混合機及び混合の方法
【解決手段】2つの部材(1、2)が互いに対して所定の軸(XX)を中心として回転し、両部材は軸方向に延びる対向面(15、16)を有し、これらの間に混合チャンバが形成され、この中を、混合されるべき材料のための入口(7)と出口(8)との間に亘って流路が延びている動的混合機。対向面(15、16)の少なくとも一方には2以上の混合形成物の配列が形成され、これらは他方の要素の対向面(15、16)に向かって径方向に延びて混合チャンバ内の材料を混合するように作用すると共に、軸に略平行に軸方向に延びている。このように形成された混合形成物は、第1及び第2の部材が相対的に回転するとき、混合チャンバに存在する材料に、狭窄流通路に続いて拡張流通路を提供するように構成され、これら混合形成物は、前記両面間の空間に存在する材料によって与えられる正味の径方向荷重が略平衡するように、軸に垂角な任意の平面上で軸の周囲に配置されている。混合チャンバ内の材料は、近く分離された対向面間で誘起される円周方向前進流から生じる高伸長及び、又は剪断応力を受ける一方、広く分離された流表面間を軸方向に流れることができる。これによって分散混合及び分配混合効果が得られる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は混合に関するものであり、新たな混合装置及び混合方法を提供する。特に、本発明は粘性材料の高エネルギー混合に関するものである。「混合」という用語は単一の材料の加工を含むということが理解されるであろう。
【背景技術】
【0002】
混合という動作は、分散混合と分配混合という2つの異なる作用を含むと一般に理解されている。分散混合において、混合されている材料の個々の部分は、固体であれ流体であれ、それらのそれぞれの形状が負荷応力によって変わる。これは通常、個々の部分の平均的大きさを減らすと共にそれらの数を増やすという形をとる。分配混合において、材料の個々の部分は、固体であれ流体であれ、様々な材料部分の分配において互いに関して空間的均一性を得るために互いに配合される。良好な混合動作にはこのように、分散と分配との両方の混合作用の生じることが一般に必要である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ポリマーのような高粘性材料の混合は従来、バッチ又は連続プロセスの何れかとして達成される。ポリマーコンパウンディングのために用いられるようなバッチプロセスにおいて、このプロセスは一般に、通常は複数の成分を確実に十分に互いに配合する目的で、生じる分配混合の量を最大にするように設計されている。このようなバッチ機械の高応力分散混合を行なう能力は、この分配混合要件によって妥協されたものとなっている。この点に関して用いられる典型的な機械は、ポリマーのための密閉式混合機と、塗料及び接着剤のような材料を混合するために用いられるビーズミル及び鋸歯分散機とである。
【0004】
高粘性流体のバッチ混合のために用いられる機械のあまり一般的でないタイプはオープン二本ロールミルであり、この分散混合の水準は密閉式混合機のそれより高い。二本ロールミルは2本の平行ロール間の狭いギャップを通過する材料に比較的高い水準の応力を加えるが、このように加えられることができる応力の量は、両ロール間に生成される苛酷な分離力に耐える際の機械の機械的強さによって限定される。更に又、二本ロールミルによる分配混合の効率は、材料を繰り返しロールギャップに入れてロールの軸長に沿って移動させる重大な操作(通常手動の)に対する必要性によって限定される。
【0005】
分散及び分配混合能力に関する同じ限定が、一組より多くの平行ロールを含むカレンダのような機械にあてはまる。この点に関し、バッチ密閉式混合機は、両ロール間のギャップを通過する材料が機械内で再循環して更なる介入なしでギャップに再度入る二本ロールミルの閉じ込められた形であると考えられるということに注目できる。この作用は分配混合効率に関して二本ロールミルを超える改良を提供するが、密閉式混合機の両ロール間のギャップは、強さ及び効率と共に、分配流を促進する形状的特徴を収容する必要性の理由で二本ロールミルのそれより大きいので、この混合機の分散混合能力は結果的にミルのそれより劣っている。
【0006】
連続プロセスにおける高粘性材料の混合は、静的混合機又はプロセスライン内の攪拌チャンバのような高分配ではあるが低分散の装置によって、又は押出機によって一般に達成される。このような押出機は一般に、本質的に分配混合機であるよりは良好な分散混合機である単軸スクリュー押出機、及び単軸スクリューより大きな分配混合効果を達成することができるが、加工されている材料に加えることができる分散応力の量におけるスクリュー分離力によって本質的に限定される二軸スクリュー押出機という形をとる。この点に関し、単軸スクリュー押出機は、ポンプ輸送、加熱及び混合という機能の間で設計の妥協を含む装置であると考えられることができ、混合機能は、機械の環状断面の全体に亘って材料の十分に均一な分配を達成することに主に関係している。単軸スクリュー押出機は容積式ポンプでないので、その材料に加圧する能力は限定され、従ってその分散混合の有意水準を達成するために複数の高剪断帯を通って軸方向に材料を推進する能力において限定される。更に又、単軸スクリュー押出機はそれ自体、スクリュー内に含まれる材料の全てに高剪断応力を与えるというわけではない。しかしながら、押出機は、材料に剪断応力を与えるために限定された長さの1又は複数のフライトを通常含む混合セクションを装備してもよい。しかしながら、このような混合要素において、加えられることができる剪断エネルギーの量は限定される。
【0007】
単軸スクリュー押出機と同様に、二軸スクリュー押出機は、共通回転にせよ対向回転にせよ、容積式ポンプでなく、ポンプ輸送における同じ限定を欠点としている。単軸スクリュー押出機とは異なり、二軸スクリュー押出機は、2つのスクリューという形成物間の相互作用によって材料の能動的な分配混合を実際提供する。二軸スクリュー押出機の比較的高水準の分散応力を加える能力は、上述した二本ロールミルにあてはまるものと同様の考察、即ち回転可能要素がそれら自体の間の相互作用から生じる不均衡力を受けるので、スクリュー及びそれらの駆動システムに加えられる正味の軸方向力をこれらに加えなければならないということによって限定される。材料が押出機スクリューの低応力帯で費やす時間の割合のような他の点において、二軸スクリュー押出機は、単軸スクリュー押出機と同様の限定を欠点としている。
【0008】
従って、高粘性材料を混合することにおいて一般的に用いられる機械類のタイプについて、これらの設計は、非常に高水準の応力及びエネルギーを効率的に高粘性材料に加えて分散混合を最大にする一方で同時に分配混合の許容可能水準を達成することに不相応であることが分かる。連続プロセスとしてにせよバッチプロセスとしてにせよ、このような混合を達成することができる混合機を提供することが本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1の態様によれば、長手軸の周囲に形成され、第2の管状混合部材内に軸方向に配置された第1の細長混合部材の対向面間に形成された径方向幅を有する細長環状混合チャンバが提供され、
混合されるべき材料を前記混合チャンバ内に導入するための入口と、前記混合チャンバから材料を除去するための出口と
を具え、
前記第1及び第2の混合部材は相対的に回転可能であり、
前記第1及び第2の混合部材の任意の回転位置について、前記混合チャンバの少なくとも1つの軸方向延在部分の径方向幅が前記軸の周囲で変化して少なくとも1つの径方向狭窄部が形成され、
前記径方向狭窄部は、混合チャンバの前記部分の長さに沿って、前記軸を含む任意の面に対して45°以下の角度を為す方向に延びている。
【0010】
本発明による装置は、材料に高剪断応力を与える径方向狭窄部を繰り返し流れるように混合チャンバ内の材料を強制する。
【0011】
前記装置は好ましくは、チャンバに対して材料の注入及び注出を行なうポンプを含む。例えば、好まれる実施形態において、前記入口はチャンバの一端近傍に配置され、前記出口はチャンバの他端近傍に配置され、ポンプは連続プロセスにおいてチャンバを通して材料をポンプ輸送するように設けられる。
【0012】
第1及び第2の混合部材の相対回転の結果として材料が前記狭窄部を流れるとき、前記径方向狭窄部は比較的高い応力帯となって実質的に円周方向伸長及び/又は円周方向剪断流を促進する。高応力帯を連続して通過する間に、混合チャンバ内の材料は、比較的低い応力領域となる非狭窄(即ち比較的大きな幅)帯を流れることになる。混合チャンバの形状は好ましくは、材料が低応力領域内で淀むことのないようなものである。
【0013】
本発明はこのように、混合チャンバを具えた動的混合装置を提供し、前記混合チャンバは、中の材料に一連の狭窄及び拡張流通路を与え、混合部材が相対的に回転するときに材料がこの中を流れるように構成される。混合チャンバ内の材料はこれによって、前記径方向狭窄部を通る材料の円周方向前進流から生じる伸長及び/又は剪断応力を受ける。連続混合プロセスにおいて、混合チャンバ内の材料は、軸方向及び円周方向のそれぞれのフローパターンから生じる流れの配合を受ける。
【0014】
径方向狭窄部が確実に混合装置の長手軸を含む任意の面に対して45°以下の線に沿って延びるようにすることにより確実に、混合部材の相対回転によって大きなポンプ力が生成されないことになる。これは例えば、押出機フライトが必要とされるポンプ力を生成するために回転軸に対してずっと急傾斜で角度を為しているスクリュー押出機から区別される。
【0015】
好ましくは、前記軸に垂直な平面上の混合チャンバを通る任意の断面について、前記径方向狭窄部は径方向幅を有し、その断面での第2の管状混合部材の最小内径に対する前記径方向幅の割合は、少なくとも0.05又は混合チャンバの前記部分の長さに沿って平均で少なくとも0.05である。
【0016】
例えば、単軸スクリュー押出機の場合、押出プロセスには、材料のほんの一部のみがスクリューフライトの末端とバレルの内表面との間のギャップに入ることができるということが必要である。従って、このギャップは、ポンプ効率を最大にすると共に、押出機内の材料が入口から押出機の出口まで通過するときスクリューチャネル内に確実に残るようにするために最小にする。従って、大きな量の材料がフライトを過ぎて円周方向に流れないので、押出機内には材料の大きな高剪断加工がない。
【0017】
前記径方向狭窄部は、混合チャンバの前記部分の長さに沿って前記長手軸に実質的に平行な方向に延びている。
【0018】
前記混合チャンバの部分は、入口と出口との間に形成されている混合チャンバの全長を具えてもよい。
【0019】
通常、混合チャンバの長さはその最小直径の少なくとも3倍であり、より普通にはその最小直径の5倍より大きいであろう。幾つかの実施形態において、混合チャンバの長さは該チャンバの最小直径の10倍以上であってもよい。
【0020】
好ましくは、少なくとも2つの前記径方向狭窄部が混合チャンバの周囲に角度を為して配置され、混合部材の任意の回転位置について混合部材に対する径方向力が平衡し、任意の径方向における真の力は実質的にゼロである。
【0021】
これらは例えば、混合部材の任意の回転位置について第1の径方向狭窄部が直径に沿って第2の径方向狭窄部に対向するように形成されている2つのみの前記径方向狭窄部であってもよい。或いは、これらは、混合チャンバが前記軸を中心として回転対称性を有するように形成されている2以上の径方向狭窄部であってもよい。
【0022】
幾つかの実施形態において、第2の管状混合部材の内表面は、混合チャンバの前記部分の長さに沿って実質的に円形の輪郭を有してもよく、第1の混合部材の外表面は、前記部分の長さに沿って非円形の輪郭を有してこれにより少なくとも部分的に前記径方向狭窄部を形成してもよい。
【0023】
幾つかの実施形態において、第2の管状混合部材の内表面は、混合チャンバの前記部分の長さに沿って非円形の輪郭を有して少なくとも部分的に前記径方向狭窄部を形成してもよい。
【0024】
本発明は又、長手軸の周囲に形成され、第2の管状混合部材内に軸方向に配置された第1の細長混合部材の対向面間に形成された径方向幅を有する細長環状混合チャンバと、
混合されるべき材料を前記混合チャンバ内に導入するための入口と、前記混合チャンバから材料を除去するための出口と
を具え、
前記第1及び第2の混合部材は相対的に回転可能であり、
前記第1及び第2の混合部材の任意の回転位置について、前記混合チャンバの少なくとも1つの軸方向延在部分の径方向幅が前記軸の周囲で変化して少なくとも1つの径方向狭窄部が形成され、
前記径方向狭窄部は、混合チャンバの前記部分の長さに沿って、前記軸を含む任意の面に対して45°以下の角度を為す方向に延びている混合装置を提供する混合の方法を提供し、該方法は、
前記チャンバ中を前記入口及び出口を介して混合されるべき材料をポンプ輸送することと、
前記第1及び第2の混合部材を相対的に回転させて前記混合チャンバ内の全ての材料が前記径方向絞りを複数回流れるようにすることと
を含む。
【0025】
2つの混合部材の対向面は回転軸に対して幾らかの角度で軸方向に延び、これにより両部材の相対的軸方向変位の結果として両対向面間の径方向距離に変化を生んでもよい。このようなテーパ表面の構成により、該当する場合、内側円筒が一体式外側円筒部材から軸方向に引き出されることがあるが、このような軸方向干渉を引き起こすであろう代替形状が少なくとも1つの軸平面に沿って外側円筒部材を分割することを通して別の方法で収容されてもよい。上述した方法でテーパする部材を伴う構成について、一方の部材を他方に対して軸方向に変位させる手段を設けてもよい。このような手段は、例えば、軸方向に固定された内側部材に対して様々な軸方向位置に外側部材を配置することを可能にする一組の外部取り付け物、軸方向に固定された外側部材に対して様々な軸方向位置に内側部材を配置することを可能にする機構、又はこれら2つの何らかの組み合わせでを含んでもよい。更に又、2つの部材の相対的軸方向位置を調整するための手段は、装置が静止している間に操作されてもよく、又は装置が生産しながら動作している間に位置及び従って径方向間隙を調整するように操作されてもよい。
【0026】
好ましくは、両混合部材の一方又は両方が、該部材の表面及び、又は混合チャンバ内の材料を冷却又は加熱するための手段を含む。このような手段は、冷却及び、又は加熱流体が輸送される1又は複数の通路を含んでもよい。好ましくは、部材内の前記通路又はチャンバは、混合チャンバに対向する壁の近くに配置されることになる。熱伝達流体の代わりに熱伝達の代替手段、例えば電気的加熱要素、熱ポンプ又は外部に取り付けられたファンを利用してもよい。
【0027】
混合形成物は好ましくは、2つの混合部材のそれぞれに対する一組の反力を生成するように回転軸に垂直な平面内で混合チャンバ内の材料に作用する表面によって形成することができ、これによりこうして生成された一定方向に向けられた力の径方向成分の合計は、ゼロか、さもなければ装置の対向面に対する損傷を防止するように十分に小さい値になる。前記混合形成物は、回転軸に垂直な平面内で回転軸を中心として回転対称及び、又は鏡面対称である表面によって形成されてもよい。或いは、混合形成物は、幾何学的に対称ではないが前記一組の径方向に平衡した反力を与えるように形成されてもよい。本発明の幾つかの実施形態は、幾何学的に対称であるにせよ非対称であるにせよ、単一のタイプの混合形成物を含んでもよい。本発明の他の実施形態は、幾何学的に対称及び、又は非対称であるにせよ、2以上のタイプの混合形成物を含んでもよく、材料が装置の長さを通過するときこれに対する異なる混合作用を達成するように一方が他方から軸方向に変位する。
【0028】
混合形成物は、両混合部材の互いに対する相対回転の方向から独立している方法で混合チャンバ内の材料に作用するように形成されてもよい。このような作用により両混合部材が第1の方向に相対的に回転するとき材料に生じる応力及び流れ挙動は、前記部材が逆の第2の方向に相対的に回転するときに生じる応力及び流れ挙動と異なることになる。
【0029】
好ましくは、両部材の表面間に形成される略環状の空間は、混合動作の間、材料によって完全に占有される。混合されるべき材料は、装置から独立して、又は相互に従属して駆動されるポンプ及び加圧手段によって装置の入口に対する圧力下で与えられてもよい。本発明の第1の好まれる実施形態において、装置に材料を送る手段は、独立して駆動される押出機又は容積式ポンプである。本発明の第2の好まれる実施形態において、装置に材料を送る手段は直接入口に接続された押出機であり、これによって押出機の外側バレルは装置の外部部材に連結され、押出機の内側スクリューは装置の内部部材に連結されてそれと共に回転可能に駆動される。このような構成を連結して駆動する代替方法が可能である。
【0030】
材料の推進と連動してその流速及び圧力を調節するため、装置に背圧を加える手段を出口に取り付けてもよい。このような手段は例えばダイ、バルブ又は流れに対する同様の絞りであってもよく、固定又は可変の流れ及び、又は圧力調節を提供することができる。
【0031】
好ましくは、本発明による装置は、相対的な回転可能な動きで一方又は両方の混合部材を駆動する手段を含むことができる。相対回転の速度を断続的又は周期的に変化させて異なる水準の分散混合力を混合チャンバ内の材料に加えてもよい。相対回転の方向を断続的又は周期的に逆転させて応力及び、又はフローパターンに関して異なる混合作用を混合チャンバ内の材料に加えてもよい。
【0032】
前記混合装置は、混合チャンバへの入口以外の1又は複数の箇所で該チャンバに材料を追加する手段を含んでもよい。このような入口は、装置の軸長に沿う又は径方向境界周囲の1又は複数の位置に配置されてもよい。前記中間位置での材料の追加は好ましくは、入れる時点で混合チャンバ内に存在している以上の供給圧力で達成されるであろう。
【0033】
装置の回転速度を調節することによって、混合チャンバ内の材料に加えられる混合力をどのような時点で制御してもよい。装置の回転速度と混合チャンバ中の材料の流速とを別々に調節することによって、材料の単位体積当たりに加えられる混合エネルギーの正味量をどのような特定の材料要件のために制御してもよい。装置の回転の速度及び方向を動作中断続的又は周期的に変化させて混合チャンバ内で所望の混合効果を得ることができる。機械中の流速は通常、ポンプ圧及び、又はチャンバに供給される材料の速度を変化させることによって、装置の出口条件を変化させることによって、又はこれらの何らかの組み合わせによって調節することができる。チャンバ内の材料に加えられる混合エネルギーの量は、両混合部材の一方又は両方の長さを変化させることによって、及び、又は両混合部材間の径方向分離距離を変化させることによって調節してもよい。
【0034】
本発明に従う装置は、連続プロセス動作内で、そして混合チャンバにその入口で適切な圧力での材料の連続供給が行なわれる場合はバッチプロセス動作内で用いられてもよい。
【0035】
本発明に従う装置は、単一の材料又は流体と固体、又は実際流体に類似した方法で振舞うことが可能である固体だけの混合物を含む多くの異材料を混合するために用いることができる(この文脈における混合という用語は、混合産業の全体にわたって用いられ、例えば、材料をより小さな構成部分へと分解する分散混合と、これらの小さくなった部分を材料中に全体として分配する際の分配混合とを指している)。前記装置は、架橋された材料を加工している間は架橋を選択的に切るために必要とされる応力及び流動条件を生成するように用いられてもよい。更に又、前記装置は、混合チャンバ内の化学反応を促進するために要求される、圧力、温度、動き及び大きさを含む物理的条件を与えるために用いることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
次に、添付図面を参照して、本発明の具体的な実施形態を単に例として説明する。
【0037】
「回転子」、「固定子」、「混合機」、「混合」及び「冷却剤」のような用語は、説明の目的のみのためにこの説明文中で利用されており、定義を限定するとして理解されるべきでないということが理解されるであろう。
【0038】
図1を参照すると、図示した混合機は、固定子ハウジング2(第2の混合部材)内及び入口ハウジング3内に取り付けられ、駆動ハウジング5内のベアリング4内で支持されている駆動カラー9において支持されている回転子1(第1の混合部材)を具えている。回転子1は軸XXを中心として回転する。入口ハウジング3は固定子ハウジング2に取り付けられ、駆動ハウジング5は入口ハウジング3に取り付けられている。駆動カラー9は、モータ11により歯車減速機10を経て回転可能に駆動される。固定子ハウジング2及びギア減速機10は支持フレーム12上に取り付けられている。固定子ハウジングの反対の端には出口ハウジング6が取り付けられている。入口ハウジング3には混合機入口7が形成され、出口ハウジング6には混合機出口8が形成されている。混合されるべき材料は、混合機入口7内に、これに接続され、外部に取り付けられて駆動されるポンプ手段(図示せず)によって供給される。材料が駆動カラー9の方向に軸方向に漏れるのを環状シール13が防止するので、混合されるべき材料は回転子1と固定子2との間の環状空間内に軸方向にポンプ輸送される。回転子1内に収容されている熱伝達流体チャネル14が、回転子の長さに沿って流体、通常は冷却剤を導くように働く。回転子1の外表面15及び、又は固定子2の内表面16はそれぞれ、回転子1及び、又は固定子2の長さを超えて軸方向に延びる凸部及び、又は凹部を支持している。
【0039】
例えば、外側混合部材が回転可能に駆動される一方で内側混合部材が固定的に支持される、図1において示したものと類似した本発明の実施形態においては、回転子と固定子という用語を交換してもよいことが理解されるであろう。本発明の更に他の実施形態が、内側及び外側の混合部材が両方ともそれら自体の間である形の相対回転を維持しながら回転可能に駆動される装置を具えてもよいことが更に理解されるであろう。
【0040】
図2を参照すると、混合部材1及び混合部材2の端面図を部分的な断面で示している。図示の必要上、部材1は軸Xを中心として図示した方向に回転するように示すが、部材2は固定的に取り付けられている。部材2の内表面16は、軸Xから等置されている円形の回転面として形成されている。部材1の外表面15は、径方向に軸Xから外向きに部材16に向かって表面15を局所的に延在させているが、部材2の最も近くでは径方向ギャップ18によって、そして部材2の表面から最も遠い距離では径方向ギャップ19によって部材16から分離されている、直径の両側の2つの凸部17を具えている。部材1の外表面15が或いは、最も遠い範囲17での径方向ギャップ18から最も近い範囲20での径方向ギャップ19まで径方向に軸Xに向かって内向きに延びる、直径の両側の2つの凹部20を具えているとして説明できることが理解されるであろう。
【0041】
このように表面15と表面16との間に形成された環状空間は、混合動作の間、材料によって占有され、材料は何らかの外部ポンプ手段によって軸方向に推進される。部材1の回転の間、最も大きなギャップ19の領域内にある材料は、径方向ギャップがギャップ19からギャップ18まで減少するとき、径方向力と接線力との組み合わせを受けることになる。この効果は、粘性材料がその境界面に垂直な十分に高い応力を受けるとき、このような表面は横応力の条件下でさえそれらの境界壁に付着するという傾向から生じる。矢印によって示した進行方向に関し、各凸部の前縁21は必要とされる径方向応力をこのように徐々に加えるように輪郭が描かれ、これによって、材料の一部が圧縮帯と呼ばれてもよい狭くなっているギャップに円周方向に押し込まれるときそれは剪断及び伸長応力を受ける。圧縮帯に入らない材料の残りの部分はその間により小さな剪断力を受けるが、これは部材1と部材2との相対回転と材料の軸方向ポンプ流との両方から生じ、結果として比較的大きなギャップ帯19内の循環フローパターンになり、径方向、接線方向及び軸方向速度成分の何らかの組み合わせを有する材料移動を伴う。この作用は分配混合を促進する。
【0042】
剪断応力は、径方向ギャップがその最も小さい点、18、にある時点でその最も大きな水準に到達し、そしてギャップが凸部の後縁22へと拡大するにつれて減少する。後縁22に沿った径方向応力の減少と共に、壁に対する材料の付着性が減少し、その整合性により材料は減圧帯と呼ばれてもよい増大しているギャップ内を円周方向にそして径方向に流れ、これによって材料の前に高い応力を受けた部分を材料の帯19内に残っている部分と配合し、確実に材料を再分配して次のサイクルの圧縮及び減圧が受けられるようにする。この再分配効果は、外部から加えられたポンプ輸送の結果として主に比較的大きなギャップ帯19を通って軸方向に混合機を移動した材料を含むことが理解されるであろう。
【0043】
軸流及び円周流に対する言及は相対語であり、材料によって描かれる絶対流路は軸方向及び円周方向速度成分のベクトル和の結果として回転軸を中心とする螺旋状である傾向があることが理解されるであろう。
【0044】
材料の任意の一部分が高応力を誘起するギャップの通過を受けることになる回数は、装置の長さ、高及び低応力帯の相対断面積(回転軸に垂直な任意の平面上の)、回転速度、及び材料が装置中を推進される流速によって決まることが更に又理解されるであろう。本発明の好まれる実施形態は通常、入口から出口へ移動している材料の各部分に1回より多くの高応力サイクルを課すことができる。例えば、ポリマー混合プロセスは、材料の各部分が混合機中を移動するとき15から20回の高応力サイクルの通過を受けることを含むことができる。
【0045】
図示した実施形態内の凸部17が直径の両側にあるという関係により、狭くなっている環状ギャップ内での材料の径方向圧縮から生じる実質的な径方向力が確実に略平衡することになる。これにより確実に、部材1が部材2内の略中央に留まることになると共に、最も小さいギャップ帯18における材料の存在により2つの対向面15及び16が互いと接触するのを概して防止することになる。
【0046】
部材2内に収容されてその長さの全部又は一部に亘って軸方向に延びる一連の熱伝達流体チャネル23が、部材2の長さに沿って流体、通常は冷却剤を導くように働く。これらの部材2チャネル23は、1又は複数の部材1チャネル14と共に、チャンバ内で混合されている材料の温度を調節するように働き、そうしないと、材料に高い混合応力を加えることが、結果として混合機内が高くて場合によっては損害を与えるかもしれない温度に到達する可能性があることが理解される。混合された材料の温度の調節はその加工されている間の粘性を制御するように働くことができ、これによって剪断速度、剪断応力、伸長応力、伸長応力速度、力、エネルギー及び混合の程度(分配混合効果)のような加工変数を制御することが可能になるということも理解されるであろう。
【0047】
第1及び、又は第2の混合部材内に収容される熱伝達流体チャネルの形状及び数は一般に、熱伝達要件及び構成の特徴に加え、製造の経済及び構成要素の機械的強さに対する影響のような多くの基準の考察から決定することができる。例として、図3a、3b及び3cは、両混合部材内に設けることができる熱伝達通路の幾つかの代替構成を示している。図3aは、部材1内の円形断面の1つの軸方向通路14と共に、軸Xを中心として等置されている部材2内の円形断面の複数の軸方向通路23を示している。図3bは、表面15から一定の深さで等置されている部材1内の円形断面の複数の軸方向通路14と共に、軸Xを中心として等置されている部材2内の円形断面の複数の軸方向通路23を示している。図3cは、部材1に合致する楕円形状として形成されている部材1内の1つの軸方向通路14と共に、外部構造層24とこの層を部材2の外表面に取り付ける部材25との存在下で形成されている部材2内の複数の軸方向通路23を示している。図3aから3cに表わす構成は単に例としてであり、他の設計構成が可能であることが理解されるであろう。例えば、部材1及び、又は部材2に設けられるチャネルの数は零から任意の合理的な数まで及ぶことができ、部材1及び部材2のそれぞれにおける少なくとも1つのチャネルが好まれるべきであるが、このようなチャネル14及び、又は23の組み合わせ及び構成は任意の数の形をとることができる。
【0048】
図2を検討すると、径方向ギャップ18及び19の大きさと凸部17及び、又は凹部20の輪郭との選択は、加工されている材料に加えられる分散混合応力の量及び分配混合の量に影響を及ぼす。第1及び、又は第2の混合部材の対向面に形成される凸部及び、又は凹部の数は、このように決定される輪郭が、生成される径方向荷重を平衡させるように軸を中心として略対称に留まるという状態を維持しながら変化させることができるということが更に又理解されるであろう。図4、5及び6は、混合部材形状の幾つかの代替設計を示している。
【0049】
図4aは、円形の混合部材27内に収容された2つの凸部(又は2つの凹部)を具えている実質的に楕円形の混合部材26を具えている設計を示している。図5aはこの設計の断面等角図を示し、図6aは部材26単独の等角図を示している。
【0050】
図4bは、円形の混合部材29内に収容された3つの凸部(又は3つの凹部)を具えている実質的に三角形の混合部材28を具えている設計を示している。図5bはこの設計の断面等角図を示し、図6bは部材28単独の等角図を示している。
【0051】
図4cは、円形の混合部材31内に収容された4つの凸部(又は4つの凹部)を具えている実質的に四角形の混合部材30を具えている設計を示している。図5cはこの設計の断面等角図を示し、図6cは部材30単独の等角図を示している。
【0052】
図4dは、2つの凹部(又は2つの凸部)を具えている実質的に楕円形の混合部材33内に収容された円形の混合部材32を具えている設計を示している。図4eは、3つの凹部(又は3つの凸部)を具えている実質的に三角形の混合部材35内に収容された円形の混合部材34を具えている設計を示している。図4fは、4つの凹部(又は4つの凸部)を具えている実質的に四角形の混合部材37内に収容された円形の混合部材36を具えている設計を示している。
【0053】
図4gは、2つの凹部(又は2つの凸部)を具えている実質的に楕円形の混合部材39内に収容された2つの凸部(又は2つの凹部)を具えている実質的に楕円形の混合部材38を具えている設計を示している。図4hは、3つの凹部(又は3つの凸部)を具えている実質的に三角形の混合部材41内に収容された3つの凸部(又は3つの凹部)を具えている実質的に三角形の混合部材40を具えている設計を示している。図4iは、4つの凹部(又は4つの凸部)を具えている実質的に四角形の混合部材43内に収容された4つの凸部(又は4つの凹部)を具えている実質的に四角形の混合部材42を具えている設計を示している。
【0054】
図4aから4i、図5aから5c及び図6aから6cに表わす構成は単に例としてであり、他の設計構成が可能であることが理解されるであろう。例えば、第1及び、又は第2の混合部材の凸部及び、又は凹部の数は無限に伸ばすことができる。
【0055】
図4aから4i、図5aから5c及び図6aから6cにおいて図示したような装置の動作の間の真の力の径方向平衡化は一般に、混合部材における回転対称と反射対称との両方の存在を通して得ることができる。回転対称はここで、一次軸(一般に回転軸)を中心として360度の1回の全回転の間に1回より多く平面形状がそれ自体に合致する能力として定義し、反射対称はここで、一次軸に垂直であってこれと交わる何らかの軸を通って180度回転したときに平面形状が少なくとも1回それ自体に合致する能力として定義する。真の力の平衡化は他の手段で、例えば回転対称を含むが反射対称を含まない設計の利用でも得られるということが理解されるであろう。回転対称を含むが反射対称を含まないそういった設計の例を図7aから7cに示す。図7aにおいて、混合部材44は、それ自体と混合部材46との間に、混合機の動作中、互いに平衡する径方向力を両混合部材に加える二組の径方向ギャップ45を形成している。図7bにおいて、混合部材47は、それ自体と混合部材49との間に、混合機の動作中、互いに平衡する径方向力を両混合部材に加える三組の径方向ギャップ48を形成している。図7cにおいて、混合部材50は、それ自体と混合部材52との間に、混合機の動作中、互いに平衡する径方向力を両混合部材に加える四組の径方向ギャップ51を形成している。図7aから7cに示す例のそれぞれにおいて、内側混合部材は、軸Xを中心とする回転対称を示すが、YY又はZZのような軸、又は同一平面にあって軸Xと交差する他の任意の軸を中心として回転したとき、反射対称を示さないことが分かるであろう。図7aから7cに表わす構成は単に例としてであり、第1及び、又は第2の混合部材の他の設計構成が可能であることが理解されるであろう。
【0056】
混合動作中の第1の混合部材と第2の混合部材との間の真の力の平衡化は、形式的幾何学的対称を示さない混合部材形状の設計によって達成してもよいことが更に理解されるであろう。このような設計の例を図8に示すが、これは、回転式且つ反射的に対称である部材54内に収容された、回転式にも反射的にも対称でない形状の部材53を示している。凸部及び凹部は幾何学的に非対称な方法で部材53の周囲に配列されているが、様々なギャップ55から59の適切な形成により、動作中にこれらのギャップ内で生成される応力が確実に、平衡状態であって全体として相殺される径方向力を生み出すことになるということが理解されるであろう。図8に表わす構成は単に例としてであり、混合部材の他の設計構成が同じ結果を達成するために可能であることが理解されるであろう。
【0057】
本発明の好まれる実施形態において、第1及び、又は第2の混合部材に形成される凸部及び凹部は、ある実質的な程度まで軸方向に延びている。図5aから5c及び図6aから6cにおいて、凸部は混合機の全軸長に亘って延びているように示されている。軸方向延長のための要件を満たしながら代替構成が可能であるということが理解されるであろう。例えば、凸部及び凹部は、分配混合を促進するようにそれらの軸長に沿って幾つかの点で中断されてもよく、及び、又は、凸部及び凹部の構成は、それらの軸長に亘ってそれら自体が変化してもよい。凸部及び、又は凹部が混合機の全長に亘って延びていない構成の例を図9a〜9dに提供する。図9aは、凸部61の楕円形が長さの一部62について除去されている混合部材60を示している。図9bは、凸部64の三角形が長さの一部65について除去されている混合部材63を示している。図9cは、凸部67の四角形が1より多くの長さの部分68について除去されている混合部材66を示している。図9dは、1より多くの形状の凸部及び、又は凹部が存在する混合部材69を示している。図9dにおいて、表面の一形式から他形式への軸方向遷移部70及び71は急激であるとして示されているが、このような遷移部は緩やかでもよいということが理解されるであろう。図9aから9dに表わす構成は単に例としてであり、混合部材の他の設計構成が可能であるということが理解されるであろう。
【0058】
本発明の好まれる実施形態において、第1及び、又は第2の混合部材に形成される凸部及び凹部は軸方向に延び、回転軸に略平行である。その平行さは、本発明によって提供される混合作用を達成するために正確である必要はなく、凸部及び、又は凹部と軸との間の幾らかの角度は、混合機中の材料の流れを進ませる又は遅らせることにおいて何らかの影響を与える場合があるということが理解されるであろう。しかしながら、例えば押出機の方法で、形状が如何なる実質的な軸方向推進力をも材料に提供しないことが好まれるべきである。このような推進力は、所望の混合効果を打ち消すことがあり、及び、又はその制御を低下させることがある。
【0059】
本発明による装置の回転は、速度及び、又は方向において変化させることができるということが理解されるであろう。回転速度における変化は、混合チャンバの高応力領域中を流れている材料に与えられる分散応力の量に直接影響を及ぼし、特に、材料に与えられる混合力は回転速度に正比例する。機械の回転速度を上げることによって剪断速度及び従って剪断応力及び、又は伸長速度及び従って伸長応力が増大する一方、回転速度を下げることによってこれらの速度及び応力がこれに応じて減少する。外部に取り付けられて駆動されるギアポンプのような外部手段によって加圧される材料を供給される本発明による装置では、混合機回転速度をポンプの排出速度から独立に変化させることができるので、混合機を通過する材料の任意の流速について、混合力の時間積分として材料に与えられる分散エネルギーを変化させて要求される分散混合効果を与えることができる。
【0060】
両混合部材の相対回転の方向を変化させることによって、凸部及び、又は凹部とこれらによって応力を加えられている材料との間の相互作用は、装置が一方向において他方と同じ輪郭を材料に与えていない例において大きく変わることがあるということが理解されるであろう。例えば、図4aから4gに示す構成の何れかによる装置において生じる応力は相対回転の方向から独立しているが、本発明による他の構成は、回転の一方向から他方まで異なる応力を与えてもよい。例えば、図7aから7cに示すような装置において、これは径方向平衡荷重を与えてはいるが鏡面対称を示しておらず、フローパターン及び従って混合部材表面が材料に作用するときに生じる応力は回転方向によって異なる。変化させたフローパターン及び応力のこのような効果は幾つかの混合状況において実際に利用することができ、これによって例えば回転の方向の一時的反転を、フローパターンを中断又はさもなければ変化させることによってチャンバ内の更なる分配混合を促進するために用いることができ、及び、又は混合されている材料に異なる一組の分散応力を瞬間的に加えるために用いることができるということが理解されるであろう。本発明の好まれる実施形態において、上述の如き回転の方向の変化を好ましくは不規則な間隔より寧ろ規則的な間隔で加えて装置を通過する全ての材料が実質的に同水準の分散及び分配混合を確実に受けるようにすることができる。
【0061】
図10を参照すると、図示する混合機は、加工されるべき材料を供給するための装置に関して以外は図1で実施したものと本質的に同一の混合機を具えている。図10に示す実施形態において、回転子1は、入口セクション73内に取り付けられている押出スクリュー72に直接連結している。押出スクリューの駆動装置は図1のものを複製する。加工されるべき材料は、ホッパー74内に配置され、そこから重力の影響下で入口セクション内の開口75を介して押出機スクリュー72のチャネル76内へと落ちる。押出機スクリューを回転させることにより材料は軸方向前方に回転子1と固定子2との間の環状ギャップ中を進む。押出セクションに対して様々な変形を行なってそのポンプ排出性能を向上させることができ、例えば入口セクション73をその内表面上に溝又は切込みのような表面特徴を加えることによって更に変形してもよく、及び、又は押出スクリュー72は、その上のスクリューフライトの代替の形状及び、又は数で設けてもよいということが理解されるであろう。図10に表わす構成は単に例としてであり、他の設計構成が可能であるということが理解されるであろう。
【0062】
図11を参照すると、図示する混合機は、回転子77及び固定子78のテーパ構成に関して以外は図1で実施したものと同様の混合機を具えている。この構成において、回転子は端79での幾らかより小さな直径から端80での幾らかより大きな直径にテーパしており、固定子も同様に端81での幾らかより小さな直径から端82での幾らかより大きな直径にテーパしている。回転子表面のテーパの角度は、固定子表面のそれと類似していてもいなくてもよい。この実施形態において、回転子の外径は好ましくは、例えばその長さに沿った位置83で固定子の内径より小さく、結果として2つの混合部材間に環状ギャップがある。固定子78がフレーム84に対して軸方向に適所に固定されている状態で、例えば駆動カラー85の長さを調整することによって回転子77の軸方向位置に対して何らかの調整を行なうことにより環状ギャップの寸法が変わることになり、通常、回転子を方向Yに動かすと径方向ギャップが拡大することになる一方、方向Zに動かすと径方向ギャップが縮小することになるということが理解されるであろう。このように、図示する混合機は、装置の混合性能における変化を達成するためにアセンブリの配置をどのように変化させればよいかということを例として実証している。固定子78が、例えばそれをフレーム84上で再配置することによって軸方向に動かされる一方、回転子77が軸方向に固定されている図示する装置の代替構成によって同様の結果が得られるということが理解されるであろう。このような相対的軸方向位置における変化は、装置が静止している間にでも運転中の間にでも起こってよく、後者の場合においては即時の動作要求に対して混合作用を調節することができるということも理解されるであろう。図11に表わす構成は単に例としてであり、他の設計構成が可能であるということが理解されるであろう。
【0063】
図1、図10及び図11に示す実施形態を参照すると、回転子部材と固定子部材の一方又は両方の軸長を変化させて装置の正味の混合効果を変えることができるということが理解されるであろう。例えば、一定の材料押出量を維持すると共に両混合部材の軸長を減らすことにより通常、材料が入口から出口まで移動するときに高応力帯を通過する回数が少なくなること、及び、又は材料の混合チャンバ内での滞留時間が少なくなることの結果として、材料に加えられる総混合エネルギーが低くなる。混合要素の長さを増やすことは通常、逆の効果を有するであろう。幾つかの例において、効果を有するためには1つの要素のみの長さを変化させる必要があり、例えば、回転子は、固定子を同様に短くすることを必ずしも必要とせずに短くすることができるということが理解されるであろう。両混合要素のそれぞれの長さに対する変更は、装置が静止しているときでもその動作中にでも生じさせることができる。装置が動作中の間に混合要素の長さを変更することは、例えば図示した実施形態において固定子及び、又は回転子要素を移動させることによって、それらの相互係合又は軸方向一致の長さを調整するために一方の部材を他方に対して軸方向に移動させることによって達成することができるということが理解されるであろう。
【0064】
一般に、材料に加えられる混合力及び混合エネルギーは、本発明による装置の多くの幾何学的な動作上の特徴の1以上の観点から定義することができる。これらの特徴は例えば、両混合部材間の径方向ギャップ距離、混合部材の表面の形状、混合チャンバ内の円周方向通路の長さ、混合チャンバ内の軸方向通路の長さ、混合チャンバ中の材料の流速、両混合部材の相対回転の速度、混合チャンバの表面の温度及び熱移動特性、加工されている1又は複数の材料のレオロジーを含むことができる。
【0065】
本発明の幾つかの好まれる実施形態は、第1の混合部材と第2の混合部材との間の平衡径方向力によって極めて高い応力を材料に加えると共にこれに機械的に耐える装置の能力を有するということが理解されるであろう。この能力で、装置は、押出機、密閉式混合機及び二本ロールミルのような、技術の現在の状態を代表している機械類において得られるよりはるかに高い分散混合応力を混合表面の近傍を通してかけることが可能になる。
【0066】
本発明の好まれる実施形態の他の利点は、材料応力及び結果的に温度がそれらの最も高くにある混合チャンバのすぐ近くに対して冷却(及び逆に加熱)を行なう能力である。この能力は、構成要素に加えられる曲げ応力のような機械的応力を最小にする機械への負荷の平衡した性質から生じ、これらの比較的低い水準の応力により、従来の混合機類より軽く、従って高い熱伝達能力の低い熱慣性を所有する構造を利用することが可能になる。材料は両表面間の最も狭いギャップを通過していてその最小厚さにある間に最大量の応力を受けるという事実によって、熱伝達を更に高めることができる。機械の冷却された内部壁に対してこのように近いため、確実に熱伝達効率及び効果が最大になる。加えて、混合チャンバの内表面の滑らかな輪郭により、内表面のすぐ近くにおける冷却通路の位置決めが容易になってこのような熱伝達が促進される。
【0067】
本発明の好まれる実施形態の他の利点は、例えば混合機中の材料を推進する外部駆動のポンプを用いることによって、材料混合システムから独立に材料推進システムを動かす能力である。混合機がどのような形状であっても、混合機によって材料に加えられる分散混合力は、混合機の回転速度に正比例し、混合機中の押出量から本質的に独立しているということが理解されるであろう。しかしながら、分散混合力の時間積分である分散混合エネルギーは混合機の回転速度に正比例するが、材料の単位質量当たりの分散混合エネルギーは混合機中の押出量に反比例する。例えば、外部からポンプ輸送された混合機中の流速が低い程、材料の単位質量当たりの分散混合エネルギーは大きい。分散混合の効果は、加えられる応力の総量(エネルギー)と共に応力が加えられる速度(力)にも依存するので、本発明による装置は、ポンプ速度が混合速度に正比例し、その結果、速度及び従って力が増大してもポンプ速度も同様に増大するので材料の単位質量当たりの混合エネルギーを増大させることができないためにこれが打ち消される押出機のような現在の機械ができるより顕著に高い分散エネルギー水準を材料に与えることが可能である。材料に対する特定の混合エネルギーの量を増やすこの能力は、可能な冷却のより高い速度により、さもなければ結果としてより高い動作温度及び結果的に起こり得る材料への熱損傷になるかもしれないより高いエネルギー水準で動作するための能力を十分に活用することが可能になる、本発明によって得られる熱伝達の効果によって、そして機械の軸長を増やして滞留時間及び従って材料が受ける高応力サイクルの数を増やす能力によって、更により高められるということが理解されるであろう。この逆が、混合中に材料に加えられるエネルギー量を減らす際にあてはまるということも理解されるであろう。
【0068】
本発明の好まれる実施形態の更なる利点は、高い応力を加えられて円周方向に移動する材料を低い応力を加えられて軸方向に移動する材料と配合することから生じる分配混合作用である。この作用により、混合機を通過している材料の各部分が他の如何なる部分とも略同一の量の高応力混合を受けるということだけでなく、材料の高い応力を加えられる部分及び低い応力を加えられる部分のそれぞれのフローパターンによって誘起される配合作用を通じて材料が物理的及び熱的な均質性に維持されるということが効率的及び効果的に確実となっている。
【0069】
本発明の好まれる実施形態の更に他の利点は、輪郭の一部の比較的大きな断面積の結果、混合機の長さに亘って生じる圧力降下が比較的低いことである。この大きな面積により、混合力を回転力の形で実質的に独立に加えることが可能であると共に、材料が比較的小さなポンプ力で装置中を推進されることが可能になる。ポンプ力要件は多くの例において、混合機の供給端に取り付けられた押出機によって満たすことができる。このような押出機は、より大きなポンプ圧が要求される場合、従来の溝付フィード押出機又は螺旋状切り込み押出機の方法でそのバレル表面内に溝又は他のこのような凹部を装備してもよい。
【0070】
本発明の実施形態によれば、現在の技術の状態の混合機よりはるかに高い性能水準を達成することが可能になる。これは、微粉化(流体及び、又は固体)の速度及び程度と、特に高粘性材料の加工における配合の速度とに関して近い関連がある。
【0071】
本装置は極めて汎用的であり、混合の全ての領域における多くの異なる用途において用いることができる。例えば、本装置は、全ての流体対流体混合(好ましくは少なくとも1つの流体が比較的粘性である状態で)、流体対固体混合用途、及び固体混合用途(好ましくは少なくとも1つの固体が流性を示している状態で)において用いることができる。流体は、単一及び複数の流れにおいて送られる液体及び気体であってもよい。本装置は、例えば、乳化、均質化、配合、合体、懸濁、溶解、加熱、冷却、大きさ減少、浸潤、水和、通気、ガス化、可溶化、反応及びコンパウンディングを含む全ての分散及び分配混合動作のために用いることができる。本装置は、バッチ又は連続(インライン)動作の何れかにおいて利用することができる。このように本装置は、例えば、従来の密閉式混合機、ミル、カレンダ及び押出機に代えて用いることもできる。本装置は又、産業的利用と同じく家庭で用いることもできる。
【0072】
本発明は、混合が要求される全ての産業に亘って利用される。本発明の装置を利用することができる産業の例は、バルクケミカル、ファインケミカル、石油化学、農業化学、食品、飲料、製薬、ヘルスケア製品、パーソナルケア製品、産業上及び家庭内ケア製品、パッケージング、塗料、ポリマー、リサイクル、水及び廃棄物処理である。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】図1は、本発明の第1実施形態中の軸方向断面図である。
【図2】図2は、図1の実施形態の断面端面図である。
【図3】図3a、3b、3cは、冷却通路の様々な代替型の説明図を提供する図1の実施形態の断面端面図である(縮尺通りでない)。
【図4】図4a、4b、4c、4d、4e、4f、4g、4h、4iは、部材形成物の様々な代替型の説明図を提供する図1の実施形態の断面端面図である(縮尺通りでない)。
【図5】図5a、5b、5cは、図4a、4b、4cに対応する部材形成物の部分的断面等角説明図である(縮尺通りでない)。
【図6】図6a、6b、6cは、図4a、4b、4c及び図5a、5b、5cに対応する内側部材形成物の等角説明図である(縮尺通りでない)。
【図7】図7a、7b、7cは、鏡面対称でない部材形成物の様々な代替型の説明図を提供する図1の実施形態の断面端面図である(縮尺通りでない)。
【図8】図8は、非対称形状の説明図を提供する図1の実施形態の断面端面図である(縮尺通りでない)。
【図9】図9a、9b、9c、9dは、形成物が軸方向の中断を含む回転子要素の様々な代替構成の等角説明図である(縮尺通りでない)。
【図10】図10は、材料推進の手段として押出スクリューを含む本発明の第2実施形態中の軸方向断面図である。
【図11】図11は、軸方向テーパ要素を含む本発明の第3実施形態中の軸方向断面図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は混合に関するものであり、新たな混合装置及び混合方法を提供する。特に、本発明は粘性材料の高エネルギー混合に関するものである。「混合」という用語は単一の材料の加工を含むということが理解されるであろう。
【背景技術】
【0002】
混合という動作は、分散混合と分配混合という2つの異なる作用を含むと一般に理解されている。分散混合において、混合されている材料の個々の部分は、固体であれ流体であれ、それらのそれぞれの形状が負荷応力によって変わる。これは通常、個々の部分の平均的大きさを減らすと共にそれらの数を増やすという形をとる。分配混合において、材料の個々の部分は、固体であれ流体であれ、様々な材料部分の分配において互いに関して空間的均一性を得るために互いに配合される。良好な混合動作にはこのように、分散と分配との両方の混合作用の生じることが一般に必要である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ポリマーのような高粘性材料の混合は従来、バッチ又は連続プロセスの何れかとして達成される。ポリマーコンパウンディングのために用いられるようなバッチプロセスにおいて、このプロセスは一般に、通常は複数の成分を確実に十分に互いに配合する目的で、生じる分配混合の量を最大にするように設計されている。このようなバッチ機械の高応力分散混合を行なう能力は、この分配混合要件によって妥協されたものとなっている。この点に関して用いられる典型的な機械は、ポリマーのための密閉式混合機と、塗料及び接着剤のような材料を混合するために用いられるビーズミル及び鋸歯分散機とである。
【0004】
高粘性流体のバッチ混合のために用いられる機械のあまり一般的でないタイプはオープン二本ロールミルであり、この分散混合の水準は密閉式混合機のそれより高い。二本ロールミルは2本の平行ロール間の狭いギャップを通過する材料に比較的高い水準の応力を加えるが、このように加えられることができる応力の量は、両ロール間に生成される苛酷な分離力に耐える際の機械の機械的強さによって限定される。更に又、二本ロールミルによる分配混合の効率は、材料を繰り返しロールギャップに入れてロールの軸長に沿って移動させる重大な操作(通常手動の)に対する必要性によって限定される。
【0005】
分散及び分配混合能力に関する同じ限定が、一組より多くの平行ロールを含むカレンダのような機械にあてはまる。この点に関し、バッチ密閉式混合機は、両ロール間のギャップを通過する材料が機械内で再循環して更なる介入なしでギャップに再度入る二本ロールミルの閉じ込められた形であると考えられるということに注目できる。この作用は分配混合効率に関して二本ロールミルを超える改良を提供するが、密閉式混合機の両ロール間のギャップは、強さ及び効率と共に、分配流を促進する形状的特徴を収容する必要性の理由で二本ロールミルのそれより大きいので、この混合機の分散混合能力は結果的にミルのそれより劣っている。
【0006】
連続プロセスにおける高粘性材料の混合は、静的混合機又はプロセスライン内の攪拌チャンバのような高分配ではあるが低分散の装置によって、又は押出機によって一般に達成される。このような押出機は一般に、本質的に分配混合機であるよりは良好な分散混合機である単軸スクリュー押出機、及び単軸スクリューより大きな分配混合効果を達成することができるが、加工されている材料に加えることができる分散応力の量におけるスクリュー分離力によって本質的に限定される二軸スクリュー押出機という形をとる。この点に関し、単軸スクリュー押出機は、ポンプ輸送、加熱及び混合という機能の間で設計の妥協を含む装置であると考えられることができ、混合機能は、機械の環状断面の全体に亘って材料の十分に均一な分配を達成することに主に関係している。単軸スクリュー押出機は容積式ポンプでないので、その材料に加圧する能力は限定され、従ってその分散混合の有意水準を達成するために複数の高剪断帯を通って軸方向に材料を推進する能力において限定される。更に又、単軸スクリュー押出機はそれ自体、スクリュー内に含まれる材料の全てに高剪断応力を与えるというわけではない。しかしながら、押出機は、材料に剪断応力を与えるために限定された長さの1又は複数のフライトを通常含む混合セクションを装備してもよい。しかしながら、このような混合要素において、加えられることができる剪断エネルギーの量は限定される。
【0007】
単軸スクリュー押出機と同様に、二軸スクリュー押出機は、共通回転にせよ対向回転にせよ、容積式ポンプでなく、ポンプ輸送における同じ限定を欠点としている。単軸スクリュー押出機とは異なり、二軸スクリュー押出機は、2つのスクリューという形成物間の相互作用によって材料の能動的な分配混合を実際提供する。二軸スクリュー押出機の比較的高水準の分散応力を加える能力は、上述した二本ロールミルにあてはまるものと同様の考察、即ち回転可能要素がそれら自体の間の相互作用から生じる不均衡力を受けるので、スクリュー及びそれらの駆動システムに加えられる正味の軸方向力をこれらに加えなければならないということによって限定される。材料が押出機スクリューの低応力帯で費やす時間の割合のような他の点において、二軸スクリュー押出機は、単軸スクリュー押出機と同様の限定を欠点としている。
【0008】
従って、高粘性材料を混合することにおいて一般的に用いられる機械類のタイプについて、これらの設計は、非常に高水準の応力及びエネルギーを効率的に高粘性材料に加えて分散混合を最大にする一方で同時に分配混合の許容可能水準を達成することに不相応であることが分かる。連続プロセスとしてにせよバッチプロセスとしてにせよ、このような混合を達成することができる混合機を提供することが本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1の態様によれば、長手軸の周囲に形成され、第2の管状混合部材内に軸方向に配置された第1の細長混合部材の対向面間に形成された径方向幅を有する細長環状混合チャンバが提供され、
混合されるべき材料を前記混合チャンバ内に導入するための入口と、前記混合チャンバから材料を除去するための出口と
を具え、
前記第1及び第2の混合部材は相対的に回転可能であり、
前記第1及び第2の混合部材の任意の回転位置について、前記混合チャンバの少なくとも1つの軸方向延在部分の径方向幅が前記軸の周囲で変化して少なくとも1つの径方向狭窄部が形成され、
前記径方向狭窄部は、混合チャンバの前記部分の長さに沿って、前記軸を含む任意の面に対して45°以下の角度を為す方向に延びている。
【0010】
本発明による装置は、材料に高剪断応力を与える径方向狭窄部を繰り返し流れるように混合チャンバ内の材料を強制する。
【0011】
前記装置は好ましくは、チャンバに対して材料の注入及び注出を行なうポンプを含む。例えば、好まれる実施形態において、前記入口はチャンバの一端近傍に配置され、前記出口はチャンバの他端近傍に配置され、ポンプは連続プロセスにおいてチャンバを通して材料をポンプ輸送するように設けられる。
【0012】
第1及び第2の混合部材の相対回転の結果として材料が前記狭窄部を流れるとき、前記径方向狭窄部は比較的高い応力帯となって実質的に円周方向伸長及び/又は円周方向剪断流を促進する。高応力帯を連続して通過する間に、混合チャンバ内の材料は、比較的低い応力領域となる非狭窄(即ち比較的大きな幅)帯を流れることになる。混合チャンバの形状は好ましくは、材料が低応力領域内で淀むことのないようなものである。
【0013】
本発明はこのように、混合チャンバを具えた動的混合装置を提供し、前記混合チャンバは、中の材料に一連の狭窄及び拡張流通路を与え、混合部材が相対的に回転するときに材料がこの中を流れるように構成される。混合チャンバ内の材料はこれによって、前記径方向狭窄部を通る材料の円周方向前進流から生じる伸長及び/又は剪断応力を受ける。連続混合プロセスにおいて、混合チャンバ内の材料は、軸方向及び円周方向のそれぞれのフローパターンから生じる流れの配合を受ける。
【0014】
径方向狭窄部が確実に混合装置の長手軸を含む任意の面に対して45°以下の線に沿って延びるようにすることにより確実に、混合部材の相対回転によって大きなポンプ力が生成されないことになる。これは例えば、押出機フライトが必要とされるポンプ力を生成するために回転軸に対してずっと急傾斜で角度を為しているスクリュー押出機から区別される。
【0015】
好ましくは、前記軸に垂直な平面上の混合チャンバを通る任意の断面について、前記径方向狭窄部は径方向幅を有し、その断面での第2の管状混合部材の最小内径に対する前記径方向幅の割合は、少なくとも0.05又は混合チャンバの前記部分の長さに沿って平均で少なくとも0.05である。
【0016】
例えば、単軸スクリュー押出機の場合、押出プロセスには、材料のほんの一部のみがスクリューフライトの末端とバレルの内表面との間のギャップに入ることができるということが必要である。従って、このギャップは、ポンプ効率を最大にすると共に、押出機内の材料が入口から押出機の出口まで通過するときスクリューチャネル内に確実に残るようにするために最小にする。従って、大きな量の材料がフライトを過ぎて円周方向に流れないので、押出機内には材料の大きな高剪断加工がない。
【0017】
前記径方向狭窄部は、混合チャンバの前記部分の長さに沿って前記長手軸に実質的に平行な方向に延びている。
【0018】
前記混合チャンバの部分は、入口と出口との間に形成されている混合チャンバの全長を具えてもよい。
【0019】
通常、混合チャンバの長さはその最小直径の少なくとも3倍であり、より普通にはその最小直径の5倍より大きいであろう。幾つかの実施形態において、混合チャンバの長さは該チャンバの最小直径の10倍以上であってもよい。
【0020】
好ましくは、少なくとも2つの前記径方向狭窄部が混合チャンバの周囲に角度を為して配置され、混合部材の任意の回転位置について混合部材に対する径方向力が平衡し、任意の径方向における真の力は実質的にゼロである。
【0021】
これらは例えば、混合部材の任意の回転位置について第1の径方向狭窄部が直径に沿って第2の径方向狭窄部に対向するように形成されている2つのみの前記径方向狭窄部であってもよい。或いは、これらは、混合チャンバが前記軸を中心として回転対称性を有するように形成されている2以上の径方向狭窄部であってもよい。
【0022】
幾つかの実施形態において、第2の管状混合部材の内表面は、混合チャンバの前記部分の長さに沿って実質的に円形の輪郭を有してもよく、第1の混合部材の外表面は、前記部分の長さに沿って非円形の輪郭を有してこれにより少なくとも部分的に前記径方向狭窄部を形成してもよい。
【0023】
幾つかの実施形態において、第2の管状混合部材の内表面は、混合チャンバの前記部分の長さに沿って非円形の輪郭を有して少なくとも部分的に前記径方向狭窄部を形成してもよい。
【0024】
本発明は又、長手軸の周囲に形成され、第2の管状混合部材内に軸方向に配置された第1の細長混合部材の対向面間に形成された径方向幅を有する細長環状混合チャンバと、
混合されるべき材料を前記混合チャンバ内に導入するための入口と、前記混合チャンバから材料を除去するための出口と
を具え、
前記第1及び第2の混合部材は相対的に回転可能であり、
前記第1及び第2の混合部材の任意の回転位置について、前記混合チャンバの少なくとも1つの軸方向延在部分の径方向幅が前記軸の周囲で変化して少なくとも1つの径方向狭窄部が形成され、
前記径方向狭窄部は、混合チャンバの前記部分の長さに沿って、前記軸を含む任意の面に対して45°以下の角度を為す方向に延びている混合装置を提供する混合の方法を提供し、該方法は、
前記チャンバ中を前記入口及び出口を介して混合されるべき材料をポンプ輸送することと、
前記第1及び第2の混合部材を相対的に回転させて前記混合チャンバ内の全ての材料が前記径方向絞りを複数回流れるようにすることと
を含む。
【0025】
2つの混合部材の対向面は回転軸に対して幾らかの角度で軸方向に延び、これにより両部材の相対的軸方向変位の結果として両対向面間の径方向距離に変化を生んでもよい。このようなテーパ表面の構成により、該当する場合、内側円筒が一体式外側円筒部材から軸方向に引き出されることがあるが、このような軸方向干渉を引き起こすであろう代替形状が少なくとも1つの軸平面に沿って外側円筒部材を分割することを通して別の方法で収容されてもよい。上述した方法でテーパする部材を伴う構成について、一方の部材を他方に対して軸方向に変位させる手段を設けてもよい。このような手段は、例えば、軸方向に固定された内側部材に対して様々な軸方向位置に外側部材を配置することを可能にする一組の外部取り付け物、軸方向に固定された外側部材に対して様々な軸方向位置に内側部材を配置することを可能にする機構、又はこれら2つの何らかの組み合わせでを含んでもよい。更に又、2つの部材の相対的軸方向位置を調整するための手段は、装置が静止している間に操作されてもよく、又は装置が生産しながら動作している間に位置及び従って径方向間隙を調整するように操作されてもよい。
【0026】
好ましくは、両混合部材の一方又は両方が、該部材の表面及び、又は混合チャンバ内の材料を冷却又は加熱するための手段を含む。このような手段は、冷却及び、又は加熱流体が輸送される1又は複数の通路を含んでもよい。好ましくは、部材内の前記通路又はチャンバは、混合チャンバに対向する壁の近くに配置されることになる。熱伝達流体の代わりに熱伝達の代替手段、例えば電気的加熱要素、熱ポンプ又は外部に取り付けられたファンを利用してもよい。
【0027】
混合形成物は好ましくは、2つの混合部材のそれぞれに対する一組の反力を生成するように回転軸に垂直な平面内で混合チャンバ内の材料に作用する表面によって形成することができ、これによりこうして生成された一定方向に向けられた力の径方向成分の合計は、ゼロか、さもなければ装置の対向面に対する損傷を防止するように十分に小さい値になる。前記混合形成物は、回転軸に垂直な平面内で回転軸を中心として回転対称及び、又は鏡面対称である表面によって形成されてもよい。或いは、混合形成物は、幾何学的に対称ではないが前記一組の径方向に平衡した反力を与えるように形成されてもよい。本発明の幾つかの実施形態は、幾何学的に対称であるにせよ非対称であるにせよ、単一のタイプの混合形成物を含んでもよい。本発明の他の実施形態は、幾何学的に対称及び、又は非対称であるにせよ、2以上のタイプの混合形成物を含んでもよく、材料が装置の長さを通過するときこれに対する異なる混合作用を達成するように一方が他方から軸方向に変位する。
【0028】
混合形成物は、両混合部材の互いに対する相対回転の方向から独立している方法で混合チャンバ内の材料に作用するように形成されてもよい。このような作用により両混合部材が第1の方向に相対的に回転するとき材料に生じる応力及び流れ挙動は、前記部材が逆の第2の方向に相対的に回転するときに生じる応力及び流れ挙動と異なることになる。
【0029】
好ましくは、両部材の表面間に形成される略環状の空間は、混合動作の間、材料によって完全に占有される。混合されるべき材料は、装置から独立して、又は相互に従属して駆動されるポンプ及び加圧手段によって装置の入口に対する圧力下で与えられてもよい。本発明の第1の好まれる実施形態において、装置に材料を送る手段は、独立して駆動される押出機又は容積式ポンプである。本発明の第2の好まれる実施形態において、装置に材料を送る手段は直接入口に接続された押出機であり、これによって押出機の外側バレルは装置の外部部材に連結され、押出機の内側スクリューは装置の内部部材に連結されてそれと共に回転可能に駆動される。このような構成を連結して駆動する代替方法が可能である。
【0030】
材料の推進と連動してその流速及び圧力を調節するため、装置に背圧を加える手段を出口に取り付けてもよい。このような手段は例えばダイ、バルブ又は流れに対する同様の絞りであってもよく、固定又は可変の流れ及び、又は圧力調節を提供することができる。
【0031】
好ましくは、本発明による装置は、相対的な回転可能な動きで一方又は両方の混合部材を駆動する手段を含むことができる。相対回転の速度を断続的又は周期的に変化させて異なる水準の分散混合力を混合チャンバ内の材料に加えてもよい。相対回転の方向を断続的又は周期的に逆転させて応力及び、又はフローパターンに関して異なる混合作用を混合チャンバ内の材料に加えてもよい。
【0032】
前記混合装置は、混合チャンバへの入口以外の1又は複数の箇所で該チャンバに材料を追加する手段を含んでもよい。このような入口は、装置の軸長に沿う又は径方向境界周囲の1又は複数の位置に配置されてもよい。前記中間位置での材料の追加は好ましくは、入れる時点で混合チャンバ内に存在している以上の供給圧力で達成されるであろう。
【0033】
装置の回転速度を調節することによって、混合チャンバ内の材料に加えられる混合力をどのような時点で制御してもよい。装置の回転速度と混合チャンバ中の材料の流速とを別々に調節することによって、材料の単位体積当たりに加えられる混合エネルギーの正味量をどのような特定の材料要件のために制御してもよい。装置の回転の速度及び方向を動作中断続的又は周期的に変化させて混合チャンバ内で所望の混合効果を得ることができる。機械中の流速は通常、ポンプ圧及び、又はチャンバに供給される材料の速度を変化させることによって、装置の出口条件を変化させることによって、又はこれらの何らかの組み合わせによって調節することができる。チャンバ内の材料に加えられる混合エネルギーの量は、両混合部材の一方又は両方の長さを変化させることによって、及び、又は両混合部材間の径方向分離距離を変化させることによって調節してもよい。
【0034】
本発明に従う装置は、連続プロセス動作内で、そして混合チャンバにその入口で適切な圧力での材料の連続供給が行なわれる場合はバッチプロセス動作内で用いられてもよい。
【0035】
本発明に従う装置は、単一の材料又は流体と固体、又は実際流体に類似した方法で振舞うことが可能である固体だけの混合物を含む多くの異材料を混合するために用いることができる(この文脈における混合という用語は、混合産業の全体にわたって用いられ、例えば、材料をより小さな構成部分へと分解する分散混合と、これらの小さくなった部分を材料中に全体として分配する際の分配混合とを指している)。前記装置は、架橋された材料を加工している間は架橋を選択的に切るために必要とされる応力及び流動条件を生成するように用いられてもよい。更に又、前記装置は、混合チャンバ内の化学反応を促進するために要求される、圧力、温度、動き及び大きさを含む物理的条件を与えるために用いることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
次に、添付図面を参照して、本発明の具体的な実施形態を単に例として説明する。
【0037】
「回転子」、「固定子」、「混合機」、「混合」及び「冷却剤」のような用語は、説明の目的のみのためにこの説明文中で利用されており、定義を限定するとして理解されるべきでないということが理解されるであろう。
【0038】
図1を参照すると、図示した混合機は、固定子ハウジング2(第2の混合部材)内及び入口ハウジング3内に取り付けられ、駆動ハウジング5内のベアリング4内で支持されている駆動カラー9において支持されている回転子1(第1の混合部材)を具えている。回転子1は軸XXを中心として回転する。入口ハウジング3は固定子ハウジング2に取り付けられ、駆動ハウジング5は入口ハウジング3に取り付けられている。駆動カラー9は、モータ11により歯車減速機10を経て回転可能に駆動される。固定子ハウジング2及びギア減速機10は支持フレーム12上に取り付けられている。固定子ハウジングの反対の端には出口ハウジング6が取り付けられている。入口ハウジング3には混合機入口7が形成され、出口ハウジング6には混合機出口8が形成されている。混合されるべき材料は、混合機入口7内に、これに接続され、外部に取り付けられて駆動されるポンプ手段(図示せず)によって供給される。材料が駆動カラー9の方向に軸方向に漏れるのを環状シール13が防止するので、混合されるべき材料は回転子1と固定子2との間の環状空間内に軸方向にポンプ輸送される。回転子1内に収容されている熱伝達流体チャネル14が、回転子の長さに沿って流体、通常は冷却剤を導くように働く。回転子1の外表面15及び、又は固定子2の内表面16はそれぞれ、回転子1及び、又は固定子2の長さを超えて軸方向に延びる凸部及び、又は凹部を支持している。
【0039】
例えば、外側混合部材が回転可能に駆動される一方で内側混合部材が固定的に支持される、図1において示したものと類似した本発明の実施形態においては、回転子と固定子という用語を交換してもよいことが理解されるであろう。本発明の更に他の実施形態が、内側及び外側の混合部材が両方ともそれら自体の間である形の相対回転を維持しながら回転可能に駆動される装置を具えてもよいことが更に理解されるであろう。
【0040】
図2を参照すると、混合部材1及び混合部材2の端面図を部分的な断面で示している。図示の必要上、部材1は軸Xを中心として図示した方向に回転するように示すが、部材2は固定的に取り付けられている。部材2の内表面16は、軸Xから等置されている円形の回転面として形成されている。部材1の外表面15は、径方向に軸Xから外向きに部材16に向かって表面15を局所的に延在させているが、部材2の最も近くでは径方向ギャップ18によって、そして部材2の表面から最も遠い距離では径方向ギャップ19によって部材16から分離されている、直径の両側の2つの凸部17を具えている。部材1の外表面15が或いは、最も遠い範囲17での径方向ギャップ18から最も近い範囲20での径方向ギャップ19まで径方向に軸Xに向かって内向きに延びる、直径の両側の2つの凹部20を具えているとして説明できることが理解されるであろう。
【0041】
このように表面15と表面16との間に形成された環状空間は、混合動作の間、材料によって占有され、材料は何らかの外部ポンプ手段によって軸方向に推進される。部材1の回転の間、最も大きなギャップ19の領域内にある材料は、径方向ギャップがギャップ19からギャップ18まで減少するとき、径方向力と接線力との組み合わせを受けることになる。この効果は、粘性材料がその境界面に垂直な十分に高い応力を受けるとき、このような表面は横応力の条件下でさえそれらの境界壁に付着するという傾向から生じる。矢印によって示した進行方向に関し、各凸部の前縁21は必要とされる径方向応力をこのように徐々に加えるように輪郭が描かれ、これによって、材料の一部が圧縮帯と呼ばれてもよい狭くなっているギャップに円周方向に押し込まれるときそれは剪断及び伸長応力を受ける。圧縮帯に入らない材料の残りの部分はその間により小さな剪断力を受けるが、これは部材1と部材2との相対回転と材料の軸方向ポンプ流との両方から生じ、結果として比較的大きなギャップ帯19内の循環フローパターンになり、径方向、接線方向及び軸方向速度成分の何らかの組み合わせを有する材料移動を伴う。この作用は分配混合を促進する。
【0042】
剪断応力は、径方向ギャップがその最も小さい点、18、にある時点でその最も大きな水準に到達し、そしてギャップが凸部の後縁22へと拡大するにつれて減少する。後縁22に沿った径方向応力の減少と共に、壁に対する材料の付着性が減少し、その整合性により材料は減圧帯と呼ばれてもよい増大しているギャップ内を円周方向にそして径方向に流れ、これによって材料の前に高い応力を受けた部分を材料の帯19内に残っている部分と配合し、確実に材料を再分配して次のサイクルの圧縮及び減圧が受けられるようにする。この再分配効果は、外部から加えられたポンプ輸送の結果として主に比較的大きなギャップ帯19を通って軸方向に混合機を移動した材料を含むことが理解されるであろう。
【0043】
軸流及び円周流に対する言及は相対語であり、材料によって描かれる絶対流路は軸方向及び円周方向速度成分のベクトル和の結果として回転軸を中心とする螺旋状である傾向があることが理解されるであろう。
【0044】
材料の任意の一部分が高応力を誘起するギャップの通過を受けることになる回数は、装置の長さ、高及び低応力帯の相対断面積(回転軸に垂直な任意の平面上の)、回転速度、及び材料が装置中を推進される流速によって決まることが更に又理解されるであろう。本発明の好まれる実施形態は通常、入口から出口へ移動している材料の各部分に1回より多くの高応力サイクルを課すことができる。例えば、ポリマー混合プロセスは、材料の各部分が混合機中を移動するとき15から20回の高応力サイクルの通過を受けることを含むことができる。
【0045】
図示した実施形態内の凸部17が直径の両側にあるという関係により、狭くなっている環状ギャップ内での材料の径方向圧縮から生じる実質的な径方向力が確実に略平衡することになる。これにより確実に、部材1が部材2内の略中央に留まることになると共に、最も小さいギャップ帯18における材料の存在により2つの対向面15及び16が互いと接触するのを概して防止することになる。
【0046】
部材2内に収容されてその長さの全部又は一部に亘って軸方向に延びる一連の熱伝達流体チャネル23が、部材2の長さに沿って流体、通常は冷却剤を導くように働く。これらの部材2チャネル23は、1又は複数の部材1チャネル14と共に、チャンバ内で混合されている材料の温度を調節するように働き、そうしないと、材料に高い混合応力を加えることが、結果として混合機内が高くて場合によっては損害を与えるかもしれない温度に到達する可能性があることが理解される。混合された材料の温度の調節はその加工されている間の粘性を制御するように働くことができ、これによって剪断速度、剪断応力、伸長応力、伸長応力速度、力、エネルギー及び混合の程度(分配混合効果)のような加工変数を制御することが可能になるということも理解されるであろう。
【0047】
第1及び、又は第2の混合部材内に収容される熱伝達流体チャネルの形状及び数は一般に、熱伝達要件及び構成の特徴に加え、製造の経済及び構成要素の機械的強さに対する影響のような多くの基準の考察から決定することができる。例として、図3a、3b及び3cは、両混合部材内に設けることができる熱伝達通路の幾つかの代替構成を示している。図3aは、部材1内の円形断面の1つの軸方向通路14と共に、軸Xを中心として等置されている部材2内の円形断面の複数の軸方向通路23を示している。図3bは、表面15から一定の深さで等置されている部材1内の円形断面の複数の軸方向通路14と共に、軸Xを中心として等置されている部材2内の円形断面の複数の軸方向通路23を示している。図3cは、部材1に合致する楕円形状として形成されている部材1内の1つの軸方向通路14と共に、外部構造層24とこの層を部材2の外表面に取り付ける部材25との存在下で形成されている部材2内の複数の軸方向通路23を示している。図3aから3cに表わす構成は単に例としてであり、他の設計構成が可能であることが理解されるであろう。例えば、部材1及び、又は部材2に設けられるチャネルの数は零から任意の合理的な数まで及ぶことができ、部材1及び部材2のそれぞれにおける少なくとも1つのチャネルが好まれるべきであるが、このようなチャネル14及び、又は23の組み合わせ及び構成は任意の数の形をとることができる。
【0048】
図2を検討すると、径方向ギャップ18及び19の大きさと凸部17及び、又は凹部20の輪郭との選択は、加工されている材料に加えられる分散混合応力の量及び分配混合の量に影響を及ぼす。第1及び、又は第2の混合部材の対向面に形成される凸部及び、又は凹部の数は、このように決定される輪郭が、生成される径方向荷重を平衡させるように軸を中心として略対称に留まるという状態を維持しながら変化させることができるということが更に又理解されるであろう。図4、5及び6は、混合部材形状の幾つかの代替設計を示している。
【0049】
図4aは、円形の混合部材27内に収容された2つの凸部(又は2つの凹部)を具えている実質的に楕円形の混合部材26を具えている設計を示している。図5aはこの設計の断面等角図を示し、図6aは部材26単独の等角図を示している。
【0050】
図4bは、円形の混合部材29内に収容された3つの凸部(又は3つの凹部)を具えている実質的に三角形の混合部材28を具えている設計を示している。図5bはこの設計の断面等角図を示し、図6bは部材28単独の等角図を示している。
【0051】
図4cは、円形の混合部材31内に収容された4つの凸部(又は4つの凹部)を具えている実質的に四角形の混合部材30を具えている設計を示している。図5cはこの設計の断面等角図を示し、図6cは部材30単独の等角図を示している。
【0052】
図4dは、2つの凹部(又は2つの凸部)を具えている実質的に楕円形の混合部材33内に収容された円形の混合部材32を具えている設計を示している。図4eは、3つの凹部(又は3つの凸部)を具えている実質的に三角形の混合部材35内に収容された円形の混合部材34を具えている設計を示している。図4fは、4つの凹部(又は4つの凸部)を具えている実質的に四角形の混合部材37内に収容された円形の混合部材36を具えている設計を示している。
【0053】
図4gは、2つの凹部(又は2つの凸部)を具えている実質的に楕円形の混合部材39内に収容された2つの凸部(又は2つの凹部)を具えている実質的に楕円形の混合部材38を具えている設計を示している。図4hは、3つの凹部(又は3つの凸部)を具えている実質的に三角形の混合部材41内に収容された3つの凸部(又は3つの凹部)を具えている実質的に三角形の混合部材40を具えている設計を示している。図4iは、4つの凹部(又は4つの凸部)を具えている実質的に四角形の混合部材43内に収容された4つの凸部(又は4つの凹部)を具えている実質的に四角形の混合部材42を具えている設計を示している。
【0054】
図4aから4i、図5aから5c及び図6aから6cに表わす構成は単に例としてであり、他の設計構成が可能であることが理解されるであろう。例えば、第1及び、又は第2の混合部材の凸部及び、又は凹部の数は無限に伸ばすことができる。
【0055】
図4aから4i、図5aから5c及び図6aから6cにおいて図示したような装置の動作の間の真の力の径方向平衡化は一般に、混合部材における回転対称と反射対称との両方の存在を通して得ることができる。回転対称はここで、一次軸(一般に回転軸)を中心として360度の1回の全回転の間に1回より多く平面形状がそれ自体に合致する能力として定義し、反射対称はここで、一次軸に垂直であってこれと交わる何らかの軸を通って180度回転したときに平面形状が少なくとも1回それ自体に合致する能力として定義する。真の力の平衡化は他の手段で、例えば回転対称を含むが反射対称を含まない設計の利用でも得られるということが理解されるであろう。回転対称を含むが反射対称を含まないそういった設計の例を図7aから7cに示す。図7aにおいて、混合部材44は、それ自体と混合部材46との間に、混合機の動作中、互いに平衡する径方向力を両混合部材に加える二組の径方向ギャップ45を形成している。図7bにおいて、混合部材47は、それ自体と混合部材49との間に、混合機の動作中、互いに平衡する径方向力を両混合部材に加える三組の径方向ギャップ48を形成している。図7cにおいて、混合部材50は、それ自体と混合部材52との間に、混合機の動作中、互いに平衡する径方向力を両混合部材に加える四組の径方向ギャップ51を形成している。図7aから7cに示す例のそれぞれにおいて、内側混合部材は、軸Xを中心とする回転対称を示すが、YY又はZZのような軸、又は同一平面にあって軸Xと交差する他の任意の軸を中心として回転したとき、反射対称を示さないことが分かるであろう。図7aから7cに表わす構成は単に例としてであり、第1及び、又は第2の混合部材の他の設計構成が可能であることが理解されるであろう。
【0056】
混合動作中の第1の混合部材と第2の混合部材との間の真の力の平衡化は、形式的幾何学的対称を示さない混合部材形状の設計によって達成してもよいことが更に理解されるであろう。このような設計の例を図8に示すが、これは、回転式且つ反射的に対称である部材54内に収容された、回転式にも反射的にも対称でない形状の部材53を示している。凸部及び凹部は幾何学的に非対称な方法で部材53の周囲に配列されているが、様々なギャップ55から59の適切な形成により、動作中にこれらのギャップ内で生成される応力が確実に、平衡状態であって全体として相殺される径方向力を生み出すことになるということが理解されるであろう。図8に表わす構成は単に例としてであり、混合部材の他の設計構成が同じ結果を達成するために可能であることが理解されるであろう。
【0057】
本発明の好まれる実施形態において、第1及び、又は第2の混合部材に形成される凸部及び凹部は、ある実質的な程度まで軸方向に延びている。図5aから5c及び図6aから6cにおいて、凸部は混合機の全軸長に亘って延びているように示されている。軸方向延長のための要件を満たしながら代替構成が可能であるということが理解されるであろう。例えば、凸部及び凹部は、分配混合を促進するようにそれらの軸長に沿って幾つかの点で中断されてもよく、及び、又は、凸部及び凹部の構成は、それらの軸長に亘ってそれら自体が変化してもよい。凸部及び、又は凹部が混合機の全長に亘って延びていない構成の例を図9a〜9dに提供する。図9aは、凸部61の楕円形が長さの一部62について除去されている混合部材60を示している。図9bは、凸部64の三角形が長さの一部65について除去されている混合部材63を示している。図9cは、凸部67の四角形が1より多くの長さの部分68について除去されている混合部材66を示している。図9dは、1より多くの形状の凸部及び、又は凹部が存在する混合部材69を示している。図9dにおいて、表面の一形式から他形式への軸方向遷移部70及び71は急激であるとして示されているが、このような遷移部は緩やかでもよいということが理解されるであろう。図9aから9dに表わす構成は単に例としてであり、混合部材の他の設計構成が可能であるということが理解されるであろう。
【0058】
本発明の好まれる実施形態において、第1及び、又は第2の混合部材に形成される凸部及び凹部は軸方向に延び、回転軸に略平行である。その平行さは、本発明によって提供される混合作用を達成するために正確である必要はなく、凸部及び、又は凹部と軸との間の幾らかの角度は、混合機中の材料の流れを進ませる又は遅らせることにおいて何らかの影響を与える場合があるということが理解されるであろう。しかしながら、例えば押出機の方法で、形状が如何なる実質的な軸方向推進力をも材料に提供しないことが好まれるべきである。このような推進力は、所望の混合効果を打ち消すことがあり、及び、又はその制御を低下させることがある。
【0059】
本発明による装置の回転は、速度及び、又は方向において変化させることができるということが理解されるであろう。回転速度における変化は、混合チャンバの高応力領域中を流れている材料に与えられる分散応力の量に直接影響を及ぼし、特に、材料に与えられる混合力は回転速度に正比例する。機械の回転速度を上げることによって剪断速度及び従って剪断応力及び、又は伸長速度及び従って伸長応力が増大する一方、回転速度を下げることによってこれらの速度及び応力がこれに応じて減少する。外部に取り付けられて駆動されるギアポンプのような外部手段によって加圧される材料を供給される本発明による装置では、混合機回転速度をポンプの排出速度から独立に変化させることができるので、混合機を通過する材料の任意の流速について、混合力の時間積分として材料に与えられる分散エネルギーを変化させて要求される分散混合効果を与えることができる。
【0060】
両混合部材の相対回転の方向を変化させることによって、凸部及び、又は凹部とこれらによって応力を加えられている材料との間の相互作用は、装置が一方向において他方と同じ輪郭を材料に与えていない例において大きく変わることがあるということが理解されるであろう。例えば、図4aから4gに示す構成の何れかによる装置において生じる応力は相対回転の方向から独立しているが、本発明による他の構成は、回転の一方向から他方まで異なる応力を与えてもよい。例えば、図7aから7cに示すような装置において、これは径方向平衡荷重を与えてはいるが鏡面対称を示しておらず、フローパターン及び従って混合部材表面が材料に作用するときに生じる応力は回転方向によって異なる。変化させたフローパターン及び応力のこのような効果は幾つかの混合状況において実際に利用することができ、これによって例えば回転の方向の一時的反転を、フローパターンを中断又はさもなければ変化させることによってチャンバ内の更なる分配混合を促進するために用いることができ、及び、又は混合されている材料に異なる一組の分散応力を瞬間的に加えるために用いることができるということが理解されるであろう。本発明の好まれる実施形態において、上述の如き回転の方向の変化を好ましくは不規則な間隔より寧ろ規則的な間隔で加えて装置を通過する全ての材料が実質的に同水準の分散及び分配混合を確実に受けるようにすることができる。
【0061】
図10を参照すると、図示する混合機は、加工されるべき材料を供給するための装置に関して以外は図1で実施したものと本質的に同一の混合機を具えている。図10に示す実施形態において、回転子1は、入口セクション73内に取り付けられている押出スクリュー72に直接連結している。押出スクリューの駆動装置は図1のものを複製する。加工されるべき材料は、ホッパー74内に配置され、そこから重力の影響下で入口セクション内の開口75を介して押出機スクリュー72のチャネル76内へと落ちる。押出機スクリューを回転させることにより材料は軸方向前方に回転子1と固定子2との間の環状ギャップ中を進む。押出セクションに対して様々な変形を行なってそのポンプ排出性能を向上させることができ、例えば入口セクション73をその内表面上に溝又は切込みのような表面特徴を加えることによって更に変形してもよく、及び、又は押出スクリュー72は、その上のスクリューフライトの代替の形状及び、又は数で設けてもよいということが理解されるであろう。図10に表わす構成は単に例としてであり、他の設計構成が可能であるということが理解されるであろう。
【0062】
図11を参照すると、図示する混合機は、回転子77及び固定子78のテーパ構成に関して以外は図1で実施したものと同様の混合機を具えている。この構成において、回転子は端79での幾らかより小さな直径から端80での幾らかより大きな直径にテーパしており、固定子も同様に端81での幾らかより小さな直径から端82での幾らかより大きな直径にテーパしている。回転子表面のテーパの角度は、固定子表面のそれと類似していてもいなくてもよい。この実施形態において、回転子の外径は好ましくは、例えばその長さに沿った位置83で固定子の内径より小さく、結果として2つの混合部材間に環状ギャップがある。固定子78がフレーム84に対して軸方向に適所に固定されている状態で、例えば駆動カラー85の長さを調整することによって回転子77の軸方向位置に対して何らかの調整を行なうことにより環状ギャップの寸法が変わることになり、通常、回転子を方向Yに動かすと径方向ギャップが拡大することになる一方、方向Zに動かすと径方向ギャップが縮小することになるということが理解されるであろう。このように、図示する混合機は、装置の混合性能における変化を達成するためにアセンブリの配置をどのように変化させればよいかということを例として実証している。固定子78が、例えばそれをフレーム84上で再配置することによって軸方向に動かされる一方、回転子77が軸方向に固定されている図示する装置の代替構成によって同様の結果が得られるということが理解されるであろう。このような相対的軸方向位置における変化は、装置が静止している間にでも運転中の間にでも起こってよく、後者の場合においては即時の動作要求に対して混合作用を調節することができるということも理解されるであろう。図11に表わす構成は単に例としてであり、他の設計構成が可能であるということが理解されるであろう。
【0063】
図1、図10及び図11に示す実施形態を参照すると、回転子部材と固定子部材の一方又は両方の軸長を変化させて装置の正味の混合効果を変えることができるということが理解されるであろう。例えば、一定の材料押出量を維持すると共に両混合部材の軸長を減らすことにより通常、材料が入口から出口まで移動するときに高応力帯を通過する回数が少なくなること、及び、又は材料の混合チャンバ内での滞留時間が少なくなることの結果として、材料に加えられる総混合エネルギーが低くなる。混合要素の長さを増やすことは通常、逆の効果を有するであろう。幾つかの例において、効果を有するためには1つの要素のみの長さを変化させる必要があり、例えば、回転子は、固定子を同様に短くすることを必ずしも必要とせずに短くすることができるということが理解されるであろう。両混合要素のそれぞれの長さに対する変更は、装置が静止しているときでもその動作中にでも生じさせることができる。装置が動作中の間に混合要素の長さを変更することは、例えば図示した実施形態において固定子及び、又は回転子要素を移動させることによって、それらの相互係合又は軸方向一致の長さを調整するために一方の部材を他方に対して軸方向に移動させることによって達成することができるということが理解されるであろう。
【0064】
一般に、材料に加えられる混合力及び混合エネルギーは、本発明による装置の多くの幾何学的な動作上の特徴の1以上の観点から定義することができる。これらの特徴は例えば、両混合部材間の径方向ギャップ距離、混合部材の表面の形状、混合チャンバ内の円周方向通路の長さ、混合チャンバ内の軸方向通路の長さ、混合チャンバ中の材料の流速、両混合部材の相対回転の速度、混合チャンバの表面の温度及び熱移動特性、加工されている1又は複数の材料のレオロジーを含むことができる。
【0065】
本発明の幾つかの好まれる実施形態は、第1の混合部材と第2の混合部材との間の平衡径方向力によって極めて高い応力を材料に加えると共にこれに機械的に耐える装置の能力を有するということが理解されるであろう。この能力で、装置は、押出機、密閉式混合機及び二本ロールミルのような、技術の現在の状態を代表している機械類において得られるよりはるかに高い分散混合応力を混合表面の近傍を通してかけることが可能になる。
【0066】
本発明の好まれる実施形態の他の利点は、材料応力及び結果的に温度がそれらの最も高くにある混合チャンバのすぐ近くに対して冷却(及び逆に加熱)を行なう能力である。この能力は、構成要素に加えられる曲げ応力のような機械的応力を最小にする機械への負荷の平衡した性質から生じ、これらの比較的低い水準の応力により、従来の混合機類より軽く、従って高い熱伝達能力の低い熱慣性を所有する構造を利用することが可能になる。材料は両表面間の最も狭いギャップを通過していてその最小厚さにある間に最大量の応力を受けるという事実によって、熱伝達を更に高めることができる。機械の冷却された内部壁に対してこのように近いため、確実に熱伝達効率及び効果が最大になる。加えて、混合チャンバの内表面の滑らかな輪郭により、内表面のすぐ近くにおける冷却通路の位置決めが容易になってこのような熱伝達が促進される。
【0067】
本発明の好まれる実施形態の他の利点は、例えば混合機中の材料を推進する外部駆動のポンプを用いることによって、材料混合システムから独立に材料推進システムを動かす能力である。混合機がどのような形状であっても、混合機によって材料に加えられる分散混合力は、混合機の回転速度に正比例し、混合機中の押出量から本質的に独立しているということが理解されるであろう。しかしながら、分散混合力の時間積分である分散混合エネルギーは混合機の回転速度に正比例するが、材料の単位質量当たりの分散混合エネルギーは混合機中の押出量に反比例する。例えば、外部からポンプ輸送された混合機中の流速が低い程、材料の単位質量当たりの分散混合エネルギーは大きい。分散混合の効果は、加えられる応力の総量(エネルギー)と共に応力が加えられる速度(力)にも依存するので、本発明による装置は、ポンプ速度が混合速度に正比例し、その結果、速度及び従って力が増大してもポンプ速度も同様に増大するので材料の単位質量当たりの混合エネルギーを増大させることができないためにこれが打ち消される押出機のような現在の機械ができるより顕著に高い分散エネルギー水準を材料に与えることが可能である。材料に対する特定の混合エネルギーの量を増やすこの能力は、可能な冷却のより高い速度により、さもなければ結果としてより高い動作温度及び結果的に起こり得る材料への熱損傷になるかもしれないより高いエネルギー水準で動作するための能力を十分に活用することが可能になる、本発明によって得られる熱伝達の効果によって、そして機械の軸長を増やして滞留時間及び従って材料が受ける高応力サイクルの数を増やす能力によって、更により高められるということが理解されるであろう。この逆が、混合中に材料に加えられるエネルギー量を減らす際にあてはまるということも理解されるであろう。
【0068】
本発明の好まれる実施形態の更なる利点は、高い応力を加えられて円周方向に移動する材料を低い応力を加えられて軸方向に移動する材料と配合することから生じる分配混合作用である。この作用により、混合機を通過している材料の各部分が他の如何なる部分とも略同一の量の高応力混合を受けるということだけでなく、材料の高い応力を加えられる部分及び低い応力を加えられる部分のそれぞれのフローパターンによって誘起される配合作用を通じて材料が物理的及び熱的な均質性に維持されるということが効率的及び効果的に確実となっている。
【0069】
本発明の好まれる実施形態の更に他の利点は、輪郭の一部の比較的大きな断面積の結果、混合機の長さに亘って生じる圧力降下が比較的低いことである。この大きな面積により、混合力を回転力の形で実質的に独立に加えることが可能であると共に、材料が比較的小さなポンプ力で装置中を推進されることが可能になる。ポンプ力要件は多くの例において、混合機の供給端に取り付けられた押出機によって満たすことができる。このような押出機は、より大きなポンプ圧が要求される場合、従来の溝付フィード押出機又は螺旋状切り込み押出機の方法でそのバレル表面内に溝又は他のこのような凹部を装備してもよい。
【0070】
本発明の実施形態によれば、現在の技術の状態の混合機よりはるかに高い性能水準を達成することが可能になる。これは、微粉化(流体及び、又は固体)の速度及び程度と、特に高粘性材料の加工における配合の速度とに関して近い関連がある。
【0071】
本装置は極めて汎用的であり、混合の全ての領域における多くの異なる用途において用いることができる。例えば、本装置は、全ての流体対流体混合(好ましくは少なくとも1つの流体が比較的粘性である状態で)、流体対固体混合用途、及び固体混合用途(好ましくは少なくとも1つの固体が流性を示している状態で)において用いることができる。流体は、単一及び複数の流れにおいて送られる液体及び気体であってもよい。本装置は、例えば、乳化、均質化、配合、合体、懸濁、溶解、加熱、冷却、大きさ減少、浸潤、水和、通気、ガス化、可溶化、反応及びコンパウンディングを含む全ての分散及び分配混合動作のために用いることができる。本装置は、バッチ又は連続(インライン)動作の何れかにおいて利用することができる。このように本装置は、例えば、従来の密閉式混合機、ミル、カレンダ及び押出機に代えて用いることもできる。本装置は又、産業的利用と同じく家庭で用いることもできる。
【0072】
本発明は、混合が要求される全ての産業に亘って利用される。本発明の装置を利用することができる産業の例は、バルクケミカル、ファインケミカル、石油化学、農業化学、食品、飲料、製薬、ヘルスケア製品、パーソナルケア製品、産業上及び家庭内ケア製品、パッケージング、塗料、ポリマー、リサイクル、水及び廃棄物処理である。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】図1は、本発明の第1実施形態中の軸方向断面図である。
【図2】図2は、図1の実施形態の断面端面図である。
【図3】図3a、3b、3cは、冷却通路の様々な代替型の説明図を提供する図1の実施形態の断面端面図である(縮尺通りでない)。
【図4】図4a、4b、4c、4d、4e、4f、4g、4h、4iは、部材形成物の様々な代替型の説明図を提供する図1の実施形態の断面端面図である(縮尺通りでない)。
【図5】図5a、5b、5cは、図4a、4b、4cに対応する部材形成物の部分的断面等角説明図である(縮尺通りでない)。
【図6】図6a、6b、6cは、図4a、4b、4c及び図5a、5b、5cに対応する内側部材形成物の等角説明図である(縮尺通りでない)。
【図7】図7a、7b、7cは、鏡面対称でない部材形成物の様々な代替型の説明図を提供する図1の実施形態の断面端面図である(縮尺通りでない)。
【図8】図8は、非対称形状の説明図を提供する図1の実施形態の断面端面図である(縮尺通りでない)。
【図9】図9a、9b、9c、9dは、形成物が軸方向の中断を含む回転子要素の様々な代替構成の等角説明図である(縮尺通りでない)。
【図10】図10は、材料推進の手段として押出スクリューを含む本発明の第2実施形態中の軸方向断面図である。
【図11】図11は、軸方向テーパ要素を含む本発明の第3実施形態中の軸方向断面図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手軸の周囲に形成され、第2の管状混合部材内に軸方向に配置された第1の細長混合部材の対向面間に形成された径方向幅を有する細長環状混合チャンバと、
混合されるべき材料を前記混合チャンバ内に導入するための入口と、前記混合チャンバから材料を除去するための出口と
を具え、
前記第1及び第2の混合部材は相対的に回転可能であり、
前記第1及び第2の混合部材の任意の回転位置について、前記混合チャンバの少なくとも1つの軸方向延在部分の径方向幅が前記軸の周囲で変化して少なくとも1つの径方向狭窄部が形成され、
前記径方向狭窄部は、混合チャンバの前記部分の長さに沿って、前記軸を含む任意の面に対して45°以下の角度を為す方向に延びている混合装置。
【請求項2】
前記入口は混合チャンバの一方の軸方向端近傍にあり、前記出口は混合チャンバの他方の軸方向端近傍にある請求項1に記載の混合装置。
【請求項3】
前記混合チャンバ中を入口から出口まで材料をポンプ輸送するためのポンプ手段を具える請求項1又は請求項2に記載の混合装置。
【請求項4】
第1及び第2の混合部材の前記対向面は、相対的に回転するとき混合チャンバ内の全ての材料が前記径方向狭窄部を複数回通過しながら入口から出口まで流れるように構成されている上記何れかの請求項に記載の混合装置。
【請求項5】
前記軸に垂直な平面上の混合チャンバを通る任意の断面について、前記径方向狭窄部は径方向幅を有し、その断面での第2の管状混合部材の最小内径に対する前記径方向幅の割合は、少なくとも0.05である上記何れかの請求項に記載の混合装置。
【請求項6】
前記軸に垂直な平面上の混合チャンバを通る任意の断面について、前記径方向狭窄部は径方向幅を有し、その断面での第2の管状混合部材の最小内径に対する前記径方向幅の割合は、混合チャンバの前記部分の長さに沿って平均で少なくとも0.05である上記何れかの請求項に記載の混合装置。
【請求項7】
前記径方向狭窄部は、混合チャンバの前記部分の長さに沿って前記長手軸に実質的に平行な方向に延びている上記何れかの請求項に記載の混合装置。
【請求項8】
混合チャンバの前記部分は、入口と出口との間に形成されている混合チャンバの全長を具える上記何れかの請求項に記載の混合装置。
【請求項9】
少なくとも2つの前記径方向狭窄部が混合チャンバの周囲に角度を為して配置され、混合部材の任意の回転位置について混合部材に対する径方向力が平衡し、任意の径方向における真の力は実質的にゼロである上記何れかの請求項に記載の混合装置。
【請求項10】
混合部材の任意の回転位置について第1の径方向狭窄部が直径に沿って第2の径方向狭窄部に対向するように形成されている2つのみの前記径方向狭窄部を具える請求項9に記載の装置。
【請求項11】
混合チャンバが前記軸を中心として回転対称性を有するように形成されている2以上の径方向狭窄部がある請求項9に記載の混合装置。
【請求項12】
前記第2の管状混合部材の内表面は、混合チャンバの前記部分の長さに沿って実質的に円形の輪郭を有し、前記第1の混合部材の外表面は、前記部分の長さに沿って非円形の輪郭を有してこれにより少なくとも部分的に前記径方向狭窄部を形成している上記何れかの請求項に記載の混合装置。
【請求項13】
前記第2の管状混合部材の内表面は、混合チャンバの前記部分の長さに沿って非円形の輪郭を有して少なくとも部分的に前記径方向狭窄部を形成している上記何れかの請求項に記載の混合装置。
【請求項14】
前記第1の細長混合部材は、第2の管状混合部材内で前記軸を中心として回転する上記何れかの請求項に記載の混合装置。
【請求項15】
前記第2の管状混合部材は混合チャンバのための固定ハウジングとなる請求項14に記載の混合装置。
【請求項16】
前記第2の管状混合部材は前記長手軸を中心として回転する請求項1乃至14の何れか1項に記載の混合装置。
【請求項17】
混合チャンバの前記部分は略円筒状の構成を有する上記何れかの請求項に記載の混合装置。
【請求項18】
混合チャンバの前記部分は、構成において略円錐状である請求項1乃至16の何れか1項に記載の混合装置。
【請求項19】
前記第1の混合部材及び/又は第2の混合部材は、略円錐状の構成を有して前記円錐状に構成された混合チャンバを形成している請求項18に記載の混合装置。
【請求項20】
前記第1及び第2の混合部材は、少なくとも第1の位置から第2の位置まで互いに対して軸方向に移動可能であり、混合チャンバの長さに沿う混合チャンバの径方向幅を混合部材の前記軸方向移動によって変化させることができる請求項18又は19に記載の混合装置。
【請求項21】
前記第1及び第2の混合部材は、前記第1の軸方向位置と第2の軸方向位置との間の複数の位置で軸方向に位置決め可能であってそれぞれの複数の混合チャンバ形状を提供する請求項20に記載の混合装置。
【請求項22】
前記第1及び第2の混合部材の軸方向位置は、前記第1の位置と第2の位置との間で連続的に可変である請求項20に記載の装置。
【請求項23】
前記径方向狭窄部の径方向幅は、混合チャンバの前記部分の長さに沿って実質的に一定である上記何れかの請求項に記載の混合装置。
【請求項24】
前記径方向狭窄部は、第1の混合部材の外表面及び/又は第2の混合部材の内表面から延びる混合形成物によって形成されている上記何れかの請求項に記載の混合装置。
【請求項25】
前記軸に垂直な平面における断面において、前記形成物は、直線状又は曲線状の壁、又は直線状の壁と曲線状の壁との組み合わせの何れかを有する請求項24に記載の混合装置。
【請求項26】
チャンバの前記径方向狭窄部は、第1の混合部材の外表面又は第2の混合部材の内表面の何れかに形成されている凹部によって少なくとも部分的に形成され、前記径方向狭窄部は、角度を為して隣接している凹部間に形成されている上記何れかの請求項に記載の混合装置。
【請求項27】
前記軸に沿って連続的又は非連続的に配置されている複数の前記混合チャンバ部分を具える上記何れかの請求項に記載の混合装置。
【請求項28】
前記第1の細長混合部材及び/又は第2の管状混合部材は、端から端に配置された2以上のセクションを具えるモジュラー狭窄部を有する上記何れかの請求項に記載の混合装置。
【請求項29】
前記第1の混合部材又は第2の混合部材の何れか、又は第1の混合部材と第2の混合部材との両方を回転させるための回転手段を具え、後者の場合、前記両部材は逆回転又は異なる速度で同じ方向に回転する上記何れかの請求項に記載の混合装置。
【請求項30】
前記第1及び第2の混合部材を互いに対して軸方向に変位させる手段を具える上記何れかの請求項に記載の混合装置。
【請求項31】
前記第1及び第2の混合部材の少なくとも1つには混合チャンバを冷却又は加熱するための手段が設けられている上記何れかの請求項に記載の混合装置。
【請求項32】
前記冷却又は加熱手段は、それぞれの混合部材の表面を冷却又は加熱することによって混合チャンバ内の材料を冷却又は加熱する請求項31に記載の混合装置。
【請求項33】
前記冷却又は加熱手段は、それぞれの混合部材を通る1又は複数の通路と、該通路に冷却又は加熱流体を流すための手段とを具える請求項32に記載の混合装置。
【請求項34】
前記ポンプ手段は押出機を具える上記何れかの請求項に記載の混合装置。
【請求項35】
前記出口を通過する材料の流速及び/又は圧力を調節する調節手段を具える上記何れかの請求項に記載の混合装置。
【請求項36】
両混合部材の相対回転の速度又は方向を変化させるための手段が設けられている上記何れかの請求項に記載の混合装置。
【請求項37】
前記入口又は出口の中間の1又は複数の軸方向位置で混合チャンバに材料を追加することができる1又は複数の二次的入口を具える上記何れかの請求項に記載の混合装置。
【請求項38】
装置の円周状境界上の1又は複数の中間位置で混合チャンバに材料を追加するために配置されている1又は複数の二次的入口を具える上記何れかの請求項に記載の混合装置。
【請求項39】
長手軸の周囲に形成され、第2の管状混合部材内に軸方向に配置された第1の細長混合部材の対向面間に形成された径方向幅を有する細長環状混合チャンバと、
混合されるべき材料を前記混合チャンバ内に導入するための入口と、前記混合チャンバから材料を除去するための出口と
を具え、
前記第1及び第2の混合部材は相対的に回転可能であり、
前記第1及び第2の混合部材の任意の回転位置について、前記混合チャンバの少なくとも1つの軸方向延在部分の径方向幅が前記軸の周囲で変化して少なくとも1つの径方向狭窄部が形成され、
前記径方向狭窄部は、混合チャンバの前記部分の長さに沿って、前記軸を含む任意の面に対して45°以下の角度を為す方向に延びている混合装置を提供することを含む混合の方法であって、
前記チャンバ中を前記入口及び出口を介して混合されるべき材料をポンプ輸送することと、
前記第1及び第2の混合部材を相対的に回転させて前記混合チャンバ内の全ての材料が前記径方向絞りを複数回流れるようにすることと
を含む混合の方法。
【請求項40】
前記混合チャンバ中を入口から出口まで材料がポンプ輸送される請求項39に記載の方法。
【請求項41】
前記混合チャンバ内の材料の任意の部分が前記径方向狭窄部を通過する回数は、両混合部材の相対回転の速度及び/又は混合チャンバ中の材料の軸方向流速を変化させることによって調節される請求項39又は40に記載の方法。
【請求項42】
前記第1及び第2の混合部材の相対回転の速度は、混合チャンバ内の材料の単位体積当たりに加えられる混合エネルギーの正味量を調節するように、装置中の材料の軸方向流速から独立に制御される請求項39又は41に記載の方法。
【請求項43】
前記第1及び第2の混合部材の相対回転の速度及び/又は方向は、混合チャンバ内の材料に変化する混合作用を与えるように動作中変化する請求項39乃至42の何れか1項に記載の方法。
【請求項44】
相対回転の速度及び/又は方向は、時間に関して周期的に変化する請求項39乃至43の何れか1項に記載の方法。
【請求項45】
前記ポンプ手段は、入口から出口までの材料の流速を時間に関して周期的に変化させるように制御される請求項39乃至44の何れか1項に記載の方法。
【請求項46】
連続混合プロセスにおいて入口から出口まで材料が連続的に流れる請求項39乃至45の何れかに記載の混合の方法。
【請求項47】
混合動作はバッチ混合動作である請求項39乃至45の何れかに記載の方法。
【請求項48】
混合動作は、混合チャンバ内の特定の材料における化学反応を促進及び/又は調節するために要求される反応化学条件を生成するように制御される請求項39乃至47の何れか1項に記載の方法。
【請求項49】
混合動作は、混合チャンバ内に存在する材料における架橋を切るために必要な機械化学的条件を生成するように制御される請求項39乃至47の何れか1項に記載の方法。
【請求項50】
混合動作は、混合チャンバ内の材料に分散及び/又は分配混合を加えるように制御される請求項39乃至49の何れか1項に記載の方法。
【請求項51】
流体材料、固体材料、又は流体材料と可溶性材料との混合物の何れかを混合することを含む請求項39乃至50の何れか1項に記載の方法。
【請求項52】
添付図面を参照して実質的に先に説明したような混合装置。
【請求項53】
添付図面を参照して実質的に先に説明したような混合の方法。
【請求項1】
長手軸の周囲に形成され、第2の管状混合部材内に軸方向に配置された第1の細長混合部材の対向面間に形成された径方向幅を有する細長環状混合チャンバと、
混合されるべき材料を前記混合チャンバ内に導入するための入口と、前記混合チャンバから材料を除去するための出口と
を具え、
前記第1及び第2の混合部材は相対的に回転可能であり、
前記第1及び第2の混合部材の任意の回転位置について、前記混合チャンバの少なくとも1つの軸方向延在部分の径方向幅が前記軸の周囲で変化して少なくとも1つの径方向狭窄部が形成され、
前記径方向狭窄部は、混合チャンバの前記部分の長さに沿って、前記軸を含む任意の面に対して45°以下の角度を為す方向に延びている混合装置。
【請求項2】
前記入口は混合チャンバの一方の軸方向端近傍にあり、前記出口は混合チャンバの他方の軸方向端近傍にある請求項1に記載の混合装置。
【請求項3】
前記混合チャンバ中を入口から出口まで材料をポンプ輸送するためのポンプ手段を具える請求項1又は請求項2に記載の混合装置。
【請求項4】
第1及び第2の混合部材の前記対向面は、相対的に回転するとき混合チャンバ内の全ての材料が前記径方向狭窄部を複数回通過しながら入口から出口まで流れるように構成されている上記何れかの請求項に記載の混合装置。
【請求項5】
前記軸に垂直な平面上の混合チャンバを通る任意の断面について、前記径方向狭窄部は径方向幅を有し、その断面での第2の管状混合部材の最小内径に対する前記径方向幅の割合は、少なくとも0.05である上記何れかの請求項に記載の混合装置。
【請求項6】
前記軸に垂直な平面上の混合チャンバを通る任意の断面について、前記径方向狭窄部は径方向幅を有し、その断面での第2の管状混合部材の最小内径に対する前記径方向幅の割合は、混合チャンバの前記部分の長さに沿って平均で少なくとも0.05である上記何れかの請求項に記載の混合装置。
【請求項7】
前記径方向狭窄部は、混合チャンバの前記部分の長さに沿って前記長手軸に実質的に平行な方向に延びている上記何れかの請求項に記載の混合装置。
【請求項8】
混合チャンバの前記部分は、入口と出口との間に形成されている混合チャンバの全長を具える上記何れかの請求項に記載の混合装置。
【請求項9】
少なくとも2つの前記径方向狭窄部が混合チャンバの周囲に角度を為して配置され、混合部材の任意の回転位置について混合部材に対する径方向力が平衡し、任意の径方向における真の力は実質的にゼロである上記何れかの請求項に記載の混合装置。
【請求項10】
混合部材の任意の回転位置について第1の径方向狭窄部が直径に沿って第2の径方向狭窄部に対向するように形成されている2つのみの前記径方向狭窄部を具える請求項9に記載の装置。
【請求項11】
混合チャンバが前記軸を中心として回転対称性を有するように形成されている2以上の径方向狭窄部がある請求項9に記載の混合装置。
【請求項12】
前記第2の管状混合部材の内表面は、混合チャンバの前記部分の長さに沿って実質的に円形の輪郭を有し、前記第1の混合部材の外表面は、前記部分の長さに沿って非円形の輪郭を有してこれにより少なくとも部分的に前記径方向狭窄部を形成している上記何れかの請求項に記載の混合装置。
【請求項13】
前記第2の管状混合部材の内表面は、混合チャンバの前記部分の長さに沿って非円形の輪郭を有して少なくとも部分的に前記径方向狭窄部を形成している上記何れかの請求項に記載の混合装置。
【請求項14】
前記第1の細長混合部材は、第2の管状混合部材内で前記軸を中心として回転する上記何れかの請求項に記載の混合装置。
【請求項15】
前記第2の管状混合部材は混合チャンバのための固定ハウジングとなる請求項14に記載の混合装置。
【請求項16】
前記第2の管状混合部材は前記長手軸を中心として回転する請求項1乃至14の何れか1項に記載の混合装置。
【請求項17】
混合チャンバの前記部分は略円筒状の構成を有する上記何れかの請求項に記載の混合装置。
【請求項18】
混合チャンバの前記部分は、構成において略円錐状である請求項1乃至16の何れか1項に記載の混合装置。
【請求項19】
前記第1の混合部材及び/又は第2の混合部材は、略円錐状の構成を有して前記円錐状に構成された混合チャンバを形成している請求項18に記載の混合装置。
【請求項20】
前記第1及び第2の混合部材は、少なくとも第1の位置から第2の位置まで互いに対して軸方向に移動可能であり、混合チャンバの長さに沿う混合チャンバの径方向幅を混合部材の前記軸方向移動によって変化させることができる請求項18又は19に記載の混合装置。
【請求項21】
前記第1及び第2の混合部材は、前記第1の軸方向位置と第2の軸方向位置との間の複数の位置で軸方向に位置決め可能であってそれぞれの複数の混合チャンバ形状を提供する請求項20に記載の混合装置。
【請求項22】
前記第1及び第2の混合部材の軸方向位置は、前記第1の位置と第2の位置との間で連続的に可変である請求項20に記載の装置。
【請求項23】
前記径方向狭窄部の径方向幅は、混合チャンバの前記部分の長さに沿って実質的に一定である上記何れかの請求項に記載の混合装置。
【請求項24】
前記径方向狭窄部は、第1の混合部材の外表面及び/又は第2の混合部材の内表面から延びる混合形成物によって形成されている上記何れかの請求項に記載の混合装置。
【請求項25】
前記軸に垂直な平面における断面において、前記形成物は、直線状又は曲線状の壁、又は直線状の壁と曲線状の壁との組み合わせの何れかを有する請求項24に記載の混合装置。
【請求項26】
チャンバの前記径方向狭窄部は、第1の混合部材の外表面又は第2の混合部材の内表面の何れかに形成されている凹部によって少なくとも部分的に形成され、前記径方向狭窄部は、角度を為して隣接している凹部間に形成されている上記何れかの請求項に記載の混合装置。
【請求項27】
前記軸に沿って連続的又は非連続的に配置されている複数の前記混合チャンバ部分を具える上記何れかの請求項に記載の混合装置。
【請求項28】
前記第1の細長混合部材及び/又は第2の管状混合部材は、端から端に配置された2以上のセクションを具えるモジュラー狭窄部を有する上記何れかの請求項に記載の混合装置。
【請求項29】
前記第1の混合部材又は第2の混合部材の何れか、又は第1の混合部材と第2の混合部材との両方を回転させるための回転手段を具え、後者の場合、前記両部材は逆回転又は異なる速度で同じ方向に回転する上記何れかの請求項に記載の混合装置。
【請求項30】
前記第1及び第2の混合部材を互いに対して軸方向に変位させる手段を具える上記何れかの請求項に記載の混合装置。
【請求項31】
前記第1及び第2の混合部材の少なくとも1つには混合チャンバを冷却又は加熱するための手段が設けられている上記何れかの請求項に記載の混合装置。
【請求項32】
前記冷却又は加熱手段は、それぞれの混合部材の表面を冷却又は加熱することによって混合チャンバ内の材料を冷却又は加熱する請求項31に記載の混合装置。
【請求項33】
前記冷却又は加熱手段は、それぞれの混合部材を通る1又は複数の通路と、該通路に冷却又は加熱流体を流すための手段とを具える請求項32に記載の混合装置。
【請求項34】
前記ポンプ手段は押出機を具える上記何れかの請求項に記載の混合装置。
【請求項35】
前記出口を通過する材料の流速及び/又は圧力を調節する調節手段を具える上記何れかの請求項に記載の混合装置。
【請求項36】
両混合部材の相対回転の速度又は方向を変化させるための手段が設けられている上記何れかの請求項に記載の混合装置。
【請求項37】
前記入口又は出口の中間の1又は複数の軸方向位置で混合チャンバに材料を追加することができる1又は複数の二次的入口を具える上記何れかの請求項に記載の混合装置。
【請求項38】
装置の円周状境界上の1又は複数の中間位置で混合チャンバに材料を追加するために配置されている1又は複数の二次的入口を具える上記何れかの請求項に記載の混合装置。
【請求項39】
長手軸の周囲に形成され、第2の管状混合部材内に軸方向に配置された第1の細長混合部材の対向面間に形成された径方向幅を有する細長環状混合チャンバと、
混合されるべき材料を前記混合チャンバ内に導入するための入口と、前記混合チャンバから材料を除去するための出口と
を具え、
前記第1及び第2の混合部材は相対的に回転可能であり、
前記第1及び第2の混合部材の任意の回転位置について、前記混合チャンバの少なくとも1つの軸方向延在部分の径方向幅が前記軸の周囲で変化して少なくとも1つの径方向狭窄部が形成され、
前記径方向狭窄部は、混合チャンバの前記部分の長さに沿って、前記軸を含む任意の面に対して45°以下の角度を為す方向に延びている混合装置を提供することを含む混合の方法であって、
前記チャンバ中を前記入口及び出口を介して混合されるべき材料をポンプ輸送することと、
前記第1及び第2の混合部材を相対的に回転させて前記混合チャンバ内の全ての材料が前記径方向絞りを複数回流れるようにすることと
を含む混合の方法。
【請求項40】
前記混合チャンバ中を入口から出口まで材料がポンプ輸送される請求項39に記載の方法。
【請求項41】
前記混合チャンバ内の材料の任意の部分が前記径方向狭窄部を通過する回数は、両混合部材の相対回転の速度及び/又は混合チャンバ中の材料の軸方向流速を変化させることによって調節される請求項39又は40に記載の方法。
【請求項42】
前記第1及び第2の混合部材の相対回転の速度は、混合チャンバ内の材料の単位体積当たりに加えられる混合エネルギーの正味量を調節するように、装置中の材料の軸方向流速から独立に制御される請求項39又は41に記載の方法。
【請求項43】
前記第1及び第2の混合部材の相対回転の速度及び/又は方向は、混合チャンバ内の材料に変化する混合作用を与えるように動作中変化する請求項39乃至42の何れか1項に記載の方法。
【請求項44】
相対回転の速度及び/又は方向は、時間に関して周期的に変化する請求項39乃至43の何れか1項に記載の方法。
【請求項45】
前記ポンプ手段は、入口から出口までの材料の流速を時間に関して周期的に変化させるように制御される請求項39乃至44の何れか1項に記載の方法。
【請求項46】
連続混合プロセスにおいて入口から出口まで材料が連続的に流れる請求項39乃至45の何れかに記載の混合の方法。
【請求項47】
混合動作はバッチ混合動作である請求項39乃至45の何れかに記載の方法。
【請求項48】
混合動作は、混合チャンバ内の特定の材料における化学反応を促進及び/又は調節するために要求される反応化学条件を生成するように制御される請求項39乃至47の何れか1項に記載の方法。
【請求項49】
混合動作は、混合チャンバ内に存在する材料における架橋を切るために必要な機械化学的条件を生成するように制御される請求項39乃至47の何れか1項に記載の方法。
【請求項50】
混合動作は、混合チャンバ内の材料に分散及び/又は分配混合を加えるように制御される請求項39乃至49の何れか1項に記載の方法。
【請求項51】
流体材料、固体材料、又は流体材料と可溶性材料との混合物の何れかを混合することを含む請求項39乃至50の何れか1項に記載の方法。
【請求項52】
添付図面を参照して実質的に先に説明したような混合装置。
【請求項53】
添付図面を参照して実質的に先に説明したような混合の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公表番号】特表2008−544843(P2008−544843A)
【公表日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−518970(P2008−518970)
【出願日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【国際出願番号】PCT/GB2006/002417
【国際公開番号】WO2007/000610
【国際公開日】平成19年1月4日(2007.1.4)
【出願人】(508000021)メールストロム・アドバンスド・プロセス・テクノロジーズ・リミテッド (1)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【国際出願番号】PCT/GB2006/002417
【国際公開番号】WO2007/000610
【国際公開日】平成19年1月4日(2007.1.4)
【出願人】(508000021)メールストロム・アドバンスド・プロセス・テクノロジーズ・リミテッド (1)
【Fターム(参考)】
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