方側に配置されるとともにシート体17の外周縁から径方向に沿って延びる第2直線部34bと、第1直線部34aの径方向の一方側の端部から第2直線部34bの径方向の一方側の端部まで渦巻状に延在する渦巻き部34cと、を備えている。
【0041】
この非シール部34の渦巻き部34cと、天壁部15の上面と、によって圧逃げ路35の迂回部35aが画成されている。
なお、シート体17の下面において、圧逃げ孔16に対向する部分と前記非シール部34とを除いた部分は、天壁部15の上面に固着されたシール部36となっている。
【0042】
ここで、このシート体17は、蓋体4が成形された後に蓋体4に貼着しても、インモールド成形によって蓋体4に固着しても良い。また、シート体17の下面全体を、インモールド成形によって蓋体4に擬似接着し、混合容器30の内圧の上昇によって前記擬似接着が部分的に剥離されることで、圧逃げ路が形成される構成としてもよい。
【0043】
図4に示すように、係合片37の本体板38は、保護部材32および環状体33の径方向の外側の端縁に当接もしくは近接している。また本体板38の上端は、蓋体4の前記下筒部12の下端にヒンジ部20を介して連結されるとともに、本体板38の下端は、複数の保護部材32のうち、最も下方に位置するものよりも下方に位置している。
【0044】
係合片37の突起部39は、本体板38から径方向の内側に向けて、かつ周方向に間隔をあけて複数突設されている。
被係合部40は、複数の保護部材32のうち、下方に位置する2つの保護部材32によって構成されている。これら2つの保護部材32の間には、前記係合片37の突起部39が嵌合されている。
【0045】
以上説明した本実施形態に係る混合容器30によれば、前記第1実施形態と同様の作用効果を奏功することができる。
【0046】
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態に係る混合容器を説明する。
なお、この第3実施形態においては、第1実施形態における構成要素と同一の部分については同一の符号を付し、その説明を省略し、異なる点についてのみ説明する。
【0047】
図7および図8に示すように、本実施形態の混合容器50では、前記係合片21が周方向に同等の間隔をあけて、90度おきに4つ配置されている。
また図9および図10に示すように、容器体2の口部3の上端部の内周面には、上方に向けて開口する第1周溝51が全周にわたって形成されている。図10に示すように、第1周溝51の下端は、シール筒部14の下端部よりも上方に位置しており、シール筒部14の下端部は、口部3の内周面に全周にわたって密接している。
【0048】
また図示の例では、口部3の上端開口縁は、蓋体4の前記段部13の下面に当接している。この上端開口縁には、径方向の外側に向けて開口する第2周溝52が全周にわたって形成されている。
図9に示すように、口部3の外周面と蓋体4の前記下筒部12の内周面との間には、周方向の全周にわたって延びる第1隙間53が形成されている。また、被係合部22の環状部25の上面と蓋体4の前記下筒部12の下端開口縁との間には、周方向の全周にわたって延びる第2隙間54が形成されており、この第2隙間54は、前記第1隙間53と混合容器50の外部とを連通している。
【0049】
次に、前述した混合容器50の作用について説明する。
この混合容器50では、前述のように、シール筒部14の下端部が、容器体2の口部3の内周面に全周にわたって密接しているので、蓋体4と口部3との間のシール性を確保することができる。また図7に示すように、係合片21が被係合部22に係合することで蓋体4が容器体2に装着されていることから、前述のシール性を安定して確保することができる。
【0050】
ここで、図11および図12に示すように、この混合容器50の内圧が上昇すると、蓋体4が容器体2に対して相対的に押し上げられて上昇移動する。このとき図8に示すように、蓋体4の周方向部分のうち、係合片21が設けられた係合部分4Aでは、係合片21が被係合部22に係合することで上昇移動が強固に規制されており、上昇移動がおこらないか、上昇量が小さい。一方、蓋体4の周方向部分のうち、前記係合部分4Aの間に位置する非係合部分4Bでは、前記係合部分4Aに比べて上昇量が大きい。
【0051】
すると図12に示すように、前記非係合部分4Bでは、口部3の上端開口縁と蓋体4の前記段部13の下面とが離間し、両者間に第3隙間55が形成されるとともに、シール筒部14の下端部が口部3の前記第1周溝51の下端よりも上方に移動し、シール筒部14の下端部が口部3の内周面から離間する。
【0052】
これにより、図11に示すように、混合容器50の内部から外部に向けて第1周溝51、第3隙間55、第1隙間53および第2隙間54からなる連通路56が口部3と蓋体4との間に形成され、この連通路56を通して混合容器50の内部と外部とが連通される。
なおこのとき、前述のように蓋体4の前記係合部分4Aの上昇移動が規制されていることから、蓋体4の容器体2からの離脱は抑えられる。
【0053】
以上説明したように、本実施形態に係る混合容器50によれば、内圧が上昇したときに蓋体4が容器体2に対して押し上げられることで、前記連通路56が形成されるので、仮に混合容器50の内圧が上昇したとしても、この内圧を、連通路56を通して外部に逃がすことが可能になり、内圧上昇を抑制することができる。
【0054】
なお本実施形態では、容器体2の口部3の上端部の内周面に第1周溝51が形成されているものとしたが、これに限られるものではない。例えば、第1周溝51に代えて、上方に向けて開口するとともに容器軸O方向に延びる縦溝が形成されていても良い。この場合、縦溝は、周方向に間隔をあけて複数配置されていることが好ましい。また縦溝は、蓋体4の前記非係合部分4Bに対応する位置に形成されていることが好ましい。
また、前記第2周溝52はなくても良い。
【0055】
さらに本実施形態では、係合片21が、周方向に同等の間隔をあけて4つ配置されているものとしたが、これに限られるものではなく、係合片21の数は、蓋体4と容器体2の口部3との間のシール性の確保し易さや、混合容器50の内圧の上昇しうる大きさや、混合容器50の内圧の上昇に伴う連通路56の形成のタイミング等を考慮し、適切な数に設定しても良い。例えば、混合容器50の内圧が上昇したときに、この内圧を早急に開放する必要がある場合には、蓋体4における前記非係合部分4Bの範囲を大きくするために、係合片21(係合部分4A)を180度おきに2つ配置することが好ましい。
【0056】
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態に係る混合容器を説明する。
なお、この第4実施形態においては、第3実施形態における構成要素と同一の部分については同一の符号を付し、その説明を省略し、異なる点についてのみ説明する。
【0057】
図13に示すように、本実施形態の混合容器60では、保護部材61は、容器体2の口部3の下端から下方に向けて延設されるとともに胴部5の外周面に連結されたリブ状に形成されるとともに、周方向に間隔をあけて複数配設されている。保護部材61の径方向の外側を向く外面は、容器軸O方向に沿って延在している。
また、蓋体4の周壁部10には段差が無く、この周壁部10が口部3に外嵌されるとともに、蓋体4の天壁部15の外周縁部が口部3の上端開口縁上に配設されている。シール筒部14は、天壁部15から下方に向けて延設されている。
【0058】
係合片62は、前記本体板23と、本体板23から径方向の内側に向けて突設されるとともに、本体板23との間に係止隙間63をあけて位置する係止部64を有する突出体65と、を備えており、前記係止隙間63には、被係合部22の突条部(被係止部)26が配置されている。
【0059】
図14に示すように、本体板23の上端縁は、蓋体4の周壁部10から径方向の外側に向けて突設された突出板66に、ヒンジ部20を介して連結されている。図示の例では、ヒンジ部20は、容器軸Oに直交する直交面に沿う方向のうち、径方向に直交する方向に沿って延び、本体板23の上端縁と、突出板66の径方向の外側の端縁と、を互いに全長にわたって連結している。
【0060】
図13に示すように、突出体65は、前記係止部64と、本体板23から径方向の内側に向けて突設された連結部67と、を備えている。図示の例では、連結部67は、前記直交面に平行に延在しており、被係合部22の突条部26に下方から近接もしくは当接している。また係止部64は、連結部67の径方向の内側の端部から上方に向けて突設されており、図示の例では、容器軸Oに平行に延在するとともに、被係合部22の環状部25に下方から近接もしくは当接している。
【0061】
係止隙間63は、本体板23、係止部64および連結部67によって画成されてなり、上方に向けて開口している。係止隙間63の径方向に沿った大きさは、容器軸O方向の全長にわたって同等となっている。そして前述のように、この係止隙間63に被係合部22の突条部26が配置されることで、突条部26が係止部64に係止されている。
【0062】
また本体板23のうち、突出体65との連結部分23aよりも下側(容器軸方向に沿ったヒンジ部の反対側)に位置する把持部分23bは、下側に向かうに従い漸次、径方向の外側に向かって延在している。図示の例では、前記把持部分23bは湾曲しており、前記把持部分23bの縦断面視形状は、径方向の内側に向かって窪む凹曲板状となっている。また図14に示すように、前記把持部分23bの板幅は、下方に向かうに従い漸次、狭くなっている。
【0063】
また、前記把持部分23bの径方向の外側を向く表面には、滑り止め手段68が設けられている。図示の例では、滑り止め手段68は、前記把持部分23bの表面に容器軸O方向に間隔をあけて複数配設された横リブ68aにより構成されている。
そして図13に示すように、本実施形態では、本体板23において突条部26を介して係止部64と径方向で対向する対向部分23cは閉塞されており、前記対向部分23cには、貫通孔が形成されていない。
【0064】
次に、以上のように構成された混合容器60の作用について説明する。
まず、この混合容器60では、蓋体4が容器体2に装着された状態で、被係合部22の突条部26が、係合片62の係止部64に係止されているので、不意に本体板23がヒンジ部20回りに径方向の外側に回動しようとしても、係止部64と突条部26とが接触することでその回動が規制される。
【0065】
次に、前記混合容器60における蓋体4の着脱操作について説明する。
蓋体4を離脱させる際には、例えば指等で係合片62の本体板23の前記把持部分23bを把持し、各係合片62をヒンジ部20回りに上側に向けて回動させることで、係合片62の係止部64を突条部26の径方向の内側から外側に移動させ、係合片62と被係合部22との係合を解除した後、容器体2の口部3に対する蓋体4の周壁部10の外嵌を解除する。
【0066】
また、蓋体4を装着させる際には、蓋体4の周壁部10を容器体2の口部3に外嵌させた後、例えば指等で係合片62の本体板23の前記把持部分23bを把持し、各係合片62をヒンジ部20回りに下側に向けて回動させ、係合片62の係止部64を被係合部22の突条部26の径方向の外側から内側に移動させ、前記係止隙間63に突条部26を配置する。
【0067】
次に、前記混合容器60における蓋体4および係合片62の製造方法の一例について説明する。
蓋体4および係合片62は、図示しない金型を用いた射出成形により一体的に成形される。この金型の開閉方向は、容器軸O方向と一致している。
【0068】
ここで図13に2点鎖線で示すように、全ての係合片62は、前記金型内においてヒンジ部20から上側に向けて延在した姿勢とされて成形される。図示の例では、全ての係合片62は、前記金型内において、係止部64が容器軸O方向に延び、かつ係止隙間63が容器軸O方向に向けて開口した状態となっている。つまり、係止部64が延在する方向、および係止隙間63が開口する方向が、前記金型の開閉方向と一致している。これにより、前記金型を型開きする際に、本体板23や突出体65などが、前記金型に引っ掛かることがなく、本体板23に貫通孔を形成しなくても蓋体4および係合片62を高精度に一体的に成形することができる。
【0069】
以上説明したように、本実施形態に係る混合容器60によれば、本体板23の前記対向部分23cが閉塞されているので、被係合部22の突条部26が前記対向部分23cによって径方向の外側から覆われて露出することが無く、混合容器60のデザイン性を向上させることができる。
【0070】
また、本体板23の前記把持部分23bが、下側に向かうに従い漸次、径方向の外側に向かって延在しているので、容器体2と、本体板23の前記把持部分23bと、の間の間隔が、下側に向かうに従い漸次大きくなる。したがって、本体板23の前記把持部分23bを下側から指等で把持し易くなり、本体板23をヒンジ部20回りに容易に回動させることができる。これにより、蓋体4の着脱操作をより簡便に行うことができる。
【0071】
なお、突出体65の連結部67は、本実施形態の混合容器60に採用した構成に限られず、例えば、図15に示すような混合容器60Aに採用した構成であっても良い。
図15に示す混合容器60Aでは、突出体65の連結部67の下面が、径方向の内側に向かうに従い漸次、上方に向かって延びる傾斜面となっている。
【0072】
また本実施形態では、滑り止め手段68が横リブ68aで構成されているものとしたが、これに限られるものではない。また滑り止め手段68は無くても良い。
さらに本実施形態では、本体板23の前記把持部分23bが、下側に向かうに従い漸次、径方向の外側に向かって湾曲しているものとしたが、これに限られるものではない。例えば、前記把持部分23bは、下側に向かうに従い漸次、径方向の外側に向かって直線状に延在していても良い。さらに、前記把持部分23bは、下側に向かうに従い漸次、径方向の外側に向かって延在していなくても良く、例えば、容器軸O方向に沿って延在していても良い。
【0073】
また本実施形態では、係止隙間63に配置される被係合部22の被係止部として、突条部26を採用したが、これに限られるものではない。例えば、環状部25に容器軸O方向に延びる貫通孔を形成し、環状部25において該貫通孔よりも径方向の外側に位置する部分を係止部として係止隙間63に配置する構成としても良い。
【0074】
(第5実施形態)
次に、本発明の第5実施形態に係る混合容器70を説明する。
なお、この第5実施形態においては、第4実施形態における構成要素と同一の部分については同一の符号を付し、その説明を省略し、異なる点についてのみ説明する。
【0075】
図16に示すように、本実施形態の混合容器70では、突出体65は、径方向の内側に向かうに従い漸次、上方に向けて延在するように本体板23に配設されており、前記係止部64は、突出体65の径方向の内側の端部となっている。係止隙間63の径方向に沿った大きさは、下方から上方に向かうに従い漸次、大きくなっている。
【0076】
ここで、前記混合容器60の蓋体4および係合片62を、前記金型を用いた射出成形により一体的に成形するときには、例えば前述のように、全ての係合片62が、前記金型内においてヒンジ部20から上側に向けて延在した姿勢で成形する。本実施形態では、図16に2点鎖線で示すように、全ての係合片62は、前記金型内において、突出体65が容器軸O方向に沿って延在した状態となっている。また全ての係合片62は、前記金型内において、本体板23が上方に向かうに従い漸次、径方向の外側に向かって延在している。これにより、前記金型を型開きする際に、本体板23や突出体65などが、前記金型に引っ掛かることがなく、本体板23に貫通孔を形成しなくても蓋体4および係合片62を高精度に一体的に成形することができる。
【0077】
以上説明したように、本実施形態に係る混合容器70によれば、前記第4実施形態の混合容器60と同様の作用効果を奏功することができる。
【0078】
なお、本発明の技術的範囲は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、保護部材8、32、61、圧逃げ孔16および圧逃げ路18、35は無くても良い。
【0079】
また、前記第1、第2実施形態では、圧逃げ路18、35は、上面視渦巻状の迂回部18a、35aを備えるものとしたが、これに限定されるものではない。例えば圧逃げ路が、上面視直線状であっても良く、その他、種々の形状であっても良い。また圧逃げ路18、35を設けず、圧逃げ孔16のみ設けてもよい。
さらに、係合片21、37、62は、2つや4つに限られず、3つ設けられていたり、5つ以上設けられていたりしても良い。なお、複数の係合片21、37、62は、周方向に同等の間隔をあけて配置されることが好ましい。
【0080】
また、前記各実施形態では、蓋体4に係合片21、37、62が設けられ、容器体2に被係合部22、40が設けられているものとしたが、これに代えて、容器体2に係合片が設けられ、蓋体4に被係合部が設けられていても良い。すなわち、容器体および蓋体のいずれか一方に、ヒンジ部回りに回動可能な係合片が周方向に間隔をあけて複数設けられるとともに、他方に、係合片が着脱自在に係合された被係合部が設けられていれば良い。
【0081】
さらにまた、内圧を外部に逃がす構造として、第1〜第5実施形態の各構造(圧逃げ孔16、シート体17、圧逃げ路18、35、連通路56)を、他の実施形態における内圧を外部に逃がす構造に代えて適用しても良い。また、これらの内圧を外部に逃がす構造が複数組み合わされた混合容器を採用しても良い。
【0082】
その他、本発明の趣旨に逸脱しない範囲で、前記実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、前記した変形例を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0083】
1、30、50、60、60A、70 混合容器
2 容器体
3 口部
4 蓋体
5 胴部
8、32、61 保護部材
16 圧逃げ孔
17 シート体
18、35 圧逃げ路
20 ヒンジ部
21、37、62 係合片
22、40 被係合部
23 本体板
26 突条部(被係止部)
56 連通路
63 係止隙間
64 係止部
65 突出体
O 容器軸
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数種の内容物が収容される容器体と、
該容器体の口部に着脱自在に装着された蓋体と、を備える混合容器であって、
前記容器体および前記蓋体のいずれか一方には、ヒンジ部回りに回動可能な係合片が周方向に間隔をあけて複数設けられるとともに、他方には、前記係合片が着脱自在に係合される被係合部が設けられていることを特徴とする混合容器。
【請求項2】
請求項1記載の混合容器であって、
前記容器体の胴部の径方向の外側には、該容器体に一体に形成された保護部材が配設されていることを特徴とする混合容器。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の混合容器であって、
前記蓋体には、該蓋体を貫通する圧逃げ孔が形成されるとともに、該圧逃げ孔を外部から覆うシート体が固着され、
前記蓋体と前記シート体との間には、前記圧逃げ孔と外部とを連通する圧逃げ路が形成されていることを特徴とする混合容器。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載の混合容器であって、
内圧が上昇したときに前記蓋体が前記容器体に対して押し上げられることで、前記口部と前記蓋体との間に当該混合容器の内部と外部とを連通する連通路が形成されることを特徴とする混合容器。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1項に記載の混合容器であって、
前記係合片は、
容器軸方向に延在するとともに前記ヒンジ部に連結された本体板と、
該本体板から径方向の内側に向けて突設されるとともに、該本体板との間に係止隙間をあけて位置する係止部を有する突出体と、を備え、
前記被係合部は、前記係止隙間に配置されて前記係止部に係止される被係止部を備え、
前記本体板において前記被係止部を介して前記係止部と径方向で対向する対向部分は閉塞されていることを特徴とする混合容器。
【請求項6】
請求項5記載の混合容器であって、
前記本体板のうち、前記突出体との連結部分よりも容器軸方向に沿った前記ヒンジ部の反対側に位置する把持部分は、前記反対側に向かうに従い漸次、径方向の外側に向かって延在していることを特徴とする混合容器。
【請求項1】
複数種の内容物が収容される容器体と、
該容器体の口部に着脱自在に装着された蓋体と、を備える混合容器であって、
前記容器体および前記蓋体のいずれか一方には、ヒンジ部回りに回動可能な係合片が周方向に間隔をあけて複数設けられるとともに、他方には、前記係合片が着脱自在に係合される被係合部が設けられていることを特徴とする混合容器。
【請求項2】
請求項1記載の混合容器であって、
前記容器体の胴部の径方向の外側には、該容器体に一体に形成された保護部材が配設されていることを特徴とする混合容器。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の混合容器であって、
前記蓋体には、該蓋体を貫通する圧逃げ孔が形成されるとともに、該圧逃げ孔を外部から覆うシート体が固着され、
前記蓋体と前記シート体との間には、前記圧逃げ孔と外部とを連通する圧逃げ路が形成されていることを特徴とする混合容器。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載の混合容器であって、
内圧が上昇したときに前記蓋体が前記容器体に対して押し上げられることで、前記口部と前記蓋体との間に当該混合容器の内部と外部とを連通する連通路が形成されることを特徴とする混合容器。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1項に記載の混合容器であって、
前記係合片は、
容器軸方向に延在するとともに前記ヒンジ部に連結された本体板と、
該本体板から径方向の内側に向けて突設されるとともに、該本体板との間に係止隙間をあけて位置する係止部を有する突出体と、を備え、
前記被係合部は、前記係止隙間に配置されて前記係止部に係止される被係止部を備え、
前記本体板において前記被係止部を介して前記係止部と径方向で対向する対向部分は閉塞されていることを特徴とする混合容器。
【請求項6】
請求項5記載の混合容器であって、
前記本体板のうち、前記突出体との連結部分よりも容器軸方向に沿った前記ヒンジ部の反対側に位置する把持部分は、前記反対側に向かうに従い漸次、径方向の外側に向かって延在していることを特徴とする混合容器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2011−219167(P2011−219167A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−105224(P2010−105224)
【出願日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【出願人】(000006909)株式会社吉野工業所 (2,913)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【出願人】(000006909)株式会社吉野工業所 (2,913)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]