説明

混合装置

【課題】円筒状混合容器内内に回転羽根とチョッパーを配置する形式の混合装置において、被混合物の混合精度を高め、また分解、清掃時における作業性、安全性、清掃性の良い混合装置を提供する。
【解決手段】水平置きに配置された円筒状混合容器5内に回転軸14を介して設置される第一のフライト16、第二のフライト17は略中央にて二分割され、該第一のフライト、第二のフライトは前記円筒状混合容器の互いに対向する側面側からそれぞれ挿着並びに引き抜き可能となし、該第一のフライト、第二のフライトの回転軸は軸受け機構15を介して前記円筒状混合容器の側面蓋を貫通しそれぞれの駆動モーター13に連繋されており、該第一のフライト、第二のフライト、それぞれの回転軸、円筒状混合容器の側面蓋、並びに駆動モーターは前記円筒状混合容器の外部に設置された水平移動持設機構にそれぞれ片持ちで持設する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多種の粉体と粉体、または多種の粉体と液体等を精密に混合するための混合装置に関するものであり、さらに詳しくは円筒状混合容器内に回転駆動可能に設けられている回転羽根部とチョッパー部からなる混合装置において、分散、並びに剪断作用の向上で混合精度の高い混合装置を具現化し、該混合装置は分解、清掃性に優れた構成を有しており、1ロット混合工程終了後の分解、清掃作業において相互汚染を完璧に阻止できる分解、清掃作業性の良い混合装置を提供するものである。
【背景技術】
【0002】
円筒状混合容器内に回転羽根とチョッパーとを備え、必要な混合作用が得られると共に分散、剪断作用を得るための混合装置として、従来、特開平03−118827号公報(以下、特許文献1と称する)及び特許第3659915号公報(以下、特許文献2と称する)が知られている。
【0003】
特許文献1の発明は、ねじれ方向が逆方向である内外リボンがそれぞれ中央を境に左右反対に対象となるよう羽根筒軸に付された内外リボン羽根をトラフ型容器内に備えた従来の二重リボン混合機に関するものである。
【0004】
そして、羽根筒軸に直交状態で回転自在に装着したチョッパーを該羽根筒軸内の回転軸に歯車伝導機構を介して連結し、内外リボン羽根とチョッパーとを個別に回転させるようにしたものであるから、内外リボン羽根を低速でまたチョッパーを高速で回転させることによって、吸収性が強く凝集しやすい粉体や混合容器内の粒子の凝集を防ぎ攪拌効果を高め混合精度にきわめて有効であり、混合時間も短縮できて効率的であるなどの卓抜した効果がある、と云うものである。
【0005】
また、特許文献2の発明は、円筒状混合容器内に回転駆動可能に設けられている回転軸に取り付けられている第一、第二のフライト(スクリュー羽根)と、前記円筒状混合容器の壁部から内部へ臨むように設けられ、前記回転軸よりも比較的高速で回転駆動されるチョッパーとから構成され、前記第二のフライトは、前記第一のフライトと軸方向に所定の間隔をおいて、前記第一のフライトとの間に分散・剪断位置が確保されるように配置され、これらの第一、第二のフライトの外周部は、前記円筒状混合容器の内壁に近接して駆動されるようになっていると共に、前記第一、第二のフライトは、被処理物を前記分散・剪断位置の方へ移送するように互いに逆方向に捻られ、前記チョッパーは、前記第一、第二のフライトの間の分散・剪断位置に配置されている混合装置に関するものである。
【0006】
而して、特許文献2は、上記構成を有することにより、多量の被混合物がチョッパーの方へ略連続的に移送され、チョッパーにより強力な分散・剪断作用受け短時間に、しかも均一に混合される効果が得られる。
【0007】
また、第一、第二のフライト(スクリュー羽根)は互いに逆方向に捻られているので、これらのフライトで移送される被処理物は分散・剪断位置でお互いに衝突するので、これによっても、被処理物の混合が促進される、と云うものである。
【0008】
斯くして、上記特許文献1、2の発明は、円筒状混合容器内内に回転羽根とチョッパーを配置する形式の混合装置であり、被混合物の混合精度を高めた混合装置としての評価を得ている。
【0009】
然しながら、特許文献1発明は、ねじれ方向が逆方向である内外リボンがそれぞれ中央を境に左右反対に対象となるよう羽根筒軸に付された内外リボン羽根をトラフ型容器に備えたリボン混合機において、羽根筒軸に直交状態で回転自在に装着したチョッパーを該羽根筒軸内の回転軸に歯車伝導機構を介して連結し、内外リボン羽根とチョッパーとを個別に回転させるようにしたものであるから、特に内外リボン羽根とチョッパーの構成部分が複雑で、該部分において、分解、清掃性が極め悪い。
【0010】
また、特許文献1の発明においては、円筒状混合容器内の洗浄に際して、各止めネジを螺脱して中央羽根筒軸部と左右羽根筒軸部とを分離すると共に左右回転軸部と中央回転軸部とを分離することによってチョッパー装着の内外リボン羽根アッセンブリが容易に容器外へ取り外しでき洗浄に便利である、との記載もあるが、これらの作業は、従来、円筒状混合容器にできるだけ大きな点検口を設け、該点検口より内部の点検、清掃を行うことが、通常的に行われている。
【0011】
従って、点検口の大きさは円筒状混合容器の構造上の強度にも影響して限度があり、円筒状混合容器内、及びリボン羽根、チョッパーを清掃することは、困難であり、また、円筒状混合容器内に人が身体をいれて清掃するために安全面では非常に問題があった。
【0012】
次に、特許文献2の発明は、円筒状混合容器内に回転駆動可能に設けられている回転軸に取り付けられている第一、第二のフライトと、前記円筒状混合容器の壁部から内部へ臨むように設けられ、前記回転軸よりも比較的高速で回転駆動されるチョッパーとから構成されており、構成は比較的単純化されているが、円筒状混合容器の清掃作業は、特許文献1の発明と同様に、点検口より内部の点検、清掃を行うことが、通常的に行われている。
【0013】
また、特許文献2の発明における円筒状混合容器内の清掃は、スクリュー羽根(第一、第二のフライト)、該スクリュー羽根を設けた回転軸を円筒状混合容器の側面蓋を取り外すことにより混合容器外に引き抜いて保持し、混合容器の内部側を清掃したり、スクリュー羽根と回転軸、及び側面蓋の内部側を清掃することが実施されている。
【0014】
然しながら、特許文献2の発明において、上記スクリュー羽根、該スクリュー羽根を設けた回転軸を円筒状混合容器の側面蓋を取り外すことにより混合容器外に片方から引き抜いて保持し、混合容器の内部側を清掃しようとすると、円筒状混合容器の中央部に突設して設けられたチョッパーが邪魔になり、始めに該チョッパーを円筒状混合容器から引き抜く作業が必要となり、次いで円筒混合容器の側面蓋を混合容器本体から取り外して芯ぶれがないようにスクリュー羽根、回転軸、側面蓋を抜脱して、円筒状混合容器の外側に水平移動せしめて、持設しなくてはならない。
【0015】
そして、前記スクリュー羽根、回転軸、側面蓋、及び回転軸の駆動モーターを持設する保持台車は、スクリュー羽根、回転軸、側面蓋を片方から引き抜くために片持ち構造で持設することになり、前記保持台車は大変重量のある強固な構成となってしまう欠点を有している。
【特許文献1】特開平03−118827号公報
【特許文献2】特許第3659915号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
斯くして、本発明が解決しようとする課題は、円筒状混合容器内内に回転羽根(スクリュー羽根、リボン羽根、ショベル羽根を含む)とチョッパーを配置する形式の混合装置において、被混合物の混合精度を高めた混合装置を具現化することを目的とする。
【0017】
また本発明は、円筒状混合容器内に回転羽根とチョッパーを配置する形式の混合装置において、分解、清掃時にその作業性、安全性、清掃性の良い構成を具現化して、1ロット混合完了後の分解、清掃効率を非常に良いものにし、該分解、清掃後のロットとの相互汚染を阻止して、前の混合物が次の混合物に混入しないようにした混合装置を具現化することを目的とする。
【0018】
特に本発明は、食品の場合に多種の原料を混合装置に投入し、均質の混合して食料品とすることが多くあり、この場合、ロット間の相互汚染は製品の品質を低下させるばかりでなく、アレルギーを起こす可能性のある食品の混入は重用問題となり、ロット毎の清掃、及び清掃後の目視確認は重要な操作となるため、これらの清掃作業が、容易にでき、相互汚染のない食品製造用の混合装置を具現化することを目的とする。
【0019】
更にまた、本発明の構成は、水平置きに配置された円筒状混合容器内に回転軸を介して設置される第一のフライト、第二のフライトは略中央にて2分割され、該第一のフライト、第二のフライト、それぞれの回転軸、円筒状混合容器の側面蓋、並びに駆動モーターは前記円筒状混合容器の外部に設置された水平移動持設機構にそれぞれ片持ちで持設されていること、及び、第一のフライト、第二のフライト、それぞれの回転軸、円筒状混合容器の側面蓋、並びに駆動モーターは前記円筒状混合容器の外部に設置された水平移動装置は、該装置上部に設けられたI型吊りレール上を走行する移動ローラ付き懸架アームに持設されているか、または該装置床面に設置されたレール上を走行する台車上に持設されており、該懸架アームまたは台車を手動、或いは電動にて動作させることにより、前記円筒状混合容器の大きさを従来装置に比較して大きなものに製作可能で、多種の粉体と粉体、または、粉体と液体の混合を1ロットあたり、1トンと大容量で混合処理可能な工場生産ライン向け混合機を生産することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明において、水平置きに配置された円筒状混合容器内に回転軸を介して設置される第一のフライト、第二のフライトは略中央にて二分割され、該第一のフライト、第二のフライトは前記円筒状混合容器の互いに対向する側面側からそれぞれ挿着並びに引き抜き可能となし、該第一のフライト、第二のフライトの回転軸は軸受け機構を介して前記円筒状混合容器の側面蓋を貫通しそれぞれの駆動モーターに連繋されており、該第一のフライト、第二のフライト、それぞれの回転軸、円筒状混合容器の側面蓋、並びに駆動モーターは前記円筒状混合容器の外部に設置された水平移動持設機構にそれぞれ片持ちで持設されていること最も主要な特徴とする。
【0021】
また、本発明いおいて、第一のフライト並びに第二のフライトはそれぞれ別々に回転数を制御可能な駆動モーターにそれぞれの回転軸を介して連繋されており、該第1のフライト並びに第二のフライトは円筒状混合容器内にて別々に回転駆動し被混合物を混合する際必要に応じて前記回転数を別々に可変可能にしたことし、第一のフライトと第二のフライトの回転速度をそれぞれ別々に制御することにより混合精度を高めることの可能な構成とする。
【0022】
また、本発明において、円筒状混合容器内に回転軸を介して設置される第一のフライト、第二のフライトは、1ロット混合完了後の分解、清掃時において、該第一のフライト並びに第二のフライトをそれぞれ別々に円筒状混合容器の外部に引き抜き水洗い洗浄または拭き取り清掃することの可能な構成とする。
【0023】
更にまた、本発明において、第一のフライト、第二のフライト、それぞれの回転軸、円筒状混合容器の側面蓋、並びに駆動モーターは、前記円筒状混合容器の外部に設置された水平移動装置は該装置上部に設けられたI型吊りレール上を走行する移動ローラ付き懸架アームに持設されているか、または該装置床面に設置されたレール上を走行する台車上に持設されており、該懸架アームまたは台車を手動或いは電動にて動作させる構成としている。
【発明の効果】
【0024】
斯くして、本発明は上記構成を有する混合装置を具現化することで、円筒状混合容器内内に回転羽根(スクリュー羽根、リボン羽根、ショベル羽根を含む)とチョッパーを配置する形式の混合装置において、被混合物の混合精度を高めた混合装置を提供することができた。
【0025】
また本発明は、円筒状混合容器内に回転羽根とチョッパーを配置する形式の混合装置において、分解、清掃時にその作業性、安全性、清掃性の良い構成を具現化して、1ロット混合完了後の分解、清掃効率を非常に良いものにし、該分解、清掃後のロットとの相互汚染を阻止して、前の混合物が次の混合物に混入しないようにした混合装置を提供することができた。
【0026】
また、本発明は、特に食品の製造加工工程において、多種の原料を混合装置に投入し、均質の混合して食料品とすることが多くあり、この場合、ロット間の相互汚染は製品の品質を低下させるばかりでなく、アレルギーを起こす可能性のある食品の混入は重用問題となり、ロット毎の清掃、及び清掃後の目視確認は重要な操作となるため、これらの清掃作業が、容易にでき、相互汚染のない食品製造用の混合装置を提供することができた。
【0027】
更に本発明は、水平置きに配置された円筒状混合容器内に回転軸を介して設置される第一のフライト、第二のフライトは略中央にて2分割され、該第一のフライト、第二のフライト、それぞれの回転軸、円筒状混合容器の側面蓋、並びに駆動モーターは前記円筒状混合容器の外部に設置された水平移動持設機構にそれぞれ片持ちで持設されていること、及び、第一のフライト、第二のフライト、それぞれの回転軸、円筒状混合容器の側面蓋、並びに駆動モーターは前記円筒状混合容器の外部に設置された水平移動装置は、該装置上部に設けられたI型吊りレール上を走行する移動ローラ付き懸架アームに持設されているか、または該装置床面に設置されたレール上を走行する台車上に持設されており、該懸架アームまたは台車を手動、或いは電動にて動作させる構成により、前記円筒状混合容器の大きさを従来装置に比較して大きなものに製作可能で、多種の粉体と粉体、または、多種の粉体と液体の混合を1ロットあたり、1トンと大容量で混合処理可能な工場生産ライン向け混合機を提供することができた。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
本発明は、水平置きに配置された円筒状混合容器内に回転軸を介して設置される第一のフライト、第二のフライトは略中央にて二分割され、該第一のフライト、第二のフライトは前記円筒状混合容器の互いに対向する側面側からそれぞれ挿着並びに引き抜き可能となし、該第一のフライト、第二のフライトの回転軸は軸受け機構を介して前記円筒状混合容器の側面蓋を貫通しそれぞれの駆動モーターに連繋されており、該第一のフライト、第二のフライト、それぞれの回転軸、円筒状混合容器の側面蓋、並びに駆動モーターは前記円筒状混合容器の外部に設置された水平移動持設機構にそれぞれ片持ちで持設されていることが好ましい。
【0029】
また、本発明において、第一のフライト並びに第二のフライトはそれぞれ別々に回転数を制御可能な駆動モーターにそれぞれの回転軸を介して連繋されており、該第1のフライト並びに第二のフライトは円筒状混合容器内にて別々に回転駆動し被混合物を混合する際必要に応じて前記回転数を別々に可変可能にした構成が好ましい。
【0030】
また、本発明において、円筒状混合容器内に回転軸を介して設置される第一のフライト、第二のフライトは、1ロット混合完了後の分解、清掃時において、該第一のフライト並びに第二のフライトをそれぞれ別々に円筒状混合容器の外部に引き抜き水洗い洗浄、または拭き取り清掃すること構成が好ましい。
【0031】
更にまた、第一のフライト、第二のフライト、それぞれの回転軸、円筒状混合容器の側面蓋、並びに駆動モーターは前記円筒状混合容器の外部に設置された水平移動装置は該装置上部に設けられたI型吊りレール上を走行する移動ローラ付き懸架アームに持設されているか、または該装置床面に設置されたレール上を走行する台車上に持設されており、該懸架アームまたは台車を手動或いは電動にて動作させる構成が好ましい。
【実施例1】
【0032】
図1乃至図4は本発明の実施例1を示す説明図であり、図1は本発明の混合装置全体を示す正面要部断面図、図2は図1の側面図であり、チョッパー取付部分を一部断面図にて示している。図3は図1の混合装置の分解、清掃時の状態示す説明図であり、図4はそれぞれのスクリュー羽根を片持ちで持設する懸架アームの走行機構を示す説明図である。
【0033】
図1乃至図4において、1は本発明の混合装置であり、該混合装置は床面2に支柱3a、3b、3c、3dを立設し、該支柱間に装架される梁材4により配置されている。
【0034】
即ち、支柱3b、3cにより、円筒状混合容器5は保持されており、該円筒状混合容器5の円筒面6には混合材料の投入ハッチ7(図2及び図3に示す)と混合材料の排出シュート8が設けられている。また、前記円筒状混合容器5の円筒面には集塵ポート9、接続ポート10a、10b、10c・・・等や、自動液体添加ポート(図示せず)が設置されており、種々の加工操作や混合操作が付加できる。
【0035】
次に、前記円筒状混合容器5の両側面には円筒状混合容器の側面蓋11a、11bがそれぞれ緊縮型クランプ12a、12b、12c・・・により着脱可能に
装着されており、前記円筒状混合容器5はその内部を真空密閉状態、または、加圧状態にも保持できる。
【0036】
斯くして、前記円筒状混合容器5の側面蓋11a、11bには、それぞれ駆動モーター13、13に連繋された回転軸14、14が気密シール機構を有した軸受け機構15、15を介して前記円筒状混合容器5内部に貫通しており、該回転軸14、14は円筒状混合容器5内で互いに逆方向に捻られた第一のフライト16、第二のフライト17(スクリュー羽根)を回転可能にそれぞれ設置しており、該回転軸14、14と第一のフライト16、第二のフライト17は、円筒状混合容器5の略中央で、即ち被混合材料の分散、剪断位置18において、二分割されている。
【0037】
また、19a、19bはそれぞれ独立したチョッパー用駆動モーター20、20に連繋され比較的高速で回転駆動されるチョッパーで、該二つのチョッパー19a、19bは前記円筒状混合容器5の円筒面壁部21(図2に示す)から内部の被混合材料の分散、剪断位置18へ臨むように設けられており、該チョッパー19a、19bの回転動作は、被混合材料の分散、剪断作用を強化するものである。
【0038】
また、前記円筒状混合容器5の略中央部、即ち、被混合材料の分散、剪断位置18において、二分割されている第一のフライト16、第二のフライト17、並びに回転軸14,14、そして、それぞれの円筒状混合容器の側面蓋11a、11b、並びに駆動モーター13、13は懸架アーム22、22に持設されており、該懸架アーム22、22は、それぞれ混合装置1の上部に設けられたI型吊りレール23、23上を走行する移動ローラ付き走行台24、24に連繋されている。
【0039】
前記それぞれの懸架アーム22、22は該懸架アーム22、22に設けられたハンドル25、25を回転操作することにより、図4に示す如く、該ハンドル25の軸26が回転し、該回転が歯車27とチェーン28、及び歯車29を介して
駆動軸30に伝達され、歯車31a、31bの回転がI型レール23上に装架され走行する移動ローラ付き走行台24、24を図1における矢印方向に動かし、前記、側面蓋11a、11b、回転軸14、14、第一のフライト16、第二のフライト17を円筒状混合容器5の外部に図3の如く引き出して、分解、清掃工程の準備を完了する。
【0040】
斯くして、図3の状態は、第一のフライト16、及び第二のフライト17を中央部にて二分割して、該第一のフライト16、第二のフライト17をそれぞれ完全に円筒状混合容器5の外部に引き抜き、分解、清掃、場合によっては洗浄作業を行うための安全な作業場所や作業空間が確保できるので、その作業性、安全性、清掃性は著しく向上する。
【0041】
即ち、本発明おいて、水平置きに配置された円筒状混合容器5内に回転軸14、14を介して設置される第一のフライト16、第二のフライト17は、被混合材料の分散、剪断位置18の略中央にて二分割され、該第一のフライト16、第二のフライト17は前記円筒状混合容器5の互いに対向する側面側の側面蓋11a、11bからそれぞれ挿着並びに引き抜き可能となし、該第一のフライト16、第二のフライト17の回転軸14、14は軸受け機構15、15を介して前記円筒状混合容器5の側面蓋11a、11bを貫通しそれぞれの駆動モーター13,13に連繋されており、該第一のフライト16、第二のフライト17、それぞれの回転軸14、14、円筒状混合容器の側面蓋11a、11b、並びに駆動モーター13、13は前記円筒状混合容器5の外部に設置された水平移動持設機構の懸架アーム22、22にそれぞれ片持ちで持設されていることを特徴としている。
【0042】
また、上記実施例1においては、一例として、第一のフライト16、第二のフライト17をスクリュー羽根型として説明してきたが、該回転羽根の形状は、リボン型、ショベル型の羽根を回転軸に設置した形状の混合装置においても実施でき、本発明の効果を得ることもできる。
【0043】
また、本発明において、第一のフライト16、並びに第二のフライト17はそれぞれ別々に回転数を制御可能な駆動モーター13、13にそれぞれの回転軸14、14を介して連繋されており、該第1のフライト16、並びに第二のフライト17の回転数は円筒状混合容器5内にて回転駆動し被混合物を混合するに際し必要に応じて別々に可変制御可能であり、該構成は混合精度を高めることを可能としている。
【0044】
また、本発明において、円筒状混合容器5内に回転軸14、14を介して設置される第一のフライト16、第二のフライト17は1ロット混合完了後の分解、清掃時において、該第一のフライト16、並びに第二のフライト17をそれぞれ別々に円筒状混合容器の外部に引き抜き水洗い洗浄、または拭き取り清掃するための安全な作業場所や作業空間が確保できるので、洗浄や清掃作業時における安全性、作業性を高めることができ、また、その清掃作業の効率、及び清掃性の向上を高めることができる。
【0045】
また、本発明において、第一のフライト16、第二のフライト17、それぞれの回転軸14、14、円筒状混合容器の側面蓋11a、11b、並びに駆動モーター13、13は前記円筒状混合容器5の外部に設置された懸架アーム22、22を手動にて水平移動走行させる形式であるが、該走行装置は駆動モーターにて走行するよう構成してもよい。
【実施例2】
【0046】
図5は本発明の混合装置における実施例2を示す説明図であり、図5において、図1乃至図4と同一符号は同一構成要素を示している。
【0047】
図5において、1は混合装置、2は床面、5は円筒状混合装置、7は混合材料の投入ハッチ、8は混合材料の排出シュート、11a、11bは円筒状混合容器の側面蓋、12a、12b、12c・・・は側面蓋を円筒状混合容器に固着するための緊縮型クランプ、13、13は駆動モーターであり、該駆動モーター13
、13には連結された回転軸14、14が貫通しており、該回転軸14、14には、円筒状混合容器5内で互いに逆方向に捻られた第一のフライト16、第二のフライト17(スクリュー羽根)を回転可能にそれぞれ設置しており、該回転軸14、14と第一のフライト16、第二のフライト17は、円筒状混合容器5の略中央部、即ち被混合材料の分散、剪断位置18において、二分割されている。
【0048】
斯くして、32、32は台車で、該台車32、32はそれぞれ前記駆動モーター13、13、側面蓋11a、11b、並びに回転軸13、13、そして、第一のフライト16、第二のフライト17を持設して、床面2上に設置されたレール33、33上を手動で水平方向に走行可能である。
【0049】
斯くして、実施例2においては、混合装置1の床面2に設置されたレール33、33上を走行する台車32、32上に駆動モーター13、13、側面蓋11a、11b、並びに回転軸13、13、そして、第一のフライト16、第二のフライト17を持設しており、台車32、32をそれぞれを手動にて動作させることにより、図5に示す如く、第一のフライト16、及び第二のフライト17を中央部にて二分割して、該第一のフライト16、第二のフライト17をそれぞれ完全に円筒状混合容器5の外部に引き抜き、分解、清掃、場合によっては洗浄作業を行うための安全な作業場所や作業空間が確保できるので、その作業性、安全性、清掃性は著しく向上する。
【産業上の利用可能性】
【0050】
斯くして、本発明は、上記構成を有する混合装置を具現化することで、円筒状混合容器内内に回転羽根(スクリュー羽根、リボン羽根、ショベル羽根を含む)とチョッパーを配置する形式の混合装置において、被混合物の混合精度を高めた混合装置を提供することができる。
【0051】
また本発明は、円筒状混合容器内内に回転羽根とチョッパーを配置する形式の混合装置において、分解、清掃時にその作業性、安全性、清掃性の良い構成を具現化して、1ロット混合完了後の分解、清掃効率を非常に良いものにし、また、該分解、清掃後のロットとの相互汚染を阻止して、前の混合物が次の混合物に混入しない混合装置を提供することができる。
【0052】
また、本発明は、特に食品の製造、加工工程において、多種の原料を混合装置に投入し、均質の混合して食料品とすることが多くあり、この場合、ロット間の相互汚染は製品の品質を低下させるばかりでなく、アレルギーを起こす可能性のある食品の混入は重用問題となり、ロット毎の清掃、及び清掃後の目視確認は重要な操作となるため、これらの清掃作業が、作業性の良い環境で安全、且つ容易に行えるので、相互汚染のない食品製造用の混合装置を提供することができる。
【0053】
更に本発明は、水平置きに配置された円筒状混合容器内に回転軸を介して設置される第一のフライト、第二のフライトは略中央にて2分割され、該第一のフライト、第二のフライト、それぞれの回転軸、円筒状混合容器の側面蓋、並びに駆動モーターは前記円筒状混合容器の外部に設置された水平移動持設機構にそれぞれ片持ちで持設されていること、及び、第一のフライト、第二のフライト、それぞれの回転軸、円筒状混合容器の側面蓋、並びに駆動モーターは前記円筒状混合容器の外部に設置された水平移動装置は、該装置上部に設けられたI型吊りレール上を走行する移動ローラ付き懸架アームに持設されているか、または該装置床面に設置されたレール上を走行する台車上に持設されており、該懸架アームまたは台車を手動、或いは電動にて動作させる構成により、前記円筒状混合容器の大きさを従来装置に比較して大きなものに製作可能で、多種の粉体と粉体、または、多種の粉体と液体の混合を1ロットあたり、1トンと大容量で混合処理可能な工場生産ライン向け混合機を提供することができる等の効果を生じせしめるもので、その産業上の利用の可能性は多大なものがある。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の実施例1を説明する正面要部断面図である。
【図2】図1の側面を説明する側面図である。
【図3】図1の混合装置の分解、清掃時の状態示す説明図である。
【図4】スクリュー羽根を片持ちで持設する懸架アームの走行機構を示す説明 図である。
【図5】本発明の実施例2を説明する正面図である。
【符号の説明】
【0055】
1 混合装置
2 床面
3a、3b、3c・・・ 支柱
4 梁材
5 円筒状混合容器
6 円筒面
7 混合材料投入ハッチ
8 混合材料排出シュート
9 集塵ポート
10a、10b、10c・・・ 接続ポート
11a、11b 円筒状混合容器の側面蓋
12a、12b、12c・・・ 緊縮型クランプ
13 駆動モーター
14 回転軸
15 軸受け機構
16 第一のフライト
17 第二のフライト
18 被混合材料の分散、剪断位置
19a、19b チョッパー
20 チョッパー用駆動モーター
21 円筒面壁部
22 懸架アーム
23 I型吊りレール
24 移動ローラ付き走行台
25 ハンドル
26 軸
27 歯車
28 チェーン
29 歯車
30 駆動軸
31a、31b 歯車
32 台車
33 レール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水平置きに配置された円筒状混合容器内に回転軸を介して設置される第一のフライト、第二のフライトは略中央にて二分割され、
該第一のフライト、第二のフライトは前記円筒状混合容器の互いに対向する側面側からそれぞれ挿着並びに引き抜き可能となし、
該第一のフライト、第二のフライトの回転軸は軸受け機構を介して前記円筒状混合容器の側面蓋を貫通しそれぞれの駆動モーターに連繋されており、
該第一のフライト、第二のフライト、それぞれの回転軸、円筒状混合容器の側面蓋、並びに駆動モーターは前記円筒状混合容器の外部に設置された水平移動持設機構にそれぞれ片持ちで持設されていること、
を特徴とする混合装置。
【請求項2】
前記第一のフライト並びに第二のフライトはそれぞれ別々に回転数を制御可能な駆動モーターにそれぞれの回転軸を介して連繋されており、
該第1のフライト並びに第二のフライトは円筒状混合容器内にて別々に回転駆動し被混合物を混合する際必要に応じて前記回転数を別々に可変可能にしたこと、
を特徴とする請求項1に記載の混合装置。
【請求項3】
前記円筒状混合容器内に回転軸を介して設置される第一のフライト、第二のフライトは1ロット混合完了後の分解、清掃時において、
該第一のフライト並びに第二のフライトをそれぞれ別々に円筒状混合容器の外部に引き抜き水洗い洗浄、または拭き取り清掃すること、
を特徴とする請求項1または請求項2の何れかに記載の混合機。
【請求項4】
前記第一のフライト、第二のフライト、それぞれの回転軸、円筒状混合容器の側面蓋、並びに駆動モーターは前記円筒状混合容器の外部に設置された水平移動装置は該装置上部に設けられたI型吊りレール上を走行する移動ローラ付き懸架アームに持設されているか、または該装置床面に設置されたレール上を走行する台車上に持設されており、該懸架アームまたは台車を手動或いは電動にて動作させること、
を特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載の混合装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2008−62210(P2008−62210A)
【公開日】平成20年3月21日(2008.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−245091(P2006−245091)
【出願日】平成18年9月11日(2006.9.11)
【出願人】(000231637)日本製粉株式会社 (144)
【出願人】(000152136)株式会社徳寿工作所 (5)
【Fターム(参考)】