清掃具
【課題】床面の種類や汚れの状況に応じて粘着式とワイプ式を使い分けることができる清掃具を提供する。
【解決手段】シャフト２１の一端に粘着テープロール２３が回転可能に取り付けられるヘッド部２２を有し、他端に手によって把持されるグリップ部を備えた清掃具本体２を、ベースユニット３の上面に形成された係合凹部３１に合致させて、固定カバー４を介してベースユニットに固定する。
【解決手段】シャフト２１の一端に粘着テープロール２３が回転可能に取り付けられるヘッド部２２を有し、他端に手によって把持されるグリップ部を備えた清掃具本体２を、ベースユニット３の上面に形成された係合凹部３１に合致させて、固定カバー４を介してベースユニットに固定する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、床などの清掃面を清掃する清掃具に関し、さらに詳しく言えば、被清掃面の種類や汚れの状況に応じて、粘着式とワイプ式の２通りの使用形態を使い分けできる清掃具に関する。
【背景技術】
【０００２】
例えば特許文献１に示すように、カーペットなどの床面に落ちた髪の毛などのゴミを除去する清掃具の１つに粘着式清掃具がある。この粘着式清掃具は、粘着面が表側を向くようにロール状に巻回された粘着テープロールを専用の治具に取り付けて、粘着テープロールを床に沿って転がすことにより、ゴミを粘着面で捕捉するようになっている。
【０００３】
この治具は、シャフトの一端に粘着テープロールを回転可能に軸支する支持ローラを有し、他端に手によって把持されるグリップ部を備えており、特許文献１では、使用形態に応じてシャフトの長さを自在に伸縮調整できるようになっている。
【０００４】
ところで、この種の粘着式清掃具は、フローリングやクッションフロアなどの平滑な床面に用いた場合、粘着面が床に張り付いてしまうことがあるため、粘着力を弱くした弱粘着タイプの粘着テープロールを用いる必要がある。
【０００５】
そこで、この種の床面に対しては、例えば特許文献２に示すような、ワイプ式の掃除具がよく用いられる。このワイプ式清掃具は、シャフトの一端にユニバーサルジョイントを介して連結された板状のベースを有し、このベースに清掃シートを巻き付けた状態で固定して、床面に沿って摺動することにより、床面上のゴミを掻き集めることができるようになっている。
【０００６】
【特許文献１】特開２００４−７３５６２号公報
【特許文献２】特開平６−３１１９５４号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００７】
しかしながら、上述したように、粘着式清掃具は、カーペットや畳などに絡みついた毛やゴミを粘着面で強力に補足することができる反面、フローリング床に対しては、先般のレール引き現象を起こすおそれがある。また、粘着面が汚れると粘着力が落ちるため、汚れた粘着シートを剥がして、新しい粘着面を露出させなければならない。
【０００８】
また、ワイプ式清掃具は、床面に溜まったゴミや埃を掻き集めて、清掃シートで捕捉でき、清掃が簡単に行うことができる反面、カーペットなどに頑固に絡みついた髪の毛などを取ることは難しい。
【０００９】
したがって、粘着式清掃具とワイプ式清掃具の両方を揃えておけばよいのであるが、２種類の清掃具を用意するため、その分購入コストが高くなる。また、２つの清掃具を保管するための、収納スペースも必要となる。
【課題を解決するための手段】
【００１０】
そこで、本発明は上述した課題を解決するため、床面の種類や汚れの状況に応じて粘着式とワイプ式を使い分けることができる清掃具を提供することにある。
【００１１】
上述した目的を達成するため、本発明は、以下に示すいくつかの特徴を備えている。請求項１に記載の発明は、シャフトの一端に所定の清掃手段が取り付けられるヘッド部を有し、他端に手によって把持されるグリップ部を備えた清掃具本体と、上面に上記ヘッド部の一部が係合される係合部を有するベースユニットと、上記ヘッド部を上記ベースユニットに固定する固定カバーとを有することを特徴としている。
【００１２】
請求項２に記載の発明は、上記請求項１において、上記ベースユニットの少なくとも底面には、上記ベースユニットを被清掃面に沿って摺動させて被清掃面を清掃するための清掃シートが取り付けられるクッション部が設けられていることを特徴としている。
【００１３】
請求項３に記載の発明は、上記請求項１または２において、上記清掃手段は、粘着テープの粘着面が表側を向くように巻回されてなる粘着テープロールからなり、上記ヘッド部は、上記粘着テープロールを回転可能に軸支することを特徴としている。
【００１４】
請求項４に記載の発明は、上記請求項３において、上記係合部および上記カバーには、上記粘着面が張り付かないようにするための非粘着処理が施されていることを特徴としている。
【００１５】
請求項５に記載の発明は、上記請求項１または２において、上記ヘッド部には、帯状の清掃シートをロール状に巻回してなる清掃シートロールが回転可能に軸支されており、上記清掃シートロールから繰り出された上記清掃シートを上記ベースユニットの底部に引き回して固定することができることをを特徴としている。
【００１６】
請求項６に記載の発明は、上記請求項１ないし５のいずれか１項において、上記ベースユニットの一部には、上記清掃シートを固定するための固定手段が設けられていることを特徴としている。
【００１７】
請求項７に記載の発明は、上記請求項１ないし６のいずれか１項において、上記ベースユニットの一部には、上記清掃シートに所定の薬液を含浸させるための薬液注入孔が設けられていることを特徴としている。
【００１８】
請求項８に記載の発明は、上記請求項１ないし７のいずれか１項において、上記係合部は、上記ベースユニットの上面から上記ヘッド部の外形に沿って凹まされた係止凹部からなることを特徴としている。
【００１９】
請求項９に記載の発明は、上記請求項１ないし７のいずれか１項において、上記係合部は、上記ベースユニットの上面および底面を貫通する貫通部からなり、上記ヘッド部の一部が上記ベースユニットの底面側に露出していることを特徴としている。
【発明の効果】
【００２０】
請求項１に記載の発明によれば、粘着式の清掃具本体のヘッド部をベースユニットの上面に係合して、固定カバーでヘッド部をベースユニットに固定することにより、粘着式清掃具を簡単にワイプ式清掃具に変更することができる。なお、固定カバーは、ベースユニットに対して着脱式でも一体式であってもよい。
【００２１】
請求項２に記載の発明によれば、ベースユニットの少なくとも底面に清掃シートが取り付けられるクッション部が設けられていることにより、清掃シートをベースユニットに沿って確実に取り付けることができる。
【００２２】
請求項３に記載の発明によれば、ヘッド部に粘着面が表側を向くように巻回された粘着テープロールを装着することにより、粘着式清掃具とワイプ式清掃具の２種類の清掃具を使い分けることができる。
【００２３】
請求項４に記載の発明によれば、係合部および上記カバーには、上記粘着面が張り付かないようにするための非粘着処理が施されていることにより、粘着テープがベースユニットや固定カバーに張り付くのを防止することができる。
【００２４】
請求項５に記載の発明によれば、ヘッド部に清掃シートをロール状に巻回してなる清掃シートロールを取り付けて、清掃シートロールから繰り出された清掃シートをベースユニットの底部に引き回して固定することにより、ワイプ用の清掃シートを連続的に供給することができる。また、ロール状のワイプシートを用いることにより、保管性と利便性が向上する。
【００２５】
請求項６に記載の発明によれば、ベースユニットの一部に清掃シートを固定するための固定手段を設けたことにより、清掃シートを確実に固定することができ、床面に強く擦りつけ清掃することができる。
【００２６】
請求項７に記載の発明によれば、ベースユニットの一部に清掃シートに所定の薬液を含浸させるための薬液注入孔を設けたことにより、清掃シートに洗浄液やワックスなどを含浸させて床面を清掃することができる。
【００２７】
請求項８に記載の発明によれば、係合部は、ベースユニットの上面からヘッド部の外形に沿って凹まされた係止凹部からなることにより、係合凹部にヘッド部を合致させることにより、確実にベースユニットに固定することができる。
【００２８】
請求項９に記載の発明によれば、係合部はベースユニットの上面および底面を貫通する貫通部からなり、ヘッド部の一部をベースユニットの底面側に露出させることにより、ヘッド部に粘着テープロールを装着した状態では粘着式となり、清掃シートロールを取り付けるとワイプ式として使うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００２９】
次に、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明するが、本発明はこの限りではない。図１は、本発明の一実施形態にかかる清掃具の斜視図であり、図２は、その分解斜視図であり、図３は、中央断面図である。
【００３０】
図１および図２に示すように、この清掃具１は、シャフト２１の一端に所定の清掃手段が取り付けられる清掃具本体２と、清掃具本体２が係合されるベースユニット３と、清掃具本体２をベースユニット３に固定する固定カバー４とを備えている。
【００３１】
清掃具本体２は、シャフト２１の一端に清掃手段としての粘着テープロール２３を回転可能に軸支するヘッド部２２を有し、シャフト２１の他端には、手によって把持される図示しないグリップ部が一体的に設けられている。シャフト２１は、金属製であっても、樹脂製であってもよい。
【００３２】
この例において、シャフト２１は、一端がコ字状に折り曲げられ、ヘッド部２２の回転軸線に対してグリップ部が直交するようになっているが、例えば衣類などに付着したゴミを除去するハンディタイプの粘着式清掃具のように、グリップ部とヘッド部２２とが同軸に設けられたタイプの清掃具本体であってもよい。
【００３３】
粘着テープロール２３は、粘着テープをその粘着面が表側を向くようにしてロール状に巻回されたものからなり、所定間隔で切断用の切れ目（ともに図示しない）が設けられている。本発明において、粘着テープロール２３は、粘着面が表を向くように巻回された清掃用の粘着テープロール２３であれば、その形状や構成は任意であってよい。
【００３４】
図３を併せて参照して、ベースユニット３は、合成樹脂製の扁平な箱体を呈し、その上面には、清掃具本体２の粘着テープロール２３が係合される係合凹部３１が設けられている。係合凹部３１は、粘着テープロール２３の外周面に沿って半円状に凹まされた凹部からなり、この係合凹部３１に沿って粘着テープロール２３の一部が落とし込まれる。
【００３５】
ベースユニット３の上面にはさらに、後述する清掃シート５をベースユニット３の底面から側面を通って上面に巻回した状態で固定するための固定部３２が四隅に４カ所設けられている。この例において、固定部３２は、中央に×状に切り欠かれた切欠溝を有するゴムなどの柔軟なパネルをベースユニット３に埋め込んだものからなる。
【００３６】
ベースユニット３の底面には、クッション部３３が貼り付けられている。クッション部３３は、ウレタンフォームなどの柔軟な発泡体からなり、ベースユニット３の底面全体にわたって貼着されている。なお、クッション部３３の固定手段は、接着剤や両面粘着テープなど仕様に応じて任意に選択できる。
【００３７】
クッション部３３の表面（図３では下面）には、清掃シート５の接触面積を増やすための凹凸処理が施されていることが好ましい。
【００３８】
この例において、ベースユニット３は矩形状の箱体からなるが、例えば洗浄液やワックス液などを含浸させるため、図４（ａ）に示すように、薬液注入孔３４を設けてもよい。薬液注入孔３４は、ベースユニット３の上面から下面に向かって貫通する貫通孔からなり、上面から図示しない薬液を注入することにより、清掃シート５に薬剤を含浸させることができる。
【００３９】
この例において、薬液注入孔３４は、クッション部３３の上面に向かって開放され、薬液をクッション部３３を介して清掃シート５に供給するようにしているが、薬液注入孔３４の開放端をクッション部３３の表面に設けてもよい。この場合、清掃シート５に含浸された清掃液がクッション部３３内に逆戻りしないようにするための浸透防止膜が設けられていることが好ましい。
【００４０】
固定カバー４は、合成樹脂製の成型品からなり、中央には粘着テープロール２３の上半分を覆い隠す凹部４１が設けられている。凹部４１は、半円弧状に形成されており、その内周面には、エンボス加工など図示しない未粘着処理が施されていることが好ましい。
【００４１】
固定カバー４の側面には、シャフト２１を引き出すためのシャフト引出孔４３が設けられている。この例において、シャフト引出孔４３は、Ｕ字状に切り掛かれた切欠部からなるが、これ以外の構成であってもよい。
【００４２】
固定カバー４には、図示しない係止手段が設けられており、この係止手段を介して固定カバー４がベースユニット３に着脱可能に係止されるようになっている。本発明において、係止手段は任意である。
【００４３】
この例において、固定カバー４は合成樹脂製の矩形カバーで、着脱可能に形成されているが、これ以外に、ベースユニット３に対して一体的に成形されていてもよい。また、ベースユニット２３の係合凹部３１を跨ぐように取り付けられた伸縮式のベルトなどを用いて、粘着テープロール２３の一部を緊締して固定してもよく、粘着テープロール２３の動きを固定しておくことができれば、その使用形態は任意である。
【００４４】
清掃シート５は、例えばレーヨンやポリエステルなどの不織布シートからなり、被清掃面への接触面積を増やすとともに、全体にエンボス加工が施されている。なお、不織布の素材や成型方法、エンボスの加工方法は、仕様に応じて任意に選択される。また、不織布に所定の薬液やワックスなどをあらかじめ含浸させた湿式シートを用いてもよい。
【００４５】
この例において、清掃シート５は、１枚の矩形状シートからなるが、これ以外に、図５（ｂ）に示すように、不織布シートをロール状に巻回した清掃シートロール２４を清掃具本体２のヘッド部２２に取り付け、固定カバー４の一部に設けられた引出孔４２から清掃シート５を引き出して、ベースユニット３に取り付けるようにしてもよい。このような態様も本発明に含まれる。
【００４６】
図５は、清掃具の変形例を示す分解斜視図である。なお、上述した実施形態と同一と見なされる箇所には同じ参照符号を付し、その説明は省略する。この清掃具１ａの特徴は、ベースユニット３に設けられた係合凹部３１ａが、ベースユニット３の上面から下面に向かって貫通していることにある。
【００４７】
この例において、クッション部３３は、係合凹部３１ａを残すようにベースユニット３の底面の前端側のほぼ半分にのみ設けられている。なお、クッション部３３にブラシ毛などを設けておき、ゴミを掻き取ることができるようにしてもよい。
【００４８】
これによれば、図６（ａ）に示すように、係合凹部３１ａに粘着テープロール２３を取り付けることにより、ベースユニット３の底部に粘着テープロール２３の粘着面が露出して、床面Ｆに接触するため、通常時は粘着式清掃具として使用することができる。また、ベースユニット３に清掃シート５を巻回した状態ではワイプ式清掃具として使用することができる。なお、ベースユニット３を摺動した際、清掃シート５が撚れないように、粘着テープロール２３の回転を拘束するストッパ手段をさらに備えることがより好ましい。
【００４９】
これ以外に、図６（ｂ）に示すように、粘着テープロール２３に代えて清掃シートロール２４を用いて、清掃シート５を引き出して、ベースユニット３に取り付けてもよい。このような態様も本発明に含まれる。
【００５０】
ベースユニット３の底部の後端側には、これら粘着テープや清掃シートを切断するための切断部３５が設けられていることが好ましい。この例において、切断部３５はベースユニット３の後端に一体的に形成された山切り刃が用いられている。
【００５１】
次に、この清掃具１の使用手順の一例について図１〜図３を参照して説明する。まず、あらかじめヘッド部２２に粘着テープロール２３が取り付けられた清掃具本体２を用意しておく。
【００５２】
次に、ベースユニット３の係合凹部３１に粘着テープロール２３をはめ込んだのち、その上から固定カバー４を被せてベースユニット３と固定カバー４とを固定する。これにより、ベースユニット３に清掃具本体２が固定される。
【００５３】
この状態において、清掃シート５をベースユニット３の底面に沿って置いたのち、その両端をベースユニット３の上面側に折り曲げ、固定部３２に差し込むことにより、ベースユニット３に清掃シート５が巻回された状態で固定される。
【００５４】
この状態で使用者は、清掃具本体２の図示しないグリップ部を把持して、ベースユニット３を床面Ｆに沿って摺動することにより、床面Ｆ上に落ちたゴミを清掃シート５で回収することができる。
【図面の簡単な説明】
【００５５】
【図１】本発明の一実施形態に係る清掃具の斜視図である。
【図２】上記清掃具の分解斜視図である。
【図３】上記清掃具の中央縦断面図である。
【図４】（ａ）（ｂ）清掃具の変形例を示す断面図である。
【図５】上記清掃具の別の変形例を示す分解斜視図。
【図６】（ａ）（ｂ）図５に示す変形例の
【符号の説明】
【００５６】
１ 清掃具
２ 清掃具本体
３ ベースユニット
４ 固定カバー
５ 清掃シート
【技術分野】
【０００１】
本発明は、床などの清掃面を清掃する清掃具に関し、さらに詳しく言えば、被清掃面の種類や汚れの状況に応じて、粘着式とワイプ式の２通りの使用形態を使い分けできる清掃具に関する。
【背景技術】
【０００２】
例えば特許文献１に示すように、カーペットなどの床面に落ちた髪の毛などのゴミを除去する清掃具の１つに粘着式清掃具がある。この粘着式清掃具は、粘着面が表側を向くようにロール状に巻回された粘着テープロールを専用の治具に取り付けて、粘着テープロールを床に沿って転がすことにより、ゴミを粘着面で捕捉するようになっている。
【０００３】
この治具は、シャフトの一端に粘着テープロールを回転可能に軸支する支持ローラを有し、他端に手によって把持されるグリップ部を備えており、特許文献１では、使用形態に応じてシャフトの長さを自在に伸縮調整できるようになっている。
【０００４】
ところで、この種の粘着式清掃具は、フローリングやクッションフロアなどの平滑な床面に用いた場合、粘着面が床に張り付いてしまうことがあるため、粘着力を弱くした弱粘着タイプの粘着テープロールを用いる必要がある。
【０００５】
そこで、この種の床面に対しては、例えば特許文献２に示すような、ワイプ式の掃除具がよく用いられる。このワイプ式清掃具は、シャフトの一端にユニバーサルジョイントを介して連結された板状のベースを有し、このベースに清掃シートを巻き付けた状態で固定して、床面に沿って摺動することにより、床面上のゴミを掻き集めることができるようになっている。
【０００６】
【特許文献１】特開２００４−７３５６２号公報
【特許文献２】特開平６−３１１９５４号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００７】
しかしながら、上述したように、粘着式清掃具は、カーペットや畳などに絡みついた毛やゴミを粘着面で強力に補足することができる反面、フローリング床に対しては、先般のレール引き現象を起こすおそれがある。また、粘着面が汚れると粘着力が落ちるため、汚れた粘着シートを剥がして、新しい粘着面を露出させなければならない。
【０００８】
また、ワイプ式清掃具は、床面に溜まったゴミや埃を掻き集めて、清掃シートで捕捉でき、清掃が簡単に行うことができる反面、カーペットなどに頑固に絡みついた髪の毛などを取ることは難しい。
【０００９】
したがって、粘着式清掃具とワイプ式清掃具の両方を揃えておけばよいのであるが、２種類の清掃具を用意するため、その分購入コストが高くなる。また、２つの清掃具を保管するための、収納スペースも必要となる。
【課題を解決するための手段】
【００１０】
そこで、本発明は上述した課題を解決するため、床面の種類や汚れの状況に応じて粘着式とワイプ式を使い分けることができる清掃具を提供することにある。
【００１１】
上述した目的を達成するため、本発明は、以下に示すいくつかの特徴を備えている。請求項１に記載の発明は、シャフトの一端に所定の清掃手段が取り付けられるヘッド部を有し、他端に手によって把持されるグリップ部を備えた清掃具本体と、上面に上記ヘッド部の一部が係合される係合部を有するベースユニットと、上記ヘッド部を上記ベースユニットに固定する固定カバーとを有することを特徴としている。
【００１２】
請求項２に記載の発明は、上記請求項１において、上記ベースユニットの少なくとも底面には、上記ベースユニットを被清掃面に沿って摺動させて被清掃面を清掃するための清掃シートが取り付けられるクッション部が設けられていることを特徴としている。
【００１３】
請求項３に記載の発明は、上記請求項１または２において、上記清掃手段は、粘着テープの粘着面が表側を向くように巻回されてなる粘着テープロールからなり、上記ヘッド部は、上記粘着テープロールを回転可能に軸支することを特徴としている。
【００１４】
請求項４に記載の発明は、上記請求項３において、上記係合部および上記カバーには、上記粘着面が張り付かないようにするための非粘着処理が施されていることを特徴としている。
【００１５】
請求項５に記載の発明は、上記請求項１または２において、上記ヘッド部には、帯状の清掃シートをロール状に巻回してなる清掃シートロールが回転可能に軸支されており、上記清掃シートロールから繰り出された上記清掃シートを上記ベースユニットの底部に引き回して固定することができることをを特徴としている。
【００１６】
請求項６に記載の発明は、上記請求項１ないし５のいずれか１項において、上記ベースユニットの一部には、上記清掃シートを固定するための固定手段が設けられていることを特徴としている。
【００１７】
請求項７に記載の発明は、上記請求項１ないし６のいずれか１項において、上記ベースユニットの一部には、上記清掃シートに所定の薬液を含浸させるための薬液注入孔が設けられていることを特徴としている。
【００１８】
請求項８に記載の発明は、上記請求項１ないし７のいずれか１項において、上記係合部は、上記ベースユニットの上面から上記ヘッド部の外形に沿って凹まされた係止凹部からなることを特徴としている。
【００１９】
請求項９に記載の発明は、上記請求項１ないし７のいずれか１項において、上記係合部は、上記ベースユニットの上面および底面を貫通する貫通部からなり、上記ヘッド部の一部が上記ベースユニットの底面側に露出していることを特徴としている。
【発明の効果】
【００２０】
請求項１に記載の発明によれば、粘着式の清掃具本体のヘッド部をベースユニットの上面に係合して、固定カバーでヘッド部をベースユニットに固定することにより、粘着式清掃具を簡単にワイプ式清掃具に変更することができる。なお、固定カバーは、ベースユニットに対して着脱式でも一体式であってもよい。
【００２１】
請求項２に記載の発明によれば、ベースユニットの少なくとも底面に清掃シートが取り付けられるクッション部が設けられていることにより、清掃シートをベースユニットに沿って確実に取り付けることができる。
【００２２】
請求項３に記載の発明によれば、ヘッド部に粘着面が表側を向くように巻回された粘着テープロールを装着することにより、粘着式清掃具とワイプ式清掃具の２種類の清掃具を使い分けることができる。
【００２３】
請求項４に記載の発明によれば、係合部および上記カバーには、上記粘着面が張り付かないようにするための非粘着処理が施されていることにより、粘着テープがベースユニットや固定カバーに張り付くのを防止することができる。
【００２４】
請求項５に記載の発明によれば、ヘッド部に清掃シートをロール状に巻回してなる清掃シートロールを取り付けて、清掃シートロールから繰り出された清掃シートをベースユニットの底部に引き回して固定することにより、ワイプ用の清掃シートを連続的に供給することができる。また、ロール状のワイプシートを用いることにより、保管性と利便性が向上する。
【００２５】
請求項６に記載の発明によれば、ベースユニットの一部に清掃シートを固定するための固定手段を設けたことにより、清掃シートを確実に固定することができ、床面に強く擦りつけ清掃することができる。
【００２６】
請求項７に記載の発明によれば、ベースユニットの一部に清掃シートに所定の薬液を含浸させるための薬液注入孔を設けたことにより、清掃シートに洗浄液やワックスなどを含浸させて床面を清掃することができる。
【００２７】
請求項８に記載の発明によれば、係合部は、ベースユニットの上面からヘッド部の外形に沿って凹まされた係止凹部からなることにより、係合凹部にヘッド部を合致させることにより、確実にベースユニットに固定することができる。
【００２８】
請求項９に記載の発明によれば、係合部はベースユニットの上面および底面を貫通する貫通部からなり、ヘッド部の一部をベースユニットの底面側に露出させることにより、ヘッド部に粘着テープロールを装着した状態では粘着式となり、清掃シートロールを取り付けるとワイプ式として使うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００２９】
次に、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明するが、本発明はこの限りではない。図１は、本発明の一実施形態にかかる清掃具の斜視図であり、図２は、その分解斜視図であり、図３は、中央断面図である。
【００３０】
図１および図２に示すように、この清掃具１は、シャフト２１の一端に所定の清掃手段が取り付けられる清掃具本体２と、清掃具本体２が係合されるベースユニット３と、清掃具本体２をベースユニット３に固定する固定カバー４とを備えている。
【００３１】
清掃具本体２は、シャフト２１の一端に清掃手段としての粘着テープロール２３を回転可能に軸支するヘッド部２２を有し、シャフト２１の他端には、手によって把持される図示しないグリップ部が一体的に設けられている。シャフト２１は、金属製であっても、樹脂製であってもよい。
【００３２】
この例において、シャフト２１は、一端がコ字状に折り曲げられ、ヘッド部２２の回転軸線に対してグリップ部が直交するようになっているが、例えば衣類などに付着したゴミを除去するハンディタイプの粘着式清掃具のように、グリップ部とヘッド部２２とが同軸に設けられたタイプの清掃具本体であってもよい。
【００３３】
粘着テープロール２３は、粘着テープをその粘着面が表側を向くようにしてロール状に巻回されたものからなり、所定間隔で切断用の切れ目（ともに図示しない）が設けられている。本発明において、粘着テープロール２３は、粘着面が表を向くように巻回された清掃用の粘着テープロール２３であれば、その形状や構成は任意であってよい。
【００３４】
図３を併せて参照して、ベースユニット３は、合成樹脂製の扁平な箱体を呈し、その上面には、清掃具本体２の粘着テープロール２３が係合される係合凹部３１が設けられている。係合凹部３１は、粘着テープロール２３の外周面に沿って半円状に凹まされた凹部からなり、この係合凹部３１に沿って粘着テープロール２３の一部が落とし込まれる。
【００３５】
ベースユニット３の上面にはさらに、後述する清掃シート５をベースユニット３の底面から側面を通って上面に巻回した状態で固定するための固定部３２が四隅に４カ所設けられている。この例において、固定部３２は、中央に×状に切り欠かれた切欠溝を有するゴムなどの柔軟なパネルをベースユニット３に埋め込んだものからなる。
【００３６】
ベースユニット３の底面には、クッション部３３が貼り付けられている。クッション部３３は、ウレタンフォームなどの柔軟な発泡体からなり、ベースユニット３の底面全体にわたって貼着されている。なお、クッション部３３の固定手段は、接着剤や両面粘着テープなど仕様に応じて任意に選択できる。
【００３７】
クッション部３３の表面（図３では下面）には、清掃シート５の接触面積を増やすための凹凸処理が施されていることが好ましい。
【００３８】
この例において、ベースユニット３は矩形状の箱体からなるが、例えば洗浄液やワックス液などを含浸させるため、図４（ａ）に示すように、薬液注入孔３４を設けてもよい。薬液注入孔３４は、ベースユニット３の上面から下面に向かって貫通する貫通孔からなり、上面から図示しない薬液を注入することにより、清掃シート５に薬剤を含浸させることができる。
【００３９】
この例において、薬液注入孔３４は、クッション部３３の上面に向かって開放され、薬液をクッション部３３を介して清掃シート５に供給するようにしているが、薬液注入孔３４の開放端をクッション部３３の表面に設けてもよい。この場合、清掃シート５に含浸された清掃液がクッション部３３内に逆戻りしないようにするための浸透防止膜が設けられていることが好ましい。
【００４０】
固定カバー４は、合成樹脂製の成型品からなり、中央には粘着テープロール２３の上半分を覆い隠す凹部４１が設けられている。凹部４１は、半円弧状に形成されており、その内周面には、エンボス加工など図示しない未粘着処理が施されていることが好ましい。
【００４１】
固定カバー４の側面には、シャフト２１を引き出すためのシャフト引出孔４３が設けられている。この例において、シャフト引出孔４３は、Ｕ字状に切り掛かれた切欠部からなるが、これ以外の構成であってもよい。
【００４２】
固定カバー４には、図示しない係止手段が設けられており、この係止手段を介して固定カバー４がベースユニット３に着脱可能に係止されるようになっている。本発明において、係止手段は任意である。
【００４３】
この例において、固定カバー４は合成樹脂製の矩形カバーで、着脱可能に形成されているが、これ以外に、ベースユニット３に対して一体的に成形されていてもよい。また、ベースユニット２３の係合凹部３１を跨ぐように取り付けられた伸縮式のベルトなどを用いて、粘着テープロール２３の一部を緊締して固定してもよく、粘着テープロール２３の動きを固定しておくことができれば、その使用形態は任意である。
【００４４】
清掃シート５は、例えばレーヨンやポリエステルなどの不織布シートからなり、被清掃面への接触面積を増やすとともに、全体にエンボス加工が施されている。なお、不織布の素材や成型方法、エンボスの加工方法は、仕様に応じて任意に選択される。また、不織布に所定の薬液やワックスなどをあらかじめ含浸させた湿式シートを用いてもよい。
【００４５】
この例において、清掃シート５は、１枚の矩形状シートからなるが、これ以外に、図５（ｂ）に示すように、不織布シートをロール状に巻回した清掃シートロール２４を清掃具本体２のヘッド部２２に取り付け、固定カバー４の一部に設けられた引出孔４２から清掃シート５を引き出して、ベースユニット３に取り付けるようにしてもよい。このような態様も本発明に含まれる。
【００４６】
図５は、清掃具の変形例を示す分解斜視図である。なお、上述した実施形態と同一と見なされる箇所には同じ参照符号を付し、その説明は省略する。この清掃具１ａの特徴は、ベースユニット３に設けられた係合凹部３１ａが、ベースユニット３の上面から下面に向かって貫通していることにある。
【００４７】
この例において、クッション部３３は、係合凹部３１ａを残すようにベースユニット３の底面の前端側のほぼ半分にのみ設けられている。なお、クッション部３３にブラシ毛などを設けておき、ゴミを掻き取ることができるようにしてもよい。
【００４８】
これによれば、図６（ａ）に示すように、係合凹部３１ａに粘着テープロール２３を取り付けることにより、ベースユニット３の底部に粘着テープロール２３の粘着面が露出して、床面Ｆに接触するため、通常時は粘着式清掃具として使用することができる。また、ベースユニット３に清掃シート５を巻回した状態ではワイプ式清掃具として使用することができる。なお、ベースユニット３を摺動した際、清掃シート５が撚れないように、粘着テープロール２３の回転を拘束するストッパ手段をさらに備えることがより好ましい。
【００４９】
これ以外に、図６（ｂ）に示すように、粘着テープロール２３に代えて清掃シートロール２４を用いて、清掃シート５を引き出して、ベースユニット３に取り付けてもよい。このような態様も本発明に含まれる。
【００５０】
ベースユニット３の底部の後端側には、これら粘着テープや清掃シートを切断するための切断部３５が設けられていることが好ましい。この例において、切断部３５はベースユニット３の後端に一体的に形成された山切り刃が用いられている。
【００５１】
次に、この清掃具１の使用手順の一例について図１〜図３を参照して説明する。まず、あらかじめヘッド部２２に粘着テープロール２３が取り付けられた清掃具本体２を用意しておく。
【００５２】
次に、ベースユニット３の係合凹部３１に粘着テープロール２３をはめ込んだのち、その上から固定カバー４を被せてベースユニット３と固定カバー４とを固定する。これにより、ベースユニット３に清掃具本体２が固定される。
【００５３】
この状態において、清掃シート５をベースユニット３の底面に沿って置いたのち、その両端をベースユニット３の上面側に折り曲げ、固定部３２に差し込むことにより、ベースユニット３に清掃シート５が巻回された状態で固定される。
【００５４】
この状態で使用者は、清掃具本体２の図示しないグリップ部を把持して、ベースユニット３を床面Ｆに沿って摺動することにより、床面Ｆ上に落ちたゴミを清掃シート５で回収することができる。
【図面の簡単な説明】
【００５５】
【図１】本発明の一実施形態に係る清掃具の斜視図である。
【図２】上記清掃具の分解斜視図である。
【図３】上記清掃具の中央縦断面図である。
【図４】（ａ）（ｂ）清掃具の変形例を示す断面図である。
【図５】上記清掃具の別の変形例を示す分解斜視図。
【図６】（ａ）（ｂ）図５に示す変形例の
【符号の説明】
【００５６】
１ 清掃具
２ 清掃具本体
３ ベースユニット
４ 固定カバー
５ 清掃シート
【特許請求の範囲】
【請求項１】
シャフトの一端に所定の清掃手段が取り付けられるヘッド部を有し、他端に手によって把持されるグリップ部を備えた清掃具本体と、上面に上記ヘッド部の一部が係合される係合部を有するベースユニットと、上記ヘッド部を上記ベースユニットに固定する固定カバーとを有することを特徴とする清掃具。
【請求項２】
上記ベースユニットの少なくとも底面には、上記ベースユニットを被清掃面に沿って摺動させて被清掃面を清掃するための清掃シートが取り付けられるクッション部が設けられていることを特徴とする請求項１に記載の清掃具。
【請求項３】
上記清掃手段は、粘着テープの粘着面が表側を向くように巻回されてなる粘着テープロールからなり、上記ヘッド部は、上記粘着テープロールを回転可能に軸支することを特徴とする請求項１または２に記載の清掃具。
【請求項４】
上記係合部および上記カバーには、上記粘着面が張り付かないようにするための非粘着処理が施されていることを特徴とする請求項３に記載の清掃具。
【請求項５】
上記ヘッド部には、帯状の清掃シートをロール状に巻回してなる清掃シートロールが回転可能に軸支されており、上記清掃シートロールから繰り出された上記清掃シートを上記ベースユニットの底部に引き回して固定することができることを特徴とする請求項１または２に記載の清掃具。
【請求項６】
上記ベースユニットの一部には、上記清掃シートを固定するための固定手段が設けられていることを特徴とする請求項１ないし５のいずれか１項に記載の清掃具。
【請求項７】
上記ベースユニットの一部には、上記清掃シートに所定の薬液を含浸させるための薬液注入孔が設けられていることを特徴とする請求項１ないし６のいずれか１項に記載の清掃具。
【請求項８】
上記係合部は、上記ベースユニットの上面から上記ヘッド部の外形に沿って凹まされた係止凹部からなることを特徴とする請求項１ないし７のいずれか１項に記載の清掃具。
【請求項９】
上記係合部は、上記ベースユニットの上面および底面を貫通する貫通部からなり、上記ヘッド部の一部が上記ベースユニットの底面側に露出していることを特徴とする請求項１ないし７のいずれか１項に記載の清掃具。
【請求項１】
シャフトの一端に所定の清掃手段が取り付けられるヘッド部を有し、他端に手によって把持されるグリップ部を備えた清掃具本体と、上面に上記ヘッド部の一部が係合される係合部を有するベースユニットと、上記ヘッド部を上記ベースユニットに固定する固定カバーとを有することを特徴とする清掃具。
【請求項２】
上記ベースユニットの少なくとも底面には、上記ベースユニットを被清掃面に沿って摺動させて被清掃面を清掃するための清掃シートが取り付けられるクッション部が設けられていることを特徴とする請求項１に記載の清掃具。
【請求項３】
上記清掃手段は、粘着テープの粘着面が表側を向くように巻回されてなる粘着テープロールからなり、上記ヘッド部は、上記粘着テープロールを回転可能に軸支することを特徴とする請求項１または２に記載の清掃具。
【請求項４】
上記係合部および上記カバーには、上記粘着面が張り付かないようにするための非粘着処理が施されていることを特徴とする請求項３に記載の清掃具。
【請求項５】
上記ヘッド部には、帯状の清掃シートをロール状に巻回してなる清掃シートロールが回転可能に軸支されており、上記清掃シートロールから繰り出された上記清掃シートを上記ベースユニットの底部に引き回して固定することができることを特徴とする請求項１または２に記載の清掃具。
【請求項６】
上記ベースユニットの一部には、上記清掃シートを固定するための固定手段が設けられていることを特徴とする請求項１ないし５のいずれか１項に記載の清掃具。
【請求項７】
上記ベースユニットの一部には、上記清掃シートに所定の薬液を含浸させるための薬液注入孔が設けられていることを特徴とする請求項１ないし６のいずれか１項に記載の清掃具。
【請求項８】
上記係合部は、上記ベースユニットの上面から上記ヘッド部の外形に沿って凹まされた係止凹部からなることを特徴とする請求項１ないし７のいずれか１項に記載の清掃具。
【請求項９】
上記係合部は、上記ベースユニットの上面および底面を貫通する貫通部からなり、上記ヘッド部の一部が上記ベースユニットの底面側に露出していることを特徴とする請求項１ないし７のいずれか１項に記載の清掃具。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【公開番号】特開２００８−２８９７５８（Ｐ２００８−２８９７５８Ａ）
【公開日】平成２０年１２月４日（２００８．１２．４）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００７−１３９９２１（Ｐ２００７−１３９９２１）
【出願日】平成１９年５月２８日（２００７．５．２８）
【出願人】（３９０００３５６２）株式会社ニトムズ (64)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２０年１２月４日（２００８．１２．４）
【国際特許分類】
【出願日】平成１９年５月２８日（２００７．５．２８）
【出願人】（３９０００３５６２）株式会社ニトムズ (64)
【Ｆターム（参考）】
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