説明

混合装置

【課題】材料に混在する不純物を効率よく除去することができる混合装置を提供すること。
【解決手段】
材料を混合するミキシングドラム2と、材料が投入される投入口31、および、ミキシングドラム2に材料を供給するための供給口33が形成される投入シュート3とを備える混合装置1において、投入シュート3に、材料に混在する不純物を吸引することにより除去する吸引ユニット5を接続し、ミキシングドラム2に材料を供給するとき、および、ミキシングドラム2において材料を混合するときに、吸引ユニット5によって、不純物を除去する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂ペレットなどの材料を混合する混合装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、樹脂ペレットなどの材料を混合する混合装置が知られている。
【0003】
例えば、粒体を収容するタンク本体と、フィルタを介してタンク本体の下端部に接続される吸引箱とを備え、タンク本体内の粒体を混合する粒体攪拌用貯留タンクが提案されている(下記特許文献1参照。)。
【0004】
この粒体攪拌用貯留タンクでは、吸引箱に、サイクロン式フィルタを介して吸引ブロアが接続されている。
【0005】
そして、この粒体攪拌用貯留タンクでは、吸引ブロアの吸引によって発生する気流(タンク本体から、フィルタおよび吸引箱を順次通過して、サイクロン式フィルタへ向かう気流)により、タンク本体内に貯留される粒体に混入する異物を除去している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2010−58397号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかるに、上記した特許文献1に記載の粒体攪拌用貯留タンクでは、フィルタおよび吸引箱が、タンク本体の下端部に接続されている。
【0008】
そのため、タンク本体内に投入される途中において、粒体から異物を除去することが困難である。
【0009】
また、粒体の攪拌によって一旦舞い上がった異物は、タンク本体の下端部から吸引されることとなり、重力によってタンク本体の下端部に滞留される粒体に、再び混入される場合がある。
【0010】
その結果、粒体に混入する異物を除去する効率が劣るという不具合がある。
【0011】
本発明の目的は、材料に混在する不純物を効率よく除去することができる混合装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記した目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、混合装置であって、材料を混合する混合槽と、材料が投入される投入口、および、前記混合槽に連通され、前記混合槽に材料を供給するための供給口が形成される供給部材と、前記供給部材に設けられ、前記材料に混在する不純物を吸引することにより除去する除去手段とを備えることを特徴としている。
【0013】
このような構成によれば、混合槽に材料を供給する供給部材に、材料に混在する不純物を除去する除去手段が設けられている。
【0014】
そのため、混合槽に材料を供給するときに、除去手段によって、不純物を除去することができ、また、混合槽において材料を混合するときにも、除去手段によって、不純物を除去することができる。
【0015】
その結果、不純物を効率よく除去することができる。
【0016】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記供給口の開口断面積は、前記投入口の開口断面積よりも小さいことを特徴としている。
【0017】
このような構成によれば、供給口は、投入口の開口断面積よりも小さい開口断面積を有するように形成されている。
【0018】
そのため、供給部材から混合槽へ供給するまでの滞留時間を適度に長くすることができ、その間に、不純物を除去することができる。
【0019】
その結果、不純物をより効率よく除去することができる。
【0020】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明において、前記投入口は、前記除去手段よりも上側に設けられており、前記除去手段は、上端部が閉鎖されており、下端部において、下側に向かって開放される吸引口が形成された吸引部を備えていることを特徴としている。
【0021】
このような構成によれば、吸引部は、上端部が閉鎖されており、下端部において、下側に向かって開放される吸引口が形成されている。
【0022】
そのため、吸引部の上側の投入口から材料を投入するときには、材料は、吸引部の上端部に衝突され、下側に向かって開放される吸引口に入ることが抑制される。
【0023】
一方、吸引部に衝突されることにより、材料から不純物が分離され、分離された不純物は、吸引口から吸引される。
【0024】
その結果、材料を混合槽に供給しながら、不純物を除去することができる。
【0025】
また、請求項4に記載の発明は、請求項1ないし3のいずれか一項に記載の発明において、前記混合槽は、材料を攪拌する攪拌部材を回転可能に備えており、前記供給口は、前記攪拌部材の回転軸に対して直交する方向に向かって開口されていることを特徴としている。
【0026】
このような構成によれば、供給口は、材料を攪拌する攪拌部材の回転軸に対して直交する方向に向かって開口されている。
【0027】
そのため、材料の攪拌によって材料から分離され、攪拌部材の回転軸に対して直交する方向に向かって舞い上げられた不純物を、供給口を介して、供給部材内に導入することができる。
【0028】
これにより、材料の攪拌によって材料から分離された不純物を、より効率よく除去することができる。
【0029】
また、請求項5に記載の発明は、請求項1ないし4のいずれか一項に記載の発明において、前記除去手段は、気流を発生する気流発生手段と、前記気流発生手段と前記供給部材とに接続される吸引ラインと、前記吸引ラインの途中に設けられ、空気の通過を許容するとともに、不純物の通過を規制するフィルタ部材と、前記気流発生手段と前記混合槽とに接続される還流ラインとを備え、前記気流発生手段は、前記供給部材から、前記吸引ライン、前記フィルタ部材および前記還流ラインを介して前記混合槽へ向かう気流を発生させることを特徴としている。
【0030】
このような構成によれば、気流発生手段は、供給部材から、吸引ライン、フィルタ部材および還流ラインを介して混合槽へ向かう気流を発生させる。
【0031】
すると、供給部材において、気流に伴って吸引された不純物は、吸引ラインの途中において、フィルタ部材によって取り除かれる。
【0032】
一方、フィルタ部材によって不純物が取り除かれた気流は、還流ラインを介して、混合槽へ供給される。
【0033】
これにより、混合槽では、気流によって、材料中の不純物を材料から分離することができる。
【0034】
そのため、気流発生手段により発生された気流により、供給部材内を吸引して不純物を取り除くとともに、混合槽内において、不純物を、材料から分離することができる。
【0035】
その結果、簡易な構成で、効率よく不純物を除去することができる。
【0036】
また、請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の発明において、前記還流ラインは、前記攪拌部材の回転軌跡に対する接線方向に沿って、前記混合槽に気流を供給することを特徴としている。
【0037】
このような構成によれば、攪拌部材の回転軌跡に対する接線方向に沿って、混合槽に気流を供給することができる。
【0038】
そのため、攪拌部材の回転によって攪拌される材料に、効率よく気流を作用させることができる。
【0039】
その結果、材料の混合中に、効率よく不純物を材料から分離することができる。
【発明の効果】
【0040】
請求項1に記載の発明によれば、混合槽に材料を供給するときに、除去手段によって、不純物を除去することができ、また、混合槽において材料を混合するときにも、除去手段によって、不純物を除去することができるので、不純物を効率よく除去することができる。
【0041】
請求項2に記載の発明によれば、供給部材から混合槽へ供給するまでの滞留時間を適度に長くすることができ、その間に、不純物を除去することができるので、不純物をより効率よく除去することができる。
【0042】
請求項3に記載の発明によれば、材料を混合槽に供給しながら、不純物を除去することができる。
【0043】
請求項4に記載の発明によれば、材料の攪拌によって材料から分離された不純物を、より効率よく除去することができる。
【0044】
請求項5に記載の発明によれば、気流発生手段により発生された気流により、供給部材内を吸引して不純物を取り除くとともに、混合槽内において、不純物を、材料から分離することができるので、簡易な構成で、効率よく不純物を除去することができる。
【0045】
請求項6に記載の発明によれば、材料の混合中に、効率よく不純物を材料から分離することができる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の混合装置の一実施形態を示す側面図である。
【図2】図1に示す混合装置の正面図である。
【図3】図1に示す混合装置の平面図である。
【図4】図1に示す投入シュートのA−A断面図である。
【図5】図1に示す投入シュートのB方向から見た側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0047】
図1は、本発明の混合装置の一実施形態を示す側面図である。図2は、図1に示す混合装置の正面図である。図3は、図1に示す混合装置の平面図である。図4は、図1に示す投入シュートのA−A断面図である。図5は、図4に示す投入シュートのB方向から見た側面図である。
【0048】
図1に示すように、混合装置1は、鉛直方向に対して傾斜するように延びる有底略中空円筒形状のミキシングドラム2(混合槽の一例)と、ミキシングドラム2の上側周壁に設けられる投入シュート3(供給部材の一例)と、ミキシングドラム2の下端部に設けられる排出シュート4と、投入シュート3に接続される吸引ユニット5(吸引手段の一例)とを備えている。
【0049】
なお、以下の説明において、ミキシングドラム2が傾斜する方向を前後の基準とし、ミキシングドラム2の上端部が傾斜する方向(図1における紙面右側)を前側、ミキシングドラム2の下端部が傾斜する方向(図1における紙面左側)を後側とする。また、混合装置1を前側から見たときを左右の基準とする。具体的には、図1の紙面手前側を左側とし、紙面奥側を右側とする。
【0050】
ミキシングドラム2は、樹脂ペレットなどの材料を混合するドラム本体11と、ドラム本体11内の材料を混合する攪拌ユニット12とを備えている。
【0051】
ドラム本体11は、鉛直方向に対して傾斜するように、その中心軸線が前上側と後下側とを結ぶ方向に延び、後端部(後下側端部)が閉鎖された有底略円筒形状に形成されている。また、ドラム本体11の前端部(前上側端部)には、ドラム本体11の前端部を開閉する蓋部材13が着脱可能に設けられている。
【0052】
また、ドラム本体11には、開口14および排出口15が形成されている。また、ドラム本体11には、吹込み部16が設けられている。
【0053】
開口14は、ドラム本体11の上側周壁の後側半分において、平面視略矩形状に貫通形成されている。
【0054】
排出口15は、ドラム本体の11の後壁(後下側壁)の下端部に貫通形成されている。
【0055】
吹込み部16は、ドラム本体11内に連通するように、ドラム本体11の下側周壁の左側に接続され、ドラム本体11の下側周壁の接線方向(略左右方向)に沿うように左側へ延びる略円筒形状に形成されている(図2参照)。
【0056】
攪拌ユニット12は、アジテータ17(攪拌部材の一例)と、モータ18とを備えている。
【0057】
アジテータ17は、アジテータ軸19(回転軸の一例)と、1対の攪拌羽根20とを備えている。
【0058】
アジテータ軸19は、ドラム本体11と中心軸線を共有するように、ドラム本体11の後壁を貫通してドラム本体11内に挿入されている。なお、アジテータ軸19の前端部は、蓋部材13の下側近傍に配置され、アジテータ軸19の後端部は、ドラム本体11の後壁から後側へ突出している。
【0059】
両攪拌羽根20は、略矩形枠形状に形成され、アジテータ軸19の外周面から、アジテータ軸19の径方向外側に向かって、ドラム本体11の内周面近傍まで延びている。また、両攪拌羽根20は、アジテータ軸19の前側半分と後側半分とに1つずつ設けられ、アジテータ軸19の径方向において、互いに反対方向に延びている。
【0060】
モータ18は、ドラム本体11の後壁外面に後方から固定されており、ドラム本体11の後壁から突出するアジテータ軸19の後端部を、回転可能に支持している。そして、モータ18は、アジテータ17に駆動力を入力し、アジテータ17を正面視反時計回り(図2矢印参照)に回転させる。
【0061】
投入シュート3は、ドラム本体11の開口14の周縁部から、ドラム本体11の径方向に延びる略角筒形状に形成されており、その上端部において、上端縁が水平方向に延びるように切り欠き形状に形成されている。
【0062】
これにより、投入シュート3の上端部には、上側に向かって開口される平面視略矩形状の投入口31が形成されている(図3参照)。
【0063】
また、投入シュート3の左右方向両側壁には、左右方向に投影したときに投入口31と供給口33(後述)との間に配置されるように、貫通穴65が形成されている。貫通穴65は、吸引部材55(後述)の吸引部57(後述)の外径よりも大径な側面視略円形状に形成されている。
【0064】
また、投入シュート3は、その下端部において、仕切り板32を備えている。
【0065】
仕切り板32は、略平板形状に形成され、投入シュート3の前端部からドラム本体11の軸線方向に沿って後下側へ延び、その後端部において、投入シュート3の後壁に対して所定の間隔を隔てて対向するように設けられている。
【0066】
これにより、投入シュート3の後壁と、仕切り板32の後端部との間において、ドラム本体11の径方向に向かって開口される略矩形状の供給口33が形成されている(図5参照)。なお、投入シュート3の後壁と、仕切り板32の後端部との間隔は、供給口33の開口断面積が、投入口31の開口断面積よりも小さくなるように、設定されている。
【0067】
排出シュート4は、ドラム本体11の排出口15を囲む略筒形状に形成されており、下方に向けて開放されている。
【0068】
また、排出シュート4は、排出口15を開閉する排出扉41と、排出扉41を駆動させるエアシリンダ42とを備えている。
【0069】
排出扉41は、略平板形状に形成され、その上端部を支点として、排出シュート4に揺動可能に支持されている。排出扉41は、排出口15を閉鎖する閉位置と、排出口15を開放する開位置とに移動される。
【0070】
エアシリンダ42は、ピストンロッド43と、ピストンロッド43を進退可能に収容するシリンダ44とを備え、排出口15に対向配置されている。
【0071】
ピストンロッド43は、排出シュート4の後壁を進退可能に貫通して、前端部において排出扉41に接続されている。
【0072】
シリンダ44は、前端部において排出シュート4に固定されている。
【0073】
そして、ピストンロッド43が前方に進出されることにより、排出扉41が閉位置に配置され、ピストンロッド43が後方に退避されることにより、排出扉41が開位置に配置される。
【0074】
吸引ユニット5は、ブロワ51(気流発生手段の一例)と、吸引ライン52と、還流ライン54とを備えている。
【0075】
ブロワ51は、吸引ライン52を介して、投入シュート3内の空気を吸引し、還流ライン54を介して、ミキシングドラム2へ送風する。つまり、ブロワ51は、投入シュート3から、吸引ライン52および還流ライン54を介してミキシングドラム2へ向かう気流を発生させる。
【0076】
吸引ライン52は、第1吸引ライン61と、第2吸引ライン62とを備えている。
【0077】
第1吸引ライン61は、図1、図3および図4に示すように、吸引ライン52の吸引方向上流側に設けられ、吸引部材55と、配管部材56とを備えている。
【0078】
吸引部材55は、左右方向に延びる略円筒形状に形成されており、投入シュート3の貫通穴65に挿通されている。詳しくは、吸引部材55は、投入シュート3の貫通穴65に挿通される吸引部57と、吸引部57の左右両端部に連続して左右方向外側へ突出する接続部58とを一体的に備えている。
【0079】
吸引部57は、左右方向に延びる略円筒形状に形成され、投入シュート3内に配置され、左右方向両端部において投入シュート3の貫通穴65に挿通されている。また、吸引部57は、投入シュート3内に配置される部分において、左右方向のほぼ全幅にわたって、下側半分が切欠かれている。これにより、吸引部57の上端部は、閉鎖され、吸引部57の下端部には、下側に向かって開放される吸引口64が形成されている。
【0080】
また、吸引部57の左右方向両端部には、吸引部57の外径よりもわずかに大径な内径を有する略円環形状の固定部材63が外嵌されている。
【0081】
固定部材63は、貫通穴65の直径よりも大径な外径を有し、投入シュート3の左右両側壁の外面にねじ止めなどにより固定されている。
【0082】
これにより、吸引部57は、投入口31と供給口33との間において、固定部材63を介して投入シュート3に固定されている。つまり、投入シュート3には、吸引ユニット5の吸引部57が一体的に設けられ、投入口31は、吸引部57の上側に設けられている。また、吸引部57の吸引口64は、供給口33の上側に対向配置されている。
【0083】
接続部58は、吸引部57の左右方向両端部から縮径されながら左右方向外側へ延び、その左右方向両端部において、後方へ屈曲されている。
【0084】
配管部材56は、T字管59と、左右1対のホース60とを備えている。
【0085】
T字管59は、左右方向に延びる水平管66と、水平管66の左右方向略中央に連通され、上側へ延びる垂直管67とを一体的に備えている。
【0086】
各ホース60は、略直線形状のフレキシブルチューブであり、吸引部材55の接続部58の後端部と、T字管59の水平管66の左右方向端部とに接続されている。より詳しくは、左側のホース60は、左側の接続部58の後端部と、水平管66の左端部とに接続され、右側のホース60は、右側の接続部58の後端部と、水平管66の右端部とに接続されている。
【0087】
第2吸引ライン62は、図1に示すように、第1吸引ライン61とブロワ51とを接続する配管であり、その吸引方向上流側端部が、T字管59の垂直管67の上端部に接続され、その吸引方向下流側端部が、ブロワ51に接続されている。
【0088】
また、第2吸引ライン62の途中には、空気の通過を許容するとともに、不純物の通過を規制するフィルタ53(フィルタ部材の一例)が設けられている。
【0089】
還流ライン54は、ブロワ51とミキシングドラム2とを接続する配管であり、その送風方向上流側端部が、ブロワ51に接続され、その送風方向下流側端部が、ミキシングドラム2の吹込み部16に接続されている。
【0090】
次いで、図1〜3を参照しながら、混合装置1の動作を説明する。
【0091】
混合装置1を用いて材料を混合するには、排出扉41が閉位置に配置された状態で、まず、攪拌ユニット12およびブロワ51を駆動させる。
【0092】
すると、モータ18からの駆動力により、アジテータ17が正面視反時計回り(図2矢印参照)に回転される。また、ブロワ51により、投入シュート3から、吸引ライン52および還流ライン54を介してミキシングドラム2へ向かう気流が発生される。
【0093】
このとき、還流ライン54から吹込み部16を介してミキシングドラム2へ吹き込まれた気流は、ミキシングドラム2の下側周壁の接線方向(略左右方向)に沿うように、左側から吹き込まれ(すなわち、還流ライン54は、アジテータ17の回転軌跡に対する接線方向に沿って、ミキシングドラム2に気流を供給している。)、その後、ミキシングドラム2の周壁に案内されるように、ミキシングドラム2内を正面視反時計回りに流れる。
【0094】
次いで、混合装置1を用いて材料を混合するには、ミキシングドラム2に材料を供給する。
【0095】
ミキシングドラム2に材料を供給するには、投入シュート3の投入口31に材料を投入する。
【0096】
すると、材料(図4において、Mと示す。)は、吸引部材55の吸引部57に上から衝突され(図4参照)、投入シュート3の後壁と、仕切り板32とに案内されながら、供給口33へ集められる。
【0097】
このとき、吸引部材55の吸引部57、投入シュート3の後壁、および、仕切り板32に対する材料の衝突や、流動中の材料同士の衝突により、材料に混在する不純物(図4においてCと示す。)が材料から分離されて(図4参照)、投入シュート3内に舞い上がる。
【0098】
そして、投入シュート3内に舞い上がった不純物は、ブロワ51によって発生される気流により、吸引部57の吸引口64に吸い込まれ(図4参照)、吸引ライン52を介してフィルタ53に捕集される。
【0099】
一方、供給口33へ集められた材料は、供給口33を通過して、ミキシングドラム2に供給される。ミキシングドラム2内に供給された材料は、アジテータ17によって攪拌、混合される。
【0100】
このとき、アジテータ17に対する材料の衝突や、流動中の材料同士の衝突により、さらに、材料に混在する不純物が材料から分離されて、ミキシングドラム2内に舞い上がる。
【0101】
そして、ミキシングドラム2内に舞い上がった不純物は、ミキシングドラム2内を正面視反時計回りに流れる気流により上側へ搬送されて、供給口33を介して、投入シュート3内に導入される。
【0102】
そして、投入シュート3内に導入された不純物は、ブロワ51によって発生される気流により、吸引部57の吸引口64に吸い込まれ、吸引ライン52を介してフィルタ53に捕集される。
【0103】
そして、混合されるとともに不純物を除去された材料は、排出扉41を開位置に配置させることにより、排出口15を介して、排出シュート4から下方へ排出される。
【0104】
なお、このようにして、混合され、不純物を除去された材料は、成形等の用途に用いられる。
【0105】
この混合装置1によれば、図1に示すように、ミキシングドラム2に材料を供給する投入シュート3に、材料に混在する不純物を除去する吸引ユニット5の吸引部材55が設けられている。
【0106】
そのため、ミキシングドラム2に材料を供給するときに、吸引ユニット5によって、不純物を除去することができ、また、ミキシングドラム2において材料を混合するときにも、吸引ユニット5によって、不純物を除去することができる。
【0107】
その結果、不純物を効率よく除去することができる。
【0108】
また、この混合装置1によれば、図1に示すように、供給口33は、投入口31の開口断面積よりも小さい開口断面積を有するように形成されている。
【0109】
そのため、投入シュート3からミキシングドラム2へ供給するまでの滞留時間を適度に長くすることができ、その間に、不純物を除去することができる。
【0110】
その結果、不純物をより効率よく除去することができる。
【0111】
また、この混合装置1によれば、図4に示すように、吸引部57は、上端部が閉鎖されており、下端部において、下側に向かって開放される吸引口64が形成されている。
【0112】
そのため、吸引部57の上側の投入口31から材料を投入するときには、材料は、吸引部57の上端部に衝突され、下側に向かって開放される吸引口64に入ることが抑制される。
【0113】
一方、吸引部57に衝突されることにより、材料から不純物が分離され、分離された不純物は、吸引口64から吸引される。
【0114】
その結果、材料をミキシングドラム2に供給しながら、不純物を除去することができる。
【0115】
また、この混合装置1によれば、図1に示すように、供給口33は、ミキシングドラム2の径方向(材料を攪拌するアジテータ17のアジテータ軸19に対して直交する方向)に向かって開口されている。
【0116】
そのため、材料の攪拌によって材料から分離され、ミキシングドラム2の径方向(アジテータ17のアジテータ軸19に対して直交する方向)に向かって舞い上げられた不純物を、供給口33を介して、投入シュート3内に導入することができる。
【0117】
これにより、材料の攪拌によって材料から分離された不純物を、より効率よく除去することができる。
【0118】
また、この混合装置1によれば、ブロワ51は、投入シュート3から、吸引ライン52、フィルタ53および還流ライン54を介してミキシングドラム2へ向かう気流を発生させる。
【0119】
すると、投入シュート3において、気流に伴って吸引された不純物は、吸引ライン52の途中において、フィルタ53によって取り除かれる。
【0120】
一方、フィルタ53によって不純物が取り除かれた気流は、還流ライン54を介して、ミキシングドラム2へ供給される。
【0121】
これにより、ミキシングドラム2では、気流によって、材料中の不純物を材料から分離することができる。
【0122】
そのため、ブロワ51により発生された気流により、投入シュート3内を吸引して不純物を取り除くとともに、ミキシングドラム2内において、不純物を、材料から分離することができる。
【0123】
その結果、簡易な構成で、効率よく不純物を除去することができる。
【0124】
また、この混合装置1によれば、図2に示すように、アジテータ17の回転軌跡に対する接線方向に沿って、ミキシングドラム2に気流を供給することができる。
【0125】
そのため、アジテータ17の回転によって攪拌される材料に、効率よく気流を作用させることができる。
【0126】
その結果、材料の混合中に、効率よく不純物を材料から分離することができる。
【0127】
なお、上記した実施形態では、ドラム本体11の上側周壁の後側半分に開口14を形成し、その開口14の周縁部に投入シュート3を設けたが、例えば、ドラム本体11の上側周壁の前側半分に開口14を形成し、その開口14の周縁部に投入シュート3を設けることもできる。
【0128】
また、上記した実施形態では、アジテータ17を正面視反時計回りに回転させるとともに、吹込み部16からミキシングドラム2に気流を吹き込んで、アジテータ17の回転方向と、ミキシングドラム2内において気流が流れる方向とを同方向としたが、アジテータ17を正面視時計回りに回転させるとともに、吹込み部16からミキシングドラム2に気流を吹き込んで、アジテータ17の回転方向と、ミキシングドラム2内において気流が流れる方向とを逆方向としてもよい。
【符号の説明】
【0129】
1 混合装置
2 ミキシングドラム(混合槽の一例)
3 投入シュート(供給部材の一例)
5 吸引ユニット(除去手段の一例)
17 アジテータ(攪拌部材の一例)
19 アジテータ軸(回転軸の一例)
31 投入口
33 供給口
51 ブロワ(気流発生手段の一例)
52 吸引ライン
53 フィルタ(フィルタ部材の一例)
54 還流ライン
57 吸引部
64 吸引口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
材料を混合する混合槽と、
材料が投入される投入口、および、前記混合槽に連通され、前記混合槽に材料を供給するための供給口が形成される供給部材と、
前記供給部材に設けられ、前記材料に混在する不純物を吸引することにより除去する除去手段と
を備えることを特徴とする、混合装置。
【請求項2】
前記供給口の開口断面積は、前記投入口の開口断面積よりも小さいことを特徴とする、請求項1に記載の混合装置。
【請求項3】
前記投入口は、前記除去手段よりも上側に設けられており、
前記除去手段は、上端部が閉鎖されており、下端部において、下側に向かって開放される吸引口が形成された吸引部を備えていることを特徴とする、請求項1または2に記載の混合装置。
【請求項4】
前記混合槽は、材料を攪拌する攪拌部材を回転可能に備えており、
前記供給口は、前記攪拌部材の回転軸に対して直交する方向に向かって開口されていることを特徴とする、請求項1ないし3のいずれか一項に記載の混合装置。
【請求項5】
前記除去手段は、
気流を発生する気流発生手段と、
前記気流発生手段と前記供給部材とに接続される吸引ラインと、
前記吸引ラインの途中に設けられ、空気の通過を許容するとともに、不純物の通過を規制するフィルタ部材と、
前記気流発生手段と前記混合槽とに接続される還流ラインと
を備え、
前記気流発生手段は、前記供給部材から、前記吸引ライン、前記フィルタ部材および前記還流ラインを介して前記混合槽へ向かう気流を発生させることを特徴とする、請求項1ないし4のいずれか一項に記載の混合装置。
【請求項6】
前記還流ラインは、前記攪拌部材の回転軌跡に対する接線方向に沿って、前記混合槽に気流を供給することを特徴とする、請求項5に記載の混合装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−179550(P2012−179550A)
【公開日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−43956(P2011−43956)
【出願日】平成23年3月1日(2011.3.1)
【出願人】(000129183)株式会社カワタ (120)
【Fターム(参考)】